JP2620730B2 - 肌着の製造方法 - Google Patents

肌着の製造方法

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JP2620730B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明はシャツ、ズボン下、パンティーなどの各種肌
着を両面編成機を用いて製造する方法に関する。
《従来の技術》 従来、通常の肌着は各種繊維による一枚の編成地によ
り形成されており、これでは充分な温かさが得られない
ときは、厚手の編成地が用いられている。
しかし、上記の肌着によるときは、厚手とすることで
保温力は向上するものの、温かいため発汗も多くなり、
この汗の気化により身体が冷えたりして着心地が悪く、
また、一枚の編成地であることから、外気の侵入による
冷えもあって満足すべき結果が得られていない。
そこで、これを解消するため、既に肌に接する内側編
成地をポリエステル系、ポリアミド系の合成繊維により
編成し、外側編成地を棉またはポリノジックによって編
成したり、また、内側編成地と外側編成地の間には、合
成繊維によるウーリー糸を介入させて、当該表裏である
外側、内側の各編成地を接合させておき、上記ウーリー
糸の収縮作用によって三重層を形成するようにした肌着
(実開昭59−172710号)について記載されている。
また、特開昭61−167064号には、外側編成地を複合糸
で、内側編成地をマルチフィラメント糸条により形成
し、上記複合糸には、加撚繊維条である棉、羊毛、麻な
どの天然繊維や再生繊維素繊維、あるいはミクロポーラ
スを有する合成繊維など吸湿性の高い繊維からなる糸条
を用いるようにして吸汗効果を発揮させ、さらに、複合
糸としてのフィラメント糸条や前記の内側編成地を組成
するマルチフィラメント糸条には、ポリエステル系、ポ
リアミド系、ポリアクリロニトリル系等を使用すること
が開示されている。
そして、上記のようにすることで上記複合糸により毛
細管現象的な作用により、有効に編地表面に、その裏側
に付着した汗を移行しうるようにし、さらに、編地裏面
のマルチフィラメント糸条は吸水性が少なく、かつ、フ
ィラメント間の平行性がすぐれていることによって、汗
の編地表面への移行作用を助長することが明示されてい
る。
上記の如き改善策によるときは、確かに、肌に触れる
内側編成地には、給水率の低い繊維を、そして外側編成
地には、吸湿性をもった繊維を用いることで、肌より発
する汗を、内側編成地を通して外側編成地により吸湿し
てしまい、当該汗を肌と内側編成地間で冷却させてしま
うようなことのない配慮が施されており、それなりの効
果を上げ得ることになる。
しかしながら、使用されているポリエステル系、ポリ
アミド系の合成繊維によるときは、その吸水率が充分に
小さいものとは言えず、また、これらの合成繊維につき
相対熱伝導率(こもった熱を素材自体が外にのがさず保
つ度合)についての配慮がなされないため、吸水率の低
さと相対熱伝導率の数値が小さいことによって、はじめ
て達成されることになる保温性について充分な結果が期
待できないことになる。
さらに、内側編成地にあっては、透湿性(汗や湿気を
素材に溜めずに放出する性質)の良好な繊維に着目し
て、これを採択するといったことについては配慮されて
おらず、従って、肌着と肌の接触部分が乾燥された温か
さに保持されない欠陥をも有している。
しかも、上記従来のものにあっては、内側編成地の繊
維が着用中における皮膚との摩擦によって帯電状態とな
る現象についても、全く配慮されていないため、正負の
静電気間における吸引作用を利用して、さらに保温力を
向上するといったことについての着想も認められない。
また、外側繊維についても棉またはポリノジックの使
用が開示されており、その水分に対する吸湿性について
は考慮されているものの、外側繊維の保温力向上と、透
