JP2001171030A - 不燃耐火断熱パネル、不燃耐火断熱パネル用枠材、発泡不燃断熱材及び発泡不燃断熱材の製造方法 - Google Patents

不燃耐火断熱パネル、不燃耐火断熱パネル用枠材、発泡不燃断熱材及び発泡不燃断熱材の製造方法

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JP2001171030A
JP2001171030A JP36335999A JP36335999A JP2001171030A JP 2001171030 A JP2001171030 A JP 2001171030A JP 36335999 A JP36335999 A JP 36335999A JP 36335999 A JP36335999 A JP 36335999A JP 2001171030 A JP2001171030 A JP 2001171030A
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combustible
heat insulating
foamed
fire
insulating material
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Kozo Hayashi
宏三 林
Kyoichi Fujimoto
恭一 藤本
Hideki Kishino
英樹 岸野
Naoyuki Yamada
直幸 山田
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Tokiwa Electric Co Ltd
Original Assignee
Tokiwa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不燃性、耐火性、断熱性等の特性をより高い
レベルで実現すると共に、大型パネルに適用した場合で
も軽量化の要請を満足し、かつ、製造コストを低減す
る。 【解決手段】 発泡不燃断熱材11の両側面に、発泡性
無機接着剤13を介して不燃性シート12を接着し、不
燃耐火断熱パネル10を構成する。発泡不燃断熱材11
は、炭酸カルシウム及び/または水酸化マグネシウムを
主成分とし、塩化ビニルをバインダーとして発泡成形す
る。不燃性シート12は、セピオライトを主成分として
抄造する。発泡性無機接着剤13は、無機物質を主成分
とし、加熱時に発泡する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不燃性及び断熱性を
兼備した不燃耐火断熱パネルに関し、特に、無機物質か
らなる断熱材に無機物質からなる不燃性シートを接着し
て積層構造とした不燃耐火断熱パネルに関するものであ
る。本発明は、不燃性及び断熱性の要求される場所、例
えば、食品、半導体、パソコン、液晶、工作機械等の製
造施設としてのクリーンルーム、船舶のドア等に好適で
ある。また、本発明は、不燃耐火断熱パネルの枠材とし
て好適に使用される不燃耐火断熱パネル用枠材に関す
る。更に、本発明は、不燃性及び断熱性を兼備し、単体
で、または、不燃耐火断熱パネルの断熱材として好適に
使用される発泡不燃断熱材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、扉、間仕切り、内装材、外壁等の
建材として使用される建築用パネルまたは建築用ボード
には種々のものが知られ、また用いられている。そし
て、それらの中でも、耐火性が特に要求される用途にお
いては、各種の無機質材料を使用した建築ボードまたは
建築パネルが使用されている。
【0003】かかる建築ボードとして、石膏ボード、珪
酸カルシウムボード、グラスウール等の骨材を珪酸カル
シウム板で挟み込んだ複合ボード、グラスウール等の骨
材を石膏ボードで挟み込んだ複合ボード、炭酸カルシウ
ムボード、ALC(軽量気泡コンクリート)ボード、ロ
ックウールボード等がある。特に、石膏ボードは比較的
安価である等の点で最も広く使用されている。そして、
例えば、特開平6−56498号公報では、石膏ボード
の不燃性をより高めるために、その両面を覆う原紙のセ
ルロース繊維細胞内に石膏を含浸することが提案されて
いる。
【0004】また、比較的比重の高いこれらの無機質建
築ボードに対して、無機質中空体であるシラスバルーン
をフィラ(骨材)の主材として用い、これを水ガラス組
成物のバインダで固めた所謂シリカボードも知られてい
る(例えば、特開平1−131084号公報、特開平1
−317148号公報)。このシリカボードは、シラス
バルーンが高度な発泡粒子であるために、軽量であると
共に、断熱性、遮音性等にも優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
無機質建築ボードのうち、石膏ボードは防火性、断熱性
等が高いものの、石膏の芯材層の両面を覆う原紙がパル
プを主材とするものであるため、これを難燃化したとし
ても高熱の火炎に接すると焼失する等、耐火性の点でな
お十分なものではなかった。
【0006】また、石膏ボードは前述のように比重が比
較的高いため、大型の耐火ボードとして形成した場合に
は重量が大きくなっていた。この点はシリカボードにつ
いても同様であり、比較的比重が小さいとは言え、ド
ア、間仕切り等のスペーサを兼ねた芯材として用いるた
めに厚肉の耐火ボードに形成した場合には、やはりその
全体重量が大きくなる傾向があった。更に、上記各無機
質建築ボードは、肉厚(板厚)が50〜150mmと厚
肉のものが多く、その分、重量も大きくなっていた。よ
って、従来の無機質建築ボードは、その用途が限定さ
れ、軽量化が要求される箇所では使用することができな
かった。例えば、炭酸カルシウムボードのように軽量と
されるものでも、比重が1立方メートル当たり400k
gあり、大型パネルまたは耐火ドア等、大型のものが必
要とされる用途においては、より一層の軽量化が要求さ
れていた。
【0007】更に、これらの従来の無機質建築ボード、
特にシリカボードは、硬度は高いが一般に比較的脆い傾
向があり、特に広いパネル状のボードに形成した場合に
は、割れ易いものでもあった。また、骨材及び珪酸カル
シウムボードまたは石膏ボードからなる複合ボードは、
骨材としてのグラスウール等が高価である。また、骨材
を挟み込む作業が面倒で、時間がかかり、作業性等の点
で問題が有る。よって、従来の複合ボードは、上記の事
情により製造コストが上昇する結果となっていた。
【0008】特に、船舶、メガフロート、オイルプラッ
トホーム、ウォータフロント等の海洋建築物の用途にお
いては、波浪による衝撃、腐食等、過酷な条件が考えら
れるため、不燃性、断熱性、強度、耐腐食性等の要請を
高いレベルで満足する必要がある。また、海洋建築物で
は、大型のパネルが必要とされる場合が多く、かつ、浮
力確保等との関係で、陸上建築物よりも軽量化の要請が
大きい。
【0009】一方、従来、建築パネル等に使用される不
燃パネルとして、板状のハニカムコアの厚さ方向両側面
に、表面材として不燃性シート(不燃紙)を接着した積
層パネル(サンドイッチパネル)がある。この積層パネ
ルは、外周端面に芯材としてのハニカムコアのセルが現
れるため、その外周端面にアルミニウム製の枠材を固着
してハニカムコアのセルを遮蔽する端面処理を施してい
る。しかし、アルミニウム製の枠材は、断熱性が低く、
積層パネル自体で高い断熱性を発揮しても、枠材部分で
熱を逃がすことになり、全体の断熱性を低下することに
なる。よって、積層パネル等の不燃パネルにおいて、断
熱性に優れた枠材を提供することが望まれている。
【0010】また、従来の発泡不燃断熱材は、断熱性に
は優れているものの、耐火性の点で改善する余地があ
る。更に、従来の発泡不燃断熱材は、その製造に、バイ
ンダとしての塩化ビニル系樹脂及び有機溶剤を使用す
る。そのため、従来の発泡不燃断熱材は、加熱時または
耐火時に、内部に存在する塩化ビニル樹脂による塩ビ臭
が発生したり、有機溶剤による有機溶剤臭が発生する。
【0011】そこで、本発明は、不燃性、耐火性、断熱
性等の特性をより高いレベルで実現すると共に、大型パ
ネルに適用した場合でも軽量化の要請を満足し、かつ、
製造コストを低減することができる不燃耐火断熱パネル
及び不燃耐火断熱パネル用枠材の提供を課題とするもの
である。
【0012】また、本発明は、耐火性を向上した発泡不
燃断熱材の提供を課題とするものである。
【0013】更に、本発明は、加熱時または耐火時にお
ける塩ビ臭、有機溶剤臭の発生を防止することができる
発泡不燃断熱材の製造方法の提供を課題とするものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る不燃耐火
断熱パネルは、無機物質を主成分として発泡成形された
発泡不燃断熱材と、無機物質を主成分として抄造され、
前記発泡不燃断熱材の厚さ方向側面に接着された不燃性
シートと、無機物質を主成分とし、前記不燃性シートを
前記発泡不燃断熱材の厚さ方向側面に接着する無機接着
剤とを具備する。
【0015】したがって、発泡不燃断熱材、不燃性シー
ト及び無機接着剤のいずれもが、無機物質を主成分とす
るため、完全な不燃性を実現することができる。また、
発泡不燃断熱材が、発泡体(フォーム状)であるため、
高い断熱性を付与する。更に、無機接着剤が、発泡不燃
断熱材と不燃性シートとの接着部分でも不燃性を発揮
し、更に、耐火時にその接着部分から劣化することを防
止する。一方、不燃耐火断熱パネルの主要部分であり、
その体積の大部分を占める発泡不燃断熱材は発泡体であ
り軽量であると共に、他の主要部分である不燃性シート
はシート状(薄片状または薄板状)でありやはり軽量で
ある。更に、発泡不燃断熱材に不燃性シートを接着する
作業は容易である。
【0016】なお、不燃性シートは、表面材として、発
泡不燃断熱材の一側面にのみ接着しても良く、両側面に
接着しても良い。また、不燃性シートの主成分として
は、セピオライト(珪酸マグネシウム)、ブルーサイト
(水酸化マグネシウム)、蠣殻粉(炭酸カルシウム)等
がある。更に、発泡不燃断熱材の主成分となる無機物質
としては、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム等があ
る。そして、無機接着剤の主成分となる無機物質として
は、シリカ、酸化マグネシウム等がある。
【0017】請求項2に係る不燃耐火断熱パネルは、無
機物質を主成分として発泡成形された発泡不燃断熱材
と、無機物質を主成分として抄造され、前記発泡不燃断
熱材の厚さ方向側面に接着された不燃性シートと、無機
物質を主成分とし、前記不燃性シートを前記発泡不燃断
熱材の厚さ方向側面に接着すると共に、加熱時に発泡す
る発泡性無機接着剤とを具備する。
【0018】したがって、発泡不燃断熱材、不燃性シー
ト及び発泡性無機接着剤のいずれもが、無機物質を主成
分とするため、完全な不燃性を実現することができる。
また、発泡不燃断熱材が、発泡体(フォーム状)である
ため、高い断熱性を付与する。更に、発泡性無機接着剤
が、発泡不燃断熱材と不燃性シートとの接着部分でも不
燃性を発揮し、更に、耐火時にその接着部分から劣化す
ることを防止する。一方、不燃耐火断熱パネルの主要部
分であり、その体積の大部分を占める発泡不燃断熱材は
発泡体であり軽量であると共に、他の主要部分である不
燃性シートはシート状(薄片状または薄板状)でありや
はり軽量である。更に、発泡不燃断熱材に不燃性シート
を接着する作業は容易である。
【0019】加えて、発泡性無機接着剤が加熱時に発泡
する。よって、発泡不燃断熱材と不燃性シートとを接着
した後、パネル使用時に、火災等が発生した場合、その
火炎による熱により発泡性無機接着剤が発泡し、発泡不
燃断熱材と不燃性シートとの間で体積膨張する。特に、
体積膨張した発泡性無機接着剤は、発泡不燃断熱材と不
燃性シートとの接着部分を隙間なく充填して接着し、両
者の離脱、変形等を有効に防止する。
【0020】請求項3に係る不燃耐火断熱パネルは、炭
酸カルシウム及び/または水酸化マグネシウムを主成分
とし、塩化ビニルをバインダーとして発泡成形された発
泡不燃断熱材と、セピオライトを主成分として抄造さ
れ、前記発泡不燃断熱材の厚さ方向側面に接着された不
燃性シートと、無機物質を主成分とし、前記不燃性シー
トを前記発泡不燃断熱材の厚さ方向側面に接着すると共
に、加熱時に発泡する発泡性無機接着剤とを具備する。
【0021】したがって、発泡不燃断熱材、不燃性シー
ト及び発泡性無機接着剤のいずれもが、無機物質(炭酸
カルシウム及び/または水酸化マグネシウム、セピオラ
イト)を主成分とするため、完全な不燃性を実現するこ
とができる。また、発泡不燃断熱材が、発泡体(フォー
ム状)であるため、高い断熱性を付与する。更に、発泡
性無機接着剤が、発泡不燃断熱材と不燃性シートとの接
着部分でも不燃性を発揮し、更に、耐火時にその接着部
分から劣化することを防止する。一方、不燃耐火断熱パ
ネルの主要部分であり、その体積の大部分を占める発泡
不燃断熱材は発泡体であり軽量であると共に、他の主要
部分である不燃性シートはシート状(薄片状または薄板
状)でありやはり軽量である。更に、発泡不燃断熱材に
不燃性シートを接着する作業は容易である。
【0022】加えて、発泡性無機接着剤が加熱時に発泡
する。よって、発泡不燃断熱材と不燃性シートとを接着
した後、パネル使用時に、火災等が発生した場合、その
火炎による熱により発泡性無機接着剤が発泡して発泡不
燃断熱材と不燃性シートとの間で体積膨張する。特に、
体積膨張した発泡性無機接着剤は、発泡不燃断熱材と不
燃性シートとの接着部分を隙間なく充填して接着し、両
者の離脱、変形等を有効に防止する。
【0023】更に、発泡不燃断熱材は、炭酸カルシウム
及び/または水酸化マグネシウムを塩化ビニルにより結
合して発泡成形される発泡体であるため、適度な柔軟性
を有し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊さ
れることがない。また、不燃性シートは、無機物質にも
かかわらず適度な柔軟性を有するセピオライトから形成
されるため、それ自身もやはり適度な柔軟性を有し、多
少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊されることが
ない。そして、発泡性無機接着剤は、発泡性を有するた
め、やはり適度な柔軟性を有し、ハニカムコアと発泡不
燃断熱材との接合部分に加わる多少の外力(衝撃)によ
って破壊されることがない。
【0024】請求項4に係る不燃耐火断熱パネルは、請
求項1乃至3のいずれかの構成において、前記発泡不燃
断熱材を複数積層して配置し、前記不燃性シートを、前
記発泡不燃断熱材の内側面の間に介装して接着すると共
に、最外側に位置する一対の前記発泡不燃断熱材の外側
面にそれぞれ接着した。
【0025】したがって、請求項1乃至3のいずれかの
作用に加え、発泡不燃断熱材を複数層構造とするため、
不燃性シートが発泡不燃断熱材より一層多い複数層構造
となる。よって、係る複数層の不燃性シートにより、不
燃性及び耐火性を一層向上することができる。即ち、請
求項4に係る不燃耐火断熱パネルは、複数枚の発泡不燃
断熱材の合計肉厚を、請求項1乃至3のいずれかに係る
発泡不燃断熱材の肉厚より小さくし、かつ、不燃耐火断
熱パネルの全体の肉厚を請求項1乃至3のいずれかに係
