JPS603888Y2 - モルタル下地板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、モルタル下地板として有用な複合板体におい
て、その断熱材形成時に断熱材のモルタル付着面への漏
洩阻止に有効であると共に断熱材のモルタル壁材による
劣化を抑制するホットメルト接着剤層を透孔部分に介在
したモルタル下地板に関する。

以下に図面を用いて、本考案に係るモルタル下地板（以
下、単に下地板という）について詳細に説明する。

第１図は、上記下地板を示す斜視図であり、図において
１は基板で金属薄板、合成樹脂板等の剛性の高い鉄筋（
ラス材）機能と相隣接する基板間の容易な連結と施工性
および、断熱材収容機能と複合化による機械強度の強化
を図る機能を有するものである。

また、基板１は長方形状の底面部２とその表面２ａに形
成した係止片３と底面部２の両側縁を垂直、または傾斜
して折り曲げた側壁４とから断面を凹状に形成した主体
部と側壁４の一つの下端縁を外側方へ突出した差込縁６
を有する雄型連結部５と側壁４の仕丁端縁に形成した雌
型連結部７とから形成したものである。

なお雌型連結部７は側壁４の他の下端縁を内方へ屈曲し
、再び外側方へ突出して略コ字状に形成した差込溝８と
、その下縁９を外側方へ延長した延長部１０とから形成
したものである。

さらに、前記係止片３について説明すると、係止片３は
、表面２ａから上方へ基板１自体の一部を切断、折り曲
げして突出させたものであり、その断面形状は、例えば
第２図ａ ” ｆに示すように形成する。

すなわちａ図は曲線状に末広がり（根元から先端に向っ
て全体的に傾斜θしたもの、ｂ図は係止片３を表面２ａ
に対し垂直に突出し、先端３ａのみを折り曲げて略フッ
ク状に形成したものである。

また０図は、ｂ図と同じであるが、先端３ａを表面２ａ
と水平に折曲げたもの、ｄ図は係止片３を直線状に傾斜
したもの、ｅ図はｄ図において示す係止片３の先端３ａ
を角度θ１で折曲げたもの、ｆ図は係止片３を先細にし
たものである。

この係止片３の高さＨは、水硬性無機質壁の厚さによっ
て任意に設定するが、例えば上記壁が２−厚では５■以
上〜１５斜程度であり、孔の径口りは任意である。

また、この係止片３の配設は、千鳥状、基盤の目、ひし
形状、多角形状、円形等である。

１１は脅威樹脂発泡体（フオーム）で現場発泡的に前記
基板１の凹状断面の主体部に充填して断熱層を形成した
ものである。

上記合成樹脂発泡体１１は、主に断熱性とクッション性
と非吸水、吸湿性と耐アルカリ性と施工性（下地の凹凸
吸収）とを備え、かつ現場発泡的な製造による構成材の
一体化を自己接着性により行い、複合構造による機械強
度を大幅に向上するものである。

その素材としては、例えばポリウレタンフォーム、ポリ
イソシアヌレートフオーム、フェノールフオーム、ポリ
スチレンフオーム等の原料である。

１２は防水シートで比較的強靭なシート状物、例えばア
スファルトフェルト、クラフト紙、合成樹脂シート、ア
スベスト紙、金属箔およびこれらの一種以上をラミネー
トしたもの、もしくは防水処理を施したシート状物であ
る。

好ましくは、差込縁６の下縁６ａと差込溝８の下縁９間
に張設固着するとよい。

これは複合構造において、芯材所謂断熱層の強度よりも
基板１と防水シート１２の強度が断面係数に大きく関係
するためである。

１３はホットメルト接着剤からなる薄膜で、係止片３の
形成にまより生じた透孔部分３ｂを合成樹脂発泡体１１
と底面部２間に介在して閉塞するか、あるいは大幅に低
減するものであり主に合成樹脂発泡体形成時に基板１の
モルタル付着面（表面２ａ）にその原料が漏洩するのを
阻止すると共に、モルタル壁材を付着した際に、そのア
ルカリ性が合成樹脂発泡体にあまり到達しないようにす
るために有効である。

もちろん、係止片３の形成により生じた基板、特に金属
薄板の地金全部を被覆し、耐アルカリ性、耐酸性を付与
する副次的な作用、効果および外力に対する振動を低減
する効果も存在する。

以上、説明したのは、本考案に係る下地板の一実施例に
すぎず、延長部１０の途中に突条１０ａを長手方向に設
けたり、舌片６ｂ、１０ｂを図のように形成したり、合
成樹脂発泡層中にパーライト粒、ゼオライト、硼砂、ス
チレンビーズ、繊維の一種以上を耐火性、耐圧縮性、吸
音性等のために原料１叩重量部に対し、約１０〜１叩重
量部添加することもできる。

また、ホットメルト接着剤からなる薄膜は、第３図に示
すように底面部２の裏面方向から空隙を閉塞（第４図に
一部のみ拡大して示す）するように形成することもでき
る。

上述したように、本考案に係る下地板によれば、すぐれ
た断熱性と防水性と耐水性と施工性を有し、かつモルタ
ル壁との一体化構造を容易になし、モルタル壁の亀裂、
剥落を抑制する特徴がある。

またホットメルト接着剤からなる薄膜のため、合成樹脂
発泡体形成時にモルタル付着面に樹脂原料が流出せず、
樹脂の経済的利用と耐アルカリ性を強化できると共に硬
質層間、所謂モルタル壁→薄膜→基板により、クッショ
ン材として薄膜を作用させ、枠体、基板、モルタル壁に
付加された外力、振動を減衰させる特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るモルタル下地板の一実施例を示す
斜視図、第２図ａ ％ ｆ図は係止片の一例を示す縦断
面図、第３図および第４図はその他の実施例を示すモル
タル下地板とその要部を抽出し、拡大して示す縦断面図
である。 １・・・・・・基板、３・・・・・・係止片、１３・・
・・・・ホットメルト接着剤からなる薄膜。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 凹状断面の主体部と該主体部の両側縁に設けた嵌合構造
   の雄、雌型連結部と上記主体部の底面部分に該部分の一
   部を切り込み、外方へ突出した係止片を複数個形成した
   金属薄板等からなる基板と、該基板の主体部に一体に充
   填した合成樹脂発泡体と、該発泡体の裏面、および雄、
   雌型連結部の下縁を防水シートで被覆したモルタル下地
   板において、前記主体部の底面部分に係止片を形成した
   ことにより生じた透孔を合成樹脂発泡体と底面部間に介
   在したホットメルト接着剤の薄膜で被覆したことを特徴
   とするモルタル下地板。