JP3758076B2 - クーリング機能に優れる編物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体で産生された熱を、汗の蒸発潜熱を利用して放散することにより、クーリング機能を高め、暑熱感を抑制することを可能にし、むれ感も小さく維持できる、スポーツウェア、作業衣等の衣服、あるいは寝装品等に用いられる編物に関する。
【0002】
【従来の技術】
運動すると体内で産熱が急激に増加する。このとき、身体からの放熱が追いつかなくなり産放熱のバランスが崩れ、暑熱感が大きくなり体温が上昇し身体にも負担をかけることになる。従来、吸汗速乾素材の開発は数多くされてきているが、多くは、汗の水分による不快感を小さくすること、あるいは、吸汗することでウェアが重たくなるが、それを防ぐことを追求してきた。汗は本来、体温上昇を抑えるための身体の反応であり、その役割を十分に発揮させることが最も重要である。そのためには、汗の蒸発効率を良くすることが必要である。
【0003】
従来から、汗の水分による不快感を小さくする方法として、目的に合わせて各種方法がとられてきた。例えば、むれ感を小さくするために、吸湿性繊維の活用、あるいは、吸湿性繊維と非吸湿性繊維の適切な配置等を行ってきた。このむれ感とは、肌と衣服との間の空間の湿度が高いと感じる感覚であると言われており、上記方法をとることによって、湿度を低くすることが可能であった。したがって、間接的には汗の蒸発効率を高めることにはなるが、その効果は不十分であった。
【0004】
また、ぬれ感を小さくするために、吸水能力の異なる層を組合せる方法、すなわち、肌側よりも外気側に吸水能力の高い層を配置する方法をとってきた。該方法では、汗の吸汗性、移行性が優れるため、間接的には汗の蒸発効率を高める効果はあるが、その効果は不十分であった。
【0005】
あるいは、異型断面疎水性フィラメントの活用、異繊度フィラメントを組合せ毛細管現象を促進する方法等により、吸水した汗を素早く蒸発させ、吸水できない汗は落とす方法をとってきた。該方法では、吸水された汗は速く蒸発するため吸水された汗の蒸発効率は高くなるが、吸水できなかった汗は肌を伝って流れ落ちるため、全体の汗の蒸発効率としては不十分であった。また、疎水性繊維のみで構成すると、吸湿性に乏しく、着用時にむれ感が生じやすかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上より、汗の水分に対する不快感を小さくする工夫はさまざまな方法がとられてきたが、汗本来の目的である、汗の蒸発効率を高め暑熱感を小さくすると同時に体温の上昇を防ぐ、クーリング機能は不十分であった。本発明は、身体で産生された熱を、汗の蒸発潜熱を利用して放散することにより、クーリング機能を高め、暑熱感を抑制することを可能にすることを目的とする。該目的を達成するために、汗を速やかに吸収し、肌側面から外気側面に速やかに移行させ、外気側面への汗の広がり面積を大きくして、蒸発面積を大きくし汗の蒸発速度を高め、かつ、通気性を高めることで、流れ落ちる汗を減少させて、肌から直接汗を蒸発させることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる目的を達成するために、次の構成を有する。即ち、主として生地の外気側面に綿糸とポリエステルフィラメントとが混在し、ウェール方向および/またはコース方向に交互に配置され、主として生地の肌側面にポリエステルフィラメントが位置する編み組織であり、以下の範囲の性能を有することを特徴とする、クーリング機能に優れる編物である。
1)吸水時間 : 10sec以下
2)吸水量 : 100〜300g/m2以下
3)通気性 : 90cc/cm2・sec以上
4)水拡散面積: 5.0cm2以上
5)乾燥速度 : 90g/m2・hr以上
