JP3483341B2 - カラー記録装置及び記録方法 - Google Patents

カラー記録装置及び記録方法

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JP3483341B2 JP09722695A JP9722695A JP3483341B2 JP 3483341 B2 JP3483341 B2 JP 3483341B2 JP 09722695 A JP09722695 A JP 09722695A JP 9722695 A JP9722695 A JP 9722695A JP 3483341 B2 JP3483341 B2 JP 3483341B2
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    • B41J2/315Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、記録媒体に少なくと
も3色以上印字するカラー記録装置及び記録方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラー記録装置の一種である、
複数の発熱抵抗体が一列に配置されたサーマルヘッドを
用いたカラー熱転写記録装置では色材の主原料が顔料で
ある熱溶融性インクを使うものと主原料が染料である熱
昇華性インクを用いる2つの種類に大別され、一般に前
者を溶融型熱転写記録装置、後者を昇華型熱転写記録装
置と呼んでいる。昇華型熱転写記録装置ではポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルムなどから構成され
るベース層に、昇華性染料を主原料とした色材がカラー
印字の場合イエロー、マゼンタ、シアン、黒の順に塗布
されているインクシートに、染料が染着しやすいポリエ
ステル樹脂等の物質から成る受像層を有す熱転写記録用
紙を重ねてサーマルヘッドからインクシートにイエロ
ー、マゼンタ、シアン、黒の順に熱を加えることにより
インクを昇華させて熱転写記録用紙に転写する。
【0003】また昇華型の場合、濃度の階調が加えられ
た熱量に応じて熱転写記録用紙への転写量が連続的に変
化するので写真のような中間調画像の記録に適してい
て、いわゆるフルカラー印字が可能である。しかし一般
的な溶融型の転写温度が100度以下であるのに比べて
昇華型は転写温度が100から200度と高く、大きな
エネルギーを要する為、装置コストが高くなり、サーマ
ルヘッドの冷却の為の時間が溶融型に比べて長い為に印
字時間が長くかかる上、昇華性インクは染料を主原料と
するため顔料に比べて種類が少なく値段も高くなり、耐
光性に弱く記録用紙も一般的な普通紙は使えないのでラ
ンニングコストも高いという欠点を持っている。
【0004】これに対して溶融型熱転写記録装置ではP
ETフィルムなどのベース層に溶融性顔料を主原料とし
た色材がカラー印字の場合、図2に示すようなイエロ
ー、マゼンタ、シアン、黒の順に塗布されているインク
シート17に平滑度の高い熱転写記録用紙を重ねてサー
マルヘッドからインクシート17に熱を加える事により
固形のインク102を溶かして記録用紙にイエロー、マ
ゼンタ、シアン、黒の順に接着させる事で転写する。顔
料はオフセット印刷などの一般の印刷物に使われている
のと同じ種類であるので普通紙への転写が可能である
上、小エネルギーでの転写が可能であるので昇華型熱転
写記録装置に比べて装置コストもランニングコストも安
いという利点があるが、インク102の紙とベース層1
01との接着力の差により転写を行っているので一つの
ドットでの多階調表現は困難であり、今までは2値印字
が一般的であり、溶融型熱転写記録装置で中間調画像を
印字させる場合はディザ処理や誤差拡散を用いるが、印
字した中間調画像の実質的な解像度は低くなり粗い画像
となってしまうという欠点があった。しかし近年、サー
マルヘッドの熱制御技術の向上、インクシートの品質安
定化、記録用紙のコート材の改良などにより溶融型熱転
写記録装置でも1ドットにおける多階調表現が可能とな
りつつある。
【0005】また、溶融型カラー熱転写記録装置のサー
マルヘッド駆動部における従来のストローブパルス発生
部で生成されるストローブ信号の概略構成を図3に示
し、図3の内6、7ライン目のストローブ信号を特に拡
大した図を図4に示す事とし、さらにこれらのストロー
ブ信号を構成する1ドットあたりのストローブパルスの
基本的な構成Bは図14に示す。
【0006】これらの図から明らかなように、従来にカ
ラー記録装置および方法においては、各色の副走査方向
の各ラインにおける印字開始タイミングはすべて同じで
あった。さらに、各色のストローブ信号における階調順
序も、パルス構成Bと名付けたものだけであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般にサーマルヘッド
の解像度が300ドット・パー・インチ(dpi)の場
合イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色で256段階
に階調が制御できれば人間の目で識別可能な全ての色を
表現できるとされている。しかしその為にはサーマルヘ
ッドの解像度が例えば300dpiの場合、ドットの直
径は約4〜100μmの範囲で連続的に制御しなければ
いけないが、インク層は約2〜4μmの厚さがある為、
2色目以降の印字では下に厚さを有す他色のドットが存
在する場合が多々ある。その場合には、図5(A)に示
すような理想的な転写状態(イエローの転写ドットの上
にマゼンタの転写が完全に行われ、きれいなドットで赤
を表わしている)に対し、図5(B)に示すようなドッ
ト割れや転写量の不均一化が発生する。特に、図6
(A)に示す1色目(イエロー)の印字の上に2色目
(マゼンタ)の印字を行う場合には、任意のドットの前
後に他色のドットが存在し、当該ドットに他色のドット
が存在しなかったり、または階調の低い径の小さいドッ
トが存在している場合(以下、谷間印字と呼ぶ)は、図
6(B)に示すような理想的な転写状態を得ることは難
しく、図6(C)に示すように転写が起こりにくく、再
現性のない不安定な転写となり印字画像の品質劣化の原
因となっている。
【0008】また、低域(低階調)の印字の場合、すな
わちインク層厚に対するドット径の比率(ドット径÷イ
ンク層厚)が小さいほど転写によるドットの再現性のば
らつきは大きくなり、ある時は数階調高く転写された
り、逆に数階調低く転写されたり、またある時は全く転
写されなかったりする。
【0009】これは図7に示してあるように、サーマル
ヘッドの発熱抵抗体2とプラテン10に挟まれたインク
シート17と記録用紙25において、通電時のサーマル
ヘッド上の発熱抵抗体2の温度分布は山なりの等高線を
