JPS601146Y2

JPS601146Y2 - モルタル下地板

Info

Publication number: JPS601146Y2
Application number: JP18376779U
Authority: JP
Inventors: 尭石川; 坦今野; 英喜滝口
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1979-12-29
Filing date: 1979-12-29
Publication date: 1985-01-14
Also published as: JPS56100930U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は施工が容易で、かつ断熱性、防水性、セメント
モルタルの付着性に優れていると共に、セメントモルタ
ル層の亀裂、剥落を大幅に抑制し得るモルタル下地板に
関するものである。

従来、例えはセメントモルタル壁を形成する際には、そ
の下地構造どじてＡ、木摺１板−アスフアルドフェルト
ーラス材り８０合板上にゼメントモルタル組成物はらな
る下塗り層を一体に形成した、例えは特許第９４１７・
１８号に示すようなモルタル下地板、Ｃ０断熱材とラス
材を一体に形成した特開昭５４− ’６８０１：９号に
示すような下地板が知られている。

しかしながらＡに示す下地構造は下地を構成する工程が
複雑であるため能率が悪ぐミ七かも施工に塾練を必要と
し、ぞの上、断熱性に欠けるため、冬季に結露が発生し
、木摺板を腐食する欠点があった。

さらに、Ａに示す下地構造にセメントモルタル壁を形成
した際は、モルタル壁に亀裂が生じたり、その一部が剥
落したりする不利があった。

また、Ｂに示すモルタル下地板を用いてモルタル下地を
形成した場合、施工性は大幅に改善されたが、断熱性と
軽量化に欠け、しかもモルタル下地板の接合部でモルタ
ル壁に亀裂が入ったり、その一部が剥落したりする欠点
があった。

さらに、Ｃに示すモルタル下地板では、断熱性が大きく
改善された反面、・ラス材と断熱材の固設構造に最大の
弱点があり、かつ、下地板同士の接合部、およびフオー
ムの収縮に何等の改善も施されておらず、この下地板を
用いて形成したモルタル壁ではモルタル壁：に亀裂、剥
落が生ずる欠点があった。

本考案はこのような欠点を除去するため、ラス材、およ
び補強材、連結機能を有する表面材と断熱材、芯材、・
防水材として機能するプラスチックフオームとプラスチ
ックフオームの裏面を被覆した防水シー□トとを一体に
介在させ、軽量で断熱性、施工性、生産性に富む複合板
構造とし、かつ、これを用いてセメントモルタル壁を形
成する際に、下地の施工が容易で、しかもセメントモル
タル壁材と接触するモルタル下地板の一部に振動吸収部
分を形成等してモルタル壁に生ずるクラック、剥落を大
幅に抑制できるようなモルタル下地板を提供するもので
ある。

以下に、図面を用いて本考案に係るモルタル下地板につ
いて詳細に説明する。

第１図は本考案に係るモルタル下地板を示す斜視図であ
り、図において１はモルタル下地板て表面材２とプラス
チックフオーム１７と防水シート１８の順に積層して一
体に形成した複合板構造のものである。

さらに説明すると、表面材２は金属薄板、例えば表面処
理鋼板（亜鉛鉄板、カラー鋼板・・・）、ステンレス板
、リブラス板、鋼板等の１種からなる板材を第２図に示
すように形成し、主にラス材、連結部材、プラスチック
フオーム形成時の型材として機能するものである。

すなわち、表面材２は長尺状のの化粧面３とその一部を
切断して外方へ折り曲げて形成した多数個の係止片４と
化粧面３の両側縁を内方に屈曲した側壁５，６とから断
面凹状に形成した主体７と、側壁５の下端を外方へ突出
した差込縁８を有する雄型連結部９と、側壁６の下端を
内方に屈曲し、再び外側方へ突出した略コ字状の差込溝
１０とその下縁１１を外側方へ延長突出した延長部１２
を有する雌型連結部１３とを一体に形成したものである
。

なお、突条１４、舌片１５．１６は必要に応じて設ける
ものである。

また１、係止片４は化粧面３から外方へ化粧面３自体の
一部を切断し、外方へ突出させたものであり、その断面
形状は、例えば第３図ａ ”−ｆに示すように形成した
ものでる。

