JP2002054056A - クーリング機能に優れる編物 - Google Patents

クーリング機能に優れる編物

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JP2002054056A JP2000238918A JP2000238918A JP2002054056A JP 2002054056 A JP2002054056 A JP 2002054056A JP 2000238918 A JP2000238918 A JP 2000238918A JP 2000238918 A JP2000238918 A JP 2000238918A JP 2002054056 A JP2002054056 A JP 2002054056A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汗の蒸発潜熱を利用して、身体からの放
熱を促進することにより、クーリング機能を効果的に発
揮させ暑熱感を小さくする編物を提供することを目的と
し、汗を速やかに吸収し、肌側面から外気側面に速やか
に移行させ、外気側面への汗の広がり面積を大きくし、
蒸発面積を大きくして放熱性を高めること、かつ、通気
性を高め、肌から直接汗を蒸発させる放熱性を高めるこ
とにより、かかる目的を達成する。 【解決手段】 肌側面が主としてポリエステルフィラ
メントからなり、他方の外気側面が主として綿糸とポリ
エステルフィラメントとが混在して位置するような、主
として生地の外気側面に吸水能力の優れた繊維と水拡散
能力の優れた繊維とが混在し、主として生地の外気側面
に吸水能力と水拡散能力の優れた繊維を配した編み組織
であり、以下の範囲の性能を有するクーリング機能に優
れる編物。 1)吸水時間 : 10sec以下 2)吸水量 : 100〜300g/m2以下 3)通気性 : 90cc/cm2・sec以上 4)水拡散面積: 5.0cm2以上 5)乾燥速度 : 90g/m2・hr以上

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、身体で産生された
熱を、汗の蒸発潜熱を利用して放散することにより、ク
ーリング機能を高め、暑熱感を抑制することを可能に
し、むれ感も小さく維持できる、スポーツウェア、作業
衣等の衣服、あるいは寝装品等に用いられる編物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】運動すると体内で産熱が急激に増加す
る。このとき、身体からの放熱が追いつかなくなり産放
熱のバランスが崩れ、暑熱感が大きくなり体温が上昇し
身体にも負担をかけることになる。従来、吸汗速乾素材
の開発は数多くされてきているが、多くは、汗の水分に
よる不快感を小さくすること、あるいは、吸汗すること
でウェアが重たくなるが、それを防ぐことを追求してき
た。汗は本来、体温上昇を抑えるための身体の反応であ
り、その役割を十分に発揮させることが最も重要であ
る。そのためには、汗の蒸発効率を良くすることが必要
である。
【0003】従来から、汗の水分による不快感を小さく
する方法として、目的に合わせて各種方法がとられてき
た。例えば、むれ感を小さくするために、吸湿性繊維の
活用、あるいは、吸湿性繊維と非吸湿性繊維の適切な配
置等を行ってきた。このむれ感とは、肌と衣服との間の
空間の湿度が高いと感じる感覚であると言われており、
上記方法をとることによって、湿度を低くすることが可
能であった。したがって、間接的には汗の蒸発効率を高
めることにはなるが、その効果は不十分であった。
【0004】また、ぬれ感を小さくするために、吸水能
力の異なる層を組合せる方法、すなわち、肌側よりも外
気側に吸水能力の高い層を配置する方法をとってきた。
該方法では、汗の吸汗性、移行性が優れるため、間接的
