JPH08105127A - 断熱パネル - Google Patents

断熱パネル

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Publication number
JPH08105127A
JPH08105127A JP6268187A JP26818794A JPH08105127A JP H08105127 A JPH08105127 A JP H08105127A JP 6268187 A JP6268187 A JP 6268187A JP 26818794 A JP26818794 A JP 26818794A JP H08105127 A JPH08105127 A JP H08105127A
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JP
Japan
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phenol resin
honeycomb body
panel
inorganic
inorganic fiber
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Application number
JP6268187A
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English (en)
Inventor
Toru Mizukami
徹 水上
Yuji Yokoo
祐次 横尾
Yasuhiko Hayashi
安彦 林
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
Original Assignee
Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度で、防火、耐火性に優れるとともに、
パネルにした際の剥離強度に優れた断熱パネルを提供す
る。 【構成】 ハニカム体5のセル内にフェノール樹脂フォ
ーム2が充填されたコアの両面に無機質繊維シート3が
配置され、更にその外側の両面が表皮材4で被覆されて
なる断熱パネル1を製造するに際して、ハニカム体5の
JIS A 6931によるセルサイズと、無機質繊維シート3を
構成する無機質繊維の長さとの比が、1:0.3 〜3とな
るようにする。また、無機質繊維シート3として、一定
長さで切断した繊維束を解繊して少なくとも一部をモノ
フィラメント化させた無機質繊維から形成されたものを
用いるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度で、防火、耐火
性に優れていて、特に内外壁、間仕切り、ドア、天井用
等に好適に用いられる断熱パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】内外壁、間仕切り、ドア、天井等に使用
する断熱パネルとしては、従来、ウレタンフォームを芯
材として、それに表皮材を貼付したパネルが主に使用さ
れている。しかしながら、ウレタンフォームは、断熱性
に優れる反面、可燃性であるため、これを建築物等に使
用した場合には、火災防止等のために消防法によって建
築物の敷地面積や建設地域が規制される場合がある。
【0003】このため、上記規制を受ける場所では、防
火、耐火性を考慮して、ウレタンフォームに難燃剤を添
加した断熱パネル、押出し発泡ポリスチレンボードの両
面に石こうボードを貼付した断熱パネル、又はイソシア
ヌレートフォームを芯材にして表皮材を貼付した断熱パ
ネル等が使用されているが、防火、耐火性がまだ十分で
はなく、さまざまな消火設備の設置が必要とされてい
る。
【0004】また、有機系フォームとして最も不燃性が
高いものにフェノール樹脂フォームが知られているが、
単独では芯材としての強度が劣り、表皮材との接着性も
低いため、フェノール樹脂フォーム単独では断熱パネル
の芯材としては利用できないという欠点を有している。
この欠点を解消する手段として、特開平3−10914
5号、特開平4−319428号、及び特開平5−22
2784号には、断熱パネル等の芯材として、フェノー
ル樹脂フォームとハニカム体との複合体を用いたものが
開示されている。
【0005】これらのうち、特開平3−109145
号、特開平4−319428号には、ハニカム体の両面
に、ガラス繊維等のマット状繊維物に発泡性フェノール
