JP2003055888A - 無機質シート材料、無機質複合材料及び無機質構造材 - Google Patents

無機質シート材料、無機質複合材料及び無機質構造材

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JP2003055888A
JP2003055888A JP2001244713A JP2001244713A JP2003055888A JP 2003055888 A JP2003055888 A JP 2003055888A JP 2001244713 A JP2001244713 A JP 2001244713A JP 2001244713 A JP2001244713 A JP 2001244713A JP 2003055888 A JP2003055888 A JP 2003055888A
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slurry
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Kyoichi Fujimoto
恭一 藤本
Kozo Hayashi
宏三 林
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Tokiwa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体の組成を実質的に無機質とすることがで
き、耐熱性、不燃性、耐火性を向上することができるよ
うにする。 【解決手段】 無機質シート材料は、主材としての無機
粉末及び/または無機繊維と、無機長繊維と、前記無機
粉末及び/または無機繊維と無機長繊維とを結合する内
添剤としての無機バインダとを含む。無機バインダは、
メタカオリンと、前記メタカオリンと反応する凝集剤と
からなる無機複合体より構成され、前記無機粉末及び/
または無機繊維と無機長繊維とを凝集して結合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主材としての無機
パウダを無機バインダにより結合した無機質シート材
料、無機パウダを主材として所定含水率のウェットシー
ト状に成形した無機質シート材料(無機質湿潤シート材
料)、その無機質湿潤シート材料を複数積層した無機質
複合材料、及び、その無機質湿潤シート材料をハニカム
コア状等の所定形状に付形した無機質構造材に関する。
【0002】
【従来の技術】[湿式抄造による無機質材料の製造]従
来、無機粉末(無機パウダ)、無機繊維等を主材とした
無機質材料は、耐火性、不燃性等に優れ、また、燃焼に
よる有毒ガスの発生がない等の数々の利点を有すること
から、建材、自動車用の触媒フィルタ等の材料として使
用される。特に、無機質材料をシート状に成形して無機
質シートを製造し、この無機質シートをハニカムコア
状、デルタコア状等の所定形状に付形して、前記建材、
触媒フィルタ等に適用する場合も多い。この場合の無機
質シートは、一般に、湿式抄造によりシート状に成形さ
れる。具体的には、主材としての無機粉末、無機繊維
と、添加剤としての凝集剤、充填剤等とを、水中に分散
混合して希釈水溶液(スラリー)を調製する。次に、こ
のスラリーを丸網、長網等の抄網上に流し込んで濾過
し、湿潤ウェブを形成する。そして、この湿潤ウェブを
脱水及び乾燥して、シート状物を得る。
【0003】ここで、無機粉末を主材として使用する場
合、無機粉末の粒径が大きすぎると、無機粉末が抄網の
目に詰まり、濾過が困難となる。一方、粒径が小さすぎ
ると、無機粉末が抄網を通過して流出する。よって、い
ずれの場合も、目的とする湿潤ウェブの形成が困難とな
る。したがって、従来は、無機粉末を担持する担体とし
て、長繊維からなる有機繊維及び/または無機繊維(担
体繊維)をスラリーに適量配合し、スラリー中で凝集剤
(バインダ)により無機粉末を担体繊維に吸着及び凝集
して粗大フロックを形成し、この粗大フロックを抄網に
より抄き取って湿潤ウェブを形成している。なお、前記
凝集剤としては、主に、有機高分子材料が使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】[担体繊維の要求及び
無機粉末の流出]従来の無機質シート材料は、上記のよ
うに、主材が無機粉末や無機繊維からなるため、優れた
耐熱性、不燃性を発揮する。一方、主材を凝集及び結合
する凝集剤(バインダ)として、有機高分子材料を使用
するため、バインダ成分に関しては、耐熱温度が主材よ
り低くなってしまう。よって、従来の無機質シート材料
は、耐熱性、不燃性、耐火性の点で改善する余地があ
る。
【0005】また、従来は、上記のように、無機質シー
ト材料の主材として無機粉末を使用する場合、一定量以
上の担体繊維を必ず配合する必要がある。しかし、担体
繊維の配合量をできるだけ少なくし、主材としての無機
粉末等の配合比を相対的に大きくすることができれば、
最終的に得られる無機質シート材料の特性として、主材
としての無機粉末等の特性を極めて有効に利用すること
ができ、好都合である。
【0006】即ち、従来の技術では、実質的に無機粉末
のみを主材とする無機質シート材料を製造することはで
きない。また、担体繊維を使用する場合でも、投入した
無機粉末の全量を担体繊維に吸着させることは困難であ
り、スラリー中に単独で浮遊する相当量の無機粉末が抄
造時に抄網を通過及び流出してしまう。更に、無機粉末
以外の材料についても、抄造時にその相当の部分が抄網
を通過及び流出してしまう。したがって、従来の技術
は、無機粉末等の投入材料の全てを湿潤ウェブの形成に
使用することはできず、歩留まりの点で改善する余地が
ある。更にまた、従来の技術では、抄造後の湿潤ウェ
ブ、ひいては、目的物としての無機質シート材料におい
て無機粉末の密度を高くするには限界がある。
【0007】そこで、本発明は、全体の組成を実質的に
無機質とすることができ、耐熱性、不燃性、耐火性を向
上することができる無機質シート材料、無機質複合材料
及び無機質構造材の提供を課題とする。
【0008】また、本発明は、主材としての無機粉末を
高密度に充填することができる無機質シート材料、無機
質複合材料及び無機質構造材の提供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る無機質シ
ート材料は、主材としての無機粉末及び/または無機繊
維と、メタカオリンと、前記メタカオリンと反応する凝
集剤とからなる無機複合体より構成され、前記無機粉末
及び/または無機繊維を凝集して互いに結合する内添剤
としての無機バインダとを必須成分として含有するスラ
リーを、シート状に形成してなるものである。
【0010】請求項1に係る無機質シート材料は、主材
及び主材を結合するバインダが共に無機質であるため、
全体の組成を実質的に無機質とすることができ、耐熱
性、不燃性、耐火性を向上することができる。
【0011】請求項2に係る無機質シート材料は、主材
としての無機粉末及び/または無機繊維と、前記無機粉
末及び/または無機繊維を担持する無機長繊維と、メタ
カオリンと、前記メタカオリンと反応する凝集剤とから
なる無機複合体より構成され、前記無機粉末及び/また
は無機繊維と前記無機長繊維とを凝集して結合する内添
剤としての無機バインダとを必須成分として含有するス
ラリーを、シート状に形成してなるものである。
【0012】請求項2に係る無機質シート材料は、請求
項1に係る無機質シート材料に、主材としての無機粉末
及び/または無機繊維を担持する無機長繊維を配合した
ものである。したがって、請求項2に係る無機質シート
材料は、主材、無機長繊維及びそれらを結合するバイン
ダが全て無機質であるため、全体の組成を実質的に無機
質とすることができ、耐熱性、不燃性、耐火性を向上す
ることができる。
【0013】請求項2に係る無機質シート材料は、例え
ば、従来の湿式抄造法により製造することができる。こ
の場合、まず、(必要な場合は解繊等の必要な処理を施
した後で)主材としての無機粉末及び/または無機繊維
と無機長繊維とを希釈水中に分散して分散液(主材分散
液)を得る。次に、原料混合工程で、この主材分散液に
無機バインダを混合して、スラリーを調製する。このと
き、無機バインダとしては、メタカオリンと凝集剤とを
予め反応させた分散液状のものを使用することが好まし
い。例えば、分散媒としての水中でメタカオリン及び凝
集剤を分散し、予めそれらを反応させて無機複合体を形
成する。そして、この無機複合体の分散液を主材分散液
に投入して混合し、混合原料液(スラリー)を得る。こ
れにより、無機複合体が主材分散液中の主材及び無機長
繊維と反応する。即ち、混合原料液中で、無機複合体が
主材及び無機長繊維の表面に付着し、それらが凝集して
フロックを形成する(集束化工程)。このとき、無機複
合体と主材及び無機長繊維との反応が均一に行われるよ
う、混合原料液を攪拌する等、必要な処理を行う。
【0014】そして、このスラリーの分散状態を均一に
維持したまま、抄造機の抄具(長網等の抄網)に上方か
ら流入させる(抄造工程)。これにより、前記フロック
を介してスラリー中の水分が抄具の網から速やかに流下
すると共に、フロックが抄具の網上に絡め取られて均一
な厚さで積層し、紙層(湿潤ウェブ)を形成する。その
後、この紙層をプレス及び乾燥することにより、紙層内
部の水分が流出及び蒸発して除去されると共に、無機バ
インダによる主材と無機長繊維との凝集及び結合が促進
される。そして、紙層が乾燥固化し、主材と無機長繊維
とが無機バインダを介して強固に結合した無機質シート
材料が形成される。このとき、上記凝集反応を概念的に
見ると、無機長繊維同士が絡み有った交点部分に、無機
粉体等の主材が無機バインダを介して付着し、その交点
部分で強固な結合が行われることにより、均一な厚さ
で、かつ、均一かつ強固な紙力の無機質シート材料が形
成される。なお、上記のような抄造法を利用する場合、
希釈水の分量は、重量比で、主材等の原料の100倍以
上とする。
【0015】請求項3に係る無機質シート材料は、請求
項1または2の構成において、前記メタカオリンと反応
する凝集剤が、アルカリ金属ケイ酸塩、コロイダルシリ
カ及び無機リン酸塩の少なくともいずれか1種を含有す
る。
【0016】したがって、請求項3に係る無機質シート
材料では、メタカオリンとアルカリ金属ケイ酸塩、コロ
イダルシリカ及び無機リン酸塩の少なくともいずれか1
種とが反応して凝集し、前記無機複合体が生成される。
この場合、例えば、前記凝集剤を溶媒または分散媒とし
ての水中に溶解または分散し、この水溶液または分散液
中にメタカオリンを混合して、メタカオリンと凝集剤と
を反応させる。これにより、メタカオリンが、アルカリ
金属ケイ酸塩、コロイダルシリカまたは無機リン酸塩と
反応して凝集し、無機複合体を形成する。なお、前記無
機リン酸塩としては、重リン酸アルミニウム等のリン酸
アルミニウムを好適に使用することができる。
【0017】ここで、メタカオリンは、カオリナイトを
約500〜600℃で熱処理してその構造水を揮散させ
ることにより得られるものである。このカオリナイト
は、層状の格子が積み重なった積層構造を有し、その粒
子は板状をなす。板状の粒子のエッジ部分には正及び負
の吸着サイトが存在し、プレート面(表裏面)には負の
吸着サイトが存在する。よって、例えば、請求項3に係
る無機質シート材料を上記抄造法により製造する場合、
アルカリ金属ケイ酸塩またはコロイダルシリカの水溶液
または分散液のようなアルカリ域では、メタカオリンの
表面にアルカリ金属ケイ酸塩またはコロイダルシリカの
シリカ(SiO)が吸着して結合する。
【0018】なお、このとき、アルカリ金属ケイ酸塩の
アルカリ金属は、メタカオリン粒子の表面から比較的容
易に解離及び溶出するため、ホウ酸亜鉛等の硬化剤(定
着助剤)により固定することが好ましい。硬化剤として
ホウ酸亜鉛を使用する場合、ホウ酸亜鉛のホウ酸及び亜
鉛がアルカリ金属と反応して結合し、アルカリ金属を固
定する。
【0019】一方、無機リン酸塩の水溶液または分散液
のような酸性域では、メタカオリンの表面に無機リン酸
塩が吸着して結合する。なお、このとき、リン酸アルミ
ニウム等の無機リン酸塩は、メタカオリン粒子の表面か
ら比較的容易に解離及び溶出する傾向にあるため、酸化
マグネシウム等の硬化剤(触媒としての定着助剤)によ
り固定することが好ましい。
【0020】なお、前記メタカオリンとアルカリ金属ケ
イ酸塩との無機複合体、または、メタカオリンとコロイ
ダルシリカとの無機複合体は、抄造後は、非常に強固で
高い強度の硬化体を構成する。同様に、メタカオリンと
無機リン酸塩との無機複合体も、抄造後は、非常に強固
で高い強度の硬化体を構成する。
【0021】請求項4に係る無機質シート材料は、請求
項1または2の構成において、前記メタカオリンと反応
する凝集剤が、第1の凝集剤としてのアルカリ金属ケイ
酸塩またはコロイダルシリカと、第2の凝集剤としての
リン酸アルミニウムとを含有する。
【0022】したがって、請求項4に係る無機質シート
