JPH0882021A - 断熱パネル及びその製造方法 - Google Patents

断熱パネル及びその製造方法

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JPH0882021A
JPH0882021A JP24183294A JP24183294A JPH0882021A JP H0882021 A JPH0882021 A JP H0882021A JP 24183294 A JP24183294 A JP 24183294A JP 24183294 A JP24183294 A JP 24183294A JP H0882021 A JPH0882021 A JP H0882021A
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resin
resin foam
foam
foamable
heat insulating
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JP24183294A
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English (en)
Inventor
Toru Mizukami
徹 水上
Yuji Yokoo
祐次 横尾
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
Original Assignee
Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度で、防火、耐火性に優れるとともに、
パネルにした際の剥離強度に優れた断熱パネル及びその
製造方法を提供する。 【構成】 ハニカム体の両面に、発泡性フェノール樹脂
と無機質繊維シートとの複合物を積層し、更にその外側
の両面に、接着性に優れた発泡性熱硬化樹脂の層を介し
て、表皮材を積層した後、加熱加圧して、発泡性フェノ
ール樹脂及び熱硬化性樹脂を発泡硬化させることによ
り、ハニカム体6のセル内にフェノール樹脂フォーム2
が充填されたコアの両面に無機質繊維シート4が配置さ
れ、更にその外側の両面が表皮材5で被覆されていて、
フェノール樹脂フォーム2と無機質繊維シート4との間
に接着性に優れた熱硬化性樹脂フォーム3が介在してい
る断熱パネル1を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度で、防火、耐火
性に優れていて、特に内外壁、間仕切り、ドア、天井用
等に好適な断熱パネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内外壁、間仕切り、ドア、天井等に使用
する断熱パネルとしては、従来、ウレタンフォームを芯
材として、それに表皮材を貼付したパネルが主に使用さ
れている。しかしながら、ウレタンフォームは、断熱性
に優れる反面、可燃性であるため、これを建築物等に使
用した場合には、火災防止等のために消防法によって建
築物の敷地面積や建設地域が規制される場合がある。
【0003】このため、上記規制を受ける場所では、防
火、耐火性を考慮して、ウレタンフォームに難燃剤を添
加した断熱パネル、押出し発泡ポリスチレンボードの両
面に石こうボードを貼付した断熱パネル、又はイソシア
ヌレートフォームを芯材にして表皮材を貼付した断熱パ
ネル等が使用されているが、防火、耐火性がまだ十分で
はなく、さまざまな消火設備の設置が必要とされてい
る。
【0004】また、有機系フォームとして最も不燃性が
高いものにフェノール樹脂フォームが知られているが、
単独では芯材としての強度が劣り、表皮材との接着性も
低いため、フェノール樹脂フォーム単独では断熱パネル
の芯材としては利用できないという欠点を有している。
この欠点を解消する手段として、特開平3−10914
5号、特開平4−319428号、及び特開平5−22
2784号には、断熱パネル等の芯材として、フェノー
ル樹脂フォームとハニカム体との複合体を用いたものが
開示されている。
【0005】これらのうち、特開平3−109145
号、特開平4−319428号には、ハニカム体の両面
に、ガラス繊維等のマット状繊維物に発泡性フェノール
樹脂を加熱融着させた複合物を積層し、加熱加圧するこ
とにより発泡成形した芯材が開示されている。
【0006】また、特開平5−222784号公報に
は、ハニカム体にフェノール樹脂フォームを充填してな
る芯材の片面又は両面に、鉱物質繊維ボードを積層し、