持っている。例えば高階調印字の場合、図8に示してあ
るように範囲aの部分が記録用紙25とインク102の
接着力がインク102とベース層101の接着力よりも
強い部分であり、この強い部分がピールされた後も記録
用紙25に残る事となる。
【0010】また、図9に示してあるように低階調印字
の場合、範囲bの部分が記録用紙25とインク102の
接着力がインク102とベース層101の接着力よりも
強い部分であり、この強い部分がピールされた後も記録
用紙25に残る事となる。ところが実際には熱転写記録
装置における温度や湿度補正では補正しきれない事によ
る発熱抵抗体2の熱発生のばらつきや熱転写記録用紙2
5の平滑度のばらつきなどによりa、bの値は変動す
る。その場合、図8及び図9から判るように記録用紙2
5とインク102の接着力とインク102とベース層1
01の接着力が等しくなる温度の等温曲線のインク層1
02と記録用紙25の接触面での傾きが高階調印字の場
合に比べて低階調印字の場合のほうが緩やかであるため
値aの変動は無視出来るほど小さいがbの変動値はaに
比べて大きい。
【0011】また低階調部分が重なっているような場
合、例えば薄いグレーを表現する為、イエローの低階調
ドットの上にマゼンタ低階調ドットが重なり、さらにそ
の上にシアンの低階調ドットを重ねて転写しようとする
場合、上にある色ほど転写のばらつきは大きくその傾向
は顕著である。(本文で言うところの低階調、高階調と
はイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色で階調0から
階調255までの256階調制御の場合、階調0から6
4付近までを低階調といい階調192付近以上を高階調
としている。) よって従来の熱転写方法では溶融型カラー熱転写記録の
場合、濃度の階調が加えられた熱量に応じて正確に階調
を表現するのが困難であるという課題があった。
【0012】そこで、この発明の目的は、従来のこのよ
うな課題を解決するため、谷間印字における転写性をあ
げ、低階調部分の印字を安定した再現性のある階調表現
とする事で印字画像の品質を高くすることが出来る溶融
型カラー熱転写記録装置及び方法を得ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のカラー記録装置は、印字するためのカラー
画像データを格納するフレームメモリと、複数の発熱抵
抗体がカラー画像の主走査方向に配置されたサーマルヘ
ッドと、副走査方向各ラインにおける前記サーマルヘッ
ドの発熱抵抗体における通電の時間制御を各色ごとに切
り替える通電タイミング制御手段とを少なくとも有する
構成とした。
【0014】また、本発明のカラー記録装置のより詳細
な第1の構成として、前記通電タイミング制御手段は副
走査方向の同一ラインにおける通電開始タイミングが各
色ごとで異なるストローブ信号を発生する構成とした。
さらに、本発明のカラー記録装置のより詳細な第2の構
成として、前記通電タイミング制御手段は少なくとも1
色の印字において、副走査方向各ラインにおける通電開
始タイミングが奇数ラインと偶数ラインとで異なるスト
ローブ信号を発生する構成とした。
【0015】さらにまた、本発明のカラー記録装置のよ
り詳細な第3の構成として、前記通電タイミング制御手
段は、少なくとも1色のドットの印字における階調順序
が、他の色のドットの印字における階調順序と異なるス
トローブ信号を発生する構成とした。
【0016】さらにまた、本発明のカラー記録装置のよ
り詳細な第4の構成として、前記通電タイミング制御手
段は副走査方向同一ラインにおける通電開始タイミング
が各色ごとに異なり、かつ少なくとも1色の印字におい
て、副走査方向各ラインにおける通電開始タイミングが
奇数ラインと偶数ラインとで異なるストローブ信号を発
生する構成とした。
【0017】また、本発明のカラー記録方法として、少
なくとも3色以上のカラー画像データに基づいてカラー
印字を行うカラー記録装置において、第1色目印字を行
い、前記第1色目の印字の副走査方向各ラインにおける
印字開始タイミングと一致しないタイミングで副走査方
向の各ラインを印字する第2色目の印字を行い、前記第
1色目および第2色目の印字の副走査方向各ラインにお
けるそれぞれの印字開始タイミングと一致しないタイミ
ングで副走査方向の各ラインを印字する第3色目の印字
を行い、第4色目以降の印字がある場合には、それぞれ
の各色における印字の副走査方向各ラインの印字開始タ
イミングがそれぞれ他の色の印字の印字開始タイミング
と一致しないように印字する手順を有するように構成し
た。
【0018】さらに、上記の本発明のカラー印字記録方
法において、前記第1色乃至第3色あるいは前記第1色
乃至第4色以降の印字では、少なくとも1色の印字にお
いては、副走査方向の奇数ラインと偶数ラインの印字開
始タイミングが互いに異なるように印字する手順を有す
る構成とした。
【0019】
【作用】上記のように構成されたカラー記録装置および
カラー記録方法においては、各ラインにおける印字開始
時間を各色ごとに変える事でドットが各色同士で重なる
割合を減らして重なりによる画質の劣化を避け、さらに
ドットの平均的な高さが低くなる事により谷間印字にお
ける転写効率を上げる事が可能である。
【0020】また、各ラインにおける印字開始時間を副
走査方向奇数ラインと偶数ラインとでずらす事により奇
数ラインと偶数ラインのドットを接触させる事で低階調
部分の転写再現性を良くする事が可能である。さらに、
各ラインにおける印字開始時間を副走査方向奇数ライン
と偶数ラインとでずらすと共に色ごとに印字開始時間を
変える事で低階調部分の転写再現性を良くするとともに
谷間印字における転写効率を上げて画質を上げる事が可
能である。
【0021】したがって、転写再現性が良くなるので階
調が加えられた熱量に応じた正確な階調表現が図れるこ
ととなる。
【0022】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図に基づいて説
明する。図10、図11は本発明に用いるカラー熱転写
記録装置の構成の概略を示すものである。サーマルヘッ
ド18には発熱抵抗体2がプラテンローラ10に対向す
るように配置され、プラテンローラ10と一対の紙送り
ローラ11,12は図示しないコントローラにより制御
されるステッピングモータA23によりライン毎に副走
査方向に正逆回転が可能であり熱転写記録用紙25を搬
送する。プラテンローラ10の手前にはプラテンローラ
10に給紙する為の1対の給紙ローラ26,27、及び
図示しない給紙ガイドが配置されている。また紙送りロ
ーラ11,12の先には一対の排紙ローラ13,14、
及び図示しない排紙ガイドが配置されいる。給紙ローラ
26,27、排紙ローラ13,14共に図示しないコン
トローラにより制御されるDCモータ24により副走査