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。主として生地の肌側面に存在する吸水能力の劣る繊維とは、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン、等の疎水性繊維のことをいう。特に、ポリエステルが取り扱い性に優れる点で好ましい。繊度、断面形状に特に限定はないが、1種類の繊維を使用する場合、繊度は1〜3デニールが適当である。より好ましくは、吸水能力に劣る繊維の繊度、断面形状を変化させて水の移動速度を高めることが望まれる。具体的には、異なる繊度の繊維を混合すること、あるいは、繊維長手方向に溝のある繊維を用いること等が挙げられる。特に、異なる繊度の繊維が層構造を構成し、外層より内層の繊度を小さくすると、水の拡散速度だけでなく肌からの汗の吸い上げ性に優れるので好ましい。繊度構成は、太い繊維が1〜3デニール、細い繊維が0.1〜2.0デニールであると効果的である。また、繊維表面に溝を形成する場合は、繊維断面に溝が3個以上存在し、繊維長手方向に連続して存在することが水の拡散速度に優れ好ましい。特に、3〜5個の溝であると、水の保持能力は小さいままで水の移動速度は非常に速く好ましい。また、吸水能力に劣る繊維は、ステープルではなく、フィラメントを使用することが好ましい。なぜなら、フィラメントの方が、汗が拡散されやすく、かつ、繊維間に汗が保持されにくくなり、汗が吸水能力に優れる繊維側に移行されやすい状態を作るからである。フィラメントの構造は捲縮形態をとってもとらなくても構わない。が、捲縮形態をとらないフィラメントを使うことにより、外気側面への汗の移行性にすぐれ、かつ、肌接触時の接触冷感も大きくなり好ましい。しかしながら、捲縮形態をとらないフィラメントのみであると、風合いがかたくなるため、捲縮形態をとるフィラメントと、捲縮形態をとらないフィラメントとが混在していることが望ましい。また、フィラメントの撚り数は1000回/m以上では、水が繊維間を伝わりにくくなるので、1000回/m以下、望ましくは800回/m以下が適当である。さらに望ましくは100〜500回/mであると水の移動速度が速く適当である。0〜100回/mの撚り数では若干水の移動速度は遅くなるが、風合いはソフトになるので撚りが無い糸でも構わない。また、吸水能力の劣る繊維として、複合糸にすることで本性能を発揮するものでも構わない。具体的には、外層がポリエステルフィラメント、内層が綿、または、外層がポリエステルフィラメント、中間層が綿、最内層がポリエステルフィラメントから構成される複合糸を使うことで、外気側面に汗が移行する速度を高める性能が発揮され、実質的に吸水能力の劣る繊維としての使用が可能となる。
【0009】
主として、生地の外気側(表側)面に位置する吸水能力の優れた繊維とは、綿、ポリノジック、アクリレート系繊維、等の親水性繊維、あるいは、繊維間に水を保持する能力の高い、細い繊度の疎水性繊維のことをいう。疎水性繊維の繊度は0.1〜1.5デニールであり、かつ、その他の繊維の繊度よりも小さいことが必要である。疎水性繊維はポリエステル、アクリル、等特に限定はしない。また、親水性繊維、疎水性繊維とも、フィラメントよりもステープルの方が水を保持しやすいので適当である。これらの繊維の中で、特に、取り扱い性に優れ、かつ、吸湿性にも優れる綿が好ましい。吸水能力の優れた繊維は、番手、撚り数等、特に限定はない。しかしながら、太すぎる糸は保持外気側面での汗の広がりが悪くなるので、30番手以上であることが望ましい。また、撚り数は高すぎると水を保持しなくなるので、撚り係数K=6.5以下であると適度に水を保持して好ましい。より好ましくは撚り係数K=5.0以下であると、水保持性が適当である。一方、糸質の点から撚り係数K=2.5以上であることが好ましい。また後述する通気性の点から撚り係数K=3.0以上が好ましい。外気側に吸水能力に優れる繊維を使用することにより、主として肌側に位置する吸水能力に劣る繊維から汗を吸い上げ、保持する性能が高まる。また、吸水能力に優れる繊維が外気側に偏在することにより、外気側の水分濃度が高まり、汗の蒸発も速まる。
