JPH032590Y2

JPH032590Y2 -

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Publication number: JPH032590Y2
Application number: JP1984040999U
Authority: JP
Priority date: 1984-03-21
Filing date: 1984-03-21
Publication date: 1991-01-24
Also published as: JPS60152739U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は建築、構築物の内、外装の横張り壁体
を形成するのに有用なサイデイングボード（以
下、単にボードという）に関する。一般にこの種ボード、特に引掛け構造のボード
においては、連結部が第１図に示すような構造と
なつていた。そのため、これを用いて壁体、特に
目地ありの壁体を形成した際は、目地幅が不均一
になるばかりでなく、断熱性、防火性、耐結露性
に欠ける欠点があつた。すなわち、表面材Ａが躯
体Ｂに直接接触する構造の連結部となり、連結部
の防火性、断熱性は良導体である表面材Ａ自体の
熱伝導となる欠点があつた。その他、化粧面に化
溝を形成したボードにおいては断面がく字状にな
り、施工し難く、かつ、外観に劣る不利があつ
た。本考案はこのような欠点を除去するため、係止
部の係止片を係合部の突条の途中に係止片の根元
を目地片に、および係止部の底片を突条の先端に
接触させる３点接触による係合構造となるように
形成して係合溝の角部の僅かな変形にも左右され
ない構成とし、かつ、連結部に係止片の弾力が付
加されるように形成すると共に、連結部の防火
性、断熱性、耐食性と化粧面の変形防止を大幅に
改善し、美しい外観で、高能率で施工できるよう
にしたボードを提案するものである。以下に、図面を用いて本考案に係るボードの一
実施例について詳細に説明する。すなわち、第２
図は上記ボードを示す斜視図であり、１は表面材
で金属板（平板、エンボス板）を第３図に示すよ
うにロール等で成形したものである。さらに説明
すると、表面材１は長尺状の化粧面２（以下、単
に化粧面という）と化粧面２の長手方向と平行に
少なくとも１本（図でも中心に）配設した化粧溝
３と化粧面２の長手方向の１側縁を内方にＬ字状
断面に屈曲した係止部４と他側縁を変形Ｌ字状に
屈曲した係合部８とボードを主柱、間柱（図示せ
ず）に固定するための固定部１３とから構成した
ものである。また、化粧溝３は主に化粧面２の山
状化、反り、捩れ、ペコツキの防止ちボードを施
工た際の壁体の目地と化粧溝３とを識別しにくく
して壁体を１つの凹溝模郡様で区画して統一した
美しい外観とすると共に、大きさの割に立体感を
醸し出せるのに役立つものであり、その形状は縦
断面が不等辺台形状、所謂化粧面と平行な底面３
ａと係合部８側の端縁を外方へθ₁（直角）で屈曲
し、化粧面２と直交する水平面に形成した上面３
ｂと他端縁を角度θ₂（鋭角）で後上がりに傾斜し
た下側の傾斜面３ｃとから形成したものである。
さらに前記した係止部４は化粧面２に対し角度θ₃
（図では90゜）で内方に屈曲した底片５とその先端
を化粧面２と平行な直線に対し角度θ₄（鋭角）で
内方に屈曲した係止片６と係止片６の先端を外方
へはぜ状に屈曲した舌片７とから構成したもので
ある。特に係止片６は後記する突条の内側面の途
中と接触するように傾斜し、係合部８の根元の角
部の僅かな変形によつて目地幅が変化するのを抑
制するものである。しかも、係止片６は係合部８
の目地片と全面で接触しないで係止部４の角部
（係止片６の根元）が線接触するようにして目地
部から雨水が毛細管現象によつて漏洩するのを防
止する構造としたものである。また、係合部８は
化粧面２の他側縁を内方へ角度θ₅で傾斜した傾斜
片９とその先端を外方へ角度θ₆で屈曲し、化粧面
