JPH0243137Y2

JPH0243137Y2 -

Info

Publication number: JPH0243137Y2
Application number: JP5302783U
Authority: JP
Priority date: 1983-04-09
Filing date: 1983-04-09
Publication date: 1990-11-16
Also published as: JPS59158606U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は多数枚のパネルを当接して壁体を構成
する際に必ず形成される目地部に防火性、防水性
を付与したパネルの目地構造に関する。一般にパ
ネルを用いて壁体を形成する際は、その雌型連結
部を下地に釘で固定した後に相隣るパネルの雄型
連結部を係合して壁を構成したり、あるいはパネ
ルの化粧面からボルトなどで下地にパネルを固定
し、各パネル間の側面にパツキング材を介在して
壁を構成するのが普通であつた。しかしながら、
前者の構成で壁を形成した際には、雌型連結部に
雄型連結部を単に挿入した構造となつていたた
め、その目地部から雨水、空気が漏洩することが
多く、下地を腐食したりする不利があつた。ま
た、施工時に目地部の間隙をできるだけ小さくす
るために一方向に挿圧した状態でパネルを固定し
なければならず作業能率が低かつた。さらに、外
観としては目地の間隔が施工技術により大きくバ
ラつくため壁の意匠性が低下されると共に、施工
には熟練を必要とする不利があつた。また、後者
の構成では固定具が化粧面に露出しているため外
観を極度に悪化すると共に、施工が大がかりとな
り、かつ、容易でない欠点があつた。さらに、目
地部は殆んど突き合せであり、目地を意匠として
利用できない不利があつた。その他、防火性では
下地と表面材間が直結した構造となつているため
この目地部が最大の弱点部となつていた。本考案はこのような欠点を除去するため、横断
面をハツト状とした不燃性の長尺体の主体と防水
シート間に難燃材、準不燃材、または不燃材の１
つからなる芯材を充填してサンドウイツチ構造体
としたパネルの芯材部分の側面を相互に当接し、
相隣るパネルの主体と固着部間に形成された凹部
（目地部）に弾性変形可能なカバーを装着すると
共に、そのカバー内に防火性パツキング材を充填
して、防火試験に合格できる目地構造とし、かつ
壁表面に釘頭などが露出しない美しい外観とし、
さらに目地部からの雨水の漏洩を防止でき、その
上目地部の断熱性を大幅に改善したパネルの目地
構造を提供するものである。以下に図面を用いて本考案に係るパネルの目地
構造の一実施例について詳細に説明する。すなわ
ち、第１図は上記目地構造の１つを抽出して示す
説明図であり、１はパネルで第２図に示すように
不燃性の硬質基材からなる長尺体をハツト状横断
面に形成した主体２と主体２の裏面に充填した難
燃材、準不燃材、あるいは不燃材からなる芯材９
と芯材９の長手方向の露出面を被覆した防水シー
ト１１とを一体に形成したものである。さらに説
明すると、主体２は第３図に示すように金属、例
えばアルミニウム、カラー鋼板、ステンレスなど
を折り曲げ加工、押し出し加工により、化粧面３
と側面４とから状に形成し、側面４の下端縁を
側面に沿つて内方へ窪ませた嵌合溝５と嵌合溝５
の下縁を外方へ水平に延長した突出部６と突出部
６の先端を上方へ突出した断面の舌片７を有する
固着部８とから構成したものである。また、前記
芯材９は主にポリウレタンフオーム、ボリイソシ
アヌレートフオーム、ポリスチレンフオームなど
のプラスチツクフオームに難燃剤、防火剤、無機
材、軽量骨材、鉱物繊維などの所謂、添加物１０
の１種を添加した難燃性芯材、フエノールフオー
ム、塩化ビニルフオーム、珪酸カルシウム板、炭
酸カルシウム板、石膏スラグを主材とした無機軽