方向に回転が可能でありカラー熱転写記録用紙25を搬
送する。
【0023】さらにインクシート供給ローラ15及びイ
ンクシート巻き取りローラ16が配置されていて、イン
クシート巻き取りローラ16は図示しないコントローラ
により制御されるステッピングモータB22により回転
が可能である。またサーマルヘッド18のすぐ後には熱
転写後のインクシート17と熱転写記録用紙25を安定
して引き剥がす為のピールプレート19が配置されてい
る。またインクシート17が巻き取られる事による巻き
取り側の径の大きさの変動によるピール角度の変動を防
ぐためにピールプレート19とインクシート巻き取りロ
ーラ16の間にインクシートガイドローラ21を介すこ
とによってピール角度を固定している。
【0024】図10はサーマルヘッド18が熱転写記録
用紙25とインクシート17とに接触し、それらを押圧
している状態を示し、図11はサーマルヘッド18が熱
転写記録用紙25とインクシート17を押圧していない
状態を示している。サーマルヘッド18は、図1に示す
ように主走査方向に300dpi間隔で3520個配列
されている発熱抵抗体2とそれぞれの発熱抵抗体2の通
電を制御するトランジスタなどのスイッチング素子3及
びラッチ5、シフトレジスタ6などの論理素子などから
構成されていて、発熱抵抗体2に電流を供給するサーマ
ルヘッド駆動電源1がサーマルヘッド18に接続されて
いる。スイッチング素子3の通電を制御する端子(ベー
ス)にはそれぞれANDゲート4の出力が接続されてい
る。またサーマルヘッド18自体はアップダウンが可能
でありダウン時は図10に示すように発熱抵抗体2がプ
ラテンローラ10に圧力を加え、アップ時には図11に
示すように圧力は加えられず発熱抵抗体2とプラテンロ
ーラ10は離れている。
【0025】ANDゲート4は2入力であり1つにはラ
ッチ5の出力が接続され、もう一つにはストローブパル
ス発生部28が発生するストローブ信号が入力される。
ラッチ5の入力にはシフトレジスタ6のパラレル出力が
接続され、シフトレジスタ6のシリアル入力にはヒート
パルス発生部7の出力が接続される。ヒートパルス発生
部7はフレームメモリ8からのデータ読み出しが可能で
ある。フレームメモリ8には画像信号インターフェース
部9を介して送られてきた画像信号が1画面分以上蓄え
られる。フレームメモリ8はS−RAM、D−RAMな
どの半導体素子で構成されるが磁気ディスクなど他の記
憶装置であっても構わない。画像信号インターフェース
部9は熱転写記録装置に画像データを供給する図示しな
いホストコンピュータとの接続をおこない、またホスト
コンピュータから送られてきた画像の拡大、縮小、回
転、RGB→CMYK変換機能も有している。
【0026】図10のステッピングモータA23は印字
時においては熱転写記録用紙25を10mS/1ライン
(1ライン=25.4/300mm)の速さで搬送する
ように動作する。印字時以外の搬送速度については特に
規定しない。説明の為に熱転写記録用紙25上、4色目
(黒)の印字開始位置を0mmとしてそこから副走査方
向300dpiおきに基準線を引いて考える事とする。
【0027】次に、本発明においては、図1のストロー
ブパルス発生部28が発生するストローブ信号は各色ご
とに異なり、その例を図12〜図14に示す。図12〜
図14においても前記熱転写記録用紙25上の基準線と
一致するように時間軸上10mS間隔で基準線を設け
る。図12は各色印字開始から12ライン目までのスト
ローブ信号を示し、図13は各色間のストローブ信号の
構成の違いを示すために、特に6、7ライン目のストロ
ーブ信号を拡大図示したものであり、図14は図13に
ある1ドットあたりのストローブ信号の基本を為す3つ
の構成(構成A,構成B,構成C)の詳細を示したもの
である。
【0028】これらの図12〜図14から分かるよう
に、4色目(黒)の印字開始時間を0秒(S)とした場
合、1色目(イエロー)のストローブ信号は基準線間の
中心を始点として階調が低域から高域にあがるに従って
前後に伸びる構成となっている(構成A)。
【0029】2色目(マゼンタ)のストローブ信号は基
準線を始点として階調が低域から高域にあがるに従って
前後に伸びる形となっている(構成A)。3色目(シア
ン)のストローブ信号の構成は奇数ラインと偶数ライン
とで異なり、奇数ラインに関しては後側の基準線を始点
として階調が低域から高域にあがるに従って前側に伸び
る形(構成C)となっていて、偶数ラインに関しては前
側の基準線を始点として階調が低域から高域にあがるに
従って後側に伸びる形(構成B)となっている。
【0030】また4色目(黒)のストローブ信号の構成
も奇数ラインと偶数ラインとで異なり、奇数ラインに関
しては前側の基準線を始点として階調が低域から高域に
あがるに従って後側に伸びる形(構成B)となってい
て、偶数ラインに関しては後側の基準線を始点として階
調が低域から高域にあがるに従って前側に伸びる形(構
成C)となっている。
【0031】図12〜図14にあるように、ストローブ
信号の構成としては3通り存在し、これらのストローブ
パルスの任意の階調におけるパルス幅は1色目(イエロ
ー)、2色目(マゼンタ)に関しては全ライン共通であ
り、3色目(シアン)、4色目(黒)に関しては奇数ラ
インと偶数ラインとで異なるが奇数ラインに関して全て
共通であり、偶数ラインに関しても全て共通となってい
るが、各色、各階調ごとには(例えばイエローの階調1
と階調2のパルス幅)パルス幅が異なっており、これら
の階調ごとのパルス幅はサーマルヘッド18(TPH)
の蓄熱、インクの転写特性、周辺温度、湿度などを考慮
して決定する。なお本装置では1ラインにおける各階調
のストローブパルス、及びストローブパルス間の休止時
間の合計が5mSを越えない設定とし、その範囲内でイ
ンクの出しうる最大階調を出しうる電圧とする為、TP
H供給電圧は15Vとする。なお、同じストローブ信号
の構成において各階調の間には休止期間が6μS存在
し、各色各階調ごとのストローブ信号のパルス幅の具体
的な数値の表示は省略する。
【0032】また熱転写記録装置の動作の開始や中止や
印字モードの変更などの各種設定の指示は図示しないホ
ストコンピュータから与える事が可能である。インクシ
ート17は図2に示すようにPETなどのフィルムから
構成されているベース層101にイエロー、マゼンタ、
シアン、黒の熱溶融性インク102がイエロー、マゼン
タ、シアン、黒の順に1画面ごとに塗布されている。図
10に示すように、インクシート17はインクシート巻
き取りローラ16が回転する事により順次色が切り替わ
る構成となっている。また色検出センサー20により図
示しないコントローラは現在のインクシート17の色を
判断する事ができる。
【0033】次にこの装置の動作について述べる。図1
