JP3935331B2 - 無機質積層板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の無機質層を積層して形成される無機質積層板、特に、その接着界面を補強して釘打ち性能を高めた無機質積層板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無機質板は脆弱であるため、多層構造によって曲げ強度等の向上が図られている。例えば、表裏面に密度が高く、かつ、強度の大きい材料からなる無機質層を配置するとともに、中心層に密度が低く、軽量な材質からなる無機質層を配置することにより、軽量で高強度の無機質積層板を得ていた。
【0003】
しかし、このような無機質積層板を構造用面材として用いる場合には、さらに、釘,ネジ保持力を強化する必要がある。
釘,ネジ保持力を強化する方法として、表裏面の硬度を向上させる方法や中心層の密度を増加させる方法が考えられる。しかし、前者においては釘打ち時に板が割れる恐れがあり、後者においては製造工程で板を加熱圧締する際に板内に生じた蒸気やガスが抜けにくくなり、パンク現象が発生する場合がある。また、いずれの場合も大幅なコスト上昇を伴うという問題点がある。
【0004】
本発明は、前記問題点に鑑み、軽量で強度が高いとともに、釘,ネジの保持力が高く、施工性,耐久性に優れた無機質積層板およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明にかかる無機質積層板は、前記課題を達成するため、複数の無機質層が接着剤を介して積層されてなる無機質積層板において、前記無機質層の接着界面のうち、少なくとも釘またはビス等で固定される固定領域に、粉体および繊維の少なくともいずれか一方を含有する前記接着剤で補強層を形成した構成としたものである。
【0006】
したがって、本発明によれば、補強層に釘等が保持されるので、釘打ち性能が向上し、施工性,耐久性が向上する。
また、粉体および繊維の混入で補強層に多数の微小な連通孔が形成される。このため、加熱圧締の際に生じた蒸気,ガスが微小な前記連通孔から抜け出てしまうので、熱圧工程によって無機質積層板がパンクするということがなくなり、歩留まりが向上する。
【0007】
さらに、前記補強層は、帯状であってもよい。この実施形態によれば、必要な固定領域のみに補強層が形成され、接着剤を節約できて経済的である。
【0008】
前記無機質層の最外表面の少なくともいずれか一方に、前記補強層の位置を明示する表示部を設けた構成であってもよい。
本実施形態によれば、最外表面から補強層の位置を判別できるので、釘,ビス止め作業が正確、かつ、迅速に行うことができ、施工性がより一層向上する。
【0009】
本発明にかかる無機質積層板の製造方法は、複数の無機質層の界面に接着剤を塗布するとともに、前記界面のうち、少なくとも釘またはビス等で固定される固定領域に、粉体および繊維の少なくともいずれか一方を添加,混入した接着剤を塗布した後、熱圧工程を含む加熱工程で前記接着剤を硬化させて補強層を形成する工程からなる。
本発明によれば、複数の無機質層の界面を接着すると同時に、補強層が形成されることになり、釘止め性能に優れた無機質積層板が得られるという効果がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる無機質積層板としては、複数枚の珪酸カルシウム板や石膏板等を積層一体化したものに限らず、例えば、大建工業株式会社のダイライトのように、湿式抄造によって得られた表裏層部10,11の間に芯層部12を接着層13,14を介して積層と製板とを同時に行うことにより、積層一体化した三層構造を有するものが挙げられる(図1)。
【0011】
前記表裏層部10,11は、強度および美観を発現させるためのものであり、主として鉱物質繊維,無機粉状体および結合剤からなるものである。
鉱物質繊維としては、例えば、ロックウール,スラグウール,ミネラルウールおよびガラス繊維などを挙げることができる。これらは単独あるいは組み合せて使用できる。そして、表裏層部10,11における鉱物質繊維の添加量は、表裏層部10,11全体の10〜80重量%、特に、30〜60重量%が好適である。10重量%未満であると、曲げ強度が低くなるからであり、80重量%を越えると、無機粉状体や結合剤の割合が相対的に低くなり、表面硬度および強度が低くなるからである。
【0012】
無機粉状体は、防火性を維持しつつ、表面硬度および平滑性を高めるためのものであり、例えば、水酸化アルミニウム,炭酸カルシウム,珪砂,スラグ,マイクロシリカ等が挙げられ、その添加量は表裏層部全体の40〜70重量%とするのが好ましい。40重量%未満であると、所望の表面硬度や平滑性が得られないからであり、70重量%を越えると、鉱物質繊維や結合剤の割合が相対的に低くなり、所望の強度が得られないからである。