更にその外側を表皮材で被覆してなる断熱パネルが開示
されている。この断熱パネルは、芯材の外側に高密度の
鉱物質繊維ボードを配置し、断熱パネル全体の厚さに対
する、鉱物質繊維ボードの厚さと表皮材の厚さとの合計
が占める割合を高くしているため、防火、耐火性に優れ
ている。
【0007】しかしながら、これらの方法により得られ
る断熱パネルは、いずれも、パネル芯材と表皮材との剥
離強度が、ウレタンフォームの剥離強度の半分程度にす
ぎず、十分とはいえない。なお、一般建築物にパネルだ
けで自立させて用いられる耐力外壁用パネルの剥離強度
は、少なくともウレタンフォーム芯材並みの2kg/cm2
上が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有する前述の問題点を解消するためになされたものであ
り、その目的は、高強度で、防火、耐火性に優れるとと
もに、パネルにした際の剥離強度に優れた断熱パネル及
びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の断熱パネルは、ハニカム体のセル内にフェ
ノール樹脂フォームが充填されたコアの両面に無機質繊
維シートが配置され、更にその外側の両面が表皮材で被
覆されてなる断熱パネルであって、前記フェノール樹脂
フォームと前記無機質繊維シートとの間に接着性に優れ
た熱硬化性樹脂フォームが介在することを特徴とする。
【0010】また、本発明の断熱パネルの製造方法は、
ハニカム体の両面に、発泡性フェノール樹脂と無機質繊
維シートとの複合物を積層し、更にその外側の両面に、
接着性に優れた発泡性熱硬化性樹脂の層を介して、表皮
材を積層した後、加熱加圧して、前記発泡性フェノール
樹脂及び前記発泡性熱硬化性樹脂を発泡硬化させ、一体
成形することを特徴とする。
【0011】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て更に詳細に説明する。本発明において使用するハニカ
ム体としては、特に限定されず、公知のものを使用する
ことができる。ハニカム体のセル形状の例としては、ハ
ニカムコア、ロールコア、コルゲートコア等を挙げるこ
とができ、材質の例としては、クラフト紙、セミ中芯紙
等のペーパーハニカム、アルミニウム等の金属ハニカム
等を挙げることができる。しかし、断熱パネルの断熱性
を低下させないため、熱伝導率が小さいペーパーハニカ
ムが好ましい。また、ペーパーハニカムの場合には、難
燃性等を向上させる目的で、フェノール樹脂、水酸化ア
ルミニウム等を含浸させてあってもよい。
【0012】本発明におけるフェノール樹脂としては、
従来使用されているフェノール樹脂を使用することがで
きるが、硬化剤による表皮材の腐食が発生しないノボラ
ック型のフェノール樹脂を使用することが好ましい。こ
のフェノール樹脂に発泡剤を添加混合することで、発泡
性フェノール樹脂を得ることができる。発泡剤として
は、加熱によって熱分解してガスを発生する無機系及び
有機系発泡剤が使用され、特にジニトロソペンタメチレ
ンテトラミン等の有機系発泡剤が好ましく使用される。
【0013】上記発泡性フェノール樹脂には、発泡硬化
後の不燃性を向上させるために、フェノール樹脂に対し
て1〜70重量%、望ましくは10〜60重量%の難燃剤を添
加してもよい。上記添加量が1重量%未満では難燃剤の
効果が十分でなく、添加量が70重量%を超える場合には
発泡性フェノール樹脂の発泡を大きく阻害し、断熱性能
を低下させ、断熱パネルの重量の大幅な増加を招くので
好ましくない。難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、り
ん系難燃剤、三酸化アンチモン、又は水酸化アルミニウ
ムや水酸化マグネシウム等の無機水酸化物を使用するこ
とができるが、難燃剤がその分解脱水による吸熱効果を
有するという点で無機水酸化物を使用することが好まし
い。
【0014】本発明における無機質繊維シートとして
は、ガラス繊維、岩綿、アルミナ繊維等の織布、不織
布、紙、又は繊維を堆積させて樹脂バインダーによって
固着させたマット等を使用することができ、中でも、価
格や、発泡性フェノール樹脂が担持されやすいという点
で、ガラスチョップドストランドマットが好ましく使用
される。また、無機質繊維シートは、熱硬化性樹脂フォ
ームとの接着性を向上させるために表面処理を施してあ
ってもよい。
【0015】更に、無機質繊維シートは、厚さが0.1 〜
5mmであることが好ましく、特に0.2 〜3mmであること