において、図示しないホストコンピュータは印字動作開
始の指示を与える信号を熱転写記録装置に送り、熱転写
記録装置が印字動作を開始すると共に図示しないホスト
コンピュータから送出した画像データ信号は画像信号イ
ンターフェース部9を介してフレームメモリ8に格納さ
れる。ここでいうホストコンピュータから画像信号イン
ターフェース部9へ送られてくる画像データとはディジ
タル信号であり、一般には1色につき8ビット幅である
が、本発明の適用においてはこの限りではない。
【0034】また色はシアン、マゼンタ、イエローの3
色及びまたは黒を加えた4色分のデータから成る(以下
CMYKデータと呼ぶ)場合もあるし、レッド、グリー
ン、ブルーの3色分のデータから成る(以下RGBデー
タと呼ぶ)場合もある。例えば100画素のCMYKデ
ータから成る画像データは100×4×8=3200ビ
ット(400バイト)分のデータ容量を持つ。ホストコ
ンピュータから熱転写記録装置に送られる画像信号はR
GB画像の場合もあるしCMYK画像の場合もあるし、
解像度が300dpi以外の場合もあるので、画像信号
インターフェース部9では送られてきた画像がRGB画
像の場合はCMYK画像に変換し、解像度が300dp
i以外の場合は拡大縮小機能を用いて300dpiの画
像に変換してからフレームメモリ8に書き込む。つまり
画像信号インターフェース部9からフレームメモリ8に
書き込まれる画像データ信号はCMYKデータであり当
然ディジタル信号である。また前記画像データ信号にお
ける1画素(シアン、マゼンタ、イエロー、黒のあわせ
て4バイトから構成される単位)はサーマルヘッド18
の任意の一つの発熱抵抗体2が印字する画素と一対一で
対応する事になる。
【0035】これらの拡大、縮小、RGB→CMYK変
換はディジタル的な論理集積回路により構成されるが、
これは本発明の本質ではないので具体的な回路の詳細に
ついては省略する。図10においては、画像データの転
送と平行して給紙ローラ26,27が回転する事により
図示しない給紙ガイドに配置された熱転写記録用紙25
を装置内に1枚引き込む。熱転写記録用紙25が紙送り
ローラ11,12の位置まで搬送された時点で以降の搬
送は紙送りローラ11,12が主体となりおこなう。熱
転写記録用紙25の印字開始ラインより1ライン分手前
の部分がサーマルヘッド18の発熱抵抗体2の下まで搬
送されたところで搬送は一端中止する。次にインクシー
ト巻き取りローラ16が回転する事によりインクシート
17が巻き取られる。色検出センサー20がイエローを
検出した段階でインクシート巻き取りは一端中止し、サ
ーマルヘッド18がダウンし、熱転写記録用紙25の印
字開始ライン部とインクシート17が発熱抵抗体2とプ
ラテンローラ10の間に挟まれ、コントローラからの印
字開始指示を待つ。
【0036】図1において、印字する画像データのフレ
ームメモリ8への格納が完了するとヒートパルス発生部
7はイエローの1ライン目のデータをフレームメモリ8
から読み出し、ライン内すべての画素において階調ごと
に2値化してシフトレジスタ6へ転送する。ヒートパル
ス発生部7の具体的な処理としては、フレームメモリ8
から読み出した階調データに対して、まず階調254以
上の画素部分を1、それ以外は0としてシフトレジスタ
6へ転送する(以下ヒートデータと呼ぶ)。
【0037】シフトレジスタ6は3520ドット分あ
り、シフトレジスタ6への転送が完了した段階でラッチ
5にラッチされる。ラッチされた時点でヒートパルス発
生部7は次にイエローの1ライン目に関して階調252
以上の画素部分を1して同様にシフトレジスタ6への転
送を開始する。この時点で印字準備は完了したので紙送
りローラ11,12及びプラテンローラ10は熱転写記
録用紙25の搬送を開始すると共に、インクシート巻き
取りローラ16はインクシート17の巻き取りを開始
し、これらの開始に同期してストローブパルス発生部2
8は図12のイエロー印字に示してあるようなストロー
ブ信号をイエロー最終ラインまで繰り返し発生する。
【0038】階調254に対するストローブパルスが1
の間ラッチ5の出力(階調254におけるヒートデー
タ)が1である発熱抵抗体2のスイッチング素子3のベ
ースがhighとなり発熱抵抗体2は通電し熱を発する
事でインクを熱転写記録用紙25に転写する。階調25
4におけるストローブ信号が終了するまでにヒートパル
ス発生部7においてはイエロー1ライン目の階調データ
に対して階調252以上の画素部分を1としたヒートデ
ータをシフトレジスタ6へ転送し、階調254のストロ
ーブ信号が終了した時点でラッチする。ラッチが終了す
ると共にストローブパルス発生部28は階調252に対
応する時間だけストローブパルスを発生し、その間ラッ
チ5の出力(階調252におけるヒートデータ)が1で
ある発熱抵抗体2のスイッチング素子3のベースが階調
254の場合に引き続きhighとなり発熱抵抗体2は
通電し続けて熱を発する事でインクをさらに熱転写記録
用紙25に転写する。
【0039】以下これらの動作がフレームメモリ8のイ
エロー1ライン目に相当するメモリ番地から読み出した
データに対して階調250,248,・・・,4,2,
1,3,5,7,・・・,249,251,253,2
55の順番で繰り返し実行される。
【0040】このようにしてイエロー1ライン目の印字
が終了するとヒートパルス発生部7はフレームメモリ8
内のイエローの2ライン目の階調データを読み出し2ラ
イン目すべての画素において1ライン目と同じように階
調ごとに2値化してシフトレジスタ6へシリアルデータ
として転送する。イエロー2ライン目における階調25
4のヒートデータがラッチされイエロー1ライン目の印
字開始から時間にして10mS、熱転写記録用紙25の
搬送距離が25.4/300mm搬送されるとイエロー
2ライン目の階調254のストローブパルスにより発熱
抵抗体2は通電し、インクを転写する。以下、1ライン
目と同様に階調252,250,248,・・・,4,
2,1,3,5,7,・・・,249,251,25
3,255の順番で繰り返し実行される。
【0041】イエロー2ライン目の印字が終了すると以
下、時間にして10mS、熱転写記録用紙25の搬送距
離にして25.4/300mmごとにイエローの3ライ
ン,4ライン,5ライン・・・最終ラインと前記の動作
が繰り返し実行される。なお最終ラインは印字画像の副
走査方向総ライン数に相当するので印字する画像の大き
さにより異なっている。
【0042】最終ラインの印字が完了し、熱転写記録用
紙25の最終ライン部がピールされるとサーマルヘッド
18は図11に示すように、アップの状態になると共に
インクシート巻き取りローラ16は回転を停止する。次
に紙送りローラ11,12及びプラテンローラ10が逆
回転する事により熱転写記録用紙25は印字開始ライン
より1ライン前の部分が発熱抵抗体2とプラテンローラ
