JPH0122035Y2

JPH0122035Y2 -

Info

Publication number: JPH0122035Y2
Application number: JP1983076647U
Authority: JP
Priority date: 1983-05-20
Filing date: 1983-05-20
Publication date: 1989-06-29
Also published as: JPS59181152U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は建築、構築物の内、外壁の横張り壁
体、または縦張り壁体を形成するのに有用なサイ
デイングボード（以下、単にボードという）に関
する。従来から使用されているこの種ボードとして
は、特公昭51−29339号、実公昭51−11882
号、実公昭54−26649号などがある。しかしな
がら、上記ボードにおいては種々の問題があつ
た。すなわち、のボード（下見板）では雨水が
風で吹きつけられたりすると単なる平板同士の連
結構造のため雨水が裏面に漏洩し、胴縁、柱を腐
食させたり、室内や押入に湿気を与えたりする欠
点があつた。また、のボードでは下縁の傾斜部
の立上り部までの長さが長いため引張り力に弱
く、目地なしの外装しか形成できない不利があつ
た。しかも、本来は目地なしの外装なのに施工技
術によつて目地なし、目地ありのバラバラな幅の
目地からなる外装となる不利があつた。また、ボ
ードはいずれも裏打材がないため化粧面の裏面に
結露が生じ、錆たり、壁体自体の断熱性、防火
性、防音性に欠けると共に、化粧面の変形を阻止
できず、しかもボード自体が変形しやすく、か
つ、連結力に欠ける欠点があつた。さらに、前記
したボード〜のいずれを用いても、ボードの
連結部は連結部の表面材自体が下地材に直接接触
している部分が多いため、結露により下地を腐食
することが多く、かつ、地震などにおける躯体の
振動、変形が直接伝達されるため離脱し易い不利
があつた。本考案はこのような欠点を除去するため、横長
の化粧面とＬ字状の係止部と変形Ｌ字状の係合部
と固定部とからなる表面材の凹部に芯材を充填
し、その上に裏面材を積層して一体に構成し、化
粧面にペコツキ、変形、反り、捻れなどがなく、
しかも連結部の係合力を大幅に強化して離脱を防
止できると共に、防水性、耐食性、断熱性、クツ
シヨン性をも具備せしめたボードを提案する。以下に図面を用いて本考案に係るボードの一実
施例について詳細に説明する。すなわち、第１図
は上記ボードを示す斜視図であり、１は表面材で
金属板（平板、エンボス板）、合成樹脂板を例え
ば第２図に示すような形状に成形、押出し等して
形成したものである。さらに説明すると、表面材
１は横長の化粧面２とその下端を内方にＬ字状に
屈曲した係止部３と化粧面２の上端に変形Ｌ字状
に形成した係合部７と係合部７の下端を上方へ垂
直に延長した固定部１１と、化粧面２、係止部
３、および係合部７から形成した凹部１３とから
構成したものである。上記係止部３は化粧面２の
下端を内方に角度θ₁＝90゜、あるいはその近傍に
傾斜した底辺４とその下端を上方に向つて垂直、
もしくは幾分内方に傾斜せしめた係止片５、およ
び係止片５の先端をはぜ状に外方、または内方
（図示せず）に屈曲した舌片６とから形成したも
のであり、底辺４は係止片５までの長さを短かく
して係止部３の変形を最小限にすると共に、直角
な形状による陰影で目地の立体感を助長し、係止
片５は後記する係合部７と大きい面積で接触する
と共に、施工の際のガイド、および安定支持片と
防水面として機能し、舌片６は後記する突条１０
と係合部分に毛細管現象が生ずるのを防止する空
隙の形成と施工時に係止片５の先端が刃物のよう
に鋭利になるのを防止して作業時の危険性をなく
するのに役立つものである。７は係合部で化粧面
２の上端を角度θ₂で、かつ後上りに傾斜した傾斜
部８とその上端を上方に垂直に延長した目地下地
面９と目地下地面９の上端をその表面に対し角度
θ₃（鋭角）で傾斜したリブ状の突条１０とから形
成し、主に目地下地として機能し、更に係止部３
を係合すると共に、下地、胴縁などと表面材１が
