JPH0890814A - サーマル記録装置 - Google Patents

サーマル記録装置

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JPH0890814A
JPH0890814A JP22960494A JP22960494A JPH0890814A JP H0890814 A JPH0890814 A JP H0890814A JP 22960494 A JP22960494 A JP 22960494A JP 22960494 A JP22960494 A JP 22960494A JP H0890814 A JPH0890814 A JP H0890814A
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Shigeru Shimizu
茂 清水
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】色再現の忠実なサーマル記録装置を提供する。 【構成】印字ヘッド10の主走査方向にピッチPT、副
走査方向にピッチL(=PT/√3)で発熱体11を千
鳥状に2列配設する。これら2列の発熱体11で一回の
印字を行い、この印字毎に副走査方向に2ライン分(2
列分)の送り量でプラテン21を回転させ、これによ
り、着目ドットを中心に囲んだ6個の印字ドットが正六
角形を形成するように構成する。したがって、印字ドッ
トは全て等距離に配置され、階調にむらの無い均一な画
質の画像が得られ、特にフルカラーの印字では忠実な色
再現による美しい画像が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】記録ヘッドの熱制御に基づいてイ
ンク転写により印字(印画)を行うサーマル記録装置に
係わり、特に美しい画像を印字するための滑らかなドッ
ト階調を実現するヘッド先端構造を備えたサーマル記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、サーマル記録装置で、印字ド
ットの階調を表現する場合、昇華型インクリボンを使っ
た濃度階調法と、オフセット印刷などにおける網点のよ
うに1ドットの大きさを変化させて階調を得る面積階調
法がある。いずれの場合も、記録用紙とほぼ同幅で長尺
なベースフィルム上にインクを塗布したインクリボンが
用いられる。中でも多色刷り印字(カラー印刷)に用い
られるインクリボンの場合は、通常、減法混色のY(イ
エロー:黄色)、M(マゼンタ:赤色染料)、及びC
(シアン:緑味のある青色)の三原色、又はこれらの三
色に更に文字などの印字に専用されるBk(ブラック:
黒)を加えた四色のインクを、ベースフィルム上に長手
方向へ面順次に並べて繰り返し塗布した形状のインクリ
ボンが用いられる。そして、これらの色を、重ね塗りに
よって種々の割合で混合し、様々な色合いと階調とを表
現する。
【0003】特に後者の面積階調法は、記録ヘッドの発
熱体の発熱分布が放射状になっていることを利用してお
り、その発熱体への印加エネルギーをコントロールする
ことにより階調制御が実現できる。この場合、1印字ド
ットに着目すると、低濃度から高濃度へと変化するに応
じて印字ドットの大きさは同心円状に大きくなる。そし
て、印字ドットそのものの濃度は印字ドットの大きさに
拘りなく常に最高値であってそれ以上濃くなることはな
く、画像の濃淡(階調)は上述した印字ドットのサイズ
変化によって表現される。
【0004】図10(a) は、このような従来のサーマル
記録装置における発熱体の配列状態を示したものであ
る。同図に示す発熱体1は、横幅Wd及び縦長Htの寸
法を有し、主走査方向に印字ピッチPtで配列されてい
る。この発熱体1は、副走査方向の両端が、発熱体1の
横幅Wdとほぼ同幅のコモン電極2及びセグメント電極
3にそれぞれ接続され、両電極により選択的に印加エネ
ルギー(通常は印加電圧パルス)を供給されて発熱し、
