JPS627474Y2

JPS627474Y2 -

Info

Publication number: JPS627474Y2
Application number: JP7970781U
Authority: JP
Priority date: 1981-05-30
Filing date: 1981-05-30
Publication date: 1987-02-20
Also published as: JPS57191522U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は凹状に成形した金属性薄板からなる
雄、雌型連結構造の主体と裏面材間にポリイソシ
アヌレートフオームとフエノールフオームで不燃
性シート状物をサンドイツチした防火パネルに関
する。特に雌型連結部の下層に防火性、耐圧縮
性、クツシヨン性の機能を有する粒状物、繊維状
物、造粒物の一種以上からなる添加材を高密度に
分布した防火パネルに係る。

一般に、防火パネルとしては、ポリイソシア
ヌレートフオーム、フエノールフオーム、ポ
リウレタンフオームに防火剤を分散させたフオー
ム等が芯材として使用されている。しかしなが
ら、この種フオーム単体で防火構造試験（JIS−
Ａ−1301）に合格することは困難であつた。すな
わち、，ではフオームの炭化時の収縮差によ
る亀裂が大きく、その亀裂部分からの熱気の侵
入、収縮により裏面温度が基準値を越えてしま
い、不合格となつていた。また、の場合、樹脂
の発泡を大幅に阻害するため、コストアツプを招
くのみでなくミキシング技術も完成されておら
ず、歩留まりの悪い製品であつた。しかも、この
場合、上記試験時間をオーバーした時間での加熱
には可燃なフオームが燃焼してしまう欠点があつ
た。さらに、，のフオームは脆弱であり、釘
着部のフオームが施工の際に破壊されてしまう不
利があつた。勿論、そのため、目地部の防火性が
大幅に低下することになる。また、機械強度は、
を用いた際に脆性、を用いた際に脆性と接着
力不足により、所要強度に達し得ない欠点があつ
た。

本考案は、このような欠点を除去するため、補
強材としての不燃性シート状物の両面に異質フオ
ームを積層し、かつ両フオームの外側に面材を一
体に貼着して下地構造と接触させると共に、固設
端となる雌型連結部下層に骨材、クツシヨン材、
耐圧縮材、強化材として機能する添加材を高密度
に分布して防火性、耐圧縮性、耐酸性、耐衝撃
性、寸法安定性、および機械強度を大幅に改善し
た防火パネルを提案するものである。

以下に図面を用いて本考案に係る防火パネルに
ついて詳細に説明する。第１図ａ，ｂは上記防火
パネルの一例を示す横断面図であり、１は主体で
金属製薄板を断面凹状に成形し、その左右側端に
雄型連結部２と雌型連結部３を形成したものであ
る。上記雄型連結部２は凹状の左側端を外側方へ
水平に延ばした差込縁４からなり、雌型連結部３
は差込縁４係合用の係合溝５とその底面５ａと外
側方へ延ばした延長部６と長手方向に設けた突起
７とその先端を上方、または下方に折り曲げた舌
片８とからなる。９はポリイソシアヌレートフオ
ームで主体凹状部に現場発泡的に充填したもので
あり、主に断熱材、接着剤、耐酸用の被覆材、お
よび耐火、断熱材として機能する。１０は不燃性
シート状物でポリイソシアヌレートフオーム９の
背面にフオーム形成の際の自己接着性を利用して
一体に形成したものであり、ポリイソシアヌレー
トフオーム９の延展のための離型層、パネル芯材
の補強材、熱伝導抑制材（低発煙化、局部熱伝導
の阻止）、および接着強化材として役立つもので
ある。その具体的素材としては、ガラス繊維、ア
スベスト繊維、石膏、ロツクウール等をシート状
に製造したものである。１１はフエノールフオー
ムで不燃性シート状物１０上に一体に形成すると
共に、ポリイソシアヌレートフオーム９の雄型連
結部２近傍においてΔｌ部分を除いて形成し、か
つ、延長部６の下縁背面に積層したフオーム部分
には添加材１２を高密度に含有するものである。
換言すれば、フエノールフオーム１１自体は発煙
量が極めて少なく、高熱下での寸法安定性にもす
ぐれ、燃焼時には炭化層となるため、普通状態か
ら高温域まで断熱性、および保形性にすぐれてい
るが、接着性に欠けると共に脆く、衝撃に弱いた
め、積層したフエノールフオーム１１のうち、弱
点部となる延長部下層のフエノールフオーム１１
部分に添加材１２を高密度に分布して所要性能ま
で向上させ、かつ防火パネルにおける防火性の最
弱点部である目地部に起因する防火性低下を添加
材１２により確実に改善したものである。添加材
１２としては粒状物１２ａ、繊維状物１２ｂ、造
粒物１２ｃの少なくとも１種以上からなり、粒状
物１２ａとしては、例えばパーライト粒、バーミ
キユライト、シラスバルーン、ガラスバルーン、
マイクロバルーン、アルミナバルブ、スチレンビ
ーズ等からなるものである。なお、スチレンビー
ズを用いる場合で防火性を必要とするときは下記
する造粒物１２ｃと併用する必要がある。また、
繊維状物１２ｂとしてはガラス繊維、ロツクウー
ル、アスベスト、金属繊維、炭素繊維、その他の
不燃性繊維の一種以上からなるものである。さら
に、造粒物１２ｃとしては粒状物１２ａの内部空
隙に発泡性無機材を充填したもの、この粒子の表
面を樹脂でコーテングしたもの、粘土鉱物、発泡
性無機材を造粒したもの等からなるものである。
これは防火性において無機質発泡層を形成した
り、水分を放出したりして吸熱、消炎消火に役立
つものである。上記発泡性無機材とは硼砂、メタ
硼酸ナトリウム、（四〜六）硼酸ナトリウム、八
硼酸ナトリウム、硼酸リチユウム、（Na₂O，
B₂O₃，H₂O）の組成からなる生成物、水ガラス
粉末、メタ珪酸ソーダ、オルト珪酸ソーダ等の１
種以上からなるものである。１３は裏面材でクラ
フト紙、アスベスト紙、金属箔、石膏紙、合成樹
脂フイルム、金属薄板の１種以上からなる。な
お、金属箔は単体でなく他物質と一体にラミネー
トして用いられる。