が好ましい。厚さが0.1 mm未満の場合は、無機質繊維シ
ート自体の通気性が低く、発泡性フェノール樹脂及び発
泡性熱硬化性樹脂の発泡時に発生する発泡剤の余剰ガス
及びハニカム体のセル内の空気がパネル外へ抜けにくく
なり、ハニカム体のセル内にフェノール樹脂フォームが
完全に充填されず空隙が残る。厚さが5mmより大きい場
合には、無機質繊維シート内の、フェノール樹脂フォー
ム及び熱硬化性樹脂フォームが浸透していない層の厚さ
が大きくなり、この層からの層間剥離が問題となる。ま
た、この層が断熱層となり、加熱加圧したときの発泡成
形が困難となる。更に、期待される熱硬化性樹脂フォー
ムによる効果も得にくくなる。
【0016】また、無機質繊維シートは、単位面積重量
が30〜1500g/m2であることが好ましい。単位面積重量が
30g/m2未満では発泡性フェノール樹脂が担持されにく
く、また複合物としたときの強度も低いので取扱性に劣
る。単位面積重量が1500g/m2より大きい場合には、通気
性が低くなるとともに、熱硬化性樹脂フォームが通過し
にくくなる。
【0017】本発明において接着性に優れた発泡性熱硬
化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ウレタン樹脂、フラ
ン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等に発泡剤を
添加したものが好ましく用いられる。これらのうち、表
皮材との接着性及びコストの点から、エポキシ樹脂が特
に好ましい。なお、接着性に優れた発泡性熱硬化性樹脂
として、発泡性フェノール樹脂を用いる場合には、この
発泡倍率を、セル内に充填されるフェノール樹脂より低
くする必要がある。
【0018】上記発泡性エポキシ樹脂としては、1液性
又は2液性のもの、あるいは粉体のエポキシ樹脂に、発
泡剤を添加したものが好ましく用いられる。なお、これ
らのエポキシ樹脂は、市販もされている。
【0019】エポキシ樹脂に添加される発泡剤として
は、加熱によって熱分解してガスを発生する、無機系又
は有機系の発泡剤が好ましく、熱分解の温度範囲の狭い
有機系発泡剤が特に好ましい。発泡剤の熱分解温度は、
80〜200 ℃が好ましく、100 〜170 ℃がより好ましい。
また、エポキシ樹脂への発泡剤の添加量は、エポキシ樹
脂の発泡倍率が好ましくは2〜40倍、より好ましくは3
〜20倍となるように添加するのが好ましい。エポキシ樹
脂の発泡倍率が2倍未満の場合にはエポキシ樹脂フォー
ムとしての作用が充分得られず、40倍を超えると、表皮
材との接着力が弱くなる。
【0020】発泡性熱硬化性樹脂として発泡性エポキシ
樹脂を用いる場合、その単位面積重量は、50〜600 g/m2
とするのが好ましく、100 〜400 g/m2とするのがより好
ましい。発泡性エポキシ樹脂の単位面積重量が、50g/m2
未満では、表皮材との接着力が弱く、600 g/m2を超える
と、エポキシ樹脂フォームはフェノール樹脂フォームよ
り難燃性に劣ることから、断熱パネルとした際の防火、
耐火性を低下させるので好ましくない。
【0021】本発明の断熱パネルでは、表皮材が断熱パ
ネルの表裏両面ともに金属板であるか、あるいは一方の
面が金属板でもう一方の面が無機質ボードであること
が、防火、耐火性を向上させ、更に、透湿による結露や
芯材の劣化及び断熱性能の低下を防止するために好まし
い。表皮材として用いる金属板としては、鋼板、アルミ
ニウム板等を使用することができ、これらは、外観向上
や腐食防止のために、塗装や表面処理が施してあっても
よい。また、無機質ボードとしては、石こうボード、石
綿セメント板、けい酸カルシウム板、スラグ石こう板、
ALC板等を使用することができる。
【0022】本発明の断熱パネルの厚さは特に限定され
ないが、外壁用など、特に防火、耐火性が必要とされる
場合には、全体の厚さが40mm以上であることが好まし
い。また、全体の厚さに対する無機質繊維シートの厚さ
と表皮材の厚さとの合計の比率が0.5 〜15%であるのが
好ましい。全体の厚さが40mm未満の場合には、断熱性が
不十分であり、また防火、耐火性も十分ではない。ま
た、全体の厚さに対する無機質繊維シートの厚さと表皮
材の厚さとの合計の比率が0.5 %未満では、十分な防
火、耐火性を得ることができず、15%を超えると熱伝導
率が大となり、断熱性が低下する。特に、断熱性と防
火、耐火性とのバランスを好適にすることから2〜12%
であることが好ましい。
【0023】本発明の断熱パネルの製造方法において
