JP4051459B2 - 不燃断熱パネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は不燃性及び断熱性を兼備した不燃断熱パネルに関し、特に、フェノール樹脂フォームを主成分とした断熱フォームを芯材として使用し、その表面に表面材を接合して積層構造とした不燃断熱パネルに関するものである。本発明は、不燃性及び断熱性の要求される場所、例えば、食品、半導体、パソコン、液晶、工作機械等の製造施設としてのクリーンルーム、船舶のドア等に好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、扉、間仕切り、内装材、外壁等の建材として使用される建築用パネルまたは建築用ボードには種々のものが知られ、また用いられている。そして、それらの中でも、耐火性が特に要求される用途においては、各種の無機質材料を使用した不燃性ボードまたは不燃性パネルが使用されている。
【0003】
かかる不燃性ボードとしては、ALC(軽量気泡コンクリート)ボード、水酸化アルミニウム板、珪酸カルシウム板、ロックウール板等を単体で使用する無機質ボードや、芯材としてのロックウール板を表面材としての一対の石膏ボード間または表面材としての一対の珪酸カルシウムボード間に挟み込んだ無機質複合ボードがある。
【0004】
また、比較的比重の高いこれらの無機質建築ボードに対して、無機質中空体であるシラスバルーンをフィラ(骨材)の主材として用い、これを水ガラス組成物やコロイダルシリカからなるバインダで固めて板状に付形した所謂シリカボードも知られている(例えば、特開平1−131084号公報、特開平1−317148号公報)。このシリカボードは、シラスバルーンが高度な発泡粒子であるために、軽量であると共に、断熱性、遮音性等にも優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各無機質ボードまたは無機質複合ボードは、その比重の高さから重量が大きく、取扱い、施工性等の点で改善する余地がある。また、シリカボードは、比較的比重が小さいとは言え、ドア、間仕切り等のスペーサを兼ねた芯材として用いるために厚肉の耐火ボードに形成した場合には、やはりその全体重量が大きくなる傾向があった。更に、上記各無機質ボードは、肉厚(板厚)が50〜150mmと厚肉のものが多く、その分、重量も大きくなっていた。
【0006】
また、上記各無機質ボードまたは無機質複合ボードは、その材質上脆性が大きく、脆くなり易いため、パネル強度の点で改善する余地がある。更に、シリカボードも、硬度は高いものの比較的脆い傾向があり、特に広いパネル状のボードに形成した場合には、割れ易くなる傾向がある。
【0007】
また、耐火性に関して、珪酸カルシウム板や石膏ボードは、水和反応により形成される水和物であるため、500〜800℃付近で結晶水が揮散して脱水し、クラックが発生したり、その構造や形状を維持することができなくなったりする。更に、同じく水和物であるALCボードやコンクリートも、高熱の火炎に接すると同様にして結合力がなくなり、クラックが発生したり、その構造や形状を維持することができなくなったりする。更にまた、シリカボードに関しては、シラスバルーン自体は、約900℃までの耐熱性を有するが、バインダとしての水ガラスやコロイダルシリカに耐熱性がなく、高熱の火炎に接するとバインダの結合力がなくなり、その構造を維持することができなくなる。例えば、バインダとしての水ガラスは、約400〜500℃で軟化して溶出してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、大幅な軽量化を実現すると共に、不燃性、耐火性、断熱性等、必要とされる熱的特性を確実に実現することができる不燃断熱パネルの提供を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る不燃断熱パネルは、フェノール樹脂を主成分として発泡成形された板状の断熱フォームと、セピオライトを主成分として板状に成形され、前記断熱フォームの厚さ方向側面に接合された不燃性ボードと、前記不燃性ボードを前記断熱フォームの厚さ方向側面に接着して接合する接着剤とを具備する。
【0010】
したがって、請求項1に係る不燃断熱パネルは、比重の非常に小さい材料である断熱フォームを芯材として構成されるため、全体の重量を大幅に軽減することができる。また、不燃性ボードも、表面材としての肉厚を有するのみであり、非常に軽量であるため、大幅な軽量化に寄与する。また、断熱フォームは、フェノール樹脂を主成分として発泡成形されるため、各独立気泡の寸法が非常に小さくなり、伝熱抵抗が非常に大きくなる。よって、断熱フォームは、ウレタンフォームやポリスチレンフォーム等の他の合成樹脂フォームと比較して、非常に高い断熱性を有する。また、断熱フォームの主成分であるフェノール樹脂は、熱分解温度が高く、また熱を加えると炭化することにより、1000℃の高温に際しても高い耐燃焼性能及び遮熱性を発揮すると共に本来の断熱効果を維持する。
【0011】
加えて、表面材の不燃性ボードは、セピオライトを主成分とするため、非常に高い不燃性及び耐火性を有する。また、不燃性ボードは、高熱の火炎に接した場合、850℃付近でセピオライトの結晶水が揮散するが、このとき、セピオライトがメタ化して反応性の高い半溶解状態のメタセピオライトとなり、緻密な構造に変化する。このメタセピオライトは、その緻密な構造により、一層高い耐火性及び不燃性を発揮する。したがって、高熱の火炎に接した場合、まず、表面材としての不燃性ボードが、非常に高い耐火性及び遮熱性を発揮して、火炎による熱が断熱フォームに伝わるのを抑制する。これにより、断熱フォームは、高温の熱により急激に劣化したり燃焼したりすることがなく、本来の性能を十分に発揮する。また、断熱フォームも、上記のように、高い遮熱性を発揮するため、不燃性ボードと断熱フォームとによる相乗効果により、不燃断熱パネルは、全体として非常に高い耐火性を発揮する。
【0012】
一方、断熱フォームは、その低密度ゆえに、厚さ寸法にばらつきが大きく、また、表面の平滑性が低いため、単体で建材ボードとして使用することはできない。また、断熱フォームは、表面の平滑性が低いことにより、表面にクロス貼りや化粧加工を行うことができない。しかし、請求項1に係る不燃断熱パネルは、断熱フォームの表面にセピオライトを主成分とする板状の不燃性ボードを接着するため、この板状の不燃性ボードが所定の剛性(面方向支持力)を発揮し、不燃性ボードにより断熱フォームの面方向に均一な荷重がかかり、厚さ寸法のばらつきを非常に小さくして、厚さ寸法の精度を大幅に向上することができる。また、断熱フォームの表面に接着した不燃性ボードの表面は、平滑性に優れているため、クロス貼りや化粧加工を容易に行うことができる。更に、断熱フォームに表面材として金属材を接合した場合と比較して、表面材としての不燃性ボードは暖かい質感を有し、触っても冷たく感じることがない。また、断熱フォーム及び不燃性ボードからなる不燃断熱パネルは、切断や加工が容易であり、一般の木材と同様のレベルの加工容易度を有するため、一般の木材加工技術により簡単に所望形状に加工したり細工したりすることができる。更に、フェノール樹脂の発泡体からなる断熱フォームは、適度な柔軟性を有し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊されることがないと共に、不燃性ボードも、無機物質にもかかわらず適度な柔軟性を有するセピオライトを主成分として形成されるため、適度な柔軟性を有し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊されることがない。その結果、不燃断熱パネル全体が柔軟性を有し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊されることがない。
【0013】
また、前記断熱フォームは、前記フェノール樹脂としてのレゾール樹脂を94〜98重量%と、前記発泡剤としての低沸点の炭化水素を2〜6重量%とを含有する板状のフェノールフォームとしたものである。
【0014】
したがって、特に、発泡剤として低沸点の炭化水素を使用するため、発泡剤によるオゾン層破壊や地球温暖化といった不具合を効果的に防止することができる。
【0015】
そして、前記不燃性ボードは、前記主成分としてのセピオライトを80重量%以上含有すると共に、厚さ0.7mm以上の板状に成形されたものである。
【0016】
したがって、不燃性ボードがセピオライトを80重量%以上という高い割合で含有すると共に、上記のように、高熱の火炎に接した場合、不燃性ボードの内部構造が、高い割合でメタセピオライト化し、緻密な構造に変化する。同時に、板状の不燃性ボードが、厚さが0.7mm以上であるため、高熱の火炎に対してセピオライトが確実にメタセピオライト化する。不燃性ボードのセピオライト含有率を80重量%未満としたり、不燃性ボードの厚さを0.7mm未満としたりすると、内部のセピオライトをメタセピオライト化できず、高熱の火炎により不燃性ボードに亀裂が生じる等の不具合を生じる可能性が高くなる。
【0017】
そして、前記不燃断熱パネルは、断熱フォームを複数積層して配置し、前記不燃性ボードを前記断熱フォームの内側面の間に介装して前記接着剤により接合すると共に、最外側に位置する一対の前記断熱フォームの外側面の両方に前記不燃性ボードを前記接着剤により接着し、前記接着剤は、無機接着剤からなるものである。
【0018】
したがって、断熱フォームを複数層構造とするため、不燃性ボードが断熱フォームと同数または一層多い複数層構造となる。よって、複数層の不燃性ボードにより、不燃性及び耐火性を一層向上することができる。即ち、請求項1に係る不燃断熱パネルは、複数枚の断熱フォームの合計肉厚をより小さくし、かつ、不燃断熱パネルの全体の肉厚をより小さくしても、より高い不燃性及び耐火性を有する。また、複数層の不燃性ボードにより断熱フォームの面方向に均一な荷重がかかり、厚さ寸法のばらつきを非常に小さくして、厚さ寸法の精度を大幅に向上することができる。更に、接着剤が無機質であるため、断熱フォームと不燃性ボードとの接着面においても耐火性及び遮熱性を発揮する。
【0019】
請求項2に係る不燃断熱パネルは、フェノール樹脂としてのレゾール樹脂を94〜98重量%と、発泡剤としての低沸点の炭化水素を2〜6重量%とを含有する板状のフェノールフォームからなる断熱フォームと、高熱の火炎に対してセピオライトが高い割合でメタセピオライト化するように、主成分としてのセピオライトを80重量%以上含有すると共に、厚さ0.7mm以上の板状に成形され、前記断熱フォームの厚さ方向側面に接合された不燃性ボードと、前記不燃性ボードを前記断熱フォームの厚さ方向側面に接着して接合する接着剤とを具備し、前記断熱フォームは、複数積層して配置し、前記不燃性ボードを前記断熱フォームの内側面の間に介装して前記接着剤により接合すると共に、最外側に位置する一対の前記断熱フォームの外側面の前記断熱フォームの厚さ方向一側面には、前記不燃性ボードを前記接着剤により接合すると共に、厚さ方向他側面に金属板を接合し、前記接着剤は、無機接着剤からなるものである。
【0020】
したがって、不燃性ボード及び金属板により断熱フォームの厚さ方向両側面で面方向に均一な荷重がかかり、厚さ寸法のばらつきを非常に小さくして、厚さ寸法の精度を大幅に向上することができる。また、断熱フォームの厚さ方向他側面の金属板により内側の衝撃強度を保持しながら、全体としては大幅な軽量化を実現することができる。
【0022】
また、断熱フォームを複数層構造とするため、不燃性ボードが断熱フォームと同数または一層多い複数層構造となる。よって、複数層の不燃性ボードにより、不燃性及び耐火性を一層向上することができる。即ち、請求項2に係る不燃断熱パネルは、複数枚の断熱フォームの合計肉厚をより小さくし、かつ、不燃断熱パネルの全体の肉厚をより小さくしても、より高い不燃性及び耐火性を有する。また、複数層の不燃性ボードにより断熱フォームの面方向に均一な荷重がかかり、厚さ寸法のばらつきを非常に小さくして、厚さ寸法の精度を大幅に向上することができる。
【0023】
更に、請求項2に係る不燃断熱パネルは、前記接着剤が無機接着剤からなる。
【0024】
したがって、接着剤が無機質であるため、断熱フォームと不燃性ボードとの接着面においても耐火性及び遮熱性を発揮する。
【0027】
請求項3に係る不燃断熱パネルは、請求項1または請求項2の構成において、更に、前記不燃性ボードの表面に、クロス材及び化粧材のいずれかを積層して接合した。
【0028】
このとき、クロス材や化粧材を接合するのは不燃性ボードの表面であり、不燃性ボードの表面は平滑性が高いため、クロス材や化粧材を簡単かつ確実に接合することができると共に、接合後にクロス材や化粧材が不燃性ボードの表面から剥離するのを防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0036】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る不燃断熱パネルを示す一部省略断面図である。
【0037】
まず、実施の形態1に係る不燃断熱パネル10の全体構成について説明する。実施の形態1に係る不燃断熱パネル10は、図1に示すように、断熱フォーム11の厚さ方向両側面(図中上下両側面)に、一対の不燃性ボード12をそれぞれ接着剤13により接着した三層構造のものである。詳細には、前記断熱フォーム11は、フェノール樹脂を主成分として発泡成形される。また、断熱フォーム11は、所定肉厚を有する矩形平板状等の所定平面形状の平板状をなしている。更に、不燃性ボード12は、無機物質としてのセピオライトを主成分とし、湿式抄造法やロール成形法等の技術を利用して、前記断熱フォーム11の側面形状に対応する矩形平板状乃至シート状等の所定平面形状の平板状乃至シート状に成形されるものである。なお、セピオライトを主成分として湿式抄造された不燃性ボード12は不燃紙とも呼ばれる。
【0038】
不燃性ボード12は、所定肉厚を有し、断熱フォーム11の側面形状と同一の硬質の平板状乃至シート状をなしている。そして、一対の不燃性ボード12が、断熱フォーム11の厚さ方向両側面に接着される。前記断熱フォーム11は、内部に多数の細かな独立気泡を有する発泡体であり、不燃断熱パネル10の厚さ方向中央で遮熱層、断熱層、遮音層等を構成する。また、一対の不燃性ボード12は、不燃断熱パネル10の厚さ方向両側で不燃耐火層を構成する。なお、前記断熱フォーム11の肉厚及び不燃性ボード12の肉厚は、それぞれ、用途に応じて要求されるパネル全体の肉厚に応じて決定される。