【0010】
主として、生地の外気側(表側)面に位置する水拡散能力の優れた繊維とは、ポリエステルやポリウレタン、等の疎水性繊維からなるフィラメントのことをいう。特に、ポリエステルが取り扱い性に優れ好ましい。水拡散能力に優れる繊維の繊度、断面形状等、特に限定はない。が、生地の肌側面(裏側)を構成する繊維よりも繊度が小さいと毛細管現象が生じやすく水の移行性が優れ好ましい。断面形状は、望ましくは繊維長手方向に、3〜5個の溝が形成されていると水が拡散しやすく適当である。また、水拡散能力に優れる繊維は、ステープルではなく、フィラメントである理由は、フィラメントの方が、汗が繊維表面を伝わっていく距離が長く拡散されやすいからである。また、水拡散能力に優れる繊維は捲縮形態をとってもとらなくても構わない。が、捲縮構造をとって水拡散能力に水保持能力も付加されていると吸水時間、乾燥速度の点からより好ましい。
【0011】
本発明の、吸水時間は、30μlの水滴を約1cmの高さから落として、完全に吸水するまでの時間である。この時間が10秒以下でないと汗を速やかに衣服に吸い取ることができない。好ましくは、5秒以下であると肌に汗を残しにくい。この性能を得るには、水拡散能力に優れる繊維、吸水能力の劣る繊維に、吸水加工を施すことが特に重要である。
【0012】
本発明の、吸水量は、ラローズ法(東洋紡エンジニアリング(株)製)により、5分間の吸水量を求める。本方法は、抱水したグラスフィルターの上に直径6cmの編物を置き、上から真鍮製の480gの重りを置き、編物が所定時間に吸い上げる水の量を測定する方法である。試料は、20℃、65%RH環境下で十分調湿した試料を使用する。本方法で、100g/m2以上の吸水量を有しないと肌に汗が残留しやすくなる。あるいは、外気側面に汗が移行しきれなくなって、肌側面に汗が残存しやすくなり、流れ落ちる汗が多くなる。流れ落ちる汗が多くなると汗の蒸発潜熱が減少し、クーリング機能が低下する。望ましくは、130g/m2以上あると肌側面に汗が残存しにくい。しかしながら、300g/m2以上になると、発汗時ウェアが重くなり過ぎるので、好ましくない。上記範囲内の吸水量を得るには、外気側(表側)の吸水能力に優れた繊維の混率が全体の20%以上80%以下であることが必要である。望ましくは、25%以上70%以下であるとより適切な吸水量を得ることができる。
【0013】
本発明の通気性は、JIS L−1096の通気性試験A法で測定する。本方法での通気性が、90cc/cm2・sec以上であると、肌から直接編地の隙間を通って汗が蒸発しやすいので、流れ落ちる汗が少なくなり汗の蒸発効率を高めることができる。尚、140cc/cm2・sec以上であると、さらに汗が肌から直接蒸発する量が多くなり通気による放熱効果が発揮されやすくなる。上記範囲内の通気性を得るには、ゲージ、編み組織、糸番手、撚り数等が関係し、各々のバランスをとる設定が必要である。特に毛羽の多いステープルを使用する場合は、撚り係数K=3.0以上であることが好ましい。
【0014】
本発明の水拡散面積とは、色水1滴0.055gを、編物の肌側面から付与し、吸水して2分後にCCDカメラで画像を取り込み、水付与前後の画像を減算して、2値化処理を行い、水拡散面積を画素数で求める。一方、面積のわかっている画像を取り込み、画素数を求めておく。そして、先の画素数で求めた水拡散面積を、面積のわかっている画像の画素数と実面積を用いて、実面積(cm2)に換算する。色水は、粘度が水に近いものであり、水がどこまで広がったかを把握できるものであれば特に限定はない。試料が濃色で2値化処理が難しい場合は、赤外線カメラを用い、水の吸収波長の1つ1.45μmに透過ピークを持つフィルターを通して、水分散画像を取り込む。水拡散面積が5.0cm2以上であると、汗が濡れ広がり、蒸発面積が大きくなり、汗が蒸発されやすいことを意味する。