すなわち、ａ図は曲線状に末広がり（根元から先端に向
かつて全体的に傾斜θ１したもの）、ｂ図は係止片４
を化粧面３に対し垂直に突出し、先端４ａのみを折り曲
げて略フック状に形成したものである。

また、Ｃ図はｂ図と同じであるが、先端４ａを化粧面３
と水平に折り曲けたもの、ｄ図は係止片４を直線状に傾
斜したもの、０図はｄ図において示す係止片４の先端４
ａを角度θ２て折り曲げたもの、ｆ図は係止片４を先細
りにしたものである。

この係止片４の高さＨは、々メツ１モルタル壁の厚さに
よって任意に設定するが、・例えば上記壁が２０ｗｎ厚
では５胴以上〜１５ＴｒｒＩｎ程度てあり、孔の径口り
は任意である。

さらに、係止片４の平面図的形状は、例えば第４図ａ〜
１に示すように種々であり、１片、２片、あるいは多数
片から王冠状のものまで目的に応じて形成したものであ
る。

この係止片４の形成法としては、一般的なプレス、切り
日入リプレス、あるいはバーリング加工により、その限
界以上にしてバーリング部周縁での割れを発生させる等
がある。

もちろん、係止片４を複雑な形状にするため係止片４の
突出前に折り曲げ、打ち抜き加工等しておいてもよい。

さらに、説明すると、第４図において、ａ図は長方形の
係止片４をｂ図に示すように２片形成する場合であり、
ｃ ”−ｆ図は円の周縁に３角形的係止片４をＣ図に示
すように４片、または多数片（図示せず）形成する場合
であり、ｇ図は６角形の周縁に３角形的係止片４を６片
形成する場合である。

もちろん、多角形のポンチを用いてバーリング加工した
際は、これに応じた係止片４を形成できるものである。

また、第４図り図は楕円の周縁を多数個に分割して係止
片４を形成する場合であり、ｉ図は長方形の係止片４を
高く形成する場合であり、ｊ、には正方形の周縁を４片
の係止片４にする場合であり、１図は３角形の周縁を３
片に形成する場合である。

さらに、この種係止片４の化粧面３上における分布は、
例えば第５図ａ〜ｄに示すように配列したものである。

すなわち、ａ図はランダムな分布、ｂ図、およびＣ図は
規則的な分布であり、ｂ図は千鳥分布、Ｃ図は基盤の目
の分布である。

もちろん、これに限らず、ひし形状、多角形状、円形状
等に分布できるし、また、係止片４を２個（第５図ｄに
示す）、もしくは３個連続して、あるいは狭い間隔を有
して配列することも可能である。

なお、モルモル下地板形戒上は規則的分布が後の製造工
程上好都合である。

また、プラスチックフオーム１７は例えばポリウレタン
フォーム、ポリイソシアヌレートフオーム、フェノール
フオーム、スチレンフオーム等のようなフオームを形成
する発泡性合成樹脂原料を現場発泡的に主体７の凹状部
に注入して発泡の際の自己接着性を利用してモルタル下
地板の構成材を一体に固着するためのものである。

しかも、プラスチックフオーム１７は耐水性、耐アルカ
リ性、および断熱性にすぐれ、その上、吸水性、吸湿性
が少なく、所謂５０％以上が独立気泡組織であり、適度
の弾力性を有する発泡組織からなるものである。

特にプラスチックフオーム１７の係止片４における状態
は、例えば第３図ａ、ｂにおいて２点鎖線で示すよ
うに山状に突出し、モルタル壁に対する振動の吸収、お
よびモルタル壁材の硬化時の収縮を抑制する弾力材とし
ても機能するものである。

また、プラスチックフオーム１７の形状としては、例え
ば第６図ａ ”−ｆに示すように種々形成したものであ
る。

なお、係止片４は殆んどを省略して描く。

すなわち、ａ図は雌型連結部１３の下縁と凹状断面にプ
ラスチックフオーム１７を一体に設けたモルタル下地板
、ｂ図〜ｄ図は雄、雌連結部から下方へ突出した部分を
有するプラスチックフオーム１７を設けたモルタル下地
板、ｅ図は雄型連結部９にもプラスチックフオーム１７
を設けた下地板、ｆ図は化粧面３を凹凸状に形成し、突
状部３ｂに係止片４を形成するＭ共り＝、プラスチック
フオーム１７を凹状部全面と雄、雌連結部９，１３より
下方へ全体的に突出せしめた下地板である。