る不燃耐火断熱パネルの肉厚より小さくしても、より高
い不燃性及び耐火性を有する。
【0026】請求項5に係る不燃耐火断熱パネルは、請
求項1乃至3のいずれかの構成において、前記発泡不燃
断熱材の厚さ方向両側面に、それぞれ、前記不燃紙を複
数積層して接着した。
【0027】したがって、請求項1乃至3のいずれかの
作用に加え、発泡不燃断熱材の厚さ方向両側面にそれぞ
れ不燃性シートを複数層ずつ積層した複数層構造をなす
ため、不燃性及び耐火性を一層向上することができる。
即ち、請求項5に係る不燃耐火断熱パネルは、発泡不燃
断熱材の肉厚を、請求項1乃至3のいずれかに係る発泡
不燃断熱材の肉厚より小さくし、かつ、不燃耐火断熱パ
ネルの全体の肉厚を請求項1乃至3のいずれかに係る不
燃耐火断熱パネルの肉厚より小さくしても、より高い不
燃性及び耐火性を有する。
【0028】請求項6に係る不燃耐火断熱パネルは、請
求項2乃至5のいずれかの構成において、前記発泡性無
機接着剤を、前記発泡不燃断熱材の前記不燃性シートと
の対向面の全体に塗付し、加熱時に発泡して前記発泡不
燃断熱材と前記不燃性シートとの間で体積膨張し、耐火
断熱層を形成するようにしたものである。
【0029】したがって、請求項2乃至5のいずれかの
作用に加え、発泡性無機接着剤を発泡不燃断熱材の厚さ
方向側面全体に塗付したため、不燃性発揮部分が発泡不
燃断熱材及び不燃性シートの接合面の略全体にわたって
面状に形成される。
【0030】請求項7に係る不燃耐火断熱パネルは、請
求項2乃至6のいずれかの構成において、前記発泡性無
機接着剤を、前記発泡不燃断熱材と前記不燃性シートと
を接合した後に予備加熱し、発泡させて前記発泡不燃断
熱材と前記不燃性シートとの間で体積膨張させ、耐火断
熱層を形成するようにしたものである。
【0031】したがって、請求項2乃至6のいずれかの
作用に加え、不燃耐火断熱パネル製造時に、予め、前記
発泡不燃断熱材と前記不燃性シートとの間で発泡性無機
接着剤による耐火断熱層が形成される。よって、不燃耐
火断熱パネルの通常の使用時には、前記耐火断熱層も不
燃性、耐火性及び断熱性を発揮する。
【0032】なお、請求項7において、前記予備加熱温
度は、発泡性無機接着剤の十分な発泡を確保する一方、
加熱に要するコスト削減等の点から、200〜500℃
の範囲とすることが好ましい。
【0033】請求項8に係る不燃耐火断熱パネルは、請
求項2乃至7のいずれかの構成において、前記発泡性無
機接着剤を、少なくとも、アルカリ珪酸塩と、未焼成バ
ーミキュライトと、合成雲母及び/または合成スメクタ
イトと、溶媒としての水とから構成したものである。
【0034】したがって、請求項2乃至7のいずれかの
作用に加え、発泡性無機接着剤を溶媒としての水に溶解
または分散した接着剤溶液として、接着対象である発泡
不燃断熱材または不燃性シートの接合箇所に塗付した
後、乾燥して水分を蒸発させると、接着剤溶液の濃縮に
伴い、合成雲母及び/または合成スメクタイトの結晶鱗
片相互が、内部にアルカリ珪酸塩を包含しながら、未焼
成バーミキュライトの微粉体の周囲に接近し、ゲル化す
る。このとき、劈開した合成雲母及び/またはの結晶片
は、層間部分が陰イオンに、反対側部分が陽イオンに帯
電しているため、静電作用により互いに接近する。そし
て、結晶鱗辺の平面部分と端面部分とが任意の態様で接
触し、立体構造を形成して結合し、ゲル化して固化す
る。同時に、アルカリ珪酸塩が脱水縮合し、所期のバイ
ンダ機能を発揮して、接着力を発現する。
【0035】請求項9に係る不燃耐火断熱パネル用枠材
は、無機物質を主成分とする発泡不燃断熱材を、不燃耐
火断熱材料よりなる不燃耐火断熱パネルの外周端面に固
着される枠状に形成した。
【0036】したがって、発泡不燃断熱材が、無機物質
を主成分とするため、完全な不燃性を実現することがで
きる。また、発泡不燃断熱材が、発泡体(フォーム状)
であるため、高い断熱性を付与する。一方、発泡不燃断
熱材は発泡体であり軽量である。
【0037】請求項10に係る不燃耐火断熱パネル用枠
材は、不燃耐火断熱材料よりなる不燃耐火断熱パネルの
外周端面に固着される枠状に形成したものであって、無
機物質を主成分として発泡成形された発泡不燃断熱材
と、無機物質を主成分として抄造され、前記発泡不燃断
熱材の厚さ方向側面に接着された不燃性シートと、無機
物質を主成分とし、前記不燃性シートを前記発泡不燃断
熱材の厚さ方向側面に接着すると共に、加熱時に発泡す
る発泡性無機接着剤とを具備する。
【0038】したがって、発泡不燃断熱材、不燃性シー
ト及び発泡性無機接着剤のいずれもが、無機物質を主成
分とするため、完全な不燃性を実現することができる。
また、発泡不燃断熱材が、発泡体(フォーム状)である
ため、高い断熱性を付与する。更に、発泡性無機接着剤
が、発泡不燃断熱材と不燃性シートとの接着部分でも不
燃性を発揮し、更に、耐火時にその接着部分から劣化す
ることを防止する。一方、不燃耐火断熱パネル用枠材の
主要部分であり、その体積の大部分を占める発泡不燃断
熱材は発泡体であり軽量であると共に、他の主要部分で
ある不燃性シートはシート状(薄片状または薄板状)で
ありやはり軽量である。更に、発泡不燃断熱材に不燃性
シートを接着する作業は容易である。
【0039】加えて、発泡性無機接着剤が加熱時に発泡
する。よって、発泡不燃断熱材と不燃性シートとを接着
した後、パネル使用時に、火災等が発生した場合、その
火炎による熱により発泡性無機接着剤が発泡し、発泡不
燃断熱材と不燃性シートとの間で体積膨張する。特に、
体積膨張した発泡性無機接着剤は、発泡不燃断熱材と不
燃性シートとの接着部分を隙間なく充填して接着し、両
者の離脱、変形等を有効に防止する。
【0040】請求項11に係る不燃耐火断熱パネルは、
無機物質を主成分とする不燃シートから形成したハニカ
ムコアと、無機物質を主成分として発泡成形され、前記
ハニカムコアの厚さ方向側面に接着される発泡不燃断熱
材と、無機物質を主成分とし、前記発泡不燃断熱材を前
記ハニカムコアの厚さ方向側面に接着すると共に、加熱
時に発泡する発泡性無機接着剤とを有するパネル状に形
成され、請求項9または請求項10の不燃耐火断熱パネ
ル用枠材を外周端面に固着したものである。
【0041】したがって、不燃耐火断熱パネルの外周端
面に固着した不燃耐火断熱パネル用枠材が、請求項9ま
たは10の作用を奏する。同時に、不燃耐火断熱パネル
においても、発泡不燃断熱材、不燃性シート及び発泡性
無機接着剤のいずれもが、無機物質を主成分とするた
め、完全な不燃性を実現することができる。また、発泡
不燃断熱材が、発泡体(フォーム状)であるため、高い
断熱性を付与する。更に、発泡性無機接着剤が、発泡不
燃断熱材と不燃性シートとの接着部分でも不燃性を発揮
し、更に、耐火時にその接着部分から劣化することを防
止する。一方、不燃耐火断熱パネルの主要部分であり、
その体積の大部分を占める発泡不燃断熱材は発泡体であ
り軽量であると共に、他の主要部分である不燃性シート
はシート状(薄片状または薄板状)でありやはり軽量で
ある。更に、発泡不燃断熱材に不燃性シートを接着する
作業は容易である。
【0042】加えて、発泡性無機接着剤が加熱時に発泡
する。よって、発泡不燃断熱材と不燃性シートとを接着
した後、パネル使用時に、火災等が発生した場合、その
火炎による熱により発泡性無機接着剤が発泡し、発泡不
燃断熱材と不燃性シートとの間で体積膨張する。特に、
体積膨張した発泡性無機接着剤は、発泡不燃断熱材と不
燃性シートとの接着部分を隙間なく充填して接着し、両
者の離脱、変形等を有効に防止する。
【0043】請求項12に係る発泡不燃断熱材は、水酸
化マグネシウム及び炭酸カルシウムを主成分として発泡
成形してなるものにおいて、前記水酸化マグネシウムの
含有量を40〜60重量%の範囲内とした。
【0044】したがって、火災等による加熱時に、発泡
不燃断熱材の主成分である水酸化マグネシウムにOH基
として含まれる結晶水(構造水)が、H2Oとして脱水
され、気化熱による冷却効果(自己消化作用)を発揮す
る。このとき、水酸化マグネシウムの含有量を40〜6
0%の範囲内とすることにより、十分な耐火性を発揮す
ると同時に、十分な強度を確保することができる。
【0045】ここで、水酸化マグネシウムの含有量が4
0%未満では、耐火性が不十分となる可能性がある。水
酸化マグネシウムの含有量が60%を超えると、成形後
の強度が不十分となる可能性がある。
【0046】請求項13に係る発泡不燃断熱材の製造方
法は、主成分としての無機物質と、バインダとしての塩
化ビニル系樹脂とを含む原料を、有機溶剤中で混練する
原料混練工程と、前記混練した原料を金型内に充填し、
加熱して発泡させる発泡成形工程と、前記発泡した原料
からなる成形体を養生する養生工程と、前記養生した成
形体を、80℃以上250℃以下の範囲内の温度で再度
加熱し、前記成形体中に含まれる有機成分及び有機溶剤
を強制的に脱気して除去する脱気除去工程とを具備す
る。
【0047】したがって、原料混練工程で調製した原料
を発泡成形工程で加熱して発泡させ、養生することによ
り、発泡体が成形される。この発泡体には、塩化ビニル
系樹脂が存在し、また、有機溶剤が残留しているが、脱
気除去工程で80℃以上250℃以下の範囲内の温度で
再度加熱することにより、有機溶剤、塩化ビニル系樹脂
の塩化水素等を脱気して除去することができる。即ち、
有機溶剤、塩化ビニル系樹脂の塩化水素等の有機成分が
揮散し、使用後に塩ビ臭、有機溶剤臭を発生することが
ない。
【0048】ここで、脱気除去工程の加熱温度が80℃
未満では、有機溶剤、塩化ビニル系樹脂の塩化水素等を
十分に脱気して除去することができない。一方、脱気除
去工程の加熱温度が250℃を超えると、主成分、塩化
ビニル系樹脂自体への熱的影響が大きくなり好ましくな
い。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素ま
たは部分には同一の符号を付して、その説明を省略す
る。
【0050】[実施の形態1]図1は本発明の実施の形
態1に係る不燃耐火断熱パネルを示す斜視図である。図
2は本発明の実施の形態1に係る不燃耐火断熱パネルの
要部を示す断面図である。図3は本発明の実施の形態1
に係る不燃耐火断熱パネルの発泡性無機接着剤が発泡し
た状態を示す断面図である。
【0051】まず、実施の形態1に係る不燃耐火断熱パ
ネル10の全体構成について説明する。実施の形態1に
係る不燃耐火断熱パネル10は、図1及び図2に示すよ
うに、発泡不燃断熱材11の厚さ方向両側面(図中上下
両側面)に、一対の不燃性シート12をそれぞれ発泡性
無機接着剤13により接着した三層構造のものである。
詳細には、前記発泡不燃断熱材11は、無機物質として
の炭酸カルシウム及び/または水酸化マグネシウムを主
成分とし、塩化ビニルをバインダーとして発泡成形され
る。また、発泡不燃断熱材11は、所定肉厚を有する矩
形平板状等の所定平面形状の平板状をなしている。更
に、不燃性シート12は、例えば、無機物質としてのセ
ピオライトを主成分として抄造されるものであり、不燃
紙とも呼ばれるものである。
【0052】不燃性シート12は、所定肉厚を有し、発
泡不燃断熱材11の側面形状に対応する平板状をなして
いる。そして、一対の不燃性シート12が、発泡不燃断
熱材11の厚さ方向両側面に接着される。前記発泡不燃
断熱材11は、内部に多数の細かな独立気泡を有する発
泡体であり、不燃耐火断熱パネル10の厚さ方向中央で
不燃耐火層及び断熱層を構成する。また、一対の不燃性
シート12は、不燃耐火断熱パネル10の厚さ方向両側
で不燃耐火層を構成する。なお、前記発泡不燃断熱材1
1の肉厚及び不燃性シート12の肉厚は、それぞれ、用
途に応じて要求されるパネル全体の肉厚に応じて決定さ
れる。
【0053】発泡性無機接着剤13は、無機物質として
のアルカリ珪酸塩を主成分とし、一対の不燃性シート1
2を発泡不燃断熱材11の厚さ方向側面にそれぞれ接着
する。また、発泡性無機接着剤13は、主成分として、
未焼成バーミキュライト、合成雲母及び/または合成ス
メクタイトを混合し、加熱時に発泡して体積膨張するよ
うになっている。更に、本実施の形態では、発泡性無機
接着剤13は、各不燃性シート12の発泡不燃断熱材1
1との対向面(接合面乃至対向面)の全体に塗付され、
薄肉の接着層を構成している。これにより、発泡性無機
接着剤13は、互いに対向する発泡不燃断熱材11の側
面と不燃性シート12の側面とを接着する。また、発泡
性無機接着剤13は、発泡不燃断熱材11または不燃性
シート12の対向側面全体に広がる。
【0054】発泡性無機接着剤13は、通常、発泡不燃
断熱材11への塗付及び接着時点では発泡しておらず、
単に、発泡不燃断熱材11と不燃性シート12とを接着
するのみである。一方、発泡性無機接着剤13は、図3
に示すように、耐火時の火炎等による加熱時に発泡し
て、発泡不燃断熱材11と不燃性シート12との間で体
積膨張し、発泡体からなる比較的厚肉の耐火断熱層14
を形成するようになっている。
【0055】次に、不燃耐火断熱パネル10の各構成要
素としての発泡不燃断熱材11、不燃性シート12、発
泡性無機接着剤13の各々の構成及び製造方法について
説明する。
【0056】<発泡不燃断熱材>前記発泡不燃断熱材1
1は、炭酸カルシウム及び/または水酸化マグネシウム
を主成分とし、塩化ビニルをバインダーとして発泡成形
される。この発泡不燃断熱材11は、例えば、以下のよ
うにして製造することができる。まず、バインダとして
の塩化ビニル系樹脂粉末と無機質繊維材とを、有機溶剤
を加えながら均一に混合し、その混合物を予め膨潤させ
る。次に、この混合膨潤物に主成分としての炭酸カルシ
ウム粉末、並びに、発泡剤、助剤及び有機溶剤等を加
え、混練する。適度な粘度が得られたら、この混練物を
金型内に充填し、加圧加熱して発泡させる。その後、発
泡体を乾燥炉で乾燥することにより、有機溶剤を完全に
脱気させる。そして、乾燥炉から取り出した発泡体を自
然養生する。これにより、ボード状または平板状に成形
された無機質の発泡不燃断熱材を得ることができる。な
お、主成分として、前記炭酸カルシウムの変わりに、ま
たは、炭酸カルシウムと共に、水酸化マグネシウムを好
適に使用することもできる。
【0057】発泡不燃断熱材11としては、(株)常盤
電機社製の商品名「Gロック」を好適に使用することが
できる。
【0058】<不燃性シート>不燃性シート12の主成
分であるセピオライトは、一般には繊維性を持った含水
ケイ酸マグネシウムの塊である。そして、その表面には
反応性に富んだ極性基を有し、吸着性、揺変性、固結性
等の基本的な性質がある。そして、この含水ケイ酸マグ
ネシウム鉱物であるセピオライトは、その水酸基によっ
て固結性等に優れるだけでなく、水とのなじみ性にも優
れ、水中においてカチオンまたはノニオンに帯電して容
易に分散する。このため、抄造によって容易にシートを
形成することができ、また、形成されたシートは十分な
紙力を有する。したがって、セピオライトは、不燃性シ
ート12を形成する成分として単独で使用することもで
きる。しかし、形成される不燃性シート12のハンドリ
ング強度をより十分に高めるために、補強繊維を合わせ
て使用することが好ましい。
【0059】この補強繊維としては、ガラス繊維、ロッ
クウール繊維等の鉱物繊維、ステンレス繊維等の金属繊
維、チタン酸カリウム繊維等のセラミック繊維またはウ