には汗の蒸発効率を高める効果はあるが、その効果は不
十分であった。
【0005】あるいは、異型断面疎水性フィラメントの
活用、異繊度フィラメントを組合せ毛細管現象を促進す
る方法等により、吸水した汗を素早く蒸発させ、吸水で
きない汗は落とす方法をとってきた。該方法では、吸水
された汗は速く蒸発するため吸水された汗の蒸発効率は
高くなるが、吸水できなかった汗は肌を伝って流れ落ち
るため、全体の汗の蒸発効率としては不十分であった。
また、疎水性繊維のみで構成すると、吸湿性に乏しく、
着用時にむれ感が生じやすかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上より、汗の水分に
対する不快感を小さくする工夫はさまざまな方法がとら
れてきたが、汗本来の目的である、汗の蒸発効率を高め
暑熱感を小さくすると同時に体温の上昇を防ぐ、クーリ
ング機能は不十分であった。本発明は、身体で産生され
た熱を、汗の蒸発潜熱を利用して放散することにより、
クーリング機能を高め、暑熱感を抑制することを可能に
することを目的とする。該目的を達成するために、汗を
速やかに吸収し、肌側面から外気側面に速やかに移行さ
せ、外気側面への汗の広がり面積を大きくして、蒸発面
積を大きくし汗の蒸発速度を高め、かつ、通気性を高め
ることで、流れ落ちる汗を減少させて、肌から直接汗を
蒸発させることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次の構成を有する。即ち、主として生
地の外気側面に吸水能力の優れた繊維と水拡散能力の優
れた繊維とが混在し、主として生地の肌側面に吸水能力
の劣る繊維が位置する編み組織であり、以下の範囲の性
能を有することを特徴とする、クーリング機能に優れる
編物である。 1)吸水時間 : 10sec以下 2)吸水量 : 100〜300g/m2以下 3)通気性 : 90cc/cm2・sec以上 4)水拡散面積: 5.0cm2以上 5)乾燥速度 : 90g/m2・hr以上 さらには、肌側面が主としてポリエステルフィラメント
からなり、他方の外気側面が主として綿糸とポリエステ
ルフィラメントとが混在して位置していることを特徴と
する上記記載の編物である。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。主
として生地の肌側面に存在する吸水能力の劣る繊維と
は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン、等
の疎水性繊維のことをいう。特に、ポリエステルが取り
扱い性に優れる点で好ましい。繊度、断面形状に特に限
定はないが、1種類の繊維を使用する場合、繊度は1〜
3デニールが適当である。より好ましくは、吸水能力に
劣る繊維の繊度、断面形状を変化させて水の移動速度を
高めることが望まれる。具体的には、異なる繊度の繊維
を混合すること、あるいは、繊維長手方向に溝のある繊
維を用いること等が挙げられる。特に、異なる繊度の繊
維が層構造を構成し、外層より内層の繊度を小さくする
と、水の拡散速度だけでなく肌からの汗の吸い上げ性に
優れるので好ましい。繊度構成は、太い繊維が1〜3デ
ニール、細い繊維が0.1〜2.0デニールであると効
果的である。また、繊維表面に溝を形成する場合は、繊
維断面に溝が3個以上存在し、繊維長手方向に連続して
存在することが水の拡散速度に優れ好ましい。特に、3
〜5個の溝であると、水の保持能力は小さいままで水の
移動速度は非常に速く好ましい。また、吸水能力に劣る
繊維は、ステープルではなく、フィラメントを使用する
ことが好ましい。なぜなら、フィラメントの方が、汗が
拡散されやすく、かつ、繊維間に汗が保持されにくくな
り、汗が吸水能力に優れる繊維側に移行されやすい状態
を作るからである。フィラメントの構造は捲縮形態をと
ってもとらなくても構わない。が、捲縮形態をとらない