材料では、メタカオリンと、アルカリ金属ケイ酸塩また
はコロイダルシリカと、リン酸アルミニウムとが反応し
て凝集し、前記無機複合体が生成される。この場合、例
えば、前記アルカリ金属ケイ酸塩またはコロイダルシリ
カを溶媒または分散媒としての水中に溶解または分散
し、この水溶液または分散液中にメタカオリンを混合し
て、メタカオリンとアルカリ金属ケイ酸塩またはコロイ
ダルシリカとを反応させる。これにより、メタカオリン
が、アルカリ金属ケイ酸塩またはコロイダルシリカと反
応して凝集し、無機複合体を形成する。なお、この無機
複合体の分散液を、上記のように、主材の分散液に投入
して混合することにより、無機複合体が主材と反応し、
それらが凝集してフロックを形成する(集束化工程)。
そして、この水溶液または分散液中に、リン酸アルミニ
ウムを混合することにより、リン酸アルミニウムが、メ
タカオリン及びアルカリ金属ケイ酸塩またはコロイダル
シリカの無機複合体と反応して凝集する。
【0023】なお、前記メタカオリンとアルカリ金属ケ
イ酸塩またはコロイダルシリカとの無機複合体は、抄造
後は、非常に強固で高い強度の硬化体を構成する。同様
に、メタカオリンとリン酸アルミニウムとの無機複合体
も、抄造後は、非常に強固で高い強度の硬化体を構成す
る。
【0024】請求項5に係る無機質シート材料は、請求
項3または4の構成において、前記メタカオリンと反応
する凝集剤が、少なくともアルカリ金属ケイ酸塩を含有
し、更に、前記アルカリ金属ケイ酸塩のアルカリ金属と
反応して前記アルカリ金属を固定するホウ酸亜鉛を含有
する。
【0025】したがって、請求項5に係る無機質シート
材料は、上記のような抄造時に、ホウ酸亜鉛のホウ酸及
び亜鉛がアルカリ金属ケイ酸塩のアルカリ金属と反応し
て結合し、アルカリ金属をメタカオリンに固定する。よ
って、アルカリ金属ケイ酸塩のアルカリ金属が、メタカ
オリン粒子の表面から解離及び溶出することを防止でき
る。
【0026】請求項6に係る無機質シート材料は、請求
項3または4の構成において、前記メタカオリンと反応
する凝集剤が、少なくともリン酸アルミニウムを含有
し、更に、前記リン酸アルミニウムと反応して前記リン
酸アルミニウムを固定する酸化マグネシウム、水酸化マ
グネシウム、ブルーサイト、雲母雲母及び改質処理済ロ
ックウールの少なくともいずれか1種を含有する。
【0027】ここで、一般的なロックウールは、原料鉱
石を溶融炉(キュポラ)で溶融し、その溶融材料を繊維
化して製造される。一方、“改質処理済ロックウール”
は、一般的なロックウールに対して、その物性を改善す
るための処理を施したロックウール(engineered rock
wool)を言い、例えば、上記のような一般的なロックウ
ールを純化(purifying)または清浄化(cleaning)
し、かつ、(例えば、コーティング剤またはカップリン
グ剤による)表面処理(surface-treatment)を施すこ
とにより製造したものを言う。この改質処理済ロックウ
ールは、一般的なロックウールとは異なる新規な構造を
有し、改質処理により化学組成や繊維長等の繊維物性を
制御可能である。また、改質処理済ロックウールは、化
学組成、純度、繊維長及び繊維径にばらつきが無い。更
に、改質処理済ロックウールは、非常に短い繊維であ
り、ごく低いショット含有量で容易に分散する繊維であ
る。加えて、改質処理済ロックウールは、発がん物質と
しての分類にも入らず、高い安全性を有する。更にま
た、改質処理済ロックウールは、多量の無機繊維の使用
を可能とし、温度特性を向上し、寸法安定性や表面の滑
らかさを改善するものである。
【0028】したがって、請求項6に係る無機質シート
材料は、上記のような抄造時に、まず、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、ブルーサイト、雲母及び改質
処理済ロックウールの少なくともいずれか1種が、リン
酸アルミニウムをメタカオリンに固定する。よって、リ
ン酸アルミニウムがメタカオリン粒子の表面から解離及
び溶出することを防止できる。特に、改質処理済ロック
ウールの場合、リン酸アルミニウムと混合することによ
り、リン酸アルミニウムと発熱反応を起こして固化し、
リン酸アルミニウムのメタカオリンへの固定を促進す
る。なお、改質処理済ロックウールは、前記無機長繊維
として配合することができる。
【0029】請求項7に係る無機質シート材料は、請求
項4の構成において、前記メタカオリンと反応する凝集
剤が、少なくともアルカリ金属ケイ酸塩とリン酸アルミ
ニウムとを含有し、更に、前記アルカリ金属ケイ酸塩の
アルカリ金属を固定するホウ酸亜鉛からなる第1の硬化
剤と、前記リン酸アルミニウムを固定する酸化マグネシ
ウム、水酸化マグネシウム、ブルーサイト、雲母及び改
質処理済ロックウールの少なくともいずれか1種からな
る第2の硬化剤とを含有する。
【0030】したがって、請求項7に係る無機質シート
材料は、上記のような抄造時に、まず、第1の硬化剤と
してのホウ酸亜鉛のホウ酸及び亜鉛がアルカリ金属ケイ
酸塩のアルカリ金属と反応して結合し、アルカリ金属を
メタカオリンに固定する。よって、アルカリ金属ケイ酸
塩のアルカリ金属が、メタカオリン粒子の表面から解離
及び溶出することを防止できる。また、第2の硬化剤と
しての酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ブルー
サイト、雲母及び改質処理済ロックウールの少なくとも
いずれか1種が、リン酸アルミニウムをメタカオリンに
固定する。よって、リン酸アルミニウムがメタカオリン
粒子の表面から解離及び溶出することを防止できる。特
に、改質処理済ロックウールの場合、リン酸アルミニウ
ムと混合することにより、リン酸アルミニウムと発熱反
応を起こして固化し、リン酸アルミニウムのメタカオリ
ンへの固定を促進する。なお、改質処理済ロックウール
は、前記無機長繊維として配合することができる。
【0031】請求項8に係る無機質シート材料は、請求
項1乃至7のいずれかの構成において、前記主材とし
て、セピオライト及びブルーサイトの少なくともいずれ
か1種を含有する。
【0032】したがって、主材としてのセピオライトま
たはブルーサイトは、その高い反応性により、前記無機
バインダを介して互いに容易に凝集してフロックを形成
する。即ち、セピオライトは、一般に、繊維状または鱗
片状をなす含水ケイ酸マグネシウム鉱物であり、その表
面に水酸基を有して、スラリー中において優れた分散
性、なじみ性等の諸特性を発揮すると共に、無機バイン
ダによる凝集時に、優れた吸着性及び固結性等の諸特性
を発揮する。よって、上記抄造法等により、容易にシー
トを形成することができ、かつ、形成されたシートは十
分な紙力を有する。一方、ブルーサイトは、一般に、不
定形板状(偏平状)をなす水酸化マグネシウム鉱物であ
り、その表面に水酸基を有して、スラリー中において優
れた分散性、なじみ性等の諸特性を発揮すると共に、無
機バインダによる凝集時に、優れた吸着性及び固結性等
の諸特性を発揮する。
【0033】請求項9に係る無機質シート材料は、請求
項1乃至8のいずれかの構成において、前記主材として
の無機粉末及び/または無機繊維と前記無機バインダと
に水を加えて混練することによりペースト状のスラリー
を調製し、そのスラリーをウェットシート状に成形して
なるものである。
【0034】請求項9の無機質シート材料は、無機粉末
及び/または無機繊維と無機バインダとに水を加えて混
練することにより、ペースト状のスラリーを調製するこ
とができる。この混練中に、無機バインダによる無機粉
末及び/または無機繊維同士の結合、凝集等の化学反応
が進行する。このとき、投入した材料の全て、即ち、無
機粉末及び/または無機繊維と無機バインダとからなる
材料の全てをスラリーの調製に使用することができる。
即ち、従来の湿式抄造法の場合のように投入材料の抄網
(抄具)からの流出といった事態は発生しない。
【0035】特に、主材として無機粉末を使用する場
合、ペースト状のスラリー中で無機粉末同士を無機バイ
ンダにより直接結合できるため、スラリーに必ずしも担
体繊維を配合する必要がない。したがって、実質的に無
機粉末のみを主材とする無機質湿潤材料の製造が可能と
なる。加えて、上記のように、投入材料の全て、即ち、
投入した無機粉末の全てを、スラリーの調製、ひいては
目的物としての無機質湿潤材料の形成に使用することが
できるため、無機質湿潤材料において無機粉末の密度を
非常に高くすることができる。
【0036】ここで、主材としては、無機粉末または無
機繊維のいずれか一方のみを使用してもよく、または、
その両方を同時に使用してもよい。更に、全体として、
不燃性、難燃性等、無機質材料としての特性を維持でき
る限りにおいて、有機粉末及び/または有機繊維を主材
として追加的に配合してもよい。無機粉末のみを主材と
する場合、(主材としてではなく充填剤としての)無機
繊維及び/または有機繊維を配合してもよい。この場合
の無機繊維及び/または有機繊維は、湿式抄造の場合の
ように無機粉末を担持する担体繊維として用いるわけで
はなく、単に、目的物としての無機質湿潤材料への強度
付与等の目的で使用する。このため、その配合量は、無
機質湿潤材料への強度付与等の目的の範囲内で最小限使
用すればよい。また、無論、その他の添加剤、充填剤等
を配合してもよい。
【0037】更に、無機粉末は、従来例(湿式抄造)の
場合のように抄網からの脱落を考慮する必要がないた
め、その粒径は任意であり、例えば、1ミクロン未満の
微粒子状とすることもできる。更にまた、従来の湿式抄
造法の場合、粗大粒子状の無機粉末を使用すると抄網に
目詰まりを起こす可能性があるが、請求項8の無機質シ
ート材料では、かかる事情を考慮しなくてもよいため、
例えば、500ミクロン以上の粗大粒子状の無機粉末を
使用することもできる。また、無機繊維を使用する場合
も、同様の理由から、その繊維径及び繊維長は任意であ
る。なお、本明細書中における「粉末」は、繊維状以外
の全ての形状のものを含む意味で使用する。
【0038】無機バインダは、メタカオリンと、前記メ
タカオリンと反応する凝集剤とからなる無機複合体より
構成され、前記無機粉末及び/または無機繊維を凝集し
て互いに結合できる限りにおいて、任意のものを使用す
ることができる。なお、本明細書中における「バイン
ダ」は、凝集剤も含む意味で使用する。
【0039】スラリー調製のために加える水の配合量
は、スラリーをペースト状とすることができる限りにお
いて最小限の量とすればよい。通常は、材料に対して2
倍以下の水を配合する。また、混練には任意の混練装置
を使用することができる。更に、目的物としてのウェッ
トシート状の無機質シート材料は、通常想定される肉厚
のシート状の他、厚肉のシート状(ボード状)に成形す
ることもできる。また、無機質シート材料をハニカムコ
ア状、デルタコア状、コルゲートコア状、パイプ状等、
任意の形状に二次成形することもできる。更に、所定形
状への成形には、押出成形、ローラ延伸による成形等、
任意の成形手段を使用することができる。
【0040】請求項10に係る無機質シート材料は、請
求項1乃至8のいずれかの構成において、前記主材とし
ての無機粉末及び/または無機繊維と前記無機長繊維と
前記無機バインダとに水を加えて混練することによりペ
ースト状のスラリーを調製し、そのスラリーをウェット
シート状に成形してなるものである。
【0041】したがって、請求項10の無機質シート材
料は、無機粉末及び/または無機繊維と無機長繊維と無
機バインダとに水を加えて混練することにより、ペース
ト状のスラリーを調製することができる。この混練中
に、無機バインダによる無機粉末及び/または無機繊維
と無機長繊維との結合、凝集等の化学反応が進行する。
このとき、投入した材料の全て、即ち、無機粉末及び/
または無機繊維と無機長繊維と無機バインダとからなる
材料の全てをスラリーの調製に使用することができる。
即ち、従来の湿式抄造法の場合のように投入材料の抄網
(抄具)からの流出といった事態は発生しない。
【0042】請求項11に係る無機質シート材料は、請
求項9の構成において、前記主材として前記無機粉末以
外の成分を実質的に含まず、前記主材としての無機粉末
と前記無機バインダとに水を加えて混練することにより
ペースト状のスラリーを調製し、そのスラリーをウェッ
トシート状に成形してなるものである。
【0043】したがって、請求項11に係る無機質シー
ト材料は、無機粉末と無機バインダとに水を加えて混練
することにより、ペースト状のスラリーを調製すること
ができる。この混練中に、無機バインダによる無機粉末
同士の結合、凝集等の化学反応が進行する。このとき、
投入した材料の全て、即ち、無機粉末と無機バインダと
からなる材料の全てをスラリーの調製に使用することが
できる。即ち、従来例の湿式抄造法の場合のように投入
材料の抄網からの流出といった事態は発生しない。
【0044】特に、主材としての無機粉末同士を、ペー
スト状のスラリー中で無機バインダにより直接結合でき
るため、スラリーに担体繊維を配合する必要がない。し
