JPS5935711Y2 - モルタル下地板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、連結容易な形状とした剛性と弾性を兼備した
硬質基板のパネル面にモルタル壁材を付着する係止片を
別個に形成し、これを基板と一体に固着し、モルタル下
地の連結部におけるモルタルの亀裂等を阻止したモルタ
ル下地板に関する。

一般にモルタル壁の下地構造としては、■本すり板−防
水紙−ラス材、■合板上にセメントモルタル下塗層を設
けた、例えば特許第９４１７１８号、■断熱材とラス材
を一体に形成した特開昭 ５４−６８０１９号が知られている。

しかし、■では工数多く、かつ熟練を要すると共に亀裂
、剥落が生ずる欠点があった。

■では施工性が大きく改善されたが、断熱性と軽量化に
欠け、しかも下地板の接合部に亀裂あるいは剥落が生じ
る不利があった。

■では断熱性が大幅に向上したが、断熱材とラス材の一
体化部分における機械強度が小さくモルタル壁全体が剥
落する不利があった。

本考案は、このような欠点を除去するため雄、雌連結構
造のパネル状部材のパネル面に長い係止片を複数個、任
意間隔、角度、方向で配設し、モルタル壁材と下地板の
一体化を図り、モルタル壁材の剥落、亀裂を改善したモ
ルタル下地板を提案する。

以下に図面を用いて、本考案に係るモルタル下地板（以
下、単に下地板という）の一実施例について詳細に説明
する。

図において、１は主体で硬質基板を折り曲げて断面凹状
に形威し、その左右側壁端縁に嵌合構造の雄、雌型連結
部２，３を有する。

すなわち、雄型連結部２は差込縁４からなり、雌型連結
部３は係合溝５とその下縁６とこれを外側方へ延長した
延長部７からなる。

なお２ａ。３ａは舌片、３ｂは突条で必要に応じて水切
り、係合の山化のために設ける。

８は断熱材で、例えば石膏ボード、ロックウール、アス
ベスト、シージングインシュレーションボード、ポリウ
レタンフォーム、ポリイソシアヌレートフオーム、フェ
ノールフオーム、ポリスチレンフオーム等の一種以上を
成形体を用い、あるいは現場発泡的に一体に形成する。

９は防水シートで断熱材８の背面を覆うと共に、雄、雌
型連結部の下縁に固着する。

これは下地板のサンドイッチ構造による機械強度の向上
に大きく関係する。

具体例を示せば防水シート９としては、比較的強いシー
ト状物、例えばアスファルトフェルト、クラフト紙、合
成樹脂シート、アスベスト紙、金属箔およびこれらの一
種以上をラミネートしたもの、もしくは防水処理を施し
たシート状物である。

１０は係止片で主体１のパネル面１ａ上に複数個、適宜
間隔をもって植設し一体化する。

この係止片１０の外観としては、例えば第２図ａ−ｇに
示すように種々の形状に形威しつる。

すなわち、断面はＬ字状かＴ字状あるいはパネル面１ａ
に接着等により固着する−片と、モルタル壁材の付着面
を有する部片であればよく、具体的に説明すると、ａ図
は先端が山状の係止片、ｂ図は断面がＶ字状の係止片、
０図は先端が三角形状の係止片、ｄ図は網体をＬ字に折
り曲げた係止片、ｅ図は先端を半円形状に形成した係止
片、ｆ図は先端が台形状の係止片、ｇ図は先端が波状に
形成した係止片である。

なおｇ図において１１は貫通孔であり、モルタル壁材の
より一層の一体化を図るのに有効である。

また、この係止片１０の寸法は長さをＬとすれば、Ｌ
＞ Ｗ （パネル面１ａの幅）であり、高さＨは５〜２
０ ｍｍ程度である。

なお係止片１０の突出部△１は約１０〜３０ｍｍである
。

さらに係止片１０の素材は、主体１と同質の物性を有す
るものが好ましい。

その他、主体１と係止片１０の一体化には、接着剤を用
いるか溶接あるいはカシメ等により行う。

また係止片１０は、例えば第３図ａ−ｆに示すように分
布する。

すなわち、ａ図、０図、ｄ図およびｆ図は平行に分布し
た場合であり、ｂ図は傾斜して平行に分布した下地板で
ある。

またａ、 ｌ）、 ｅおよびｆ図は係止片１０の先
端を△１両側壁外に平均に突出させた下地板であり、０
図は係止片１０の先端を△１−側壁外へ平均に突出させ
た下地板を示す。

さらにｄ図は、係止片１０の先端を△１両側壁外へ千鳥
状に突出させた下地板であり、ｅ図は蛇行した係止片１
０を均一間隔をもって図のように配設した下地板を示す
。

以上説明したのは、本考案に係るモルタル下地板の一実
施例にすぎず係止片１０の断面をＬ字状だけでなく固着
しうるどのような断面にも形成できる。

次に、装着例につき簡単に説明する。

すなわち、第４図に示すように胴縁１２上に下地板Ｘ１
を図のように釘１３を介して固着する。

これに相隣接する下地板Ｘ２を嵌合し、その雌型連結部
を釘で胴縁に固着する。

この上にモルタル壁材１４を塗布、貼り付は等により供
給し、モルタル壁を形成する。

なお主体１は、０．３ｍｍのカラー鉄板、断熱材８はポ
リウレタンフォーム、防水シート９はアスファルトフェ
ルト、係止片１０は０．３ｍｍのカラー鉄板で接着剤（
合成樹脂糸）を介して一体に主体１のパネル面１ａに固
着した。

△ｌは３０ ｍｍであった。この下地板により形成され
たモルタル壁は、強力な接着により下地板とモルタル壁
材が一体化されており、目地部の亀裂、剥落も殆んど認
められなかった。

上述したように、本考案に係る下地板によれば、係止片
とモルタル壁材の一体化がより大きくなり、しかも下地
の施工が容易に、かつ熟練を要せず高能率になる特徴が
ある。

また下地板とモルタル壁材の一体化が十分なため、モル
タル壁材の剥落、亀裂の発生が低減される特徴がある。

さらに断熱性を具備するため、下地板の背面には結露を
生ずることが殆んどない利点がある。

また係止片と主体が弾性を有するため、外力、振動の伝
達を大幅に抑制できる特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るモルタル下地板の一実施例を示す
斜視図、第２図ａ−ｇは係止片の一例を示す説明図、第
３図ａ−ｆは係止片の分布例を示す平面図、第４図は本
考案に係る下地板を用いたモルタル壁の一例を示す縦断
面図である。 １・・・主体、８・・・断熱材、１０・・・係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面を凹状に形成し、その左右側壁端に嵌合構造の雄、
   雌型連結構造部を設けた主体と、該主体の凹状部に断熱
   材を充填し、その背面を防水シートで被覆したモルタル
   下地板において剛性と弾性を有し、かつ主体の幅をＷと
   したときに係止片の長さＬがＬ＞Ｗの寸法関係にある係
   止片を複数個、適宜間隔で主体のパネル面に一体を植設
   したことを特徴とするモルタル下地板。