は、まず、無機質繊維シートに発泡性フェノール樹脂を
加熱融着させた複合物を製造する。この複合物の製造方
法としては、無機質繊維シート上に粉体の発泡性フェノ
ール樹脂を散布し、発泡性フェノール樹脂が溶融する温
度以上で、かつ、発泡硬化する温度以下に加熱して、無
機質繊維シートへ発泡性フェノール樹脂を融着させる方
法が好ましい。
【0024】本発明の断熱パネルの製造方法は、次のよ
うな一体成形法によるものが好ましい。すなわち、図2
に示すように、ハニカム体6の両面に、発泡性フェノー
ル樹脂12と無機質繊維シート4との複合物7を積層
し、更にその外側の両面に接着性に優れた発泡性熱硬化
性樹脂13の層を介して、表皮材5を積層して積層体8
とする。なお、発泡性熱硬化性樹脂13の層は、無機質
繊維シート4と発泡性フェノール樹脂12との複合物7
の、発泡性フェノール樹脂12を付着させた面と反対側
の面に塗布又は散布して設けるか、あるいは、予め、表
皮材5の内側の面に塗布するか、又は散布した後接着さ
せて設けることができる。
【0025】続いて、この積層体8を、上型9及び下型
10を有するプレス装置にセットし、加熱加圧して発泡
性フェノール樹脂12と、発泡性熱硬化性樹脂13とを
発泡硬化させ、上記各層を一体成形することによって、
断熱パネルを得ることができる。スペーサー11は、プ
レス装置の上型9と下型10との間隔を、目的とする断
熱パネルの厚さに合わせるために使用される。また、複
数の積層体8と積層体8との間に面状ヒーターを挿入す
ることによって、複数の断熱パネルの多段プレス成形を
行うことも可能である。
【0026】本発明において、断熱パネルの一体成形
は、一般に使用される加熱機能を備えたプレス装置で行
うことができる。一体成形時の温度は、150 〜200 ℃が
好ましい。上記温度が150 ℃未満であると、発泡性フェ
ノール樹脂の発泡が不充分となるか、又は、成形時間が
長くなって経済的ではない。また、上記温度が200 ℃を
超えると、フェノール樹脂が徐々にではあるが熱分解を
おこして断熱パネルの品質が低下するので好ましくな
い。
【0027】なお、本発明においては、上記一体成形に
よる製造方法に限定されず、次のようにして行うことも
できる。すなわち、ハニカム体の両面に、発泡性フェノ
ール樹脂と無機質繊維シートとの複合物を積層し、更に
その外側の両面に、接着性に優れた発泡性熱硬化性樹脂
の層を形成した後、この積層物を加熱加圧して、発泡性
フェノール樹脂を発泡硬化させて芯材を形成する。その
後、得られた芯材の両外側に、表皮材を貼付する。
【0028】加熱加圧して芯材を成形する際に用いる装
置、及び温度は、上記一体成形による製造方法に用いる
装置、及び温度と同様とするのが好ましい。なお、プレ
ス装置の型内面と、接着性に優れた発泡性熱硬化性樹脂
の層との間には、離型剤を塗布したり、剥離シートを設
けたりして、型内面と芯材とが接着するのを防止するこ
とが好ましい。
【0029】また、芯材に、表皮材を貼付する方法は、
エポキシ樹脂等の接着剤を表皮材に塗布した後、常温又
は加熱下で、芯材に接着する等の方法によるのが好まし
い。
【0030】図1に示すように、こうして得られた断熱
パネル1は、ハニカム体6の内部空間に、発泡したフェ
ノール樹脂フォーム2が充填されたコアと、その外側両
面に接合された無機質繊維シート4と、更にその外側両
面に接合された表皮材5とで構成され、フェノール樹脂
フォーム2と、無機質繊維シート4との間に、無機質繊
維シート4を通して発泡した熱硬化性樹脂フォーム3が
介在している。
【0031】
【作用】本発明によれば、ハニカム体の両面に、発泡性
フェノール樹脂と無機質繊維シートとの複合物を積層
し、更にその外側の両面に接着性に優れた発泡性熱硬化
性樹脂の層を介して、表皮材を積層した後、加熱加圧し
て、発泡性フェノール樹脂及び発泡性熱硬化性樹脂を発
泡硬化させるので、熱硬化性樹脂フォームが、表皮材に
接着されるとともに、無機質繊維シートを通して、ハニ
カム体のセル内に食い込むような形で発泡硬化されて大
きなアンカー効果を生み、かつ、フェノール樹脂フォー
ムに接着され、ハニカム体のセル壁にも一部接着され
る。したがって、パネルとした際の剥離強度が大幅に向
上し、防火、耐火性が要求される一般建築物の耐力外壁
用パネルとしても使用可能となる。
【0032】また、本発明において、無機質繊維シート
は、発泡性フェノール樹脂を担持するだけではなく、発
泡性フェノール樹脂及び発泡性熱硬化性樹脂が発泡する
際に発生する発泡剤の余剰な分解ガス及びハニカム体に
よって構成されている空間内の空気を外へ逃がすための