この発熱に基づく熱エネルギーを感熱紙又はインクリボ
ンに伝達する。
【0005】同図(b) 〜(e) は、1印字期間における印
加電圧パルス周期TWにおいて、高濃度(階調)から低
濃度(階調)へ、印加エネルギーを100%供給した場
合、80%供給した場合、30%供給した場合、及び1
0%供給した場合にそれぞれ対応して順次変化する印字
ドットの大きさを模式的に示している。同図(e) に示す
印加エネルギー10%のときは印字ドットは非常に小さ
く、同図(d) に示す印加エネルギー30%のときはやや
大きく、同図(c) に示す印加エネルギー80%のときは
更に大きく、一部には隣接ドットに繋がりが見られる。
そして、同図(b) に示す印加エネルギー100%のとき
は、この濃度(階調)はインクをべた塗りする濃度であ
るため、丸形に印字される印字ドットで隙間が生じない
よう隣接ドットが重なるようにドット形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の主走
査方向に配列されている記録ヘッドの発熱体は、印字の
際には同時に発熱することから、主走査方向の印字ドッ
トは隣接する発熱体の熱の影響が大きい。このことは、
画像の印字において以下に説明するような不都合を生じ
させる。
【0007】図11(a) は、印加エネルギーを80%供
給した場合の発熱体の発熱による温度分布を示す図であ
る。同図(a) は横軸に各発熱体の温度分布、縦軸に温度
を示している。また、インク転写閾値温度Tthを一点鎖
線で示している。同図(a) に示すように、隣接する発熱
体の本来インク転写閾値温度Tth以下であるべき境界温
度が、インク転写閾値温度Tthの上下に不均一に分布し
ている。すなわち、各発熱体の温度分布4−1と4−
2、4−2と4−3及び4−4と4−5間では境界温度
がインク転写閾値温度Tth以下となっていて正常である
が、他の発熱体の温度分布4−3と4−4及び4−5と
4−6間では、隣接する発熱体の熱の影響を受けて、境
界温度がインク転写閾値温度Tth以上になっている。
【0008】このようなことがあるために、上述した印
加エネルギーが100%のときのように隣接ドットが当
然重なる場合は別として、印加エネルギーが80%の濃
度のとき、図10(c) に示したように、印字ドット同士
の不規則な繋がりがしばしば発生する。このことは、印
加エネルギーと記録濃度との関係を測定して得られる次
の特性図からも明らかになる。
【0009】図11(b) は、上記方式のドット階調制御
により各発熱体への印加エネルギーを可変し、その結果
転写紙(記録用紙)に得られる記録濃度とその印加エネ
ルギーとの関係を示す特性図である。同図は、横軸に印
加エネルギー、縦軸に濃度を示している。同図に示すよ
うに、図の両方向矢印Aに示す高印加エネルギーの範囲
では、同じ印加エネルギーに対して得られる濃度にバラ
ツキ5(図の斜線で示す部分)があることを示してい
る。これは、上述した印加エネルギーが80%近傍の濃
度のときの印字ドット同士の不規則な繋がりに起因して
いる。
【0010】一般に、濃度や色合いは、1印字ドットを
中心に周囲の印字ドットとの混合度で視覚的に決ってく
る。したがって、イエロー、マゼンタ、シアンの三原色
で様々な色合いを表現する高階調性を持たせたフルカラ
ー印字の場合、上記のように印字ドットが不規則に繋が
る状態では色ムラとなって見苦しい画質の画像が現出す
る。もちろん白黒画像の場合でも階調ムラとなるから同
様のことがいえる。
【0011】本発明は、上記従来の実情に鑑み、印字ド
ットの可変サイズによりドット階調を表現可能なサーマ
ル記録装置において、エネルギー効率がよく、美しい色
再現の画像が得られるサーマル記録装置を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明に係わる
サーマル記録装置の構成を述べる。本発明は、主走査方
向に複数の発熱体を有する記録ヘッドと、上記発熱体へ
通電してサーマル紙に又はインクリボン上のインクを転