樹脂を加熱融着させた複合物を積層し、加熱加圧するこ
とにより発泡成形した芯材が開示されている。
【0006】また、特開平5−222784号には、ハ
ニカム体にフェノール樹脂フォームを充填してなる芯材
の片面又は両面に、鉱物質繊維ボードを積層し、更にそ
の外側を表皮材で被覆してなる断熱パネルが開示されて
いる。この断熱パネルは、芯材の外側に高密度の鉱物質
繊維ボードを配置し、断熱パネル全体の厚さに対する、
鉱物質繊維ボードの厚さと表皮材の厚さとの合計が占め
る割合を高くしているため、防火、耐火性に優れてい
る。
【0007】しかしながら、これらの方法により得られ
る断熱パネルは、いずれも、パネル芯材と表皮材との剥
離強度が、芯材としてウレタンフォームを使用した断熱
パネルの剥離強度の半分程度にすぎず、十分とはいえな
い。なお、一般建築物にパネルだけで自立させて用いら
れる耐力外壁用パネルの剥離強度は、少なくとも芯材と
してウレタンフォームを使用した断熱パネル並みの2kg
/cm2以上が要求されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有する前述の問題点を解決するためになされたものであ
り、その目的は、高強度で、防火、耐火性に優れるとと
もに、パネルにした際の剥離強度に優れた断熱パネルを
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の断熱パネルは、ハニカム体のセル内にフェ
ノール樹脂フォームが充填されたコアの両面に無機質繊
維シートが配置され、更にその外側の両面が表皮材で被
覆されてなる断熱パネルであって、前記ハニカム体のJI
S A 6931によるセルサイズと、前記無機質繊維シートを
構成する無機質繊維の長さとの比が、1:0.3 〜3であ
ることを特徴とする。
【0010】なお、本発明でいうJIS A 6931によるセル
サイズとは、JIS A 6931で規定されるパネル用ペーパー
コアにおけるセルサイズであって、「積層心心間隔。た
だし、円形状の場合は積層方向に直角な方向の心心間
隔。」を意味する。例えば、図4の六角形状(蜂の巣形
状)、図5の円形状(S字形の連続したもの)、図6の
段ボール形状(片段ボールの連続したもの)、図7のリ
ブ形状(リブを平行に連続したもの)、図8の折紙形状
(折形状に連続したもの)に示すコア形状においては、
ぞれぞれの図の「d」に相当するサイズである。
【0011】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て更に詳細に説明する。本発明において使用するハニカ
ム体としては、特に限定されず、公知のものを使用する
ことができる。ハニカム体のセル形状の例としては、ハ
ニカムコア(六角形状)、ロールコア(円形状)、コル
ゲートコア(段ボール形状)等を挙げることができ、材
質の例としては、クラフト紙、セミ中芯紙等のペーパー
ハニカム、アルミニウム等の金属ハニカム等を挙げるこ
とができる。しかし、断熱パネルの断熱性を低下させな
いため、熱伝導率が小さいペーパーハニカムが好まし
い。また、ペーパーハニカムの場合には、難燃性等を向
上させる目的で、フェノール樹脂、水酸化アルミニウム
等を含浸させてあってもよい。
【0012】本発明におけるフェノール樹脂としては、
従来使用されているフェノール樹脂を使用することがで
きるが、硬化剤による表皮材の腐食が発生しないノボラ
ック型のフェノール樹脂を使用することが好ましい。こ
のフェノール樹脂に発泡剤を添加混合することで、発泡
性フェノール樹脂を得ることができる。発泡剤として
は、加熱によって熱分解してガスを発生する無機系及び
有機系発泡剤が使用され、特にジニトロソペンタメチレ
ンテトラミン等の有機系発泡剤が好ましく使用される。
【0013】上記発泡性フェノール樹脂には、発泡硬化
後の不燃性を向上させるために、フェノール樹脂に対し
て1〜70重量%、望ましくは10〜60重量%の難燃剤を添
加してもよい。上記添加量が1重量%未満では難燃剤の
効果が十分でなく、添加量が70重量%を超える場合には
発泡性フェノール樹脂の発泡を大きく阻害し、断熱性能
を低下させ、断熱パネルの重量の大幅な増加を招くので
好ましくない。難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、り
ん系難燃剤、三酸化アンチモン、又は水酸化アルミニウ
ムや水酸化マグネシウム等の無機水酸化物を使用するこ