たがって、実質的に無機粉末のみを主材とする無機質湿
潤材料の製造が可能となる。加えて、上記のように、投
入材料の全て、即ち、投入した無機粉末の全てをスラリ
ーの調製、ひいては目的物としてのウェットシート状の
無機質シート材料の形成に使用することができるため、
無機質シート材料において無機粉末の密度を非常に高く
することができる。
【0045】請求項12に係る無機質シート材料は、請
求項9乃至11のいずれかの構成において、更に、発泡
剤を配合して前記スラリーを調製したものである。
【0046】したがって、請求項12に係る無機質シー
ト材料は、発泡剤を内部に含むウェットシート状の無機
質シート材料となる。よって、請求項12に係る無機質
シート材料は、請求項9乃至11のいずれかに記載の特
性及び効果に加えて、成形後の加熱等により、内部の発
泡剤が発泡して体積膨張し、発泡体を構成するという特
性及び効果を発揮する。この発泡体も当然無機質であ
り、高い耐火性、不燃性等の諸特性を有する。また、発
泡体であることから、内部に多数形成される微小空間
(セル)により高い断熱性を発揮する。
【0047】請求項13に係る無機質シート材料は、請
求項9乃至12のいずれか1項記載の無機質シート材料
を複数用意すると共に、各無機質シート材料に配合する
成分の種類及び/または組成を相違させて、各無機質シ
ート材料の物性を相違させ、これら物性の異なる複数の
無機質シート材料を互いに積層してなるものである。
【0048】したがって、請求項13に係る無機質複合
材料は、各ウェットシート状の無機質シート材料が有す
る物性を各層毎に発揮する。例えば、請求項12に係る
発泡性の無機質シート材料を第1層として配置し、第1
層の厚さ方向一側面または両側面に、請求項9、10、
または11に係る無機質シート材料を第2層または第3
層として配置する。これにより、第1層により請求項1
2で述べたような耐火性及び断熱性等の諸特性を発揮す
ると共に、第2層または第3層により、請求項9、1
0、または11で述べたような耐火性等の諸特性を発揮
する、いわゆる傾斜性を持った無機質複合材料を提供す
ることができる。
【0049】請求項14に係る無機質構造材は、請求項
9乃至11のいずれか1項記載の無機質シート材料を付
形して、ハニカムコア状、デルタコア状、コルゲートコ
ア状のいずれかの形状としたものである。
【0050】したがって、請求項14に係る無機質構造
材は、原材料シートとしての請求項8乃至10のいずれ
かの無機質シート材料を、湾曲、屈曲等して付形するこ
とにより、ハニカムコアの一部構成単位(断面台形状の
部分を連続したコルゲート板状物)や、デルタコアの中
芯(断面三角形状の部分を連続した板状物)またはコル
ゲートコアの中芯(波板)を容易に製造することができ
る。また、ハニカムコアの一部構成単位を厚さ方向に接
合して、ハニカムコア状の無機質構造材を容易に製造す
ることができる。更に、デルタコアまたはコルゲートコ
アの中芯の厚さ方向一側面または両側面に、例えば、平
板シート状とした請求項8、9または10記載の無機質
シート材料を接合することにより、デルタコア状または
コルゲートコア状の無機質構造材を容易に製造すること
ができる。なお、無機質構造材の製造においては、所定
形状へと付形したウェットシート状の無機質シート材料
を乾燥した後で、上記の接合作業を行うことが好まし
い。
【0051】上記湾曲、屈曲等の付形作業において、原
材料シートとしての無機質シート材料は、湿潤シート
(ウェットシート)であり、付形が非常に容易である。
また、通常の無機質構造材の形成に使用する乾燥シート
材料では、その硬度によっては、湾曲、屈曲等の付形に
伴い、亀裂、破断などの不具合を生じる可能性もある。
しかし、請求項13では、上記のように、湿潤シートを
原材料シートとして使用するため、このような不具合は
ない。
【0052】なお、湿潤シートの湾曲、屈曲等による付
形作業は、ハニカムコア形状、デルタコアの中芯形状
等、目的の無機質構造材の形状に対応するプレス面形状
を有する上型及び下型を使用して行うことができる。例
えば、デルタコア状の無機質構造材を形成する場合、断
面三角形状が一定方向に多数連続する断面鋸歯形状のプ
レス面を有する上型及び下型を使用し、それら上型及び
下型の間で湿潤シートをプレスして、デルタコアの中芯
に対応する所定形状に付形する。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 1.実施の形態1 [概要]実施の形態1に係る無機質シート材料は、主材
としての無機粉末及び/または無機繊維と、内添剤とし
ての無機バインダとを必須成分として含有する。無機バ
インダは、メタカオリンと、前記メタカオリンと反応す
る凝集剤とからなる無機複合体より構成され、前記主材
としての無機粉末及び/または無機繊維を凝集して互い
に結合する。実施の形態1に係る無機質シート材料は、
従来と同様の湿式抄造法により製造することができる。
或いは、実施の形態1に係る無機質シート材料は、前記
無機粉末及び/または無機繊維と前記無機バインダとに
水を加えて混練することによりペースト状のスラリーを
調製し、そのスラリーをロール延伸等によりウェットシ
ート状に成形して製造することもできる。
【0054】[無機粉末(主材)]実施の形態1では、
主材として、無機粉末または無機繊維のいずれか一方の
みを使用してもよく、または、その両方を同時に使用し
てもよい。ここで、「粉末」とは、その形状が、繊維状
以外の全ての形状のものをいい、略球形状以外にも、板
状、鱗片状等、種々の形状のものを含む。無機粉末とし
ては、必要とする無機質湿潤材料の物性等に応じて、粘
土鉱物等の無機天然物粉末、無機化合物粉末、セラミッ
ク粉末、金属粉末等、各種の無機粉末を使用することが
できる。また、各種無機粉末を適宜組み合わせて使用し
てもよい。
【0055】例えば、無機質シート材料に、耐火性、不
燃性等の諸特性に加えて、調湿性または吸湿性、微生物
吸着性等の吸着性能を付与するため、無機粉末として、
セピオライト(鱗片状)、ベントナイト(板状)、スメ
クタイト(板状)、合成スメクタイト(板状)、バーミ
キュライト(板状)、合成膨潤性雲母(板状)等の吸着
性を有する無機粉末を使用することができる。なお、セ
ピオライトは、含水ケイ酸マグネシウム粘土鉱物であ
り、一般に、繊維状のものが従来の湿式抄造によるシー
ト状物の製造に使用される。しかし、ここでは、主材と
しての無機粉末としては、不定形鱗片状(結晶度β型)
のセピオライトを使用する。
【0056】更に、例えば、無機質シート材料に、耐火
性、不燃性等の諸特性に加えて、自己消化性を付与する
ため、主材としての無機粉末として、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、ブルーサイト、含水ホウ酸カ
ルシウム(灰硼石)、炭酸カルシウム等の自己消化性を
有する無機粉末を使用することもできる。なお、ブルー
サイトは、水酸化マグネシウム鉱物であり、原石をジェ
ット粉砕機等で微粒子状に粉砕した不定形板状(偏平
状)の粒子形態のものを使用することができる。また、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムまたはブルー
サイトの場合、加熱に対しては、構造水が揮散すること
により自己消化性を発揮する。よって、構造水が揮散し
た後の自己消化性は期待できない。一方、炭酸カルシウ
ムは、約500℃で分解し、炭酸ガスを放出し、自己消
化性を発揮する。よって、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウムまたはブルーサイト等のように、構造水に
より自己消化性を発揮する第1の主材成分と、炭酸カル
シウムのように炭酸ガスにより自己消化性を発揮する第
2の主材成分とを混合することが好ましい。この場合、
加熱に対して、まず、第1の主材成分の構造水が揮散し
て自己消化性を発揮する。次いで、構造水が全て揮散し
た後は、第2の主材成分の炭酸ガスが放出され、更なる
自己消化性を発揮する。
【0057】更にまた、牡蠣殻等の貝殻を粉砕して得た
貝殻粉、牛骨等の骨を粉砕して得た骨粉、卵殻を粉砕し
て得た卵殻粉等の炭酸カルシウム粉末を、主材としての
無機粉末として使用することもできる。この場合、一般
に廃棄される貝殻等を材料として有効かつ大量に再利用
することができ、資源循環、省資源等の点で、持続可能
な環境適応型社会の形成に寄与することができる。
【0058】なお、主材としては、無機質シート材料の
製造時のシート成形性、製造後の紙力、不燃性等の点
で、セピオライト及びブルーサイトの少なくともいずれ
か1種を配合することが好ましい。主材としてのセピオ
ライトまたはブルーサイトは、その高い反応性により、
前記無機バインダを介して互いに容易に凝集してフロッ
クを形成する。即ち、セピオライトは、一般に、繊維状
または鱗片状をなす含水ケイ酸マグネシウム鉱物であ
り、その表面に水酸基を有して、スラリー中において優
れた分散性、なじみ性等の諸特性を発揮すると共に、無
機バインダによる凝集時に、優れた吸着性及び固結性等
の諸特性を発揮する。よって、上記抄造法等により、容
易にシートを形成することができ、かつ、形成されたシ
ートは十分な紙力を有する。一方、ブルーサイトは、一
般に、不定形板状(偏平状)をなす水酸化マグネシウム
鉱物であり、その表面に水酸基を有して、スラリー中に
おいて優れた分散性、なじみ性等の諸特性を発揮すると
共に、無機バインダによる凝集時に、優れた吸着性及び
固結性等の諸特性を発揮する。
【0059】更に、無機質シート材料をペースト状のス
ラリーから成形する場合、主材としての無機粉末は、従
来の湿式抄造の場合のように抄網からの脱落を考慮する
必要がないため、その粒径は任意であり、例えば、1ミ
クロン未満の微粒子状とすることもできる。更にまた、
従来例の湿式抄造の場合、粗大粒子状の無機粉末を使用
すると抄網に目詰まりを起こす可能性があるが、無機質
シート材料をペースト状のスラリーから成形する場合、
かかる事情を考慮しなくてもよいため、例えば、500
ミクロン以上の粗大粒子状の無機粉末を使用することも
できる。また、無機繊維を使用する場合も、同様の理由
から、その繊維径及び繊維長は任意である。
【0060】[無機繊維(主材)]主材としての無機繊
維としては、必要とする無機質湿潤材料の物性等に応じ
て、粘土鉱物等の無機天然物繊維、無機化合物繊維、セ
ラミック繊維、金属繊維等、各種の無機繊維を使用する
ことができる。また、各種無機繊維を適宜組み合わせて
使用してもよい。例えば、無機質シート材料に、耐火
性、不燃性等の諸特性に加えて、調湿性または吸湿性、
微生物吸着性等の吸着性能を付与するため、無機粉末と
して、セピオライト(繊維状)、アタパルジャイト(繊
維状)、パリゴルスカイト(繊維状)等の吸着性を有す
る無機繊維を使用することができる。なお、この場合の
セピオライトとしては、繊維状(結晶度α型)のものを
使用する。
【0061】[無機長繊維]無機長繊維としては、主材
としての無機粉末及び/または無機繊維を担持すること
ができる限りにおいて、一般に使用される任意の無機質
担体長繊維を使用することができる。例えば、ガラス繊
維、ロックウール繊維等の鉱物繊維、ステンレス繊維等
の金属繊維、チタン酸カリウム繊維等のセラミック繊維
またはウィスカー、石膏繊維等の無機化合物繊維等を使
用することができる。ただし、材料コスト等の点から
は、これらの中でもロックウール、ガラス繊維が好まし
い。そして、これらの無機質繊維は、無機質シート材料
全体に対して、3〜50重量%の割合で配合することが
好ましい。なお、担体長繊維として、無機長繊維に加
え、若干の有機長繊維を配合することもできる。かかる
有機長繊維としては、木材パルプ、またはこれを難燃化
したリン酸パルプ、アラミド繊維、ビニロン繊維等の織
物繊維等の有機質繊維を使用することができる。しか
し、その配合量は、無機質シート材料における不燃性、
耐火性、及び熱分解後の保形性等を十分なものとするた
めに、無機質シート材料全体に対して10重量%以下で
あることが好ましく、更には、5重量%以下がより好ま
しい。
【0062】また、無機長繊維として、改質処理済ロッ
クウール(engineered rock wool)を使用することがで
きる。この改質処理済ロックウールは、一般的なロック
ウールに対して、その物性を改善するための処理を施し
たロックウールを言い、例えば、上記のような一般的な
ロックウールを純化または清浄化し、かつ、(例えば、
コーティング剤またはカップリング剤による)表面処理
を施すことにより製造したものを言う。この改質処理済
ロックウールは、一般的なロックウールとは異なる新規
な構造を有し、改質処理により化学組成や繊維長等の繊
維物性を制御可能である。また、改質処理済ロックウー
ルは、化学組成、純度、繊維長及び繊維径にばらつきが
無い。更に、改質処理済ロックウールは、非常に短い繊
維であり、ごく低いショット含有量で容易に分散する繊
維である。加えて、改質処理済ロックウールは、発がん