10に挟まれた記録部まで戻される。また、同時にイン
クシート巻き取りローラ16が回転することにより色検
出センサー20がマゼンタを検出するまでインクシート
17が送られる。
【0043】マゼンタが検出された時点でインクシート
巻き取りは一端停止し、サーマルヘッド18は図10に
示すようにダウンし、図示しないコントローラからのマ
ゼンタ印字開始指令を待つ。ヒートパルス発生部7はマ
ゼンタの1ライン目のデータをフレームメモリ8から読
み出しイエローと同様に2値化してシリアルデータとし
てシフトレジスタ6へ転送する。まず階調が254以上
を1としてシフトレジスタ6へ転送する。3520ドッ
ト分のヒートデータの転送が完了した時点でラッチす
る。この時点でマゼンタ画像印字の準備は完了したので
インクシート巻き取りローラ16は回転を開始し、熱転
写記録用紙25の搬送を開始すると共に搬送開始に同期
してストローブパルス発生部28は図12のマゼンタ印
字に示してあるストローブパルスを最終ラインまで発生
する。
【0044】階調254に対応するストローブパルスが
発生している間、ラッチ5の出力が1である所の発熱抵
抗体2は通電し、熱を発する事でマゼンタインクを熱転
写記録用紙25に転写する。階調254に対応するマゼ
ンタストローブパルスが終了した時点で既にシフトレジ
スタ6に転送されているマゼンタ1ライン目の階調25
2以上を1としたヒートデータがラッチされ、階調25
2に対応するストローブパルスが発生している間ラッチ
5の出力が1であるところの発熱抵抗体2は通電し、熱
を発することによりインクを記録用紙に転写する。以下
同様に階調250,248,・・・,4,2,1,3,
5,7,・・・,249,251,253,255の順
番でヒートデ−タの発生、ラッチ、発熱抵抗体2の通電
が繰り返し実行されマゼンタ1ライン目の印字が終了す
る。
【0045】マゼンタ1ライン目の印字が完了するとヒ
ートパルス発生部7はフレームメモリ8からマゼンタ2
ライン目の画像データを読み出し1ライン目と同様の処
理をおこないマゼンタ2ライン目階調254に対応する
ヒートデータがラッチされる。マゼンタ1ライン目の階
調254に対応するストローブパルスが発生してから時
間にして10mS、熱転写記録用紙25の搬送距離にし
て25.4/300mm搬送された時点で階調254に
対応するストローブパルスが発生し、ラッチ5の出力が
1であるところの発熱抵抗体2は通電し熱を発生する。
この発熱によりインクが記録用紙に転写される。階調2
54に対応するストローブパルスが完了した時点で既に
シフトレジスタ6に転送されているマゼンタ2ライン目
において階調が252以上を1としたヒートデータをラ
ッチする。
【0046】階調254に相当するストローブパルスに
続いて階調252に対応するストローブパルスが発生す
るとその間ラッチ5の出力が1であるところの発熱抵抗
体2は通電し熱を発生し、インクをさらに記録用紙に転
写する。以下これらの動作が階調250,248,・・
・,4,2,1,3,5,7,・・・,249,25
1,253,255の順番でマゼンタ1ライン目と同様
にヒートデータの発生、ラッチ、発熱抵抗体2の通電が
繰り返し実行される事によりマゼンタ2ライン目の印字
が実行される。このようなマゼンタ1ライン目、2ライ
ン目と同じ制御がさらに最終ラインまで繰り返し実行さ
れる。
【0047】マゼンタ最終ラインの印字が完了し、熱転
写記録用紙25の最終ライン部がピールされるとサーマ
ルヘッド18はアップの状態になると共にインクシート
巻き取りローラ16は回転を停止する。次に紙送りロー
ラ11,12及びプラテンローラ10が逆回転する事に
より、熱転写記録用紙25は印字開始ラインより1ライ
ン前の部分が発熱抵抗体2とプラテンローラ10の間に
挟まれた記録部まで戻される。また、同時にインクシー
ト巻き取りローラ16が回転することにより色検出セン
サー20がシアンを検出するまでインクシート17が送
られる。
【0048】シアンが検出された時点でインクシート巻
き取りは一端停止し、サーマルヘッド18はダウンし図
示しないコントローラからのシアン印字開始指令を待
つ。ヒートパルス発生部7はシアンの1ライン目の画像
データをフレームメモリ8から読み出し2値化してシリ
アルデータとしてシフトレジスタ6へ転送する。
【0049】具体的な処理としてはまず、シアン1ライ
ン目のデータをフレームメモリ8から読み出して階調2
55の部分を1、それ以外を0にしてシリアルデータと
してシフトレジスタ6へ転送し、3520ドット分のシ
リアルデータの転送が完了した時点でラッチする。この
時点でシアン画像印字の準備は完了したのでインクシー
ト巻き取りローラ16は回転を開始し、熱転写記録用紙
25の搬送を開始すると共に搬送開始に同期してストロ
ーブパルス発生部28は図12のシアン印字に示してあ
るストローブパルスを発生する。
【0050】階調255に対応するストローブパルスが
発生している間、ラッチ5の出力が1である所の発熱抵
抗体2は通電し、熱を発する事でシアンインクを熱転写
記録用紙25に転写する。階調255に対応するシアン
ストローブパルスが終了した時点で既にシフトレジスタ
6に転送されているシアン1ライン目の階調254以上
を1としたヒートデータがラッチされ、階調254に対
応するストローブパルスが発生している間、ラッチ5の
出力が1であるところの発熱抵抗体2は通電し熱を発す
ることによりさらにインクを記録用紙25に転写する。
以下同様に階調253,252,251,250,24
9,・・・,6,5,4,3,2,1の順番でヒートデ
ータの発生、ラッチ、発熱抵抗体2の通電が繰り返し実
行される事によりシアン1ライン目の印字が行われる。
【0051】シアン1ライン目の階調1に対応するヒー
トデータがラッチされるとヒートパルス発生部7はフレ
ームメモリ8からシアン2ライン目の画像データを読み
出し、シアン2ライン目の階調1以上の画素部分を1と
してヒートデータを生成し3520ドット分のシリアル
データとしてシフトレジスタ6に転送し、シアン1ライ
ン目の階調1に対応するストローブパルスの発生が終了
した時点でラッチする。シアン1ライン目の階調1に対
応するストローブパルスが完了してすぐに図12に示し
てあるようにシアン偶数ライン用階調1のストローブパ
ルスが発生し、ラッチ5の出力が1であるところの発熱
抵抗体2は通電し熱を発生する。
【0052】シアン偶数ライン用階調1に対応するスト
ローブパルスが終了した時点で既にシフトレジスタ6に
転送されているシアン2ライン目の階調2以上を1とし
たヒートデータが次にラッチされ、偶数ライン用階調2
に対応するストローブパルスが発生している間ラッチ5
の出力が1であるところの発熱抵抗体2は通電し熱を発
する。以下同様に階調3,4,5,6,7,・・・,2