とができるが、難燃剤がその分解脱水による吸熱効果を
有するという点で無機水酸化物を使用することが好まし
い。なお、これらの難燃剤は、単独で使用してもよく、
2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0014】本発明における無機質繊維シートとして
は、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維等の無機質繊
維を一定長さで切断したものから形成した不織布、紙、
又は上記繊維を堆積させて樹脂バインダーによって固着
させたマット等を使用することができる。中でも、価格
や、発泡性フェノール樹脂が担持されやすいという点
で、ガラスチョップドストランドマットが好ましく使用
される。また、一定長さで切断した繊維束を解繊してで
きるだけモノフィラメント化させた無機質繊維から形成
したものが好ましい。繊維束の解繊は、切断した繊維束
に圧縮空気をあてる方法、切断した繊維束を水中に分散
させて抄紙する方法等によって行うことができる。ま
た、無機質繊維シートは、熱硬化性樹脂フォームとの接
着性を向上させるために表面処理を施してあってもよ
い。
【0015】更に、無機質繊維シートは、厚さが0.1 〜
5mmであることが好ましく、0.2 〜3mmであることがよ
り好ましい。厚さが0.1 mm未満の場合は、無機質繊維シ
ート自体の通気性が低く、発泡性フェノール樹脂の発泡
時に発生する発泡剤の余剰ガス及びハニカム体のセル内
の空気がパネル外へ抜けにくくなり、ハニカム体のセル
内にフェノール樹脂フォームが完全に充填されず空隙が
残る。厚さが5mmより大きい場合には、無機質繊維シー
ト内の、フェノール樹脂フォーム及び表皮材に塗布した
接着剤が浸透していない層の厚さが大きくなり、この層
からの層間剥離が問題となる。また、この層が断熱層と
なり、加熱加圧したときの発泡成形が困難となる。
【0016】また、無機質繊維シートは、単位面積重量
が30〜1500g/m2であることが好ましい。単位面積重量が
30g/m2未満では発泡性フェノール樹脂が担持されにく
く、また複合物としたときの強度も低いので取扱性に劣
る。単位面積重量が1500g/m2より大きい場合には、通気
性が低くなる。
【0017】本発明においては、ハニカム体のJIS A 69
31によるセルサイズと、無機質繊維シートを構成する無
機質繊維の長さとの比を、1:0.3 〜3とする必要があ
り、好ましくは1:0.5 〜2とする。ハニカム体のセル
サイズと、無機質繊維の長さとの比を、上記範囲にする
と、発泡性フェノール樹脂が発泡してハニカム体のセル
内に充填される際に、無機質繊維シートから飛び出た無
機質繊維の一部は、ハニカム体のセル内のフェノール樹
脂フォーム中に解繊した状態で食い込み、他の部分は、
無機繊維シート内に留まり、ハニカム体の端面と表皮材
との間に挟持された構造となって、大きなアンカー効果
を生じ、パネルとした際の剥離強度を大幅に向上させ
る。ハニカム体のセルサイズと、無機質繊維の長さとの
比が、1:0.3 未満の場合、無機質繊維シートから飛び
出た無機質繊維が無機繊維シートから完全に分離して、
ハニカム体のセル内のフェノール樹脂フォーム中に入っ
てしまい、繊維によるアンカー効果が不十分となる。ま
た、ハニカム体のセルサイズと、無機質繊維の長さとの
比が、1:3を超える場合、シートから飛び出た繊維が
ハニカム体の端面部にまたがってネット状となり、繊維
の端部がセル内に入りにくくなって、アンカー効果が不
十分となるので好ましくない。
【0018】本発明の断熱パネルでは、表皮材が断熱パ
ネルの表裏両面ともに金属板であるか、あるいは一方の
面が金属板でもう一方の面が無機質ボードであること
が、防火、耐火性を向上させ、更に、透湿による結露や
芯材の劣化及び断熱性能の低下を防止するために好まし
い。表皮材として用いる金属板としては、鋼板、アルミ
ニウム板等を使用することができ、これらは、外観向上
や腐食防止のために、塗装や表面処理が施してあっても
よい。また、無機質ボードとしては、石こうボード、石
綿セメント板、けい酸カルシウム板、スラグ石こう板、
ALC板等を使用することができる。
【0019】本発明の断熱パネルの厚さは特に限定され
ないが、外壁用など、特に防火、耐火性が必要とされる
場合には、全体の厚さが40mm以上であることが好まし
い。全体の厚さが40mm未満の場合には、断熱性が不十分
であり、また防火、耐火性も十分ではない。また、全体