【0039】
接着剤13は、有機接着剤または無機接着剤により構成される。接着剤13は、一対の不燃性ボード12を断熱フォーム11の厚さ方向側面にそれぞれ接着する。なお、接着剤を発泡性無機接着剤により構成することもできる。接着剤13は、各不燃性ボード12の断熱フォーム11との対向面(接合面乃至対向面)の全体に塗付され、薄肉の接着層を構成している。これにより、接着剤13は、互いに対向する断熱フォーム11の側面と不燃性ボード12の側面とを接着する。また、接着剤13は、断熱フォーム11または不燃性ボード12の対向側面全体に広がる。
【0040】
次に、不燃断熱パネル10の各構成要素としての断熱フォーム11、不燃性ボード12、接着剤13の各々の構成及び製造方法について説明する。
【0041】
<断熱フォーム>
前記断熱フォーム11は、主成分としてのレゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂に、整泡剤、発泡剤、硬化剤(硬化触媒)及び必要に応じてその他の添加剤を添加して混合し、クリーム状になった反応混合液をホットプレス(高温高圧成形装置)等の型枠内で加熱して発泡硬化させ、所定の板状に成形することにより製造される。主成分としてのフェノール樹脂としてはレゾール型フェノール樹脂(レゾール樹脂)を好適に使用することができる。発泡剤としては、例えば、低沸点の炭化水素を好適に使用することができる。なお、発泡剤には、高沸点の脂肪族炭化水素、高沸点の脂環式炭化水素またはこれらの混合物を含有することが好ましい。即ち、断熱フォームは、前記フェノール樹脂としてのレゾール樹脂を94〜98重量%と、前記発泡剤としての低沸点の炭化水素を2〜6重量%とを含有する板状のフェノールフォームとすることが好ましい。この場合、特に、発泡剤として低沸点の炭化水素を使用するため、発泡剤によるオゾン層破壊や地球温暖化といった不具合を効果的に防止することができる。なお、発泡成形時に使用する整泡剤としては、例えば、シリコン系界面活性剤等のノニオン系界面活性剤を好適に使用することができる。また、発泡成形時に使用する硬化剤としては、例えば、フェノールスルホン酸等の芳香族スルホン酸を単独または2種以上混合して使用することができる。断熱フォームの肉厚は、仕様に応じて決定するが、通常は、7〜80mmの範囲の厚みとする。
【0042】
かかるフェノールフォームからなる断熱フォーム11としては、例えば、特開平11−140216号公報、特開平11−140217号公報または特開平11−181140号公報に記載のフェノール樹脂フォームや、旭化成工業株式会社の商品名ネオマフォーム等を好適に使用することができる。
【0043】
<不燃性ボード>
不燃性ボード12の主成分であるセピオライトは、一般には繊維性を持った含水ケイ酸マグネシウムの塊である。そして、その表面には反応性に富んだ極性基を有し、吸着性、揺変性、固結性等の基本的な性質がある。そして、この含水ケイ酸マグネシウム鉱物であるセピオライトは、その水酸基によって固結性等に優れるだけでなく、水とのなじみ性にも優れ、水中においてカチオンまたはノニオンに帯電して容易に分散する。このため、湿式抄造法によって容易に不燃性シートを形成することができ、また、形成されたシートは十分な紙力を有する。無論、押出成形法、ロール延伸法等、湿式抄造以外の方法によっても、セピオライトを主成分とする不燃性シートまたは不燃性ボードを製造することができる。一般に、湿式抄造法を使用した場合、不燃性ボードの肉厚は約1mm程度までであるため、2mm、3mm等の厚物を製造する場合は、セピオライトを主成分とするペースト状のスラリーを押出成形、ロール延伸等によりウェットシート状に成形することが好ましい。ここで、主成分としてのセピオライトは、不燃性ボード全体に対して、85〜90重量%の割合で配合することが好ましく、約90重量%の割合で配合することが一層好ましい。セピオライトをかかる配合割合にすると、不燃性ボード12がセピオライトを高い割合で含有することになるため、より一層高い耐火性及び不燃性を発揮する。
【0044】
セピオライトは、不燃性ボード12を形成する成分として単独で使用することもできる。しかし、形成される不燃性ボード12のハンドリング強度をより十分に高めるために、補強繊維を合わせて使用することが好ましい。この補強繊維としては、ガラス繊維、ロックウール繊維等の鉱物繊維、ステンレス繊維等の金属繊維、チタン酸カリウム繊維等のセラミック繊維またはウィスカー、石膏繊維等の無機化合物繊維、等を使用することができる。ただし、材料コスト、凝集効果等の点からは、これらの中でもガラス繊維が最適である。そして、これらの無機質繊維は、不燃性ボード全体に対して、5〜10重量%の割合で配合することが好ましい。
【0045】
また、補強繊維としては、無機質繊維だけでなく、木材パルプ、またはこれを難燃化したリン酸パルプ、アラミド繊維、ビニロン繊維等の織物繊維、等の有機質繊維も使用することができる。しかし、その配合量は、不燃性、耐火性、及び熱分解後の保形性を十分なものとするために、不燃性ボード12全体に対して10重量%以下であることが好ましく、更には、5重量%以下がより好ましい。
【0046】
更に、これらの補強繊維の他にも、必要に応じて、各種の無機質フィラを配合することができる。そのような無機質フィラとしては、水酸化アルミニム、含水ホウ酸カルシウム(灰硼石)、水酸化マグネシウム(ブルーサイト)等の自己消火性を有する無機質粉体が特に好ましい。また、コロイドシリカ等の結合性の無機質フィラ、バーミキュライト、合成膨潤性雲母または合成スメクタイト等の板状粒子も、不燃性ボードに強度を与えるために好ましい。ただし、これらの無機質フィラは、主材としてのセピオライトの特性を阻害しない程度に比較的少ない割合で使用される。
【0047】
更にまた、不燃性ボード12には、高分子化合物からなる有機バインダを添加することができる。この有機バインダとしては、グアーガム、でんぷん等の天然高分子化合物も使用可能であるが、好ましくは、合成物である合成樹脂が使用される。そして、合成樹脂としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂脂のいずれも適宜に用いることができる。不燃性ボード12を湿式抄造により製造する場合、好ましくは、凝集剤としても作用するカチオン系、アニオン系、またはノニオン系の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が使用される。前記熱可塑性樹脂は、主に不燃性ボード12の乾燥時の紙力を高めるもので、例えば、ポリアミド、またはポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等が代表的である。また、前記熱硬化性樹脂は、主に不燃性ボード12の湿潤時の紙力を高め、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、エピクロルヒドリン系ポリアミド樹脂、等が代表的である。そして、これらの高分子化合物からなる有機バインダはそれぞれ単独で、または組合わせて使用することができるが、不燃性ボード12全体に対して一般に5重量%までの割合となるように調製することが好ましい。
【0048】
