JP5667548B2 - 通気性に優れた編地 - Google Patents

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本発明は、湿潤時に通気性が向上する編地に関するものであり、特に湿潤により繊維が伸縮したり、解撚トルクが高まることを利用して生地の通気度をコントロールできる編地に関するものである。
従来より、湿度の変化により衣料の通気度を調整する方法が種々提案されている。例えば、特許文献1では、湿気、水分の変化に迅速に対応し、且つ可逆的に通気度を変化させて、衣服内気候を調整する可逆通気性布帛として、高膨潤性成分と低膨潤性成分とが接合されてなる膨潤性複合繊維を含む布帛が提案されている。また、特許文献2では、吸水自己伸長糸と非自己伸長糸とに特定の糸長差を設けることにより、乾燥時に比べて湿潤時に布帛の寸法があまり変化することなく通気性が向上する織編物が提案されている。しかしながら、これらの特許文献1および2の方法では、いずれも汎用的でない特殊な繊維を用いる必要があり、実用面において使用素材、強度等の問題から用途が限定されること、また特殊な長繊維糸主体の素材であるために吸湿性、肌触りといった点でも満足できるものではなかった。
そこで、本発明者らは、湿潤により伸長特性をもつ長繊維と湿潤により撚トルクが発現するセルロース繊維(いずれも一般汎用繊維)を用いて、撚と編地構造をうまく組み合わせることにより、湿潤時に通気度を向上させる編物を提案した(特許文献3参照)。この編地は、実用面で半永久的に通気度向上効果を保持でき、幅広く衣料用素材として使用でき、更に耐久性に優れ、かつ良好な風合、着心地を兼ね備えたものであった。
しかしながら、この特許文献3の方法においても、伸長挙動を示す長繊維糸A及び紡績糸Bに実撚を施す必要があることや、リバーシブル構造の編地に限定されるという制約があった。
特開2005−23431号公報 特開2005−36374号公報 特開2006−132010号公報
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、従来技術のような制約がなく、湿度の変化により容易に通気度を調整することができ、かつ良好な着心地や風合を持つ編地を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するためにリバーシブル構造にする必要がなく、更に長繊維も湿潤で伸長特性を有するものを必ずしも使う必要がなく、また長繊維に実撚を施さなくとも目的の通気度向上効果を得ることが可能な編地について鋭意検討した結果、紡績糸の撚効果と、湿潤時に繊維の剛性が低くなる長繊維を編地上でうまく組合わせることで、湿潤により布帛の通気度を向上させる機能を発現させるとともに、良好な風合、着心地を兼ね備えた編地を提供できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(3)の構成を有するものである。
(1)乾燥時のトルク指数が0〜25単位、湿潤時のトルク指数が15〜40単位であり、湿潤時のトルク指数が乾燥時のトルク指数より5〜20単位大きく、撚係数Kが2.8〜5.0であるセルロース系紡績糸Aと、乾燥時の水分率が2〜15%である長繊維Bとを交互に編成した編地であって、乾燥時の通気度が100〜350cc/cm・sであり、湿潤時の通気度が乾燥時の通気度より高くなることを特徴とする編地。
(2)セルロース系紡績糸Aと長繊維Bが一本交互または二本交互で交互編成されていることを特徴とする(1)に記載の編地。
(3)セルロース系紡績糸Aにおける綿の混率が30〜100%であり、長繊維Bがポリアミド系繊維であることを特徴とする(1)または(2)に記載の編地。
本発明の編地は、湿潤状態において通気度調整機能を発揮するため、素材自体の持つ伸長特性と撚効果、編地構造を組み合わせることにより、実用面で半永久的に機能を保持でき、原糸撚掛けをしても何ら通気度調整効果が低下することなく、耐久性に優れ、かつ良好な膨らみ、着心地を兼ね備えることができる。