フィラメントを使うことにより、外気側面への汗の移行
性にすぐれ、かつ、肌接触時の接触冷感も大きくなり好
ましい。しかしながら、捲縮形態をとらないフィラメン
トのみであると、風合いがかたくなるため、捲縮形態を
とるフィラメントと、捲縮形態をとらないフィラメント
とが混在していることが望ましい。また、フィラメント
の撚り数は1000回/m以上では、水が繊維間を伝わ
りにくくなるので、1000回/m以下、望ましくは8
00回/m以下が適当である。さらに望ましくは100
〜500回/mであると水の移動速度が速く適当であ
る。0〜100回/mの撚り数では若干水の移動速度は
遅くなるが、風合いはソフトになるので撚りが無い糸で
も構わない。また、吸水能力の劣る繊維として、複合糸
にすることで本性能を発揮するものでも構わない。具体
的には、外層がポリエステルフィラメント、内層が綿、
または、外層がポリエステルフィラメント、中間層が
綿、最内層がポリエステルフィラメントから構成される
複合糸を使うことで、外気側面に汗が移行する速度を高
める性能が発揮され、実質的に吸水能力の劣る繊維とし
ての使用が可能となる。
【0009】主として、生地の外気側(表側)面に位置す
る吸水能力の優れた繊維とは、綿、ポリノジック、アク
リレート系繊維、等の親水性繊維、あるいは、繊維間に
水を保持する能力の高い、細い繊度の疎水性繊維のこと
をいう。疎水性繊維の繊度は0.1〜1.5デニールで
あり、かつ、その他の繊維の繊度よりも小さいことが必
要である。疎水性繊維はポリエステル、アクリル、等特
に限定はしない。また、親水性繊維、疎水性繊維とも、
フィラメントよりもステープルの方が水を保持しやすい
ので適当である。これらの繊維の中で、特に、取り扱い
性に優れ、かつ、吸湿性にも優れる綿が好ましい。吸水
能力の優れた繊維は、番手、撚り数等、特に限定はな
い。しかしながら、太すぎる糸は保持外気側面での汗の
広がりが悪くなるので、30番手以上であることが望ま
しい。また、撚り数は高すぎると水を保持しなくなるの
で、撚り係数K=6.5以下であると適度に水を保持し
て好ましい。より好ましくは撚り係数K=5.0以下で
あると、水保持性が適当である。一方、糸質の点から撚
り係数K=2.5以上であることが好ましい。また後述
する通気性の点から撚り係数K=3.0以上が好まし
い。外気側に吸水能力に優れる繊維を使用することによ
り、主として肌側に位置する吸水能力に劣る繊維から汗
を吸い上げ、保持する性能が高まる。また、吸水能力に
優れる繊維が外気側に偏在することにより、外気側の水
分濃度が高まり、汗の蒸発も速まる。
【0010】主として、生地の外気側(表側)面に位置
する水拡散能力の優れた繊維とは、ポリエステルやポリ
ウレタン、等の疎水性繊維からなるフィラメントのこと
をいう。特に、ポリエステルが取り扱い性に優れ好まし
い。水拡散能力に優れる繊維の繊度、断面形状等、特に
限定はない。が、生地の肌側面(裏側)を構成する繊維
よりも繊度が小さいと毛細管現象が生じやすく水の移行
性が優れ好ましい。断面形状は、望ましくは繊維長手方
向に、3〜5個の溝が形成されていると水が拡散しやす
く適当である。また、水拡散能力に優れる繊維は、ステ
ープルではなく、フィラメントである理由は、フィラメ
ントの方が、汗が繊維表面を伝わっていく距離が長く拡
散されやすいからである。また、水拡散能力に優れる繊
維は捲縮形態をとってもとらなくても構わない。が、捲
縮構造をとって水拡散能力に水保持能力も付加されてい
ると吸水時間、乾燥速度の点からより好ましい。
【0011】本発明の、吸水時間は、30μlの水滴を
約1cmの高さから落として、完全に吸水するまでの時
間である。この時間が10秒以下でないと汗を速やかに
衣服に吸い取ることができない。好ましくは、5秒以下
であると肌に汗を残しにくい。この性能を得るには、水