【0013】
結合剤は、前記鉱物質繊維および無機粉状体を結合一体化するためのものである。例えば、澱粉,ポリビニルアルコール、イソシアネート(MDI)用いることができる。また、耐水性を高める場合にはフェノール樹脂,アクリル樹脂等を用いることができる。そして、前述の樹脂の添加量は固形分換算で5〜20重量%が好適である。5重量%未満であると、所望の強度が得られないからであり、20重量%を越えると、防火性を満足できなくなるからである。なお、結合剤としては、セメント,石膏,水ガラス等の無機質結合剤も利用できる。
【0014】
さらに、強度を高めるため、パルプ,ポリプロピレン,ビニロン等の有機繊維を2〜15重量%添加してもよい。
【0015】
芯層部12は、圧縮強度を維持しつつ、軽量化を発現するためのものであり、主として無機発泡体および結合剤からなるものである。
無機発泡体としては、例えば、パーライト,シラス発泡体,ガラス発泡体等を挙げることができ、その添加量は50〜90重量%である。50重量%未満であると、十分な軽量化が行えないからであり、90重量%を越えると、結合剤や繊維の割合が低下し、強度を向上できないからである。
【0016】
結合剤は前記無機発泡体を結合一体化するものであり、表裏層部10,11で使用する結合剤から任意に選択でき、その添加量は5〜30重量%が好適である。添加量が5重量%未満であると、所望の強度が得られないからであり、30重量%を越えると、防火性を満足できなくなるからである。
【0017】
さらに、芯層部12の強度を高めるためにパルプ,ポリプロピレン等の有機繊維を4〜30重量%添加してもよい。また、必要に応じ、水酸化アルミニウム,炭酸カルシウム,珪砂等の無機粉状体を添加してもよい。ただし、軽量化を維持するためには無機粉状体は50重量%以下にする必要がある。
【0018】
表裏層部10,11の比重は0.8〜1.2、芯層部12の比重は0.2〜0.7、全体比重は0.4〜0.9のものが適当である。表裏層部10,11の比重が0.8未満であると、所望の強度が得られないからであり、1.2を越えると、表裏層部10,11が硬くなり,加工性が悪くなるからである。また、芯層部12の比重が0.2未満であると、芯層部12としての強度が保持できないからであり、0.7を越えると、十分な軽量化が図れないからである。
【0019】
接着層13,14を形成する接着剤は、第一義的には前記表裏層部10,11と芯層部12とを積層一体化するためのものであるが、粉体あるいは繊維の少なくともいずれか一方を添加,混練しておいてもよい。これは、粉体あるいは繊維を添加して多数の微小な連通孔を形成し、抄造状態から無機質積層板を直接形成する場合に生じる蒸気やガス等を抜けやすくすることにより、製造工程中のパンク現象や剥離現象を防止するためのものである。
【0020】
主体となる接着剤としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリルスチレン樹脂、ポバール、澱粉が挙げられる。
【0021】
粉体および繊維は加熱工程における劣化を考慮すれば、無機材料であることが好ましいが、特に限定するものではない。また、粉体を用いれば、固くて均一な補強層を形成でき、繊維を用いれば、接着界面がより一層強化されるという特徴がある。前記粉体としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪砂、スラグ等の無機質粉体、パーライト、黒曜石発泡体、シラス発泡体、ガラス発泡体等の無機質発泡体が挙げられる。また、前記繊維としては、例えば、ロックウール、スラグウール、グラスウール、ワラストナイト、セピオライト、カーボンファイバー等の無機繊維の粉砕物、金属短繊維等が挙げられる。
【0022】
そして、適正な嵩高効果を得るためには粉体の粒径は50〜500μm、繊維の長さは3mm以下が好ましい。また、両者の添加量は20〜80重量%が好ましい。20重量%未満であれば効果がなく、80重量%を越えると、嵩が出すぎて強度低下の原因となるからである。
【0023】
前記接着剤は1種あるいは2種以上組み合せて使用してもよく、また、前記粉体および繊維も単独あるいは複数のものを組み合せて使用してもよい。
【0024】
前記接着剤からなる補強層15,16は、所定ピッチで複数列の帯状に形成してもよく、あるいは、点状,格子状に形成してもよい。また、三層構造の場合には、芯層部12の表裏面、表面、裏面のいずれでもよい。
【0025】
無機質積層板の製造方法は、既存の湿式、乾式およびこれらの方法を適宜組み合わて使用でき、特に限定するものではない。
