JPH11314980A - 耐火性複合建築材料の製造方法 - Google Patents

耐火性複合建築材料の製造方法

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JPH11314980A
JPH11314980A JP3881299A JP3881299A JPH11314980A JP H11314980 A JPH11314980 A JP H11314980A JP 3881299 A JP3881299 A JP 3881299A JP 3881299 A JP3881299 A JP 3881299A JP H11314980 A JPH11314980 A JP H11314980A
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JP
Japan
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resin
fire
composite building
building material
resistant composite
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JP3881299A
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English (en)
Inventor
Kichiya Matsuno
吉弥 松野
Tetsuji Ogawa
哲司 小川
Kenji Sato
健司 佐藤
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質無機芯材を用いて,強度が高く,軽量
で,耐火性及び加工性に優れ,製造容易な,耐火性複合
建築材料の製造方法並びにこれにより得られる耐火性複
合建築材料および耐火性複合床材を提供する。 【解決手段】 石膏ボード3等の多孔質無機芯材の表側
面又は裏側面の少なくとも一方に,熱硬化性樹脂及び無
機質繊維からなる補強層4を接着してなる耐火性複合建
築材料7を製造するに当たり,無機質繊維42に予め熱
硬化性樹脂41及び硬化剤43を含浸し,乾燥して樹脂
含浸マット40を作製しておき,樹脂含浸マットを多孔
質無機芯材の表側面又は裏側面の少なくとも一方に積層
し,加熱下でプレスする。多孔質無機芯材には,更に有
機質成分が含まれていることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,耐火性複合建築材料の製造方法
並びにこれにより得られる耐火性複合建築材料および耐
火性複合床材に関するものであって,耐火性および床材
としての強度を有し,フリーアクセスフロアー(以下,
「FAフロアー」という。)に使用される複合床材に関
する。
【0002】
【従来技術】コンピュータ等を設置するFAフロアーの
基材は,コンピュータの重量に耐え,地震時にコンピュ
ータ等が転倒した場合でもその衝撃で破損しないことが
要求され,また,配線を床下面に配設することになるた
め,ケーブル火災等でも耐えられるように耐火性にも優
れていることが必要とされている。このようなFAフロ
アーの基材としては,スチール,アルミニウム等の金
属を使用したもの,ポリ塩化ビニル,ABS樹脂,ポ
リプロピレン等の樹脂製のもの,繊維で補強したコン
クリート製のもの,ケイ酸カルシウム板に金属板を貼
付したもの,パーティクルボード等の木質系のものが
ある。
【0003】
【解決しようとする課題】ところが,の金属を使用し
たもの,のコンクリート製のもの,のケイ酸カルシ
ウム板に金属を貼付したものは,重く,加工性も悪い。
の樹脂製のものやのパーティクルボードは,耐火性
に劣る。このため,強度が高く,軽くて耐火性に優れ,
加工性にも優れた実用的な床材はこれまで開発されてい
なかった。ところで,建築材料としては,石膏ボード等
の多孔質無機芯材がコストの観点で優れており,壁材等
に使用されている。例えば,熱可塑性樹脂製のプリプレ
グを石膏ボード等の多孔質無機芯材に貼付した壁,間仕
切り用の建築材料が特開平7−329236号に提案さ
れている。
【0004】しかしながら,これは床材としての使用で