ィスカー、石膏繊維等の無機化合物繊維、等を使用する
ことができる。ただし、材料コスト、凝集効果等の点か
らは、これらの中でもガラス繊維が最適である。そし
て、これらの無機質繊維は、不燃性シート全体に対し
て、一般に3〜20重量%の割合で配合することができ
る。
【0060】また、補強繊維としては、無機質繊維だけ
でなく、木材パルプ、またはこれを難燃化したリン酸パ
ルプ、アラミド繊維、ビニロン繊維等の織物繊維、等の
有機質繊維も使用することができる。しかし、その配合
量は、不燃性、耐火性、及び熱分解後の保形性を十分な
ものとするために、不燃性シート12全体に対して10
重量%以下であることが好ましく、更には、5重量%以
下がより好ましい。
【0061】更に、これらの補強繊維の他にも、必要に
応じて、各種の無機質フィラを配合することができる。
そのような無機質フィラとしては、水酸化アルミニム、
含水ホウ酸カルシウム(灰硼石)、水酸化マグネシウム
(ブルーサイト)等の自己消火性を有する無機質粉体が
特に好ましい。また、コロイドシリカ等の結合性の無機
質フィラ、バーミキュライト、合成膨潤性雲母または合
成スメクタイト等の板状粒子も、不燃性シートに強度を
与えるために好ましい。ただし、これらの無機質フィラ
は、主材としてのセピオライトの特性を阻害しない程度
に比較的少ない割合で使用される。
【0062】更にまた、不燃性シート12には、その紙
力を高めるために高分子化合物からなるバインダを添加
することができる。このバインダとしては、グアーガ
ム、でんぷん等の天然高分子化合物も使用可能である
が、好ましくは、合成物である合成樹脂が使用される。
そして、合成樹脂としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹
脂脂のいずれも適宜に用いることができ、好ましくは、
抄造時に凝集剤としても作用するカチオン系、アニオン
系、またはノニオン系のものが使用される。熱可塑性樹
脂は、主に不燃性シート12の乾燥時の紙力を高めるも
ので、例えば、ポリアミド、またはポリアクリルアミド
等のアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等が代表的であ
る。また、熱硬化性樹脂は、主に不燃性シート12の湿
潤時の紙力を高め、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、エピクロルヒド
リン系ポリアミド樹脂、等が代表的である。そして、こ
れらの高分子化合物からなるバインダはそれぞれ単独
で、または組合わせて使用することができるが、不燃性
シート12全体に対して一般に5重量%までの割合とな
るように調製することが好ましい。
【0063】そして、不燃性シート12は、これらの材
料を分散したスラリーから、一般に0.2〜0.5mm
程度の厚さのシートとして、抄造によって形成すること
ができる。その組成の一例を次に示す。
【0064】
【表1】不燃性シートの組成例 (重量%)
【0065】この不燃性シート12では、パルプ等の有
機成分の合計量は、全体に対して5重量%である。その
ため、この不燃性シートは、高温加熱(800〜100
0℃)時にはそれらの有機成分が炭化するが、炭化後の
シートにおいても強度の劣化は少なく、十分な耐熱保形
性を備えている。
【0066】また、上記のように抄造した不燃性シート
に、更にケイ酸ナトリウムまたはカリウム等の水ガラス
組成物を含浸または被覆することは、好ましいことであ
る。これによって、不燃性シートの表面に水ガラスの硬
化した被覆が形成され、物理的強度と耐水性、更に耐火
性及び耐熱性をより高めることができる。なお、この不
燃性シートの含浸または被覆に使用する水ガラス組成物
は、例えば、固形分で88重量%のケイ酸ナトリウム
と、12重量%の酸化マグネシウム(硬化剤)とからな
る変性水ガラス組成物として形成することができる。
【0067】本実施の形態の不燃性シート12として
は、本出願人である(株)常盤電機社製の珪酸マグネシ
ウム製不燃紙GSまたはGLを好適に使用することがで
きる。
【0068】なお、不燃性シート12の主成分となる無
機物質としては、上記セピオライト(珪酸マグネシウ
ム)の代わりに、或いはセピオライトと共に、ブルーサ
イト(水酸化マグネシウム)、蠣殻粉(炭酸カルシウ
ム)等を好適に使用することができる。ブルーサイトを
使用した不燃性シートは、本出願人の出願に係る特開平
8−1839号公報に開示されている。この技術は、ブ
ルーサイトを主成分として、或いは、主成分としてブル
ーサイトにセピオライトを混合して、不燃性シート抄造
用のスラリーを形成している。
【0069】ここで、ブルーサイト(brucite
水滑石)は、主に蛇紋岩地域に脈状または塊状に産出す
る水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)鉱物である。
このブルーサイトの原石としては、中国遼寧省で産出さ
れるものが代表的であり、クリソタイル石綿を含有しな
い高品質なものとして知られている。そして、本実施の
形態では、このブルーサイトとしては、原石をジェット
粉砕機等で微粒子状に粉砕した不定形板状(偏平状)の
粒子形態のものを用いることができる。その粒子の大き
さは、抄造時の歩留り、得られる不燃性シートの強度、
可撓性等の点で、平均粒径において一般に0.5〜20
μm程度であることが好ましく、より好ましくは、2〜
10μm程度である。
【0070】そして、この板状粒子からなるブルーサイ
トは、その水酸基によって固結性、吸着性に優れている
と共に水とのなじみ性にも優れ、水中においてカチオン
に帯電して容易に分散するために、そのスラリーから抄
造によって容易に不燃性シートまたは不燃性シートを形
成することができ、また、形成された不燃性シートは十
分な保形性を有する。したがって、原紙としての不燃性
シートは、この板状粒子からなるブルーサイトを単独で
使用して形成することもできるが、バインダ、セピオラ
イト、補強繊維等を含むものとして形成することもでき
る。
【0071】また、この板状粒子からなるブルーサイト
を主材として抄造した不燃性シートは、その強度をより
高め、また耐火性をより向上するために、上記セピオラ
イト製の不燃性シートの場合と同様、水ガラスを塗布し
含浸することができる。
【0072】更に、ブルーサイトを不燃性シートの主成
分として使用する場合、平均粒径2.5μm(325メ
ッシュ)の板状(偏平状)粒子からなるブルーサイトを
使用することができる(フォートライトPC−1000
昭和鉱業(株)製)。この板状粒子からなるブルーサ
イト(以下、単に板状ブルーサイトという)は、中国遼
寧省で産出されたブルーサイト原石をジェット粉砕機に
よって微細な粒子に粉砕したもので、次の化学分析値を
有し、クリソタイル石綿を含有しないものである。
【0073】
【表2】化学分析値
【0074】板状ブルーサイトにより不燃性シートを製
造する場合、スラリー形成工程において、板状ブルーサ
イト4重量部と、予め解繊したセピオライト1重量部
と、繊維長さ約6mmのガラス繊維0.5重量部と、水
300重量部とを混合タンクに入れ、均一な分散が得ら
れるまで十分混合する。次いで、この板状ブルーサイト
とセピオライトが均一に分散したスラリーに、主に凝集
のためのバインダとして、ノニオン系であるポリエチレ
ンオキシド(PEO)0.5%水溶液を10重量部配合
し、更に混合する。これによって、板状ブルーサイトと
セピオライト及びガラス繊維の凝集フロックが容易に形
成される。なお、このように形成したスラリーの配合
は、まとめると、次のものである。
【0075】
【表3】スラリー配合例1
【0076】この配合例において、セピオライトは、不
燃性シートの結着性をより高めて、その強度を増強する
ために用いられている。また、セピオライトは、ブルー
サイトが300〜400℃で熱分解して酸化マグネシウ
ムに変るのに対し、800℃以上の熱安定性を有するの
で、高温加熱時のシートの形状保持性にも優れた作用を
発揮する。なお、このセピオライトは必ずしも配合する
必要はないが、配合する場合には、一般に板状ブルーサ
イト100重量部に対して10〜40重量部程度が好ま
しい。
【0077】なお、板状ブルーサイトを主材として含む
スラリーには、セピオライト、補強繊維、有機高分子化
合物からなるバインダの他にも、水酸化アルミニム、含
水ホウ酸カルシウム(灰硼石)等の無機質粉体を加える
ことができる。また、例えば、コロイドシリカを添加す
ることもでき、それによって、不燃性シートの白色度を
増し、また、不燃性シートを強化することができる。
【0078】また、主成分として蠣殻粉を使用した不燃
性シートは、本出願人の出願に係る特開平8−1441
94号公報に開示されている。この技術は、主成分とし
て蠣殻粉にセピオライトを混合し、不燃性シート抄造用
のスラリーを形成している。なお、これらの代替材料か
らなるスラリーには、上記のようにセピオライトを主材
として使用した場合と同様の、補強用繊維、バインダ等
を混合することが好ましい。
【0079】更に、上記のように抄造した不燃性シート
の肉厚(板厚)は、通常は、0.2mm〜1.2mm程
度であるが、必要に応じて、適宜、より厚肉またはより
薄肉とすることができる。
【0080】<発泡性無機接着剤>前記発泡性無機接着
剤13は、骨材としてのシリカ及び結合剤としての酸化
マグネシウムを主成分として調製することができる。ま
た、発泡性無機接着剤13は、例えば、アルカリ珪酸塩
と、未焼成バーミキュライトと、合成雲母及び/または
合成スメクタイトと、溶媒としての水とを必須成分とし
て調製することができる。
【0081】前記アルカリ珪酸塩としては、珪酸ナトリ
ウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム等の珪酸アルカリ金
属塩、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム等の珪酸アル
カリ土類金属塩、または、珪酸アルミニウム等を使用す
ることができる。また、前記未焼成バーミキュライト
は、橄欖岩が熱水変質して生じた鉱物であり、高温に加
熱すると膨張するという特性を有するものである。
【0082】前記合成雲母及び合成スメクタイトは同様
の特性を有するものであり、その一方または両方を前記
アルカリ珪酸塩及び未焼成バーミキュライトと共に使用
することができる。合成雲母としては、フッ素金雲母等
の合成フッ素雲母を例示することができるが、固液反応
により合成した微粉ナトリウム・フッ素雲母を使用する
ことが好ましい。かかる合成雲母は、高いコロイド形成
能、フィルム形成能、イオン交換能、MB吸着能を有
し、層間に無機・有機物を挟み入れて複合体を形成する
という特性を有する。
【0083】合成雲母をアルカリ珪酸塩水溶液(例えば
珪酸ナトリウム水溶液)に混合攪拌して分散すると、合
成雲母は、水分を層間に吸着して膨潤し、層間のナトリ
ウムイオン等の陽イオンを水中に溶解放出して、微細に
へき壊し始める。その後、合成雲母の結晶は、層間部分
が陰イオンに帯電し、鱗片の反対側の面が陽イオンに帯
電する。そして、陰イオンに帯電した合成雲母の層間
に、珪酸ナトリウムのナトリウムイオンが電気的に吸引
され、複合化する。即ち、合成雲母の吸着能及びイオン
交換能により、コロイド及び複合体を形成することがで
きる。
【0084】ここで、スメクタイトは、モンモリロナイ
トとも呼ばれ、酸性白土、ベントナイトの主成分をなす
2:1粘土鉱物である。スメクタイトは、格子が電荷を
帯びており、水やアルコールで溶媒和すると膨潤すると
共に、粒子径が小さいため分散してゾル・ゲルを形成す
る。そして、合成スメクタイトは、ベントナイトからの
水熱合成法による精製により得ることができ、粘性、吸
着性、イオン交換政党の特性を有する。合成スメクタイ
トの結晶構造は雲母に類似し、層状であるため配向して
薄膜を容易に形成する。また、雲母と同様、層間に金属
多核水酸化イオン、金属錯体イオン、荷電ゾル等を挟み
入れて複合体を形成するという特性を有する。
【0085】前記アルカリ珪酸塩等の溶媒となる水とし
ては、任意の水を使用することができるが、不純物の混
入による影響を防止する意味から、脱イオン水を使用す
ることが好ましい。
【0086】更に、上記必須成分には、例えば、レベリ
ング性を向上するための界面活性剤、防臭を目的とした
抗菌・抗カビ剤、熱伝導性を向上するための各種金属粉
及びその酸化物等を添加しても良い。
【0087】なお、アルカリ珪酸塩としては、例えば、
愛知珪曹(株)製の珪酸ナトリウム3号を好適に使用す
ることができる。未焼成バーミキュライトとしては、例
えば、昭和鉱業(株)製の未膨張バーミキュライトを好
適に使用することができる。合成雲母としては、例え
ば、コープケミカル(株)製の膨潤性マイカ(ME−1
00)を好適に使用することができる。合成スメクタイ
トとしては、例えば、コープケミカル(株)製のSWF
を好適に使用することができる。
【0088】上記のように構成した発泡性無機接着剤を
調製するには、まず、水にアルカリ珪酸塩を添加して溶
解する。その後、こうして得たアルカリ珪酸液水溶液中
に未焼成バーミキュライトと合成雲母及び/または合成
スメクタイトとを混合攪拌することにより分散する。
【0089】このとき、アルカリ珪酸塩水溶液中におけ
るアルカリ珪酸塩の濃度は、10〜500g/リットル
が好ましく、100〜500g/リットルがより好まし
い。また、前記未焼成バーミキュライトの配合量は、ア
ルカリ珪酸塩100重量部に対して、固形分換算で1〜
50重量部とすることが好ましく、10〜40重量部と
することがより好ましい。配合量が1重量部未満の場
合、皮膜(発泡層)の厚みが不十分となる。配合量が5
0重量部を超えると、接着性が不充分となる。更に、合
成雲母及び/または合成スメクタイトの配合量は、アル
カリ珪酸塩100重量部に対して、固形分換算で5〜2
0重量部とすることが好ましく、10〜15重量部とす
ることがより好ましい。配合量が5重量部未満の場合、
皮膜(発泡層)の厚みが不十分となる。配合量が20重
量部を超えると、接着性が不充分となる。
【0090】なお、上記のような発泡性無機接着剤13
としては、本出願人である株式会社常盤電機社製の無機
発泡接着剤FJ515またはFJ516を好適に使用す
ることができる。
【0091】<製造方法>次に、上記のように構成され
た実施の形態1に係る不燃耐火断熱パネル10の製造方
法を説明する。
【0092】まず、上記発泡不燃断熱材11及び不燃性
シート12をそれぞれ所定の形状及び寸法に製造すると
共に、上記発泡性無機接着剤13を調整する。次に、発
泡不燃断熱材11の厚さ方向一側面及び他側面の全体
に、それぞれ、発泡性無機接着剤13を所定膜厚で塗付
する。この発泡不燃断熱材11への発泡性無機接着剤1
3の塗付は、公知のスプレー法、ロールコート法、浸漬
法、フローコート法等により行うことができる。このと
き、塗付膜厚は、例えば、1〜1000μmの範囲の
値、特に、5〜100μmの範囲の値とすることができ
る。その後、発泡性無機接着剤13を塗付した発泡不燃
断熱材11の一側面及び他側面に対して、それぞれ、不
燃性シート12を対向配置する。そして、発泡不燃断熱
材11に対して各不燃性シート12を相対的に接近さ
せ、所定圧力で互いに接触させて接合する。そして、こ