50,251,252,253,254,255の順番
でヒートデータの発生、ラッチ、発熱抵抗体2の通電が
繰り返し実行されシアン2ライン目の印字が行われる。
【0053】シアン2ライン目の印字が完了するとヒー
トパルス発生部7はフレームメモリ8からシアン3ライ
ン目の画像データを読み出しシアン3ライン目階調25
5である画素部分を1としてヒートデータを生成しシリ
アルデータとしてシフトレジスタ6に転送し、3520
ドット分のシリアルデータの転送が完了した時点でラッ
チする。図12に示してあるようにシアン3ライン目の
階調255に対応するストローブパルスが発生すると、
ラッチ5の出力が1であるところの発熱抵抗体2は通電
し熱を発生する。
【0054】階調255に対応するシアンストローブパ
ルスが終了した時点で既にシフトレジスタ6に転送され
ているシアン3ライン目の階調254以上を1としたヒ
ートデータがラッチされ、階調254に対応するストロ
ーブパルスが発生している間ラッチ5の出力が1である
ところの発熱抵抗体2は通電し熱を発する。以下同様に
階調253,252,251,250,249,・・
・,6,5,4,3,2,1の順番でヒートデータの発
生、ラッチ、発熱抵抗体2の通電が繰り返し実行され
る。
【0055】シアン3ライン目の階調1に対応するヒー
トデータがラッチされるとヒートパルス発生部7はフレ
ームメモリ8からシアン4ライン目の画像データを読み
出しシアン4ライン目階調1以上の画素部分を1とした
ヒートデータを生成し3520ドット分のシリアルデー
タとしてシフトレジスタ6に転送しシアン3ライン目階
調1に対応するストローブパルスの発生が終了した時点
でラッチする。シアン3ライン目の階調1に対応するス
トローブパルスが完了したらすぐ、図12に示してある
ようにシアン4ライン目階調1のストローブパルスが発
生し、ラッチ5の出力が1であるところの発熱抵抗体2
は通電し熱を発生する。
【0056】シアン4ライン目階調1に対応するストロ
ーブパルスが終了した時点で既にシフトレジスタ6に転
送されているシアン4ライン目の階調2以上を1とした
ヒートデータがラッチされ、階調2に対応するストロー
ブパルスが発生している間ラッチ5の出力が1であると
ころの発熱抵抗体2は通電し階調1に引き続き熱を発す
る。以下同様に階調3,4,5,6,7,・・・,25
0,251,252,253,254,255の順番で
ヒートデータの発生、ラッチ、発熱抵抗体2の通電が繰
り返し実行されシアン4ライン目の印字が行われる。
【0057】さらにシアン1ライン,2ライン目、3ラ
イン,4ライン目と同じ制御が最終ラインまで繰り返し
実行される。シアン最終ラインの印字が完了し、熱転写
記録用紙25の最終ライン部がピールされるとサーマル
ヘッド18はアップの状態になると共にインクシート巻
き取りローラ16は回転を停止する。次に紙送りローラ
11,12及びプラテンローラ10が逆回転する事によ
り熱転写記録用紙25は発熱抵抗体2とプラテンローラ
10の間に挟まれた記録部まで熱転写記録用紙25上の
印字開始ラインより1ライン前の部分が戻される。ま
た、同時にインクシート巻き取りローラ16が回転する
ことにより色検出センサー20が黒を検出するまでイン
クシート17が送られる。
【0058】黒が検出された時点でインクシート巻き取
りは一端停止し、サーマルヘッド18はダウンし図示し
ないコントローラからの黒印字開始指令を待つ。ヒート
パルス発生部7は黒の1ライン目の画像データをフレー
ムメモリ8から読み出し2値化してシリアルデータとし
てシフトレジスタ6へ転送する。
【0059】具体的な処理としてはまず、黒1ライン目
のデータをフレームメモリ8から読み出して階調1以上
の部分を1、それ以外を0としたシリアルデータをシフ
トレジスタ6へ転送し、3520ドット分のシリアルデ
ータの転送が完了した時点でラッチする。この時点で黒
画像印字の準備は完了したのでインクシート巻き取りロ
ーラ16は回転を開始し、熱転写記録用紙25の搬送を
開始すると共に搬送開始に同期してストローブパルス発
生部28は図12の黒印字に示してあるストローブパル
スを最終ラインまで発生する。
【0060】階調1に対応するストローブパルスが発生
している間、ラッチ5の出力が1であるところの発熱抵
抗体2は通電し、熱を発する事で黒インクを熱転写記録
用紙25へ転写する。黒の1ライン目階調1に対応する
ストローブパルスが終了した時点で既にシフトレジスタ
6に転送されている黒1ライン目の階調2以上を1とし
たヒートデータがをラッチされ、階調2に対応するスト
ローブパルスが発生している間ラッチ5の出力が1であ
るところの発熱抵抗体2は通電し熱を発する。以下同様
に階調3,4,5,6,7,・・・,250,251,
252,253,254,255の順番でヒートデータ
の発生、ラッチ、発熱抵抗体2の通電が繰り返し実行さ
れ黒の1ライン目の印字が行われる。
【0061】黒1ライン目の印字が終了するとヒートパ
ルス発生部7はフレームメモリ8から黒2ライン目の画
像データを読み出し黒2ライン目階調255の画素部分
を1としてヒートデータを生成し3520ドット分のシ
リアルデータとしてシフトレジスタ6に転送し、転送が
終了した時点でラッチする。ラッチ後、黒偶数ライン用
階調255のストローブパルスが発生し、ラッチ5の出
力が1であるところの発熱抵抗体2は通電し熱を発生す
る。
【0062】階調255に対応するストローブパルスが
終了した時点で既にシフトレジスタ6に転送されている
黒2ライン目の階調254以上を1としたヒートデータ
がラッチされ、黒の偶数ライン用階調2に対応するスト
ローブパルスが発生している間、ラッチ5の出力が1で
あるところの発熱抵抗体2は通電し熱を発する。以下同
様に階調253,252,251,250,249,・
・・,6,5,4,3,2,1の順番でヒートデータの
発生、ラッチ、発熱抵抗体2の通電が繰り返し実行され
黒2ライン目の印字が行われる。
【0063】黒2ライン目の階調1に対応するヒートデ
ータがラッチされるとヒートパルス発生部7はフレーム
メモリ8から黒3ライン目の画像データを読み出し黒3
ライン目階調1以上の画素部分を1としてヒートデータ
を生成し3520ドット分のシリアルデータとしてシフ
トレジスタ6に転送し黒3ライン目階調1に対応するス
トローブパルスの発生が終了した時点でラッチする。黒
2ライン目の階調1に対応するストローブパルスが完了
したらすぐ図12に示してあるように黒3ライン目階調
1のストローブパルスが発生し、ラッチ5の出力が1で
あるところの発熱抵抗体2は通電し熱を発生する。
【0064】階調1に対応する黒ストローブパルスが終
了した時点で既にシフトレジスタ6に転送されている黒
3ライン目の階調2以上を1としたヒートデータが次に
ラッチされ、階調2に対応するストローブパルスが発生