図1は、一本交互編みの説明図である。 図2は、二本交互編みの説明図である。 図3は、フライスの編組織の例を示す。 図4は、天竺の編組織の例を示す。 図5は、スムースの編組織の例を示す。 図6は、リバーシブルの編組織の例を示す。
以下、本発明の編地を詳細に説明する。
本発明の編地は、セルロース系紡績糸Aと長繊維Bとを隣接させて交互に編成した構成を採用する。本発明の編地は、このような構成をとるため、湿潤により紡績糸Aが濡れて膨潤すると撚の残留トルクが発現し、また湿潤により長繊維Bが濡れると繊維の剛性が低下する。そのとき、残留トルクが発現した繊維のループと剛性の低下した繊維のループとが隣接することにより、紡績糸Aの残留トルクが発現しやすくなり、編目の角度が変化することにより通気度が向上する。更に、長繊維Bが湿潤により伸長する特性を持つものを用いると、長繊維のループが拡がり、通気度をさらに向上する効果を助長する。この通気度向上の効果は、紡績糸Aの編目角度が変化することによるものであるので、寸法安定性を保持したまま通気度を向上する効果が期待できる。
本発明の編地に使用されるセルロース系紡績糸Aは、湿潤時に撚の残留トルクを発現させるために綿や麻を主体とする紡績糸にすることが必要である。風合の柔らかさやトルク発現性の点から綿を主体とする紡績糸にするのが好ましい。セルロース系紡績糸Aにおける綿の混率としては、30〜100%が好ましく、より好ましくは40〜90%、更に好ましくは45〜80%である。混率が30%未満の場合は、濡れた時に残留トルクの発現が少なくなる傾向がある。綿または麻以外に混用できる繊維としては、レーヨン、ポリノジック、キュプラ等の再生繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維、ポリエステル繊維、及びその他の合成繊維のステープル、またこれらの混合された繊維等が挙げられるが、綿の機能性を補う繊維を混用するのが好ましい。また、肌着に使用する場合、吸湿性あるいは肌触りと言った点から、20℃、65%RHにおける公定水分率(JIS−1096)が5%以上の親水性の繊維を使用するのが好ましい。
紡績糸Aの撚係数は2.8〜5.0、より好ましくは3.0〜4.5、更に好ましくは3.2〜4.0である。撚係数が2.8より低いときは、濡れた時の残留トルクの発現が低下しやすく、5.0より高いときは、編地の斜行が大きくなったり、撚トルクの発現が強すぎて編目が強く変形し、逆に通気度が悪くなりやすい。
紡績糸Aのトルク指数は乾燥時(標準状態)において0〜25単位である。好ましくは5〜20単位である。標準状態のトルク指数が25単位を超えると、編地に斜行やカールが出やすくなり、また洗濯後の寸法変化が大きくなりやすくなったり、風合いが硬くなる。一方、紡績糸Aのトルク指数は湿潤時において15〜40単位である。好ましくは20〜30単位である。湿潤時のトルク指数が15単位未満の場合、湿潤による通気度向上効果は少なくなり、また40単位を超えると、トルクが強すぎて濡れたときの寸法変化が大きくなってしまったり、風合が硬いものになりやすい。そして、紡績糸Aの湿潤時のトルク指数は乾燥時のトルク指数より5〜20単位大きく、好ましく6〜15単位大きい。トルク指数差が5単位未満の場合、湿潤による通気度変化が小さく、効果が得られにくい。20単位を超える場合、湿潤時のトルク指数が大きくなりすぎて、濡れたときの寸法変化が大きくなりやすい。ここで、「湿潤」とは、JIS−L1095の水(20℃±2℃)に10分間以上浸漬して十分に湿潤させた状態を言う。
紡績糸Aの製造方法は、特に限定されないが、リング紡績がトルク発現性の点から好ましい。また、空気により繊維を巻きつける結束紡績等を用いてもよい。結束紡績糸に実撚はないが、結束糸も濡れたときに編目の角度を変える効果を発現することが本発明者らの実験により判明している。この理由としては、横断面の外側に巻付いた繊維が撚トルクの発現に寄与しているためであると考えられる。
紡績糸Aの総繊度は、衣料に用いるために好適な繊度であればよく、英式番手で20〜100番手の範囲から用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、インナーに用いるのであれば30〜80番手がよく、ポロシャツであれば20〜50番手が好ましく使える。