前記不燃性ボード12は、湿式抄造法によれば、上記材料を混合分散したスラリーから、一般に0.2〜1.2mm程度の厚さのシートとして形成することができる。例えば、減量調整を行ったスラリーを湿式抄造により湿潤シートとし、この湿潤シートを、120℃の温度で20分間、圧力100kgf/cm2のプレス条件でプレス成形し、最後にトリミングすることにより、所定厚さの不燃性ボード12を製造することができる。また、不燃性ボード12は、ロール延伸法等によれば、上記材料を混合分散したペースト状のスラリーから、一般に1mm、2mm、3mm等、各種の所望の肉厚のシート状物またはボード状物として形成することができる。その組成の一例を次に示す。
【表1】
【表2】
【0049】
なお、表1及び表2の組成において、例えば、セピオライトとしては水沢化学工業(株)の商品H330を使用することができ、ガラス繊維としてはユニチカグラスファイバー(株)のECS06I33Gを使用することができる。
【0050】
表1及び表2の例の不燃性ボード12では、有機成分の合計量は、全体に対して5重量%である。そのため、この不燃性ボードは、高温加熱(800〜1000℃)時にはそれらの有機成分が炭化するが、炭化後のシートにおいても強度の劣化は少なく、十分な耐熱保形性を備えている。また、表2の例の不燃性ボード12では、パルプ等の有機成分の合計量は、全体に対して5重量%である。そのため、この不燃性ボードは、高温加熱(800〜1000℃)時にはそれらの有機成分が炭化するが、炭化後のシートにおいても強度の劣化は少なく、十分な耐熱保形性を備えている。
【0051】
また、上記のように抄造した不燃性ボードに、更にケイ酸ナトリウムまたはカリウム等の水ガラス組成物を含浸または被覆することは、好ましいことである。これによって、不燃性ボードの表面に水ガラスの硬化した被覆が形成され、物理的強度と耐水性、更に耐火性及び耐熱性をより高めることができる。なお、この不燃性ボードの含浸または被覆に使用する水ガラス組成物は、例えば、固形分で88重量%のケイ酸ナトリウムと、12重量%の酸化マグネシウム(硬化剤)とからなる変性水ガラス組成物として形成することができる。
【0052】
上記湿式抄造により製造した不燃性ボード12の肉厚(板厚)は、通常は、0.2mm〜1.2mm程度であり、ロール延伸等によりペースト状のスラリーをシート状にプレスして製造した不燃性ボード12の肉厚(板厚)は、通常は、1mm〜3mm程度であるが、必要に応じて、適宜、より厚肉またはより薄肉とすることができる。
【0053】
<接着剤>
接着剤13としての有機接着剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤及びゴム系接着剤の中から選択したいずれかの接着剤を使用することができる。また、無機接着剤としては、例えば、珪酸塩、燐酸塩、コロイダルシリカ、アルキルシリケート等を結合剤とし、アルミナ、シリカ、ジルコニア、ジルコン、マグネシア、スピネル等の酸化物、炭化物、窒化物を骨材とし、金属、金属酸化物、金属水酸化物、ケイフッ化ナトリウム、燐酸塩、ホウ酸塩等を硬化材として使用する反応形無機接着剤を使用することができる。かかる反応形無機接着剤としては、例えば、アルカリ金属シリケート(珪酸アルカリ金属)系、酸性金属ホスフェート系、コロイダルシリカ系等の無機接着剤がある。
【0054】
また、無機接着剤を発泡性無機接着剤より構成することもできる。例えば、接着剤13を、少なくとも、アルカリ珪酸塩と、未焼成バーミキュライトと、合成雲母及び/または合成スメクタイトと、溶媒としての水とから構成した発泡性無機接着剤とすることができる。この場合、発泡性無機接着剤を溶媒としての水に溶解または分散した接着剤溶液として、接着対象である断熱フォーム11または不燃性ボード12の接合箇所に塗付した後、乾燥して水分を蒸発させると、接着剤溶液の濃縮に伴い、合成雲母及び/または合成スメクタイトの結晶鱗片相互が、内部にアルカリ珪酸塩を包含しながら、未焼成バーミキュライトの微粉体の周囲に接近し、ゲル化する。このとき、劈開した合成雲母及び/またはの結晶片は、層間部分が陰イオンに、反対側部分が陽イオンに帯電しているため、静電作用により互いに接近する。そして、結晶鱗辺の平面部分と端面部分とが任意の態様で接触し、立体構造を形成して結合し、ゲル化して固化する。同時に、アルカリ珪酸塩が脱水縮合し、所期のバインダ機能を発揮して、接着力を発現する。
【0055】
かかる発泡性無機接着剤は、加熱時に発泡する。よって、断熱フォームと不燃性ボードとを接着した後、パネル使用時に、火災等が発生した場合、その火炎による熱により発泡性無機接着剤が発泡し、断熱フォームと不燃性ボードとの間で体積膨張する。特に、体積膨張した発泡性無機接着剤は、断熱フォームと不燃性ボードとの接着部分を隙間なく充填して接着し、両者の離脱、変形等を有効に防止する。
【0056】
発泡性無機接着剤13は、通常、断熱フォーム11への塗付及び接着時点では発泡しておらず、単に、断熱フォーム11と不燃性ボード12とを接着するのみである。一方、発泡性無機接着剤13は、耐火時の火炎等による加熱時に発泡して、断熱フォーム11と不燃性ボード12との間で体積膨張し、発泡体からなる比較的厚肉の耐火断熱層14を形成するようになっている。
【0057】
上記のような無機接着剤または発泡性無機接着剤としては、本出願人である株式会社常盤電機社製の無機汎用接着剤FJ521または無機発泡接着剤FJ515を好適に使用することができる。
【0058】
<製造方法>
次に、上記のように構成された実施の形態1に係る不燃断熱パネル10の製造方法を説明する。
【0059】
まず、上記断熱フォーム11及び不燃性ボード12をそれぞれ所定の形状及び寸法に製造すると共に、上記接着剤13を調整する。次に、断熱フォーム11の厚さ方向一側面及び他側面の全体に、それぞれ、接着剤13を所定膜厚で塗付する。この断熱フォーム11への接着剤13の塗付は、公知のスプレー法、ロールコート法、浸漬法、フローコート法等により行うことができる。このとき、特に、接着剤13として発泡性無機接着剤を使用する場合、塗付膜厚は、例えば、1〜1000μmの範囲の値、特に、5〜100μmの範囲の値とすることができる。その後、接着剤13を塗付した断熱フォーム11の一側面及び他側面に対して、それぞれ、不燃性ボード12を対向配置する。そして、断熱フォーム11に対して各不燃性ボード12を相対的に接近させ、所定圧力で互いに接触させて接合する。そして、この状態でこれらを所定時間乾燥し、接着剤13を乾燥固化させて接着層を形成する。これにより、断熱フォーム11および不燃性ボード12が、接着剤13により強固に接着され、図1に示す本実施の形態に係る不燃断熱パネル10が完成する。
【0060】
<作用及び効果>
次に、上記のように構成された実施の形態1に係る不燃断熱パネル10の作用及び効果を説明する。
【0061】
実施の形態1に係る不燃断熱パネル10は、比重の非常に小さい材料である断熱フォーム11を芯材として構成されるため、全体の重量を大幅に軽減することができる。また、不燃性ボード12も、表面材としての肉厚を有するのみであり、非常に軽量であるため、大幅な軽量化に寄与する。また、断熱フォーム11は、フェノール樹脂を主成分とし、前記発泡剤等を使用して発泡成形されるため、各独立気泡の寸法が非常に小さくなり、伝熱抵抗が非常に大きくなる。よって、断熱フォーム11は、ウレタンフォームやポリスチレンフォーム等の他の合成樹脂フォームと比較して、非常に高い断熱性を有する。また、断熱フォーム11の主成分であるフェノール樹脂は、熱分解温度が高く、また熱を加えると炭化することにより、1000℃の高温に際しても高い耐燃焼性能及び遮熱性を発揮すると共に本来の断熱効果を維持する。