通路としての役割も果す。このように、余剰の分解ガス
等が断熱パネルの内部に残ることがないため、ハニカム
体によって構成されている空間内にフェノール樹脂フォ
ームが完全に充填し、断熱パネルの断熱性が向上し、全
面にわたって均一となる。
【0033】更に、本発明の好ましい態様においては、
断熱パネルの全体の厚さに対する無機質繊維シートの厚
さと表皮材の厚さとの合計の比率が0.5 〜15%とされて
いるので、防火、耐火性には優れるが、熱伝導率は比較
的大きい無機質繊維シート及び表皮材と、熱伝導率が小
さく断熱性に優れるが、防火、耐火性は十分でないフェ
ノール樹脂フォーム及び熱硬化性樹脂フォームが充填さ
れたハニカムコアとの比率が特定範囲となり、断熱性
と、防火、耐火性とがともに得られる。
【0034】
【実施例】
実施例1 無機質繊維シートとして、単位面積重量が300 g/m2のガ
ラスチョップドストランドマットを用い、このマット上
に、発泡性フェノール樹脂(ノボラック型)の粉体を単
位面積あたりの散布量が1000g/m2となるように散布し、
90℃で加熱加圧して、発泡性フェノール樹脂を溶融、融
着させて、発泡性フェノール樹脂と無機質繊維シートと
の複合物を得た。
【0035】また、2液性のエポキシ樹脂(日本チバガ
イギー社製、主剤XNR3312と硬化剤XNH3312を20:
11の比で混合)に、有機発泡剤である「ビニホールDW
#6」(商品名、永和化成社製)を、エポキシ樹脂100
重量部に対して5重量部添加混合して発泡性エポキシ樹
脂を調製し、単位面積あたりの塗布量が350 g/m2となる
ように、厚さ0.4 mmのカラー鋼板に塗布した。
【0036】次に、ハニカム体として、厚さ50mmのペー
パーハニカム(昭和飛行機工業製、品番25−S−10)を
用い、その両面に、上記の複合物を、発泡性フェノール
樹脂の付着面がペーパーハニカムの方へ向くように積層
し、更にその両外側に、発泡性エポキシ樹脂を塗布した
カラー鋼板を、発泡性エポキシ樹脂の塗布面がガラスチ
ョップドストランドマットの方へ向くように積層して、
一体成形用の積層体を作成した。
【0037】次いで、加熱機能を備えたプレス装置の温
度を170 ℃とし、上記積層体をセットし、その両脇に高
さ52mmのアルミニウム製のスペーサーを配置し、10分間
加熱加圧してパネルを得た。
【0038】得られたパネルは、フェノール樹脂フォー
ムが、ハニカム体のセル内に、空隙を生じることなく、
完全に充填されていた。
【0039】実施例2 実施例1において、発泡性フェノール樹脂に、難燃剤と
しての水酸化アルミニウムを、樹脂に対して2:1で添
加し、それ以外は実施例1と同様にしてパネルを得た。
【0040】得られたパネルは、フェノール樹脂フォー
ムが、ハニカム体のセル内に、空隙を生じることなく、
完全に充填されていた。
【0041】比較例1 実施例1において、発泡性エポキシ樹脂の替わりに、有
機発泡剤を添加しないエポキシ樹脂を用い、それ以外は
実施例1と同様にしてパネルを得た。
【0042】比較例2 表皮材として厚さ0.4 mmのカラー鋼板を使用し、2枚の
表皮材の間に、ウレタンフォームである「スリースーパ
ーウレタンフォームS−20」(商品名、東京エアゾル社
製)を注入し、発泡させて、全体の厚さが52mmのパネル
を得た。
【0043】実験例 実施例1、2及び比較例1、2で得たパネルについて、
熱伝導率測定、強度試験、表面試験、及び防火、耐火試
験を行った。なお、試験方法は表1に示す方法とした。
その結果を表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表2の結果から、実施例1、2は高い断熱
性と、防火、耐火性とを兼ね備え、パネルとしての圧縮
強度、曲げ強度が高く、剥離強度も比較例2のウレタン
フォームを芯材としたパネルと同等以上に高いことがわ
かる。なお、実施例2は、発泡性フェノール樹脂に難燃
剤を配合したことから、実施例1より更に防火、耐火性
に優れていることがわかる。
【0047】これに対して、比較例1は、剥離強度が低
く、比較例2は、可燃性で、防火、耐火性が不合格であ
り、曲げ強度に劣ることがわかる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の断熱性パ
ネル及びその製造方法によれば、接着性に優れた熱硬化
性樹脂フォームが、表皮材に接着されるとともに、無機
質繊維シートを通して、ハニカム体のセル内に食い込む
ような形で発泡硬化されて大きなアンカー効果を生み、
