JP3176736B2 - 衣料用編地の製造方法 - Google Patents

衣料用編地の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,衣料用編地に関し,詳
しくは,吸発汗性に優れ,発汗時に不快感を与えず,汗
を速やかに発散させることができる衣料用編地に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来,衣料用編地特に発汗の激しい状態
で着用されるスポーツ衣料の中の各種競技用シャツ地に
関しては,ポリエステル長繊維糸条100%の編地や,
表面に光沢ポリエステル長繊維糸条,裏面にポリエステ
ル長繊維糸条と綿または綿/ポリエステル混紡糸条とを
交編した編地が主流である。
【0003】これらの編地は,運動時の発汗に対してほ
とんど汗を吸収しないものであったり,汗は吸収する
が,べとつきやまつわりつき現象を生じ,不快感を伴う
ものが多く,また,裏面に混紡糸を交編した編地は,混
紡糸の毛羽が編地表面を形成する光沢ポリエステル長繊
維糸条の間から露出し,表面の光沢感を害するだけでな
く,ピリングの発生によって商品感を乏しくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,これらの従
来の欠点を解消するものであって,汗を速やかに発散さ
せることができて不快感を和らげることができる,着心
地のよい,かつ表面の美しい競技用シャツ地を提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するものであり,次の構成を有するものである。
すなわち,本発明は,編地の表面には,沸水収縮率が3
%以上異なる2以上の繊維群からなり,かつ各繊維群が
単糸繊度3デニール以上の太繊度繊維と単糸繊度1.5デ
ニール以下の細繊度繊維をそれぞれの繊維群の構成単糸
数の5%以上含み,かつ全構成単糸の断面形状が偏平幹
部と突起部とをもつ回転非対称形状からなる偏平断面形
状であり,それぞれ繊維群の断面形状が3種類以上で構
成されたポリエステル系異収縮異繊度異形混繊糸条を用
い,編地の裏面には,単糸繊度が2.0デニール以下のポ
リエステル系繊維糸条を用い,両面編機にてシリンダー
針およびダイヤル針のうちいずれか一方をタック編する
ことにより編地の表面と裏面が連結される編組織で編成
し,染色仕上げすることを特徴とする衣料用編地の製造
方法を要旨とするものである。
【0006】以下,本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明では,編地の表面に使用する素材
は,沸水収縮率が3%以上異なる2以上の繊維群からな
り,かつ各繊維群が単糸繊度3デニール以上の太繊度繊
維と単糸繊度1.5デニール以下の細繊度繊維をそれぞれ
の繊維群の構成単糸数の5%以上含み,かつ全構成単糸
の断面形状が偏平幹部と突起部とをもつ回転非対称形状
からなる偏平断面形状であり,それぞれ繊維群の断面形
状が3種類以上で構成されたポリエステル系異収縮異繊
度異形混繊糸条を用いる。
【0008】2以上の繊維群の沸水収縮率の差は3%以
上あることが必要であり,特に好ましい沸水収縮率差は
5〜30%である。沸水収縮率差が3%未満の場合に
は,ほとんど異収縮による糸条のふくらみ効果は現れ
ず,また,逆に多すぎると,単糸間の集束性が低下し,
加工工程でトラブルの原因となるので好ましくない。
【0009】糸条を構成する各繊維群は,単糸繊度が3
デニール以上の太繊度繊維と単糸繊度が1.5デニール以
下の細繊度繊維をそれぞれ繊維群の構成単糸数の5%以
上含んでいることを必要とする。太繊度繊維の存在によ
って,編地にハリ,コシあるいはドライ感等の感触を呈
せしめ,細繊度繊維の存在によって,優れたソフト感,
ドレープ性を呈せしめることができる。
【0010】太繊度繊維の単糸繊度は3デニール以上
あることが必要であるが,より好ましくは4〜7デニー
ルである。太繊度繊維の単糸繊度が3デニール未満
は,単糸繊維の断面積が小さすぎて,単糸繊維にかかる
横方向の力や曲げ,捩じれに対する反発力が期待できな
くなり,ハリ,コシのない編地になってしまう。3デニ
ール以上の太繊度繊維は,各繊維群の構成フィラメント
数の5%以上含むようにすることが必要であるが,好ま
しくは10〜50%含むようにする。3デニール以上の
太繊度繊維が構成フィラメント数の5%未満では,太繊
度繊維の存在が少なすぎて反発力が期待できず,ハリ,
コシがない編地になってしまう。また,3デニール以上
の太繊度繊維が構成フィラメント数の50%を超える