【0062】
加えて、表面材の不燃性ボード12は、セピオライトを主成分とするため、非常に高い不燃性及び耐火性を有する。また、不燃性ボード12は、高熱の火炎に接した場合、850℃付近でセピオライトの結晶水が揮散するが、このとき、セピオライトがメタ化して反応性の高い半溶解状態のメタセピオライトとなり、緻密な構造に変化する。このメタセピオライトは、その緻密な構造により、一層高い耐火性及び不燃性を発揮する。ここで、前記不燃性ボード12は、前記主成分としてのセピオライトを80重量%以上含有すると共に、厚さ0.7mm以上の板状に成形することが好ましい。この場合、不燃性ボードがセピオライトを80重量%以上という高い割合で含有すると共に、上記のように、高熱の火炎に接した場合、不燃性ボードの内部構造が、高い割合でメタセピオライト化し、緻密な構造に変化する。同時に、板状の不燃性ボードが、厚さが0.7mm以上であるため、高熱の火炎に対してセピオライトが確実にメタセピオライト化する。不燃性ボードのセピオライト含有率を80重量%未満としたり、不燃性ボードの厚さを0.7mm未満としたりすると、内部のセピオライトをメタセピオライト化できず、高熱の火炎により不燃性ボードに亀裂が生じる等の不具合を生じる可能性が高くなる。なお、不燃性ボードの厚さは、上記メタセピライト化による効果を得るためには、1mmとすることがより一層好ましい。
【0063】
したがって、高熱の火炎に接した場合、まず、表面材としての不燃性ボード12が、非常に高い耐火性及び遮熱性を発揮して、火炎による熱が断熱フォーム11に伝わるのを抑制する。これにより、断熱フォーム11は、高温の熱により急激に劣化したり燃焼したりすることがなく、本来の性能を十分に発揮する。また、断熱フォーム11も、上記のように、高い遮熱性を発揮するため、不燃性ボード12と断熱フォーム11とによる相乗効果により、不燃断熱パネル10は、全体として非常に高い耐火性を発揮する。その結果、不燃断熱パネル10は、表面材としての不燃性ボード12と芯材としての断熱フォーム11との相乗効果により、大幅な軽量化を実現すると共に、不燃性、耐火性、断熱性等、必要とされる熱的特性を確実に実現することができる。更に、かかる不燃断熱パネル10は、高い剛性も併有し、かつ、遮音性にも優れている。
【0064】
一方、断熱フォーム11は、その低密度等のゆえに、折り曲げ強度や剛性が小さく、厚さ寸法にばらつきが大きく、また、表面の平滑性が低いため、単体で建材ボードとして使用することはできない。また、断熱フォーム11は、表面の平滑性が低いため、クロス貼りや化粧加工を行うことができない。即ち、断熱フォーム11は、表面に細かな凹凸(ディンプル)が存在するため、鋼板やクロスを直接貼り付けると、鋼板やクロスにも対応する凹凸が発生する。しかし、実施の形態1に係る不燃断熱パネル10は、断熱フォーム11の表面にセピオライトを主成分とする板状の不燃性ボード12を接着するため、この板状の不燃性ボードが所定の剛性(面方向支持力)を発揮し、不燃性ボード12により断熱フォーム11の面方向に均一な荷重がかかり、厚さ寸法のばらつきを非常に小さくして、厚さ寸法の精度を大幅に向上することができる。例えば、断熱フォーム11単体の場合に比べ、不燃性ボード12を接合したものは、5倍以上の折り曲げ強度を有する。また、断熱フォーム11単体では、厚さの寸法が±2mm以上(2〜3mm程度)と大きくばらつくが、不燃性ボード12を接着することにより、厚さの寸法のばらつきが±1mm程度と非常に小さくなり、厚さの寸法精度を向上することができる。また、断熱フォーム11の表面に接着した不燃性ボード12の表面は、平滑性に優れているため、クロス貼りや化粧加工を容易に行うことができる。特に、実施の形態1では、不燃性ボード12を含む表面材の厚みや材質等を適宜選択することにより、全体の厚みや釘保持性等を調整することができる。更に、不燃性ボード12により耐水性を付与することができ、外装材としても使用することが可能になる。なお、不燃性ボード12の厚みは、通常、1〜10mmの範囲内とすることが好ましい。
【0065】
更に、断熱フォーム11に表面材として金属材を接合した場合と比較して、表面材としての不燃性ボード12は暖かい質感を有し、触っても冷たく感じることがない。また、断熱フォーム11及び不燃性ボード12からなる不燃断熱パネル10は、切断や加工が容易であり、一般の木材と同様のレベルの加工容易度を有するため、一般の木材加工技術により簡単に所望形状に加工したり細工したりすることができる。更に、断熱フォーム11のみならず、不燃性ボード12も、釘やネジ釘等の締結材を打つことができるため、敷設箇所への不燃断熱パネル10の固定作業を、釘等の簡単な部材を使用して容易かつ迅速に行ったり、不燃断熱パネル10の表面に別部材を簡単に釘打ちしたりすることができる。更にまた、フェノール樹脂の発泡体からなる断熱フォーム11は、適度な柔軟性を有し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊されることがないと共に、不燃性ボード12も、無機物質にもかかわらず適度な柔軟性を有するセピオライトを主成分として形成されるため、適度な柔軟性を有し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊されることがない。その結果、不燃断熱パネル10全体が柔軟性を有し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊されることがない。
【0066】
また、実施の形態1に係る不燃断熱パネル10は、不燃性ボード12が、セピオライトを好ましくは80重量%以上、更に好ましくは約85〜90%の範囲内で含有する。したがって、不燃性ボード12がセピオライトを高い割合で含有するため、高熱の火炎に接した場合、不燃性ボード12の内部構造は、高い割合で反応性の高い半溶解状態のメタセピオライトとなり、緻密な構造に変化する。その結果、高い割合のメタセピオライトが、その緻密な構造により、より一層高い耐火性及び不燃性を発揮する。
【0067】
更に、実施の形態1に係る不燃断熱パネル10は、断熱フォーム11の厚さ方向両側面に不燃性ボード12を接着剤13を介して接合している。したがって、一対の不燃性ボード12により断熱フォーム11の厚さ方向両側面で面方向に均一な荷重がかかり、厚さ寸法のばらつきを非常に小さくして、厚さ寸法の精度を大幅に向上することができる。なお、不燃性ボード12は、表面材として、断熱フォーム11の一側面にのみ接着してもよい。
【0068】
また、実施の形態1に係る不燃断熱パネル10は、前記接着剤を無機接着剤により構成することができ、この場合、接着剤13が無機質であるため、断熱フォーム11と不燃性ボード12との接着面においても耐火性及び遮熱性を発揮する。
【0069】
