JPH033704Y2

JPH033704Y2 -

Info

Publication number: JPH033704Y2
Application number: JP1982200642U
Authority: JP
Priority date: 1982-12-23
Filing date: 1982-12-23
Publication date: 1991-01-30
Also published as: JPS5998042U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は多数枚のパネルを当接して壁体を形成
する際に形成される目地構造の改善に関する。一般にパネルを用いて壁体を形成する際は、パ
ネルの両側壁に雄、雌型連結部を設け、その雌型
連結部を下地に釘で固定した後に相隣るパネルの
雄型連結部を係合して壁を構成したり、あるいは
パネルの化粧面からボルトなどで下地にパネルを
固定し、各パネル間の側面にパツキング材を介在
させて壁を構成するのが普通であつた。しかしな
がら、前者の構成で壁を形成した際には、雌型連
結部に雄型連結部を単に挿入した構造となつてい
たため、その目地部から雨水、空気が漏洩するこ
とが多く、下地を腐食したりする不利があつた。
また、施工時には目地部の間隙をできるだけ小さ
くするために一方向に挿圧した状態でパネルを固
定しなければならず作業能率が低かつた。さら
に、外観としては目地の間隔が施工技術により大
きくバラつくため壁の意匠性が低下すると共に施
工には熟練を必要とする不利があつた。また、後
者の構成では、固定具が化粧面に露出しているた
め外観を極度に悪化させると共に、施工が大がか
りとなり、かつ、容易でない欠点があつた。さら
に、目地部は殆んどが突き合わせであり、目地を
意匠としては利用できない不利があつた。その
他、防水性、断熱性では表面材が不地に直接当接
したりしているため断熱性、耐火性に欠ける不利
があつた。本考案はこのような欠点を除去するため、横断
面をハツト状とした長尺体の主体と防水シート間
に芯材を片方に偏位させて充填してサンドイツチ
構造体としたパネルの芯材部分の側面を相互に当
接し、相隣るパネルの主体と固着部間に形成され
た凹部（目地部）に弾性変形可能なカバーを装着
する構造として外観を美しく、かつ、施工を容易
にし、その上目地部からの雨水の漏洩もなく、か
つ断熱性、防火性にもすぐれたパネルの目地構造
を提供するものである。以下に図面を用いて本考案に係るパネルの目地
構造の一実施例について詳細に説明する。すなわ
ち、第１図は上記目地構造の１つを抽出して示す
説明図であり、１はパネルで第２図に示すように
硬質基材からなる長尺体を横断面ハツト状に形成
した主体２と主体２の裏面に充填した芯材９と芯
材９の長手方向の露出面を被覆した防水シート１
０とを一体に形成したものである。さらに説明す
ると、主体２は第３図に示すように金属、合成樹
脂などの硬質基材を折り曲げ、押し出しなどの加
工により化粧面３と側面４とから状に形成し、
側面４の下端縁を側面に沿つて内方へ窪ませた嵌
合溝５と嵌合溝５の下縁を外方へ水平に延長した
突出部６と突出部６の先端を上方へ突出した断面
の舌片７を設けた固着部８とから構成したもので
ある。また、前記芯材９は、主に断熱材、防火
材、吸音材、緩衝材として機能するものであり、
その素材としては例えば、ポリウレタンフオー
ム、ポリイソシアヌレートフオーム、ポリスチレ
ンフオーム、塩化ビニルフオーム等のプラスチツ
クフオーム、鉱物繊維、無機成形体などの１種か
らなり、主体２の裏面に形成すると共に、Δlだ
け一方にずらしたハツト状に形成し、一体化した
ものである。勿論、原料で吐出してモールド構造
としたり、成形体を積層して接着剤で一体化する
こともできる。さらに、防水シート１０は芯材９
の長手方向の露出面を被覆するものであり、主に
芯材９、主体２の補強とパネル１のサンイツチ構
造による機械強度、防水性、防湿性、断熱性、遮
音性の強化を図るものである。上記防水シート１
０の材料としてはクラフト紙、アスベスト紙、ア
スフアルトフエルト、アルミニウム箔、鉄箔、不
織布、鉛箔、合成樹脂シートの１種以上からなる
ものである。１１はカバーで金属、プラスチツク
などの硬質基材を折り曲げ、押し出しなどの加工
により横断面を状に形成した長尺体である。さ
らに説明すると、カバー１１は第４図に示すよう
に化粧面兼支持面である化粧面部１２と化粧面１
２の両側端縁を下方へ延長した弾性変形可能な脚
部１３と脚部１３の下端縁を外方へ前記嵌合溝５
に嵌合しうる断面にふくらませた突条部１４とか
ら形成したものである。１５は取付体で、例えば
間柱、胴縁などからなり、１６は固定具で、例え
ば釘、木ねじ、ボルトなどの１種からなるもので
ある。１７は目地部で取付体１５に装着された相
隣るパネル１，１′の両側面４と固着部８によつ
て形成される凹部である。ここで、主体２とカバ