フェノール樹脂フォームに接着され、ハニカム体のセル
壁にも一部接着されるので、パネルとした際の剥離強度
が大幅に向上する。
【0049】また、無機質繊維シートによって、発泡性
フェノール樹脂及び発泡性熱硬化性樹脂が発泡する際に
発生する発泡剤の余剰な分解ガス及びハニカム体の内部
空間の空気が外へ逃がされるため、これらのガスが断熱
パネルの内部に残ることがなく、ハニカム体の内部空間
にフェノール樹脂フォームが完全に充填されて、断熱パ
ネルの断熱性が向上し、全面にわたって均一となる。
【0050】したがって、本発明によれば、剥離強度に
優れ、防火、耐火性に優れた断熱パネルを得ることがで
きる。したがって、防火、耐火性が要求される一般建築
物の耐力外壁用パネルとしても使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断熱パネルの一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の断熱パネルの製造方法の一実施例にお
ける一工程を示す側面図である。
【符号の説明】
1 断熱パネル 2 フェノール樹脂フォーム 3 熱硬化性樹脂フォーム 4 無機質繊維シート 5 表皮材 6 ハニカム体 7 複合物 8 積層体 9 上型 10 下型 11 スペーサー 12 発泡性フェノール樹脂 13 発泡性熱硬化性樹脂

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハニカム体のセル内にフェノール樹脂フ
    ォームが充填されたコアの両面に無機質繊維シートが配
    置され、更にその外側の両面が表皮材で被覆されてなる
    断熱パネルであって、前記フェノール樹脂フォームと前
    記無機質繊維シートとの間に接着性に優れた熱硬化性樹
    脂フォームが介在することを特徴とする断熱パネル。
  2. 【請求項2】 前記接着性に優れた熱硬化性樹脂フォー
    ムが、エポキシ樹脂フォーム、不飽和ポリエステル樹脂
    フォーム、メラミン樹脂フォーム、ユリア樹脂フォー
    ム、ウレタン樹脂フォーム、フラン樹脂フォーム、ポリ
    イミド樹脂フォーム、前記セル内に充填されたフェノー
    ル樹脂フォームより発泡倍率の低いフェノール樹脂フォ
    ームから選ばれた一種である請求項1記載の断熱パネ
    ル。
  3. 【請求項3】 前記接着性に優れた熱硬化性樹脂フォー
    ムが、エポキシ樹脂フォームである請求項2記載の断熱
    パネル。
  4. 【請求項4】 前記セル内に充填されたフェノール樹脂
    フォームが、ノボラック型である請求項1〜3のいずれ
    か一つに記載の断熱パネル。
  5. 【請求項5】 全体の厚さに対する前記無機質繊維シー
    トの厚さと前記表皮材の厚さとの合計の比率が0.5 〜15
    %である請求項1〜4のいずれか一つに記載の断熱パネ
    ル。
  6. 【請求項6】 ハニカム体の両面に、発泡性フェノール
    樹脂と無機質繊維シートとの複合物を積層し、更にその
    外側の両面に、接着性に優れた発泡性熱硬化性樹脂の層
    を介して、表皮材を積層した後、加熱加圧して、前記発
    泡性フェノール樹脂及び前記発泡性熱硬化性樹脂を発泡
    硬化させ、一体成形することを特徴とする断熱パネルの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記接着性に優れた発泡性熱硬化性樹脂
    が、発泡性エポキシ樹脂、発泡性不飽和ポリエステル樹
    脂、発泡性メラミン樹脂、発泡性ユリア樹脂、発泡性ウ
    レタン樹脂、発泡性フラン樹脂、発泡性ポリイミド樹
    脂、前記ハニカム体の両面に積層される発泡性フェノー
    ル樹脂より発泡倍率の低い発泡性フェノール樹脂から選
    ばれた一種である請求項6記載の断熱パネルの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記接着性に優れた発泡性熱硬化性樹脂
    が、発泡性エポキシ樹脂である請求項7記載の断熱パネ
    ルの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ハニカム体の両面に積層される発泡
    性フェノール樹脂が、ノボラック型である請求項6〜8
    のいずれか一つに記載の断熱パネルの製造方法。
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