湿性による水分の外部への放出について充分な考慮がな
されていない。
《発明が解決しようとする課題》 本発明は、上記従来の肌着がもっている欠陥に鑑み、
請求項1にあっては、内側繊維と外側繊維と熱収縮性繊
維とによる三重構造としたものにあって、先ず、第1に
内側繊維には、相対熱伝導率(空気=1)がポリエステ
ルの12.0〜14.0に対して、6.4と小さく、吸水率にあっ
ても、ナイロンの6.0%、ポリエステル0.4%に比し0%
であり、しかも、湿度の移送速度(吸収度)が早く、棉
の約3倍、アクリルの約1.5倍にもおよぶ透湿性をも
ち、さらに、肌との摩擦により負の静電気を強く帯電す
る特性に着目して、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレ
ンを採択するようにしている。
さらに、上記の外側繊維としては、ラムとアクリルと
の複合による繊維を採択することによって、ラムの吸水
性を利用して、内側繊維の湿気を吸収し得るようにし、
かつ、当該ラムの相対熱伝導率が7.3である特性を利用
すると共に、ラムとアクリルが共に保有している保温力
を有効に活かし、しかも、アクリルが有する可成りの透
湿性をも活用して、外側繊維としての保温性を発揮し得
るようにすると共に、吸湿性と、湿気に対する透湿性を
も利用し得るようにして、これまでにない保温性と発汗
の冷却に伴う不快感とにつき、大幅な改善を可能にしよ
うとするのが、その目的である。
さらに、請求項2にあっては、上記外側繊維に用いる
ようにしたラムアクリル混繊維についてその組成をラム
30%、アクリル70%とし、熱収縮性繊維をウーリーナイ
ロンとすることで、請求項1にあって、その効果を一段
と助長し得るようにしている。
《課題を解決するための手段》 本願に係る請求項(1)にあっては、両面編成機のダ
イヤルシリンダ側に、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピ
レンによる内側繊維を供給し、シリンダ側に、ラムアク
リル混による外側繊維を供給すると共に、当該内側繊維
と外側繊維との間に熱収縮性繊維を供給することで、上
記内側繊維による肌側の内側編成地と、これに重積され
た外側繊維による外側編成地とを、前記熱収縮性繊維に
より所定箇所にて編立てることで肌着編成体を編組し、
当該肌着編成体を加熱乾燥処理して、上記熱収縮性繊維
を収縮させることにより、内側編成地と外側編成地との
間に、当該各編成地の縮み代により、多数の離間空気層
を形成するようにしたことを特徴とする肌着の製造方法
を提供しようとしている。
さらに、請求項(2)にあっては、請求項(1)にお
ける外側編成地を形成する外側繊維が、ラム30%、アク
リル70%のラムアクリル混で、熱収縮性繊維がウーリー
ナイロンであることを、その内容としている。
《作用》 両面編成機のダイヤルシリンダ側には、良好な相対熱
伝導率をもち、吸水率が零であると共に、透湿性をも
ち、かつ負の静電気に強く帯電することのできるポリ塩
化ビニルまたはポリプロピレンによる内側繊維を、シリ
ンダ側には吸水性と保温性を有するだけでなく、可成り
の透湿性とに兼備することとなるラムアクリル混繊維で
ある外側繊維を、そして当該両繊維間に、これは既知の
如く熱収縮性繊維を夫々供給することで、内側繊維によ
る内側編成地と外側繊維による外側編成地との重積状態
にあって、これらを熱収縮性繊維により、所定箇所で編
立てた肌着編成体を編組することができ、これを加熱乾
燥処理することで熱収縮性繊維が収縮し、これにより内
側編成地にも外側編成地にも縮み代としての膨出箇所が
多数突出されることで、両編成地間は離間空気層が形成
される。
かくして得られた肌機を着用すれば、人体の皮膚から
発した汗は、肌側の内側編成地を形成しているポリ塩化
ビニルまたはポリプロピレンが吸水率(保水率)0であ