次にこの防火パネルの施工について簡単に説明
する。第２図に示すように防火パネルA₁を胴縁
Ｂに釘Ｃを介して延長部６の端部を釘着する。そ
こで、防火パネルA₂の差込縁４を係合溝５に挿
入し、他端の延長部６を釘Ｃで釘着する。従つ
て、外装、内装等を形成するには、上記施工を順
次繰返し行なえばよいものである。ここで、本考
案に係る防火パネルの性能について試験を行なつ
たところ、次のような結果を得た。ただし、主体
１は0.27mmのカラー鋼板、ポリイソシアヌレート
フオーム９の厚み10mm、密度30Kg／m³、不燃性シ
ート状物１０はアスベスト紙（厚さ0.15mm）、フ
エノールフオーム１１はレゾールタイプで密度20
Kg／m³、厚さ10mm、添加材12は粒径３mmφのパー
ライト粒に硼砂を十分に含浸させた粒状物１２ａ
とスチレンビーズを容積比で１：１の割合で混合
したもの、裏面材１３はアルミニウム箔（厚さ
0.1mm）にアスベスト紙0.1mmをラミネートしたも
のである。JIS−Ａ−1301（防火試験）の結果は
合格であり、成績は○イ防火上有害な変形なし。○ロ
残炎なし。○ハ試験終了後火気なし。○ニ裏面温度
186℃であつた。JIS−Ａ−1321（準不燃材）の表
面試験の結果は、発煙係数（CA）1.5，温度
時間面積（Tdθ）は80，残炎は零秒、裏面
に対する亀裂なし。であつた。次に、施工の際に
延長部下層のフエノールフオーム１１の耐衝撃
性、弾力性について普通状態で試験した。その結
果フエノールフオーム１１は殆んど破壊されず、
剛性と弾力性が適度であり、釘打ちが容易であつ
た。また、機械強度は面材が３層サンドイツチ構
造のため強力であつた。

以上説明したのは、本考案に係る防火パネルの
一実施例にすぎず、第３図ａに示すようにフエノ
ールフオーム１１が存在しないΔｌ部分にある不
燃性シート状物１０の部分を防水処理して目地部
における繊維を介しての毛細管現象を完全に遮断
したり、第３図ｂに示すように延長部６の下面に
接着剤１４を塗布し、添加材１２を確実に貼着し
たり、図示しないが不燃性シート状物１０に吸熱
剤（水酸化アルミニウム）、前記した発泡性無機
材を含浸したり、金網、アルミニウム箔を一体に
介在させることもできる。

上述したように本考案に係る防火パネルによれ
ば、異質フオームの特性と主体と不燃性シート状
物と裏面材の物性を有効に組合せ、かつ、施工
時、および防火上の見地から最弱点となる延長部
下層に添加材を高密度に充填して防火試験、準不
燃試験に合格できると共に破壊されない耐衝撃性
等の性能を付与した特徴がある。また、機械強度
は不燃性シート状物を現場発泡法により形成した
異質フオームでサンドイツチし、かつ、その両面
に主体、裏面材を一体に配設したため、フオーム
自体の接着性も有効に作用して抜群の強度となる
利点がある。さらに、施工においては釘打ちが容
易になり、高能率で施工できる特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案に係る防火パネルの一例
を示す横断面図、第２図はその施工状態を示す説
明図、第３図ａ，ｂはその他の実施例を示す説明
図である。１……主体、９……ポリイソシアヌレートフオ
ーム、１０……不燃性シート状物、１１……フエ
ノールフオーム、１２……添加材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

金属製薄板を断面凹状に成形し、該凹状の左右
側面に雄、雌型連結部を設けた主体と、該主体の
凹状部に充填したポリイソシアヌレートフオーム
と、該ポリイソシアヌレートフオームの背面にポ
リイソシアヌレートフオーム形成の際の自己接着
性を利用して一体に貼着した不燃性シート状物
と、該不燃性シート状物上に前記ポリイソシアヌ
レートフオームの差込縁近傍のΔｌの部分を除
き、雌型連結部背面までを積層し、その雌型連結
部背面の積層部分に防火性、耐圧縮性、クツシヨ
ン性の機能を有する粒状物、繊維状物、造粒物の
１種以上からなる添加材を高密度に分布したフエ
ノールフオームと該フエノールフオームの背面を
被覆した裏面材とを一体に構成したことを特徴と
する防火パネル。