写することにより転写用紙にドット画像を形成する通電
制御手段と、上記記録ヘッドと上記サーマル紙又は上記
転写用紙を副走査方向へ相対移動させる移動手段とを有
するサーマル記録装置を前提とする。
【0013】本発明のサーマル記録装置は、上記主走査
方向の配列ピッチをPT、副走査方向の配列ピッチをP
T/√3とし、nを整数として2×n列の千鳥状に配列
された発熱体を備えて構成される。
【0014】そして、例えば請求項2記載のように、上
記移動手段は、記録ヘッドとサーマル紙又は転写用紙を
1回の印字終了毎に(PT/√3)×(2×n)だけ相
対移動させるように構成される。
【0015】
【作用】本発明のサーマル記録装置は、2×n列の千鳥
状に配列された発熱体により、主走査方向のピッチPT
に対して副走査方向のピッチがPT/√3であるような
印字ドットが一回の印字動作で形成される。そして、移
動手段により、記録ヘッドとサーマル紙又は転写用紙が
1回の印字終了毎に(PT/√3)×(2×n)だけ相
対移動して上記配列の印字ドットがサーマル紙又は転写
用紙に順次形成される。
【0016】これにより、隣接する印字ドット間の熱の
影響が抑止され、美麗で滑らかなドット階調が実現す
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳述する。図1は、一実施例に係わるサーマル記
録装置に用いられる記録ヘッドの構成を示す図である。
同図に示すように、記録ヘッド10は、図の両方向矢印
Bで示す主走査方向に複数の発熱体11を備えている。
これらの発熱体11は、横幅寸法H及び縦長寸法Vの大
きさを有し、主走査方向に配列ピッチPT、副走査方向
に配列ピッチLで、千鳥状に2列になって配列されてい
る。この発熱体11は、副走査方向の両端が発熱体11
の横幅寸法Hとほぼ同幅のコモン電極12及びセグメン
ト電極13にそれぞれ接続され、両電極により選択的に
パルス電圧を印加されて発熱し、この発熱に基づく熱エ
ネルギーを感熱紙又はインクリボンに伝達する。尚、上
記発熱体11の千鳥状の配列は、2列に限ることなく、
2×n列(nは整数)であってもよい。
【0018】また、これらの発熱体11の配列間隔は、
主走査方向の配列ピッチPTと副走査方向の配列ピッチ
Lとの間に、L=PT/√3の関係が成り立つように構
成されている。
【0019】図2は、上記サーマル記録装置の構成ブロ
ック図である。同図において、画像データ出力部15
は、画像データを一時的に収納している回路であり、階
調データを伴った例えば8ビット幅の画像データSD を
階調データ制御部16に出力する。階調データ制御部1
6は、予めプログラミングされた階調アーキテクチャ例
えば濃度特性テーブル等に基づいて、さらには各発熱体
の熱履歴等も考慮して、画像データ出力部15から入力
される画像データSD に含まれる階調データに所定の補
正を行って、この補正後の画像信号を、シリアル印字デ
ータS4 としてシリアル/パラレル変換部17に出力す
る。
【0020】制御パルス発生部18は、装置全体を制御
する回路であり、転送クロックS0を画像データ出力部
15へ、データ読み込みクロックS1 を階調データ制御
部16及びシリアル/パラレル変換部17へ、ラッチク
ロックS2 及びストローブ信号S5 をシリアル/パラレ
ル変換部17へ、並びにモータ送り信号S3 をモータ・
ドライバ19へそれぞれ出力する。
【0021】モータ・ドライバ19はモータ送り信号S
3 によりステッピングモータ19aを駆動する。上記シ
リアル/パラレル変換部17は、階調データ制御部16
から入力されるシリアル印字データS4 をパラレルデー
タS4′に変換して、ヘッドドライバ20に出力する。
ヘッドドライバ20は、パラレルの駆動信号Dd を出力
して記録ヘッド10を駆動する。
【0022】図3は、上記サーマル記録装置の記録ヘッ
ド10を中心とする主要部の構成を斜視図で模式的に示
している。上述した図1の発熱体11は、この図3に示
す記録ヘッド10の下面において主走査方向に配設され