また、防水シート１８は例えばアスファルトフェルト、
防水処理したクラフト紙、合成樹脂シート、防水処理し
たアスベスト紙、金属箔、およびこれらの１種、もしく
は２種以上をラミネートしたシート状物からなるもので
ある。

なお、防水シートは差込縁８の下縁と差込溝１０の下縁
間に張設され、この部分て固着された構成が好ましい。

これは複合構造において芯材、所謂プラスチックフオー
ム１７の強度より化粧面３と防水シート１８の強度が断
面係数に大きく関係するためである。

ここで、本考案に係るモルタル下地板を用いて構成した
セメントモルタル壁、（笹７図に示す）と従来の下地を
用いて構成したセメントモルタル壁（―示妊ず）に対す
る諸試験を行った。

その結果は下記のようである。なお、本考案に係るモル
タル下地板は第６図すに示す構造てあり、表面材２が０
．２７ｍｍのカラー鋼板、係止片４の形状は第３図ａで
、その高さＨは５咽、係止片４の分布は第５図すで密度
は６個１５ｃＪ、プラスチックフオーム１７は硬質のポ
リウレタンフォームで密度が３０ｋｐ／ｒｒｒ、厚さは
２５咽としたものである。

また、モルタル壁の厚さは２５７７１７１！とした。

なお、第７図において、Ａは間柱、Ｂは胴縁、Ｃはモル
タル下地板、Ｄはモルタル壁である。

すなわち、 ■ 剪断耐力試験（剪断１／６０ｒａｄ）本考案に係る
モルタル下地板を用いたモルタル壁
５３５に木摺り張り壁
１０１に■ 接着力（平面引張接着力ｋｇ／ｃ
ｙ＃）本考案に係るモルタル下地板を用いたモルタル壁
１３以上在来ラス網
工法２．６〜５．０■ 収縮率につ
いて・自由収縮モルタル壁１２Ｘ１０本
考案に係るモルタル下地板を用いた施工のモルタル壁
２．ｌＸ１Ｏ■ 熱貫流率本考案に係るモルタル下地板を用いたモルタル壁
０．８６２ｋｃａｌ／ｎｌ、ｈ、
’Ｃ合戊樹脂発泡体の厚さ２５ｍｍ、裏面材付５．１８
ｋｃａｌ／ｒｒｔ、ｈ、℃ 従来のモルタル壁５．３ｋｃａｌ／ボ九℃
上述したように本発明に係るモルタル下地板は、軽量に
して断熱性、モルタル壁の付着性にすぐれ、しかも施工
が容易である特徴がある。

さらニ、コのモルタル下地板を用いて構成したセメント
モルタル壁は断熱性、耐振性、耐食性にすぐれ、しかも
モルタル壁と躯体間が完全な剛体にならないため地震、
外力などによる振動、力を大幅に低減してモルタル壁に
伝達する構造とし、モルタル壁の亀裂、剥落を防止でき
る特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るモルタル下地板を示す斜視図、第
２図は上お下地板の一部材である表面材を示す斜視図、
第３図ａ〜ｆ１および第４図ａ〜１は本考案の、要部の
１つである係止片の一例を示す縦断面図と平面図、なら
びに斜視図、第５図ａ〜ｄは本考案の要部の１つである
係止片の分布例を示す斜視図、第６図ａ ”−ｆはモル
タル下地板のその他の実施例を示す説明図、第７図は本
考案に係るモルタル下地板を用いて形成したモルタル壁
の一例を示す説明図である。１・・・・・・モルタル下地板、２・・・・・・表面材
、４・・・・・・係止片、１７・・・・・・プラスチッ
クフオーム、１８・・・・・・防水シート。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

長尺状の化粧面の両側縁を内方に屈曲して断面凹状に形
成した主体と外主体の左右側壁端に設けた雄、雌型連結
部と前記化粧面にその一部を切断して外方へ折り曲げた
係止片を有する金属薄板からなる表面材と、該表面材の
凹状部に発泡性合威樹脂原：料を現場発泡的に注入して
形成したプラスチックフオームと、該フオームの裏面を
被覆した防水シ・−トとを一体に形成したことを特徴と
するモルタル下地板。