JPS6023384Y2 - モルタル下地板

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【考案の詳細な説明】本考案は、連結容易な形状とした剛性と弾性を兼備した
硬質基板のパネル面にモルタル壁材を付着する係止片を
基板自在の一部切断と折り曲げにより係止片を形成し、
その背面にモルタル壁材の漏洩阻止層を設けたモルタル
下地板に関する。

一般にモルタル壁の下地構造としては、■木ずり板−防
水紙−ラス材、■合板上にセメントモルタル下塗層を設
けた例えば、特許第９４１７１８号、■断熱材とラス材
を一体に形成した特開昭５４−６８０１９−１が知られ
ている。

しかし、■では工数が多く、かつ、熟練を要すると共に
亀裂、剥落が生ずる欠点があった。

■では施工性が大きく改善されたが断熱性と軽量化に欠
け、しかも下地板の接合部に亀裂、あるいは剥落が生じ
る不利があった。

■では断熱性が大幅に向上したが、断熱材とラス材の一
体化部分における機械強度が小さく、モルタル壁全体が
剥落する不利があった。

本考案はこのような欠点を除去するため雄、雌連結構造
のパネル状部材のパネル面に長方形状の係止片を複数個
、パネル面の長さ方向とある角度を有してモルタル壁材
を区画するような構造で配設し、モルタル壁材と下地板
の一体化を図り、モルタル壁材の剥落、亀裂を改善した
モルタル下地板を提案する。

以下に、図面を用いて、本考案に係るモルタル下地板（
以下、単に下地板という）の一実施例について詳細に説
明する。

第１図は上記下地板を示す斜視図であり、図において１
は主体で硬質基板からなり剛性と弾性を具備する例えば
、金属薄板、合成樹脂板等を用いる。

主体１はラス材とモルタル下地板と連結材として機能す
るものであり、断面を凹状に形成し、その底面部２を長
方形状に形成する。

また、底面部２の表面、所謂モルタル付着面には係止片
３を複数個、下地板の長さ方向とある角度を有すると共
に、所定ピッチで配設する。

さらに説明すると、係止片３は係止片３の幅をＷｌ、底
面部２の全幅をＷ２、底面部２の全幅Ｗ２から係止片３
の幅Ｗ□を差し引いたときの両側縁との幅をΔＷとした
ときにＷｌ〈Ｗ２−２ΔＷとし、高さＨをモルタル壁の
厚さに対応して設定したものである。

また、係止片３は底面部２の一部に切り込みを入れ、外
方へ折り曲げて上方へ突出させた長方形状の舌片である
。

なお、係止片３を形成した後の底面部２には貫通孔４が
形成される。

また、係止片３の分布は第１図に示す配列のほかに、例
えば第２図ａ ” ｃに示すように分布することができ
るものである。

なお、間隔ｔは任意である。

５は側壁で底面部２の両端を垂直あるいは傾斜して折り
曲げたものであり、６は雄型連結部で一側壁の端縁を外
側方へ突出した差込縁７を有する。

８は雌型連結部で他側壁の端縁を内方へ屈曲し、再び外
側方へ突出してほぼコ字状の差込縁９とその下縁１０を
外側方へ延長した延長部１１とを一体に形成したもので
ある。

１２はモルタル壁材漏洩阻止層で底面部２の背面を覆う
ものであり、特に係止片３の形成により生じた空隙３ａ
を被覆することを主目的とする。

なお、上記阻止層１２は底面部２の背面を全面的に覆う
ことばかりでなく空隙部３ａ部分のある範囲を覆うよう
に設けることもできる。

以上、説明したのは、本考案の一実施例にすぎず、第３
図に示すように断熱層１２ａを凹状部に介在させ、前記
阻止層１２を兼用することもできる。

この素材としては、石膏ボード、ロックウール、アスベ
スト、シージングインシュレーションボード、ポリウレ
タンフォーム、ポリイソシアヌレートフオーム、フェノ
ールフオーム、ポリスチレンフオーム等である。

またこの断熱層１２ａの背面に防水シート１３を一体に
固着し、サンドインチ構造による機械強度の向上に寄与
させる。

すなわち、比較的強いシート状物、例えばアスファルト
フェルト、クラフト紙、合成ｔｉｔ脂シート、アスベス
ト紙、金属箔、およびこれらの１種以上をラミネートし
たもの、もしくは防水処理を施したシート状物である。

好ましくは、差込縁６の下縁６ａと差込溝９の下縁１０
間に張設固着するとよい。

これは複合構造において芯材、所謂断熱層の強度よりも
主体１と防水シート１３の強度が断面係数に大きく関係
するためである。

また延長部１１の途中に突条１０ａを長手方向に設けた
り、舌片６ｂ、１０ｂを図のように形成することもでき
る。

上述したように、本考案に係る下地板によれば、係止片
とモルタル壁材の一体化がより大きくなり、しかも下地
の施工が容易に、かつ、熟練を要せず高能率とする特徴
がある。

また下地板とモルタル壁材の一体化が十分なため、モル
タル壁材の剥落、亀裂の発生が低減される特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るモルタル下地板の一実施例を示す
斜視図、第２図ａ〜Ｃは係止片の分布例を示す平面図、
第３図はその他の実施例を示す斜視図である。１・・・・・・主体、２・・・・・・凹状部、３・・・
・・・係止片、１２・・・・・・モルタル壁漏洩阻止層

【実用新案登録請求の範囲】