ている。同図に示すように、記録ヘッド10は、ゴム等
の弾性体からなるプラテン21に対向してそのプラテン
21の上方に位置し、上下両方向に移動自在に配設され
る。この記録ヘッド10は、非印字時には上方に在り、
印字時には下方に移動してプラテン21に受像紙(記録
用紙)22を適宜に押圧する。これによって、プラテン
ローラ21と受像紙22間には摩擦力が働く。また、同
図には図示を省略しているが、記録ヘッド10と受像紙
22間には後述するインクリボンが介在している。
【0023】上記のプラテンローラ21の駆動軸には、
ステッピングモータ19aからギアボックス19bを介
して駆動力が伝達される。ステッピングモータ19aが
1パルス分回転する毎に、プラテンローラ21は、1ラ
イン分の送り量だけ回転する。本実施例では、1ライン
の送り量は、記録ヘッド10の主走査方向の印字ドット
のピッチPTの1/√3となるように、ギアボックス1
9b内のギア比が設定されている。そして、本実施例で
は発熱体11を副走査方向に千鳥状に2列配列の構成と
してあるので、1回の印字毎に2ライン(2パルス分)
の送りを行っている。尚、発熱体11の千鳥状の配列が
2×n列である場合には、1回の印字毎に2×nライン
(2×nパルス分)の送りを行うように構成する。
【0024】このようにプラテン21は、副走査方向の
印字タイミングに同期して2ライン分ずつ間欠回転駆動
されて受像紙22を搬送する。受像紙22は、インクリ
ボンと共に副走査方向に2ライン分ずつ間欠移動する。
【0025】図4は、上記の記録ヘッド10やプラテン
21などから成る熱転写部に着脱自在に装着されるイン
クリボンカセットを側面から見た一部断面図である。同
図は、インクリボンカセット24がサーマル記録装置の
熱転写部に装着された状態を示している。上述したプラ
テン21と記録ヘッド10から成る印字部は、上記装着
されたインクリボンカセット24の開口部25内に位置
する。
【0026】同図に示すように、インクリボンカセット
24は、リール保持孔26aを備えたリボン供給側27
aと、同じくリール保持孔26bを備えた巻取側27b
とから成り、巻取側27bのリール28bが図の矢印C
で示す時計回り方向に回転してインクリボン29を巻き
取ることにより、供給側27aのリール28aに巻かれ
て保持されている未使用のインクリボン29を図の矢印
Dで示す左方向へ引き出し、この引き出した新たなイン
クリボン29をプラテン21と記録ヘッド10との対向
部から成る熱転写部(印字部)へ供給する。インクリボ
ン29は、記録ヘッド10により画像データに応じた熱
エネルギーを伝達されインクを受像紙22上に転写され
ながら、プラテン21の間欠駆動に同期して巻取側27
bのリール28bにより巻き取られる。インクリボンカ
セット24は、供給側27aのインクリボン29がなく
なると新品のインクリボンカセットと交換される。
【0027】受像紙22は、サーマル記録装置の不図示
の用紙搬送ローラにより、図の矢印Eで示す右下から左
上方向へ搬入され、プラテン21の上面に当接して印字
処理を施された後、左下方向へ搬出される。
【0028】図5は、このような記録ヘッド10と図2
に示したヘッドドライバ20及びシリアル/パラレル変
換部17の回路ブロック図である。同図に示すように、
シリアル/パラレル変換部17は、シフトレジスタ17
−1、ラッチ回路17−2、及びNAND回路17−3
から構成されている。シフトレジスタ17−1には、端
子CLKに入力するデータ読み込みクロックS1 に同期
して端子DINにシリアル印字データS4 が順次入力す
る。シフトレジスタ17−1は、シリアル印字データS
4 を順次シフトして、O0 〜OQ-1 のパラレルデータに
変換し、このパラレルデータO0 〜OQ-1 をラッチ回路
17−2へ出力する。
【0029】ラッチ回路17−2は、シフトレジスタ1
7−1から出力されるパラレルデータO0 〜OQ-1 をラ
ッチクロックS2 の入力に同期してラッチし、このラッ