拡散能力に優れる繊維、吸水能力の劣る繊維に、吸水加
工を施すことが特に重要である。
【0012】本発明の、吸水量は、ラローズ法(東洋紡
エンジニアリング(株)製)により、5分間の吸水量を求
める。本方法は、抱水したグラスフィルターの上に直径
6cmの編物を置き、上から真鍮製の480gの重りを
置き、編物が所定時間に吸い上げる水の量を測定する方
法である。試料は、20℃、65%RH環境下で十分調
湿した試料を使用する。本方法で、100g/m2以上の
吸水量を有しないと肌に汗が残留しやすくなる。あるい
は、外気側面に汗が移行しきれなくなって、肌側面に汗
が残存しやすくなり、流れ落ちる汗が多くなる。流れ落
ちる汗が多くなると汗の蒸発潜熱が減少し、クーリング
機能が低下する。望ましくは、130g/m2以上あると
肌側面に汗が残存しにくい。しかしながら、300g/m
2以上になると、発汗時ウェアが重くなり過ぎるので、
好ましくない。上記範囲内の吸水量を得るには、外気側
(表側)の吸水能力に優れた繊維の混率が全体の20%
以上80%以下であることが必要である。望ましくは、
25%以上70%以下であるとより適切な吸水量を得る
ことができる。
【0013】本発明の通気性は、JIS L−1096
の通気性試験A法で測定する。本方法での通気性が、9
0cc/cm2・sec以上であると、肌から直接編地の隙間を通
って汗が蒸発しやすいので、流れ落ちる汗が少なくなり
汗の蒸発効率を高めることができる。尚、140cc/cm2
・sec以上であると、さらに汗が肌から直接蒸発する量が
多くなり通気による放熱効果が発揮されやすくなる。上
記範囲内の通気性を得るには、ゲージ、編み組織、糸番
手、撚り数等が関係し、各々のバランスをとる設定が必
要である。特に毛羽の多いステープルを使用する場合
は、撚り係数K=3.0以上であることが好ましい。
【0014】本発明の水拡散面積とは、色水1滴0.0
55gを、編物の肌側面から付与し、吸水して2分後に
CCDカメラで画像を取り込み、水付与前後の画像を減
算して、2値化処理を行い、水拡散面積を画素数で求め
る。一方、面積のわかっている画像を取り込み、画素数
を求めておく。そして、先の画素数で求めた水拡散面積
を、面積のわかっている画像の画素数と実面積を用い
て、実面積(cm2)に換算する。色水は、粘度が水に近
いものであり、水がどこまで広がったかを把握できるも
のであれば特に限定はない。試料が濃色で2値化処理が
難しい場合は、赤外線カメラを用い、水の吸収波長の1
つ1.45μmに透過ピークを持つフィルターを通し
て、水分散画像を取り込む。水拡散面積が5.0cm2
上であると、汗が濡れ広がり、蒸発面積が大きくなり、
汗が蒸発されやすいことを意味する。望ましくは、水拡
散面積が6.0cm2以上であると、より汗の蒸発が促進
されて効果的である。さらに望ましくは、7.0cm2
上であると、非常に蒸発潜熱が高まりクーリング効果に
優れる。上記の水拡散面積を得るには、主として生地の
外気側面に吸水能力の優れた繊維と水拡散能力の優れた
繊維とが混在し、主として生地の肌側面に吸水能力の劣
る繊維が位置する編み組織にすることが必要である。各
種繊維については、既に記載した通りである。望ましい
のは、肌側面が主としてポリエステルフィラメントから
なり、他方の外気側面が主として綿糸とポリエステルフ
ィラメントとが混在して位置している組合せである。こ
のとき特に重要なのは、外気側面の吸水能力に優れる繊
維と水拡散能力の優れる繊維とが、混在していることで
ある。混在とは、両繊維の一方の繊維がかたまって配置
されることなく、分散して配置されることを意味する。
混在することにより、吸水能力と水拡散能力のバランス
がとれ、水拡散面積を大きくすることができる。望まし
くは、外気側面を構成する糸において、吸水能力に優れ
る繊維と水拡散能力の優れる繊維とが、ウェール方向お
よび/またはコース方向に交互に配置することが望まし