例えば、鉱物質繊維、結合剤、無機粉状体および有機繊維等を水中に投入,攪拌してスラリーを得、これを抄造して表裏層部となるウェットマットを得る。一方、無機発泡体、結合剤、無機粉状体および有機繊維等を水の噴霧下で混合して混合物を得る。そして、表層部となる前記ウェットマット上に接着剤を散布するとともに、補強層を形成するための接着剤を塗布した後、前記混合物を散布,堆積する。ついで、堆積させた前記混合物上に前記接着剤を散布するとともに、補強層を形成するための接着剤を塗布した後、裏層部となる前記ウェットマットを重ね合わせて積層体を得る。
【0026】
ついで、前記積層体をホットプレスで加熱,圧締した状態を長時間維持して加熱圧締することにより、表裏層部の比重0.8〜1.2、芯層部の比重0.2〜0.7、全体比重0.6〜0.9の無機質積層板が得られる。
この加熱圧締方法によれば、途中で解圧しないので、パンク現象を防止できるという利点がある。
【0027】
また、前記積層体に対する別の加熱圧締方法としては、前記積層体をホットプレスで加熱,圧締した状態で、室温まで急冷して所定時間保持する。ついで、解圧後、ドライヤーで所定時間乾燥して無機質積層板を得る方法が挙げられる。
この方法によれば、開放状態で乾燥するので、乾燥効率が高く、エネルギー消費が少なく、短時間で乾燥できるという利点がある。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
ロックウール48重量%、無機充填材として炭酸カルシウム34重量%、耐水性バインダーとして粉体フェノール8重量%、バインダーとして澱粉5重量%、補強繊維として古紙5重量%に水を添加,混練してスラリーを得た。さらに、このスラリーにポリ塩化アルミニウム0.15重量%およびポリアクリルアマイド0.15重量%(各固形分換算)を順次、添加,攪拌し、抄造,脱水して含水率70%、固形分重量2.2kg/m2の表裏層部となる湿潤マットを得た。
【0029】
一方、無機発泡体としてシラス発泡体50重量%、無機充填材として炭酸カルシウム35重量%、耐水性バインダーとして粉体フェノール7重量%、バインダーとして澱粉3重量%、補強繊維として古紙5重量%に水を噴霧しながらミキサー内で攪拌,混合し、含水率20%の芯層部となる混合物を得た。
【0030】
そして、表層部となる前記湿潤マットの上に、粉体フェノール65重量パーセント、澱粉35重量パーセントを混合した接着剤を、350g/m2の割合で均一に散布した。ついで、前記混合物を2.0kg/m2の割合で均一に散布,堆積させて芯層部を形成した後、前記接着剤を350g/m2の割合で均一に散布し、さらに、その上面に裏層部となる前記湿潤マットを積層して積層体を得た。
ついで、この積層体を温度180℃に加熱したホットプレスにセットし、圧力10〜20kg/cm2、プレディスタンス9mmの条件で1時間、加熱成型した。この結果、パンクの発生はなく、得られた無機質積層板をサンプルとし、その物性を測定した。測定結果を図2(A)に示す。
【0031】
(実施例2)
芯層部と表裏層との両側界面のうち、片側界面のみに、前記接着剤を350g/m2の割合で均一に散布した点を除き、他は前述の実施例1と同様に操作することにより、前記積層体をパンクさせることなく無機質積層板が得られた。これをサンプルとして物性を測定した。測定結果を図2(A)に示す。
【0032】
(比較例1)
芯層と表裏層との両側界面にのみ、粉体フェノール65重量パーセントおよび澱粉35重量パーセントを混合した接着剤を50g/m2の割合で均一に散布した点を除き、他は前述の実施例1と同様に操作することにより、積層体をパンクさせることなく無機質積層板が得られた。これをサンプルとして物性を測定した。測定結果を図2(A)に示す。
【0033】
(比較例2)
実施例1と同一組成の材料で仕込量を増大し、他は前述の比較例1と同様に操作することにより、積層体をパンクさせることなく比重0.78の無機質積層板を得、これをサンプルとして物性を測定した。測定結果を図2(A)に示す。
【0034】
図2(A)から明らかに示すように、実施例1,2は比較例1よりも比重が大きいが、MOR(曲げ破壊係数)、釘側面抵抗、釘頭貫通強度において優れた物性を有することが判った。特に、実施例1は比較例2と比重が同等であるにもかかわらず、MOR(曲げ破壊係数)、釘側面抵抗、釘頭貫通強度の全てにおいて優れた物性を有することが明らかとなった。
【0035】
なお、MOR(曲げ破壊係数)は、増量界面を下側にした場合の曲げ強度をいう。また、釘側面抵抗は、試験体の端部から12mmのところに釘を打ち込んだ場合の強度をいう。さらに、釘頭貫通強度は増量した接着界面を表側にして釘を打ち込んだ場合の強度をいう。
【0036】
(実施例3)
実施例1とほぼ同様であり、異なる点は加熱圧締方法および界面接着剤の組成である。