チしたパラレルデータO0 〜OQ-1 をNAND回路17
−3へ出力する。
【0030】NAND回路17−3の上記パラレルデー
タO0 〜OQ-1 に対応する数の各NANDゲートは、一
方の入力端子に入力するストローブ信号S5 がアクティ
ブ(“1”)である期間、他方の入力端子に上記ラッチ
回路17−2から入力するパラレルデータO0 〜OQ-1
のそれぞれ対応する信号を反転してヘッドドライバ20
へ出力する。
【0031】ヘッドドライバ20は、上記各NANDゲ
ートに対応するQ個のアンプ(増幅器)により、NAN
D回路17−3の各NANDゲートから入力する反転さ
れたデータO0 〜OQ-1 をそれぞれ増幅反転し、これら
増幅反転した信号をパラレルの印字ヘッド出力Ddとし
て記録ヘッド10へ出力する。
【0032】記録ヘッド10の、上記Q個のアンプに対
応するNo.1,2・・・Q−1,QまでQ個ある発熱
体11は、それぞれ対応するアンプからデータ“1”
(パルス)が入力することにより発熱する。上記のアン
プ出力は、図1に示したセグメント電極13の電圧であ
り、また、上記の記録ヘッド10への入力S6 は、図1
に示したコモン電極12の電圧である。上述の1回のラ
ッチクロックS2 に対応する上記アンプの出力は1階調
分に対応する印字データ(印加エネルギー)である。
【0033】したがって、例えば画像データが8ビット
幅の階調データからなるとすれば濃度表現には128階
調が得られ、この場合、上述したシリアル印字データS
4 がパラレルデータO0 〜OQ-1 に変換され、ラッチ回
路17−2、NAND回路17−3及びヘッドドライバ
20を介して記録ヘッド10に出力されるまでの一連の
処理は、一度に印字される主走査方向2ラインの処理の
1/128の処理に対応する。そして、この主走査方向
2ライン分の処理に対してシリアル印字データS4 は、
128回、シリアル/パラレル変換部17に入力する。
【0034】次に、このような構成のサーマル記録装置
による印字制御の動作を、図6のタイミングチャートを
用いて説明する。同図は、(a) はタイミング期間T、
(b) はデータ読み込みクロックS1 、(c) はシリアル印
字データS4 、(d) はラッチクロックS2 、(e) はスト
ローブ信号S5 、(f) は記録ヘッド出力Dd、及び(g)
はモータ送り信号S3 である。
【0035】同図(a) のタイミング期間Tは、主走査方
向2列分の最大印字期間TW と用紙送り期間TM のタイ
ミングが交互にくる。この最大印字期間TW のタイミン
グ内において、最初の単位印字期間tW に、データ読み
込みクロックS1 の最初の128クロックS11(同図
(b) 参照)に同期して、1階調分のシリアル印字データ
S41(同図(c) 参照)が、シフトレジスタ17−1に入
力し、これがラッチクロックS2 (同図(d) 参照)に同
期して、ラッチ回路17−2にラッチされ、ストローブ
信号S5 がアクティブ(同図(e) 参照)であることによ
り、NAND回路17−3及びヘッドドライブ20を介
し2ライン分の初期の記録ヘッド出力Ddとして出力さ
れる(同図(f) 参照)。上記単位印字期間tW の処理が
128回繰り返されてシリアル印字データS41が128
回積算され、この積算データS42が、最大印字期間TW
の記録ヘッド出力Ddとなる。
【0036】シリアル印字データS41の、最低階調(白
は含まない)の印字ドットに対応するデータ(“1”)
は、最初の単位印字期間tW だけ出力され、最高階調の
印字ドットに対応するデータは全ての単位印字期間tW
、即ち128単位印字期間で出力される。この最高階
調の出力が前述した印加エネルギー100%の供給に対
応する。前述の印加エネルギー80%、30%、10%
等に対応する中間階調の印字ドットのデータは、最初の
単位印字期間tW から階調数に対応する単位印字期間t
W 数だけ連続して出力される。そして、非印字(白)の
場合は“0”が出力される。
【0037】この後、用紙送り期間TM で、モータ送り
