JPH0543830B2

JPH0543830B2 -

Info

Publication number: JPH0543830B2
Application number: JP16539784A
Authority: JP
Inventors: Takashi Ishikawa; Takanobu Niizeki
Original assignee: IG Technical Research Inc
Current assignee: IG Technical Research Inc
Priority date: 1984-08-06
Filing date: 1984-08-06
Publication date: 1993-07-02
Also published as: JPS6145059A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は建築、構造物の内、外装の横張り壁体
を形成するのに有用なサイデイングボード（以
下、単にボードという）に関するものである。

従来から使用されているこの種ボードとして
は、例えば特公昭51−29339号、実公昭51−
11882号、実公昭54−26649号などがある。しか
しながら、この種ボードにおいて最大の欠点は化
粧面が山状になり、これを用いて形成した壁体は
連続した山のような外観となることであつた。換
言すれば、ボードの化粧面が山状になると美観性
に劣るばかりでなく、施工しにくく、かつ、連結
部の防水性に欠けると共に、離脱する等の不利が
あつた。また、この種ボードは引掛け構造が多
く、施工上の関係で目地幅が不均一となる欠点が
あつた。さらに、この種ボードは化粧面が設計
上、平坦（エンボス加工も含む）であり、かつ、
単なる段差、凹凸にすぎず、立体感に欠けると共
に、働き幅が少ないため、施工性に欠ける不利が
あつた。その他、この種ボードにおいては、落し
込み型の連結構造としたボードも知られている
が、立体感、防水性、断熱性、施工性、経済性に
欠ける不利があつた。さらに、断熱材、表面材の
いずれかが水平面的でないと製造が容易でない欠
点があつた。

本発明はこのような欠点を除去するため、化粧
面部を階段状に形成し、かつ、その段差の角を鋭
角、または鈍角に形成して段差部分をより明確化
し、しかもボードを連結した際に形成される雄、
雌連結部に目地部の外観を化粧面部の段差外観に
酷似した構造とし、ボードの施工が容易で１人の
作業員で、しかも熟練を要さずに行なうことがで
き、しかも均一な横目地幅となり、その上に製造
が容易で化粧面の変形もなく、かつ、防水性、立
体感を大幅に助長したボードを提案するものであ
る。