はない。多孔質無機芯材は強度が低いため床材に使用す
ることはできないというのが建築業界の常識であった。
【0005】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,多孔
質無機芯材を用いて,強度が高く,軽量で,耐火性及び
加工性に優れ,製造容易な,耐火性複合建築材料を製造
できる,耐火性複合建築材料の製造方法並びに,それに
より得られた耐火性複合建築材料および耐火性複合床材
を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】第1の発明は,多孔質無機芯材の表
側面又は裏側面の少なくとも一方に,熱硬化性樹脂及び
無機質繊維からなる補強層を設けてなる耐火性複合建築
材料を製造するに当たり,無機質繊維からなるマットに
予め熱硬化性樹脂及び硬化剤を含浸し,乾燥して樹脂含
浸マットを作製しておき,該樹脂含浸マットを多孔質無
機芯材の表側面又は裏側面の少なくとも一方に積層し,
加熱下でプレスすることを特徴とする耐火性複合建築材
料の製造方法である。
【0007】本発明の耐火性複合建築材料は,無機質繊
維に予め熱硬化性樹脂及び硬化剤を含浸し,乾燥して樹
脂含浸マットを作製しておき,これを多孔質無機芯材に
積層し,加熱プレスしている。そのため,無機質繊維と
含浸した熱硬化性樹脂との密着性が向上する。また,無
機質繊維同士は接着しやすく,熱硬化性樹脂の含浸率を
改善できるため有利である。また,樹脂含浸マットは,
多孔質無機芯材に積層し,加熱プレスにより,多孔質無
機芯材に貼着するため,別途接着剤を用いる必要はな
い。更に,製造プロセスを簡略化できる。
【0008】また,多孔質無機質芯材は,低コストで耐
火性及び圧縮強度に優れている。しかし,その反面,多
孔質無機芯材は,力が加わると,力が加わった側とは反
対側に引張りの力が発生して,この力の発生点を起点と
して破壊が生じる。
【0009】そこで,本発明においては,多孔質無機芯
材の表側面又は裏側面に上記樹脂含浸マットを補強層と
して接着することにより,多孔質無機芯材の引張り力に
対する強度を改善している。即ち,多孔質無機芯材の表
側面又は裏側面には,熱硬化性樹脂および無機質繊維か
らなる補強層が形成されているため,引張り力が加わっ
た場合でも破壊が起きない。また,熱硬化性樹脂および
無機質繊維からなる樹脂含浸マットは,加工性にも優れ
ている。
【0010】また,熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂と異な
り,耐火性に優れ,高温化でも軟化しないため,樹脂含
浸マットは補強層としての機能が失われない。更に,本
発明により製造される耐火性複合建築材料は,多孔質無
機芯材,熱硬化性樹脂,および無機質繊維を主要構成と
しているため,軽量で加工性に優れ,かつ低コストであ
る。
【0011】次に,本発明の詳細について説明する。上
記無機質繊維からなるマットに熱硬化性樹脂及び硬化剤
を含浸してなる樹脂含浸マットは,多孔質無機芯材の補
強層を形成する。上記無機質繊維としては,ガラス繊
維,ロックウール,セラミックファイバー,カーボンフ
ァイバーが望ましい。低価格で耐熱性,強度が高いから
である。上記の無機質繊維からなるマットは,非連続の
繊維をマット状に成形したものでもよく,また,連続長
繊維を3〜7cmに切断してマット状にしたもの(チョ
ップドストランドマット),あるいは連続長繊維を渦巻
き状に積層しマット状にしたもの,さらには連続長繊維
を織りあげたものでもよい。
【0012】上記熱硬化性樹脂は,フェノール樹脂,メ
ラミン樹脂,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,尿素樹脂
等がよい。上記硬化剤は,加熱の際に上記熱硬化性樹脂
を硬化させ得るものである。かかる硬化剤は,例えば,
アルカリ性,酸性の硬化剤が用いられ,具体的には,ア
ンモニア,水酸化ナトリウム,硫酸,塩酸等の無機酸,
スルホン酸,ナフテン酸,有機カルボン酸等各種有機
酸,過酸化物等を用いることができる。硬化剤の種類
は,熱硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択する。