ることから、繊維自体が吸水した水分の蒸発によって体
熱から奪うことになる蒸発潜熱が極めて小さいので、体
温を逃がしにくく、この点からして良好な保温力を発揮
し得る。しかも、上記の内側繊維はこの吸水率0%と相
対熱伝導率(空気=1)が6.4と小さいことから、体熱
を外部へ逃がさずに保つ度合が大きいことと相俟って、
他の繊維を上回る保温力が発揮されることになる。
さらに、本発明に係る肌着の上記内側繊維は、これま
た他の繊維に比し格段の透湿性を有していることから、
汗や湿気を繊維中に溜めず外部へ放出することになり、
この結果、肌着と肌の接触部分が乾燥状態となって衛生
的な着衣を楽しむことができるだけでなく、汗や湿気が
内側繊維間を通過して放出される際、当該繊維自体の吸
水率0%であるから、繊維自体の外側端面側から水分が
蒸発することがなく、内側繊維間から放出される水分だ
けが蒸発して行くこととなり、従って水分の蒸発面積が
内側編成地の全外面ではなしに、内側繊維間を形成する
空間の総和だけとなるから、蒸発面積が小さくなり、こ
の結果体温が蒸発潜熱によって奪われる度合も抑制され
ることになる。
また、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンによる内側繊
維は、繊維の帯電列比較表から知られるように肌との摩
擦によってマイナスの静電気が強く発生することとな
り、このため、皮膚のプラス静電気と吸引しあって、肌
着と皮膚間の空気につき、その流動を抑制し、温かい空
気の層を保有し易くなり、このことが保温効果を高め得
ることになる。
次に、本発明では外側編成地の外側繊維を、ラムアク
リル混繊維によって編成するようにしたから、内側編成
地に重積された外側編成地の外側繊維中、ラム繊維が1
6.0%程度の大きな吸水率をもっており、従って、内側
編成地を通過して来た汗などは、吸水性のある当該外側
繊維により吸引されて、内側編成地と皮膚との間の空気
を乾燥させることになる。
本発明によるときは、それだけでなく、ラム繊維が7.
3の相対熱伝導率を有していることから、外側編成地自
体の保温力が大であり、しかも、アクリル繊維をも用い
ているから、ラム繊維以上の保温力を発揮できると共
に、可成り良好な透湿性をも有しているので、汗や湿気
の外部への移送速度も速く、さらに、吸水率は2.0%程
度で比較的少ないことから、ラム繊維のみの場合に比
し、外側編成地からの汗放出が助長され、肌着としての
よい結果を得ることができる。
また、内側編成地と外側編成地とは、既知の如く熱収
縮性繊維により所要箇所にて編立てられているから、両
編成地がずれ動いてしまうことも、また大きく離間して
しまうようなことなく、かつ、加熱乾燥処理によって離
間空気層が形成されるので、当該離間空気層により、充
分な両編成地間の厚い空気層が多数保有され、これらに
よる断熱効果によって満足すべき保温作用を発揮し得る
ことになり、もちろん収縮した熱収縮性繊維の配在によ
り、伸縮可能な肌着が提供され、これが前記の如き内側
繊維と外側繊維の特性に基づく諸作用と相俟って、より
一層、着心地のよさを保証し得ることとなる。
《実 施 例》 本発明に係る肌着の製造方法を図面を参照して詳記す
れば、その製造は既知の第4図に略示する両面編成機1
によって行うことができ、同上図中2は基台、3はこれ
に立設されたシリンダ、4はその上位に配設されたダイ
ヤルシリンダを示し、3aはシリンダ3の針、4aはダイヤ
ルシリンダ4の針を示している。
ここで、本発明では上記ダイヤルシリンダ4の針4a
に、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンである水分率
が低く、かつ、優れた透湿性をも兼備した内側繊維t1
供与し、前記シリンダ3の針3aにはラムアクリル混によ
る外側繊維t2を供与するのであり、さらに、上記内側繊
維t1と外側繊維t2との間に、熱収縮性繊維t3を供給し