本発明の編地に使用される長繊維Bとしては、通気度向上の点から吸水性があり、かつ吸水膨潤により繊維の剛性が低下する素材が好ましく、例えば、ポリアミド系長繊維やレーヨン長繊維、アセテート長繊維、キュプラレーヨン長繊維等が挙げられる。特に剛性が低下するだけでなく、吸水膨潤により繊維の長手方向に伸びる繊維が好ましく、このような繊維として、例えばポリアミド系長繊維やレーヨン長繊維が挙げられる。
長繊維Bの水分率は乾燥時(標準状態)において2〜15%であり、好ましくは3〜12%である。このような長繊維の例としては、例えばナイロン6のようなポリアミド系繊維やレーヨンフィラメントやキュプラのようなセルロース系長繊維、ジアセテートのような半合成繊維が挙げられる。これら吸湿性長繊維は、湿潤により繊維の剛性が低下するため本発明に好ましく用いられる。水分率が2%未満の場合、湿潤による繊維の剛性変化が少なく、通気度向上効果が低下する。水分率が15%を超える繊維となると、汎用的な長繊維の範疇から外れて特殊な繊維となるため、強度や風合等の問題や、その他消費性能で問題を持つものが多くなる。
長繊維Bは、撚りが入ってなくても構わないが、撚が施されていると繊維が収束して、長繊維Bのループと紡績糸Aのループが滑りやすくなり、ループ形態の変化が起こりやすい。撚係数の範囲は0〜10000相当で、好ましくは100〜8000、更に好ましくは200〜7000である。10000を超えると、編目間の滑りは良くなるものの、製編性等の取り扱いの問題や編地のヒケが多くなる等の品質的な問題が起りやすくなる。ここで、長繊維Bの撚係数KはK=√繊度(dtex)×撚数で求められる。
本発明の編地は、長繊維Bが湿潤したときに剛性が低下することで効果が発現しやすくなるが、その結果、本発明の編地も濡れることで柔らかくなる。本発明の編地は、標準条件の雰囲気下で、乾燥時に対する湿潤時のKES曲げ剛性が30〜70%低下することが好ましい。曲げ剛性の低下率が30%未満では、紡績糸の残留トルクの発生が不十分で編目の形状変化が小さく通気度の変化が小さくなりやすい。また、70%を超えると、残留トルクの発現は大きくなるものの、編地がルーズとなり寸法変化が大きくなり透け感も出やすくなる。
本発明の編地は、セルロース系紡績糸Aと長繊維Bが交互に編成されていることを特徴とし、具体的には紡績糸Aと長繊維Bが一本交互または二本交互で配列されており、紡績糸Aと長繊維Bが隣接した状態が繰り返されている。具体的な編成方法としては、編地のコース方向に紡績糸Aと長繊維Bを交互に編成することが好ましい。一本交互とは、図1のように、紡績糸Aと長繊維Bを一本毎に交互に配列してなる編み方を言い、二本交互とは、図2のように、紡績糸Aと長繊維Bをそれぞれ二本ずつ配列して交互に編成する編み方を言う。
本発明の交互編みは、特許文献3のリバーシブル構造編地に比べて、より厚みの薄い編地としたり、乾燥時の通気度が更に高い編地を提供できるため、夏用衣料としてより快適な編地とすることができる。また、湿潤時の通気度向上効果も格段に高めることができる。この理由としては、リバーシブル構造の編地は紡績糸Aと長繊維Bをタックで連結しているが、本発明の交互編みはニットループで繋がっているため、紡績糸Aと長繊維Bの交互作用が起りやすくなるためであると考えられる。また、長繊維に必ずしも撚を入れる必要がなく、編地構造を簡略化できることや、風合をより柔らかくすることも可能である。
本発明の編地で使用される編組織としては、フライス(図3参照)、天竺(図4参照)、スムース(図5参照)が挙げられる。また、伸縮性繊維を交編したものの例としては、片袋も使用できる。
本発明の編地における長繊維Bが占める割合としては、30〜70重量%が好ましく、更に好ましくは40〜65重量%である。長繊維Bの割合が30重量%未満の場合、湿潤時に生地の剛性の低下率が少なく、紡績糸Aの残留トルク発現が小さくなり、編目変化が少なく、通気度の増加が小さくなりやすい。また、70重量%を超えると、短繊維Bのトルク変化が大きくなり、通気度の増加が大きいが、生地としての寸法安定性が悪く、たらつきも大きいため製品としての品位低下となりやすい。