と,太繊度繊維の影響が大きくなりすぎて,ドレープ
性,ソフト感に欠けた剛直な風合になってしまうので好
ましくない。
【0011】一方,細繊度繊維の単糸繊度は1.5デニー
ル以下であることが必要であるが,この細繊度繊維の存
在によってドレープ性,ソフト感が得られる。この1.5
デニール以下の細繊度繊維は,構成フィラメント数の5
%以上含まれていることが必要であるが,好ましくは2
0〜80%である。1.5デニール以下の細繊度繊維が構
成フィラメント数の5%未満では,細繊度繊維の影響が
小さく,太繊度繊維のほうの風合が出すぎて,ドレープ
性,ソフト感に欠けた剛直な風合になってしまうので好
ましくない。
【0012】本発明の目的を最も効果的に達成するに
は,各単糸の断面形状を異形断面にすることにより,単
糸繊維間の空隙部をいかに多くするかが重要な要因とな
る。このため,本発明で用いる糸条を構成する各単糸の
断面形状として実質的に直線状の偏平幹部と突起部とを
もつ回転非対称形状からなる偏平断面形状のものを用い
ると,編地になるまでの工程で糸条に作用する廻力や編
成時の衝撃等によって単糸繊維同士が密着しても,単糸
繊維間の空隙部の減少が抑制され,良好な空隙部をつく
り出すことができる。また,断面形状に3種類以上の変
化をもたせることによって,極めて良好な風合,マイル
ドな光沢感,複雑な空隙部がつくり出され,さらに,こ
の空隙部は,前記した異収縮効果と異繊度混繊によって
より複雑な空隙部となり,毛細管現象によって極めて良
好な拡散機能を有する編物が得られる。図1は,本発明
でいう回転非対称形状を有する典型的な単糸の断面形状
の例であり,Xは偏平幹部,Yは突起部である。
【0013】本発明でいう混繊糸とは,沸水収縮率の異
なる糸条,断面形状の異なる糸条,繊度の異なる糸条が
渾然一体に混ざり合ったフィラメント糸条である。繊維
糸条は,原糸のまま用いて編成してもよく,また,仮撚
加工あるいは圧縮空気による交絡処理を行った糸条を用
いて編成してもよい。
【0014】次に,本発明で編地の裏面には,単糸繊度
2デニール以下のポリエステル系繊維を用いる。本発明
において裏面を形成する糸条の単糸繊度は,汗の吸い上
げをよくするとともに,皮膚と編地との接触による皮膚
の刺激を軽減させてソフト感をもたせるために,2デニ
ール以下にすることが必要である。単糸繊度が2デニー
ルを超えると,汗の吸い上げ効果が十分でなく,また,
ざらついた接触感を伴い,ときには皮膚障害等をもたら
すおそれがあるので好ましくない。また,用いる糸条と
しては,よりソフト感をもたせるために仮撚加工糸を用
いるのが好ましい。
【0015】
【作用】本発明にあっては,上記のような構成を有する
ので,汗を速やかに吸い上げて発散させることができ
て,表面がマイルドな光沢感をもち,かつ良好な風合を
もった着心地のよい衣料を得ることができるものであ
る。また,本考案にあっては,編地の裏面をメッシュ調
に編成することにより,編地が部分的に肌に接触するこ
とになって,吸汗によるべとつき感をなくすことができ
るとともに,編地の肌に接触している部分にも汗が溜ま
ることがなくなり,不快感を感じない衣料とすることが
できる。さらに,得られた編地に染色加工時に吸水加工
を施すことにより,吸水性をさらに向上させることがで
きる。
【0016】
【実施例】以下,本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが,実施例における吸水性能は,ラローズ法に
より評価した。図3はラローズ法測定器具概略図であ
る。測定方法は,給水してピペットの水位を0に調節し
た後,試料をガラスフィルター上に乗せ,速やかにプラ
スチックの荷重を乗せると共にストップウォッチを押し
経時におけるピペット目盛りを読み取る。そして,試料
重量に対する吸水量の百分率(%)で表示し,次のラン
ク付けにより評価した。
【0017】 ◎ : 150%以上 極めて良好 ○ : 100〜150% 良 好 △ : 50〜100% やや不良 × : 50%以下 不 良
【0018】実施例1 編地の表面用として,収縮率の異なる単糸数が同じの2
つの繊維群からなり,このうち高収縮繊維群の沸水収縮
率は28.1%で, 低収縮繊維群の沸水収縮率は5.6%
(収縮率差22.5%)であり,単糸繊度は,0.5〜5デ
ニールの範囲にあり,うち3デニール以上の太繊度の単
糸数は10(各繊維群の構成単糸数の10.5%),1.5
デニール以下の細繊度の単糸数は24(各繊維群の構成
単糸数の25%)であり,断面形状は,図1に示すよう
な偏平幹部と突起部とをもつ回転非対象形状からなる偏
