JPH044440Y2

JPH044440Y2 -

Info

Publication number: JPH044440Y2
Application number: JP12307285U
Authority: JP
Priority date: 1985-08-09
Filing date: 1985-08-09
Publication date: 1992-02-10
Also published as: JPS6231638U

Description

【考案の詳細な説明】

本考案は建築、構築物の内、外装材として有用
なサイデイングボード（以下、単にボードとい
う）に関するものである。特に、準不燃試験、ボ
ツクス試験、防火構造試験に合格できると共に、
断熱性、生産性にすぐれたボードに係る。この種ボードにおいては表面材と裏面材間に断
熱材、特にポリウレタンフオーム、ポリイソシア
ヌレートフオームを充填したボードが相当数、上
市されている。しかしながら、防火性の新たな規
制によつて、上記フオームのみを使用したボード
ではいずれの試験にも合格し得ないものである。
そこで、例えばポリイソシアヌレートフオームに
代わつて、フエノールフオームのみで形成するボ
ード、石膏ボードとポリイソシアヌレートフオー
ム、あるいはポリイソシアヌレートフオームとロ
ツクウール板とを複合したボードも提案されてい
る。しかし、レゾールタイプのフエノールフオー
ムのみからなる芯材を用いたボードは、フエノー
ルフオームが接着性に欠け、しかも脆いために単
体での使用が困難であつた。また、石膏ボード、
ロツクウールとポリイソシアヌレートフオーム等
とを単に複合化したボードは重く、表面材、芯材
の一体化が接着剤によつて行われているために機
械強度に欠けると共に、コストが高く、生産性に
欠ける不利があつた。さらに、ポリイソシアヌレ
ートフオームＡと前記石膏ボード、ロツクウール
板のような不燃材Ｂとを複合化したボードは第１
図に示すように表面材Ｃの裏面に上記フオームＡ
を原料状態で吐出し、その上に表面材Ｃの雄型連
結部側の側壁からΔlの幅だけ片寄つた位置に不
燃材Ｂを載置し、積層する構造のために不燃材Ｂ
は上記フオームＡが相当発泡するまで不安定な状
態下での載置となり、フオームＡの反応、発泡を
阻害し、生産性が悪く、しかも歩留りの低下、上
記フオームＡが外部へ漏洩するなどの不利があつ
た。本考案はこのような欠点を除去するため、表面
材の雄型連結部側の側壁に沿つて、ほぼ長方形状
のフオーム成形体を配設し、生産の際にスペーサ
としてフエノールフオーム板を支え、防火性を有
するフオームの発泡をフエノールフオーム板が阻
害するのを防止し、フエノールフオーム板を防火
性を有するフオームの自己接着性で表面材と一体
化すると共に、下地を高温下でも寸法安定性に富
むフエノールフオーム板で被覆することにより、
前記した３つの試験に合格しうる防火性能とした
ボードを提案するものである。以下に、図面を用いて本考案に係るボードの一
実施例について詳細に説明する。第２図は上記ボ
ードの代表的な一例を示す斜視図である。図にお
いて、１は表面材、１７は芯材、１８は防火性を
有する裏面材（以下、単に裏面材という）であ
る。さらに説明すると、表面材１は金属製薄板を
成形し、長方形状の化粧面２とその両側端縁を内
方に直角、あるいは任意角度で折り曲げた側壁
３，４とで凹状部を形成し、上記側壁３の下端縁
を外側方に突出して差込縁５を設け、差込縁５の
先端に必要に応じて設ける舌片６とからなる雄型
連結部７と、側壁４の下端縁を内方に折り曲げ、
再び外方に突出して形成したＵ字状の係合溝８と
その下縁９を外側へ突出した延長部１０と、必要
に応じて設ける突条１１と舌片１２とから形成し
た雌型連結部１３とからなるものである。１７は
芯材で主に耐火材、断熱材、裏打材、クツシヨン
材、防水材、防湿材として機能するものである。
さらに詳しく説明すると芯材１７は防火性を有す
るフオーム（以下、単にフオームという）１４と