の状態でこれらを所定時間乾燥し、発泡性無機接着剤1
3を乾燥固化させて接着層を形成する。これにより、発
泡不燃断熱材11および不燃性シート12が、発泡性無
機接着剤13により強固に接着され、図1及び図2に示
す本実施の形態に係る不燃耐火断熱パネル10が完成す
る。
【0093】前記発泡性無機接着剤13による接着力は
以下のようにして発現する。まず、発泡性無機接着剤1
3を発泡不燃断熱材11に塗付した後、乾燥して水分を
蒸発させると、接着剤溶液の濃縮に伴い、合成雲母の結
晶鱗片相互が、内部にアルカリ珪酸塩を包含しながら、
未焼成バーミキュライトの微粉体の周囲に接近し、ゲル
化する。このとき、劈開した合成雲母の結晶片は、層間
部分が陰イオンに、反対側部分が陽イオンに帯電してい
るため、静電作用により互いに接近する。そして、結晶
鱗辺の平面部分と端面部分とが任意の態様で接触し、立
体構造を形成して結合し、ゲル化して固化する。同時
に、アルカリ珪酸塩が脱水縮合し、所期のバインダ機能
を発揮して、接着力を発現する。
【0094】ここで、発泡性無機接着剤13の乾燥固化
は、加熱による脱水縮合反応または硬化剤による硬化反
応により行うことができる。例えば、発泡性無機接着剤
13を、約100℃で約15分間乾燥することにより、
水の蒸発に伴いアルカリ珪酸塩のシラノール基が脱水縮
合して、接着力を発現する。或いは、酸化亜鉛(Zn
O)または亜鉛(Zn)等の硬化剤を混合することによ
り、発泡性無機接着剤13を低温または常温で硬化し、
接着力を発現することができる。
【0095】<作用及び効果>次に、上記のように構成
された実施の形態1に係る不燃耐火断熱パネル10の作
用及び効果を説明する。
【0096】実施の形態1に係る不燃耐火断熱パネル1
0は、通常の発泡不燃断熱材または不燃性シートを使用
した積層パネル自体の効果、例えば、耐火性、防火性等
の不燃性、断熱性、軽量化、パネル剛性等を効果的に発
揮する。加えて、実施の形態1に係る不燃耐火断熱パネ
ル10は、発泡不燃断熱材11、不燃性シート12及び
発泡性無機接着剤13のいずれもが、無機物質(セピオ
ライト、炭酸カルシウム及び/または水酸化マグネシウ
ム、シリカ等)を主成分とするため、完全な不燃性を実
現することができる。また、発泡不燃断熱材11が、発
泡体(フォーム状)であるため、高い断熱性を付与す
る。更に、発泡性無機接着剤13が、発泡不燃断熱材1
1と不燃性シート12との接着部分でも不燃性を発揮
し、更に、耐火時にその接着部分から劣化することを防
止する。その結果、発泡不燃断熱材11の特性と不燃性
シート12の特性とを併せ持ち、かつ、高いレベルで不
燃性及び断熱性を実現した不燃耐火断熱パネル10(積
層パネル)を形成することができる。
【0097】加えて、発泡性無機接着剤13が加熱時に
発泡する。よって、発泡不燃断熱材11と不燃性シート
12とを接着した後、パネル使用時に、火災等が発生し
た場合、その火炎による熱により発泡性無機接着剤13
が発泡して発泡不燃断熱材11と不燃性シート12との
間で体積膨張する。その結果、図3に示すように、体積
膨張した発泡性無機接着剤13が不燃性及び断熱性発揮
部分としての耐火断熱層14を形成し、この耐火断熱層
31によっても不燃耐火断熱パネル10全体の不燃性及
び断熱性を増大することができる。特に、体積膨張した
発泡性無機接着剤13(耐火断熱層14)は、発泡不燃
断熱材11と不燃性シートの面状の接着部分を隙間なく
充填して接着し、両者の離脱、変形等を有効に防止す
る。その結果、発泡不燃断熱材11と不燃性シート12
の接着部分の劣化を防止し、所期の性能を維持及び発揮
することができる。更に、1000℃を超える耐火時に
は、発泡不燃断熱材11または不燃性シート12にクラ
ックが生じ、形状破壊及び裏面温度の上昇につながる可
能性も考えられる。しかし、本実施の形態では、前記発
泡性無機接着剤13が形成する発泡層または耐火断熱層
14により、そのクラックを閉塞し、全体の耐火断熱性
を維持することができる。
【0098】また、実施の形態1に係る不燃耐火断熱パ
ネル10は、発泡性無機接着剤13を発泡不燃断熱材1
1の厚さ方向側面(接合面)全体に塗付したため、不燃
断熱層14が発泡不燃断熱材11の側面の略全体及び不
燃性シート12の側面の略全体にわたって面状に形成さ
れる。その結果、耐火時の火炎による入熱により発泡不
燃断熱材11または不燃性シート12にクラックを生じ
た場合でも、体積膨張した発泡性無機接着剤13(耐火
断熱層14)からなる不燃性発揮部分により、そのクラ
ックを埋めることができ、かつ、不燃耐火断熱パネル1
0全体の熱収縮を低減することができる。
【0099】更に、発泡不燃断熱材11は、炭酸カルシ
ウム及び/または水酸化マグネシウムを塩化ビニルによ
り結合して発泡成形される発泡体であるため、適度な柔
軟性を有し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破
壊されることがない。また、不燃性シート12は、無機
物質にもかかわらず適度な柔軟性を有するセピオライト
から形成されるため、それ自身もやはり適度な柔軟性を
有し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊され
ることがない。そして、発泡性無機接着剤13は、発泡
性を有するため、やはり適度な柔軟性を有し、発泡不燃
断熱材11と不燃性シート12との接合部分に加わる多
少の外力(衝撃)によって破壊されることがない。その
結果、不燃耐火断熱パネル10全体が柔軟性を有し、多
少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊されることが
ない。
【0100】なお、上記のような実施の形態1に係る不
燃耐火断熱パネル10は、不燃性、断熱性等の諸性能が
要求される建材または構造材等として好適に使用され
る。また、不燃性及び断熱性等が高いレベルで要求され
る場所、例えば、食品、半導体、パソコン、液晶、工作
機械等の製造施設としてのクリーンルーム、船舶のドア
等に好適に使用することができる。更に、波浪による衝
撃、腐食等、過酷な使用条件を考慮して、不燃性、断熱
性、強度、軽量化、耐腐食性等の要請を高いレベルで満
足する必要がある海洋建築物(船舶、メガフロート、オ
イルプラットホーム、ウォータフロント等)に、特に好
適に使用することができる。
【0101】[実施の形態2]図4は本発明の実施の形
態2に係る不燃耐火断熱パネルの要部を示す断面図であ
る。
【0102】図4に示すように、実施の形態2に係る不
燃耐火断熱パネル20は、発泡不燃断熱材11を二層構
造とし、不燃性シート12を三層構造とした五層構造を
なす点で、実施の形態1に係る不燃耐火断熱パネル10
と異なる。即ち、実施の形態2では、平行に対向配置し
た一対の発泡不燃断熱材11の内側面の間に、1枚の不
燃性シート12が介装して配置されている。そして、各
発泡不燃断熱材11の内側面と不燃性シート12の対向
側面とが、それぞれ、発泡性無機接着剤13により接着
されている。また、各発泡不燃断熱材11の外側面に
は、それぞれ、不燃性シート12が対向して配置されて
いる。そして、各発泡不燃断熱材11の外側面と各不燃
性シート12の対向側面とが、それぞれ、発泡性無機接
着剤13により接着されている。これにより、発泡性無
機接着剤13は四層構造となり、加熱時に発泡形成され
る耐火断熱層14も四層構造となる。なお、発泡不燃断
熱材11、不燃性シート12及び発泡性無機接着剤13
自体の構成及び製造方法は実施の形態1と同様である。
【0103】実施の形態2に係る不燃耐火断熱パネル2
0を製造するには、まず、実施の形態1と同様にして、
発泡不燃断熱材11及び不燃性シート12をそれぞれ所
定の形状及び寸法に製造すると共に、発泡性無機接着剤
13を調整する。なお、1枚の不燃耐火断熱パネル20
に対して、2枚の発泡不燃断熱材11と、3枚の不燃性
シート12を用意する。このとき、発泡不燃断熱材11
は、好ましくは、実施の形態1の場合よりも薄肉に形成
し、より好ましくは、その2分の1未満の肉厚に形成す
る。そして実施の形態1と同様にして、2枚の発泡不燃
断熱材11及び3枚の不燃性シート12を、図4に示す
ように、発泡性無機接着剤13を介して互いに接着す
る。そして、この状態でこれらを所定時間乾燥し、発泡
性無機接着剤13を乾燥固化させて接着層を形成する。
これにより、二層の発泡不燃断熱材11および三層の不
燃性シート12が、発泡性無機接着剤13により強固に
接着され、図4に示す本実施の形態に係る五層構造の不
燃耐火断熱パネル20が完成する。また、発泡性無機接
着剤13により形成される接着層は、上記のように、四
層構造となっている。なお、前記発泡性無機接着剤13
による接着力は、実施の形態1で述べたようにして発現
する。更に、発泡性無機接着剤13の乾燥固化は、実施
の形態1と同様にして行うことができる。
【0104】上記のように構成された実施の形態2に係
る不燃耐火断熱パネル20は、実施の形態1に係る不燃
耐火断熱パネル10と同様の作用及び効果を有する。更
に、実施の形態2に係る不燃耐火断熱パネル20は、発
泡不燃断熱材11を二層構造とすると共に不燃性シート
12を三層構造とした五層構造をなすため、不燃性及び
耐火性を一層向上することができる。即ち、実施の形態
2に係る不燃耐火断熱パネル20は、2枚の発泡不燃断
熱材11の合計肉厚を、実施の形態1に係る1枚の発泡
不燃断熱材11より小さくし、かつ、不燃耐火断熱パネ
ル20の全体の肉厚を実施の形態1に係る不燃耐火断熱
パネル10の肉厚より小さくしても、より高い不燃性及
び耐火性を有する。
【0105】これは、特に、不燃性シート12による不
燃耐火層を三層構造としたことが、全体の不燃性及び耐
火性の向上に寄与しているものと考えられる。即ち、上
記不燃性シート12は、上記発泡不燃断熱材11より断
熱性は劣るものの、不燃性及び耐火性は優れている。よ
って、不燃耐火断熱パネル20の厚さ方向一側面(表
面)側からの火炎または加熱に対し、その表面側の不燃
性シート12から裏面側の不燃性シート12にかけて、
三層の不燃性シート12が、順に、強力な耐火性を発揮
する。そして、これら三層の不燃性シート12が、二層
の発泡不燃断熱材11と協働して、非常に高いレベルの
耐火性を発揮する。なお、実施の形態2に係る不燃耐火
断熱パネル20は、主に二層の発泡不燃断熱材11によ
り断熱性を発揮する。
【0106】また、実施の形態2に係る不燃耐火断熱パ
ネル20では、耐火時等の加熱時に、発泡性無機接着剤
13による耐火断熱層14が四層構造となる。このこと
も、不燃耐火断熱パネル20全体の不燃性及び耐火性の
向上に寄与しているものと考えられる。即ち、不燃耐火
断熱パネル20の表面側からの火炎または加熱に対し、
その表面側の発泡性無機接着剤13から裏面側の発泡性
無機接着剤13にかけて、四層の発泡性無機接着剤13
が順次発泡して、四層の耐火断熱層14を順に形成す
る。そして、それら四層の耐火断熱層14が不燃耐火断
熱パネル20の表面側から裏面側にかけて、順に、強力
な耐火性を発揮する。また、四層の耐火断熱層14が、
三層の不燃性シート12及び二層の発泡不燃断熱材11
と協働して、非常に高いレベルの耐火性を発揮する。な
お、実施の形態2に係る不燃耐火断熱パネル20では、
四層の耐火断熱層14も、それぞれ断熱性を発揮し、全
体の断熱性向上に寄与する。その結果、全体として、非
常に高いレベルの断熱性を発揮することができる。
【0107】上記のように、実施の形態2に係る不燃耐
火断熱パネル20は、その全体の肉厚(板厚)を実施の
形態1に係る不燃耐火断熱パネル10の場合より更に小
さくすることができ、一層の軽量化を図ることができ
る。なお、実施の形態2に係る不燃耐火断熱パネル20
の不燃性または耐火性は、単体で建設省の耐火試験に合
格するレベルのものであり、非常に優れたものである。
【0108】[実施の形態3]図5は本発明の実施の形
態3に係る不燃耐火断熱パネルの要部を示す断面図であ
る。
【0109】図5に示すように、実施の形態3に係る不
燃耐火断熱パネル30は、発泡不燃断熱材11を一層構
造とし、不燃性シート12を四層構造とした五層構造を
なす点で、実施の形態1に係る不燃耐火断熱パネル10
と異なる。即ち、実施の形態3では、1枚の発泡不燃断
熱材11の両外側面に、それぞれ、一対の(2枚)の不
燃性シート12が対向して配置されている。そして、発
泡不燃断熱材11の各外側面に対して、各一対の不燃性
シート12の対向側面が、それぞれ、発泡性無機接着剤
13により接着されている。また、各対の不燃性シート
12の対向側面同士も、発泡性無機接着剤13により互
いに接着されている。これにより、発泡性無機接着剤1
3は四層構造となり、加熱時に発泡形成される耐火断熱
層14も四層構造となる。なお、発泡不燃断熱材11、
不燃性シート12及び発泡性無機接着剤13自体の構成
及び製造方法は実施の形態1と同様である。
【0110】実施の形態3に係る不燃耐火断熱パネル3
0を製造するには、まず、実施の形態1と同様にして、
発泡不燃断熱材11及び不燃性シート12をそれぞれ所
定の形状及び寸法に製造すると共に、発泡性無機接着剤
13を調整する。なお、1枚の不燃耐火断熱パネル30
に対して、1枚の発泡不燃断熱材11と、4枚の不燃性
シート12を用意する。このとき、発泡不燃断熱材11
は、好ましくは、実施の形態1の場合よりも薄肉に形成
する。そして実施の形態1と同様にして、1枚の発泡不
燃断熱材11及び4枚の不燃性シート12を、図5に示
すように、発泡性無機接着剤13を介して互いに接着す
る。そして、この状態でこれらを所定時間乾燥し、発泡
性無機接着剤13を乾燥固化させて接着層を形成する。
これにより、一層の発泡不燃断熱材11および四層の不
燃性シート12が、発泡性無機接着剤13により強固に
接着され、図5に示す本実施の形態に係る五層構造の不
燃耐火断熱パネル30が完成する。また、発泡性無機接
着剤13により形成される接着層は、上記のように、四
層構造となっている。なお、前記発泡性無機接着剤13
による接着力は、実施の形態1で述べたようにして発現
する。更に、発泡性無機接着剤13の乾燥固化は、実施
の形態1と同様にして行うことができる。
【0111】上記のように構成された実施の形態3に係
る不燃耐火断熱パネル30は、実施の形態1に係る不燃
耐火断熱パネル10と同様の作用及び効果を有する。更
に、実施の形態2に係る不燃耐火断熱パネル30は、発
泡不燃断熱材11を一層構造とすると共に不燃性シート
12を四層構造とした五層構造をなすため、不燃性及び
耐火性を一層向上することができる。即ち、実施の形態
3に係る不燃耐火断熱パネル30は、発泡不燃断熱材1
1の肉厚を、実施の形態1に係る発泡不燃断熱材11よ
り小さくし、かつ、不燃耐火断熱パネル30の全体の肉
厚を実施の形態1に係る不燃耐火断熱パネル10の肉厚
より小さくしても、より高い不燃性及び耐火性を有す
る。
【0112】これは、特に、不燃性シート12による不
燃耐火層を四層構造としたことが、全体の不燃性及び耐
火性の向上に寄与しているものと考えられる。即ち、実
施の形態2の場合と同様に、不燃耐火断熱パネル20の
厚さ方向一側面(表面)側からの火炎または加熱に対
し、その表面側の不燃性シート12から裏面側の不燃性
シート12にかけて、四層の不燃性シート12が、順
に、強力な耐火性を発揮する。そして、これら四層の不