【0013】上記樹脂含浸マットの中において,上記熱
硬化性樹脂の含有量は,上記無機質繊維100重量部に
対して,20〜200重量部であることが好ましい。こ
れにより,充分な剛性,耐衝撃性等が得られ,かつ高い
耐火性を維持できる。一方,20重量部未満の場合に
は,耐火性複合建築材料の引張り強度,曲げ強度,耐衝
撃性が低下するおそれがある。また,200重量部を超
える場合には,耐火性複合建築材料の耐火性が低下する
おそれがある。
【0014】上記樹脂含浸マットに含まれる硬化剤の含
有量は,熱硬化性樹脂の含有量,種類に応じて適宜選択
する。
【0015】上記樹脂含浸マットは,積層加熱プレスに
より形成される補強層の厚さが0.3mm〜3.5mm
となるような厚みを有することが望ましい。これによ
り,充分な剛性,耐衝撃性等が得られ,かつ高い加工性
を維持できる。
【0016】上記樹脂含浸マットには,水酸化アルミニ
ウム,水酸化マグネシウム等の難燃化剤,並びにシリカ
ゾル,アルミナゾル,水ガラス等,一般に使用される無
機質の結合剤を添加してもよい。シリカゾル,アルミナ
ゾルは,大きさ10〜100nmの,SiO2,Al2
3からなる粒子を水中に分散させたものであり,その濃
度は20〜40重量%であることが好ましい。
【0017】上記樹脂含浸マットは,少なくとも多孔質
無機芯材の裏面側(室内側の反対側)に積層されること
が好ましい。これにより,上方から下方への引張り力に
対する耐性に優れた耐火性複合建築材料を得ることがで
きる。
【0018】多孔質無機芯材は,例えば,石膏ボード,
ケイ酸カルシウム板,スラグ石膏板等であることが好ま
しい。これらは耐火性に優れ,軽量で,低コストだから
である。この中でも特にコストの点から石膏ボードが好
ましい。
【0019】なお,石膏ボードとは,石膏板の表面にボ
ード原紙を添着した板をいう。石膏板とは,石膏からな
る板状体をいい,スラグ石膏板とは高炉スラグと二水石
膏とを特殊触媒処理により結晶生成(エトライト,3C
aO,Al23,3CaSO 4・31〜32H2O)させ
た不燃材をいう。また,石綿セメント板とは,石綿をセ
メントに混ぜ,水練りして板状に強圧して水分を取り養
生したセメント製品をいう。パーライト板とは,一般に
石綿セメントパーライト板をいい,セメント石綿,パー
ライトを主原料として水を加えて混合し抄造成形し養生
した板をいう。
【0020】多孔質無機芯材の厚みは,9.5〜30.
0mmであることが好ましい。この理由は,この範囲で
は,充分な剛性及び耐衝撃性が得られ,かつ床下の配線
スペースを充分確保でき,また高い加工性を有するから
である。一方,9.5mm未満の場合には,十分な剛性
及び耐衝撃性が得られないおそれがある。また,30.
0mmを超える場合には,それに見合う効果が得られ難
い。特に,多孔質無機芯材の厚みは,19〜25mmで
あることが好ましい。これにより,更に優れた剛性,耐
衝撃性及び加工性が得られる。また,多孔質無機芯材を
複数枚積層して上記の厚みに調整してもよい。
【0021】なお,上記多孔質無機芯材の厚みとは,1
層のみの多孔質無機芯材を用いている場合には1層の厚
みを,複数層積層されている場合には複数層の厚みを,
後述するボード原紙が貼着されている場合には該ボード
原紙の厚みをも含めた厚みをいう。
【0022】また,多孔質無機芯材の比重は,0.9〜
1.5であることが好ましい。これにより,比較的軽量
で,優れた剛性及び耐衝撃性を発揮できる。一方,0.
9未満の場合には,もろくなるおそれがある。また1.
5を超える場合には,軽量化が妨げられるおそれがあ
る。
【0023】なお,上記多孔質無機芯材の比重とは,1
層のみの多孔質無機芯材が設けられている場合には1層
の比重を,複数層積層されている場合には複数層の比重
を,後述するボード原紙が貼着されている場合には該ボ
ード原紙の厚みをも含めた比重をいう。上記比重とは,
4℃の水の体積密度に対する多孔質無機芯材の体積密度
の比をいう。
【0024】上記多孔質無機芯材は,その表側面又は裏
側面の少なくとも一方にボード原紙を貼着することが好
ましい。上記ボード原紙としては,例えば,古紙,パル
プ等を主原料とし,これに発水剤等を添加した厚み0.