以下に、図面を用いて本発明に係るボードにつ
いて説明する。すなわち、上記ボードＡは第１図
に示すように、例えば表面処理鋼板、鋼板に亜
鉛・ニツケル合金をメツキした鋼板、アルミ・亜
鉛合金メツキ鋼板（商品名ガルフアン、ガルバリ
ユウム鋼板、スニパージンク）、アルミニウム板、
アルミニウム合金板、銅板等の１種からなる金属
板（平板、エンボス加工板も含む）をロール、ま
たはプレスで成形したり、あるいは押出し成形な
どの１種により第２図に示すような形状に形成し
た表面材１と裏面材２２間に断熱材２３を一体に
充填してサンドイツチ構造としたものである。さ
らに説明すると、表面材１は長尺状の化粧面部２
と雄型連結部６と雌型連結部１５と断熱材２３を
充填する樋状部２１とから構成したものである。
すなわち、化粧面部２は長尺状の板材の表面の任
意位置（図では中央）に表面の長手方向と平行に
図示するように、少なくとも１段を形成した段差
部３とその先端を外方へ折り返して区分した複数
個の長尺状の傾斜化粧片４，５（以下、単に化粧
片という）とから構成したものである。上記化粧
面部２は主に表面材１の表面を傾斜した段状に形
成して立体感を助長すると共に、強度を向上する
のに役立つものである。また、雄型連結部６は化
粧面部２の上端となる端縁を長手方向と平行に窪
ませて雨返しと毛細管現象の阻止を図る溝部７と
その先端に形成した補強リブ８（図ではパイプ
状）とから形成した差込縁９と差込縁９先端を内
方に屈曲した係合溝１０と係合溝１０の先端縁１
１を外方へ突出した延長部１２とから構成したも
のである。さらに説明すると、延長部１２は釘打
設片１３とその先端を外方へ屈曲した舌片１４と
から形成したものである。雌型連結部１５は化粧
面部２の下端を内方へ屈曲した側壁１６とその側
壁１６先端をさらに内方へ屈曲したスライド片１
７と、その先端を外方へ折り曲げて挿入片１８を
形成して前記差込縁９を嵌合する嵌合溝１９と、
挿入片１８の先端を内方へ屈曲した舌片２０から
形成したものであり、挿入片１８は係合溝１９に
挿入し、より係合力を強化するのに役立つもので
ある。また、樋状部２１は化粧面部２と雄、雌型
連結部６，１５で囲まれた空間であり、断熱材２
３を充填するためのものである。なお、表面材１
の各部の寸法、角度は次のように設定したもので
ある。化粧片４，５の水平線イに対する角度θ₁、
θ₂はθ₁＝θ₂、またはθ₁≒θ₂、あるいは幾分異なる
θ₁θ₂、化粧面４と段差部３間、化粧片５と段差
片１６間の角度θ₃、θ₄はθ₃＝θ₄、あるいはθ₃≒θ₄
で、例えばθ₃＝90°±α、段差片16と上縁１７間
の角度θ₅、および嵌合溝１９の角度θ₆は差込縁９
の角度に応じて定まるものである。また、段差部
３と化粧片５間の角度θ₇、第３図に示すようにボ
ードA₁、A₂の横目地部の角度をθ₈とするとθ₇＝
θ₈、あるいはθ₇≒θ₈程度に形成したものである。
さらに、段差部３の高さをh₁、側壁１６の高さを
h₂とするとh₁＝h₂、またはh₁＞h₂、延長部１２の
裏面に接して引いた水平線ロから差段部３の頂点
３ｂまでの高さをh₃、水平線ロから嵌合溝１９の
スライド片１７の高さをh₄、ボードA₁、A₂の横
目地部の高さをＨとすると、Ｈ＝h₂＋h₄、Ｈ＝h₂
＋h₄＋ｔ（裏面材２２の厚さ）、延長部１２の表面
から差込縁９の頂点までの高さをh₅とすると、Ｈ
≒h₂＋h₅としたものである。また、係合溝１０の
深さをd₁、嵌合溝１９の深さをd₂とすると、d₁＝
d₂、差込縁９から溝部７までの長さをl₁、側壁１
６から嵌合溝１９の最奥までの長さをl₂とすると
l₂＞l₂として、横目地部分に毛細管現象防止用の
空隙２４（第３図に示す）を形成するものであ
る。さらに、前記した裏面材２２は少なくとも断
熱材２３の裏面を被覆するためのものであり、ボ
ード自体の機械強度を強化すると共に、不燃シー
ト、防水膜、遮熱シート、吸水シート、防音シー
ト、剥離シート、パツキング材、補強シートなど
の１部材として機能するものであり、例えばアス
ベスト紙、クラフト紙、アスフアルトフエルト、
金属箔（Al、Pb、Fe）、合成樹脂シート、ゴム
シート、布シート、ガラスクロスの１種、もしく
はこれらの１種以上を組合わせたもの、あるいは
この種シートに対して防水、難燃等の処理を施し
たもの、若しくは前記したような金属板などの１
種からなるものである。また、断熱材２３は化粧
面部２の裏面と係合溝１０、雌型連結部１５の裏
面で形成された空間に充填し、ボードに断熱性を
付与するものであり、副次的に接着性、不燃性な
どの機能を有する素材の１種からなるものであ
る。具体的には合成樹脂発泡体、ロツクウール、
グラスウール、シージングボード、石膏ボード、
木毛セメント板等の１種からなり、成形体、ある
いは原料で吐出し、成形、固化、自己接着させる
ものなどの１種からなるものである。なお、成形
体を用いる場合には表面材１、裏面材２２間に接
着剤（図示せず）が必要である。さらに説明する
と、断熱材２３としては主に合成樹脂発泡体、例
えばポリウレタンフオーム用樹脂、ポリイソシア
ヌレートフオーム用樹脂、フエノールフオーム用
樹脂、およびこれらに難燃剤、難燃助剤（硼砂、
メタ硼酸ソーダ、炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、三酸化アンチモン、ベントナイト、パー
ライト粒、シラスバルーンの１種以上を添加した
ものなどからなるものである。

次に施工例につき説明する。

いま、第１図に示すようなボードを第３図に示
すように横張りして外壁を構成すると仮定する。
なお、ボードA₁、A₂は表面材１が0.27mmのカラ
ー鋼板、裏面材２２がアルミ・クラフト紙、断熱
材２３が表面材１と裏面材２２間にポリイソシア
ヌレートフオーム用原料を吐出し、反応発泡さ
せ、次にキユアして一体化したものである。そこ
で、主柱、間柱、防水シート等からなる壁下地
（図では防水シートを使用しない場合の壁下地を
示す）αに第ｎ段目のボードA₁の釘打設片１３
を釘βを介して固定する。次に第ｎ＋１段目のボ
ードA₂の雌型連結部１５の嵌合溝１９をボード
A₁の雄型連結部６の差込縁９に嵌挿し、第３図
のような目地部を形成するものである。すなわ
ち、横目地部はボードA₁、A₂の段差部３と同じ
外観となるように形成したものである。また、外
壁全体を形成するには、上記したような工程を土
台から桁に向かつて行なえばよいものである。な
お、土台部分にはスタータ（図示せず）、壁の縦
目地、出、入隅等の部分（図示せず）にはコーキ
ング材、役物を用いる必要がある。