燃性シート12が、単層の発泡不燃断熱材11と協働し
て、非常に高いレベルの耐火性を発揮する。なお、実施
の形態3に係る不燃耐火断熱パネル30は、主に単層の
発泡不燃断熱材11により断熱性を発揮する。
【0113】また、実施の形態3に係る不燃耐火断熱パ
ネル30では、耐火時等の加熱時に、実施の形態2と同
様、発泡性不燃接着剤13による耐火断熱層14が四層
構造となり、不燃耐火断熱パネル30全体の不燃性及び
耐火性の向上に寄与する。また、四層の耐火断熱層14
が、それぞれ断熱性を発揮し、全体の断熱性向上に寄与
する。その結果、全体として、非常に高いレベルの断熱
性を発揮することができる。
【0114】上記のように、実施の形態3に係る不燃耐
火断熱パネル30は、実施の形態2と同様、その全体の
肉厚(板厚)を実施の形態1に係る不燃耐火断熱パネル
10の場合より更に小さくすることができ、一層の軽量
化を図ることができる。なお、実施の形態3に係る不燃
耐火断熱パネル30の不燃性または耐火性も、実施の形
態2と同様、単体で建設省の耐火試験に合格するレベル
のものであり、非常に優れたものである。
【0115】[実施の形態4]図6は本発明の実施の形
態4に係る不燃耐火断熱パネルの要部を示す断面図であ
る。
【0116】図6に示すように、実施の形態4に係る不
燃耐火断熱パネル40は、実施の形態1に係る不燃耐火
断熱パネル10の両外側面(各不燃性シート12の外側
面)に、更に、鋼板41を接合した点において実施の形
態1に係る不燃耐火断熱パネル10と異なる。その他の
構成は実施の形態1に係る不燃耐火断熱パネル10と同
様である。具体的には、実施の形態4に係る不燃耐火断
熱パネル40では、一対の不燃性シート12の外側面
に、それぞれ、表面材及び裏面材として、カラー鋼板等
からなる鋼板41が接着剤により接着されている。この
鋼板41としては、表面強度が高く、耐水性等の耐候性
及び耐食性に優れ、外観性も良好なものを使用する。具
体的には、JIS規格の各種鋼板、例えば、溶融亜鉛め
っき鋼板、塗装溶融亜鉛めっき鋼板、溶融アルミニウム
めっき鋼板、ステンレス鋼板、塗装ステンレス鋼板、2
2Crフェライト系ステンレス鋼板等を好適に使用する
ことができる。
【0117】前記接着剤としては、無機接着剤を使用す
ることが耐火性の点から好ましい。しかし、接着力に優
れるエポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、酢酸ビニル樹
脂系、ホットメルト系等の有機接着剤を使用しても良
い。この場合、耐火時等にこれらの有機接着剤が炭化ま
たは焼失して接着力が失われたとしても、その接着性は
不燃性耐火断熱パネル自体の防火性または形状保持性に
はあまり影響がない。特に、不燃性耐火断熱パネルを外
壁または内壁等の建材として使用する場合、表面材また
は裏面材としての鋼板41は、目地部等において下地材
にネジ等によって取り付けられるため、接着力消失によ
る影響は少ない。
【0118】上記のように構成した実施の形態4に係る
不燃耐火断熱パネル40では、実施の形態1の作用及び
効果に加え、鋼板41により全体の剛性、強度、耐火性
等を一層向上することができる。
【0119】ところで、上記各実施の形態では、発泡不
燃断熱材11及び不燃性シート12を接着する無機接着
剤として、発泡性無機接着剤13を使用したが、本発明
は、発泡性を有しない無機接着剤を使用しても良い。こ
の場合の無機接着剤としては、珪酸塩、燐酸塩、コロイ
ダルシリカ、アルキルシリケート等を結合剤とし、アル
ミナ、シリカ、ジルコニア、ジルコン、マグネシア、ス
ピネル等の酸化物、炭化物、窒化物を骨材とし、金属、
金属酸化物、金属水酸化物、ケイフッ化ナトリウム、燐
酸塩、ホウ酸塩等を硬化材として使用する反応形無機接
着剤を使用することができる。かかる反応形無機接着剤
としては、例えば、アルカリ金属シリケート(珪酸アル
カリ金属)系、酸性金属ホスフェート系、コロイダルシ
リカ系等の無機接着剤がある。
【0120】また、上記各実施の形態では、発泡性無機
接着剤13は、100℃程度の温度による加熱、また
は、硬化剤により接着力を発現する。よって、発泡性無
機接着剤13は、通常、発泡不燃断熱材11への塗付及
び接着時点では実質的に発泡することなく、発泡不燃断
熱材11と不燃性シート12とを接着している。
【0121】一方、発泡性無機接着剤13は、図3に示
すように、耐火時の火炎等による加熱時に発泡して体積
膨張し、発泡体からなる比較的厚肉の耐火断熱層14を
形成するようになっている。しかし、前記発泡性無機接
着剤13を、発泡不燃断熱材11と不燃性シート12と
を接着した後に所定温度で予備加熱し、発泡させても良
い。こうすると、発泡性無機接着剤13が、不燃耐火断
熱パネル10,20,30,40製造時(使用前)に、
発泡不燃断熱材11と不燃性シート12との間で耐火断
熱層14を形成する。よって、不燃耐火断熱パネル1
0,20,30,40の通常の使用時には、前記耐火断
熱層14も不燃性、耐火性及び断熱性を発揮する。
【0122】この場合、前記予備加熱温度としては、2
00〜500℃の範囲の温度とすることが好ましい。予
備加熱温度を200℃未満の温度とすると、未焼成バー
ミキュライトが十分に膨潤しない可能性がある。また、
予備加熱温度を500℃を超える温度とすることは、加
熱コストを不必要に上昇する等の理由により好ましくな
い。更に、予備加熱温度は、250〜400℃の範囲と
することが、コスト、発泡性(体積膨張)等の点でより
好ましい。また、予備加熱時間は、製造する不燃体か断
熱パネルの大きさ(面積)にもよるが、コスト、発泡性
(体積膨張)等の点で、1〜30分程度とすることが好
ましく、5〜10分程度とすることがより好ましい。
【0123】更に、上記のように、不燃耐火断熱パネル
10,20,30,40の製造時に耐火断熱層14を形
成すると共に、発泡性無機接着剤13が耐火時に更に発
泡して、発泡不燃断熱材11と不燃性シート12との間
で更に膨張し、耐火断熱層14を成長して更に厚肉の耐
火断熱層14を形成するよう構成することも可能であ
る。即ち、発泡性無機接着剤13が加熱温度及び加熱時
間の調整により2段階で段階的に発泡するよう、その材
質、発泡条件等を選定する。
【0124】更にまた、上記各実施の形態の不燃耐火断
熱パネル10,20,30,40は、1枚(単層)の発
泡不燃断熱材11の両側面に一対(二層)の不燃性シー
ト12を接着した三層構造のものとして実施したが、上
記実施の形態2または3と同様に、その他の層構造のも
のとして実施することもできる。例えば、単層の発泡不
燃断熱材11の一側面にのみ、単層の不燃性シート12
を接着した二層構造の不燃耐火断熱パネルとして実施す
ることも可能である。或いは、単層の発泡不燃断熱材1
1の一側面にのみ、二層以上の不燃性シート12を接着
した三層構造以上の不燃耐火断熱パネルとして実施する
ことも可能である。この場合、不燃性シート12間は発
泡性無機接着剤13により接着することが好ましい。
【0125】また、実施の形態2と同様にして、発泡不
燃断熱材11を三層以上の構造とすると共に、不燃性シ
ート12をそれよりも一層多い層構造(四層以上の構
造)としても良い。或いは、実施の形態3と同様にし
て、発泡不燃断熱材11を単層構造とすると共に、不燃
性シート12を三層または五層以上の構造としても良
い。即ち、本発明における発泡不燃断熱材11の層数及
び層構造、並びに、不燃性シート12の層数及び層構造
は、必要に応じて、任意に選択することができ、不燃耐
火断熱パネルの層数及び層構造も、これに合わせて、任
意に選択することができる。なお、このとき、各層間
は、発泡性無機接着剤13により接着することが好まし
い。
【0126】[実施の形態5] <不燃耐火断熱パネル>図7は本発明の実施の形態5に
係る不燃耐火断熱パネル用枠材を適用する不燃耐火断熱
パネルを示す斜視図である。図8は本発明の実施の形態
5に係る不燃耐火断熱パネル用枠材を適用する不燃耐火
断熱パネルを示す要部断面図である。
【0127】まず、実施の形態5に係る不燃耐火断熱パ
ネル用枠材を適用する不燃耐火断熱パネルについて説明
する。詳細には、本実施の形態で使用する不燃耐火断熱
パネル100は、図7及び図8に示すように、ハニカム
コア110の厚さ方向両側面(図8中上下両側面)に、
発泡不燃断熱材120を無機接着剤130により接着し
たものである。詳細には、ハニカムコア110は、例え
ば、実施の形態1の不燃性シート12を所定のハニカム
コア状に付形及び接合して形成される。また、ハニカム
コア110は、軽量である割に高い強度を有するハニカ
ム構造材、即ち、厚さ方向の隔壁111によって多数の
柱状セル113が蜂の巣状に形成されたハニカム構造材
からなる。この柱状セル113は、断面六角形に形成さ
れるのが最も一般的であり、また好ましいが、四角形等
の他の多角形、或いは円形等の非角形に形成することも
できる。ハニカムコア110は、所定厚みを有し、矩形
平板状等の所定平面形状の平板状をなしている。
【0128】前記発泡不燃断熱材120は、例えば、実
施の形態1の発泡不燃断熱材11からなる。また、発泡
不燃断熱材120は、所定肉厚を有し、ハニカムコア1
10の側面形状に対応する平板状をなしている。そし
て、一対の発泡不燃断熱材120が、ハニカムコア11
0の厚さ方向両側面(隔壁111の両開放端面)に接着
される。発泡不燃断熱材120は、内部に多数の細かな
独立気泡を有する発泡体であり、ハニカムコア110の
厚さ方向両側面で断熱層を構成する。具体的には、実施
の形態5に係る不燃耐火断熱パネル100では、ハニカ
ムコア110は、その厚さ方向側面端部となる隔壁11
1の開放端部側を発泡不燃断熱材120の対向内側面か
ら内部に食い込ませ、発泡不燃断熱材120を貫通して
接合している。また、ハニカムコア110の隔壁111
の開放端は発泡不燃断熱材120の外側面と略面一とな
る位置に配置されている。即ち、本実施の形態では、発
泡不燃断熱材120の有する可塑性を利用して、ハニカ
ムコア110の隔壁111を発泡不燃断熱材120の内
部に圧入して、より強固な接合を得るようにしている。
【0129】発泡性無機接着剤130は、例えば、実施
の形態1の発泡性無機接着剤13からなり、一対の発泡
不燃断熱材120をハニカムコア110の厚さ方向側面
にそれぞれ接着する。また、本実施の形態では、発泡性
無機接着剤130は、各発泡不燃断熱材120のハニカ
ムコア110との対向面(接合面乃至対向面)の全体に
塗付され、薄肉の接着層を構成している。これにより、
発泡性無機接着剤130は、互いに対向するハニカムコ
ア110の隔壁111の開放端面と発泡不燃断熱材12
0の側面とを接着する。また、発泡性無機接着剤130
は、発泡不燃断熱材120の側面全体に広がり、かつ、
対向するハニカムコア110の柱状セル113の開口全
体から露出する。更に、発泡性無機接着剤130は、各
発泡不燃断熱材120内部に侵入したハニカムコア11
0の隔壁111の両側面と、発泡不燃断熱材120内部
の接合面乃至対向面全体に塗付され、同様に、薄肉の接
着層を構成し、互いに対向するハニカムコア110の隔
壁111の開放端部側面と発泡不燃断熱材120の内部
とを接着する。
【0130】発泡性無機接着剤130は、実施の形態1
と同様、通常、発泡不燃断熱材120への塗付及び接着
時点では発泡しておらず、単に、ハニカムコア110と
発泡不燃断熱材とを接着するのみである。一方、発泡性
無機接着剤130は、耐火時の火炎等による加熱時に発
泡して、ハニカムコア110の各柱状セル113内部に
体積膨張し、各柱状セル113内部で発泡体からなる比
較的厚肉の耐火断熱層を形成するようになっている。
【0131】更に、一対の発泡不燃断熱材120の外側
面に、それぞれ、表面材及び裏面材として、カラー鋼板
等からなる鋼板150が接着剤により接着されている。
この鋼板150としては、表面強度が高く、耐水性等の
耐候性及び耐食性に優れ、外観性も良好なものを使用す
る。具体的には、JIS規格の各種鋼板、例えば、溶融
亜鉛めっき鋼板、塗装溶融亜鉛めっき鋼板、溶融アルミ
ニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板、塗装ステンレス鋼
板、22Crフェライト系ステンレス鋼板等を好適に使
用することができる。
【0132】前記接着剤としては、無機接着剤を使用す
ることが耐火性の点から好ましい。しかし、接着力に優
れるエポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、酢酸ビニル樹
脂系、ホットメルト系等の有機接着剤を使用しても良
い。この場合、耐火時等にこれらの有機接着剤が炭化ま
たは焼失して接着力が失われたとしても、その接着性は
不燃性耐火断熱パネル自体の防火性または形状保持性に
はあまり影響がない。特に、不燃性耐火断熱パネルを外
壁または内壁等の建材として使用する場合、表面材また
は裏面材としての鋼板150は、目地部等において下地
材にネジ等によって取り付けられるため、接着力消失に
よる影響は少ない。
【0133】なお、ハニカムコア110の隔壁111の
圧入度合いは、図8に示すように、発泡不燃断熱材12
0の厚さ全体としても良く、その一部としても良い。し
かし、ハニカムコア110の隔壁111の圧入度合い
を、発泡不燃断熱材120の厚さ全体とした場合、機械
的接合強度をより増大することができると共に、発泡性
無機接着剤130の塗付面積を増大して接着力をより増
大することができる。また、ハニカムコア110の貫通
により、ハニカムコア120のハニカム形状に対応する
溝状物乃至亀裂を発泡不燃断熱材120に予め形成する
ことにより、耐火時に、発泡不燃断熱材120のクラッ
クによる不具合を有効に防止することができる。
【0134】即ち、耐火時に、たとえ発泡不燃断熱材1
20に熱応力が加わった場合でも、その熱応力は発泡不
燃断熱材120に予め形成したハニカムコア120のハ
ニカム形状に対応する溝状物乃至亀裂部分で解放され
る。また、その溝状物乃至亀裂部分に存在する発泡性無
機接着剤130が、耐火時に発泡して耐火断熱層を形成
するため、その溝状物乃至亀裂部分を弾性的にシールし
て、クラックを防止すると共に、発泡不燃断熱材120
への熱応力を吸収する。その結果、耐火性等に不具合を
生じる形で発泡不燃断熱材120にクラックを生じるこ
とがない。
【0135】次に、不燃耐火断熱パネル100の各構成
要素としてのハニカムコア110、発泡不燃断熱材12
0、発泡性無機接着剤130の各々の構成及び製造方法
について説明する。
【0136】<ハニカムコア>まず、本実施の形態のハ
ニカムコア(ハニカム構造材)110自体は、例えば、
前述した特開平5−147134号公報に開示されたよ
うに既に知られているものであるが、以下、実施の形態
1の不燃性シート12を使用して、ハニカム構造材を製
造する方法について、簡単に説明する。
【0137】(ハニカム構造材の製造)上記のセピオラ
イトを主成分とする不燃性シート12を用いて、ハニカ
ムコア(ハニカム構造材)110は、通常の良く知られ
た方法によって、例えば、次のように形成することがで
きる。
【0138】まず、シート状の不燃性シート12の表面
に、スクリーン転写或いはローラー塗布等により、一定
間隔で所定の幅に接着剤を筋状に塗布する。そして、こ
のように接着剤の条を形成したシート状の不燃性シート