3〜0.5mm程度の厚紙を用いることができる。かか
るボード原紙貼着により,耐火性複合建築材料の曲げ強
度,耐衝撃性,耐水性等が向上する。
【0025】上記多孔質無機芯材は,単層構造であって
も,また複層構造であってもよい。複層構造の場合に
は,各多孔質無機芯材の間は,接着剤により接着されて
いることが好ましい。上記接着剤は,作業性の点から常
温硬化性樹脂からなることが好ましい。かかる常温硬化
性樹脂としては,例えば,フェノール樹脂,エポキシ樹
脂,ウレタン樹脂,メラミン樹脂,レゾルシノール樹
脂,及び酢酸ビニル樹脂の群から選ばれる1種又は2種
以上からなることが好ましい。これにより,耐火性複合
建築材料全体の撓みを防止できる。
【0026】多孔質無機芯材は,更に有機質成分を含ん
でいることが好ましい。これにより,耐火性複合建築材
料の破壊靱性値を改善でき,曲げ強度や耐クラック性を
向上させることができる。また,破壊靱性値が高いため
釘を打つことができ,建築材料としては最適である。
【0027】有機質成分は,有機質結合剤または有機質
繊維状物であることが好ましい。また,有機質結合剤
は,熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が望ましい。上記
有機質成分を多孔質無機芯材に含浸させてもよく,ある
いは無機粒子をこれら熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂
からなる結合剤を介して成形して多孔質無機芯材として
もよい。さらに,有機質繊維状物を添加してもよい。
【0028】上記熱硬化性樹脂は,フェノール樹脂,エ
ポキシ樹脂,ウレタン樹脂,メラミン樹脂,レゾルシノ
ール樹脂が望ましく,熱可塑性樹脂は,ポリエーテルス
ルフォン,ポリスルフィド,ポリフェニレンエーテル,
ポリフェニレンスルフィド,ポリフェニレンオキシド,
ポリエーテルイミドから選ばれる少なくとも1種以上が
望ましい。
【0029】有機質繊維状物としては,ビニロン,ポリ
プロピレンおよびポリエチレンなどの化学繊維,そして
多糖類からなる有機質繊維状物から選ばれる少なくとも
1種以上を使用できるが,多糖類からなる有機質繊維状
物であることが望ましい。なぜなら,多糖類にはOH基
が存在し,水素結合により無機物であるAl23,Si
2またはCaOの各種化合物と結合しやすいからであ
る。この多糖類は,アミノ糖,ウロン酸,デンプン,グ
リコーゲン,イヌリン,リケニン,セルロース,キチ
ン,キトサン,ヘミセルロースおよびペクチンから選ば
れる少なくとも1種以上の化合物であることが望まし
い。これら多糖類からなる有機質繊維状物としては,パ
ルプ,パルプかす,広葉樹,針葉樹などの粉砕物である
チップ(繊維の集合物),新聞や雑誌などの古紙の粉砕
物が有利に適合する。なお,パルプは,一般に,セルロ
ースの他にリグニンを10〜30重量%程度含んでい
る。
【0030】上記多孔質無機芯材に補強層を積層し,加
熱下でプレスするときの条件は,加熱温度は70〜13
0℃,圧力は10kg/cm2以下であることが好まし
い。また,積層する前と多孔質無機芯材の表面と樹脂含
浸マットとの接着性をより良くするためにフェノール,
エポキシ,メラミン樹脂等の希薄液を塗布して良い。
【0031】次に,上記製造方法により得られた耐火性
複合建築材料は,その最表面に表面化粧層を設けること
ができる。表面化粧層としては,例えば,メラミン化粧
板,塩化ビニルタイル,布,マット製等のカーペット,
畳,天然木,化粧合板,天然石又は人造石を用いること
ができる。
【0032】また,上記耐火性複合建築材料には,電磁
波シールド層を設けてもよい。これにより,電気機器等
から耐火性複合建築材料の雰囲気中に発せられた電磁波
を吸収でき,電磁波による人体への影響を抑制できる。
電磁波シールド層は,例えば,導電性フィラーと樹脂と
からなる複合シート,金属箔等を用いることができる。
【0033】また,耐火性複合建築材料の木口面は,被
覆層により被覆されていることが好ましい。これによ
り,耐火性複合建築材料,特に石膏ボードの粉の飛散を
防止でき,取扱性が高くなる。上記被覆層としては,例
えば,珪酸ソーダ溶液,シリカゾル,アルミナゾル等の
無機系材料,ゴム系エマルジョン,アクリルエマルジョ
ン等の各種樹脂エマルジョンからなる有機系材料を用い
ることができる。ゴム系エマルジョンとしては,ニトリ
ル−ブタジエンゴム溶液を水中に分散させたもの,又は
スチレン−ブタジエンゴム溶液を水中に分散させたもの
がよい。また,各エマルジョンの温度は,30〜60重
量%が望ましい。これにより,被覆層を均一に形成でき
る。
【0034】本発明の耐火性複合建築材料は,適当な大
きさに切断し,パネル化することが好ましい。これによ
り,耐火性複合建築材料の施工が容易となり,また施工
時の耐火性複合建築材料の組み合わせの自由度が増し,
床の形状に応じて任意な形状に組み合わせて施工するこ
とができる。この場合,切断により露出する耐火性複合
建築材料の木口面は被覆層により被覆することが好まし
い。これにより,多孔質無機芯材の上記粉の飛散を効果
的に防止することができる。上記被覆層の厚みは,0.