物質としての分類にも入らず、高い安全性を有する。更
にまた、改質処理済ロックウールは、多量の無機繊維の
使用を可能とし、温度特性を向上し、寸法安定性や表面
の滑らかさを改善するものである。かかる改質処理済ロ
ックウールとしては、ラピナスファイバーズBV(Lapi
nus Fibres BV)社のロックウール製品であるラピナス
ロックシールRS400−ロクスル1000(Lapinus
Rockseal RS 400-Roxul 1000)を好適に使用することが
できる。このロックウールは、平均繊維径(数値平均)
5.5ミクロン、平均繊維径(質量平均)9.0ミクロ
ン、平均比表面積0.20m/g、平均繊維長125
±25ミクロンという構造を有する。また、このロック
ウールの組成は、SiOが38.0〜42.0%、A
が19.5〜23.5%、CaOが15.0
(最低)〜19.0(最高)%、MgOが7.0〜1
1.0%、FeOが4.5〜8.0%、その他の成分が
最高16.0%となっている。また、このロックウール
の物性は、硬度がビッカース硬さで645N/mm
融点が1000℃以上、燃焼損失が最大で0.3%、含
水率が最大で0.1%、比密度が2.75±0.15g
/cmとなっている。
【0063】[その他の主材(有機粉末/有機繊維)及
び充填剤等]更に、全体として、不燃性、難燃性等、無
機質材料としての特性を維持できる限りにおいて、有機
粉末及び/または有機繊維を主材として追加的に配合し
てもよい。例えば、木材パルプ等の天然セルロース繊
維、アラミド繊維等の合成繊維を主材として配合しても
よい。
【0064】無機質シート材料をペースト状のスラリー
から成形する場合、主材として無機繊維を配合せず、無
機粉末のみを主材として使用することもできる。この場
合、(主材としてではなく)充填剤として無機繊維及び
/または有機繊維を配合してもよい。この場合の無機繊
維及び/または有機繊維は、湿式抄造の場合のように無
機粉末を担持する担体繊維として用いるわけではなく、
単に、目的物としての無機質湿潤材料への強度付与等の
目的で使用する。無論、充填剤としての無機繊維を配合
した場合、無機粉末の一部が無機繊維及び/または有機
繊維に吸着し、結果的に無機繊維及び/または有機繊維
に担持されることもあるが、この場合でも、無機粉末の
結合には担体繊維としての無機繊維及び/または有機繊
維の存在は不要である(無機バインダにより無機粉末同
士を結合することができる)。このため、無機繊維及び
/または有機繊維の配合量は、無機質シート材料への強
度付与等の目的の範囲内で最小限使用すればよい。例え
ば、従来の湿式抄造では、無機粉末の抄造には、通常、
担体繊維を5〜10重量%配合する必要があるが、無機
質シート材料をペースト状のスラリーから成形する場
合、充填剤としての無機繊維及び/または有機繊維の配
合量は、5重量%未満、例えば、1重量%未満としても、
所期の効果を得ることができる。更に、その配合量をゼ
ロとし、主材として無機粉末を100%使用することも
できる。
【0065】また、本実施の形態では、無論、その他の
添加剤、充填剤等を配合してもよい。例えば、補強繊維
として、ガラス繊維、ロックウール繊維等の鉱物繊維、
ステンレス繊維等の金属繊維、チタン酸カリウム繊維等
のセラミック繊維またはウィスカー、石膏繊維等の無機
化合物繊維等を使用することができる。ただし、材料コ
スト等の点からは、これらの中でもガラス繊維が最適で
ある。そして、これらの無機質繊維は、無機質シート材
料全体に対して、一般に3〜50重量%の割合で配合す
ることができる。
【0066】更に、補強繊維としては、無機質繊維だけ
でなく、木材パルプ、またはこれを難燃化したリン酸パ
ルプ、アラミド繊維、ビニロン繊維等の織物繊維等の有
機質繊維も使用することができる。しかし、その配合量
は、不燃性、耐火性、及び熱分解後の保形性等を十分な
ものとするために、無機質シート材料全体に対して10
重量%以下であることが好ましく、更には、5重量%以
下がより好ましい。
【0067】更にまた、これらの補強繊維の他にも、必
要に応じて、各種の無機質フィラを配合することができ
る。そのような無機質フィラとしては、水酸化アルミニ
ム、含水ホウ酸カルシウム(灰硼石)、水酸化マグネシ
ウム(ブルーサイト)、炭酸カルシウム等の自己消火性
を有する無機質粉体が特に好ましい。なお、この場合
も、上記自己消化性の主材の場合と同様、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウムまたはブルーサイト等のよ
うに、構造水により自己消化性を発揮する第1の無機質
フィラ成分と、炭酸カルシウムのように炭酸ガスにより
自己消化性を発揮する第2の無機質フィラ成分とを混合
することが好ましい。また、コロイダルシリカ等の結合
性の無機質フィラ、バーミキュライト、合成膨潤性雲母
または合成スメクタイト等の板状粒子も、無機質シート
材料に強度を与えるために好ましい。ただし、これらの
無機質フィラは、主材としての無機粉末及び/または無
機繊維の特性を阻害しない程度に比較的少ない割合で使
用することが好ましい。更に、充填剤として、シラスバ
ルーン、シリカバルーン、ガラスバルーン等の微小中空
球(バルーン)を配合して軽量化を図ることもできる。
【0068】[無機バインダ]無機バインダは、上記の
ように、メタカオリン及び前記メタカオリンと反応する
凝集剤からなる無機複合体より構成される。具体的に
は、メタカオリンと、メタカオリンと反応する所定の凝
集剤とを溶媒または分散媒としての水中で混合すること
により、それらを予め反応(凝集)させる。このとき、
水中で、メタカオリン及び凝集剤が凝集して無機複合体
を形成する。そして、かかる無機バインダ液(液中の無
機複合体)を主材のバインダ(凝集剤)として使用す
る。なお、前記メタカオリンと反応する凝集剤として
は、メタカオリンと反応して無機複合体を形成し、主材
としての無機粉末及び/または無機繊維同士、或いは、
主材としての無機粉末及び/または無機繊維と無機長繊
維とを凝集して互いに結合できる限りにおいて、任意の
ものを使用することができる。なお、本明細書中におけ
る「バインダ」は、凝集剤も含む意味で使用する。
【0069】前記メタカオリンと反応する凝集剤として
は、アルカリ金属ケイ酸塩、コロイダルシリカ及び無機
リン酸塩の少なくともいずれか1種を使用することが好
ましい。即ち、これらを単独で、或いは、適宜組み合わ
せて使用することが好ましい。アルカリ金属ケイ酸塩と
しては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リ
チウム等のケイ酸アルカリ金属塩、ケイ酸カルシウム、
ケイ酸マグネシウム等のケイ酸アルカリ土類金属塩、ま
たは、ケイ酸アルミニウム等、任意のものを使用できる
が、製造コスト、結合力等の点から、ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸ソーダまたはケイ酸リチウムのいずれかを単
独で、或いは、適宜組み合わせて使用することが好まし
い。アルカリケイ酸塩としては、例えば、愛知珪曹
(株)製のケイ酸ナトリウム3号を好適に使用すること
ができる。無機リン酸塩としては、任意のものを使用で
きるが、製造コスト、結合力等の点から、重リン酸アル
ミニウム等のリン酸アルミニウムを使用することが好ま
しい。
【0070】また、前記メタカオリンと反応する凝集剤
としては、第1の凝集剤としてのアルカリ金属ケイ酸塩
またはコロイダルシリカと、第2の凝集剤としてのリン
酸アルミニウムとを併せて使用することが好ましい。メ
タカオリンとアルカリ金属ケイ酸塩またはコロイダルシ
リカとの無機複合体に対してリン酸アルミニウムを添加
すると、急速な凝集を得ることができ、この凝集によっ
て無機長繊維と主材との接合にメタカオリンの無機複合
体を有効に用いることができる。更に、前記メタカオリ
ンと反応する凝集剤として少なくともアルカリ金属ケイ
酸塩を含有する場合、前記アルカリ金属ケイ酸塩のアル
カリ金属と反応して前記アルカリ金属を固定するホウ酸
亜鉛を配合することが好ましい。更にまた、前記メタカ
オリンと反応する凝集剤として、リン酸アルミニウムを
含有する場合、前記リン酸アルミニウムと反応してリン
酸アルミニウムを固定する硬化剤を配合することが好ま
しい。メタカオリンと反応する凝集剤として少なくとも
アルカリ金属ケイ酸塩とリン酸アルミニウムとを含有す
る場合は、アルカリ金属ケイ酸塩のアルカリ金属を固定
するホウ酸亜鉛からなる第1の硬化剤と、前記リン酸ア
ルミニウムを固定する第2の硬化剤とを配合することが
好ましい。なお、リン酸アルミニウムを固定する硬化剤
としては、リン酸アルミニウムを固定する任意のものを
使用でき、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム、ブルーサイト、雲母(マイカ)及び改質処理済ロ
ックウールの少なくともいずれか1種等を好適に使用す
ることができる。
【0071】[有機バインダ]上記無機バインダに加え
て、有機バインダを配合することもできる。有機バイン
ダは、主材としての無機粉末及び/または無機繊維同
士、或いは、主材としての無機粉末及び/または無機繊
維と無機長繊維とを凝集して結合できる限りにおいて、
任意のものを使用することができる。バインダとして
は、グアーガム、でんぷん等の天然高分子化合物も使用
可能であるが、好ましくは、合成物である合成樹脂が使
用される。そして、合成樹脂としては、熱可塑性樹脂と
熱硬化性樹脂脂のいずれも適宜に用いることができ、好
ましくは、スラリー調整時に凝集剤としても作用するカ
チオン系、アニオン系、またはノニオン系のものが使用
される。熱可塑性樹脂は、主に、無機質シート材料の乾
燥時のシート力(乾燥紙力)を高めるもので、例えば、
ポリアミド、またはポリアクリルアミド等のアクリル系
樹脂、ポリエステル樹脂等を好適に使用することができ
る。また、熱硬化性樹脂は、主に、無機質シート材料の
湿潤時のシート力(湿潤紙力)を高めるもので、例え
ば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムア
ルデヒド樹脂、エピクロルヒドリン系ポリアミド樹脂等
を好適に使用することができる。そして、これらの高分
子化合物からなる有機バインダはそれぞれ単独で、また
は、適宜組み合わせて使用することができるが、十分な
不燃性を得るため、無機質シート材料全体に対して一般
に5重量%までの割合となるように調製することが好ま
しい。
【0072】具体的には、有機バインダとして、ノニオ
ン系であるポリエチレンオキシド(PEO)の水溶液
(例えば0.5%水溶液)、ポリビニルアルコール(P
VA)の水溶液(例えば10%水溶液)、熱可塑性樹脂
であるポリエステルの水性エマルジョン(20%)等を
それぞれ単独で、或いは適宜組み合わせて使用すること
ができる。また、強カチオン性ポリマーとしてのジメチ
ルアミノエチルメタクリレート(DMAEM)と強アニ
オン性ポリマーとしてアクリルアミドアクリル酸共重合
体(AA)とを組み合わせて使用することもできる。こ
れらの凝集剤は、液状の高分子ポリマーである。なお、
一般に、「強カチオン性ポリマー」、「強アニオン性ポ
リマー」の厳密な定義はないが、本明細書では、「強カ
チオン性ポリマー」とは、カチオンが3.5meq/g 以上
のものをいうものとし、また、「強アニオン性ポリマ
ー」とは、アニオン性高分子凝集剤の種類が限定されて
いるので、一般的な用途からイオン性を判断して、水中
でアニオンに解離する割合が20%以上即ち解離してい
ない割合が80%以下のものをいうものとする。
【0073】更に、第1バインダー(シート力増強用)
としての熱可塑性樹脂である分子量80万〜100万の
PAA(ポリアクリルアミド)と、第2バインダー(凝
集性、耐水性付与用)としての網目状の三次元構造を持
った熱硬化性樹脂のEPA(ポリアミドポリアミンエピ
クロルヒドリン)と、第3バインダーとしてのアニオン
性の熱可塑性樹脂からなる凝集剤としてのAA(アクリ
ルアミドアクリル酸共重合体)と、第4バインダーとし
てのカチオン性の熱可塑性樹脂からなる凝集剤としての
DMAEM(ジメチルアミノエチルメタクリレート)を
併用することもできる。この場合、第1〜第4バインダ
ーは、PAA、EPA、AA及びDMAEMの順に添加
することが好ましい。カチオン性のジメチルアミノエチ
ルメタクリレート(DMAEM)及びアニオン性のアク
リルアミドアクリル酸共重合体(AA)としては、それ
ぞれ、1%水溶液を使用することができる。
【0074】[製造方法(その1)]次に、実施の形態
1に係る無機質シート材料の製造方法(その1)につい
て説明する。無機質シート材料の製造方法(その1)
は、従来と同様の湿式抄造法により無機質シート材料を
製造するものである。詳細には、まず、必要な場合は解
繊等の必要な処理を施した後で、主材としての無機粉末
(例えばセピオライト)と無機長繊維(例えばロックウ
ール)とを希釈水中に分散して分散液(主材分散液)を