12の多数枚を、その接着剤の条が隣接する不燃性シー
ト12の間で相互に半ピッチだけずれるようにして重ね
合わせ、上下方向から圧着して相互に接着する。次い
で、この相互に接着された多数枚の不燃性シート12か
らなるブロックを、接着剤の条とは直角方向に、要求さ
れるハニカム構造材の厚さに応じた所定の幅に截断す
る。そして、この截断物を両側から展張することによっ
て、ハニカム構造材が形成される。
【0139】なお、このハニカム構造材の製造に使用す
る接着剤としては、不燃性シート12の耐熱性が高いた
め、酢酸ビニル樹脂等の有機接着剤を使用することがで
きる。しかし、より優れた耐火性と耐熱性とを得るため
には、無機接着剤の使用が好ましい。そして、そのよう
な無機接着剤としては、水ガラス(ケイ酸塩)、リン酸
アルミニウム、コロイダルシリカ、またはコロイダルア
ルミナ等の水溶液または水分散液に硬化剤を適宜配合し
たものを使用することができる。その一例としては、固
形分組成で、90重量%のコロイダルシリカと、10重
量%のケイ酸マグネシウムとからなるシリカ系無機接着
剤を挙げることができる。
【0140】また、不燃性シート12により形成したハ
ニカム構造材に、更にケイ酸ナトリウムまたはカリウム
等の水ガラス組成物を含浸または被覆することは、好ま
しいことである。これによって、不燃紙の表面に水ガラ
スの硬化した被覆が形成され、ハニカム構造材の物理的
強度と耐水性、更に耐火性及び耐熱性をより高めること
ができる。なお、このハニカム構造材の含浸または被覆
に使用する水ガラス組成物は、例えば、固形分で88重
量%のケイ酸ナトリウムと、12重量%の酸化マグネシ
ウム(硬化剤)とからなる変性水ガラス組成物として形
成することができる。
【0141】本実施の形態のハニカムコア110を構成
するハニカム構造材としては、本出願人である(株)常
盤電機社製の珪酸マグネシウムコアHSを好適に使用す
ることができる。
【0142】なお、ハニカムコア110の主成分となる
無機物質としては、実施の形態1の不燃性シート12の
場合と同様、上記セピオライト(珪酸マグネシウム)の
代わりに、或いはセピオライトと共に、ブルーサイト
(水酸化マグネシウム)、蠣殻粉(炭酸カルシウム)等
を好適に使用することができる。
【0143】<発泡不燃断熱材及び発泡性無機接着剤>
発泡不燃断熱材120及び発泡性無機接着剤130は、
実施の形態1の発泡不燃断熱材11及び発泡性無機接着
剤13と同様にして製造することができ、また、同様の
市販品を使用することができる。
【0144】<製造方法>次に、上記のように構成され
た実施の形態5に係る不燃耐火断熱パネル100の製造
方法を説明する。
【0145】まず、上記ハニカムコア110及び発泡不
燃断熱材120をそれぞれ所定の形状及び寸法に製造す
ると共に、上記発泡性無機接着剤130を調整する。次
に、実施の形態1と同様にして、発泡不燃断熱材120
の一側面全体に発泡性無機接着剤130を所定膜厚で塗
付する。このときの塗付膜厚は、実施の形態1と同様と
することができる。その後、ハニカムコア110及び発
泡不燃断熱材120を所定圧力で互いに接近する方向に
相対移動させる。そして、隔壁111の開放端部を発泡
不燃断熱材120の内側面に食い込ませると共にその内
部を貫通させ、隔壁111の開放端を発泡不燃断熱材1
20の外側面と面一とする。よって、発泡不燃断熱材1
20は、所定圧力での隔壁111の開放端部の食い込み
を許容するような可塑性を有する構成である。
【0146】これにより、ハニカムコア110及び発泡
不燃断熱材120が、隔壁111の食い込みにより互い
に機械的に接合されると共に、発泡性無機接着剤130
により接着される。そして、この状態でこれらを所定時
間乾燥し、発泡性無機接着剤130を乾燥固化させて接
着層を形成する。これにより、ハニカムコア110及び
発泡不燃断熱材120が、発泡性無機接着剤130によ
り強固に接着され、本実施の形態に係る不燃耐火断熱パ
ネル100が完成する。なお、発泡性無機接着剤130
による接着力の発現は、実施の形態1と同様にして行う
ことができる。その後、発泡不燃断熱材120の両面に
鋼板150を接着することにより、不燃耐火断熱パネル
100が完成する。
【0147】<不燃耐火断熱パネルの作用及び効果>次
に、上記のように構成された実施の形態5に係る不燃耐
火断熱パネル100の作用及び効果を説明する。
【0148】実施の形態5に係る不燃耐火断熱パネル1
00は、通常の不燃性ハニカムコアを使用した積層パネ
ル自体の効果、例えば、耐火性、防火性等の不燃性、断
熱性、軽量化、パネル剛性等を効果的に発揮する。加え
て、実施の形態5に係る不燃耐火断熱パネル100は、
実施の形態1と同様、ハニカムコア110、発泡不燃断
熱材120及び発泡性無機接着剤130のいずれもが、
無機物質を主成分とするため、完全な不燃性を実現する
ことができる。また、ハニカムコア110が不燃性シー
ト12と、発泡不燃断熱材120が、発泡不燃断熱材1
1と、発泡性無機接着剤130が、発泡性無機接着剤1
3と同様の作用及び効果を発揮する。その結果、ハニカ
ムコア110の特性と発泡不燃断熱材120の特性とを
併せ持ち、かつ、高いレベルで不燃性及び断熱性を実現
した不燃耐火断熱パネル100(積層パネル)を形成す
ることができる。
【0149】加えて、発泡性無機接着剤130が、発泡
性無機接着剤13と同様、火災等が発生した場合、その
火炎による熱により発泡して体積膨張し、ハニカムコア
110のセル113内部に進入して耐火断熱層を形成
し、不燃耐火断熱パネル100全体の不燃性及び断熱性
を増大する。特に、体積膨張した発泡性無機接着剤13
0(耐火断熱層)は、ハニカムコア110と発泡不燃断
熱材120の接着部分を隙間なく充填して接着し、両者
の離脱、変形、接着部分の劣化等を防止する。更に、耐
火断熱層により、ハニカムコア110または発泡不燃断
熱材120に発生するクラックを閉塞し、全体の耐火断
熱性を維持することができると共に、不燃耐火断熱パネ
ル100全体の熱収縮を低減することができる。
【0150】更に、ハニカムコア110、発泡不燃断熱
材120、発泡性無機接着剤130が、いずれも適度な
柔軟性を有し、不燃耐火断熱パネル100全体が柔軟性
を有するため、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって
破壊されることがない。
【0151】また、発泡不燃断熱材120に対し、ハニ
カムコア110の接合側側面の端部である隔壁111の
開放端部を食い込ませて強固に接合した状態で、それら
を発泡性無機接着剤130により接着することができ
る。その結果、ハニカムコア110及び発泡不燃断熱材
120間の接合力が増大し、ハニカムコア110及び発
泡不燃断熱材120間の部分的な剥離等を効果的に防止
することができる。更にまた、鋼板150により全体の
剛性、強度、耐火性等を一層向上することができる。
【0152】なお、上記のような実施の形態5に係る不
燃耐火断熱パネル100は、不燃性、断熱性等の諸性能
が要求される建材または構造材等として好適に使用され
る。また、不燃性及び断熱性等が高いレベルで要求され
る場所、例えば、食品、半導体、パソコン、液晶、工作
機械等の製造施設としてのクリーンルーム、船舶のドア
等に好適に使用することができる。更に、波浪による衝
撃、腐食等、過酷な使用条件を考慮して、不燃性、断熱
性、強度、軽量化、耐腐食性等の要請を高いレベルで満
足する必要がある海洋建築物(船舶、メガフロート、オ
イルプラットホーム、ウォータフロント等)に、特に好
適に使用することができる。
【0153】<不燃耐火断熱パネル用枠材>図9は本発
明の実施の形態5に係る不燃耐火断熱パネル用枠材を適
用した不燃耐火断熱パネルを示す平面図である。図10
は図9のX−X線断面図である。
【0154】次に、実施の形態5に係る不燃耐火断熱パ
ネル用枠材について説明する。この不燃耐火断熱パネル
用枠材50は、図9に示すように、不燃耐火断熱材料よ
りなる不燃耐火断熱パネル100の外周端面に固着され
る枠状に形成される。詳細には、不燃耐火断熱パネル用
枠材50は、図10に示すように、実施の形態1で説明
したように、無機物質を主成分として発泡成形された発
泡不燃断熱材11と、無機物質を主成分として抄造さ
れ、発泡不燃断熱材11の厚さ方向側面に接着された不
燃性シート12と、無機物質を主成分とし、不燃性シー
ト12を発泡不燃断熱材11の厚さ方向側面に接着する
と共に、加熱時に発泡する発泡性無機接着剤13とを具
備する。
【0155】本実施の形態の不燃耐火断熱パネル用枠材
50は、例えば、無機接着剤を介して、不燃耐火断熱パ
ネル100の四方の端面(外周端面全体)に接着され
る。この無機接着剤として、発泡性無機接着剤13,1
30を使用しても良い。或いは、珪酸塩、燐酸塩、コロ
イダルシリカ、アルキルシリケート等を結合剤とし、ア
ルミナ、シリカ、ジルコニア、ジルコン、マグネシア、
スピネル等の酸化物、炭化物、窒化物を骨材とし、金
属、金属酸化物、金属水酸化物、ケイフッ化ナトリウ
ム、燐酸塩、ホウ酸塩等を硬化材として使用する反応形
無機接着剤を使用することもできる。かかる反応形無機
接着剤としては、例えば、アルカリ金属シリケート(珪
酸アルカリ金属)系、酸性金属ホスフェート系、コロイ
ダルシリカ系等の無機接着剤がある。
【0156】<不燃耐火断熱パネル用枠材の作用及び効
果>上記のように構成した不燃耐火断熱パネル用枠材5
0自体は、実施の形態1の不燃耐火断熱パネル10と同
様の作用及び効果を有し、高断熱性、高不燃性、高耐火
性、軽量性、低コスト等の優れた効果を発揮する。よっ
て、不燃耐火断熱パネル100の外周端面に不燃耐火断
熱パネル用枠材50を固着した不燃耐火断熱パネルは、
その外周部においても、不燃性、耐火性、断熱性等の特
性をより高いレベルで実現すると共に、大型パネルに適
用した場合でも軽量化の要請を満足し、かつ、製造コス
トを低減することができる。更に、不燃耐火断熱パネル
用枠材50及び不燃耐火断熱パネル100は、同様の材
料からなるため、接着剤により接着を非常に強固に行う
ことができる。その結果、不燃耐火断熱パネル100の
外周端面に不燃耐火断熱パネル用枠材50を固着した不
燃耐火断熱パネルは、接着面の破壊が少なく、全体とし
て非常に高い強度を有する。
【0157】[実施の形態6]図11は本発明の実施の
形態6に係る不燃耐火断熱パネル用枠材を示す断面図で
ある。
【0158】実施の形態6に係る不燃耐火断熱パネル用
枠材60は、隣接する不燃耐火断熱パネル同士の位置決
め及び接合を容易にする接合手段を設けた点が、実施の
形態5に係る不燃耐火断熱パネル用枠材50と異なる。
その他の点は、実施の形態5に係る不燃耐火断熱パネル
用枠材50と同様である。即ち、本実施の形態の不燃耐
火断熱パネル用枠材60は、図11に示すように、実施
の形態5の不燃耐火断熱パネル用枠材50と同様、不燃
耐火断熱材料よりなる不燃耐火断熱パネル100の外周
端面に固着される枠状に形成される。
【0159】一方、本実施の形態の不燃耐火断熱パネル
用枠材60は、一方及び他方の接合端面(例えば右端面
及び左端面)の全長にわたって、あり継ぎ状の接合手段
を設け、この接合手段を介して隣接する不燃耐火断熱パ
ネル同士を接合するようにしている。具体的には、不燃
耐火断熱パネル用枠材60は、接合端面の発泡不燃断熱
材11の厚さ方向中央部に、それぞれ、内方に延びる断
面矩形状の接合溝61を形成している。隣接する不燃耐
火断熱パネルの不燃耐火断熱パネル用枠材60同士を左
右方向に当接したときに、両不燃耐火断熱パネルの不燃
耐火断熱パネル用枠材60の接合溝61が互いに整合し
て連続する空間を形成するようになっている。そして、
前記両接合溝61が形成する空間に対応する外形(薄板
状)の接合材62を、前記両接合溝61内に例えば上方
から挿入することにより、隣接する不燃耐火断熱パネル
同士を位置決めして接合することができる。前記接合材
62は、無機質材料から形成することが好ましい。接合
材62は、例えば、発泡不燃断熱材11と同様の材質と
することができる。
【0160】上記のように構成した不燃耐火断熱パネル
用枠材60は、実施の形態5の不燃耐火断熱パネル用枠
材50と同様の作用及び効果を有する。更に、本実施の
形態の不燃耐火断熱パネル用枠材60では、接合手段に
より、隣接する不燃耐火断熱パネル同士の接合が容易に
なる。加えて、不燃耐火断熱パネル用枠材60は、従来
のアルミニウム製の枠材乃至ジョイント材(アルミジョ
イナー)に比べ、高断熱で結露し難く、更に、高不燃
性、高耐火性、軽量性、低コスト等の優れた効果を発揮
する。
【0161】[実施の形態7]図12は本発明の実施の
形態7に係る不燃耐火断熱パネル用枠材を示す断面図で
ある。
【0162】実施の形態7に係る不燃耐火断熱パネル用
枠材70は、接合手段の構成が実施の形態6と異なる。
その他の点は、実施の形態6に係る不燃耐火断熱パネル
用枠材60と同様である。即ち、本実施の形態の不燃耐
火断熱パネル用枠材70は、図12に示すように、互い
に対向する接合端面の全長にわたって、本ざね継ぎ状の
接合手段を設け、この接合手段を介して隣接する不燃耐
火断熱パネル同士を接合するようにしている。具体的に
は、不燃耐火断熱パネル用枠材70は、一方の接合端面
(左端面)における発泡不燃断熱材11の厚さ方向中央
部に、内方(右方)に延びる断面矩形状の接合溝71を
形成している。また、不燃耐火断熱パネル用枠材70
は、他方の接合端面(右端面)における発泡不燃断熱材
11の厚さ方向中央部に、外方(右方)に突出する断面
矩形状の接合部72を形成している。隣接する不燃耐火
断熱パネルの不燃耐火断熱パネル用枠材70同士を左右
方向に当接したときに、一方の不燃耐火断熱パネルの不
燃耐火断熱パネル用枠材70の接合溝71内に、他方の
不燃耐火断熱パネルの不燃耐火断熱パネル用枠材70の
接合部72が密に嵌合し、隣接する不燃耐火断熱パネル
同士を位置決めして接合することができる。
【0163】上記のように構成した不燃耐火断熱パネル
用枠材70は、実施の形態6の不燃耐火断熱パネル用枠
材60と同様の作用及び効果を有する。
【0164】[実施の形態8]図13は本発明の実施の
形態8に係る不燃耐火断熱パネル用枠材を示す断面図で
ある。
【0165】実施の形態8に係る不燃耐火断熱パネル用
枠材80は、接合手段の構成が実施の形態6と異なる。
その他の点は、実施の形態6に係る不燃耐火断熱パネル
用枠材60と同様である。即ち、本実施の形態の不燃耐
火断熱パネル用枠材80は、図13に示すように、互い
に対向する接合端面の全長にわたって、相欠き継ぎ状の
接合手段を設け、この接合手段を介して隣接する不燃耐
火断熱パネル同士を接合するようにしている。具体的に
は、不燃耐火断熱パネル用枠材80は、一方の接合端面
(左端面)における発泡不燃断熱材11の厚さ方向中央
部に、厚さ方向半分(図13中上半分)が外方(左方)
に突出する断面矩形状の相欠き部81を形成している。
また、不燃耐火断熱パネル用枠材80は、他方の接合端
面(右端面)における発泡不燃断熱材11の厚さ方向中
央部に、厚さ方向半分(図13中下半分)が外方(右
方)に突出する断面矩形状の相欠き部82を形成してい
る。隣接する不燃耐火断熱パネルの不燃耐火断熱パネル
用枠材80同士を左右方向に当接したときに、両不燃耐
火断熱パネルの不燃耐火断熱パネル用枠材80の相欠き
