JPS6137424B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は金属製板体を断面凹部の形状に折曲
げ、その凹部に高熱下で炭化層を形成するポリイ
ソシアヌレートフオーム、フエノールフオームの
１種を形成し、その下にロツクウール板を積層一
体化し、かつこの断熱材、前記フオームの長手方
向の露出面を防火塗膜で被覆した建築用パネルに
関するものである。 オイルシヨツク後は省エネルギーの関係で断熱
部材の開発が盛んに行なわれている。例えば実公
昭50−895号、あるいは実公昭53−18975号があ
る。特に、ガラス繊維を芯材としたパネルは芯材
としての剛性に欠けると共に、断熱性能が合成樹
脂発泡体に比し、大幅に劣り、かつ接置その他の
保持手段を施こさなければならない不利があつ
た。また、後者の場合、高断熱性の合成樹脂発泡
体は断熱性能を低下させても防火性、耐熱性を改
善することに目的をおいたため発泡組織の荒れ、
樹脂の使用量（コスト）をある程度無視したパネ
ルとなる欠点があつた。さらに、耐火性を向上す
る物質は、耐水性、耐候性に欠け、かつアルカリ
性であるため経時的に発泡組織を破壊したり、あ
るいは金属を腐食する等の不都合があつた。 本発明はこのような欠点を除去するため、表面
材としては不燃にして剛性もある樋状断面の金属
板の裏面に高熱下で炭化層となるポリイソシアヌ
レートフオーム、フエノールフオームのいずれか
１種で形成し、このフオームの裏面にロツクウー
ル板を積層一体化し、さらに上記フオームおよび
ロツクウール板の長手方向の露出面を防火塗膜で
被覆し、防火性の長期的な維持とロツクウールの
吸湿、吸水性の低減を図つた建築用パネルを提案
するものである。 以下に、図面を用いて本発明に係る建築用パネ
ルの一実施例について詳細に説明する。第１図は
本発明の代表的構成の建築用パネルの縦断面図を
示し、１は表面材で金属薄膜を折曲げて、凹部２
と雄型連結部３と差込溝４を有する雌型連結部５
とから構成したものである。６は突起で差込溝４
の下縁を延長した突出部の途中に上方または下方
（図示せず）に突出させたものであり、主に水切
りとドライシールの一部と連結部の支点として機
能するものである。７はフオームで表面材１の凹
部２に成形体、あるいは原料を注入して発泡させ
て充填するものである。この主な素材としてはポ
リイソシアヌレートフオーム、フエノールフオー
ム、尿素フオーム等の１種からなるものである。
８はロツクウール板で不燃にしてやや嵩高の素材
からなり、前記フオーム７の下に積層一体化する
ものである。なお、ロツクウール板８は建築用パ
ネルに断熱性、吸音性、施工性、スペサー機能、
および耐火性を付与するためのものである。特
に、第１図に示すようにフオーム７と一部Δｌだ
けズレた位置にロツクウール板８を積層し、建築
用パネルを連結した際に胴縁等にロツクウール板
８のみが連続した接触構造となるものである。９
は防火塗膜でフオーム７、ロツクウール板８の長
手方向の露出面を被覆し、フオーム７の耐火性と
ロツクウール板８の吸水性、吸湿性を改良したも
のである。さらに説明すると、防火塗膜としては
水、メラミン、ジペンタエリスリトール、酢ビエ
マルジヨン、塩素化パラフイン、酸化チタン、ア
スベスト、界面活性剤などからなり、その塗膜厚
は0.5〜２mm位である。その高熱下における塗膜
の発泡倍率は約２〜５倍位である。 次に実施例につき説明する。 表面材１としてはカラー剛板、（板厚0.27mm）、
フオーム７としてはフエノールフオーム（板厚10
mm、密度40Kg/m³）に注入発泡させるものとす
る。また、ロツクウール板８としては板厚10mm、
密度450Kg/m³のものを用意し、防火塗膜９として
は水31％、ジペンタエリスリトール４％、ポリ酢
酸ビエマルジヨン（固形分60％）16％、塩素化パ
ラフイン５％、酸化チタン８％、アスベスト粉末
（250メツシユ）30％、界面活性剤（数％）を添加
した組成のものを用いる。そこで、まず表面材１
の凹部を上にして搬送し、次にこの凹部に発泡
剤、効果剤入りのレゾールタイプのフエノール樹
脂原料を混合して吐出し、発泡が40〜50％になつ
たときにロツクウール板８を第１図に示す位置に
積層する。なお、フエノール樹脂の吐出は表面材
１の雌型連結部５に偏在して吐出し、フリー発泡
下でも表面材１の凹部２より突出しない発泡高さ
に形成するものである。次にこの建築用パネルを
キユアオーブンに送出し、約70℃で１分間養生
し、フオーム７を最終的に発泡硬化させるもので
ある。そこで、この建築用パネルの裏面の長手方
向に防火塗膜を厚さ0.5mm位に塗布し、乾燥硬化
させる。 このようにして製造した建築用パネルの施工
性、吸水性、吸湿性、防火性、生産性は次のよう
になる。なお、比較例としてはフオームとしてポ
リイソシアヌレートフオーム（密度30Kg/m³）、断
熱材としては実施例と同じロツクウール板、裏面
材としてはアルミクラフトラミネート紙を一体に
形成したものである。まず、防火性については、
昭和51年建設省告示第1231号の第５に規定する。

【表】 吸水性、吸湿性については下記のようになる。
試験法としては第１図に示す建築用パネルとロツ
クウール板の裏面に防火塗膜の被着されていない
建築用パネルとを準備し、深さ１cmの水に浸水し
て垂直に支持し、１昼夜浸積した。なお、試験体
の大きさは10×20cm、厚さは最厚部２cm、薄肉部
（フオーム部のみの露出している部分））を１cmと
したものである。その結果は、実施例では38ｇ、
比較例では62ｇであつた。これはロツクウール板
の吸水性が比較例で直接的に表われたのに対し、
実施例では防火塗膜によつて大幅に抑制され、更
に木口のみから吸水したためであり、しかも実施
例ではフオーム７と防火塗膜９がロツクウール板
８の表層の吸水、吸湿性を抑制した結果であると
推測される。 上述したように本発明に係る建築用パネルによ
れば、フオームとロツクウール板の特徴を相乗的
に利用し、かつ防火塗膜によつてロツクウール板
の吸水性、吸湿性を大幅に抑制し、かつ建築用パ
ネルの釘による打設がロツクウール板が硬いため
容易となる特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本発明に係る建築用パネルの
一実施例を示す縦断面図である。 １……表面材、２……凹部、７……フオーム、
８……ロツクウール板、９……防火塗膜。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 断面凹部を有し、その左右端に雄、雌型の連
   結構造を設けた金属製の建築用パネルにおいて、
   上記凹部にポリイソシアヌレートフオーム、また
   はフエノールフオームの１種からなるフオームを
   一体に充填し、該フオームの雄型連結部側からΔ
   ｌだけズラした位置の裏面から雌型連結部裏面に
   ロツクウール板を積層一体化し、かつ該ロツクウ
   ール板と前記フオームのΔｌ幅との露出面を防火
   塗膜で被覆したことを特徴とする建築用パネル。