望ましくは、水拡散面積が6.0cm2以上であると、より汗の蒸発が促進されて効果的である。さらに望ましくは、7.0cm2以上であると、非常に蒸発潜熱が高まりクーリング効果に優れる。上記の水拡散面積を得るには、主として生地の外気側面に吸水能力の優れた繊維と水拡散能力の優れた繊維とが混在し、主として生地の肌側面に吸水能力の劣る繊維が位置する編み組織にすることが必要である。各種繊維については、既に記載した通りである。望ましいのは、肌側面が主としてポリエステルフィラメントからなり、他方の外気側面が主として綿糸とポリエステルフィラメントとが混在して位置している組合せである。このとき特に重要なのは、外気側面の吸水能力に優れる繊維と水拡散能力の優れる繊維とが、混在していることである。混在とは、両繊維の一方の繊維がかたまって配置されることなく、分散して配置されることを意味する。混在することにより、吸水能力と水拡散能力のバランスがとれ、水拡散面積を大きくすることができる。望ましくは、外気側面を構成する糸において、吸水能力に優れる繊維と水拡散能力の優れる繊維とが、ウェール方向および/またはコース方向に交互に配置することが望ましい。具体的には、ウェール方向およびコース方向に交互に配置される1例として挙げると、吸水能力に優れる繊維をAとして、水拡散能力に優れる繊維をBとすると、コース方向にA、B、A、B、A、B…と配置され、次の段ではB、A、B、A、B、A…と配置されることを意味する。この間隔が例のように、1本置きの場合もあれば、2本置き、3本置き等の場合がある。さらには、A、A、B、A、A、B…と完全な交互でなくてもよく、コース方向には、A、A、B、B、A、A、B、B…と配置されウェール方向には、A、B、A、B…と配置されるような異なる交互の配置でも構わない。ウェール方向に交互に配置される例としては、1コース目が繊維A、2コース目が繊維Bから構成される場合が挙げられる。例のように1コース置きの場合もあれば、2コース置き、3コース置き、あるいは、不規則に3コースに1コースのみ異なる繊維を配置する場合もある。好ましくは、ウェール方向およびコース方向両方向に交互に吸水能力に優れる繊維と水拡散能力に優れる繊維が配置されると、水拡散面積が大きくなりやすくクーリング効果が発揮され適当である。尚、あまり同一素材が連続して配置されると水拡散面積が大きくならないので、ウェール方向を構成する糸5本、コース方向を構成する糸5本の中で、吸水能力に優れる繊維または水拡散能力に優れる繊維の一方が80%以上を占めるのは望ましくない、より望ましくは両繊維が70%以下であることが水拡散面積を大きくする効果が発揮されやすい。
【0015】
本発明の乾燥速度とは、10cm×10cmの試料を水に十分浸漬した後、洗濯機で15秒脱水し、1時間ごとに重量を測定する。その際、フィルムを敷いて、肌面を下側(フィルム側)にし、表側(外気側)からの蒸発だけを測定するようにする。本値が、90g/m2・hr以上であると汗の蒸発が速く、放熱性に優れる効果を示す。望ましくは、100g/m2・hr以上であると、熱を奪う速度が速く効果的である。具体的には、吸水能力に優れる繊維が、編地全体に対して、外気側面に集中して配置されることで、汗が外気側に偏在し、乾燥速度が高まる。外気側面に集中して配置されるということは、吸水能力の高い繊維が、編地両面のうち外気側面に60〜100%配置しているという状態を意味する。好ましくは、外気側面に80〜100%配置されていると、汗の偏在性が高まり、乾燥速度も高くなる。
【0016】
本発明の、組織はコードインレー、表鹿の子、リバースインターロック、天竺等、特に限定しない。しかしながら、外気側面の吸水能力に優れる繊維と水拡散能力の優れる繊維とは、混在している組織にすること、かつ、肌側面に吸水能力の劣る繊維を多く配置することが必要である。また、吸水能力を高めるため、吸水加工を施すことが望まれる。吸水加工をすることで、肌側面から外気側面への汗の移行性が非常に高まるので、乾燥速度、水拡散面積、吸水時間、吸水量の向上に作用する。