本発明の編地を製編するときの編成糸長としては、フライス編みでは糸直径の33〜36倍が好ましく、天竺編みでは15〜20倍が好ましく、スムースでは20〜23倍が好ましい。従来の編地では、好ましい編成糸長は、フライス編みでは糸直径の31〜33倍、天竺編みでは15〜16倍、スムースでは18〜20倍であるが、本発明では編成糸長を従来より5〜25%程度長めに設定するのがよい。編成糸長を従来より長めに設定することにより、湿潤時に紡績糸Aのトルクが発現し易くなり、通気度変化を大きくすることができる。なお、糸直径(mm)は(0.970)/√Ne番手(参考:P.394第14表「メリヤス技術必携(よこ編)」/日本繊維機械学会/昭和48年3月10日発行)で求められる。
本発明の編地は、乾燥時(標準状態)の通気度が100〜350cc/cm・sであり、湿潤時における通気度が乾燥時より高く、150〜400cc/cm・sであることが好ましい。更に、乾燥時から湿潤時へ変化した場合の通気度の上昇が30cc/cm・s以上であることが好ましい。より好ましくは、50cc/cm・s以上が良い。通気度変化が30cc/cm以上あると、着用中の換気効果が促進されて衣服内環境を良好に保つことができる。乾燥時から湿潤時へ変化した場合の通気度の変化率は好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上である。
本発明の編地は、湿潤時に通気度が向上するため、汗や水で濡れる可能性のある衣料品に用いると、濡れたときの不快感を軽減できるとともに、早く乾いて不快感を早く軽減することができるし、濡れたことによる寸法変化や型くずれを起こし難い特徴を有する。このような衣料品として、例えばスポーツ用途、インナー用途、ワーキング等、広い用途で用いることができる。
以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明における各特性値の測定方法は以下の通りである。
(イ)撚数
手動式検撚機(浅野機械製作株式会社製)を用い、JIS−L−1095−A法に準拠して測定した。
(ロ)原糸伸長率
JIS−L−1095の標準状態(20℃±2℃,65%±2%)からJIS−L−1095−A法(かせ寸法変化率)の操作を行った。但し、浸漬後取出したかせは吸い取紙で軽く水を切った後風乾せず、直ちに初荷重をかけて長さを測定した。伸長率は(湿潤時長さ−標準状態長さ)/標準状態長さ×100(%)で算出した。数値の前にマイナス表示のあるものは原糸が収縮することを表す。
(ハ)編地の目付
JIS−L−1018−6.4.2のメリヤス生地の試験方法の備考の目付に準拠して測定した。
(ニ)編地密度
JIS−L−1018−8.8の密度に準拠して測定した。
(ホ)編地のピリング性
JIS−L−1096のICIA法(5時間)を用いて測定、評価した。
(へ)スナッキング
JIS−L−1058のICI型ピリング試験機法(D法)に準拠して測定した。
(ト)曲げ剛性
本発明に係る編地の力学特性はKES(Kawabata′s Evaluation System for Fabrics)による。KES−FB2法によってカトーテック社製曲げ試験機を用いて生地のたて・よこ平均の曲げ剛性値(B)を評価した。測定は20cm×20cmの試料を間隔1cmのチャックに把持し、曲率K=−2.5〜+2.5cm−1の範囲で、変形速度0.50cm−1/secの等速度曲率の純曲げを行なう。Bは試料の単位長さ当りの曲げモ−メントMと曲率Kとの曲線の傾斜を表わす。ここでは、曲率K=0.5と1.5との間の傾斜、曲率K=−0.5と−1.5との間の傾斜を平均した値を用いる。測定の回数をたて・よこのそれぞれn=3回として、たて・よこの平均を曲げ剛性の値を求めた。測定環境は20±2℃、65±2%RHである。乾燥時の曲げ剛性は試料を20℃、65%RHの環境で十分調湿してから測定する。湿潤時の曲げ剛性は下記(リ)の方法により湿潤したものを用いる。
(チ)通気度