平断面形状で,それぞれ異なる3種類の断面形状で構成
した75D/48Fの異収縮異繊度異形混繊糸を作成し
た。
【0019】釜径33インチ,針密度28ゲージの両面
編機を使用して,図2に示す組織図で給糸口(1)(3)
(5)(7)に編地の裏面用としてポリエステル仮撚加工
糸75D/72Fを供給し,給糸口(2)(4)(6)(8)
に編地の表面用として75D/48Fの異収縮異繊度異
形混繊糸を供給し編立した。得られた編地に常法により
精練,リラックス,プレセット,染色,仕上げセットを
施して仕上げた。すると,表面にマイルドな光沢があ
り,かつ風合いの良好な編地を得た。また,染色加工時
に通常の吸水剤を浴中にて付与した吸水加工を施した編
地と吸水加工を施さない普通加工の編地の2種の編地を
得た。
【0020】比較例1 編地の表面用として,収縮率の異なる単糸数が同じの2
つの繊維群からなり,このうち高収縮繊維群の沸水収縮
率は28.1%で, 低収縮繊維群の沸水収縮率は5.6%
(収縮率差22.5%)であり,断面形状は,すべて三角
断面である75D/48Fの異収縮混繊糸を作成した。
実施例と同条件にて,給糸口(1)(3)(5)(7)に編地
の裏面用としてポリエステル仮撚加工糸75D/72F
を供給し,給糸口(2)(4)(6)(8)に編地の表面用と
して三角断面である75D/48Fの異収縮混繊糸を供
給し編立した。得られた編地に常法により精練,リラッ
クス,プレセット,染色,仕上げセットを施して仕上げ
た。また,染色加工時に通常の吸水剤を浴中にて付与し
た吸水加工を施した編地と吸水加工を施さない普通加工
の編地の2種の編地を得た。
【0021】得られた実施例1と比較例1の編地の吸水
性能をラローズ法による3分後の吸水率によって評価
し,その結果を表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】表1より明らかなごとく,本発明により得
られた編地は,比較品と比べ良好な吸水性能を有してい
た。また,本発明により得られた編地と比較品とを競技
用シャツに縫製し,着用したところ,本発明により得ら
れた編地を縫製して得たシャツは汗が多く出ているにも
かかわらず,サラッとした着心地のよい優れたものであ
った。比較品を縫製して得たシャツを着用したところ,
汗が多く出たときに不快感があった。
【0024】
【発明の効果】本発明により得られる編地よりなる衣料
は,着用時汗をかいた場合でも,常に肌に接している仮
撚加工糸条を介して汗を編地表面に通過させ,編地表面
に出た汗は,表面の高吸水性能を有する糸条によって拡
散現象を起こし速やかに乾き,断続的に発汗する場合で
も,汗による冷たさや不快感が少ない。しかも,本発明
により得られる編地を用いると,表面の糸条によりマイ
ルドな光沢感,適度なハリ,コシ,ドレープ性を有した
付加価値の高い衣料製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる単糸の断面形状の例である。
【図2】本発明編地の一例を示す給糸順序による組織図
である。
【図3】ラローズ法測定器具概略図である。
【符号の説明】
A 編地表面を形成する糸条 B 編地裏面を形成する糸条 C シリンダー針 D ダイヤル針 1〜8 給糸番号 X 偏平幹部 Y 突起部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04B 1/00 - 1/28 D02G 3/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 編地の表面には,沸水収縮率が3%以上
    異なる2以上の繊維群からなり,かつ各繊維群が単糸繊
    度3デニール以上の太繊度繊維と単糸繊度1.5デニール
    以下の細繊度繊維をそれぞれの繊維群の構成単糸数の5
    %以上含み,かつ全構成単糸の断面形状が偏平幹部と突
    起部とをもつ回転非対称形状からなる偏平断面形状であ
    り,それぞれ繊維群の断面形状が3種類以上で構成され
    たポリエステル系異収縮異繊度異形混繊糸条を用い,編
    地の裏面には,単糸繊度が2.0デニール以下のポリエス
    テル系繊維糸条を用い,両面編機にてシリンダー針およ
    びダイヤル針のうちいずれか一方をタック編することに
    より編地の表面と裏面が連結される編組織で編成し,染
    色仕上げすることを特徴とする衣料用編地の製造方法。
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