得る。次に、原料混合工程で、この主材分散液に無機バ
インダを混合して、スラリーを調製する。このとき、無
機バインダとしては、メタカオリンと凝集剤(例えばア
ルカリ金属ケイ酸塩水溶液としてのケイ酸ナトリウム水
溶液等)とを予め反応させた分散液状のものを使用する
ことが好ましい。例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液中に
メタカオリンを分散し、予めそれらを反応させて無機複
合体を形成する。このとき、メタカオリンとケイ酸ナト
リウムとが反応して凝集し、前記無機複合体が生成され
る。そして、この無機複合体の分散液を主材分散液に投
入して混合し、混合原料液(スラリー)を得る。これに
より、無機複合体が主材分散液中の主材及び無機長繊維
と反応する。即ち、混合原料液中で、無機複合体が主材
及び無機長繊維の表面に付着し、それらが凝集してフロ
ックを形成する(集束化工程)。このとき、無機複合体
と主材及び無機長繊維との反応が均一に行われるよう、
混合原料液を攪拌する等、必要な処理を行う。更に、こ
のスラリー中に、無機リン酸塩(例えばリン酸アルミニ
ウム)を混合することにより、リン酸アルミニウムが、
無機複合体のメタカオリン及び/またはケイ酸ナトリウ
ムと反応して凝集する。
【0075】ここで、メタカオリンは、カオリナイトを
約500〜600℃で熱処理してその構造水を揮散させ
ることにより得られるものである。このカオリナイト
は、層状の格子が積み重なった積層構造を有し、その粒
子は板状をなす。板状の粒子のエッジ部分には正及び負
の吸着サイトが存在し、プレート面(表裏面)には負の
吸着サイトが存在する。よって、例えば、無機質シート
材料を上記のように湿式抄造法により製造する場合、ケ
イ酸ナトリウム水溶液のようなアルカリ域では、メタカ
オリンの表面にケイ酸ナトリウムのシリカ(SiO
が吸着して結合し、メタカオリンの各粒子のエッジ部分
及びプレート面が負に帯電する。
【0076】なお、このとき、ケイ酸ナトリウムのアル
カリ金属(ナトリウム)は、メタカオリン粒子の表面か
ら比較的容易に解離及び溶出するため、ホウ酸亜鉛等の
硬化剤または定着剤(第1の硬化剤または第1の定着助
剤)により固定することが好ましい。例えば、上記メタ
カオリンとアルカリ金属ケイ酸塩(ケイ酸ナトリウム)
との混合時または混合後に、第1の硬化剤としてホウ酸
亜鉛を配合する。この場合、ホウ酸亜鉛のホウ酸及び亜
鉛がアルカリ金属(ナトリウム)と反応して結合し、ナ
トリウムをメタカオリンに固定する。即ち、上記のよう
に、ケイ酸塩に対してホウ酸亜鉛を混合した場合、ケイ
酸塩のシリカがメタカオリンと反応して硬化すると共
に、ホウ酸亜鉛がケイ酸塩の金属と反応して金属を固定
し、全体が硬化する。ここで、ホウ酸亜鉛は、ケイ酸ナ
トリウム等のアルカリケイ酸塩に対して5〜10%の割
合で配合すると一層効果的である。
【0077】一方、リン酸アルミニウムの水溶液または
分散液のような酸性域では、メタカオリンの表面にリン
酸アルミニウムが吸着して結合し、メタカオリンの各粒
子のエッジ部分が正に帯電する。なお、このとき、リン
酸アルミニウムは、メタカオリン粒子の表面から比較的
容易に解離及び溶出する傾向にあるため、酸化マグネシ
ウム等の硬化剤または定着剤(第2の硬化剤または触媒
としての第2の定着助剤)により固定することが好まし
い。例えば、上記メタカオリン及びケイ酸ナトリウムの
混合液へのリン酸アルミニウムの混合時または混合後
に、第2の硬化剤として酸化マグネシウムを配合する。
この場合、酸化マグネシウムがリン酸アルミニウムをメ
タカオリンに固定する。即ち、上記のように、リン酸ア
ルミニウムに対して酸化マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム、ブルーサイト及び雲母の少なくとも1種を混合し
た場合、リン酸アルミニウムがメタカオリンと反応して
硬化すると共に、酸化マグネシウム等の硬化剤がリン酸
アルミニウムと反応してリン酸アルミニウムを固定し、
全体が硬化する。よって、リン酸アルミニウムがメタカ
オリン粒子の表面から解離及び溶出することを防止でき
る。
【0078】特に、改質処理済ロックウールの場合、リ
ン酸アルミニウムと混合することにより、リン酸アルミ
ニウムと発熱反応を起こして固化し、リン酸アルミニウ
ムのメタカオリンへの固定を促進する。詳細には、リン
酸アルミニウムのリン酸により改質処理済ロックウール
の表面が溶解し、リン酸アルミニウムのリン酸と改質処
理済ロックウールのMgO(酸化マグネシウム)とが反
応する。なお、改質処理済ロックウールは、前記無機長
繊維として配合することができる。この場合、改質処理
済ロックウールは、リン酸アルミニウムの混合前に既に
無機粉末(主材)との混合水溶液または混合分散液中に
配合されている。よって、酸化マグネシウム等の場合の
ように、新たな硬化剤を用意する必要はなく、全体の材
料の種類を削減して、製造コストを低減することができ
る。
【0079】なお、本発明では、メタカオリンと反応す
る凝集剤として、ケイ酸塩を配合することなく、リン酸
アルミニウムを単独で使用することも可能である。この
場合、リン酸アルミニウムの硬化剤(酸化マグネシウム
等)は、メタカオリンとリン酸アルミニウムとの混合時
または混合後に配合する。すると、上記と同様にして、
リン酸アルミニウムがメタカオリンと反応して硬化する
と共に、酸化マグネシウム等の硬化剤がリン酸アルミニ
ウムと反応してリン酸アルミニウムを固定し、全体が硬
化する。
【0080】更に、本発明では、メタカオリンと反応す
る凝集剤として、リン酸アルミニウムを配合することな
く、ケイ酸塩またはコロイダルシリカの一方を単独で使
用することも可能である。なお、メタカオリンと反応す
る凝集剤としてコロイダルシリカを単独で使用する場
合、上記ケイ酸塩やリン酸アルミニウムの場合のような
硬化剤(ホウ酸亜鉛、酸化マグネシウム等)は不要であ
る。即ち、コロイダルシリカの水溶液または分散液にメ
タカオリンを配合すると、コロイダルシリカがメタカオ
リンと反応して硬化する。
【0081】更にまた、本発明では、無機バインダの各
成分の配合順序として、上記の配合順序以外にも、各成
分の反応を妨げない限りにおいて任意の配合順序とする
ことができる。例えば、ケイ酸塩水溶液とホウ酸亜鉛等
の第1の硬化剤との混合液(第1の混合液)を用意する
と共に、リン酸アルミニウムと酸化マグネシウム等の第
2の硬化剤との混合液(第2の混合液)を用意し、第1
の混合液、第2の混合液及びメタカオリンを任意の順序
で混合することもできる。いずれの場合も、各成分の
(シリカ等との)反応が容易に行われる。
【0082】そして、上記スラリーの分散状態を均一に
維持したまま、抄造機の抄具(長網等の抄網)に上方か
ら流入させる(抄造工程)。これにより、前記フロック
を介してスラリー中の水分が抄具の網から速やかに流下
すると共に、フロックが抄具の網上に絡め取られて均一
な厚さで積層し、紙層(湿潤ウェブ)を形成する。その
後、この紙層をプレス及び乾燥することにより、紙層内
部の水分が流出及び蒸発して除去されると共に、無機バ
インダによる主材と無機長繊維との凝集及び結合が促進
される。そして、紙層が乾燥固化し、主材と無機長繊維
とが無機バインダを介して強固に結合した無機質シート
材料が形成される。このとき、上記凝集反応を概念的に
見ると、無機長繊維同士が絡み有った交点部分に、無機
粉体等の主材が無機バインダを介して付着し、その交点
部分で強固な結合が行われることにより、均一な厚さ
で、かつ、均一かつ強固な紙力の無機質シート材料が形
成される。なお、上記のような抄造法を利用する場合、
希釈水の分量は、重量比で、主材等の原料の100倍以
上とする。
【0083】なお、抄造後は、前記メタカオリン等から
なる無機複合体は、主材と無機長繊維の交点部分で、非
常に強固で高い強度の硬化体を構成し、主材と無機長繊
維とを強固に結合する。また、その硬化体は水に不溶と
なる。
【0084】[製造方法(その2)]次に、実施の形態
1に係る無機質シート材料の製造方法(その2)につい
て説明する。無機質シート材料の製造方法(その2)
は、ペースト状のスラリーを使用した方法であり、前記
無機粉末及び/または無機繊維(並びに無機長繊維)と
前記無機バインダとに水を加えて混練することによりペ
ースト状のスラリーを調製し、そのスラリーをロール延
伸等によりウェットシート状に成形して製造するもので
ある。なお、原料の混合順序等を含むスラリーの調製方
法は、スラリーに配合する水の量が少ないことを除き、
上記製造方法(その1)の場合と同様である。
【0085】{原料混合工程}まず、主材としての無機
粉末及び/または無機繊維と、(必要な場合、担体繊維
としての無機長繊維と)、内添剤としての無機バインダ
(メタカオリン、アルカリ金属ケイ酸塩、リン酸アルミ
ニウム)とを混合し、これらに水を加える。なお、必要
な場合、硬化剤としてのホウ酸亜鉛及び酸化マグネシウ
ム等を更に配合する。これらの混合順序は、上記製造方
法(その1)の場合と同様である。このときに加える水
の量(配合量)は、後段の混練工程(スラリー調製工
程)でスラリーをペースト状とすることができる限りに
おいて最小限の量とすればよい。ここで、湿式抄造で
は、スラリー中の水の配合量は、少なくとも材料(固形
分)の10〜100倍程度(好ましくは100倍以
上)、通常は97重量%以上であり、スラリー(希釈水
溶液)中に主材等を均一に分散して抄造を可能にするた
め、80重量%未満とすることは困難である。しかし、
本製造方法(その2)では、水は、主材等を溶解または
分散する溶媒または分散媒としてではなく、主材等を混
練してペースト状のスラリーを得るために配合する。よ
って、本製造方法(その2)では、水の配合量は、例え
ば、材料の2倍以下とすることができる。特に、上記の
ように、無機バインダとしてのメタカオリンと各種材料
とを反応させる場合、非常に少ない水量で上記混合ペー
ストを作成することができる。
【0086】{混練工程(スラリー調製工程)}次に、
原料混合工程において水を加えた主材及び無機バインダ
等からなる混合材料を混練してペースト状(高粘度流動
体状)のスラリーを調製する。このとき、混合材料の混
練によるスラリーの調製は、任意の混練装置を使用する
ことができる。なお、前記主材、無機長繊維、無機バイ
ンダ等の反応は、前記原料混合工程からこの混練工程に
かけて発生する。このとき、例えば、前記無機長繊維と
して改質処理済ロックウールを使用し、前記凝集剤とし
てリン酸アルミニウムを使用する場合、リン酸アルミニ
ウムと改質処理済ロックウールとの混合比は、リン酸ア
ルミニウム100重量部に対して、改質処理済ロックウ
ールを5〜20重両部とすることが好ましい。
【0087】{成形工程}次に、目的物としてのウェッ
トシート状の無機質シート材料を得るため、混練工程で
得たスラリーをシート状に延伸成形する。このとき、ス
ラリーの延伸成形には、スラリーを所定のシート形状に
付形できる限りにおいて、任意の成形手段を使用するこ
とができる。例えば、押出成形機及びローラ延伸装置
(カレンダー圧延装置等)を併用し、スラリーを押出成
形機のダイ(吐出口)から所定厚さの一次シート形状に
押し出した後、その押出した一次シート形状のスラリー
をローラ延伸装置の延伸ローラにより、必要とする厚さ
のシート状(二次シート形状)に延伸成形することがで
きる。なお、押出成形機またはローラ延伸装置を単独で
使用し、シート状物を成形することもできる。更に、延
伸方法としては、一軸延伸(縦延伸若しくは横延伸)ま
たは二軸延伸(縦横延伸)等を使用することができる。
【0088】更に、このとき、延伸ローラの表面にスラ
リーの一部が付着して剥ぎ取れられる等の不具合を防止
するための手段を設けることが好ましい。例えば、延伸
ローラの表面にテフロン(登録商標)加工等の非粘着加
工を施すことにより、延伸ローラ表面へのスラリーの粘
着を防止することができる。或いは、延伸ローラを加熱
し、接触するスラリー表面から内部の水分を蒸発させる
ことにより、延伸ローラ表面とスラリー表面との間に水
分膜(分離膜)を形成して、延伸ローラ表面へのスラリ
ーの粘着を防止することもできる。或いは、シート状の
スラリーの両面にビニルフィルム等の保護フィルムを配
置して、延伸ローラ表面へのスラリーの粘着を防止する
こともできる。
【0089】なお、本実施の形態の無機質湿潤材料は、
通常想定される肉厚のシート状の他、厚肉のシート状
(ボード状)に成形することもできる。ウェットシート
状の無機質シート材料は、二次成形により、ハニカムコ
ア状、デルタコア状、コルゲートコア状、パイプ状等、
多種多様な形状に付形したり、それらを接合して更に多
種多様な形状を提供したりすることができるため、シー
ト状物からなる製品の原材料シートとして好適に使用で
きる。また、所定形状への成形には、押出成形、ローラ
延伸による成形等、任意の成形手段を使用することがで
きる。
【0090】[作用]実施の形態1に係る無機質シート
材料は、主材、無機長繊維及び主材と無機長繊維とを結
合する無機バインダが全て無機質であるため、全体の組