01〜4.5mmであることが好ましい。これにより,
重量,コストの増大を招くことなく,多孔質無機芯材の
粉の飛散を防止できる。
【0035】第2の発明は,有機質成分を含む多孔質無
機芯材の表側面又は裏側面の少なくとも一方に,樹脂及
び無機質繊維からなる補強層を設けてなる耐火性複合建
築材料を製造するに当たり,無機質繊維からなるマット
に予め樹脂を含浸し,乾燥して樹脂含浸マットを作製し
ておき,該樹脂含浸マットを,有機質成分を含む多孔質
無機芯材の表側面又は裏側面の少なくとも一方に積層
し,加熱下でプレスすることを特徴とする耐火性複合建
築材料の製造方法である。
【0036】第2の発明では,多孔質無機芯材が有機質
成分を含有しているため,破壊靱性値が高く,曲げ強度
や耐クラック性に優れた耐火性複合建築材料を製造する
ことができる。また,破壊靱性値が高いため釘を打つこ
とができ,建築材料としては最適である。その他,第2
発明においても第1発明と同様の効果を得ることができ
る。
【0037】本発明で使用される多孔質無機芯材として
は,無機非晶質体を使用することができる。例えば,A
23−SiO2−CaO系非晶質体などである。これ
らは,Al,Si,Caなどの金属元素のアルコキシド
や水酸化物を酸やアルカリの存在下で加水分解重合させ
てゾル化させ,これを乾燥硬化させてゲル化することに
より製造される。ゾル化したものの中に前述の有機成分
を加えることもできる。
【0038】補強層は,樹脂と無機質繊維とを含有して
いるが,更には,無機質繊維100重量部に対して,4
0〜120重量部の樹脂を含有していることが好まし
い。これにより,補強層の上記特性を更に効果的に発揮
できる。
【0039】樹脂としては,熱硬化性樹脂または熱可塑
性樹脂を使用できる。多孔質無機芯材に有機質成分を含
み強度,靱性値が改善されているため,補強層に熱可塑
性樹脂を使用できる。熱硬化性樹脂としては,フェノー
ル樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹脂,ポリイミド樹
脂,尿素樹脂などがよい。熱硬化性樹脂を使用する場合
には,無機質繊維からなるマットに予め熱硬化性樹脂お
よび硬化剤を含浸しておくことが好ましい。
【0040】熱可塑性樹脂は,ポリエーテルスルフォ
ン,ポリスルフィド,ポリフェニレンエーエル,ポリフ
ェニレンスルフィド,,ポリフェニレンオキシド,ポリ
エーテルイミドから選ばれる少なくとも1種以上が望ま
しい。また,多孔質無機芯材には,上記のごとく有機質
成分を含んでいることが好ましい。破壊靱性が向上する
からである。第2発明におけるその他は,第1発明と同
様である。
【0041】上記製造方法により得られる耐火性複合建
築材料は,床材,壁材,天井材などに使用できる。特
に,強度,耐火性が要求される床材には最適であり,耐
火性複合床材として使用できる。
【0042】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる耐火性複合建築材料につい
て図1を用いて説明する。本例の製造方法の概要は,熱
硬化性樹脂及び硬化剤を無機質繊維に含浸させた樹脂含
浸マットを,多孔質無機芯材に積層し,加熱下でプレス
することである。以下,これを詳細に説明する。
【0043】図1に示すごとく,S1工程において,ガ
ラス繊維チョップドストランドマット(重量450g/
2)からなる無機質繊維42を準備する。S2工程に
おいて,420量部の熱硬化性樹脂41と,126重量
部の硬化剤43とを調合して,これらの調合原料を,無
機質繊維に含浸させて,樹脂含浸マット40を得る。熱
硬化性樹脂41は,フェノール樹脂である。硬化剤43
は芳香族炭化水素スルホル化物と硫酸の混合物である。
S3工程において,樹脂含浸マット40を熱風乾燥機を
用いて乾燥させる。樹脂含浸マット40の乾燥時の厚み