量材、カルシウムアルミネートハイドレートと石
膏、および珪酸カルシウムとを主成分とする無機
材などからなり、パネル１の主に断熱材、防火
材、吸音材、緩衝材、寸法調節材として機能する
ものである。なお、芯材９は主体２の裏面に合致
する断面、所謂ハツト状に形成し、主体２と一体
化したものである。勿論、原料で吐出してモール
ド構造としたり、成形体を積層して接着剤で一体
化した構造とすることもできる。また、前記した
難燃剤としてはハロゲン化合物、リン酸エステ
ル、ビニル化合物、アンチモン系、水和アルミナ
などである。さらに、防火剤としては硼砂を造粒
したもの、メタ硼酸ソーダをパーライト粒の内部
空隙に充填したものであり、無機材としては、フ
マル酸、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、石粉
であり、無機軽量骨材としてはパーライト粒、焼
成バーミキユライトなどである。また、鉱物繊維
としてはガラス繊維、石綿などである。なお、プ
ラスチツクフオームを難燃化する場合は準不燃
材、不燃材に近い防火性能となるように添加す
る。さらに、防水シート１は芯材９の長手方向の
露出面を被覆するものであり、主に芯材９、主体
２の補強とパネル１のサンドウイツチ構造による
機械強度、防水性、防湿性、断熱性、遮音性の強
化を図るものである。上記シート１１の材料とし
てはクラフト紙、アスベスト紙、アスフアルトフ
エルト、アルミニウム箔、鉄箔、不織布、鉛箔、
合成樹脂シートの１種以上からなるものである。
１２はカバーで前記したような金属などの硬質基
材を折り曲げ、押し出しなどの加工により横断面
を状に形成した長尺体である。さらに説明する
と、カバー１２は第４図に示すように化粧面兼支
持面である化粧面部１３と化粧面部１３の両側端
縁を下方へ延長した弾性変形可能な脚部１４と脚
部１４の下端縁を外方へ前記窪みに嵌合しうる断
面にふくらませた突条部１５とから形成したもの
である。１６は防火性パツキング材で例えば、第
５図に示すような形状の成形体、あるいはカバー
１２の内側に後記するような形状でモールドした
ものなどである。すなわち、防火性パツキング材
１６は後記するような目地部の防火性、断熱性、
気密性を強化すると共に、カバー１２をも補強す
るものである。さらに説明すると、防火性パツキ
ング材１６は高熱下で不燃ガスを放出したり、無
機質発泡体を形成したり、あるいは炭化層となつ
たりする性質の材料、例えばプラスチツクフオー
ム、ゴム、ホツトメルト接着剤に含水物（炭酸ソ
ーダ、硼砂、メタ硼酸ソーダ、水和石膏、水酸化
アルミニウムなどのように水分を含有する無機物
質）を添加したり、硼砂、メタ硼酸ソーダ、リン
酸ソーダを添加して無機質発泡層を形成するもの
などである。また、炭化層を形成するにはフオー
ム自体が炭化するポリイソシアヌレートフオー
ム、フエノールフオームなどからなるものであ
る。１７は取付体で、例えば間柱、胴縁などから
なり、１８は固定具で釘、木ねじ、ボルトなどの
１種からなり、パネル１の突出部６を取付体１７
に固定するためのものである。１９は目地部で取
付体１７に相接して装着されたパネル１，１′間
の側面４と固着部８によつて形成された凹部であ
る。そこで、主体２とカバー１２、およびパツキ
ング材１６相互間の大きさについて簡単に説明す
ると、主体２の長さL₁はカバー１２の長さL₂、
パツキング材１６の長さL₃と同じである。主体
２の化粧面３の幅W₁とカバー１２の化粧面部１
３の幅W₂とは直接関係しないが、W₁＞W₂が好
ましい。また、主体２の高さH₁とカバー１２の
高さH₂とは、特に関係しないが、目的に応じて
H₁＝H₂のいずれかとし、意匠性を向上すると共
に、壁のアクセント、防水性に寄与するものであ
る。さらに、主体２の嵌合溝５間の間隔W₃はW₁
−W₃＝2dでｄは曲面の窪みであり、固着部８の
幅W₄は目地１９の幅W₅と直接関係する寸法であ