ここで、実施の形態1に係る不燃断熱パネル10は、断熱フォーム11の肉厚を約35mm以上とし、不燃性ボード12の肉厚を約1mm〜10mmの範囲内とすることが好ましい。断熱フォーム11の肉厚を約35mm以上とすると、その十分な肉厚により、断熱フォーム11が、断熱性や遮音性等の所期の性能を十分に発揮する。また、不燃性ボード12の肉厚を約1mm〜10mmの範囲内とすると、不燃性ボード12が、全体の軽量化を損なうことなく、耐火性や遮熱性等の所期の性能を十分に発揮する。
【0070】
上記のような実施の形態1に係る不燃断熱パネル10は、不燃性、断熱性等の諸性能が要求される建材または構造材等として好適に使用される。また、不燃性及び断熱性等が高いレベルで要求される場所、例えば、食品、半導体、パソコン、液晶、工作機械等の製造施設としてのクリーンルーム、船舶のドア等に好適に使用することができる。更に、波浪による衝撃、腐食等、過酷な使用条件を考慮して、不燃性、断熱性、強度、軽量化、耐腐食性等の要請を高いレベルで満足する必要がある海洋建築物(船舶、メガフロート、オイルプラットホーム、ウォータフロント等)に、特に好適に使用することができる。
【0071】
実施の形態2
実施の形態1に係る不燃断熱パネル10は、断熱フォーム11の厚さ方向両側面に不燃性ボード12を接着剤13により接合するが、実施の形態2に係る不燃断熱パネルは、断熱フォーム11の厚さ方向一側面にのみ不燃性ボード12を接着剤13により接合すると共に、厚さ方向他側面には金属板を接合したものとして実施している。即ち、実施の形態2では、図示はしないが、断熱フォーム11の厚さ方向他側面に、前記不燃性ボード12と同様の板状またはシート状をなす金属板を接着剤により接合している。金属板は、断熱フォーム11の他側面の側面形状に対応する矩形平板状乃至シート状等の所定平面形状の平板状乃至シート状に形成される。金属板としては、任意の金属製のものを使用できるが、コストや強度等の点から、カラー鋼板等の鋼板を使用することが好ましい。この場合、実施の形態2に係る不燃断熱パネルは、不燃性ボード12及び金属板により断熱フォーム11の厚さ方向両側面で面方向に均一な荷重がかかり、厚さ寸法のばらつきを非常に小さくして、厚さ寸法の精度を大幅に向上することができる。また、断熱フォーム11の厚さ方向他側面の金属板により内側の衝撃強度を保持しながら、全体としては大幅な軽量化を実現することができる。
【0072】
実施の形態3
図2は本発明の実施の形態3に係る不燃断熱パネルの要部を示す断面図である。
実施の形態1に係る不燃断熱パネル10は、1枚の断熱フォーム11と表裏一対の不燃性ボード12による三層構造をなすが、実施の形態3に係る不燃断熱パネルは、断熱フォーム11を複数枚積層して配置し、不燃性ボード12を断熱フォーム11の内側面の間に介装して接着剤13により接合すると共に、最外側に位置する一対の断熱フォーム11の外側面の少なくとも一方に、不燃性ボード12を接着剤13により接着したものとして実施している。例えば、図2に示すように、実施の形態3に係る不燃断熱パネル20は、断熱フォーム11を二層構造とし、不燃性ボード12を三層構造とした五層構造をなす。詳細には、平行に対向配置した一対の断熱フォーム11の内側面の間に、1枚の不燃性ボード12が介装して配置されている。そして、各断熱フォーム11の内側面と不燃性ボード12の対向側面とが、それぞれ、接着剤13により接着されている。また、各断熱フォーム11の外側面には、それぞれ、不燃性ボード12が対向して配置されている。そして、各断熱フォーム11の外側面と各不燃性ボード12の対向側面とが、それぞれ、接着剤13により接着されている。ここで、断熱フォーム11は、好ましくは、実施の形態1の場合よりも薄肉に形成し、より好ましくは、その2分の1未満の肉厚に形成する。
【0073】
したがって、実施の形態3では、断熱フォーム11を複数層構造とするため、不燃性ボード12が断熱フォーム11と同数または一層多い複数層構造となる。よって、複数層の不燃性ボード12により、不燃性及び耐火性を一層向上することができる。これにより、実施の形態3の不燃断熱パネル20は、複数枚の断熱フォーム11の合計肉厚を、実施の形態1の1枚の断熱フォーム11の肉厚より小さくし、かつ、不燃断熱パネル20の全体の肉厚を、実施の形態1の不燃断熱パネル10の肉厚より小さくした場合も、より高い不燃性及び耐火性を有する。また、複数層の不燃性ボード12により断熱フォーム11の面方向に均一な荷重がかかり、厚さ寸法のばらつきを非常に小さくして、厚さ寸法の精度を大幅に向上することができる。
【0074】
なお、本発明の不燃断熱パネルは、上記積層構造以外にも、例えば、断熱フォーム11を一層構造とし、不燃性ボード12を四層構造とした五層構造として実施することもできる。この場合、1枚の断熱フォーム11の両外側面に、それぞれ、一対の(2枚)の不燃性ボード12を対向して配置し、断熱フォーム11の各外側面に対して、各一対の不燃性ボード12の対向側面を、それぞれ、接着剤13により接着する。また、各対の不燃性ボード12の対向側面同士も、接着剤13により互いに接着する。なお、断熱フォーム11は、好ましくは、実施の形態1の場合よりも薄肉に形成する。かかる積層構造の不燃断熱パネルは、断熱フォーム11を一層構造とすると共に不燃性ボード12を四層構造とした五層構造をなすため、不燃性及び耐火性を一層向上することができる。即ち、実施の形態3に係る不燃断熱パネル20と同様、断熱フォーム11の肉厚を、実施の形態1に係る断熱フォーム11より小さくし、かつ、不燃断熱パネルの全体の肉厚を実施の形態1に係る不燃断熱パネル10の肉厚より小さくしても、より高い不燃性及び耐火性を有する。
【0075】
実施の形態4
実施の形態4に係る不燃断熱パネルは、実施の形態1に係る不燃断熱パネル10において、更に、不燃性ボード12の表面に、クロス材及び化粧材のいずれかを積層して接合したものとして実施している。詳細には、不燃表面材や内装材として使用されるガラスクロス及び表面化粧剤としてオーバーレイされるメラミン樹脂のいずれかを、一方または両方の不燃性ボード12の表面に、接着等により接合している。このとき、クロス材や化粧材を接合するのは不燃性ボード12の表面であり、不燃性ボード12の表面は平滑性が高いため、クロス材や化粧材を簡単かつ確実に接合することができると共に、接合後にクロス材や化粧材が不燃性ボード12の表面から剥離するのを防止することができる。
【0076】
実施の形態5
図3は本発明の実施の形態5に係る不燃断熱パネルを示す平面図である。
実施の形態5に係る不燃断熱パネル30は、実施の形態1に係る不燃断熱パネル10の外周端面に、セラミックファイバーを主成分として成形した端部材31を接着したものである。ここで、実施の形態1の不燃断熱パネル10では、断熱フォーム11の厚さ方向両側面は不燃性ボード12により覆われ、不燃性ボード12による耐火効果及び遮熱効果を期待できるが、不燃断熱パネル10の外周端面では、断熱フォーム11の外周端面が露出するため、不燃性ボード12による耐火効果及び遮熱効果を期待できない。しかし、実施の形態5に係る不燃断熱パネル30では、断熱フォーム11の外周端面を、セラミックファイバーを主成分として成形した端部材31が覆うため、かかる端部材31による耐火効果及び遮熱効果を期待することができる。その結果、不燃断熱パネル30の外周端面には端部材31が存在し、高熱の火炎に接した場合、かかる端部材31が、非常に高い耐火性及び遮熱性を発揮して、火炎による熱が断熱フォーム11に伝わるのを抑制する。これにより、断熱フォーム11の外周端部が高温の熱により急激に劣化したり燃焼したりすることがなく、本来の性能を十分に発揮する。