い。具体的には、ウェール方向およびコース方向に交互
に配置される1例として挙げると、吸水能力に優れる繊
維をAとして、水拡散能力に優れる繊維をBとすると、
コース方向にA、B、A、B、A、B…と配置され、次
の段ではB、A、B、A、B、A…と配置されることを
意味する。この間隔が例のように、1本置きの場合もあ
れば、2本置き、3本置き等の場合がある。さらには、
A、A、B、A、A、B…と完全な交互でなくてもよ
く、コース方向には、A、A、B、B、A、A、B、B
…と配置されウェール方向には、A、B、A、B…と配
置されるような異なる交互の配置でも構わない。ウェー
ル方向に交互に配置される例としては、1コース目が繊
維A、2コース目が繊維Bから構成される場合が挙げら
れる。例のように1コース置きの場合もあれば、2コー
ス置き、3コース置き、あるいは、不規則に3コースに
1コースのみ異なる繊維を配置する場合もある。好まし
くは、ウェール方向およびコース方向両方向に交互に吸
水能力に優れる繊維と水拡散能力に優れる繊維が配置さ
れると、水拡散面積が大きくなりやすくクーリング効果
が発揮され適当である。尚、あまり同一素材が連続して
配置されると水拡散面積が大きくならないので、ウェー
ル方向を構成する糸5本、コース方向を構成する糸5本
の中で、吸水能力に優れる繊維または水拡散能力に優れ
る繊維の一方が80%以上を占めるのは望ましくない、
より望ましくは両繊維が70%以下であることが水拡散
面積を大きくする効果が発揮されやすい。
【0015】本発明の乾燥速度とは、10cm×10c
mの試料を水に十分浸漬した後、洗濯機で15秒脱水
し、1時間ごとに重量を測定する。その際、フィルムを
敷いて、肌面を下側(フィルム側)にし、表側(外気
側)からの蒸発だけを測定するようにする。本値が、9
0g/m2・hr以上であると汗の蒸発が速く、放熱性に優れ
る効果を示す。望ましくは、100g/m2・hr以上である
と、熱を奪う速度が速く効果的である。具体的には、吸
水能力に優れる繊維が、編地全体に対して、外気側面に
集中して配置されることで、汗が外気側に偏在し、乾燥
速度が高まる。外気側面に集中して配置されるというこ
とは、吸水能力の高い繊維が、編地両面のうち外気側面
に60〜100%配置しているという状態を意味する。
好ましくは、外気側面に80〜100%配置されている
と、汗の偏在性が高まり、乾燥速度も高くなる。
【0016】本発明の、組織はコードインレー、表鹿の
子、リバースインターロック、天竺等、特に限定しな
い。しかしながら、外気側面の吸水能力に優れる繊維と
水拡散能力の優れる繊維とは、混在している組織にする
こと、かつ、肌側面に吸水能力の劣る繊維を多く配置す
ることが必要である。また、吸水能力を高めるため、吸
水加工を施すことが望まれる。吸水加工をすることで、
肌側面から外気側面への汗の移行性が非常に高まるの
で、乾燥速度、水拡散面積、吸水時間、吸水量の向上に
作用する。
【0017】尚、本発明の編物は、主としてスポーツ衣
料、作業衣、インナー等の汗をかくウェアに用いられる
ものに使われるが、寝装品等、用途は特に限定しない。
【0018】次に実施例および比較例を示すが、本発明
の編織物は、以下の実施例のみに限定されるものではな
い。
【0019】(実施例1)外気側に綿30'sとポリエ
ステルフィラメントの捲縮糸150デニールが混在し、
肌側に捲縮のほとんどないポリエステルフィラメント7
5デニールを配置させるように、鹿の子組織で編成し
た。外気側のポリエステルと綿との配置は、コース方
向、ウェール方向ともに1本交互に配置するようにし
た。すなわち、コース方向にもポリエステル、綿、ポリ
エステル、綿と続き、ウェール方向にもポリエステル、
綿、ポリエステル、綿と続く。肌側面に綿全体の20%
の綿が配置するようにした。混率は、ポリエステル50