すなわち、異なる加熱圧締方法では、実施例1と同様に操作して得られた積層体を温度100℃に加熱したホットプレスにセットし、圧力10〜20kg/cm2、プレディスタンス8.6mmの条件で1分間、加圧した後、そのままの状態でプレス温度を室温まで急冷し、2分間保持した。さらに、解圧後、温度180℃のドライヤーで40分間、乾燥して無機質積層板を得た。
また、界面接着剤としては、粉体フェノール15重量%、澱粉25重量%およびワラストナイト60重量%を混合したものを用いた。
界面接着剤への繊維の混入により、前述の加熱圧締方法によってもパンクの発生はなく、得られた無機質積層板をサンプルとし、その物性を測定した。測定結果を図2(B)に示す。
【0037】
(実施例4)
芯層と表裏層との片側界面のみに、実施例3で使用した前記接着剤を実施例3と同様に均一に散布した点を除き、他は前述の実施例3と同様に操作してサンプルとなる無機質積層板を得た。この場合においてもパンクの発生はなく、得られた無機質積層板をサンプルとし、その物性を測定した。測定結果を図2(B)に示す。
【0038】
(比較例3)
芯層と表裏層との両側界面に、粉体フェノール65重量パーセントおよび澱粉35重量パーセントを混合して得た接着剤を50g/m2の割合で均一に散布した点を除き、他は前述の実施例3と同様に操作してサンプルとなる無機質積層板を得た。この場合においてもパンクの発生はなく、得られた無機質積層板をサンプルとし、その物性を測定した。測定結果を図2(B)に示す。
【0039】
(比較例4)
実施例1と同一組成で仕込量を増大するとともに、芯層と表裏層との両側界面に、粉体フェノール65重量パーセントおよび澱粉35重量パーセントを混合して得た接着剤を50g/m2の割合で均一に散布した点を除き、他は前述の実施例3と同様に操作することにより、サンプルとなる比重0.78の無機質積層板を得た。この場合においてもパンクの発生はなく、得られた無機質積層板をサンプルとし、その物性を測定した。測定結果を図2(B)に示す。
【0040】
(比較例5)
芯層と表裏層との片側界面に、粉体フェノール65重量パーセントおよび澱粉35重量パーセントを混合して得た接着剤を350g/m2の割合で均一に散布した点を除き、他は前述の実施例3と同様に操作して無機質積層板を製造しようとしたが、パンク現象が発現し、サンプルとなる無機質積層板は得られなかった。
【0041】
図2(B)から明らかなように、実施例3,4は比較例3よりも比重は大きいが、MOR(曲げ破壊係数)、釘側面抵抗、釘頭貫通強度において優れた物性を有することが判った。特に、実施例4は比較例4と比重が同等であるにもかかわらず、MOR(曲げ破壊係数)、釘側面抵抗、釘頭貫通強度の全てにおいて優れた物性を有することが明らかとなった。
また、実施例3,4でパンク現象が現れず、比較例5でパンク現象が現れたことから、接着剤に粉体および/または繊維を添加,混練すれば、パンク現象を効果的に防止できることが判明した。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、肉厚の補強層に釘等が保持されるので、釘打ち性能が向上し、施工性,耐久性に優れた無機質積層板が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる無機質積層板の実施形態を示す斜視図である。
【図2】 図(A)は実施例1,2および比較例1,2の測定結果を示す図表であり、図(B)は実施例3,4および比較例3,4,5の測定結果を示す図表である。
【符号の説明】
10,11…表裏層部、12…芯層部、13,14…接着層、15,16…補強層、17…表示部。
Claims (4)
- 複数の無機質層が接着剤を介して積層されてなる無機質積層板において、
前記無機質層の接着界面のうち、少なくとも釘またはビス等で固定される固定領域に、粉体および繊維の少なくともいずれか一方を含有する前記接着剤で補強層を形成したことを特徴とする無機質積層板。 - 補強層が帯状であることを特徴とする請求項1に記載の無機質積層板。
- 無機質層の最外表面の少なくともいずれか一方に、補強層の位置を明示する表示部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の無機質積層板。
- 複数の無機質層の界面に接着剤を塗布するとともに、前記界面のうち、少なくとも釘またはビス等で固定される固定領域に、粉体および繊維の少なくともいずれか一方を添加,混入した接着剤を塗布した後、熱圧工程を含む加熱工程で前記接着剤を硬化させて補強層を形成したことを特徴とする無機質積層板の製造方法。
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