の厚さに対する無機質繊維シートの厚さと表皮材の厚さ
との合計の比率が0.5 〜15%であるのが好ましい。この
比率が0.5 %未満では、十分な防火、耐火性を得ること
ができず、15%を超えると熱伝導率が大となり、断熱性
が低下する。特に、断熱性と防火、耐火性とのバランス
を好適にすることから2〜12%であることが好ましい。
【0020】本発明の断熱パネルの製造方法の一例を説
明すると、まず、無機質繊維シートに発泡性フェノール
樹脂を付着させた複合物を製造する。この複合物の製造
方法としては、無機質繊維シート上に粉体の発泡性フェ
ノール樹脂を散布し、発泡性フェノール樹脂が溶融する
温度以上で、かつ、発泡硬化する温度以下に加熱して、
無機質繊維シートへ発泡性フェノール樹脂を融着させる
方法、あるいは、粉体の発泡性フェノール樹脂をポリビ
ニルアルコール水溶液に混合し、無機質繊維シート状に
塗布した後、乾燥固着させる方法等が好ましい。
【0021】本発明の断熱パネルの成形方法としては、
次のような一体成形法が好ましく採用される。すなわ
ち、図3に示すように、ハニカム体5の両面に、発泡性
フェノール樹脂11と無機質繊維シート3との複合物6
を、発泡性フェノール樹脂11の面がハニカム体5に接
するように積層し、更にその外側の両面に、ホットメル
ト接着剤、熱硬化性樹脂等を介して表皮材4を積層して
積層体7とする。
【0022】続いて、この積層体7を、上型8及び下型
9を有するプレス装置にセットし、加熱加圧して発泡性
フェノール樹脂11を発泡硬化させ、上記各層を一体成
形することによって、断熱パネルを得ることができる。
スペーサー10は、プレス装置の上型8と下型9との間
隔を、目的とする断熱パネルの厚さに合わせるために使
用される。また、複数の積層体7と積層体7との間に面
状ヒーターを挿入することによって、複数の断熱パネル
の多段プレス成形を行うことも可能である。
【0023】本発明において、断熱パネルの一体成形
は、一般に使用される加熱機能を備えたプレス装置で行
うことができる。一体成形時の温度は、150 〜200 ℃が
好ましい。上記温度が150 ℃未満であると、発泡性フェ
ノール樹脂の発泡が不十分となるか、又は、成形時間が
長くなって経済的ではない。また、上記温度が200 ℃を
超えると、フェノール樹脂が徐々にではあるが熱分解を
おこして断熱パネルの品質が低下するので好ましくな
い。
【0024】なお、本発明の断熱パネルの成形方法は、
上記一体成形方法に限定されず、次のような方法で行う
こともできる。すなわち、ハニカム体の両面に、発泡性
フェノール樹脂と無機質繊維シートとの複合物を積層し
た後、この積層物を加熱加圧して、発泡性フェノール樹
脂を発泡硬化させて芯材を形成する。その後、得られた
芯材の両外側に、表皮材を貼付する。
【0025】この場合、加熱加圧して芯材を成形する際
に用いる装置、及び温度は、上記一体成形による製造方
法に用いる装置、及び温度と同様とするのが好ましい。
また、芯材に、表皮材を貼付する方法は、エポキシ樹脂
等の接着剤を表皮材に塗布した後、常温又は加熱下で、
芯材に接着する等の方法によるのが好ましい。
【0026】図1に示すように、こうして得られた断熱
パネル1は、ハニカム体5の内部空間に、発泡したフェ
ノール樹脂フォーム2が充填されたコアと、その外側両
面に接合された無機質繊維シート3と、更にその外側両
面に接合された表皮材4とで構成されている。
【0027】また、図2に示すように、この断熱パネル
1の無機質繊維シート3の状態を拡大すると、無機質繊
維シート3から飛び出た無機質繊維の一部3aは、発泡
性フェノール樹脂が発泡してハニカム体5のセル内に充
填される際に、ハニカム体5のセル内のフェノール樹脂
フォーム2に解繊した状態で食い込み、他の部分3b
は、無機繊維シート3内に留まり、ハニカム体5の端面
5aと表皮材4との間に挟持された構造となっている。
【0028】
【作用】本発明によれば、ハニカム体のJIS A 6931によ
るセルサイズと、前記無機質繊維シートを構成する無機
質繊維の長さとの比が、1:0.3 〜3となるようにした
ことにより、上述したように、無機質繊維シートから飛
び出た無機質繊維の一部が、ハニカム体のセル内のフェ
ノール樹脂フォーム中に食い込み、他の部分が、無機繊
維シート内に留まって、ハニカム体の端面と表皮材との
間に挟持された構造となるため、大きなアンカー効果が
生じる。したがって、パネルとした際の剥離強度が大幅
に向上し、防火、耐火性が要求される一般建築物の耐力