て、当該両面編成機1を稼働させる。
これにより、当該両面編成機1により製造されること
となる肌着編成体Aなるものは、第1図と第2図に示さ
れる通り、上記内側繊維t1による肌側Bの内側編成地C
と、これに重積される外側繊維t2による外側編成地Dと
を具備すると共に、熱収縮性繊維t3により、両編成地
C、Dが所定箇所にて編立てられたもので、第2図に示
されている実施例では、当該熱収縮性繊維t3による正の
斜交ラインE1と負の斜交ラインE2の交差により、菱形状
の区画F、F……が多数形成された状態となっている。
ここで、上記の内側編成地Cの内側繊維t1として、ポ
リ塩化ビニルまたはポリプロピレンを用いるようにした
が、これらは何れも、第5図に示す繊維の保温力比較図
表(産業衛生学会発表資料)から明らかな通り、繊維中
でも抜群の保温力を有しており、特に同図によってわか
るように、気温が低くなるほど保温力の優位性が顕著に
発揮されることとなる。
ここで当該保温力比較図表は、同じ太さの糸で、同じ
組織の生地をつくり、当該生地で覆った皮膚の部分と、
覆わない部分の温度差を測定したものである。
しかも、本発明では単に内側繊維t1に保温力の大きな
繊維が用いられているだけでなく、外側編成地Dの外側
繊維t2についても、ラムアクリル混による繊維を採択す
るようにしており、当該繊維はラム、アクリル何れも
が、第5図のように可成りの保温性を有し、肌着として
の良好な保温性を確保し得ることになる。
ここで前記の内側繊維として用いられているポリ塩化
ビニルとポリプロピレンは、小さい相対熱伝導率(空気
=1)と吸水率が0%であるという両性質を兼備してい
るところに、保温力が確保される根拠が存し、かつ、透
湿性も繊維中で抜群に大であることと、上記の吸水率0
%ということが相俟って、肌着と肌の接触部分における
乾燥状態を確保し得ることになるのである。
すなわち、相対熱伝導率とは前記の如く、こもった熱
を保有し得る度合であり、各種繊維につきこれを例示す
ること以下の通りである。(空気=1) また吸水率(%)につき、これまた各種繊維につい
て、これを示すと以下の通りである。(標準状態20℃
65%RH) 従って、本発明に係る内側繊維t1によるときは、相対
熱伝導率の小さいことで体温を外し放散し難く、かつ吸
水率0%であることにより、当該内側繊維自体の保水が
なく、従って保水の蒸発に伴う蒸発潜熱で体温が奪われ
ることも、理論上なくなるのであり、当該両特性によっ
て、保温力に関し、一層良好な結果を得ることができ
る。
さらに重要なことは、ポリ塩化ビニルまたはポリプロ
ピレンを内側繊維として採択したことにより、その透湿
性を活かし、肌着と肌の接触部分を乾燥状態に保持し得
ることである。
すなわち、第6図に明示のカールマルクス市繊維工学
研究所のデータである湿度の移送状況に見られる通り、
ポリ塩化ビニル(ポリプロピレン)にあっては、所定時
間内に15cm程度、湿度の移送が認められるのに対して、
アクリル、棉などでは夫々9cm、7.9cm程度であり、汗や
湿気を当該繊維から外部へ放出する特性が、極めて大で
あることがわかる。
しかも、前記の如くポリ塩化ビニル(ポリプロピレ
ン)が吸水率0%であることと、透湿性に優れているこ
とから、第7図に示す通り、木棉糸CTの場合には、吸水
率が8.5%であるため、肌側Bからの汗などによる水分W
1が、当該木棉糸CT相互間に離間形成された間隙通路G1
を通過して行くと共に、同上水分W1は木棉糸CT内にも、
その吸水率に見合った量だけ侵入して行くことになり、
しかも当該湿度の移送は、第6図に示されているように
遅速であるから、水分は可成りの時間にわたり溜留され
て、肌側Bと木棉糸CTとの空隙G2は湿気をもつことにな
る。そして、当該水分W1の蒸発面積AR1は、木棉糸CTの
各上端面積の和と、前記各間隙通路G1の和との総和とな
って、可成り大となることから、水分W1の蒸発も活発と