【0077】
ここで、前記端部材31は、例えば、主成分としてのセラミックファイバー50重量%と、主成分としてのセピオライト45重量%と、バインダ5重量%とからなる成形体として構成することができる。詳細には、上記配合割合の各成分を混合したスラリーを、押出成形等の成形技術により所定断面形状(矩形状、溝付矩形状等)の棒状物または長尺状物へと形成する。或いは、上記配合割合の各成分を混合したスラリーを、押出成形等の成形技術により平板状に成形し、この成形物を仕様に応じた幅に切断して、棒状物または長尺状物へと形成することもできる。
【0078】
この場合、実施の形態5の端部材31は、目地材、枠材等として使用することができる。また、この端部材31は、主成分としてのセラミックファイバーによる耐火性及び遮熱性に加え、もう一方の主成分であるセピオライトによる耐火性及び遮熱性を発揮する。更に、高熱の火炎に接した場合、主成分としてのセピオライトが、850℃付近でメタ化して反応性の高い半溶解状態のメタセピオライトとなり、緻密な構造に変化して、一層高い耐火性及び不燃性を発揮する。そして、断熱性に関しても、この端部材31は、熱伝導率0.04kcal/mh℃以下と、非常に高い断熱性を達成する。加えて、この端部材31は、強熱減量(800℃、1H)が7%と、非常に優れた耐火性を有する。また、セラミックファイバー及びセピオライトを主材とする端部材31は、切断や切削等の加工が容易であるため、溝加工や異形状加工も必要に応じて簡単に行うことができる。更に、釘やネジ釘等の締結材も打つことができるため、敷設箇所への不燃断熱パネル30の固定作業を、釘等の簡単な部材を使用して容易かつ迅速に行うことができる。
【0079】
一方、端部材31は、上記組成以外にも、好ましくは、主成分としてのセラミックファイバーを60重量%以上含有すると共に、全体の無機成分を90重量%以上含有する板状の耐火材からなる成形体として構成することができる。そして、この耐火材からなる成形体を、前記不燃断熱パネル10の外周端面の形状及び前記外周端面を接合する部位の形状に対応する形状に切断及び/または切削して形成することにより、目地状または枠状のものとして構成することができる。例えば、セラミックファイバー65重量%、ガラス繊維25重量%、セピオライト5重量%、有機バインダ5重量%からなる耐火成形体を目地状又は枠状に形成して構成することができる。
【0080】
この場合、端部材31は、主成分としてセラミックファイバーを60重量%以上含有すると共に、全体の無機成分を90重両%以上含有するため、十分な耐火性及び遮熱性を発揮する。更に、端部材31は、不燃断熱パネル10の外周端面の形状及び当該外周端面を接合する躯体等の所定部位の形状に対応する形状に切断及び/または切削して形成されるため、敷設箇所に応じた最適な形状に付形することができる。特に、耐火構造を構成する不燃断熱パネル30は、その平坦部よりも接合部における形状により、耐火性等の性能が大きく左右されるため、不燃断熱パネル30の接合部を構成する端部材31を、仕様に応じた最適形状とすることにより、不燃断熱パネル30全体の性能を最適化することができる。また、セラミックファイバー及びガラス繊維を主材とする端部材31は、切断や切削等の加工が容易であるため、溝加工や異形状加工も必要に応じて簡単に行うことができる。更に、端部材31は、釘やネジ釘等の締結材も打つことができるため、敷設箇所への不燃断熱パネル30の固定作業を、釘等の簡単な部材を使用して容易かつ迅速に行うことができる。
【0081】
上記のように、不燃断熱パネル30の目地材または枠材となる端部材31は、従来のアルミニウム製の目地材、枠材乃至ジョイント材(アルミジョイナー)に比べ、高断熱で結露し難く、更に、高不燃性、高耐火性、軽量性、低コスト等の優れた効果を発揮する。
【0082】
ここで、前記端部材31の異形状加工の一例としては、隣接する不燃断熱パネル30同士の位置決め及び接合を容易にする接合手段として機能するような形状に、端部材31を加工することができる。例えば、不燃断熱パネル30の外周端面に固着される枠状に形成した端部材31のうち、一方及び他方の接合端面(例えば、右端面と左端面及び/または上端面と下端面)部分を、その全長にわたってあり継ぎ状、本ざね継ぎ状または相欠き継ぎ状に加工することにより、かかる形状の接合手段として使用することができる。この場合、この接合手段を介して、隣接する不燃断熱パネル30同士を簡単かつ強固に接合することができる。
【0083】
実施の形態6
実施の形態6に係る不燃断熱パネルは、図示はしないが、実施の形態1に係る不燃断熱パネル10の両外側面(各不燃性ボード12の外側面)に、更に、鋼板を接合している。具体的には、実施の形態6に係る不燃断熱パネルでは、一対の不燃性ボード12の外側面に、それぞれ、表面材及び裏面材として、カラー鋼板等からなる鋼板が接着剤により接着されている。この鋼板としては、表面強度が高く、耐水性等の耐候性及び耐食性に優れ、外観性も良好なものを使用する。具体的には、JIS規格の各種鋼板、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板、塗装溶融亜鉛めっき鋼板、溶融アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板、塗装ステンレス鋼板、22Crフェライト系ステンレス鋼板等を好適に使用することができる。上記のように構成した実施の形態6に係る不燃断熱パネルでは、実施の形態1で述べた作用及び効果に加え、鋼板により全体の剛性、強度、耐火性等を一層向上することができる。
【0084】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
実施例1
実施例1では、断熱フォーム11の両側面に一対の不燃性ボード12を接着剤13を介して接着し、実施の形態1の不燃断熱パネル10を形成した。このとき、断熱フォーム11としては、旭化成工業株式会社の商品名ネオマフォームを使用し、その厚みは35mmとした。このネオマフォームは、フェノール樹脂フォームの両側面に、軟質面材としての不織布を接合したものであり、組成としては、フェノール樹脂70重量%と、発泡剤としての炭化水素2重量%と、面材としてのPET不織布4重量%と、添加剤(改質材)としての尿素7重量%と、その他の添加剤(硬化剤等)17重量%とからなるものである。また、各不燃性ボード12は、表2の組成のものを使用し、その厚みは1mmとした。この不燃性ボード12は、1kg/m2の重量を有する。更に、接着剤13としては、酢酸ビニル樹脂系接着剤を使用した。これにより、実施例1に係る不燃断熱パネルの全体の厚みは37mmとなった。
【0085】
実施例1の不燃断熱パネルは、比重が0.1以下となり、全体を大型化して場合でも大幅な軽量化を実現することができた。例えば、長さを900mm、幅を2100mm、厚さを前記37mmとした不燃断熱パネルでは、重量が約3.6kg/m2と非常に軽量になった。また、熱伝導率は、0.021kcal/mh℃となり、高断熱を実現することができた。更に、強度に関しては、せん断強さは0.91kgf/cm2となり、圧縮強さは1.41kgf/cm2となり、引張り強さは0.63kgf/cm2となり、十分な強度を確保することができた。