２と平行に形成した目地片１０と目地片１０の先
端を内方へ角度θ₇（鋭角）で折り曲げ、次ぎに内
方へ180゜で折り返し、リブ状に形成した突条１１
と突条１１の末端を内方へ屈曲し、目地片１０の
裏面より突出させた突舌片１２とから構成したも
のである。なお、傾斜片９は係止部４を係合部８
に係合しやすくするための逃げと立体感、水切り
の助長を促すものであり、係合部８の係合溝８ａ
は目地片１０と突条１１の内側面１１ａからＬ状
に形成し、角部の屈曲形状に僅かな形状の変形が
あつても係止片６との接触位置に大きな変化を与
えない傾斜面、湾曲面（図示せず）としたもので
ある。また、固定部１３は突舌片１２の先端を外
方へ化粧面２と平行となるように突出した固定片
１４とその先端を屈曲した舌片１５とから形成し
たものである。１６は防水性を有するプラスチツ
クフオーム（以下、単にフオームという）で後記
する不燃性の複合ボードと表面材１間に形成され
た空隙に充填するものである。さらに説明する
と、フオーム１６は断熱材、芯材、クツシヨン
材、化粧面２のペコツキ防止用の補強材、フオー
ム形成時の自己接着性からなる接着剤、防音材、
防湿材、防錆材として機能し、その原料として
は、ポリウレタンフオーム用樹脂、ポリイソシア
ヌレートフオーム用樹脂、フエノールフオーム用
樹脂（レゾールタイプ、ベンジリツクエーテルタ
イプ、ノボラツクタイプも含む）、およびこれら
に難燃剤、難燃助剤（硼砂、メタ硼酸ソーダ、炭
酸カルシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アン
チモン、ベントナイト、パーライト粒、シラスバ
ルーン）の１種以上を添加したものなどからなる
ものである。１７は不燃性の複合ボード（以下、
単に複合ボードという）でフオーム１６の裏面を
防水、防水、強度の強化のために被覆すると共
に、一端部を目地片９、突舌片１２の裏面に接触
し、他端部を係止部４近傍の化粧面２端部と化粧
溝３の裏面に中間部が略接触するようにフオーム
１６を介して固着したものである。特に、係止部
４側には上段となるボードの係止部４を装着しう
るための係合用の空隙２２を形成するものであ
る。さらに説明すると、複合ボード１７は第４図
ａ，ｂに示すように少なくとも不燃材、準不燃材
からなる芯材１８と裏面シート１９とからなり、
かつ、一端部に屈曲用のＶカツト溝２０と必要に
より設ける面材２１とから構成したものである。
上記、芯材１８としては準不燃材の合成樹脂発泡
体、石こう、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム板
の１種からなり、裏面シート１９としては石こう
ボード用原紙、アスベスト紙、難燃処理されたク
ラフト紙、ガラス繊維の不織布、石こう紙、陶
紙、アスフアルトフエルト、アルミニウム箔、水
酸化アルミニウム紙、鉛シートの１種、または２
種以上をラミネート、蒸着等したものである。そ
して裏面シート１９は芯材１８の保護と芯材１８
の端部１８ａを屈曲する際の丁番的機能材として
役立つものである。また、Ｖカツト溝２０はボー
ドの係止部４に係合用空隙２２を形成するためと
装着を容易にするために内方に複合ボード１７の
端部を傾斜させるのに役立つものであり、その角
度θ₈はフオーム１６の厚さ、端部の傾斜によつて
任意に選択するものである。ここで、上記各部の
大きさについて簡単に説明すると、底面３ａの幅
をW₁、目地部における底面の幅をW′₁、化粧溝
３の開口の幅をW₂、係止片６の幅をW₃、化粧面
２の係合部８側の端縁から突条１１の先端までの
幅をW₄、傾斜片９の下端から突条１１の先端ま
での幅をW₅、目地片１０の幅をW₆、底片５の高
さをh₁、化粧面２の表面から底面３ａの表面まで
の深さをd₁、化粧面２の表面から目地片１０の表
面までの高さをh₂、突条１１の先端から目地片１
０の表面までの高さをh₃、突条１１の先端から固
定片１４の裏面までの高さをh₄、化粧面２の表面