信号S3 により、受像紙22及びインクリボン29を副
走査方向にピッチ2×Lだけ搬送し、再び最大印字期間
TWのタイミングで次の主走査方向2ライン分の印字を
行う。上記用紙送り期間TMは、ステッピングモータ1
9aの送り動作が速ければ短くなり、送り動作が遅けれ
ば長くなる。
【0038】このようにして、印字処理において、主走
査方向2ライン分の印字ドット毎に、最低階調から最高
階調まで階調制御がなされ、この制御に応じて、千鳥状
に2列に配列されている発熱体11が発熱する。
【0039】図7(a) は、上述の電圧パルス印加制御に
よる印加エネルギーを80%供給した場合の発熱体11
の発熱による温度分布を示す図である。同図(a) は横軸
に各発熱体の温度分布、縦軸に温度を示している。ま
た、インク転写閾値温度Tthを一点鎖線で示している。
同図(a) に実線で示す温度分布11aは1列目の発熱体
11の温度分布を示し、破線で示す温度分布11bは2
列目の発熱体11の温度分布を示している。同図(a) に
示すように、隣接する発熱体の温度分布11aと11a
及び11bと11bの境界温度は全て均一にインク転写
閾値温度Tth以下のところで一定している。これは各発
熱体11が印字の際同時に発熱しても隣接する発熱体の
熱の影響が殆ど受けないことを示している。これは、繰
り返し述べてきたように、本実施例において記録ヘッド
10の主走査方向に配列されている発熱体11が主走査
方向及び副走査方向に「1」対「1/√3」となるよう
なピッチで千鳥状に2列に配置されているため、相対的
に隣接する発熱体の間隔が大きくなっているからであ
る。
【0040】同図(b) は、上記のドット階調制御により
各発熱体11への印加エネルギーを可変し、その結果受
像紙22に得られた記録濃度とその印加エネルギーとの
関係を示す特性図である。同図は、横軸に印加エネルギ
ー、縦軸に濃度を示している。同図に示すように、本実
施例の場合は、図の両方向矢印Fに示す高階調部の範囲
においても、低階調部と同様に同じ印加エネルギーに対
して得られる濃度は一定しており、バラツキが見られな
い。
【0041】図8は、上記高階調部の範囲においても低
階調部と同様にバラツキのないドット形成の状態を示す
図である。同図は副走査方向にピッチLで主走査方向に
2列一度に印字される印字ドットの形成状態を、1印字
期間における印加電圧パルス周期TWにおいて高濃度か
ら低濃度へ、印加エネルギーを100%供給した場合、
80%供給した場合、30%供給した場合、及び10%
供給した場合にそれぞれ対応して模式的に示したもので
ある。この場合も同図(a) に示す印加エネルギーが10
0%印加される隣接ドットが重なり合う濃度の場合は別
として、前述した従来例とは異なり、同図(b) に示すよ
うに、印加エネルギーが80%の濃度のときも、隣接す
る印字ドット同士が不規則に連なったりすることがな
く、それよりも低い他の濃度(同図(c) 又は(d))の場
合と同様に、印字ドットが濃度に応じた広がりをもって
円形に形成され、規則的に配列された状態のまま印字形
成されている。これによって、図7(b) 示したように、
印加エネルギーと記録濃度との対応にムラの無い安定し
た特性の濃度階調を得ることができる。
【0042】ここで、本発明の発熱体の配列が、主走査
方向にピッチPT、副走査方向にピッチL(=PT/√
3)で形成されている理由について説明する。図9(a),
(b) は、本発明の発熱体の配列形式について説明する図
である。同図(a) は、主走査方向にピッチPT、副走査
方向にピッチL(=PT/√3)で1列目の印字ドット
31と2列目の印字ドット32が千鳥状に2列同時に印
字形成され、その印字形成された受像紙22が1回の印
字毎に送り量「L×2」だけ相対移動し、再び2列同時
の印字形成が行われるということを繰り返すことによ
り、受像紙22上に順次形成される印字ドットの状態を
示したものである。なお、同図は説明の便宜のため、1
印字ドット毎に、印加エネルギーが100%の最高濃度