%、綿50%である。吸水加工は実施している。綿の撚
り係数はK=3.7である。捲縮のほとんどないポリエ
ステルフィラメントの撚り数は200回/mである。
【0020】(実施例2)外気側に綿30'sとポリエ
ステルフィラメントの捲縮糸150デニールが混在し、
肌側に捲縮のほとんどないポリエステルフィラメント7
5デニールを配置させるように、天竺組織で編成した。
外気側面のポリエステルと綿との配置は、コース方向は
同一素材で、ウェール方向に1本交互にポリエステルと
綿とが配置されるようにした。肌側面に綿全体の10%
の綿が配置するようにした。混率は、ポリエステル50
%、綿50%である。吸水加工は実施している。綿の撚
り係数は、K=4.0である。捲縮のほとんどないポリ
エステルフィラメントの撚り数は100回/mである。
【0021】(実施例3)外気側に綿40'sとポリエ
ステルフィラメントの捲縮糸150デニールが混在し、
肌側にポリエステル系コンジュゲートフィラメント75
デニールを配置させるように、表鹿の子組織で編成し
た。外気側面のポリエステルと綿との配置は、コース方
向には3本交互で、ウェール方向には1本交互で配置す
るようにした。すなわち、コース方向にはポリエステ
ル、ポリエステル、ポリエステル、綿、綿、綿と続き、
ウェール方向にはポリエステル、綿、ポリエステル、綿
と続く。肌側面に綿全体の20%の綿が配置するように
した。混率は、ポリエステル50%、綿50%である。
吸水加工は実施している。綿の撚り係数はK=3.7で
ある。ポリエステル系コンジュゲートフィラメントの撚
り数は500回/mである。
【0022】(実施例4)外気側に綿30'sとポリエ
ステルフィラメントの捲縮糸150デニールが混在し、
肌側に捲縮のほとんどないポリエステルフィラメント7
5デニールと捲縮のあるポリエステルフィラメント75
デニールを配置させるように、鹿の子組織で編成した。
外気側のポリエステルと綿との配置は、コース方向、ウ
ェール方向ともに1本交互に配置するようにした。すな
わち、コース方向にもポリエステル、綿、ポリエステ
ル、綿と続き、ウェール方向にもポリエステル、綿、ポ
リエステル、綿と続く。肌側面に綿全体の10%の綿が
配置するようにした。混率は、ポリエステル60%、綿
40%である。吸水加工は実施している。綿の撚り係数
はK=3.7である。捲縮のほとんどないポリエステル
フィラメントの撚り数は100回/mである。
【0023】(実施例5)外気側に綿30'sとポリエ
ステルフィラメントの捲縮糸150デニールが混在し、
肌側に最外層ポリエステルフィラメント、中間層に綿、
最内層にポリエステルフィラメントからなる複合を配置
させるように、鹿の子組織で編成した。外気側のポリエ
ステルと綿との配置は、コース方向、ウェール方向とも
に1本交互に配置するようにした。すなわち、コース方
向にもポリエステル、綿、ポリエステル、綿と続き、ウ
ェール方向にもポリエステル、綿、ポリエステル、綿と
続く。主として外気側に配置される綿糸は、肌側面に約
20%が配置するようにした。混率は、ポリエステル4
0%、綿60%である。吸水加工は実施している。綿の
撚り係数はK=3.7である。複合糸の撚り係数はK=
4.0である。
【0024】(実施例6)外気側に綿30'sとポリエ
ステルフィラメントの捲縮糸150デニールが混在し、
肌側にポリエステルフィラメントの捲縮糸75デニール
を配置させるように、鹿の子組織で編成した。外気側の
ポリエステルと綿との配置は、コース方向、ウェール方
向ともに1本交互に配置するようにした。すなわち、コ
ース方向にもポリエステル、綿、ポリエステル、綿と続
き、ウェール方向にもポリエステル、綿、ポリエステ
ル、綿と続く。肌側面に綿全体の20%の綿が配置する
ようにした。混率は、ポリエステル50%、綿50%で
ある。吸水加工は実施している。綿の撚り係数はK=