以上、説明したのは、本発明に係るボードの一
実施例にすぎず、第４図ａ〜ｉ〜第６図ａ〜ｈに
示すように形成することもできる。すなわち、第
４図ａ〜ｉおよび第５図ａ〜ｃは表面材１のその
他の実施例であり、第６図ａ〜ｈはボードのその
他の実施例である。さらに説明すると、第４図ａ
〜ｉおよび第５図ａ〜ｃは表面材１の各部分のそ
の他の実施例を示すものである。なお、表面材１
の肉厚は省略して示す。すなわち、第４図ａ〜ｉ
は延長部１２のその他の実施例を示す略図であ
り、ａ図は舌片１４を内方に屈曲した延長部、ｂ
図は舌片１４を３角山状に形成した延長部、ｃ図
は釘打設片１３の途中に化粧面部２の長手方向と
平行に突条１３ａを形成し、より係合力、防水性
を強化した延長部、ｄ図は釘打設片１３に２本の
突条１３ａを形成した延長部、ｅ図は舌片１４を
図のように形成した延長部、ｆ，ｇ図は釘打設片
１３を図のように形成した延長部、ｈ図は釘打設
片１３を角度θ₉で傾斜した延長部、ｉ図は釘打設
片１３の途中に凹部１３ｂを形成した延長部であ
る。また、第５図ａは雄型連結部６、溝部７、係
合溝１０のその他の実施例であり、ａ図は釘打設
片１３に対し係合溝１０の上縁１０ａを角度θ₁₀
となるように形成した係合溝、ｂ図は上記の上縁
１０ａをほぼ水平にした係合溝、ｃ図は溝部７の
底面７ａと上縁１０ａとを平行になるように形成
した溝部を設けた雄姿型連結部６である。第６図
ａは裏面材２２の一端を舌片１４で挟持したボー
ド、ｂ図は裏面材２２の両端を図のように挿入し
たボード、ｃ図は係合溝１０、嵌合溝１９のいず
れかにコーキング材２５を充填したボード、ｄ，
ｅ図は段差部、段差片を図のように傾斜せしめた
ボード、ｆ図は裏面材２２の一端を延長部１２よ
り外側方へ突出したボード、ｇ図は裏面材２２の
両端を舌片１４，２０で挟持したボード、ｈ図は
段差部３を２つ形成したボードである。なお、図
示しないが、断熱材２３の裏面に裏面材２２を貼
着しないボードも形成できるものである。勿論、
第４図および第５図を各々、組み合わせた表面材
とすることもできる。

上述したように本発明に係るボードによれば、
化粧面部に少なくとも１段の段差部を形成した
ため、強度が十分に補強されて化粧面が山状にな
つたりすることがない。雄、雌型連結部を前記
した落し込み構造に形成したため、一人でも十分
に施工でき、かつ、目地幅を一定に形成すること
ができ、しかも防水性にすぐれる。ボード間の
連結に熟練を要さず、きわめて高能率で施工でき
る。ボードをサンドイツチ構造としたため、強
度が向上する。ボードで壁を形成した際は段差
部と横目地部の外観が殆ど同じとなるため、美し
い外観で、かつ、立体感に富む壁を形成できる。
ボードの裏面を平面としたため、製造が容易と
なる。表面材を広幅としたため、施工性に富
み、しかも素材幅を有効に利用できるので経済性
にすぐれる。断熱材に合成樹脂発泡体を用いた
際は軽量で、断熱性にすぐれ、しかも接着剤なし
で発泡の際の自己接着性を利用して構成材を極め
て容易に一体に形成できる。等の特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るサイデイングボードの一
実施例を示す斜視図、第２図はその構成材である
表面材を示す斜視図、第３図は上記ボードを用い
て形成した外壁の縦断面の一部を示す説明図、第
４図ａ〜ｉ、第５図ａ〜ｃは表面材の部分のその
他の実施例を示す説明図、第６図ａ〜ｈは本発明
に係るサイデイングボードのその他の実施例を示
す説明図である。１……表面材、４，５……傾斜化粧片、６……
雄型連結部、１５……雌型連結部、２２……裏面
材。

Claims

【特許請求の範囲】

１長尺状の板材表面に該表面の長手方向と平行
に形成した段差部を少なくとも１段配設して前記
表面を階段状に形成した化粧面部と、該化粧面部
の上端となる端縁を長手方向と平行に窪ませた溝
部を設けた差込縁と該差込縁先端を内方に屈曲し
た係合溝と該係合溝の先端縁を外方へ突出した延
長部とを形成した雄型連結部と、前記化粧面部の
下端を内方へ屈曲して形成した側壁と、該側壁先
端をさらに内方へ屈曲したスライド片と該スライ
ド片先端を再び外方へ突出して前記差込縁と嵌合
する係合溝を設けた雌型連結部とから形成した断
面樋状の表面材と、該表面材の延長部を除く裏面
に充填し、かつ裏面を平面とした断熱材と、該断
熱材の裏面を被覆した裏面材とを一体に形成した
ことを特徴とするサイデイングボード。