【0086】
実施例2
実施例2では、実施例1の不燃断熱パネル10において、断熱フォーム11の厚みを7mmとし、各不燃性ボード12の厚みを1mmとした。
実施例2の不燃断熱パネル10は、断熱フォーム11の厚みを7mmと非常に小さくしたにもかかわらず、不燃材料認定に必要な発熱性試験の結果、認定に必要な総発熱量8MJ/m2未満の要求に対し、その約半分の発熱量(4.02MJ/m2)となり、不燃材料の基準に合格した。
【0087】
実施例3
実施例2では、実施例1の不燃断熱パネル10において、断熱フォーム11の厚みを48mmとし、各不燃性ボード12の厚みを1mmとした。
実施例3の不燃断熱パネル10は、不燃材料認定に必要な発熱性試験の結果、認定に必要な総発熱量8MJ/m2未満の要求に対し、その約半分の発熱量(4.57MJ/m2)となり、不燃材料の基準に合格した。
【0088】
実施例4
図4は本発明の実施例4に係る不燃断熱パネルの発熱速度(HRR)を示すグラフである。
実施例4では、第1の試験体として、実施例1の不燃断熱パネル10において、断熱フォーム11の厚みを40mmとし、各不燃性ボード12の厚みを3mmとしたものを用意した。また、第1の試験体として、実施例1の不燃断熱パネル10において、断熱フォーム11の厚みを50mmとし、各不燃性ボード12の厚みを3mmとしたものを用意した。
【0089】
図4は、発熱速度試験(耐火1H仕様)の基準に基づき、実施例4の不燃断熱パネル10の第1及び第2の試験体に対して、それぞれ、表面から加熱を行った場合の裏面温度の変化を、試験場所での室温の変化と共に示す。この発熱速度試験の結果、第1及び第2の試験体とも、不燃耐火試験の認定に必要な値(裏面温度140℃+室温)を下回り、不燃材料の基準に合格した。
【0090】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る不燃断熱パネルは、表面材としての不燃性ボードと芯材としての断熱フォームとの相乗効果により、大幅な軽量化を実現すると共に、不燃性、耐火性、断熱性等、必要とされる熱的特性を確実に実現することができる。また、必要に応じて、耐火性をも発揮する不燃耐火断熱パネルとしても使用することができる。更に、かかる不燃断熱パネルは、高い剛性も併有し、かつ、遮音性にも優れている。
【0091】
また、地球環境に優しい不燃断熱パネルとすることができる。そして、高熱の火炎に接した場合、高い割合のセピオライトがメタセピオライト化して、その緻密な構造により、より一層高い耐火性及び不燃性を発揮する。更に、厚さ寸法の精度が向上するため、鋼板、クロス材の貼り付けや化粧加工等を容易に行うことができる。また、複数枚の断熱フォームの合計肉厚をより小さくし、かつ、不燃断熱パネルの全体の肉厚をより小さくしても、より高い不熱性及び耐火性を発揮することができる。更に、接着剤が無機質であることから、全体の耐火性及び遮熱性を向上することができる。
【0094】
請求項2に係る不燃断熱パネルは、表面材としての不燃性ボードと芯材としての断熱フォームとの相乗効果により、大幅な軽量化を実現するとともに、不燃性、耐火性、断熱性等、必要とされる熱的特性を確実に実現することができる。また、必要に応じて、耐火性をも発揮する不燃耐火断熱パネルとしても使用することができる。更に、かかる不燃断熱パネルは、高い剛性も併有し、かつ、遮音性にも優れている。また、地球環境に優しい不燃断熱パネルとすることができる。そして、高熱の火炎に接した場合、高い割合のセピオライトがメタセピオライト化して、その緻密な構造により、より一層高い耐火性及び不燃性を発揮する。更に、厚さ寸法の精度が向上するため、クロス材の貼り付けや化粧加工等を容易に行うことができる。また、軽量化を損なうことなく、金属板により、全体の強度を向上することができる。更に、複数枚の断熱フォームの合計肉厚をより小さくし、かつ、不燃断熱パネルの全体の肉厚をより小さくしても、より高い不燃性及び耐火性を発揮することができる。また、全体の耐火性及び遮熱性を向上することができる。
【0098】
請求項3に係る不燃断熱パネルは、請求項1または請求項2に記載の効果に加え、クロス材や化粧材を確実に接合することができ、クロス材や化粧材による特有の特性及び効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態1に係る不燃断熱パネルを示す一部省略断面図である。
【図2】 図2は本発明の実施の形態3に係る不燃断熱パネルの要部を示す断面図である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態5に係る不燃断熱パネルを示す平面図である。
【図4】 図4は本発明の実施例4に係る不燃断熱パネルの発熱速度(HRR)を示すグラフである。
【符号の説明】
10,20,30:不燃断熱パネル、11:断熱フォーム
12:不燃性ボード、13:接着剤、31:端部材
Claims (3)
- フェノール樹脂としてのレゾール樹脂を94〜98重量%と、発泡剤としての低沸点の炭化水素を2〜6重量%とを含有する板状のフェノールフォームからなる断熱フォームと、
高熱の火炎に対してセピオライトが高い割合でメタセピオライト化するように、主成分としてのセピオライトを80重量%以上含有すると共に、厚さ0.7mm以上の板状に成形され、前記断熱フォームの厚さ方向側面に接合された不燃性ボードと、
前記不燃性ボードを前記断熱フォームの厚さ方向側面に接着して接合する接着剤とを具備し、
前記断熱フォームは、複数積層して配置し、前記不燃性ボードを前記断熱フォームの内側面の間に介装して前記接着剤により接合すると共に、最外側に位置する一対の前記断熱フォームの外側面の両方に前記不燃性ボードを前記接着剤により接着し、
前記接着剤は、無機接着剤からなることを特徴とする不燃断熱パネル。 - フェノール樹脂としてのレゾール樹脂を94〜98重量%と、発泡剤としての低沸点の炭化水素を2〜6重量%とを含有する板状のフェノールフォームからなる断熱フォームと、
高熱の火炎に対してセピオライトが高い割合でメタセピオライト化するように、主成分としてのセピオライトを80重量%以上含有すると共に、厚さ0.7mm以上の板状に成形され、前記断熱フォームの厚さ方向側面に接合された不燃性ボードと、
前記不燃性ボードを前記断熱フォームの厚さ方向側面に接着して接合する接着剤とを具備し、
前記断熱フォームは、複数積層して配置し、前記不燃性ボードを前記断熱フォームの内側面の間に介装して前記接着剤により接合すると共に、最外側に位置する一対の前記断熱フォームの外側面の前記断熱フォームの厚さ方向一側面には、前記不燃性ボードを前記接着剤により接合すると共に、厚さ方向他側面に金属板を接合し、
前記接着剤は、無機接着剤からなることを特徴とする不燃断熱パネル。 - 更に、前記不燃性ボードの表面は、クロス材及び化粧材のいずれかを積層して接合したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の不燃断熱パネル。
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