JIS−L−1096−8.27.1−A法(フラジール型法)に準拠して測定した。乾燥時の通気度は試料を標準状態(20℃、65%RH)で十分調湿してから測定する。湿潤時の通気度は下記(リ)の方法により湿潤したものを用いる。
(リ)生地の湿潤方法
試験片は乾燥時の通気度、曲げ剛性を測定した後のものを用いる。まず、標準状態で調湿した試験片の重量を測定する。その後、試験片を25℃±2℃の水中に30分間浸漬し、水を十分に浸漬させる。次に、ラボ試験用マングル(押圧1kg/cm)で脱水して、脱水後のサンプル重量を測定する。サンプルを平干し乾燥しながら、標準時試験片の重量に対して湿潤時重量が1.5倍になったところで、曲げ剛性(又は通気度)の測定を開始する。
(ヌ)湿潤時の通気度変化率
通気度は上記(チ)に従って測定した。なお、算出方法は、20℃×65%RH環境下での通気度aと湿潤時の通気度bとから、通気度変化率(%)={(通気度b−通気度a)/通気度a}×100の式で算出されるものである。なお、通常、通気度自体の単位は(cc/cm/sec)で表される。
(ル)トルク指数
JIS−L−1095−9.17−A法(スナール指数)を用いて測定した。乾燥時のトルク指数は、試料を標準状態(20℃、65%RH)で十分調湿してから測定した。湿潤時のトルク指数は、糸の両端を把持して撚り逃げしないように注意しながら、水(20±2℃)に10分間浸漬して十分に湿潤させてから、吸取紙で軽く水を切って測定した。
(実施例1)
綿(カリフォルニア綿)繊維50重量%と、レーヨン短繊維(ダイワボー製レーヨン)(単繊維繊度0.9dtex、繊維長38mm)50重量%とを小原鉄工製混綿機を用いて混綿した。その後、混綿した繊維を、豊和製カード機を用いてカードスライバーとし、原織機製練条機に2回通して250ゲレン/6ydのスライバーを得た。その後、250ゲレン/6ydの綿コーマースライバーと合わせて、原織機製練条機に2回通してスライバー混紡し、混率及びゲレン調整して綿繊維/レーヨン=50/50重量%に調整し、300ゲレン/6ydのスライバーを得た。次いで豊田自動織機製粗紡機を用いて8倍のドラフトを掛け、100ゲレン/15ydの粗糸を紡出し、次いで豊田自動織機製精紡機を用いて40倍のドラフトを掛け、撚係数K=3.8(26.9T/in)で施撚して50番手の糸を得た。更にナイロン長繊維(東洋紡績(株)製シルファイン110dtex−36f)に実撚(600T/m)を村田機械製合撚機を用いて施撚し撚糸を得た。次いで16′′−18Gのフライス編機LRB(永田精機)を用いて前記紡績糸とナイロン長繊維を1:1で交互に仕掛けて図1に記載のフライス組織の丸編み生機を製編した。編成時の編成条件は糸長530mm/100ウェールであった。
日阪製作所製液流染色機サーキュラーNSを用いて、下記の処方1にて精練・漂白を施した。
処方1:苛性ソーダ(日本曹達製)5g/L
精練剤(日華化学(株)製ピッチランL250)2g/L
トリポリ燐酸ソーダ(多田薬品株製)2g/L
過酸化水素安定剤(日華化学(株)製PLC7000)1g/L
35%過酸化水素15ml/L
パーソフタルMAX(日華化学株製浴中柔軟剤)1g/L
浴比1:12
温度95℃・60分間処理した後、酢酸で中和して水洗。
引き続き、下記処方2の反応染色にて綿及びレーヨンを染色した後、下記処方3の酸性染色でポリアミド繊維を染色した。その後ソーピング・中和・水洗した後、浴中柔軟処理を施してから染色機から取出し、拡布・遠心脱水して、荒繰り、ショートループドライヤーで150℃・1分間処理して熱風乾燥した。
処方2:反応染料(住化ケムテックス(株)製Sumifix Supra BLUE
BRF 1%owf
浴中柔軟剤(パーソフタルMAX)2g/L
無水芒硝(東ソー(株)製)30g/L
アルカリ剤(明成化学工業(株)製MS171)5g/L
浴比1:12、染色温度60℃・60分
処方3:酸性染料(日本化薬製Kayanol Blue NR) 1.0%owf
pH調整剤(酢酸でpH=4に調整)
均染剤(明成化学工業(株)製ディスパーTL)1g/l
浴比1:12、染色温度90℃・30分
柔軟処理:クラリアント社製サンドパームMEJ−50リキッド1.0%