【0017】
尚、本発明の編物は、主としてスポーツ衣料、作業衣、インナー等の汗をかくウェアに用いられるものに使われるが、寝装品等、用途は特に限定しない。
【0018】
次に実施例および比較例を示すが、本発明の編織物は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0019】
(実施例1)
外気側に綿30'sとポリエステルフィラメントの捲縮糸150デニールが混在し、肌側に捲縮のほとんどないポリエステルフィラメント75デニールを配置させるように、鹿の子組織で編成した。外気側のポリエステルと綿との配置は、コース方向、ウェール方向ともに1本交互に配置するようにした。すなわち、コース方向にもポリエステル、綿、ポリエステル、綿と続き、ウェール方向にもポリエステル、綿、ポリエステル、綿と続く。肌側面に綿全体の20%の綿が配置するようにした。混率は、ポリエステル50%、綿50%である。吸水加工は実施している。綿の撚り係数はK=3.7である。捲縮のほとんどないポリエステルフィラメントの撚り数は200回/mである。
【0020】
(実施例2)
外気側に綿30'sとポリエステルフィラメントの捲縮糸150デニールが混在し、肌側に捲縮のほとんどないポリエステルフィラメント75デニールを配置させるように、天竺組織で編成した。外気側面のポリエステルと綿との配置は、コース方向は同一素材で、ウェール方向に1本交互にポリエステルと綿とが配置されるようにした。肌側面に綿全体の10%の綿が配置するようにした。混率は、ポリエステル50%、綿50%である。吸水加工は実施している。綿の撚り係数は、K=4.0である。捲縮のほとんどないポリエステルフィラメントの撚り数は100回/mである。
【0021】
(実施例3)
外気側に綿40'sとポリエステルフィラメントの捲縮糸150デニールが混在し、肌側にポリエステル系コンジュゲートフィラメント75デニールを配置させるように、表鹿の子組織で編成した。外気側面のポリエステルと綿との配置は、コース方向には3本交互で、ウェール方向には1本交互で配置するようにした。すなわち、コース方向にはポリエステル、ポリエステル、ポリエステル、綿、綿、綿と続き、ウェール方向にはポリエステル、綿、ポリエステル、綿と続く。肌側面に綿全体の20%の綿が配置するようにした。混率は、ポリエステル50%、綿50%である。吸水加工は実施している。綿の撚り係数はK=3.7である。ポリエステル系コンジュゲートフィラメントの撚り数は500回/mである。
【0022】
(実施例4)
外気側に綿30'sとポリエステルフィラメントの捲縮糸150デニールが混在し、肌側に捲縮のほとんどないポリエステルフィラメント75デニールと捲縮のあるポリエステルフィラメント75デニールを配置させるように、鹿の子組織で編成した。外気側のポリエステルと綿との配置は、コース方向、ウェール方向ともに1本交互に配置するようにした。すなわち、コース方向にもポリエステル、綿、ポリエステル、綿と続き、ウェール方向にもポリエステル、綿、ポリエステル、綿と続く。肌側面に綿全体の10%の綿が配置するようにした。混率は、ポリエステル60%、綿40%である。吸水加工は実施している。綿の撚り係数はK=3.7である。捲縮のほとんどないポリエステルフィラメントの撚り数は100回/mである。
【0023】
(実施例5)
外気側に綿30'sとポリエステルフィラメントの捲縮糸150デニールが混在し、肌側に最外層ポリエステルフィラメント、中間層に綿、最内層にポリエステルフィラメントからなる複合を配置させるように、鹿の子組織で編成した。外気側のポリエステルと綿との配置は、コース方向、ウェール方向ともに1本交互に配置するようにした。すなわち、コース方向にもポリエステル、綿、ポリエステル、綿と続き、ウェール方向にもポリエステル、綿、ポリエステル、綿と続く。主として外気側に配置される綿糸は、肌側面に約20%が配置するようにした。混率は、ポリエステル40%、綿60%である。吸水加工は実施している。綿の撚り係数はK=3.7である。複合糸の撚り係数はK=4.0である。