部81,82同士が互いに密に嵌合し、隣接する不燃耐
火断熱パネル同士を位置決めして接合することができ
る。
【0166】上記のように構成した不燃耐火断熱パネル
用枠材80は、実施の形態6の不燃耐火断熱パネル用枠
材60と同様の作用及び効果を有する。
【0167】ところで、上記実施の形態6〜8におい
て、前記接合溝61、接合溝71及び接合部72、相欠
き部81,82は、通常、不燃耐火断熱パネル用枠材6
0,70,80の左右の端面にそれぞれ形成される。し
かし、不燃耐火断熱パネル用枠材60,70,80の上
下の端面に形成したり、上下の端面及び左右の端面の両
方に形成しても良い。
【0168】また、前記接合溝61と接合材62、接合
溝71及び接合部72、相欠き部81,82は、例え
ば、無機接着剤を介して、互いに接着することも可能で
ある。この無機接着剤として、発泡性無機接着剤13,
130を使用しても良い。また、実施の形態5で説明し
た反応形無機接着剤を使用することもできる。
【0169】更に、実施の形態5〜8に係る不燃耐火断
熱パネル用枠材50,60,70,80は、発泡不燃断
熱材11の両面に不燃性シート12を接着した積層構造
としたが、発泡不燃断熱材11のみから構成しても良
い。即ち、発泡不燃断熱材11を、不燃耐火断熱パネル
100の外周端面に固着される枠状(断面矩形の棒状)
に形成し、或いは、その枠材に前記接合手段を形成した
ものを使用しても良い。
【0170】この場合も、耐火性の点では不燃耐火断熱
パネル用枠材50,60,70,80に若干劣るもの
の、やはり、高断熱性、高不燃性、高耐火性、軽量性、
低コスト等の優れた効果を発揮する。
【0171】また、実施の形態5〜8の不燃耐火断熱パ
ネル用枠材50,60,70,80は、用途、使用状況
等に応じて、不燃耐火断熱パネル100の四方の端面
(外周端面全体)に接着することなく、対向する一対の
端面、例えば、左右両端面または上下両端面にのみ固着
しても良い。
【0172】[実施の形態9]図14は本発明の実施の
形態9に係る発泡不燃断熱材を示す要部断面図である。
【0173】実施の形態9に係る発泡不燃断熱材90
は、基本的には、実施の形態1の発泡不燃断熱材11と
同様の構成であり、水酸化マグネシウム及び炭酸カルシ
ウムを主成分として発泡成形したものである。詳細に
は、発泡不燃断熱材90は、主成分乃至主材として、水
酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び水酸化アルミニ
ウムを含む。また、発泡不燃断熱材90は、バインダと
しての塩化ビニル系樹脂粉末とシリコン系添加剤とを含
む。なお、発泡不燃断熱材90の組成は、主成分として
水酸化マグネシウム及び炭酸カルシウムを含み、バイン
ダとして塩化ビニル系樹脂を含む限りにおいて、これ以
外の組成としても良い。例えば、その他の充填材、シリ
コン系添加剤以外の添加剤等を含ませることができる。
【0174】一方、本実施の形態の発泡不燃断熱材90
は、好ましくは、水酸化マグネシウムの含有量を40〜
60重量%の範囲内とする。また、その他の材料の含有
量は、この水酸化マグネシウムの含有量に対応して設定
するが、例えば、炭酸カルシウムの含有量は25〜30
重量%の範囲内とし、水酸化アルミニウムの含有量は1
0〜25%の範囲内とする。
【0175】ここで、水酸化マグネシウムの含有量が4
0%未満では、耐火性が不十分となる可能性がある。水
酸化マグネシウムの含有量が60%を超えると、成形後
の強度が不十分となる可能性がある。また、水酸化マグ
ネシウムの含有量を60%とすると、不燃性、耐火性の
点で最も好ましい。
【0176】上記発泡不燃断熱材90の組成例を次に示
す。
【0177】
【表4】発泡不燃断熱材の組成例1 (重量%)
【0178】
【表5】発泡不燃断熱材の組成例2 (重量%)
【0179】<製造方法>本実施の形態の発泡不燃断熱
材90を製造するには、まず、原料混練工程において、
水酸化マグネシウムと、炭酸カルシウムと、水酸化アル
ミニウムと、塩化ビニル系樹脂と、シリコン系添加剤と
を含む原料を、ニーダに入れ、トルエン、キシレン等の
有機溶剤中で混練し、塩化ビニル系樹脂が溶解した混練
物を得る。次に、発泡成形工程において、前記混練物を
金型内に充填し、所定温度で加熱して発泡させる。な
お、その他の条件(金型内圧力、成形時間等)は、得よ
うとする発泡体の発泡密度等に応じて適宜決定する。
【0180】また、前記発泡成形工程における発泡は、
例えば、金属水和物である水酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム等から放出される結晶水の気化物(蒸
気)、炭酸カルシウムから放出される気化ガス(二酸化
炭素)等のガス圧を利用し、また、公知の発泡材或いは
発泡助剤等を利用して、行うことができる。そして、こ
の発泡成形により形成される気泡殻は、水酸化マグネシ
ウム、炭酸カルシウム等が塩化ビニル系樹脂で固化され
た強靭な膜状の独立気泡殻となり、その膜状物で包囲さ
れた密閉空間の集合体となる。
【0181】次に、養生工程で、前記混練物を発泡成形
することにより得た成形体を、所定条件(温度、圧力
等)の下、養生する。例えば、発泡成形後の成形体を金
型内で所定時間、所定温度、所定圧力の下で冷却する。
その後、金型から取り出した成形体を再度加熱して、二
次的に発泡させることもできる。
【0182】次に、脱気除去工程で、前記養生した成形
体を、80℃以上250℃以下の範囲内の温度で再度加
熱し、前記成形体中に含まれる有機成分及び有機溶剤を
強制的に脱気して除去する。即ち、前記養生工程後の成
形体には、塩化ビニル系樹脂が含まれることは勿論、有
機溶剤も完全に揮発することなく相当量が残留してい
る。よって、このままでは、発泡不燃断熱材を建材とし
て使用した場合において、雰囲気温度が一定温度以上と
なったときに、塩化ビニル系樹脂からいわゆる塩ビ臭が
発生したり、有機溶剤が揮散して有機溶剤臭が発生する
可能性がある。
【0183】しかし、本実施の形態では、成形体を前記
所定温度で再度加熱することにより、塩化ビニル樹脂及
び有機溶剤から発生する可能性の有る有機成分(塩化水
素等)及び揮発成分を、予め揮散し、脱気して除去する
ことができる。即ち、有機溶剤、塩化ビニル系樹脂の塩
化水素等の有機成分が揮散し、使用後に塩ビ臭、有機溶
剤臭を発生することがない。その結果、実施の形態9の
発泡不燃断熱材90の製造方法によれば、加熱時または
耐火時における発泡不燃断熱材90からの塩ビ臭、有機
溶剤臭の発生を防止することができる。
【0184】ここで、脱気除去工程の加熱温度が80℃
未満では、有機溶剤、塩化ビニル系樹脂の塩化水素等を
十分に脱気して除去することができない。一方、脱気除
去工程の加熱温度が250℃を超えると、主成分、塩化
ビニル系樹脂自体への熱的影響が大きくなり好ましくな
い。
【0185】<作用及び効果>上記のように構成した発
泡不燃断熱材90は、実施の形態1の発泡不燃断熱材1
1と同様の作用及び効果を有し、高断熱性、高不燃性、
高耐火性、軽量性、低コスト等の優れた効果を発揮す
る。例えば、発泡不燃断熱材90は、火災等による加熱
時に、金属水和物としての水酸化マグネシウム(Mg
(OH)2)が、酸化マグネシウム(MgO)と水(H2
O)とに分解する。即ち、OH基として含まれる結晶水
(構造水)がH2Oとして脱水され、気化熱による冷却
効果(自己消化作用)を発揮する。また、金属水和物と
しての水酸化アルミニウム(Al(OH)3)が、酸化
アルミニウム(Al23)と水(H2O)とに分解し、
同様の自己消化作用を発揮する。なお、炭酸カルシウム
は、発煙防止機能を発揮する。
【0186】このとき、本実施の形態では、水酸化マグ
ネシウムの含有量を40〜60%の範囲内とすることに
より、十分な耐火性を発揮すると同時に、十分な強度を
確保することができる。その結果、本実施の形態の発泡
不燃断熱材90は、優れた断熱性を有するのみならず、
耐火性を向上することができる。また、発泡不燃断熱材
90は、積層パネル等の芯材として使用した場合に、不
燃性、耐火性が非常に高く、その両面にカラー鋼板を有
機接着剤により接着した複合パネルとして具体化した場
合でも、断熱性に加え、全体として高い不燃性、耐火性
を発揮し、特に有利となる。
【0187】例えば、上記組成例1(水酸化マグネシウ
ムの含有量40%)によれば、建設省告示第1828号
の基材試験で、最高温度798℃を達成することが確認
された。これは、建設省認定の耐火性能(800℃以上
不合格)を達成するものである。また、上記組成例2
(水酸化マグネシウムの含有量60%)によれば、建設
省告示第1828号の基材試験で、最高温度770℃を
達成することが確認された。即ち、組成例2によれば、
組成例1よりも更に30℃弱の温度低下効果があり、耐
火性能を一層向上することができる。
【0188】また、発泡不燃断熱材90は、強靭な独立
気泡殻の集合体からなる発泡体であるため、熱伝導率も
有機系の発泡断熱材と同様の優れた断熱性を有する。ま
た、発泡不燃断熱材90は、無機質であるため、有機系
の発泡断熱材と比較して、付着性能が優れ、特別な処理
を必要とせずに直接施工でき、作業を省力化することが
できる。また、発泡不燃断熱材90は、強固な独立気泡
殻のために、吸水率も小さく、加圧透水による影響を防
止することができる。
【0189】更に、発泡不燃断熱材90は、主成分が無
機物質であるため、燃焼によるガス発生が極めて少量
で、取り扱い時におけるガス発生は皆無である。特に、
発泡不燃断熱材90は、上記のように、脱気除去工程で
塩ビ臭等の原因となる有機成分を除去するため、臭気に
よる悪影響がない。また、発泡不燃断熱材90は、加工
性が良好であり、粘り強く強度があり、ある程度の弾性
もある。更にまた、発泡不燃断熱材90は、膨張、収縮
が極めて少なく、寸法安定性に優れ、複合体として使用
するのにも適している。
【0190】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例について説
明する。
【0191】[実施例1]実施例1では、発泡不燃断熱
材11の両側面に一対の不燃性シート12を発泡性無機
接着剤13を介して接着し、実施の形態1の不燃耐火断
熱パネル10と同様の不燃耐火断熱パネルを形成した。
更に、この不燃耐火断熱パネル10の厚さ方向両側面、
即ち、不燃性シート12の外側面には、それぞれ、有機
系接着剤を介して鋼板41を接着し、実施の形態4に係
る不燃耐火断熱パネル40と同様の不燃耐火断熱パネル
を得た。
【0192】このとき、発泡不燃断熱材11としては、
(株)常盤電機社製のGロックを使用し、その厚みは3
8mmとした。また、不燃性シート12としては、
(株)常盤電機社製の不燃紙GSを使用し、その厚みは
約1mmとした。更に、発泡性無機接着剤13として
は、(株)常盤電機社製の無機発泡接着剤(FJ51
5)を使用し、その塗付量は800g/m2 とした。加
えて、鋼板41としては、厚さ0.5mmのカラー鋼板
を使用した。更にまた、有機系接着剤としては、大日本
インキ化学工業(株)製の常温硬化二液エポキシ接着剤
(R−114)を使用し、その塗付量は各鋼板41に対
して50g/m2 とした。
【0193】これにより、実施例1に係る不燃耐火断熱
パネルの全体の厚みは41mmとなった。なお、前記有
機系接着剤の固化は、有機系接着剤を乾燥機により40
℃の温度で48時間乾燥して行った。
【0194】[比較例1]比較例1として、発泡不燃断
熱材11を単体で使用した。更に、発泡不燃断熱材11
の厚さ方向両側面に、それぞれ、有機系接着剤を介して
鋼板41を接着した。このとき、発泡不燃断熱材11と
しては、(株)常盤電機社製のGロックを使用し、その
厚みは40mmとした。更に、鋼板41としては、厚さ
0.5mmのカラー鋼板を使用した。また、有機系接着
剤としては、大日本インキ化学工業(株)製の常温硬化
二液エポキシ接着剤(R−114)を使用し、その塗付
量は各鋼板に対して50g/m2 とした。
【0195】これにより、比較例1に係る不燃性耐火断
熱パネルの全体の厚みは41mmとなった。なお、前記
有機系接着剤の固化は、有機系接着剤を乾燥機により4
0℃の温度で48時間乾燥して行った。
【0196】<耐火試験>実施例1及び比較例1の各々
について耐火試験を行った。図15は本発明の実施例1
の耐火試験結果を比較例1の耐火試験結果と共に示す特
性図である。
【0197】耐火試験は、実施例1及び比較例1の各々
の不燃耐火断熱パネルの表面側を同一条件で加熱し、裏
面側の温度を測定することにより行った。不燃耐火断熱
パネルの加熱は、ガスバーナ炉を使用して、耐火断熱パ
ネルの表面を約1000℃で60分加熱し、その後加熱
停止することにより行った。図15中、横軸は加熱開始
からの経過時間(分)を示し、縦軸は不燃耐火断熱パネ
ルの裏面温度(℃)を示す。また、図15中、Aは実施
例1の測定結果を、Bは比較例1の測定結果をそれぞれ
示す。
【0198】図15に示すように、耐火試験結果から、
実施例1は、非常に良好な不燃性乃至耐火性を備えるこ
とが確認された。特に、実施例1は、発泡不燃断熱材1
1単体の比較例1に比較すれば、非常に優れた耐火性を
有することが確認された。
【0199】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る不燃耐火
断熱パネルは、発泡不燃断熱材、不燃性シート及び無機
接着剤のいずれもが、無機物質を主成分とするため、完
全な不燃性を実現することができる。また、発泡不燃断
熱材が、発泡体(フォーム状)であるため、高い断熱性
を付与する。更に、無機接着剤が、発泡不燃断熱材と不
燃性シートとの接着部分でも不燃性を発揮し、更に、耐
火時にその接着部分から劣化することを防止する。一
方、主要部分である発泡不燃断熱材及び不燃性シートは
軽量である。更に、発泡不燃断熱材に不燃性シートを接
着する作業は容易であり、作業性が良好である。その結
果、不燃性、耐火性、断熱性等の特性をより高いレベル
で実現すると共に、大型パネルに適用した場合でも軽量
化の要請を満足し、かつ、製造コストを低減することが
できる。
【0200】請求項2に係る不燃耐火断熱パネルは、発
泡不燃断熱材、不燃性シート及び無機接着剤のいずれも
が、無機物質を主成分とするため、完全な不燃性を実現
することができる。また、発泡不燃断熱材が、発泡体
(フォーム状)であるため、高い断熱性を付与する。更
に、無機接着剤が、発泡不燃断熱材と不燃性シートとの
接着部分でも不燃性を発揮し、更に、耐火時にその接着
部分から劣化することを防止する。一方、主要部分であ
る発泡不燃断熱材及び不燃性シートは軽量である。更
に、発泡不燃断熱材に不燃性シートを接着する作業は容
易であり、作業性が良好である。その結果、不燃性、耐
火性、断熱性等の特性をより高いレベルで実現すると共
に、大型パネルに適用した場合でも軽量化の要請を満足
し、かつ、製造コストを低減することができる。
【0201】加えて、発泡性無機接着剤が、発泡不燃断
熱材と不燃性シートとを接着した後、火炎等による熱に
より発泡して体積膨張する。その結果、体積膨張した発
泡性無機接着剤によっても不燃性発揮部分を形成し、全
体の不燃性を増大することができる。特に、体積膨張し
た発泡性無機接着剤は、発泡不燃断熱材と不燃性シート
との接着部分を隙間なく充填して接着し、両者の離脱、