owf
最終生地として目付130g/m、表面の編地密度コース47個/inch、ウェール34個/inchの編地を得た。得られた実施例1の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1で用いた糸(綿/レーヨン紡績糸50/1とナイロン長繊維)の編成方法を1:1の一本交互編みから2:2の二本交互編みに変更した以外は、実施例1と同様の条件で編地を作製した。得られた実施例2の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1で用いた糸(綿/レーヨン紡績糸50/1とナイロン長繊維)の編成条件を編成糸長で530mm/100Wから580mm/100Wに変更した以外は、実施例1と同様の条件で編地を作製した。得られた実施例3の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1で用いた糸(綿/レーヨン紡績糸50/1とナイロン長繊維)の編成条件を編成糸長で530mm/100Wから480mm/100Wに変更した以外は、実施例1と同様の条件で編地を作製した。得られた実施例4の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1で用いたナイロン長繊維110T−36fに施撚せずに使用した。但し、パーンから解じょするときに自然に撚りが掛るため、おおよそ20T/mの撚数になっている。それ以外は、実施例1と同様の条件で編地を作製した。得られた実施例5の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1で用いた綿繊維とレーヨン短繊維の混紡糸50/1を綿100%の50/1に変更した以外は、実施例1と同条件で編地を作製した。綿糸については、OHARA製混綿機を用いて混綿した。その後豊和製カード機を用いてカードスライバーとし、原織機製練条機に2回通して250ゲレン/6ydのスライバーを得た。その後、前記カードスライバーをコーマの準備工程を通してラップを作製し、コーマ機を通して短繊維を除去し、250ゲレン/6ydの綿コーマースライバーを作製した。次いで原織機製練条機に2回通してゲレン調整して300ゲレン/6ydの綿スライバーを得た。次いで豊田自動織機製粗紡機を用いて8倍のドラフトを掛け、100ゲレン/15ydの粗糸を紡出し、次いで豊田自動織機製精紡機を用いて40倍のドラフトを掛け、撚係数K=3.8(26.9T/in)で施撚して50番手の糸を得た。得られた実施例6の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1で用いた綿繊維とレーヨン短繊維の混紡糸50/1を綿繊維50重量%と、レーヨン短繊維50重量%を実施例1と同工程で作製した練条スライバーを結束紡績機(村田機械製MVS)で200倍のドラフトを施し、300m/分のスピードで50/1を紡出して使用した以外は、実施例1と同様の条件で編地を作製した。得られた実施例7の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1で用いたナイロン長繊維110T−36fの撚数を600T/mからナイロン長繊維56Tを二本あわせて双糸として600T/mで合撚糸にしたものに変更した以外は、実施例1と同様の条件で編地を作製した。得られた実施例8の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1で得た粗糸(綿50重量%/レーヨン50重量%)を用いて豊田自動織機製精紡機を用いて24倍のドラフトを掛け、撚係数K=3.8(20.1T/in)で施撚して30番手のZ撚糸とS撚糸を得た。更にナイロン長繊維(東洋紡績(株)製シルファイン110dtex−36f)を得た。そして福原機械30′′−28G XL−3FAを用いて天竺(図4参照)を編成して、実施例1と同様の条件で編地を作製した。