から固定片１４の裏面までの高さをh₅、目地片１
０の表面から固定片１４の裏面までの高さをh₆、
化粧面２の裏面から複合ボード１７の表面までの
フオーム１６の厚さをt₁、底面３ａの裏面から複
合ボード１７裏面までの厚さをt₂、目地片１０の
裏面から複合ボード１７裏面までの厚さをt₃、表
面材１の板厚をｔ、ボード間の目地幅をΔWとす
ると、h₁≒h₂≒d₁、h₁＞h₃、h₅＞h₄、h₂＋h₆＝h₅、
W₁≒W′₁、W₂＝ΔW、W₄＞W₂、W₃＜W₆、d₁＋
ｔ＋t₂＝h₅、t₁＞t₂＞t₃、θ₁＝θ₃、θ₂＝180゜−θ₆
、
θ₄＝10〜45゜、θ₇＝20〜45゜、θ₅＋θ₆＝180゜、θ₆＝
100〜160゜のようなものである。次に施工例につき説明する。いま、第２図に示すようなボードを第５図に示
すように横張にして外壁を構成すると仮定する。
そこで、主柱、壁下地、あるいは間柱αに第１段
目のボードイを釘βを介して固定する。次ぎに第
２段目のボードロの係止部４を第１段目のボード
イの係合部８に係合し、その固定部１３を上記と
同様に間柱αに固定する。従つて、外壁全体を構
成するには、上記のような工程を順次、土台側か
ら桁に向かつて行えばよい。この場合、ボードロ
の係止片６の根元はボードイの目地片１０に接触
し、舌片７は突条１１の内側面１１ａの途中に接
触し、突条１１の先端はボードロの底片５に接触
した、所謂３点支持構造によつて目地幅ΔWを一
定としたものである。また、目地片１０の裏面に
は複合ボード１７が確実に存在するものである。
次ぎに、上記のように構成した実施例からなる壁
体の目地部裏面の温度を比較すると次のようにな
る。なお、表面材１は0.27mmのカラー鋼板、フオ
ーム１６はポリイソシアヌレートフオーム（密度
40Kg／m³）、複合ボード１７は板厚７mmの石こう
ボードを用いて第２図に示す構成としたボード、
これに対し、比較例としては表面材、フオームが
上記と同じで、裏面材としてクラフト紙を用いた
ボードである。そこで、目地部を850℃の火炎に
10分間さらした場合を、−10℃に常温20℃から
１時間さらした際をとした場合の裏面温度は次
のようになつた。【表】以上説明したのは本考案に係るボードの一実施
例にすぎず、第６図ａ、ｂ、第７図ａ〜ｄ、第８
図ａ〜ｄ、第９図ａ〜ｆ、第１０図、第１１図ａ
〜ｄ、および第１２図に示すように形成すること
もできる。すなわち、第６図ａ，ｂは化粧溝３を
図のように変形した化粧面、第７図ａ〜ｄは化粧
面２に化粧溝３を２本、あるいは深さd₁を前記と
相違して形成した表面材と、突舌片１２を形成し
ない表面材、第８図ａ〜ｄは係止部４の形状例で
あり、ａ図は底片５を傾斜した係止部、ｂ図は舌
片７を内方に屈曲した係止部、ｃ図は底片５を面
取り状に形成した係止部、ｄ図は係止片６をく字
状に形成した係止部である。また、第９図ａ〜ｆ
は突条１１の形状例であり、ａ図は断面を角状と
した突条、ｂ図は係合溝８ａの根元を大きな曲面
に形成した突条、ｃ図は湾曲断面とした突条、ｄ
図は目地片１０に凹溝１０ａを形成し、突舌片１
２を突条１１の延長とした突条、ｅ図は突条を途
中から目地片１０と平行に形成した突条、ｆ図は
断面を図のように形成した突条である。さらに、
第１０図は複合ボード１７の係止部４近傍の形状
を示し、第１１図ａ〜ｄは複合ボード１７のその
他の実施例であり、ａ図は裏面シート１９の一端
を突出し、固定部１３に接着しうるようにした複
合ボード、ｂ図は他の面材１９′を接着し、結果
的にａ図と同じ構造となるように形成した複合ボ
ード、ｃ図は芯材１８を分割し、その連結部にの
み裏面シート１９を用いた複合ボード、ｄ図は石
こうボードのようなサンドイツチ構造の板体の１
つの表面にさらに、前記したようなシート状物の
１種を別途に貼着した複合ボードである。また、
第１２図は化粧溝３の裏面と複合ボード１７の表
面間にフオーム１６を介在させたボードである。上述したように本考案に係るボードによれば、