る。すなわち、相隣るパネル１の舌片７を当接し
た場合は2W₄＝W₅となり、舌片７間に幾分かの
間隙を設けるとW₅＝2W₄＋幾分かの間隙となる。
なお、カバー１２の突条部１５間の間隔W₆はW₂
＋2ΔWであり、目地部１９の嵌合部分間の幅
W₅′とはW₅′＝W₆もしくはW₅′＜W₅′＋付加寸法
＝W₆であると嵌合溝５と突条部１５とが弾力下
で接触する構造としたものである。また、芯材９
の厚さh₁は10〜100mm位であり、h₂は５〜50mm位
である。特に固着部８の裏面に設けた芯材９ａは
取付体１７と主体２が直接接触し、熱伝導される
のを防止すると共に、取付体１７とパネル１の装
着時の逃げ、安定性、防火性の強化に役立つため
に、約10〜20mm位の厚さか、必要により防火性能
を強化する物質を添加した芯材とするものであ
る。さらに、防火性パツキング材１６の幅W₇は
W₂W₇、高さH₃はH₂＝H₃である。次に施工例につき説明する。いま、第１図に示すような外壁体を構成するた
めに、第２図、および第３図に示すようなパネル
１，１′、カバー１２をカラー鋼板（厚さ0.30mm）
から形成し、かつ、下記する組成の防火性パツキ
ング材１６を準備した。なお、芯材９としてはポ
リイソシアヌレートフオームで密度30Kg／m³、発
泡組織内に硼砂、パーライト粒をフオーム100重
量部に対し30〜100重量部分布し、h₁＝30mm、h₂
＝15mm、W₁＝300mm、W₄＝30mmとしたもの。防
火性パツキング材１６としては軟質ポリウレタン
フオーム内に水酸化アルミニウム、硼砂を含浸し
たもの、また防水シート１１としてはアルミニウ
ム箔にアスベスト紙をラミネートしたものを粘着
したものである。そして、壁下地としては取付体
１７、この場合胴縁が水平に約450mmのピツチで
配設されていると仮定する。そこで、まずパネル
１を胴縁１７に直交するように当て、その両固着
部８を釘１８で固定する。なお、図では固着部８
の一方のみを固定した状態を示す。次に相隣るパ
ネル１′の固着部８の舌片７の先端７a′と芯材９
の側面９ｂとをパネル１のこれに対応する部分に
当接した状態で釘１８で固着部８を固定する。換
言すれば、目地部１９がパネル１，１′間に形成
したことであり、この凹状の目地部１９に対して
カバー１２を第１図において２点鎖線で示す位置
から矢印方向に押圧することにより、脚部１４が
目地部１９の幅W₅間を弾性変形しながらカバー
１２を降下させ、突出部６と突条部１５の下縁１
５ａが接触した位置で嵌合溝５と突条部１５とを
密着して嵌挿すると共に、目地部１９の空間、す
なわち、突出部６、釘１８、カバー１２裏面で囲
まれた空間を防火性パツキング材１６で充填し、
防火性、気密性、断熱性に富む目地部を形成する
ものである。従つて、外壁全体を形成するには、
上記のような工程を順次くり返して行なえばよい
ものである。次に、上記構成材からなる目地部を
含む壁をJIS−Ａ−1301により試験した。その結
果、防火上有害となる発炎もなく、試験終了
後30秒以上の残炎がなく、かつ、５分以上火気も
残存せず、しかも、裏面温度が260℃に達しな
いものであつた。上記壁のデータとしては、は
なし、は残炎が10秒、は150℃であつた。勿
論、衝撃試験、注水試験も合格する性能であつ
た。以上説明したのは本考案に係るパネルの目地構
造の一実施例にすぎず、パネル１を第６図ａ〜ｆ
に示すように形成することもできる。すなわち、
ａ図は突出部６の途中に突起６ａを設けたパネ
ル、ｂ図は化粧面３と側面４の角部を面取り状と
したパネル、ｃ図は側面４の一部を外方へ突出し
た突起４ａを設けたパネル、ｄ図は芯材９の両側
面端部９ａを固着部８より突出させ、かつ、上方
へ突起させたパネル、ｅ図は芯材９を突出部６の
左右で異ならしめたパネル、ｆ図は突出部６を山
状としたパネルである。第７図ａ〜ｄは主体２の
その他の実施例を示す説明図であり、第８図ａ〜
ｌはカバー１２のその他の実施例を示す説明図で