の場合で、すなわち1ドットの最大広がり範囲で示して
いる。
【0043】上述したように、1回の印字毎の副走査方
向の送り量は「L×2」である。本発明の構成では、副
走査方向の発熱体の配列ピッチ「L」は、主走査方向の
発熱体の配列ピッチ「PT」の1/√3、即ち「PT/
√3」であるから、上記1回の印字毎の副走査方向の送
り量は「(PT/√3)×2」すなわち「PT×2/√
3」である。したがって、副走査方向に連なる印字ドッ
トの間隔は上記「PT×2/√3」である。このよう
に、主走査方向の発熱体の配列ピッチ(印字ドットの間
隔)PTと、副走査方向に連なる印字ドットの間隔「P
T×2/√3」にみられる「1」対「2/√3」の関
係、即ち「√3」対「2」の関係は、正三角形の頂角か
ら下ろした垂線と一辺の関係に対応する。つまり、同図
(b) に示すように、平面上の印字ドットの配置におい
て、互いに隣接する3個の印字ドットの間隔(ドットの
中心間の距離)は正三角形を形成する。このような正三
角形の集合では、正六角形が形成されることが知られて
いる。
【0044】本実施例では、このような平面上の印字ド
ットの配置によって、着目される1印字ドットとこれに
隣接する6個の印字ドットの合計7個の印字ドットによ
り正六角形を形成する。上記着目される1印字ドットの
周囲を取り巻く6個の印字ドットの中心は、それぞれ上
記着目される1印字ドットを重心とする正六角形の頂点
に位置する。したがって、いずれの印字ドットにおいて
も、その周囲の印字ドットとの間隔は等間隔である。
【0045】これによって、印字ドットの配置が一様と
なり、極めてきれいなハーフトーンの画像印字が可能に
なる。また、この印字ドットの配置によるドット階調方
式により、イエロー、マゼンタ、シアンの3色を転写、
昇華、発色等の方法で、それぞれの濃度階調データに対
応した印字を重ね合わせるようにする。このようにする
ことで、高画質のフルカラー印刷が実現する。
【0046】尚、本実施例では、画像の階調データを8
ビット幅としているが、データ幅は8ビットに限ること
なく、必要な印字精度に合せて増減できる。
【0047】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、発熱体の主走査方向及び副走査方向の配列ピッチ
を1対1/√3の千鳥状の構成にしているので、隣接す
る発熱体の距離が相対的に大きく、したがって、発熱体
同士の熱による影響が極めて少なく、これにより、高濃
度領域における印字ドットの不規則な繋がりを解消でき
画像データに忠実な階調が得られるようになる。また、
発熱体の1対1/√3の千鳥状の配列構成により、隣接
する印字ドットが全て等距離に配置され、したがって、
階調にむらの無い均一な画質の画像が得られ、特にフル
カラーの印字では忠実な色再現による美しい画像が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係わるサーマル記録装置に用いられ
る記録ヘッドの構成を示す図である。
【図2】サーマル記録装置の構成ブロック図である。
【図3】サーマル記録装置の記録ヘッドを中心とする主
要部の構成を模式的に示す図である。
【図4】記録ヘッドやプラテンなどから成る熱転写部に
着脱自在に装着されるインクリボンカセットを側面から
見た一部断面図である。
【図5】記録ヘッドとヘッドドライバ及びシリアル/パ
ラレル変換部の回路ブロック図である。
【図6】サーマル記録装置による印字制御の動作を説明
するタイミングチャートである。
【図7】(a) は電圧パルス印加制御による印加エネルギ
ーを80%供給した場合の発熱体の発熱による温度分布
を示す図、(b) はそのドット階調制御により得られた記
録濃度とその印加エネルギーとの関係を示す特性図であ
る。
【図8】高階調部の範囲においても低階調部と同様にバ
ラツキのないドット形成の状態を示す図である。
【図9】(a),(b) は本発明の発熱体の配列形式について
説明する図である。