3.7である。捲縮のほとんどないポリエステルフィラ
メントの撚り数は200回/mである。
【0025】(比較例1)外気側に綿30's、肌側に
ほとんど捲縮のないポリエステルフィラメント75デニ
ールを配置させるように、鹿の子組織で編成した。混率
は、ポリエステル50%、綿50%である。吸水加工は
実施している。綿の撚り係数はK=3.7である。捲縮
のほとんどないポリエステルフィラメントの撚り数は2
00回/mである。
【0026】(比較例2)外気側にポリエステルフィラ
メントの捲縮糸75デニール、肌側に綿30'sを配置
させるように、鹿の子組織で編成した。混率は、ポリエ
ステル50%、綿50%である。吸水加工は実施してい
る。
【0027】(比較例3)綿30'sで鹿の子組織ニット
を作成した。
【0028】(比較例4)外気側は綿30'sとポリエ
ステルフィラメントの捲縮糸150デニールから構成
し、肌側は捲縮のほとんどないポリエステルフィラメン
ト75デニールから構成するように、鹿の子組織で編成
した。外気側のポリエステルと綿との配置は、コース方
向、ウェール方向ともに、綿5本にポリエステル1本の
並びで繰り返し配置するようにした。すなわち、コース
方向にもウェール方向にもポリエステル、ポリエステ
ル、ポリエステル、ポリエステル、綿と続く。肌側面に
は綿全体の5%の綿が配置するようにした。混率は、ポ
リエステル30%、綿70%である。吸水加工は実施し
ている。綿の撚り係数はK=3.7である。捲縮のほと
んどないポリエステルフィラメントの撚り数は200回
/mである。
【0029】クーリング効果については、着用テストを
実施し着用感を評価した。方法は、評価試料で半袖ポロ
シャツを作成し、30℃、70%RHの環境下で、安静
15分⇒踏み台昇降5分⇒休憩10分⇒踏み台昇降5分
⇒休憩10分の手順で男性6名で実施した。
【0030】評価結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明により得られた編物は、汗の蒸発
潜熱を利用して、身体からの放熱を促進することによ
り、クーリング機能を効果的に発揮させ暑熱感の小さい
衣服を提供し得ることを可能とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊田 健吾 富山県射水郡大門町犬内50番地 東洋紡績 株式会社庄川工場内 Fターム(参考) 4L002 AA02 AA07 AB01 AB02 AB04 AC00 BA01 BA04 BB01 EA00 EA02 EA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として生地の外気側面に吸水能力の優
    れた繊維と水拡散能力の優れた繊維とが混在し、主とし
    て生地の肌側面に吸水能力の劣る繊維が位置する編み組
    織であり、以下の範囲の性能を有することを特徴とする
    クーリング機能に優れる編物。 1)吸水時間 : 10sec以下 2)吸水量 : 100〜300g/m2以下 3)通気性 : 90cc/cm2・sec以上 4) 水拡散面積: 5.0cm2以上 5)乾燥速度 : 90g/m2・hr以上
  2. 【請求項2】 肌側面が主としてポリエステルフィラメ
    ントからなり、他方の外気側面が主として綿糸とポリエ
    ステルフィラメントとが混在して位置していることを特
    徴とする請求項1記載のクーリング機能に優れる編物。
  3. 【請求項3】 肌側面を主として構成するポリエステル
    フィラメントの繊維長手方向に3〜5個の溝を有してい
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のクーリング機
    能に優れる編物。
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