なり、この結果肌側Bと木棉糸CT間の空隙G2における水
分は、可成りの蒸発潜熱を奪われて、これが体温を奪う
ことになる。
これに対し本発明によるときは、同上第7図の右側に
図示されている通り、ポリ塩化ビニル糸(ポリプロピレ
ン糸)P相互間の間隙通路g1を通過して行く汗等による
水分W2の移送速度が大であり、従って、肌側Bとポリ塩
化ビニル糸P間の空隙g2における水分は、速やかに除去
されると共に、ポリ塩化ビニル糸Pは、吸水率が0%で
あることから、これに含浸される水分はなく、このため
ポリ塩化ビニル糸Pの上端面から水分が放出されること
なく、前記の間隙通路g1からだけ水分が移送されること
となる。
従って、この場合は木棉糸CTとは違って、水分W2の蒸
発面積AR2は、上記の各間隙通路g1の和だけとなり、前
掲蒸発面積AR1に比し、可成り小さくなる結果、水分W2
の蒸発に伴う蒸発潜熱も小さくなり、体温を奪われにく
い状態となる。
さらに、内側繊維としてのポリ塩化ビニル糸またはポ
リプロピレン糸は、第8図の帯電列比較図表(繊維工業
試験所)によって明らかな通り、これが運動等により皮
膚と摩擦された際、両者に多少強弱の差はあるものの、
何れも可成り大きな負の静電気を帯びることになる。
従って、本発明によるときは他の多くの繊維が、正の
静電気に帯電するのに対し、電荷符号がマイナスであ
り、かつ帯電の強さが大きいことから、皮膚のプラス静
電気と吸引しあって、肌着と皮膚間の空気流動を阻止し
ようとする作用が発揮され、温かい空気の層を保持し易
くなる。
次に、本発明では上記の如き内側編成体Cに対し、外
側編成体Dをラムアクリル混の外側繊維t2によって編成
するようにしたから、第5図によって前説の如くアクリ
ルとラムによる可成り大きな保温力の総和が、内側繊維
の前記保温力に加重されることとなるだけでなく、ラム
の前記した吸水性によって、極めて透湿性に優れ、しか
も吸水率0%である内側繊維から、汗や湿気を速やかに
吸引することができると共に、吸水率が2.0%と比較的
吸水性が低く、かつ第6図により説示したように透湿性
についても、可成り優れたアクリル繊維をも採択するよ
うにしているため、当該外側繊維から外部への水分放出
も良好となる。
ここで、上記内側繊維としては、各種の組成率を考え
ることができるが、ラム30%でアクリル70%程度とする
のが望ましい。
また、前記の熱収縮性繊維t3としては、なるべく低温
で収縮するものが望ましく、70℃前後で収縮するウーリ
ーナイロンが好適であるが、これよりも収縮温度の高い
ナイロンやポリエステルなどを用いることができる。
本発明では、上記のように両面編成機1によって編成
した肌着編成体Aに対し、例えば、タンブラー乾燥機に
よって、70℃での加熱乾燥処理を行い、第3図の如く肌
着A′を完成するのである。
上記肌着A′にあっては、上記加熱乾燥処理による熱
収縮性繊維t3の収縮によって、同上第3図の通り、正負
の短縮斜交ラインE1′、E2′が得られることとなるか
ら、両編成地C、Dに、熱収縮性繊維t3の縮み代に基づ
く弛みが各所に生じ、区画F、F……にあって両編成地
C、Dに膨出箇所C′、D′が突出され、このことによ
って両編成地C、D間に多数の離間空気層G、G……が
形成されることとなる。
従って、それ自体は既知であるが、熱収縮性繊維t3
存在により両編成地C、Dは不本意にずれ動いてしまっ
たり、離間することがないので、当該両編成地C、D間
に存するも区画F、F……内の空気も留保され、当該空
気による断熱保温効果も発揮できる。
さらに、熱収縮性繊維t3の収縮によって多数の離間空
気層G、G……が形成されているので、これが外気の侵
入を阻止し、かつ上記の断熱による保温力を一層高める
こととなり、これらのことが、前記の内側繊維と外側繊
維とによる諸作用を助勢することになる。
《発明の効果》 本願は以上のようにして実施することができるもので