は0.8mmである。
【0044】S4工程において,ボード原紙の上に,焼
石膏と水との混合液を載せ,更にその上にボード原紙を
被覆する。次いで,これらを乾燥,硬化させて,厚み1
2.5mm,比重1.3の石膏ボード3を得る。S5工
程において,石膏ボード3の片面に,常温硬化樹脂10
0重量部と硬化剤15重量部とを調合してなる接着剤6
を塗布する。常温硬化樹脂としてはフェノール樹脂を用
い,硬化剤としては芳香族炭化水素スルホン酸と硫酸の
混合物を用いる。
【0045】S6工程において,石膏ボード3における
接着剤6を塗布した側に,S4工程と同様の方法で作製
した別の石膏ボード3を積層し,これらを接着する。S
7工程において,2層構造の石膏ボード3の表側面及び
裏側面に,それぞれ上記S3工程で作製した樹脂含浸マ
ット40を積層する。S8工程において,これらを,温
度100℃,圧力1kg/cm2 の条件で10分間加熱
加圧する。
【0046】以上により,2層構造の石膏ボード3の表
側面及び裏側面に補強層4を形成してなる耐火性複合建
築材料7が得られる。その後,S9工程において,耐火
性複合建築材料7に,外形加工,穴明け加工等を行い,
数十cm平方にパネル化する。
【0047】パネル化した耐火性複合建築材料には,そ
の裏側面に支持脚を取り付け,これらを複数枚組み合わ
せて床材として使用する。耐火性複合建築材料を床材と
して事務室の床に設置すると,その表側面には事務機器
を,その裏側面には事務機器の配線機器,空調機器を配
設することができる。穴明け加工により形成された貫通
穴は,配線コード及び空調機器から吹出す冷暖房を取出
すための穴として利用できる。
【0048】次に,本例の作用及び効果について説明す
る。本例の耐火性複合建築材料7は,無機質繊維42に
予め熱硬化性樹脂41及び硬化剤43を含浸し(S
2),乾燥して樹脂含浸マット40を作製し(S3),
これを多孔質無機芯材に積層し(S7),加熱プレスし
ている(S8)。そのため,無機質繊維と含浸した熱硬
化性樹脂との密着性が向上する。また,無機質繊維同士
は接着しやすく,熱硬化性樹脂の含浸率を改善できるた
め有利である。また,樹脂含浸マットからなる補強層
は,多孔質無機芯材に積層し,加熱プレスにより,多孔
質無機芯材に接着するため,別途接着剤を用いる必要は
ない。更に,製造プロセスが簡単となる。
【0049】また,本例の耐火性複合建築材料7では,
芯材として石膏ボード3を用いているため,低コストで
耐火性及び圧縮強度に優れている。また,耐火性複合建
築材料7は,石膏ボード3の表側面71及び裏側面72
に高強度の補強層4を被覆しているため,引張り力が加
わった場合でも破壊が起きず,耐引張り性に優れてい
る。また,補強層4は,熱硬化性樹脂41及び無機質繊
維42からなるため,加工性に優れている。
【0050】また,熱硬化性樹脂41は熱可塑性樹脂と
異なり,耐火性に優れ,高温化でも軟化しないため,補
強層4としての機能が失われない。さらに,本例の耐火
性複合建築材料7は,石膏ボード3,熱硬化性樹脂41
及び無機質繊維42からなる補強層4を主要構成として
いるため,軽量で加工性に優れ安価である。
【0051】なお,本例の耐火性複合建築材料7は石膏
ボード3の表側面71及び裏側面72に補強層4を形成
しているが,いずれかだけに形成されていてもよい。ま
た,本例においては,石膏ボードを2層積層している
が,1層だけでもよい。
【0052】実施形態例2 本例の耐火性複合建築材料の製造方法は,多孔質無機芯
材に有機質成分を添加した点を特徴とする。即ち,ま
ず,エチルアルコールと古紙を混ぜたものをボールミル
で1時間粉砕する。
【0053】ついで,Si(OC254 40重量部,
Al(OC373 30重量部,Ca(OCH32
0重量部,C25OH66重量部,水18重量部,0.