外壁用パネルとしても使用可能となる。
【0029】また、本発明において、無機質繊維シート
は、発泡性フェノール樹脂を担持するだけではなく、発
泡性フェノール樹脂が発泡する際に発生する発泡剤の余
剰な分解ガス及びハニカム体によって構成されている空
間内の空気を外へ逃がすための通路としての役割も果
す。このように、余剰の分解ガス等が断熱パネルの内部
に残ることがないため、ハニカム体によって構成されて
いる空間内にフェノール樹脂フォームが完全に充填し、
断熱パネルの断熱性が向上し、全面にわたって均一とな
る。
【0030】なお、本発明の好ましい態様において、無
機質繊維シートが、一定長さで切断した繊維束を解繊し
て少なくとも一部がモノフィラメント化された無機質繊
維で形成されている場合には、無機質繊維シートから飛
び出た無機質繊維の一部が、ハニカム体のセル内のフェ
ノール樹脂フォーム中に十分解繊した状態で食い込みや
すく、上記効果がより大きくなる。
【0031】
【実施例】
実施例1 ガラスストランドを、長さ50mmにカットし、圧縮空気を
あてて解繊してモノフィラメント化した後、マット化し
て、単位面積重量が300 g/m2のガラスチョップドストラ
ンドマットを得た。
【0032】無機質繊維シートとして、このガラスチョ
ップドストランドマットを用い、このマット上に、発泡
性フェノール樹脂(ノボラック型)の粉体を単位面積あ
たりの散布量が1000g/m2となるように散布し、90℃で加
熱加圧して、発泡性フェノール樹脂を溶融、融着させ
て、発泡性フェノール樹脂と無機質繊維シートとの複合
物を得た。
【0033】次に、ハニカム体として、厚さ50mmで、セ
ルサイズ25mmのペーパーハニカム(昭和飛行機工業製、
品番25−S−10)を用い、その両面に、上記の複合物
を、発泡性フェノール樹脂の付着面がペーパーハニカム
の方へ向くように積層し、更にその両外側に、2液性エ
ポキシ樹脂(日本チバガイギー社製、主剤XNR3312と
硬化剤XNH3312を20:11の比で混合)を、単位面積当
たりの塗布量が350 g/m2となるように塗布した厚さ0.4
mmのカラー鋼板を、2液性エポキシ樹脂の塗布面がガラ
スチョップドストランドマットの方へ向くように積層し
て、一体成形用の積層体を作成した。
【0034】次いで、加熱機能を備えたプレス装置の温
度を170 ℃とし、上記積層体をセットし、その両脇に高
さ52mmのアルミニウム製のスペーサーを配置し、10分間
加熱加圧してパネルを得た。
【0035】得られたパネルは、ガラスチョップドスト
ランドの一部が、ハニカム体のセル内のフェノール樹脂
フォームに解繊した状態で食い込んでいた。
【0036】実施例2 実施例1において、発泡性フェノール樹脂に、難燃剤と
しての水酸化アルミニウムを、樹脂に対して2:1で添
加し、それ以外は実施例1と同様にしてパネルを得た。
【0037】得られたパネルは、ガラスチョップドスト
ランドの一部が、ハニカム体のセル内のフェノール樹脂
フォームに解繊した状態で食い込んでいた。
【0038】比較例1 実施例1において、ガラスチョップドストランドマット
の代わりに、単位面積重量が300 g/m2のガラスの連続繊
維で構成されるコンティニュアスストランドマットを用
い、それ以外は実施例1と同様にしてパネルを得た。
【0039】比較例2 表皮材として厚さ0.4 mmのカラー鋼板を使用し、2枚の
表皮材の間に、ウレタンフォームである「スリースーパ
ーウレタンフォームS−20」(商品名、東京エアゾル社
製)を注入し、発泡させて、全体の厚さが52mmのパネル
を得た。
【0040】実験例 実施例1、2及び比較例1、2で得たパネルについて、
熱伝導率測定、強度試験、表面試験、及び防火、耐火試
験を行った。なお、試験方法は表1に示す方法とした。
その結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表2の結果から、実施例1、2は高い断熱
性と、防火、耐火性とを兼ね備え、パネルとしての圧縮
強度、曲げ強度が高く、剥離強度も比較例2のウレタン
フォームを芯材としたパネルと同等以上に高いことがわ
かる。なお、実施例2は、発泡性フェノール樹脂に難燃
剤を配合したことから、実施例1より更に防火、耐火性
に優れていることがわかる。
【0044】これに対して、比較例1は、剥離強度が低
く、比較例2は、可燃性で、防火、耐火性が不合格であ
り、曲げ強度に劣ることがわかる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の断熱パネ