している間ラッチ5の出力が1であるところの発熱抵抗
体2は通電し熱を発する。以下同様に階調3,4,5,
6,7,・・・,250,251,252,253,2
54,255の順番でヒートデータの発生、ラッチ、発
熱抵抗体2の通電が繰り返し実行され黒3ライン目の印
字が行われる。
【0065】黒3ライン目の印字が終了するとヒートパ
ルス発生部7はフレームメモリ8から黒4ライン目の画
像データを読み出し、黒4ライン目階調255の画素部
分を1としてヒートデータを生成し、3520ドット分
のシリアルデータとしてシフトレジスタ6に転送し、転
送が終了した時点でラッチする。ラッチ後、黒の偶数ラ
イン用階調255のストローブパルスが発生すると、ラ
ッチ5の出力が1であるところの発熱抵抗体2は通電し
熱を発生する。
【0066】階調255に対応する黒ストローブパルス
が終了した時点で既にシフトレジスタ6に転送されてい
る黒4ライン目の階調254以上を1としたヒートデー
タがラッチされ、階調254に対応する黒の偶数ライン
用ストローブパルスが発生している間ラッチ5の出力が
1であるところの発熱抵抗体2は通電し熱を発する。以
下同様に階調253,252,251,250,24
9,・・・,6,5,4,3,2,1の順番でヒートデ
ータの発生、ラッチ、発熱抵抗体2の通電が繰り返し実
行され黒4ライン目の印字が行われる。
【0067】さらに黒3ライン,4ライン目と同じ2ラ
インごとの制御が最終ラインまで繰り返し実行される。
黒最終ラインの印字が完了し、最終ライン部がピールさ
れるとサーマルヘッド18はアップの状態になると共に
インクシート巻き取りローラ16は回転を停止する。次
に排紙ローラ13,14と紙送りローラ11,12が回
転する事により熱転写記録用紙25は装置外に排出さ
れ、印字は終了する。
【0068】上記のように構成された熱転写記録装置で
は1色目と2色目のドットの中心が半ドット(25.4
/600mm)づつずれるので1色目の低階調ドットと
2色目の低階調ドットの重なりが減り2色目の転写が安
定し、転写しにくい3色目と4色目は奇数ラインと偶数
ラインの印加時間を互いに近づけてドットを接触させる
事で転写を安定にし、さらに3色目と4色目でそれらを
互いにずらす事で転写の安定化を計る事が可能となる。
【0069】また前記実施例においては1色目をイエロ
ー、2色目をマゼンタ、3色目をシアン、4色目を黒と
したが、例えば1色目をマゼンタ、2色目をシアン、3
色目をイエロー、4色目を黒とした場合など他の順番の
組み合わせでも有効である。さらに前記実施例において
は1色目と2色目のドットの中心のずれが25.4/6
00mmとなるような設定としたが前後にずれを制御し
ても構わない。
【0070】また階調表現を効率良くおこなう為に図1
5に示すように副走査方向奇数列と偶数列を半ドットづ
つずらして印字する千鳥印字にも本方法は有効である。
さらにまた、上記の実施例では溶融型熱転写記録装置を
例にとって本発明を説明したが、本発明はその他のタイ
プのカラー印字記録装置にも応用可能であることは言う
までもない。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、各
ラインにおける印字開始時間を各色ごとに変える事でド
ットの中心が副走査方向に各色ごとにずれるのでドット
が各色同士で重なる割合が減り、図5に示すような重な
りによる画質の劣化を避ける事ができ、またドットの平
均的な高さが低くなるので谷間印字において転写効率が
あがり図6に示すような不具合を改善する事が可能であ
る。また上の層(3色目、4色目の印字)にあたる印字
では各ラインにおける印字開始時間を副走査方向奇数ラ
インと偶数ラインとでずらす事で奇数ラインと偶数ライ
ンのドットが互いに低階調でも接触するので転写の安定
化が計れ、低階調部分における転写再現性が良くなり、
正確な階調表現が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるカラー記録装置の実施例におけ
るサーマルヘッド駆動部の構成を示す説明図である。
【図2】インクシートの構成を示す説明図である。
【図3】従来のサーマルヘッドに印加するストローブ信
号の概略構成を示す図である。
【図4】従来のサーマルヘッドに印加するストローブ信
号において6,7ライン目を中心に拡大した図である。
【図5】記録用紙上の重ね印字によるドット割れを示す
説明図である。
【図6】記録用上の谷間印字を示す説明図である。
【図7】通電時のサーマルヘッドの抵抗体発熱における
温度分布の概略を示す図である。
【図8】高階調のドットの転写の説明図である。
【図9】低階調のドットの転写の説明図である。
【図10】本発明を実施するカラー熱転写記録装置のサ
ーマルヘッドダウン時の概略を示す図である。
【図11】本発明を実施するカラー熱転写記録装置のサ
ーマルヘッドアップ時の概略を示す図である。
【図12】本発明のカラー記録装置においてストローブ
パルス発生部が発生する各色ごとのストローブ信号の概
略構成を示す図である。
【図13】本発明のカラー記録装置においてストローブ
パルス発生部が発生する各色ごとのストローブ信号にお
いて6,7ライン目を中心に拡大した図である。
【図14】本発明においてストローブパルス発生部が発
生する各色のストローブ信号1ドットあたりの3種類の
基本構成を示す図である。
【図15】千鳥印字の説明図である。
【符号の説明】
1 サーマルヘッド駆動電源 2 発熱抵抗体 3 スイッチング素子 4 ANDゲート 5 ラッチ 6 シフトレジスタ 7 ヒートパルス発生部 8 フレームメモリ 9 画像信号インターフェース部 10 プラテンローラ 11 紙送りローラB 12 紙送りローラA 13 排紙ローラB 14 排紙ローラA 15 インクシート供給ローラ 16 インクシート巻き取りローラ 17 インクシート 18 サーマルヘッド 19 ピールプレート 20 色検出センサー 21 インクシートガイドローラ 22 ステッピングモータB 23 ステッピングモータA 24 DCモータ 25 熱転写記録用紙25 26 給紙ローラB 27 給紙ローラA 28 ストローブパルス発生部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−284267(JP,A) 特開 平5−155051(JP,A) 特開 平5−162372(JP,A) 特開 平5−246068(JP,A) 特開 平5−278253(JP,A) 特開 平5−338221(JP,A) 特開 平6−115249(JP,A) 特開 平6−270454(JP,A) 特開 平6−340109(JP,A) 特開 平7−81118(JP,A) 特開 平8−72414(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/325 B41J 2/355 B41J 2/36 B41J 2/52 B41J 2/525