得られた実施例9の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1で得た粗糸(綿50重量%/レーヨン50重量%)を用いて豊田自動織機製精紡機を用いて48倍のドラフトを掛け、撚係数K=3.8(29.4T/in)で施撚して60番手の糸を得た。更にナイロン長繊維(東洋紡績(株)製シルファイン78dtex−24f)を得た。そして福原機械30′′−22G LPJを用いてスムース(図5参照)を編成して、実施例1と同様の条件で編地を作製した。得られた実施例10の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で用いた綿/レーヨン50/1の紡績糸の撚係数K=3.8(撚数26.9T/in)を撚係数K=2.5(撚数17.7T/in)に変更した以外は、実施例1と同様の条件で編地を作製した。得られた比較例1の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で用いたナイロン長繊維110T−36fの撚糸をエステル長繊維110T−36fに変更した以外は、実施例1と同様の編成条件で生機を編成し、染色加工を施して編地を作製した。得られた比較例2の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1で用いた綿/レーヨンの混紡紡績糸50/1の代わりにエステル(ESS1.5dtex−38mm)100%を小原鉄工製の混綿機で開繊し、ワタを豊和製カード機へ空気搬送して270ゲレン/6ydのカードスライバーとした後、原織機製の練条機を3回通し、300ゲレン/6ydの練条スライバーを得た。次いで豊田自動織機性の粗紡機を通して100ゲレン/15ydの粗糸を得て、豊田自動織機製の精紡機により40倍のドラフトを掛けてNe50/1の紡績糸を得た。前記紡績糸を用いた以外は実施例1と同様の編成条件で生機を編成し、下記条件にて染色加工を施して編地を作製した。このとき、ナイロン長繊維より先にエステル短繊維の紡績糸を下記処方4で染色する以外は実施例1と同様に処理した。得られた比較例3の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
処方4:分散染料(Dianix Blue FBL−E)1.0%owf
pH調整剤(酢酸でpH=5に調整)
均染剤(明成化学工業(株)製ディスパーTL)1g/l
浴比1:12、染色温度130℃・30分
(比較例4)
実施例1で得た糸(綿/レーヨン紡績糸50/1とナイロン長繊維)を用いて表側にナイロン長繊維、裏側に綿/レーヨン紡績糸を配したリバーシブル編地(図6参照)を編成して実施例1と同様の条件で染色加工を施して編地を作製した。得られた比較例4の編地の詳細と評価結果を表1に示す。
Figure 0005667548
本発明の編地は、湿潤状態において通気度調整機能を有するだけでなく、編地寸法安定性にも優れ、実用面においても原糸撚掛けによるスナッキング、洗濯等の耐久性においても何ら支障をきたすことなく用いることができる。従って、インナー用途、スポーツ用途、オフィスユニフォーム用途など、幅広く衣料用途の素材として利用することができ、繊維産業界に寄与することが大である。

Claims (3)

  1. 乾燥時のトルク指数が0〜25単位、湿潤時のトルク指数が15〜40単位であり、湿潤時のトルク指数が乾燥時のトルク指数より5〜20単位大きく、撚係数Kが2.8〜5.0であるセルロース系紡績糸Aと、乾燥時の水分率が2〜15%である長繊維Bとを交互に編成した編地であって、乾燥時の通気度が100〜350cc/cm・sであり、湿潤時の通気度が乾燥時の通気度より高くなることを特徴とする編地。
  2. セルロース系紡績糸Aと長繊維Bが一本交互または二本交互で交互編成されていることを特徴とする請求項1に記載の編地。
  3. セルロース系紡績糸Aにおける綿の混率が30〜100%であり、長繊維Bがポリアミド系繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の編地。
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