あるから、内側編成地の内側繊維につき、相対熱伝導率
が小さく、しかも吸水率は0%であり、かつ透湿性すな
わち湿度の移送速度が速く、かつ、マイナス静電気に帯
電する特性を兼備したポリ塩化ビニルまたはポリプロピ
レンを用いるようにし、さらに、このような性質をもつ
内側繊維に対して、何れの繊維も保持力が大きく、一方
の繊維は大きな吸水率をもつのに対し他方の繊維は小さ
な吸水率を有し、かつ一方の繊維は透湿性に乏しいが、
他方の繊維は可成り良好な透湿性を有するラムアクリル
混繊維を用いるようにしたので、内側繊維と外側繊維と
の保温力総和が大きくなり、かつ、負の静電気により肌
着と皮膚との間の空気を逃さないようにできること、お
よび実質的な水分の蒸発面積が小さくできることによ
り、蒸発潜熱により体温の奪われることも抑制されるこ
とと相俟って防寒に、すぐれた効果を発揮できる。
これに加えて、汗を積極的に外方へ輩出させる作用
も、単に内側繊維に吸水性がなく、透湿性に優れている
ことによるだけでなく、外側繊維に吸水性と透湿性とを
兼備させることにより、内側繊維における汗の吸引力
と、吸引した汗の放出性能が確保されることで促進する
ことができる。
この結果汗で気持ち悪いといった着心地から解放さ
れ、肌着と皮膚間を、常に乾燥した状態に保つことがで
き、爽やかな温かさを楽しむことができるので、特にお
年寄りや冷え症の人、登山、スキーなどのウインタース
ポーツ、釣りなどのレジャー、冷凍工場、水産工場、屋
外等における作業者などに供して好適である。
さらに、熱収縮性繊維は加熱乾燥処理で収縮させるの
であるので、両編成地間に厚層の離間空気層が多数形成
され、単に着心地がよいだけでなく、当該離間空気層に
よる冷気の侵入阻止効果と外側編成地とによる両保温力
を、重畳的に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明により製造した肌着の一部を示す断面略
示図、第2図は同上方法により得た半加工品としての肌
着編成体を示す部分正面図、第3図は同法による完成品
としての肌着を示す部分正面図、第4図は同方法の実施
に用いられる両面編成機の略示正面説明図、第5図は各
種繊維の保温力比較図表、第6図は各種繊維の湿度移送
(吸収度)速度を示す図表、第7図は木棉糸とポリ塩化
ビニル糸の透湿性と吸水性とによる水分の蒸発状態を示
した縦断説明図、第8図は各種繊維の帯電列比較図表で
ある。 1……両面編成機 3……シリンダ 4……ダイヤルシリンダ t1……内側繊維 t2……外側繊維 t3……熱収縮性繊維 A……肌着編成体 B……肌側 C……内側編成地 D……外側編成地

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両面編成機のダイヤルシリンダ側に、ポリ
    塩化ビニルまたはポリプロピレンによる内側繊維を供給
    し、シリンダ側に、ラムアクリル混による外側繊維を供
    給すると共に、当該内側繊維と外側繊維との間に熱収縮
    性繊維を供給することで、上記内側繊維による肌側の内
    側編成地と、これに重積された外側繊維による外側編成
    地とを、前記熱収縮性繊維により所定箇所にて編立てる
    ことで肌着編成体を編組し、当該肌着編成体を加熱乾燥
    処理して、上記熱収縮性繊維を収縮させることにより、
    内側編成地と外側編成地との間に、当該各編成地の縮み
    代により、多数の離間空気層を形成するようにしたこと
    を特徴とする肌着の製造方法。
  2. 【請求項2】外側編成地を形成する外側繊維が、ラム30
    %、アクリル70%のラムアクリル混で、熱収縮性繊維が
    ウーリーナイロンである請求項(1)記載の肌着の製造
    方法。
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