ー１１の大きさについて簡単に説明すると、主体
２の長さL₁はカバー１１の長さL₂と同じく、主
体２の化粧面３の幅W₁とカバー１１の化粧面部
１２の幅W₂とは直接関係ないがW₁＞W₂が好ま
しい。また主体２の高さH₁とカバー１１の高さ
H₂とは、特に関係しないが、目的に応じてH₁〓＝
H₂のいずれかとし、意匠性を向上すると共に、
壁のアクセント、防水性に寄与するものである。
さらに、主体２の嵌合溝５間の間隔W₃はW₃＝
W₁−2dでｄは曲面の窪みであり、固着部８の長
さW₄は目地部１７の幅W₅と直接関係する寸法で
ある。すなわち、相隣るパネル１の舌片７を当接
した場合は2W₄＝W₅となり、舌平７間に幾分か
の間隙を設けるとW₅＝2W₄＋幾分かの間隙とな
る。なお、カバー１１の突条部１４間の間隔W₆
はW₂＋2ΔWであり、目地部１７の嵌合部分間の
幅W₅′とはW₅′＝W₆、もしくはW₅′＜W₅′＋付加
寸法＝W₆であると嵌合溝５と突条部１４とが弾
力下で接触する構造となるものである。また、芯
材９の厚さh₁は10〜100mm位であり、h₂は５〜50
mm位である。特に固着部８の裏面に設けた芯材９
ａは取付体１５と主体２が直接接触し、熱が伝導
されるのを防止すると共に、取付体１５とパネル
１の装着時の逃げ、安定性、防火性の強化に役立
つために、約10〜20mmの厚さか、必要により防火
性能を強化する物質を添加した芯材９とするもの
である。次に施工例につき説明する。いま、第１図に示すような外壁を構成するため
に、第２図、および第４図に示すようなパネル
１、カバー１１を準備した。そして壁下地として
は取付体１５、この場合胴縁が水平に約450mmの
ピツチで配設されていると仮定する。まず、パネ
ル１を取付体１５に直交するように当て、その両
固着部８を固定具１６で固定する。なお、図では
固着部８の一方のみを固定した状態を示す。次に
相隣るパネル１′の固着部８をパネル１の芯材９
ａ上に載置し、当接した状態で固定具１６で固着
部８を固定する。換言すれば、目地部１７がパネ
ル１，１′間に形成したことであり、この凹状の
目地部１７に対してカバー１１を第１図において
２点鎖線で示す位置から矢印方向に押圧すること
により、脚部１３を目地部１７の幅W₅間を弾性
変形しながら降下させ、突出部６と突条部１４の
下縁１４ａが接触した位置で嵌合溝５と突条部１
４が密着して嵌挿し、目地部１７を完成する。従
つて、外壁全体を形成するには、上記のような工
程をくり返して行えばよいものである。以上説明したのは本考案に係るパネルの目地構
造の一実施例にすぎず、第５図ａ〜ｄは主体２の
その他の実施例を示す説明図であり、第６図ａ〜
ｉはカバー１１のその他の実施例を示す説明する
である。なお、主体２、カバー１１の化粧面部分
にエンボス模様を加工することも当然可能であ
る。上述したように、本考案に係るパネルの目地構
造によれば、目地部空間にカバーを弾力下で嵌
挿し、パネル側面とカバーの脚部の接触、パネル
の嵌合溝とカバーの突条部の密着、および主体の
接合部と芯材の接合部の位置をずらしたことによ
り目地部の防水性を大きく改善した特徴がある。
目地部にはパネルを固定するための金具の頭部
などが外観に現れず意匠性にすぐれた特徴があ
る。パネル施工時は単に当接するだけでよく、
施工が容易となり作業能率が大きく向上した特徴
がある。取付体とカバー間には芯材が断熱材、
緩衝材、寸法調節材、防水材、気密材、防食材と
して介在するため目地部の上記性能が大幅に向上
した特徴がある。パネルが大型化しても取付体
から剥落することなどなく、かつ壁にアクセント
が付加される特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るパネルの目地構造の一実
施例を示す斜視図、第２図〜第４図は上記目地構
造の要部であるパネル、主体、およびカバーを示
す斜視図、第５図ａ〜ｄ、および第６図ａ〜ｉは
主体とカバーのその他の実施例を示す説明図であ
る。１，１′……パネル、２……主体、８……固着
部、９……芯材、１１……カバー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

横断面をハツト状とし、かつ、長尺体に形成し
て化粧面と側面と該側面の下端を内方に側面に沿
つて窪ませて嵌合溝を設けると共に、その下縁を
外方へ水平に延長した固着部とからなる主体と、
該主体に充填すると共に、主体の全幅で、かつ
Δlだけずらして形成したハツト状の横断面の芯
材と、該芯材の長手方向に沿つて露出している裏
面を防水シートで被覆したパネルと、横断面が
状の長尺体に形成すると共に、下端縁を長手方向
に沿つて前記嵌合溝に対応する断面でふくらませ
た突条部とからなるカバーとを備え、建築下地に
対しパネルを敷設すると共に、相隣接するパネル
の芯材の側面を相互に当接して固定し、相隣るパ
ネルの主体の側面間に形成される凹部に前記カバ
ーを脚部の弾性変形を介して嵌挿したことを特徴
とするパネルの目地構造。