【図10】(a) は従来のサーマル記録装置における発熱
体の配列状態を示す図、(b) 〜(e) は高濃度から低濃度
へ印加エネルギーに応じて順次変化する印字ドットの大
きさを模式的に示す図である。
【図11】(a) は従来の印加エネルギーを80%供給し
た場合の発熱体の発熱による温度分布を示す図、(b) は
そのドット階調制御により得られる記録濃度とその印加
エネルギーとの関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 発熱体 2 コモン電極 3 セグメント電極 4−1、4−2、4−3、4−4、4−5、4−6 発
熱体の温度分布 5 濃度バラツキ Wd 横幅 Ht 縦長 Pt 印字ピッチ Tth インク転写閾値温度 10 記録ヘッド 11 発熱体 11a 1列目の発熱体の温度分布 11b 2列目の発熱体の温度分布 12 コモン電極 13 セグメント電極 H 横幅寸法 V 縦長寸法 PT 主走査方向の配列ピッチ L 副走査方向の配列ピッチ 15 画像データ出力部 16 階調データ制御部 17 シリアル/パラレル変換部 17−1 シフトレジスタ 17−2 ラッチ回路 17−3 NAND回路 18 制御パルス発生部 19 モータ・ドライバ 19a ステッピングモータ 19b ギアボックス 20 ヘッドドライバ 21 プラテン 22 受像紙(記録用紙) 24 インクリボンカセット 25 開口部 26a、26b リール保持孔 27a リボン供給側 27b リボン巻取側 28a、28b リール 29 インクリボン SD 画像データ S0 転送クロック S1 データ読み込みクロック S2 ラッチクロック S3 モータ送り信号 S4 シリアル印字データ S4 ′ パラレルデータ S5 ストローブ信号 Dd パラレル駆動信号 CLK、DIN 端子 O0 〜OQ-1 パラレルデータ TW 最大印字期間 TM 用紙送り期間 tW 単位印字期間 S11 最初の128クロック S41 1階調分のシリアル印字データ S42 シリアル印字データの積算データ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主走査方向に複数の発熱体を有する記録
    ヘッドと、前記発熱体へ通電してサーマル紙に又はイン
    クリボン上のインクを転写することにより転写用紙にド
    ット画像を形成する通電制御手段と、前記記録ヘッドと
    前記サーマル紙又は前記転写用紙を副走査方向へ相対移
    動させる移動手段とを有するサーマル記録装置におい
    て、 前記主走査方向の配列ピッチをPT、前記副走査方向の
    配列ピッチをPT/√3とし、nを整数として2×n列
    の千鳥状に配列された発熱体を有することを特徴とする
    サーマル記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドと前記サーマル紙又は前
    記転写用紙を1回の印字終了毎に(PT/√3)×(2
    ×n)だけ相対移動させる移動手段を有することを特徴
    とする請求項1記載のサーマル記録装置。
JP22960494A 1994-09-26 1994-09-26 サーマル記録装置 Withdrawn JPH0890814A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7367651B2 (en) 2004-09-25 2008-05-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Inkjet printing head and inkjet printer using the same
KR20200007700A (ko) * 2018-07-13 2020-01-22 캐논 가부시끼가이샤 프린트 장치, 프린트 방법 및 저장 매체

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