ルによれば、無機質繊維シートから飛び出た無機質繊維
の一部は、ハニカム体のセル内のフェノール樹脂フォー
ムに解繊した状態で食い込み、他の部分は、無機質繊維
シート内に留まり、ハニカム体の端面と表皮材との間に
挟持された構造となって、大きなアンカー効果が生じ
る。したがって、パネルとした際の剥離強度が大幅に向
上する。
【0046】また、無機質繊維シートによって、発泡性
フェノール樹脂及び発泡性熱硬化性樹脂が発泡する際に
発生する発泡剤の余剰な分解ガス及びハニカム体の内部
空間の空気が外へ逃がされるため、これらのガスが断熱
パネルの内部に残ることがなく、ハニカム体の内部空間
にフェノール樹脂フォームが完全に充填されて、断熱パ
ネルの断熱性が向上し、全面にわたって均一となる。
【0047】したがって、本発明によれば、剥離強度に
優れ、防火、耐火性に優れた断熱パネルを得ることがで
きる。したがって、防火、耐火性が要求される一般建築
物の耐力外壁用パネルとしても使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断熱パネルの一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】同断熱パネルの一部を示す部分拡大断面図であ
る。
【図3】本発明の断熱パネルの製造方法の一例を示す説
明図である。
【図4】JIS A 6931によるコアが六角形状の場合のセル
サイズを示す説明図である。
【図5】JIS A 6931によるコアが円形状の場合のセルサ
イズを示す説明図である。
【図6】JIS A 6931によるコアが段ボール形状の場合の
セルサイズを示す説明図である。
【図7】JIS A 6931によるコアがリブ形状の場合のセル
サイズを示す説明図である。
【図8】JIS A 6931によるコアが折紙形状の場合のセル
サイズを示す説明図である。
【符号の説明】
1 断熱パネル 2 フェノール樹脂フォーム 3 無機質繊維シート 4 表皮材 5 ハニカム体 6 複合物 7 積層体 8 上型 9 下型 10 スペーサー 11 発泡性フェノール樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04C 2/36 G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハニカム体のセル内にフェノール樹脂フ
    ォームが充填されたコアの両面に無機質繊維シートが配
    置され、更にその外側の両面が表皮材で被覆されてなる
    断熱パネルであって、前記ハニカム体のJIS A 6931によ
    るセルサイズと、前記無機質繊維シートを構成する無機
    質繊維の長さとの比が、1:0.3 〜3であることを特徴
    とする断熱パネル。
  2. 【請求項2】 前記フェノール樹脂フォームが、ノボラ
    ック型フェノール樹脂の発泡体である請求項1記載の断
    熱パネル。
  3. 【請求項3】 前記無機質繊維シートが、一定長さで切
    断した繊維束を解繊して少なくとも一部をモノフィラメ
    ント化させた無機質繊維で形成されている請求項1又は
    2記載の断熱パネル。
JP6268187A 1994-10-06 1994-10-06 断熱パネル Pending JPH08105127A (ja)

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JP6268187A JPH08105127A (ja) 1994-10-06 1994-10-06 断熱パネル

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011013691A1 (ja) 2009-07-31 2011-02-03 新日本製鐵株式会社 積層鋼板
JP2015074939A (ja) * 2013-10-10 2015-04-20 株式会社フジタ サイディングパネル
FR3087460A1 (fr) * 2018-06-15 2020-04-24 Fabrice Vion Panneau interieur de batiments, procede de fabrication et de pose du dit panneau

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