接触するのを低減し、かつ、防振、および後記す
る芯材１４を収納すると共に、芯材１４の原料漏
れのない縦断面とした型材として役立つものであ
る。さらに説明すると、傾斜部８は雨水の流れを
よくし、目地下地面９に雨水が貯溜するのを防止
すると共に、目地を形成した際の立体感を助長
し、かつ、働き幅を増大するのに役立つものであ
る。また、目地下地面９は垂直な面、あるいは幾
分内方に傾斜したような面からなり、目地部の防
水下地、および係止片５のガイドとして役立ち、
突条１０は係止片５をある弾力下で係合すると共
に、雨返し、および表面材１の変形防止のための
補強と３角形状の屈曲部１０ａの形成により係止
片５と突条１０間の毛細管現象を阻止するもので
あり、かつ、外側の面１０ｂの下端を内側の面１
０ｃの下端よりΔhだけ水平に、もしくは傾斜し
て突出させ、下地と係合部７の接触面積を低減す
ると共に、後記する芯材１４を収納する型の一側
壁として役立つものである。特にΔhだけ突出し
た側面１０ｄは表面材１を搬送するのにスチール
ベルトなどの平板材を使用でき、回転速度をキヤ
タピラなどの型より大幅に高速で回転できるので
生産性が大幅に向上し、かつ、コストダウンにも
役立つものである。なお、角度θ₃は係合力の強化
のために舌片６が接触する面だけは、傾斜してい
ることが好ましい。具体的な角度θ₃としては底辺
４の高さh₁、表面材１の幅Ｗなどの寸法によつて
選択するものである。１１は固定部で突条１０の
側面１０ｄの下端を上方へ垂直に延長したもので
あり、主に表面材１を雨水の漏洩しない位置で第
３図に示すように下地（胴縁、間柱、躯体、下地
板）Ａに釘Ｂを介して固定するのに役立つもので
ある。１２は舌片で固定部１１の先端を外方に屈
曲し、施工時の危険防止、および固定部の波打ち
などの変形を阻止するものである。１３は凹部で
化粧面２、係止部３、および係合部７の裏面によ
つて囲まれた部分であり、１４は芯材で成形体、
あるいは原料を凹部１３に接着剤、もしくは自己
接着性を利用して一体に充填し、主に断熱材、芯
材、クツシヨン材、補強材、接着材、防音材、防
湿材、防錆材として機能するものである。その形
状は凹部１３に対応すると共に、係止部３近傍の
端部は略３角形状、長方形状（図示せず）などの
空隙が底辺４と係止片５間に形成されるような逃
げ溝１５を設け、その逃げ溝１５は主に上段のボ
ードの突条１０を装着するのに役立つ。また、芯
材１４の原料としては、合成樹脂発泡体となる、
例えばポリウレタンフオーム用樹脂、ポリイソシ
アヌレートフオーム用樹脂、フエノールフオーム
用樹脂、およびこれらに難燃剤、難燃助剤（硼
砂、メタ硼酸ソーダ、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、三酸化アンチモン、ベントナイト、
パーライト粒、シラスバルーン）の１種以上を添
加したもの、もしくはロツクウール、グラスウー
ル、塩化ビニルフオーム、ポリスチレンフオー
ム、ポリエチレンフオームなどの成形体の１種、
または２種以上からなるものである。なお、好ま
しくは、フオーム原料を凹部１３に吐出、敷設な
どして反応、発泡させ、その際の自己接着性を利
用して一体化することである。１６は裏面材でシ
ート状物からなり、芯材１４の裏面を被覆し、ボ
ードをサンドイツチ構造にするものである。さら
に説明すると、裏面材１６はボード自体の機械強
度を向上すると共に、不燃シート、防水膜、遮熱
シート、吸水シート、防音シート、パツキング材
などの１つの機能として役立つものであり、例え
ばアスベスト紙、クラフト紙、アスフアルトフエ
ルト、金属箔（Ａ、Pb、Fe）、合成樹脂シー
ト、ゴムシート、布シート、ガラスクロスの１
種、もしくはこれらの１種以上を組み合せたも
の、あるいは防水処理、難燃処理されたシートな
どからなるものである。ここで、上記各部の大き
さについて簡単に説明すると、表面材１の幅Ｗは
狭い幅、例えば、100〜320mm、底辺４の高さh₁、
係止片５の幅₁、目地下地面９の幅W₁、化粧面
２の上端から突条１０の先端までの幅W₂、傾斜
部８の下端から突条１０までの幅W₃、傾斜部８
の高さh₂、固定部１１の裏面から突条１０の先端