フエノールフオーム板（以下、単にフオーム板と
いう）１５とフオーム成形体１６とから構成され
ている。フオーム１４はポリイソシアヌレートフ
オーム、ヌレート変性ポリウレタンフオーム、ポ
リフエニレンフオーム、またはこれらに長、短繊
維状のガラス繊維、炭素繊維、あるいは粉末状
（微粉末も含む）のアルミニウム、水酸化アルミ
ナ、リン酸アルミニウム、ベントナイト、ガラ
ス、カーボンブラツク、石灰石、水酸化リチウ
ム、活性アルミナ、重炭酸カルシウム、炭酸カル
シウム、珪藻土、バーミキユライト、石英（フリ
ント）、石綿、カオリンクレイ、マイカ、タルク、
ウオラストナイト、珪酸アルミ、珪酸（ホワイト
カーボン）、珪酸カルシウム、含水珪酸カルシウ
ム、スルフオアルミン酸カルシウム、石膏、シリ
カ、シリカゲル、水酸化マグネシウム、グラフア
イト粉、スレート粉、セリサイト、バライト、ロ
ウ石クレー、アタパルジアイト、カリ長石、ソー
ダ長石、バリウム長石、フエノールフオームの粉
末、明ばん石、三酸化アンチモン、ゾノトライ
ト、トバモライト、あるいはパーライト粒、シラ
スバルーン、アルミナバルブ、ガラス粒、周知難
燃剤等の１種以上をフオーム１４の原料100重量
部に対し、５〜200重量部添加したフオームも含
むものである。なお、この種添加材とは界面活性
剤で表面処理されている場合もある。特に、この
フオーム１４は高熱下において炭化層を形成する
ことが好ましいものである。さらに、フオーム板
１５はレゾールタイプ、ノボラツクタイプ、ベン
ジリツクタイプのフエノールフオームのいずれで
もよく、単体、あるいは前記した無機繊維、無機
粉体、軽量骨材などの１種以上を添加したものか
らなり、密度が30〜100Kg／m³位、厚さが５〜50
mm位、幅が180〜900mm、長さが1800〜7272mm位で
あり、側壁３からl₁だけ離れ、連結用の窪部８ａ
を形成する。なお、窪部８ａはボードを連結した
際に裏面が間隙なく面一になるようにし、フオー
ム板１５を下地全体に覆いかぶせるようにするた
めに形成され、目地部（図示せず）下部にもフオ
ーム板１５が存在するようにするために設けたも
のである。フオーム成形体１６は側壁３に沿つて
ある程度のピツチで表面材１に配設され、主に製
造時においてフオーム板１５を支えるスペーサと
して機能する。その形状は第３図ａ〜ｆに示すよ
うに化粧面２の裏面と接する面イ、側壁３と接す
る面ロ、フオーム板１５と接する面ハが互いに垂
直、もしくは面ロが側壁３の傾斜に応じて傾斜し
ている平面であり、高さｈは側壁３の高さと同じ
で、面ハは最大幅l₂が窪部８ａのl₁より大きく、
長さl₃は10mm以上であれば、その形状は任意でよ
い。その素材は前記フオーム１４、フオーム板１
５と同じ素材でもよく、また両者の複合したもの
でもよい。つまりフオーム成形体１６は新たに準
備してもよく、また表面意匠等の不良、フオーム
板１５の製造不良によつて生じたフオーム発泡体
の廃棄物をそのまま利用してもよい。裏面材１８
は、少なくとも芯材１７の裏面を接着剤（図示せ
ず）を介して被覆し、主に防火性、防水性、耐候
性、美観性、強度の向上のために用いるものであ
る。その素材は、例えばクラフト紙、アスベスト
紙、防水処理したクラフト紙、防水処理したアス
ベスト紙、金属箔（Al、Pb、Cu）、ガラス繊維
不織布、合成樹脂シート、およびこれらの１種以
上をラミネート、蒸着等したシート状物からなる
ものである。次に実施例の防火性について説明する。実施例
は第２図に示す形状のボードで下記の仕様からな
るものである。すなわち、表面材１として0.27mm
厚のカラー鋼板、フオーム１４としてはポリイソ
シアヌレートフオーム（充填後の密度は30Kg／
m³）、フオーム板１５はレゾールタイプのフエノ
ールフオーム（密度は50Kg／m³）、フオーム成形
体１６は第３図ａに示す形状のもので、素材はフ
エノールフオーム（密度は50Kg／m³）、裏面材１
８としてはアルミニウム箔（厚さ７ミクロン）を
アスベスト紙70g／m³にラミネートしたものであ
る。