係止部と係合部の連結構造に毛細管現象が生ずる
こともなく、かつ、係止部の舌片、係合部の突条
によつて雨水がボードの内側に漏洩することがな
いので下地、あるいは壁内部を腐食しない特徴が
ある。また、ボードの固定は雨水の浸入しない位
置としたため固定具に錆が発生することがない利
点がある。さらに、化粧面に化粧溝を形成し、か
つ、複合ボードを裏打材として介在させたため、
長尺のボードが反つたり、捻つたり、ペコツキな
どによつて外観を悪くすることがない特徴があ
る。しかも、化粧溝は縦断面を不等辺台形状等と
したため、ボードを連結した際の目地の外観と同
じとなり、従来の壁面と異なり目地が模様として
機能し、美しい外観の壁面に構成しうる特徴があ
る。また、化粧溝、目地は不等辺台形状等の同じ
縦断面となるため水切りがよく、かつ、実質寸法
より立体感を醸し出す特徴がある。さらに、目地
片裏面と固定部間に突舌片片程度の高低差を設
け、かつ、係止部と係合部の高さ関係を対応させ
るため、下地材とボードが直接的に接触する面積
が少なく、かつ、クツシヨン性も具備しているフ
オームが介在するため躯体からの振動がボードへ
減衰されて伝達され、ボードが連結部から離脱し
にくい利点がある。また、凹部にフオームを一体
に充填し、かつ、その裏面を複合ボードで被覆し
たた、サンドイツチ構造のボードとなり、ボード
の防音性、断熱性、防振性、耐火性、耐結露性、
および機械強度が大幅に向上した特徴がある。し
かも、目地部においては、係止部と係合部とが３
点で接触すると共に、係止片の嵌合溝が傾斜した
突条の途中で接触する構成のため、係合部の係合
溝の角部において寸法変形、屈曲形状が幾分変化
していてもボードを施工した際に目地幅に直接的
に、かつ、大きく影響しないので均一目地幅で壁
体を形成できる特徴がある。また、係止片は突条
に弾力下で接触するため、係合力が大きく強化さ
れ、かつ、ガタも生じない特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来から使用されているサイデイング
ボードを用いて横張り壁体を形成した際の連結部
を示す縦断面図、第２図は本考案に係るサイデイ
ングボードの一実施例を示す斜視図、第３図はそ
の要部である表面材の一例を示す説明図、第４図
ａ，ｂ図複合ボードの一例を示す斜視図、第５図
はその施工状態の一部を示す説明図、第６図ａ，
ｂ、第７図ａ〜ｄ、第８図ａ〜ｄ、第９図ａ〜
ｆ、第１０図、第１１図ａ〜ｄ、および第１２図
はその他の実施例を示す説明図である。１…表面材、２…長方形の化粧面、４…係止
部、６…係止片、８…係合部、１１…突条、１６
…プラスチツクフオーム、１７…複合ボード。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

長尺状の化粧面の長手方向に少なくとも１本以
上の化粧溝を設け、その長手方向の１側縁を内方
にＬ字状に屈曲して底片と係止片からなる係止部
を設け、他側縁を屈曲して傾斜片、目地片、およ
びリブ状の突条からなる係合部を前記化粧面から
突出しないように、かつ、断面を変形Ｌ字状に形
成すると共に、上記突条の末端を化粧面と平行に
突出した固定部を形成した断面凹状の表面材と、
防火性を有するボードの１つの表面にＶカツト溝
を有すると共に、少なくとも裏面にシート状物を
一体に貼着した防火性を有する複合ボードと、前
記表面材と上記複合ボード間にサンドイツチ状に
充填した防火性を有するプラスチツクフオームと
から構成し、前記複合ボードは一端部を前記目地
片の裏面に固着し、他端部を前記Ｖカツト溝部か
ら内方に折り曲げ、先端が化粧面裏面の係止部側
の端部に接触すると共に、前記係止片裏面と複合
ボード裏面間に係合用空隙を形成し、かつ、中間
部は化粧面と略平行となると共に、前記化粧溝の
裏面と接触するように配設し、また、表面材と複
合ボード間を前記プラスチツクフオーム形成時の
自己接着性を介して一体に固着したことを特徴と
するサイデイングボード。