までの高さh₃、目地下地部９の表面から突条１０
までの高さh₄、化粧面２から固定部１１までの高
さh₅、表面材１の板厚をｔ、ボードを施工した壁
体の目地開口幅W₄、目地底面幅W₅、芯材１４の
各部の厚さt₁，t₂、とすると例えば、h₁＝h₂、W₁
＝₁＋W₅、Δh＝h₃−h₄、h₄＜h₁、h₄≦h₂、t₁＝
h₅−ｔ、t₂＝h₅−（ｔ＋h₂）としたものである。次に施工例につき説明する。いま、第１図に示すようなボードを第３図に示
すように横張りして外壁を構成すると仮定する。
そこで、主柱、間柱、壁下地、あるいは胴縁など
の下地Ａに第ｎ段目のボード○イを釘Ｂを介して固
定したとする。次に第ｎ＋１段目のボード○ロの係
止部３を第ｎ段目のボード○イの係合部７に係合
し、次にボード○ロの固定部１１を釘Ｂで固定す
る。従つて、外壁全体を構成するには、上記のよ
うな工程を順次、土台側から桁に向つて行なえば
よい。以上説明したのは本考案に係るボードの一実施
例にすぎず、第４図ａ〜ｊ、第５図ａ〜ｄ、第６
図ａ〜ｆ、および第７図ａ〜ｅに示すように形成
することもできる。すなわち、第４図ａ〜ｊは係
止部３の変形であり、第５図ａ〜ｃは係合部７の
変形例である。また、第６図ａ〜ｆは突条１０の
変形例、第７図ａ〜ｅは逃げ溝１５のその他の形
状の場合を示すものである。上述したように本考案に係るボードによれば、
係止部と係合部の連続構造に毛細管現象が生ずる
こともなく、かつ、係止部の舌片、係合部の突
条、および延長部によつて雨水がボードの内側に
漏洩することがないので下地、あるいは壁内部を
腐食することがない特徴がある。また、ボードの
固定は雨水の浸入しない位置としたため固定具に
錆が発生することがない利点がある。さらに、ボ
ードは幅方向に短尺であり、かつ芯材と裏面材と
でサンドイツチ構造であるため、長尺のボードが
反つたり、捻れたり、ペコツキなどによつて外観
を悪くすることがない特徴がある。また、目地は
不等辺台形状の縦断面となるため水切りがよく、
かつ、実質寸法より立体感を醸し出す特徴があ
る。さらに、目地下地面と固定部間にΔhの高低
差を設け、かつ、係止部と係合部の高さ関係を対
応させたため、下地とボードが直接接触する面積
が少なく、かつ、クツシヨン性も具備している芯
材が介在するため振動のボードへの伝達も小さ
く、連結部が離脱しにくい利点がある。さらに、
ボードを狭い幅に形成したため、化粧面にオイル
キヤンが現われない特徴がある。その他、このボ
ードを用いて壁を形成した際には、防音性、断熱
性、防振性、耐火性、耐結露性、および機械強度
が大幅に向上する特徴がある。その上、従来にも
増して凹部を型材として使用できる断面に形成し
たためスチールベルトなどで搬送でき、生産性が
大きく向上する特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサイデイングボードの一
実施例を示す斜視図、第２図はその要部である表
面材を示す説明図、第３図はその施工状態の一部
を示す説明図、第４図ａ〜ｊ、第５図ａ〜ｃ、第
６図ａ〜ｆおよび第７図ａ〜ｅはその他の実施例
を示す説明図である。１……表面材、２……横長の化粧面、３……係
止部、７……係合部、１４……芯材、１６……裏
面材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

横長の化粧面と該化粧面の下端を内方に屈曲し
て縦断面をＬ字状に形成した係止部と上記化粧面
の上端を後上りとなるように傾斜して傾斜面を設
け、該傾斜面の上端を上方に垂直に延長して目地
下地面を形成すると共に、該下地面の上端をその
表面に対し鋭角で屈曲し、その先端を目地下地面
と反対側へ折り返したリブ状の突条から形成した
係合部と、上記突条の折り返した面の先端を延長
し、目地下地面よりΔh突出させ、その先端を上
方へ垂直に延長すると共に端縁を屈曲して舌片を
形成した固定部とから表面材を構成し、前記化粧
面、係止部および係合部とで囲まれた空間に芯材
を上記係止部近傍に上段の突条を装着するための
逃げ溝を形成して充填すると共に、該芯材の裏面
を被覆して一体に形成したことを特徴とするサイ
デイングボード。