変形等を有効に防止する。その結果、発泡不燃断熱材と
不燃性シートとの接着部分の劣化を防止し、所期の性能
を維持及び発揮することができる。
【0202】請求項3に係る不燃耐火断熱パネルは、発
泡不燃断熱材、不燃性シート及び無機接着剤のいずれも
が、無機物質(セピオライト、炭酸カルシウム及び/ま
たは水酸化マグネシウム)を主成分とするため、完全な
不燃性を実現することができる。また、発泡不燃断熱材
が、発泡体(フォーム状)であるため、高い断熱性を付
与する。更に、発泡性無機接着剤が、発泡不燃断熱材と
不燃性シートとの接着部分でも不燃性を発揮し、更に、
耐火時にその接着部分から劣化することを防止する。一
方、主要部分である発泡不燃断熱材及び不燃性シートは
軽量である。更に、発泡不燃断熱材に不燃性シートを接
着する作業は容易であり、作業性が良好である。その結
果、不燃性、耐火性、断熱性等の特性をより高いレベル
で実現すると共に、大型パネルに適用した場合でも軽量
化の要請を満足し、かつ、製造コストを低減することが
できる。
【0203】加えて、発泡性無機接着剤が、発泡不燃断
熱材と不燃性シートとを接着した後、パネル使用時に、
火災等による熱により発泡して体積膨張する。その結
果、体積膨張した発泡性無機接着剤によっても不燃性発
揮部分を形成し、全体の不燃性を増大することができ
る。特に、体積膨張した発泡性無機接着剤は、発泡不燃
断熱材と不燃性シートとの接着部分を隙間なく充填して
接着し、両者の離脱、変形等を有効に防止する。その結
果、発泡不燃断熱材と不燃性シートとの接着部分の劣化
を防止し、所期の性能を維持及び発揮することができ
る。
【0204】更に、発泡不燃断熱材、不燃性シート及び
発泡性無機接着剤が、それぞれ、適度な柔軟性を有す
る。その結果、不燃耐火断熱パネル全体が柔軟性を有
し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊される
ことがない。
【0205】請求項4に係る不燃耐火断熱パネルは、請
求項1乃至3のいずれかの効果に加え、その全体の肉厚
(板厚)を請求項1乃至3のいずれかに係る不燃耐火断
熱パネルの場合より更に小さくすることができ、一層の
軽量化を図ることができる。
【0206】請求項5に係る不燃耐火断熱パネルは、請
求項1乃至3のいずれかの効果に加え、その全体の肉厚
(板厚)を請求項1乃至3のいずれかに係る不燃耐火断
熱パネルの場合より更に小さくすることができ、一層の
軽量化を図ることができる。
【0207】請求項6に係る不燃耐火断熱パネルは、請
求項2乃至5のいずれかの効果に加え、発泡性無機接着
剤を発泡不燃断熱材の厚さ方向側面全体に塗付したた
め、不燃性発揮部分としての耐火断熱層が発泡不燃断熱
材及び不燃性シートの接合面の略全体にわたって面状に
形成される。その結果、耐火時の火炎による入熱により
不燃性シート及び発泡不燃断熱材にクラックを生じた場
合でも、体積膨張した発泡性無機接着剤からなる不燃性
発揮部分により、そのクラックを埋めることができ、か
つ、不燃耐火断熱パネル全体の熱収縮を低減することが
できる。
【0208】請求項7に係る不燃耐火断熱パネルは、請
求項2乃至6のいずれかの効果に加え、不燃耐火断熱パ
ネル製造時に、予め、耐火断熱層が形成されるため、不
燃耐火断熱パネルの通常の使用時には、前記耐火断熱層
も不燃性、耐火性及び断熱性を発揮する。その結果、通
常時における全体の不燃性、耐火性及び断熱性をより向
上することができる。なお、発泡性無機接着剤による不
燃断熱層は、上記各請求項で述べたような作用及び効果
も発揮する。
【0209】請求項8に係る不燃耐火断熱パネルは、請
求項2乃至7のいずれかの効果に加え、発泡性無機接着
剤を、少なくとも、アルカリ珪酸塩と、未焼成バーミキ
ュライトと、合成雲母及び/または合成スメクタイト
と、溶媒としての水とから構成したため、接着剤溶液の
濃縮に伴い、合成雲母及び/または合成スメクタイトの
結晶鱗片相互が、内部にアルカリ珪酸塩を包含しなが
ら、未焼成バーミキュライトの微粉体の周囲に接近し、
ゲル化して固化する。同時に、アルカリ珪酸塩が脱水縮
合し、所期のバインダ機能を発揮して、接着力を発現す
る。
【0210】請求項9に係る不燃耐火断熱パネル用枠材
は、無機物質を主成分とする発泡不燃断熱材からなるた
め、不燃耐火断熱パネルの外周端面に固着した場合、そ
の外周部においても、不燃性、耐火性、断熱性等の特性
をより高いレベルで実現すると共に、大型パネルに適用
した場合でも軽量化の要請を満足し、かつ、製造コスト
を低減することができる。
【0211】請求項10に係る不燃耐火断熱パネル用枠
材は、無機物質を主成分とする発泡不燃断熱材、不燃性
シート及び発泡性無機接着剤からなるため、不燃耐火断
熱パネルの外周端面に固着した場合、その外周部におい
ても、断熱性、不燃性、耐火性等の特性をより高いレベ
ルで実現すると共に、大型パネルに適用した場合でも軽
量化の要請を満足し、かつ、製造コストを低減すること
ができる。
【0212】請求項11に係る不燃耐火断熱パネルは、
外周端面に固着した不燃耐火断熱パネル用枠材が、請求
項9または10の効果を発揮し、それ自身のみならず、
その外周部においても、不燃性、耐火性、断熱性等の特
性をより高いレベルで実現すると共に、大型パネルに適
用した場合でも軽量化の要請を満足し、かつ、製造コス
トを低減することができる。
【0213】請求項12に係る発泡不燃断熱材は、水酸
化マグネシウムが自己消化作用を発揮し、優れた断熱性
を有するのみならず、耐火性を向上することができる。
【0214】請求項13に係る発泡不燃断熱材の製造方
法は、養生した成形体を、80℃以上250℃以下の範
囲内の温度で再度加熱し、前記成形体中に含まれる有機
成分及び有機溶剤を強制的に脱気して除去するため、加
熱時または耐火時における発泡不燃断熱材からの塩ビ
臭、有機溶剤臭の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態1に係る不燃耐火
断熱パネルを示す斜視図である。
【図2】 図2は本発明の実施の形態1に係る不燃耐火
断熱パネルの要部を示す断面図である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態1に係る不燃耐火
断熱パネルの発泡性無機接着剤が発泡した状態を示す断
面図である。
【図4】 図4は本発明の実施の形態2に係る不燃耐火
断熱パネルの要部を示す断面図である。
【図5】 図5は本発明の実施の形態3に係る不燃耐火
断熱パネルの要部を示す断面図である。
【図6】 図6は本発明の実施の形態4に係る不燃耐火
断熱パネルの要部を示す断面図である。
【図7】 図7は本発明の実施の形態5に係る不燃耐火
断熱パネル用枠材を適用する不燃耐火断熱パネルを示す
斜視図である。
【図8】 図8は本発明の実施の形態5に係る不燃耐火
断熱パネル用枠材を適用する不燃耐火断熱パネルを示す
要部断面図である。
【図9】 図9は本発明の実施の形態5に係る不燃耐火
断熱パネル用枠材を適用した不燃耐火断熱パネルを示す
平面図である。
【図10】 図10は図9のX−X線断面図である。
【図11】 図11は本発明の実施の形態6に係る不燃
耐火断熱パネル用枠材を示す断面図である。
【図12】 図12は本発明の実施の形態7に係る不燃
耐火断熱パネル用枠材を示す断面図である。
【図13】 図13は本発明の実施の形態8に係る不燃
耐火断熱パネル用枠材を示す断面図である。
【図14】 図14は本発明の実施の形態9に係る発泡
不燃断熱材を示す要部断面図である。
【図15】 図15は本発明の実施例1の耐火試験結果
を比較例1の耐火試験結果と共に示す特性図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,100:不燃耐火断熱パネル 11,90,120:発泡不燃断熱材 12:不燃性シート 13,130:発泡性無機接着剤 14:耐火断熱層 50,60,70,80:不燃耐火断熱パネル用枠材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸野 英樹 岐阜県各務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内 (72)発明者 山田 直幸 岐阜県各務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内 Fターム(参考) 2E001 DD01 DE01 FA33 GA12 GA24 GA42 GA82 GA87 HC07 HD13 JA13 JA18 JA20 JA21 JA22 JA25 JA28 JB07 JC02 JD02 JD04 JD05 LA04 3H036 AA09 AB12 AB25 AC03 AE01 4F100 AA00A AA00B AA00C AA00D AA00G AA03 AA08 AA08A AA08D AA17A AA17D AB03 AC04B AC04C AG00 AK15 AK15A AK15D AK25 AK53 AT00B AT00C BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA10B BA10C BA13 CA01 CB00 DC02 DG01 DG02 DJ01A DJ01D DJ01G EH41B EH41C EH46 EJ02 EJ42 GB07 GB31 JJ02 JJ02A JJ02D JJ07 JJ07A JJ07B JJ07C JJ07D JL02 JL03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機物質を主成分として発泡成形された
    発泡不燃断熱材と、 無機物質を主成分として抄造され、前記発泡不燃断熱材
    の厚さ方向側面に接着された不燃性シートと、 無機物質を主成分とし、前記不燃性シートを前記発泡不
    燃断熱材の厚さ方向側面に接着する無機接着剤とを具備
    することを特徴とする不燃耐火断熱パネル。
  2. 【請求項2】 無機物質を主成分として発泡成形された
    発泡不燃断熱材と、 無機物質を主成分として抄造され、前記発泡不燃断熱材
    の厚さ方向側面に接着された不燃性シートと、 無機物質を主成分とし、前記不燃性シートを前記発泡不
    燃断熱材の厚さ方向側面に接着すると共に、加熱時に発
    泡する発泡性無機接着剤とを具備することを特徴とする
    不燃耐火断熱パネル。
  3. 【請求項3】 炭酸カルシウム及び/または水酸化マグ
    ネシウムを主成分とし、塩化ビニルをバインダーとして
    発泡成形された発泡不燃断熱材と、 セピオライトを主成分として抄造され、前記発泡不燃断
    熱材の厚さ方向側面に接着された不燃性シートと、 無機物質を主成分とし、前記不燃性シートを前記発泡不
    燃断熱材の厚さ方向側面に接着すると共に、加熱時に発
    泡する発泡性無機接着剤とを具備することを特徴とする
    不燃耐火断熱パネル。
  4. 【請求項4】 前記発泡不燃断熱材を複数積層して配置
    し、前記不燃性シートを、前記発泡不燃断熱材の内側面
    の間に介装して接着すると共に、最外側に位置する一対
    の前記発泡不燃断熱材の外側面にそれぞれ接着したこと
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の不
    燃耐火断熱パネル。
  5. 【請求項5】 前記発泡不燃断熱材の厚さ方向両側面
    に、それぞれ、前記不燃紙を複数積層して接着したこと
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の不
    燃耐火断熱パネル。
  6. 【請求項6】 前記発泡性無機接着剤は、前記発泡不燃
    断熱材の前記不燃性シートとの対向面の全体に塗付さ
    れ、加熱時に発泡して前記発泡不燃断熱材と前記不燃性
    シートとの間で体積膨張し、耐火断熱層を形成すること
    を特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の不
    燃耐火断熱パネル。
  7. 【請求項7】 前記発泡性無機接着剤は、前記発泡不燃
    断熱材と前記不燃性シートとを接合した後に予備加熱さ
    れ、発泡して前記発泡不燃断熱材と前記不燃性シートと
    の間で体積膨張し、耐火断熱層を形成することを特徴と
    する請求項2乃至6のいずれか1項に記載の不燃耐火断
    熱パネル。
  8. 【請求項8】 前記発泡性無機接着剤は、少なくとも、
    アルカリ珪酸塩と、未焼成バーミキュライトと、合成雲
    母及び/または合成スメクタイトと、溶媒としての水と
    からなることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1
    項に記載の不燃耐火断熱パネル。
  9. 【請求項9】 無機物質を主成分とする発泡不燃断熱材
    を、不燃耐火断熱材料よりなる不燃耐火断熱パネルの外
    周端面に固着される枠状に形成したことを特徴とする不
    燃耐火断熱パネル用枠材。
  10. 【請求項10】 不燃耐火断熱材料よりなる不燃耐火断
    熱パネルの外周端面に固着される枠状に形成した不燃耐
    火断熱パネル用枠材であって、 無機物質を主成分として発泡成形された発泡不燃断熱材
    と、 無機物質を主成分として抄造され、前記発泡不燃断熱材
    の厚さ方向側面に接着された不燃性シートと、 無機物質を主成分とし、前記不燃性シートを前記発泡不
    燃断熱材の厚さ方向側面に接着すると共に、加熱時に発
    泡する発泡性無機接着剤とを具備することを特徴とする
    不燃耐火断熱パネル用枠材。
  11. 【請求項11】 無機物質を主成分とする不燃シートか
    ら形成したハニカムコアと、無機物質を主成分として発
    泡成形され、前記ハニカムコアの厚さ方向側面に接着さ
    れる発泡不燃断熱材と、無機物質を主成分とし、前記発
    泡不燃断熱材を前記ハニカムコアの厚さ方向側面に接着
    すると共に、加熱時に発泡する発泡性無機接着剤とを有
    するパネル状に形成され、請求項9または請求項10の
    不燃耐火断熱パネル用枠材を外周端面に固着した不燃耐
    火断熱パネル。
  12. 【請求項12】 水酸化マグネシウム及び炭酸カルシウ
    ムを主成分として発泡成形してなる発泡不燃断熱材にお
    いて、 前記水酸化マグネシウムの含有量を40〜60重量%の
    範囲内としたことを特徴とする発泡不燃断熱材。
  13. 【請求項13】 主成分としての無機物質と、バインダ
    としての塩化ビニル系樹脂とを含む原料を、有機溶剤中
    で混練する原料混練工程と、 前記混練した原料を金型内に充填し、加熱して発泡させ
    る発泡成形工程と、 前記発泡した原料からなる成形体を養生する養生工程
    と、 前記養生した成形体を、80℃以上250℃以下の範囲
    内の温度で再度加熱し、前記成形体中に含まれる有機成
    分及び有機溶剤を強制的に脱気して除去する脱気除去工
    程とを具備することを特徴とする発泡不燃断熱材の製造
    方法。
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