成を実質的に無機質とすることができ、耐熱性、不燃
性、耐火性を向上することができる。また、ペースト状
のスラリーをウェットシート状に成形してなる無機質シ
ート材料の場合、無機粉末及び/または無機繊維とバイ
ンダとに水を加えて混練することにより、ペースト状の
スラリーを調製することができる。この混練中に、バイ
ンダによる無機粉末及び/または無機繊維同士の結合、
凝集等の化学反応が進行する。このとき、投入した材料
の全て、即ち、無機粉末及び/または無機繊維とバイン
ダとからなる材料の全てをスラリーの調製に使用するこ
とができる。即ち、従来の湿式抄造の場合のように投入
材料の抄網からの流出といった事態は発生しない。
【0091】特に、主材として無機粉末を使用する場
合、ペースト状のスラリー中で無機粉末同士を無機バイ
ンダにより直接結合できるため、スラリーに必ずしも担
体繊維を配合する必要がない。したがって、実質的に無
機粉末のみを主材とする無機質シート材料の製造が可能
となる。加えて、上記のように、投入材料の全て、即
ち、投入した無機粉末の全てをスラリーの調製、ひいて
は目的物としての無機質シート材料の形成に使用するこ
とができるため、無機質シート材料において無機粉末の
密度を非常に高くすることができる。即ち、ペースト状
のスラリーをウェットシート状に成形してなる無機質シ
ート材料の場合、主材としての無機粉末と、前記無機粉
末を結合する内添剤としての無機バインダとを含み、か
つ、主材として前記無機粉末以外の成分を実質的に含ま
ないよう構成することができる。その結果、実質的に無
機粉末のみを主材とすることができ、投入材料の全てを
目的物の形成に使用することができ、無機粉末を高密度
に充填することができる。
【0092】[用途]上記ウェットシート状の無機質シ
ート材料は、そのまま加熱乾燥することにより、通常の
不燃性シートと同様に使用することができる。更に、ウ
ェットシート状の無機質シート材料(無機質湿潤シート
材料)は、ハニカムコア状、デルタコア状、コルゲート
コア状、パイプ状等、任意の形状に付形(二次成形)す
ることも容易である。例えば、無機質湿潤シート材料
を、湾曲、屈曲等して付形することにより、ハニカムコ
アの一部構成単位(断面台形状の部分を連続したコルゲ
ート板状物)を形成する。そして、この一部構成単位を
多数厚さ方向に積層して接着等により接合することによ
り、ハニカムコア状の無機質構造材を容易に製造するこ
とができる。或いは、無機質湿潤シート材料を、湾曲、
屈曲等して付形することにより、デルタコアの中芯(断
面三角形状の部分を連続した板状物)またはコルゲート
コアの中芯(波板)を形成する。そして、デルタコアま
たはコルゲートコアの中芯の厚さ方向一側面または両側
面に、例えば、平板シート状とした無機質湿潤シート材
料を接着等により接合することにより、デルタコア状ま
たはコルゲートコア状の無機質構造材を容易に製造する
ことができる。なお、無機質構造材の製造においては、
上記のような所定形状へと付形した無機質湿潤シート材
料を加熱乾燥した後で、上記の接合作業を行うことが好
ましい。
【0093】上記湾曲、屈曲等の付形作業において、原
材料シートとしての無機質湿潤材料は、湿潤シート(ウ
ェットシート)であり、付形が非常に容易である。ま
た、通常の無機質構造材の形成に使用する乾燥シート材
料では、その硬度によっては、湾曲、屈曲等の付形に伴
い、亀裂、破断などの不具合を生じる可能性もある。し
かし、上記のように、無機質湿潤シート材料を原材料シ
ートとして使用した場合、このような不具合はなく、ハ
ニカムコア状等の所定立体形状へと、容易、安全、か
つ、確実に二次成形することができる。
【0094】なお、湿潤シートの湾曲、屈曲等による付
形作業は、ハニカムコア形状、デルタコアの中芯形状
等、目的の無機質構造材の形状に対応するプレス面形状
を有する上型及び下型を使用して行うことができる。例
えば、デルタコア状の無機質構造材を形成する場合、断
面三角形状が一定方向に多数連続する断面鋸歯形状のプ
レス面を有する上型及び下型を使用し、それら上型及び
下型の間で湿潤シートをプレスして、デルタコアの中芯
に対応する所定形状に付形する。
【0095】2.実施の形態2 [概要]実施の形態2に係る無機質シート材料は、実施
の形態1に係るウェットシート状の無機質シート材料の
組成に、更に、発泡剤を配合して前記ペースト状のスラ
リーを調製したものである。発泡剤としては、有機質発
泡剤及び/または無機質発泡剤を使用することができ
る。実施の形態2に係る無機質シート材料は、発泡剤を
内部に含む無機質湿潤シート材料となる。よって、この
無機質湿潤シート材料は、実施の形態1に記載のウェッ
トシート状の無機質シート材料の特性及び効果に加え
て、成形後の加熱等により、内部の発泡剤が発泡して体
積膨張し、発泡体を構成するという特性及び効果を発揮
する。この発泡体も当然無機質であり、高い耐火性、不
燃性等の諸特性を有する。また、発泡体であることか
ら、内部に多数形成される微小気泡空間(セル)により
高い断熱性を発揮する。
【0096】[発泡性無機接着シート]また、実施の形
態2に係る無機質湿潤シート材料は、例えば、以下に示
すように、発泡性及び接着性を備えた無機質湿潤シート
材料(発泡性無機接着シート)として具体化することも
できる。即ち、主材(骨材)としてのシリカ及びバイン
ダ(結合剤)としての酸化マグネシウムを主成分とし
て、実施の形態1で述べた方法によりペースト状のスラ
リーを調製し、そのスラリーをシート状に成形して発泡
性無機接着シートを製造することができる。具体的に
は、この発泡性無機接着シートは、例えば、主材として
のアルカリケイ酸塩と、バインダとしての未焼成バーミ
キュライトと、同じくバインダとしての合成雲母及び/
または合成スメクタイトとを混合し、この混合物に水を
加えて混練することによりスラリーを調製し、そのスラ
リーをシート状に成形して製造することができる。
【0097】前記アルカリケイ酸塩としては、ケイ酸ナ
トリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム等のケイ酸
アルカリ金属塩、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウ
ム等のケイ酸アルカリ土類金属塩、または、ケイ酸アル
ミニウム等を使用することができる。また、前記未焼成
バーミキュライトは、橄欖岩が熱水変質して生じた鉱物
であり、高温に加熱すると膨張するという特性を有する
ものである。
【0098】前記合成雲母及び合成スメクタイトは同様
の特性を有するものであり、その一方または両方を前記
アルカリケイ酸塩及び未焼成バーミキュライトと共に使
用することができる。合成雲母としては、フッ素金雲母
等の合成フッ素雲母を例示することができるが、固液反
応により合成した微粉ナトリウム・フッ素雲母を使用す
ることが好ましい。かかる合成雲母は、高いコロイド形
成能、フィルム形成能、イオン交換能、MB吸着能を有
し、層間に無機・有機物を挟み入れて複合体を形成する
という特性を有する。
【0099】合成雲母をアルカリケイ酸塩水溶液(例え
ばケイ酸ナトリウム水溶液)に混合攪拌して分散する
と、合成雲母は、水分を層間に吸着して膨潤し、層間の
ナトリウムイオン等の陽イオンを水中に溶解放出して、
微細にへき壊し始める。その後、合成雲母の結晶は、層
間部分が陰イオンに帯電し、鱗片の反対側の面が陽イオ
ンに帯電する。そして、陰イオンに帯電した合成雲母の
層間に、ケイ酸ナトリウムのナトリウムイオンが電気的
に吸引され、複合化する。即ち、合成雲母の吸着能及び
イオン交換能により、コロイド及び複合体を形成するこ
とができる。
【0100】ここで、スメクタイトは、モンモリロナイ
トとも呼ばれ、酸性白土、ベントナイトの主成分をなす
2:1粘土鉱物である。スメクタイトは、格子が電荷を
帯びており、水やアルコールで溶媒和すると膨潤すると
共に、粒子径が小さいため分散してゾル・ゲルを形成す
る。そして、合成スメクタイトは、ベントナイトからの
水熱合成法による精製により得ることができ、粘性、吸
着性、イオン交換性等の特性を有する。合成スメクタイ
トの結晶構造は雲母に類似し、層状であるため配向して
薄膜を容易に形成する。また、雲母と同様、層間に金属
多核水酸化イオン、金属錯体イオン、荷電ゾル等を挟み
入れて複合体を形成するという特性を有する。
【0101】前記アルカリケイ酸塩等に加える水として
は、任意の水を使用することができるが、不純物の混入
による影響を防止する意味から、脱イオン水を使用する
ことが好ましい。
【0102】更に、上記必須成分には、例えば、レベリ
ング性を向上するための界面活性剤、防臭を目的とした
抗菌・抗カビ剤、熱伝導性を向上するための各種金属粉
及びその酸化物等を添加しても良い。
【0103】なお、アルカリケイ酸塩としては、例え
ば、愛知珪曹(株)製のケイ酸ナトリウム3号を好適に
使用することができる。未焼成バーミキュライトとして
は、例えば、昭和鉱業(株)製の未膨張バーミキュライ
トを好適に使用することができる。合成雲母としては、
例えば、コープケミカル(株)製の膨潤性マイカ(ME
−100)を好適に使用することができる。合成スメク
タイトとしては、例えば、コープケミカル(株)製のS
WFを好適に使用することができる。
【0104】前記未焼成バーミキュライトの配合量は、
アルカリケイ酸塩100重量部に対して、固形分換算で
1〜50重量部とすることが好ましく、10〜40重量
部とすることがより好ましい。配合量が1重量部未満の
場合、発泡性無機接着シートの発泡量が不十分となる可
能性がある。配合量が50重量部を超えると、接着性が
不充分となる可能性がある。更に、合成雲母及び/また
は合成スメクタイトの配合量は、アルカリケイ酸塩10
0重量部に対して、固形分換算で5〜20重量部とする
ことが好ましく、10〜15重量部とすることがより好
ましい。配合量が5重量部未満の場合、皮膜(発泡層)
の厚みが不十分となる可能性がある。配合量が20重量
部を超えると、接着性が不充分となる可能性がある。
【0105】上記発泡性無機接着シートは、例えば、ボ
イラー管等、高熱が加えられる部材(被着体)の外周面
に接着されて加熱時に発泡し、所定の断熱性、耐火性等
を発揮する。また、発泡性無機接着シートは、以下のよ
うにして接着力を発現する。まず、発泡性無機接着シー
トを、その湿潤状態による接着性を利用して被着体に貼
り付ける。その後、被着体が加熱され、発泡性無機接着
シートが乾燥して内部の水分が蒸発すると、接着剤溶液
の濃縮に伴い、合成雲母の結晶鱗片相互が、内部にアル
カリケイ酸塩を包含しながら、未焼成バーミキュライト
の微粉体の周囲に接近し、ゲル化する。このとき、劈開
した合成雲母の結晶片は、層間部分が陰イオンに、反対
側部分が陽イオンに帯電しているため、静電作用により
互いに接近する。そして、結晶鱗辺の平面部分と端面部
分とが任意の態様で接触し、立体構造を形成して結合
し、ゲル化して固化する。同時に、アルカリケイ酸塩が
脱水縮合し、所期のバインダ機能を発揮して、接着力を
発現する。
【0106】なお、発泡性無機接着シートは、上記のよ
うな高温加熱が予定される被着体以外にも、例えば、建
材等の表面に接着して、火災時等に防火性を発揮するよ
うにすることもできる。また、発泡性無機接着シート
は、上記のような予定外の加熱による乾燥固化以外に
も、予め人為的に加熱することによる脱水縮合反応を利
用したり、或いは、硬化剤による硬化反応を利用したり
することにより、乾燥固化して使用することもできる。
例えば、発泡性無機接着シートを、約100℃で約15
分間乾燥することにより、水の蒸発に伴いアルカリケイ
酸塩のシラノール基が脱水縮合して、接着力を発現す
る。或いは、酸化亜鉛(ZnO)または亜鉛(Zn)等
の硬化剤を混合することにより、発泡性無機接着シート
を低温または常温で硬化し、接着力を発現することがで
きる。
【0107】[発泡不燃断熱材(例1)]実施の形態2
に係る無機質湿潤シート材料は、また、厚肉シート状
(ボード状)の発泡不燃断熱材として具体化することもで
きる。即ち、この発泡不燃断熱材は、主材としての炭酸
カルシウム及び/または水酸化マグネシウムを主材(主
成分)と、無機バインダと、有機バインダとしての塩化
ビニルとに水を加え、これらを混練して調製したスラリ
ーをボード状に発泡成形することにより製造される。具
体的には、この発泡不燃断熱材は、例えば、以下のよう
にして製造することができる。まず、主材としての炭酸
カルシウム粉末、無機バインダ、有機バインダとしての
塩化ビニル系樹脂粉末、充填剤としての無機質繊維材、
発泡剤、助剤等を混合し、この混合物に水を加えて混練
して、適度な粘度のシート状物またはボード状物に成形
する。その後、このシート状物またはボード状物を金型
内に充填し、加圧加熱して発泡させる。必要な場合、発
泡体を乾燥炉で乾燥する。そして、乾燥炉から取り出し
た発泡体を自然養生する。これにより、ボード状または
平板状に成形された無機質の発泡不燃断熱材を得ること
ができる。なお、主材として、前記炭酸カルシウムの変