ある。第９図ａ〜ｎはパツキング材１６のその他
の実施例を示す説明図である。さらに説明する
と、防火性パツキング材１６はａに示すようにＴ
字状、ｂ図に示すように長方形、ｃ図に示すよう
に断面が長方形でもカバー１２より下方へ突出す
る高さの長方形状に、ｄ、ｅ図に示すようにパイ
プ状に、ｆ図に示すように異質の防火性パツキン
グ材１６を積層した形状、ｇ図に示すように台形
状に、ｈ図に示すようにカバー１２の下部にのみ
存在する長方形形状に、ｉ図に示すように突条部
１５の周囲を防火性パツキング材１６で被覆した
円形状、ｊ図に示すようにカバー１２の内周面に
沿うように形成した状に、ｋ図に示すように、
脚部１４近くにのみ防火性パツキング材１６を長
方形状に、ｌ図はカバー１２の中央部に単に存在
するパイプ状に、ｍ図はカバー１２の化粧面部の
裏面にのみ充填する形状に、ｎ図はパーライト粒
などの骨材を高熱下無機質発泡層を形成したり、
炭化するプラスチツクでバインドした組成として
長方形状に形成した場合を示すものである。な
お、主体２、カバー１２の化粧面にはエンボス加
工を施すことも可能である。また、防火性パツキ
ング材としてはパテ状、スラリー状で固化するも
のを使用できる。上述したように、本考案に係るパネルの目地構
造によれば、目地部空間にカバーを弾力下で嵌挿
し、パネル側面とカバーの脚部の接触、パネルの
嵌合溝とカバーの突条部の密着、および目地部空
間を防火性パツキング材で充填することにより目
地部の防火構造に合格しうる防火性、防水性、断
熱性、気密性を大きく改善した特徴がある。ま
た、目地部にはパネルを固定するための金具の頭
部などが外観に現われず意匠性にすぐれた特徴が
ある。さらに、パネル施工時は単に当接するだけ
でよく、施工が容易となり作業能率が大きく向上
する特徴がある。また、取付体とカバー間には芯
材が断熱材、緩衝材、寸法調節材、防水材、気密
材、防食材として介在するため、目地部の上記性
能が大幅に向上した特徴がある。その他、パネル
が大型化しても取付体から剥落することなどな
く、かつ、壁にアクセントを付加できる特徴があ
る。さらに、目地部の強度は防火性パツキング材
の介在により従前より大幅に強化された利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るパネルの目地構造の一実
施例を示す斜視図、第２図〜第５図は上記目地構
造の要部であるパネル、主体、カバー、および防
火性パツキング材を示す斜視図、第６図ａ〜ｆ、
第７図ａ〜ｄ、第８図ａ〜ｌおよび第９図ａ〜ｎ
は主体とカバー、および防火性パツキング材のそ
の他の実施例を示す説明図である。１，１′……パネル、２……主体、８……固着
部、９……芯材、１２……カバー、１６……防火
性パツキング材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

横断面をハツト状とし、かつ、長尺体に形成し
て化粧面と側面と該側面の下端を内方に側面に沿
つて窪ませて嵌合溝を設けると共に、その下縁を
外方へ水平に延長し、先端を上方へ突出した固着
部とからなる主体の裏面にハツト状の横断面とな
るように芯材を充填し、該芯材の長手方向に沿つ
て露出している裏面を防水シートで被覆したパネ
ルと、横断面を状の長尺体に形成すると共に、
下端縁を長手方向に沿つて前記嵌合溝に対応する
断面でふくらませた突条部とからなるカバーと、
高熱下に不燃ガスを放出したり、無機質発泡体を
形成したり、あるいは炭化層となる機能を有する
防火性パツキング材とを備え、建築下地に対しパ
ネルを敷設すると共に、相隣接するパネルの芯材
の側面を相互に当接して固定し、相隣るパネルの
主体の側面間に形成される凹部に前記カバーを脚
部の弾性変形を介して嵌挿すると共に、前記主体
の固着部とカバーによつて囲まれた空間に防火性
パツキング材を介在させたことを特徴とするパネ
ルの目地構造。