【0024】
(比較例1)外気側に綿30'sとポリエステルフィラメントの捲縮糸150デニールが混在し、肌側にポリエステルフィラメントの捲縮糸75デニールを配置させるように、鹿の子組織で編成した。外気側のポリエステルと綿との配置は、コース方向、ウェール方向ともに1本交互に配置するようにした。すなわち、コース方向にもポリエステル、綿、ポリエステル、綿と続き、ウェール方向にもポリエステル、綿、ポリエステル、綿と続く。肌側面に綿全体の20%の綿が配置するようにした。混率は、ポリエステル50%、綿50%である。吸水加工は実施している。綿の撚り係数はK=3.7である。捲縮のほとんどないポリエステルフィラメントの撚り数は200回/mである。
【0025】
(比較例2)外気側に綿30's、肌側にほとんど捲縮のないポリエステルフィラメント75デニールを配置させるように、鹿の子組織で編成した。混率は、ポリエステル50%、綿50%である。吸水加工は実施している。綿の撚り係数はK=3.7である。捲縮のほとんどないポリエステルフィラメントの撚り数は200回/mである。
【0026】
(比較例3)外気側にポリエステルフィラメントの捲縮糸75デニール、肌側に綿30'sを配置させるように、鹿の子組織で編成した。混率は、ポリエステル50%、綿50%である。吸水加工は実施している。
【0027】
(比較例4)綿30'sで鹿の子組織ニットを作成した。
【0028】
(比較例5)外気側は綿30'sとポリエステルフィラメントの捲縮糸150デニールから構成し、肌側は捲縮のほとんどないポリエステルフィラメント75デニールから構成するように、鹿の子組織で編成した。外気側のポリエステルと綿との配置は、コース方向、ウェール方向ともに、綿5本にポリエステル1本の並びで繰り返し配置するようにした。すなわち、コース方向にもウェール方向にもポリエステル、ポリエステル、ポリエステル、ポリエステル、綿と続く。肌側面には綿全体の5%の綿が配置するようにした。混率は、ポリエステル30%、綿70%である。吸水加工は実施している。綿の撚り係数はK=3.7である。捲縮のほとんどないポリエステルフィラメントの撚り数は200回/mである。
【0029】
クーリング効果については、着用テストを実施し着用感を評価した。方法は、評価試料で半袖ポロシャツを作成し、30℃、70%RHの環境下で、安静15分⇒踏み台昇降5分⇒休憩10分⇒踏み台昇降5分⇒休憩10分の手順で男性6名で実施した。
【0030】
評価結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】
本発明により得られた編物は、汗の蒸発潜熱を利用して、身体からの放熱を促進することにより、クーリング機能を効果的に発揮させ暑熱感の小さい衣服を提供し得ることを可能とした。
Claims (2)
- 主として生地の外気側面に綿糸とポリエステルフィラメントとが混在し、ウェール方向および/またはコース方向に交互に配置され、主として生地の肌側面にポリエステルフィラメントが位置する編み組織であり、以下の範囲の性能を有することを特徴とするクーリング機能に優れる編物。
1)吸水時間 : 10sec以下
2)吸水量 : 100〜300g/m2以下
3)通気性 : 90cc/cm2・sec以上
4)水拡散面積: 5.0cm2以上
5)乾燥速度 : 90g/m2・hr以上 - 肌側面を主として構成するポリエステルフィラメントの繊維長手方向に3〜5個の溝を有していることを特徴とする請求項1記載のクーリング機能に優れる編物。
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