わりに、または、炭酸カルシウムと共に、水酸化マグネ
シウムを好適に使用することもできる。
【0108】この発泡不燃断熱材は、炭酸カルシウム及
び/または水酸化マグネシウムを無機バインダや有機バ
インダ(塩化ビニル)により結合して発泡成形される発
泡体であるため、適度な柔軟性を有し、多少の曲げまた
は外力(衝撃)によって破壊されることがない。
【0109】[発泡不燃断熱材(例2)]実施の形態2
に係る無機質湿潤シート材料は、また、以下の発泡不燃
断熱材(例2)として具体化することもできる。即ち、
この発泡不燃断熱材は、基本的には、例1の発泡不燃断
熱材と同様の構成であり、水酸化マグネシウム及び炭酸
カルシウムを主成分として発泡成形したものである。詳
細には、例2の発泡不燃断熱材は、主材として、水酸化
マグネシウム、炭酸カルシウム及び水酸化アルミニウム
を含む。また、発泡不燃断熱材は、有機バインダとし
て、塩化ビニル系樹脂粉末と、シリコン系添加剤とを含
む。なお、発泡不燃断熱材の組成は、主材として水酸化
マグネシウム及び炭酸カルシウムを含み、有機バインダ
として塩化ビニル系樹脂を含む限りにおいて、これ以外
の組成としても良い。例えば、その他の充填材、シリコ
ン系添加剤以外の添加剤等を含ませることができる。
【0110】一方、例2の発泡不燃断熱材は、好ましく
は、水酸化マグネシウムの含有量を40〜60重量%の
範囲内とする。また、その他の材料の含有量は、この水
酸化マグネシウムの含有量に対応して設定するが、例え
ば、炭酸カルシウムの含有量は25〜30重量%の範囲
内とし、水酸化アルミニウムの含有量は10〜25%の
範囲内とする。
【0111】ここで、水酸化マグネシウムの含有量が4
0%未満では、耐火性が不十分となる可能性がある。水
酸化マグネシウムの含有量が60%を超えると、成形後
の強度が不十分となる可能性がある。また、水酸化マグ
ネシウムの含有量を60%とすると、不燃性、耐火性の
点で最も好ましい。
【0112】例2の発泡不燃断熱材を製造するには、ま
ず、原料混合工程において、主材としての水酸化マグネ
シウム、炭酸カルシウム及び水酸化アルミニウムと、無
機バインダと、有機バインダとしての塩化ビニル系樹脂
と、シリコン系添加剤とを混合する。次に、混練工程
で、この混合原料を混練し、塩化ビニル系樹脂が溶解し
た混練物(スラリー)を得る。更に、成形工程で、この
スラリーをシート状物またはボード状物に成形する。そ
の後、発泡成形工程において、前記シート状物またはボ
ード状物を金型内に充填し、所定温度で加熱して発泡さ
せる。なお、その他の条件(金型内圧力、成形時間等)
は、得ようとする発泡体の発泡密度等に応じて適宜決定
する。
【0113】また、前記発泡成形工程における発泡は、
例えば、金属水和物である水酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム等から放出される結晶水の気化物(蒸
気)、炭酸カルシウムから放出される気化ガス(二酸化
炭素)等のガス圧を利用し、また、公知の発泡材或いは
発泡助剤等を利用して、行うことができる。そして、こ
の発泡成形により形成される気泡殻は、水酸化マグネシ
ウム、炭酸カルシウム等が無機バインダや有機バインダ
(塩化ビニル系樹脂)で固化された強靭な膜状の独立気
泡殻となり、その膜状物で包囲された密閉空間の集合体
となる。
【0114】次に、養生工程で、前記混練物を発泡成形
することにより得た成形体を、所定条件(温度、圧力
等)の下、養生する。例えば、発泡成形後の成形体を金
型内で所定時間、所定温度、所定圧力の下で冷却する。
その後、金型から取り出した成形体を再度加熱して、二
次的に発泡させることもできる。
【0115】次に、必要な場合、脱気除去工程で、前記
養生した成形体を、更に80℃以上250℃以下の範囲
内の温度で再度加熱し、前記成形体中に含まれる有機成
分を強制的に脱気して除去する。即ち、前記養生工程後
の成形体には、塩化ビニル系樹脂が含まれ、相当量が残
留している。よって、このままでは、発泡不燃断熱材を
建材として使用した場合において、雰囲気温度が一定温
度以上となったときに、塩化ビニル系樹脂からいわゆる
塩ビ臭が発生したり、有機溶剤が揮散して有機溶剤臭が
発生したりする可能性がある。
【0116】よって、成形体を前記所定温度で再度加熱
することにより、塩化ビニル樹脂から発生する可能性の
有る有機成分(塩化水素等)を予め揮散し、脱気して除
去することができる。即ち、塩化ビニル系樹脂の塩化水
素等の有機成分が揮散し、使用後に塩ビ臭を発生するこ
とがない。
【0117】ここで、脱気除去工程の加熱温度が80℃
未満では、塩化ビニル系樹脂の塩化水素等を十分に脱気
して除去することができない。一方、脱気除去工程の加
熱温度が250℃を超えると、主材、塩化ビニル系樹脂
自体への熱的影響が大きくなり好ましくない。
【0118】3.実施の形態3 実施の形態3に係る無機質湿潤複合材料は、実施の形態
1または2の無機質湿潤シート材料を複数用意すると共
に、各無機質湿潤シート材料に配合する成分の種類及び
/または組成を相違させて、各無機質湿潤シート材料の
物性を相違させ、これら物性の異なる複数のウェットシ
ート状の無機質湿潤シート材料を互いに積層してなるも
のである。したがって、実施の形態3に係る無機質シー
ト材料は、各無機質湿潤シート材料が有する物性を各層
毎に発揮する。
【0119】例えば、実施の形態3は、実施の形態2に
係る発泡性の無機質湿潤シート材料(例1または例2の
発泡不燃断熱材)を第1層として配置し、第1層の厚さ
方向一側面または両側面に、実施の形態1に係る無機質
湿潤シート材料を第2層または第3層として配置する。
また、第1層と第2層または第3層とを無機接着剤等に
より接着する。これにより、第1層により実施の形態2
で述べたような耐火性及び断熱性等の諸特性を発揮する
と共に、第2層または第3層により、実施の形態1で述
べたような耐火性等の諸特性を発揮する、いわゆる傾斜
性を持った無機質複合材料を提供することができる。
【0120】更に、以下に示すように、第1層と第2層
または第3層とを、実施の形態2で述べた発泡性無機接
着シートにより接着することもできる。具体的には、ま
ず、上記ボード状の発泡不燃断熱材及び無機質湿潤シー
ト材料をそれぞれ所定の形状及び寸法に製造すると共
に、上記発泡性無機接着シートをこれに対応する形状及
び寸法に製造する。次に、発泡不燃断熱材の厚さ方向一
側面及び他側面の全体に、それぞれ、発泡性無機接着シ
ートを貼り付ける。このとき、発泡性無機接着シートの
肉厚は、例えば、1〜1000μmの範囲の値、特に、
5〜100μmの範囲の値とすることができる。その
後、発泡性無機接着シートを貼り付けた発泡不燃断熱材
の一側面及び他側面に対して、それぞれ、無機質湿潤シ
ート材料を対向配置する。そして、発泡不燃断熱材に対
して各無機質湿潤シート材料を相対的に接近させ、所定
圧力で互いに接触させて接合する。そして、この状態で
これらを所定時間乾燥し、無機質湿潤シート材料を乾燥
固化して無機質乾燥シート材料とすると共に、発泡性無
機接着シートを乾燥固化させて接着層を形成する。これ
により、発泡不燃断熱材及び無機質乾燥シート材料が、
発泡性無機接着シートにより強固に接着された不燃耐火
断熱パネルを製造することができる。
【0121】この不燃耐火断熱パネルは、例えば、耐火
性、防火性等の不燃性、断熱性、軽量化、パネル剛性等
を効果的に発揮する。加えて、不燃耐火断熱パネルは、
発泡不燃断熱材、(乾燥固化した)無機質シート材料及
び発泡性無機接着シートのいずれもが、無機物質(セピ
オライト、炭酸カルシウム及び/または水酸化マグネシ
ウム、シリカ等)を主成分とするため、完全な不燃性を
実現することができる。また、発泡不燃断熱材が、発泡
体(フォーム状)であるため、高い断熱性を付与する。
更に、発泡性無機接着シートが、発泡不燃断熱材と(乾
燥)無機質シート材料との接着部分でも不燃性を発揮
し、更に、耐火時にその接着部分から劣化することを防
止する。その結果、発泡不燃断熱材の特性と(乾燥)無
機質シート材料の特性とを併せ持ち、かつ、高いレベル
で不燃性及び断熱性を実現した不燃耐火断熱パネル(積
層パネル)を形成することができる。また、このとき、
発泡性無機接着シートは、発泡性を有するため、適度な
柔軟性を有し、発泡不燃断熱材と(乾燥)無機質シート
材料との接合部分に加わる多少の外力(衝撃)によって
破壊されることがない。
【0122】加えて、発泡性無機接着シートが加熱時に
発泡する。よって、発泡不燃断熱材と(乾燥)無機質シ
ート材料とを接着した後、パネル使用時に、火災等が発
生した場合、その火炎による熱により発泡性無機接着シ
ートが発泡して発泡不燃断熱材と(乾燥)無機質シート
材料との間で体積膨張する。その結果、体積膨張した発
泡性無機接着シートが不燃性及び断熱性発揮部分として
の耐火断熱層を形成し、この耐火断熱層によっても不燃
耐火断熱パネル全体の不燃性及び断熱性を増大すること
ができる。特に、体積膨張した発泡性無機接着シート
(耐火断熱層)は、発泡不燃断熱材と(乾燥)無機質シ
ート材料の面状の接着部分を隙間なく充填して接着し、
両者の離脱、変形等を有効に防止する。その結果、発泡
不燃断熱材と(乾燥)無機質シート材料の接着部分の劣
化を防止し、所期の性能を維持及び発揮することができ
る。更に、1000℃を超える耐火時には、発泡不燃断
熱材または(乾燥)無機質シート材料にクラックが生
じ、形状破壊及び裏面温度の上昇につながる可能性も考
えられる。しかし、前記発泡性無機接着シートが形成す
る発泡層または耐火断熱層により、そのクラックを閉塞
し、全体の耐火断熱性を維持することができる。
【0123】また、この不燃耐火断熱パネルは、発泡性
無機接着シートを発泡不燃断熱材の厚さ方向側面(接合
面)全体に貼り付けたため、不燃断熱層が発泡不燃断熱
材の側面の略全体及び(乾燥)無機質シート材料の側面
の略全体にわたって面状に形成される。その結果、耐火
時の火炎による入熱により発泡不燃断熱材または(乾
燥)無機質シート材料にクラックを生じた場合でも、体
積膨張した発泡性無機接着シート(耐火断熱層)からな
る不燃性発揮部分により、そのクラックを埋めることが
でき、かつ、不燃耐火断熱パネル全体の熱収縮を低減す
ることができる。
【0124】更に、発泡不燃断熱材は、炭酸カルシウム
及び/または水酸化マグネシウムを塩化ビニルにより結
合して発泡成形される発泡体であるため、適度な柔軟性
を有し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊さ
れることがない。また、(乾燥)無機質シート材料をセ
ピオライトを主材として形成した場合、無機物質にもか
かわらず適度な柔軟性を有するセピオライトにより、そ
れ自身もやはり適度な柔軟性を有し、多少の曲げまたは
外力(衝撃)によって破壊されることがない。そして、
発泡性無機接着シートは、発泡性を有するため、やはり
適度な柔軟性を有し、発泡不燃断熱材と(乾燥)無機質
シート材料との接合部分に加わる多少の外力(衝撃)に
よって破壊されることがない。その結果、不燃耐火断熱
パネル全体が柔軟性を有し、多少の曲げまたは外力(衝
撃)によって破壊されることがない。
【0125】なお、上記のような不燃耐火断熱パネル
は、不燃性、断熱性等の諸性能が要求される建材または
構造材等として好適に使用される。また、不燃性及び断
熱性等が高いレベルで要求される場所、例えば、食品、
半導体、パソコン、液晶、工作機械等の製造施設として
のクリーンルーム、船舶のドア等に好適に使用すること
ができる。更に、波浪による衝撃、腐食等、過酷な使用
条件を考慮して、不燃性、断熱性、強度、軽量化、耐腐
食性等の要請を高いレベルで満足する必要がある海洋建
築物(船舶、メガフロート、オイルプラットホーム、ウ
ォータフロント等)に、特に好適に使用することができ
る。
【0126】
【実施例】[実施例1]実施の形態1に係る無機質シー
ト材料の組成例1を実施例1として次に示す。
【表1】
【0127】実施例1の無機質シート材料は、湿式抄造
(製造方法その1)により製造する。なお、セピオライ
トとしては、楠本化成社製のS−9を、ロックウール繊
維としては、LAPINUS社製のRS−460(繊維
長約600μm)を例示することができる。メタカオリ
ンとしては、USAのポールスターNO.450を、ケ
イ酸ナトリウムとしてはJIS3号を、リン酸アルミニ
ウムとしては日本無機社製の50%中リン酸アルミニウ
ムを例示することができる。また、有機バインダとして
は、PAA、EPDM等、実施の形態1に挙げた任意の
ものを適宜選択して使用することができる。しかし、上
記表1から明らかなように、有機バインダ成分は、無機
質シート材料中にはごくわずかな量しか含まれず、その
物性や特性(不燃性等)に及ぼす影響は実質的に無機で
きる。即ち、本組成の無機質シート材料は、実質的に、
全ての成分が無機質であるということができる。
【0128】[実施例2]実施の形態1に係る無機質シ
ート材料の組成例2を実施例2として次に示す。
【表2】