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印字するためのカラー画像データを格納
    するフレームメモリと、該フレームメモリに格納された
    前記カラー画像データを読み出し、読み出した前記カラ
    ー画像データの階調に対応させて2値化したヒートデー
    タを出力するヒートパルス発生部と、複数のパルスから
    なり階調に対応するストローブ信号を発生するストロー
    ブパルス発生部と、主走査方向1ラインずつ副走査方向
    に熱転写記録用紙を搬送するプラテンローラに対向する
    ように複数の発熱抵抗体が主走査方向に配置され、前記
    ヒートパルス発生部から出力された前記ヒートデータと
    前記ストローブパルス発生部において発生させたストロ
    ーブ信号に基づいて前記発熱抵抗体を発熱させることに
    より階調に応じた大きさのドットを前記熱転写用紙に印
    字するサーマルヘッドとを少なくとも備え、それぞれの
    色が異なる少なくとも3色以上の前記カラー画像データ
    に基づいて、色材が塗布されたインクシートからの転写
    により多階調カラー印字を行うカラー記録装置であっ
    て、 前記ストローブパルス発生部は、印字される第1色目の
    ドットの中心と第2色目のドットの中心がずれて、主走
    査方向の各ラインで且つ副走査方向の同一ラインにおけ
    る第1色目と第2色目のドットの重なりが減るように前
    記第1色目のストローブ信号と前記第2色目のストロー
    ブ信号の通電タイミングをずらして発生させ、更に印字
    される第3色目の印字ドットの中心も主走査方向の各ラ
    インで且つ副走査方向の前記同一ラインにおいて前記第
    1色目及び前記第2色目のドットの中心とそれぞれ互い
    にずれ、しかも第3色目の印字ドットは前記熱転写記録
    用紙の搬送にともなう主走査方向奇数ラインと偶数ライ
    ンにおいて隣接して印字されるように第3色目のストロ
    ーブ信号を発生させ、また更に第4色目のドットを印字
    する場合は、印字される第4色目の印字ドットの中心も
    主走査方向の各ラインで且つ副走査方向の前記同一ライ
    ンにおいて前記第1色目、前記第2色目、及び前記第3
    色目のドットの中心ともそれぞれ互いにずれ、しかも第
    4色目の印字ドットは前記第3色目の印字ドットとは異
    なる主走査方向奇数ラインと偶数ラインにおいて隣接し
    て印字されるように第4色目のストローブ信号を発生さ
    せること を特徴とするカラー記録装置。
  2. 【請求項2】 前記ストローブパルス発生部は、主走査
    方向の各ラインで且 つ副走査方向の同一ラインにおける
    第1色目のドットの中心と第2色目のドットの中心が半
    ラインずれるように、前記第1色目のストローブ信号と
    前記第2色目のストローブ信号の通電タイミングをずら
    して発生させることを特徴とする請求項1に記載のカラ
    ー記録装置。
  3. 【請求項3】 印字するためのカラー画像データを格納
    するフレームメモリと、該フレームメモリに格納された
    前記カラー画像データを読み出し、読み出した前記カラ
    ー画像データの階調に対応させて2値化したヒートデー
    タを出力するヒートパルス発生部と、複数のパルスから
    なり階調に対応するストローブ信号を発生するストロー
    ブパルス発生部と、主走査方向1ラインずつ副走査方向
    に熱転写記録用紙を搬送するプラテンローラに対向する
    ように複数の発熱抵抗体が主走査方向に配置され、前記
    ヒートパルス発生部から出力された前記ヒートデータと
    前記ストローブパルス発生部において発生させたストロ
    ーブ信号に基づいて前記発熱抵抗体を発熱させることに
    より階調に応じた大きさのドットを前記熱転写用紙に印
    字するサーマルヘッドとを少なくとも備え、それぞれの
    色が異なる少なくとも3色以上の前記カラー画像データ
    に基づいて、色材が塗布されたインクシートからの転写
    により多階調カラー印字を行うカラー記録装置における
    カラー記録方法において、 第1色目のドット印字を行い、 前記第1色目のドット印字において発生させた前記スト
    ローブパルス発生部からのストローブ信号の通電タイミ
    ングとは一致しない通電タイミングで前記ストローブパ
    ルス発生部からストローブ信号を発生させることによ
    り、主走査方向の各ラインで且つ副走査方向の同一ライ
    ンにおける互いのドットの重なりが減るようにドットの
    中心を前記第1色目のドットの中心からずらして第2色
    目のドット印字を行い、 前記第1色目及び前記第2色目のドット印字において発
    生させた前記ストローブパルス発生部からのそれぞれの
    ストローブ信号の通電タイミングとは一致しない通電タ
    イミングで前記ストローブパルス発生部からストローブ
    信号を発生させることにより、ドットの中心が主走査方
    向の各ラインで且つ副走査方向の前記同一ラインにおい
    て前記第1色目及び前記第2色目のドットの中心とそれ
    ぞれ互い にずれ、しかも印字ドットは前記熱転写記録用
    紙の搬送にともなう主走査方向奇数ラインと偶数ライン
    において隣接して印字されるように第3色目のドット印
    字を行い、 更に第4色目のドットを印字する場合には、前記第1色
    目、前記第2色目、及び前記第3色目のドット印字にお
    いて発生させた前記ストローブパルス発生部からのそれ
    ぞれのストローブ信号の通電タイミングとは一致しない
    通電タイミングで前記ストローブパルス発生部からスト
    ローブ信号を発生させることにより、ドットの中心が主
    走査方向の各ラインで且つ副走査方向の前記同一ライン
    において前記第1色目、前記第2色目、及び第3色目の
    ドットの中心とそれぞれ互いにずれ、しかも印字ドット
    は前記第3色目の印字ドットとは異なる主走査方向奇数
    ラインと偶数ラインにおいて隣接して印字されるように
    第4色目のドット印字を行うことを特徴とするカラー記
    録方法
  4. 【請求項4】 前記第1色目と前記第2色目の印字にお
    いて、第1色目のドットの中心と第2色目のドットの中
    心が半ラインずれるように、第2色目の印字を行うこと
    を特徴とするカラー記録方法。
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