【表】以上説明したのは本考案に係るボードの一実施
例にすぎず、第４図ａ〜ｍ、第５図ａ〜ｏに示す
ように形成することもできる。すなわち、第４図
ａ〜ｍは表面材１の変形例であり、任意の目的に
応じて形成するものである。また、第５図ａ〜ｏ
は雄型連結部７、雌型連結部１３、裏面材１８の
各種構造についてのその他の実施例を示すもので
あり、ａ〜ｅ図はそれぞれの位置にコーキング剤
１９を植設したボード、ｆ図は裏面材１８で舌片
１２を被覆し、かつ、その先端にコーキング剤１
９を植設したボード、ｇ図は裏面材１８で芯材１
７の裏面を被覆した後、ΔWだけ突出させたボー
ド、ｈ図は裏面材１８で芯材１７の裏面を被覆し
た後、雌型連結部１３の外方へΔWだけ突出し、
再び内方へ屈曲しその後芯材１７の側面を被覆し
たボード、ｉ図は裏面材１８の一端を舌片６で挟
持したボード、ｊ図は裏面材１８を芯材１７の露
出面を被覆した後、フオーム板１５の延長部１０
との接触面を被覆したボード、ｋ図は化粧面２に
化粧溝２ａを設けると共に、該化粧溝２ａとフオ
ーム成形体１６とでフオーム板１５を支持したボ
ード、ｌ図は雄型連結部７の差込縁６の先端を内
方に屈曲し、側壁３より内方にl₁だけ突出し、次
にフオーム板１５の厚さ分だけ下方に屈曲し、そ
の後フオーム板１５の裏面にフオーム板挟持部５
ａを設けたボード、ｍ図は延長部１０の表面、ま
たは裏面（図示せず）に防火塗料２０を塗布した
ボード、ｎ図は雄型連結部７の表面、または裏面
（図示せず）に防火塗料２０を塗布したボード、
ｏ図は延長部１０の裏面を両面テープや熱融着テ
ープなどの隔離テープ２１で被覆したボードであ
る。上述したように本考案に係るボードによれば、
フオーム成形体を雄型連結部側の側壁の高さと同
じ高さとして配設するため、製造時にフオーム板
が安定してフオームの裏面に載置することができ
ると共に、製造の際にできるフオームの廃棄物を
再利用できるため、効率よく、また廃棄物を極小
におさえることができる。その上、耐火、断熱性
に富み、しかも低発煙性と炭化層を十分に形成す
ると共に、高熱下でも寸法安定性にすぐれたフオ
ーム板で表面材の裏面を覆つたため、防火試験、
準不燃試験、ボツクス試験に合格できる特徴があ
る。また脆いフオーム板を裏面材とフオームでサ
ンドイツチすると共に、接着したため、十分に保
護でき、本来の断熱性、強度を有効に発揮できる
特徴がある。さらに、ボードを施工すると裏面が
防火性にすぐれたフエノールフオームが層状とな
り下地を覆うため、目地部においても防火性、断
熱性を付与している特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のサイデイングボードの一例を示
す斜視図、第２図は本考案に係るサイデイングボ
ードの一実施例を示す斜視図、第３図ａ〜ｆはフ
オーム成形体の形状例を示す斜視図、第４図ａ〜
ｍ、第５図ａ〜ｏはその他の実施例を示す説明図
である。１……表面材、７……雄型連結部、１３……雌
型連結部、１６……フオーム成形体、１７……芯
材、１８……防火性を有する裏面材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

長方形状の化粧面と該化粧面の両側端を内方に
屈曲して２側壁を形成して断面を凹状とし、上記
側壁の１端縁を外方へ突出して差込縁を形成した
雄型連結部を設け、他側壁の端縁を内方に屈曲
し、次に外方に屈曲して断面Ｕ字状の係合溝を形
成し、該係合溝の下縁を外側方へ突出して延長部
を形成した雌型連結部とを設けた表面材と、該表
面材の凹状部に原料状態で吐出し、反応、発泡に
より充填した防火性を有するフオームと、該フオ
ームの背面に雄型連結部近傍に側壁からl₁の範囲
の窪部を形成すると共に、係合溝下縁、延長部背
面に積層するフエノールフオーム板とからなる芯
材と、該芯材の少なくとも、長手方向の露出面を
被覆する防火性を有する裏面材とからなり、前記
芯材において、雄型連結部側の側壁と同じ高さで
あり、幅が前記窪部の範囲l₁より大きいフオーム
成形体を側壁と接触させて配設し、また、裏面材
は少なくとも前記芯材の長手方向の露出面に接着
剤を介して一体に貼着したことを特徴とするサイ
デイングボード。