1N塩酸を1重量部を加え,攪拌混合してゾル溶液を得
た。上記古紙粉砕物とゾル溶液を混合したものを型枠に
流し込み,100℃で24時間乾燥させ,板状の多孔質
無機芯材とした。この板状の多孔質無機芯材に,フェノ
ール樹脂を含浸させた後,60℃で乾燥させた。
【0054】さらに,市販のガラス繊維チョップドスト
ランドマット(重量600g/m2,厚み0.7mm)
にフェノール樹脂を含浸させて60℃で乾燥させ,ガラ
ス繊維量600g/m2,樹脂量300g/m2の補強シ
ートを得た。補強シートを上記板状の多孔質無機芯材に
積層して85℃の温度にて20分間プレスし,耐火性複
合建築材料を得た。
【0055】本例により得られた耐火性複合建築材料
は,多孔質無機芯材に有機質成分である古紙粉砕物が含
まれているため,破壊靱性が高く釘打ちができ,曲げ強
度や耐クラック性が高い。その他,本例においても実施
形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば,多孔質無機芯材を用い
て,強度が高く,軽量で,耐火性及び加工性に優れ,製
造容易な,耐火性複合建築材料の製造方法並びにこれに
より得られる耐火性複合建築材料および耐火性複合床材
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の耐火性複合建築材料の製造方法
の説明図。
【符号の説明】
3...石膏ボード, 4...補強層, 40...樹脂含浸マット, 41...熱硬化性樹脂, 42...無機質繊維, 43,62...硬化剤, 6...接着剤, 61...常温度硬化樹脂, 7...耐火性複合建築材料,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 13/14 B32B 13/14 E04B 1/94 E04B 1/94 V

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質無機芯材の表側面又は裏側面の少
    なくとも一方に,熱硬化性樹脂及び無機質繊維からなる
    補強層を設けてなる耐火性複合建築材料を製造するに当
    たり,無機質繊維からなるマットに予め熱硬化性樹脂及
    び硬化剤を含浸し,乾燥して樹脂含浸マットを作製して
    おき,該樹脂含浸マットを多孔質無機芯材の表側面又は
    裏側面の少なくとも一方に積層し,加熱下でプレスする
    ことを特徴とする耐火性複合建築材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記無機質繊維は,
    ガラス繊維,ロックウール,及びセラミックファイバー
    の群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴と
    する耐火性複合建築材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記熱硬化性
    樹脂は,フェノール樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹
    脂,ポリイミド樹脂,及び尿素樹脂の群から選ばれる1
    種又は2種以上であることを特徴とする耐火性複合建築
    材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記補強層の中において,上記熱硬化性樹脂の含有量
    は,上記無機質繊維100重量部に対して,20〜20
    0重量部であることを特徴とする耐火性複合建築材料の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,
    上記多孔質無機芯材は,石膏ボードであることを特徴と
    する耐火性複合建築材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項において,
    上記多孔質無機芯材は,さらに有機質成分を含むことを
    特徴とする耐火性複合建築材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 有機質成分を含む多孔質無機芯材の表側
    面又は裏側面の少なくとも一方に,樹脂及び無機質繊維
    からなる補強層を設けてなる耐火性複合建築材料を製造
    するに当たり,無機質繊維からなるマットに予め樹脂を
    含浸し,乾燥して樹脂含浸マットを作製しておき,該樹
    脂含浸マットを,有機質成分を含む多孔質無機芯材の表
    側面又は裏側面の少なくとも一方に積層し,加熱下でプ
    レスすることを特徴とする耐火性複合建築材料の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において,上記有機質
    成分は,有機質結合剤または有機質繊維状物であること
    を特徴とする耐火性複合建築材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項の製造方法
    により製造されたことを特徴とする耐火性複合建築材
    料。
  10. 【請求項10】請求項9の上記耐火性複合建築材料から
    なることを特徴とする耐火性複合床材。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011149273A (ja) * 1999-11-05 2011-08-04 Industrias Auxilliares Faus Slu ラミネートされた床用製品
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