【0129】実施例2の無機質シート材料は、湿式抄造
(製造方法その1)により製造する。また、実施例2
は、無機バインダと有機バインダとを併用した無機・有
機複合抄造の場合を示す。なお、セピオライト等の原料
としては、実施例1と同様のものを使用する。この場
合、実施の形態1の製造方法(その1)で述べたよう
に、まず、メタカオリンと凝集剤とを予め反応させた無
機バインダを用意し、この無機バインダ液を主材及び無
機長繊維を分散した主材分散液に混合して、それらを反
応させ、主材及び無機長繊維を凝集する必要がある。有
機バインダは、メタカオリンによる凝集体が形成された
後で添加する。有機バインダ溶液にメタカオリン或いは
他の無機バインダ(凝集剤)を単純に添加、混合するだ
けでは、有効なメタカオリンとの反応体は形成されず、
有機バインダと無機バインダとの凝集となってしまう。
なお、実施例2の無機質シート材料には、有機成分が含
まれるが、有機バインダのみを使用したものに比較する
と、不燃性等の耐熱性の点ではるかに有利である。
【0130】[実施例3]実施の形態1に係る無機質シ
ート材料の組成例3を実施例3として次に示す。
【表3】
【0131】実施例3の無機質シート材料は、ペースト
状のスラリーを使用して製造する(製造方法その2)。
なお、セピオライト等の原料としては、実施例1と同様
のものを使用する。上記表3から明らかなように、有機
バインダ成分は、無機質シート材料中にはごくわずかな
量しか含まれず、その物性や特性(不燃性等)に及ぼす
影響は実質的に無機できる。即ち、本組成の無機質シー
ト材料は、実質的に、全ての成分が無機質であるという
ことができる。
【0132】[実施例4]実施の形態1に係る無機質シ
ート材料の組成例4を実施例4として次に示す。
【表4】
【0133】実施例4の無機質シート材料は、ペースト
状のスラリーを使用して製造する(製造方法その2)。
なお、セピオライト等の原料としては、実施例1と同様
のものを使用する。また、実施例4は、無機バインダと
有機バインダとを併用した無機・有機複合成形の場合を
示す。なお、実施例2の場合と同様、有機バインダは、
メタカオリンによる凝集体が形成された後で添加する。
なお、実施例4の無機質シート材料には、有機成分が含
まれるが、有機バインダのみを使用したものに比較する
と、不燃性等の耐熱性の点ではるかに有利である。
【0134】[実施例5]実施の形態1に係る無機質シ
ート材料の組成5を実施例5として次に示す。
【表5】
【0135】実施例5の無機質シート材料は、ペースト
状のスラリーを使用して製造する(製造方法その2)。
なお、ロックウール繊維としては、実施例1より短繊維
(約70μm)のものを使用する。また、実施例5で
は、主材としての無機粉末(ブルーサイト)を多量に配
合し、かつ、無機長繊維(ロックウール)の配合量を非
常にわずかなものとすることができる。
【0136】
【発明の効果】請求項1及び請求項2に係る無機質シー
ト材料は、上記のように構成したため、全体の組成を実
質的に無機質とすることができ、耐熱性、不燃性、耐火
性を向上することができる。
【0137】請求項3に係る無機質シート材料は、請求
項1または2の特性及び効果に加え、メタカオリンとア
ルカリ金属ケイ酸塩等との無機複合体により、非常に強
固で高い強度の硬化体を構成し、主材等を強固に結合し
てシート力を高めることができる。
【0138】請求項4に係る無機質シート材料は、請求
項1または2の特性及び効果に加え、メタカオリンとア
ルカリ金属ケイ酸塩等による主材の凝集作用を、リン酸
アルミニウムにより更に促進することができる。
【0139】請求項5に係る無機質シート材料は、請求
項3または4の特性及び効果に加え、ホウ酸亜鉛により
アルカリ金属をメタカオリンに固定することができ、ア
ルカリ金属がメタカオリン粒子の表面から解離及び溶出
することを防止できる。
【0140】請求項6に係る無機質シート材料は、請求
項3または4の特性及び効果に加え、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、ブルーサイト、雲母及び改質
処理済ロックウールの少なくともいずれか1種により、
リン酸アルミニウムをメタカオリンに固定することがで
き、リン酸アルミニウムがメタカオリン粒子の表面から
解離及び溶出することを防止できる。
【0141】請求項7に係る無機質シート材料は、請求
項4の特性及び効果に加え、第1の硬化剤としてのホウ
酸亜鉛によりアルカリ金属をメタカオリンに固定するこ
とができ、アルカリ金属がメタカオリン粒子の表面から
解離及び溶出することを防止できる。また、酸化マグネ
シウム、水酸化マグネシウム、ブルーサイト、雲母及び
改質処理済ロックウールの少なくともいずれか1種から
なる第2の硬化剤によりリン酸アルミニウムをメタカオ
リンに固定することができ、リン酸アルミニウムがメタ
カオリン粒子の表面から解離及び溶出することを防止で
きる。
【0142】請求項8に係る無機質シート材料は、請求
項1乃至7のいずれかの特性及び効果に加え、主材とし
てのセピオライトまたはブルーサイトを、その高い反応
性により、前記無機バインダを介して互いに容易に凝集
してフロックを形成することができる。
【0143】請求項9に係る無機質シート材料は、上記
のように構成したため、請求項1乃至8のいずれかの特
性及び効果に加え、実質的に無機粉末のみを主材とする
ことができ、投入材料の全てを目的物の形成に使用する
ことができ、無機粉末を高密度に充填することができる
という効果を発揮する。
【0144】請求項10に係る無機質シート材料は、上
記のように構成したため、請求項1乃至8のいずれかの
特性及び効果に加え、無機粉末の充填料を飛躍的に増大
することができる。
【0145】請求項11に係る無機質シート材料は、上
記のように構成したため、請求項9と同様、実質的に無
機粉末のみを主材とすることができ、投入材料の全てを
目的物の形成に使用することができ、無機粉末を高密度
に充填することができるという効果を発揮する。
【0146】請求項12に係る無機質湿潤材料は、上記
のように構成したため、請求項9乃至11のいずれかに
記載の特性及び効果に加えて、成形後の加熱等により、
内部の発泡剤が発泡して体積膨張し、発泡体を構成する
という特性及び効果を発揮する。
【0147】請求項13に係る無機質湿潤複合材料は、
上記のように構成したため、請求項9乃至12のいずれ
かの無機質シート材料の特性及び効果を各層別に発揮
し、いわゆる傾斜性を呈することができる。
【0148】請求項14に係る無機質構造材は、上記の
ように構成したため、請求項9乃至11のいずれかの特
性及び効果に加え、ハニカムコア状等の所定立体形状へ
と、容易、安全、かつ、確実に二次成形することができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 17/67 D21H 17/67 D21J 1/18 D21J 1/18 //(C04B 28/26 C04B 14:10 Z 14:10 22:08 Z 22:08 22:06 Z 22:06 A 14:38 C 14:38) 111:28 111:28 Fターム(参考) 4F100 AA03A AA04A AA20A AC03A AC10A AK26A AK53A BA06 BA13 GB07 JJ03 JJ07 4G012 MB01 PA15 PB03 PB06 PC15 4L055 AF01 AF05 AG05 AG06 AG15 AG18 AG25 AG27 AG39 AG72 AG80 AG98 AH01 AH18 AH37 BE14 BF02 BF05 FA19 FA30 GA24

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主材としての無機粉末及び/または無機
    繊維と、 メタカオリンと、前記メタカオリンと反応する凝集剤と
    からなる無機複合体より構成され、前記無機粉末及び/
    または無機繊維を凝集して互いに結合する内添剤として
    の無機バインダとを必須成分として含有するスラリー
    を、シート状に形成してなることを特徴とする無機質シ
    ート材料。
  2. 【請求項2】 主材としての無機粉末及び/または無機
    繊維と、 前記無機粉末及び/または無機繊維を担持する無機長繊
    維と、 メタカオリンと、前記メタカオリンと反応する凝集剤と
    からなる無機複合体より構成され、前記無機粉末及び/
    または無機繊維と前記無機長繊維とを凝集して結合する
    内添剤としての無機バインダとを必須成分として含有す
    るスラリーを、シート状に形成してなることを特徴とす
    る無機質シート材料。
  3. 【請求項3】 前記メタカオリンと反応する凝集剤は、
    アルカリ金属ケイ酸塩、コロイダルシリカ及び無機リン
    酸塩の少なくともいずれか1種を含有することを特徴と
    する請求項1または2記載の無機質シート材料。
  4. 【請求項4】 前記メタカオリンと反応する凝集剤は、
    第1の凝集剤としてのアルカリ金属ケイ酸塩またはコロ
    イダルシリカと、第2の凝集剤としてのリン酸アルミニ
    ウムとを含有することを特徴とする請求項1または2記
    載の無機質シート材料。
  5. 【請求項5】 前記メタカオリンと反応する凝集剤は、
    少なくともアルカリ金属ケイ酸塩を含有し、 更に、前記アルカリ金属ケイ酸塩のアルカリ金属と反応
    して前記アルカリ金属を固定するホウ酸亜鉛を含有する
    ことを特徴とする請求項3または4記載の無機質シート
    材料。
  6. 【請求項6】 前記メタカオリンと反応する凝集剤は、
    少なくともリン酸アルミニウムを含有し、 更に、前記リン酸アルミニウムと反応して前記リン酸ア
    ルミニウムを固定する酸化マグネシウム、水酸化マグネ
    シウム、ブルーサイト、雲母及び改質処理済ロックウー
    ルの少なくともいずれか1種を含有することを特徴とす
    る請求項3または4記載の無機質シート材料。
  7. 【請求項7】 前記メタカオリンと反応する凝集剤は、
    少なくともアルカリ金属ケイ酸塩とリン酸アルミニウム
    とを含有し、 更に、前記アルカリ金属ケイ酸塩のアルカリ金属を固定
    するホウ酸亜鉛からなる第1の硬化剤と、前記リン酸ア
    ルミニウムを固定する酸化マグネシウム、水酸化マグネ
    シウム、ブルーサイト、雲母及び改質処理済ロックウー
    ルの少なくともいずれか1種からなる第2の硬化剤とを
    含有することを特徴とする請求項4記載の無機質シート
    材料。
  8. 【請求項8】 前記主材として、セピオライト及びブル
    ーサイトの少なくともいずれか一つを含有することを特
    徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の無機質シ
    ート材料。
  9. 【請求項9】 前記主材としての無機粉末及び/または
    無機繊維と前記無機バインダとに水を加えて混練するこ
    とによりペースト状のスラリーを調製し、そのスラリー
    をウェットシート状に成形してなることを特徴とする請
    求項1乃至8のいずれか1項記載の無機質シート材料。
  10. 【請求項10】 前記主材としての無機粉末及び/また
    は無機繊維と前記無機長繊維と前記無機バインダとに水
    を加えて混練することによりペースト状のスラリーを調
    製し、そのスラリーをウェットシート状に成形してなる
    ことを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項記載の
    無機質シート材料。
  11. 【請求項11】 前記主材として前記無機粉末以外の成
    分を実質的に含まず、 前記主材としての無機粉末と前記無機バインダとに水を
    加えて混練することによりペースト状のスラリーを調製
    し、そのスラリーをウェットシート状に成形してなるこ
    とを特徴とする請求項9記載の無機質シート材料。
  12. 【請求項12】 更に、発泡剤を配合して前記スラリー
    を調製したことを特徴とする請求項9乃至11のいずれ
    か1項記載の無機質シート材料。
  13. 【請求項13】 請求項9乃至12のいずれか1項記載
    の無機質シート材料を複数用意すると共に、各無機質シ
    ート材料に配合する成分の種類及び/または組成を相違
    させて、各無機質シート材料の物性を相違させ、これら
    物性の異なる複数の無機質シート材料を互いに積層して
    なることを特徴とする無機質複合材料。
  14. 【請求項14】 請求項9乃至11のいずれか1項記載
    の無機質シート材料を付形して、ハニカムコア状、デル
    タコア状、コルゲートコア状のいずれかの形状としたこ
    とを特徴とする無機質構造材。
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