JPH0420097Y2

JPH0420097Y2 -

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Publication number: JPH0420097Y2
Application number: JP1985137389U
Authority: JP
Priority date: 1985-09-07
Filing date: 1985-09-07
Publication date: 1992-05-08
Also published as: JPS6246733U

Description

【考案の詳細な説明】

本考案は建築、構築物の内、外装材として有用
なサイデイングボード（以下、単にボードとい
う）に関するものである。特に、準不燃試験、ボ
ツクス試験、防火構造試験に合格できると共に、
断熱性、生産性にすぐれたボードに係る。この種ボードにおいては表面材と裏面材間に断
熱材、特にポリウレタンフオーム、ポリイソシア
ヌレートフオームを充填したボードが相当数、上
市されている。しかしながら、防火性の新たな規
制によつて、上記フオームのみを使用したボード
ではいずれの試験にも合格し得ないものである。
そこで、例えばポリイソシアヌレートフオームに
代わつて、フエノールフオームのみで形成するボ
ード、石膏ボードとポリイソシアヌレートフオー
ム、あるいはポリイソシアヌレートフオームとロ
ツクウール板とを複合したボードも提案されてい
る。しかし、レゾールタイプのフエノールフオー
ムのみからなる芯材を用いたボードは、フエノー
ルフオームが強酸性硬化剤を用いて形成されてお
り、その残留強酸成分が表面材を腐食したり、フ
エノールフオームが接着性に欠け、しかも脆いた
めに単体での使用が困難であつた。また、石膏ボ
ード、ロツクウール板とポリイソシアヌレートフ
オーム等とを単に複合化したボードは重く、コス
トが高く、生産性に欠ける不利があつた。さら
に、ポリイソシアヌレートフオームＡと前記石膏
ボード、ロツクウール板のような不燃材Ｂとを複
合化したボードは第１図に示すように表面材Ｃの
裏面に上記フオームＡを原料状態で吐出し、その
上に雄型連結部側の側壁からΔlの幅だけかたよ
つた位置に不燃材Ｂを載置し、積層する構造のた
めに不燃材Ｂは雌型連結部側の一方だけで支持さ
れた状態となり、上記フオームＡが相当発泡する
まで不安定な状態下での載置となり、フオームＡ
の反応、発泡を阻害し、生産性が悪く、しかも歩
留りの低下、上記フオームＡの外部への漏洩など
の不利があつた。本考案はこのような欠点を除去するため、ボー
ドをフエノールフオーム板と表面材との接触を少
なくするために、表面材、防火性を有するフオー
ム、高温下で寸法安定性のよいフエノールフオー
ム板の順に積層する構造とし、フエノールフオー
ム板と表面材を防火性を有するフオームの自己接
着性で接着し、かつ、表面材の化粧面に化粧溝を
設け、下縁、延長部と共に、化粧溝の基底部でフ
エノールフオーム板を支持し、生産時においてフ
エノールフオーム板が防火性を有するフオームの
反応、発泡を阻害するのを防止し、前記した３つ
の試験に合格しうる防火性能としたボードを提案
するものである。以下に、図面を用いて本考案に係るボードの一
実施例について詳細に説明する。第２図は上記ボ
ードの代表的な一例を示す斜視図である。図にお
いて、１は表面材、３は化粧溝、１６は防火性を
有するフオーム（以下、単にフオームという）、
１７はフエノールフオーム板（以下、単にフオー
ム板という）、１９は防火性を有する裏面材（以
下、単に裏面材という）である。さらに説明する
と、表面材１は第３図に示すように金属製薄板を
形成し、長方形状の化粧面２と、化粧面の中央、
または任意の位置に断面任意形状の１本、または
複数本の化粧溝３を設け、該化粧面の両側端縁を
内方に直角、あるいは任意角度で折り曲げた側壁
４，５とで凹状部６を形成し、上記側壁４の下端
縁を外側方に突出して差込縁７を設け、差込縁７
の先端に必要に応じて設ける舌片８とからなる雄
型連結部９と、側壁５の下端縁を内方に折り曲
げ、再び外方に突出して形成したＵ字状の係合溝
１０とその下縁１１を外側へ突出した延長部１２
と、必要に応じて設ける突条１３と舌片１４とか
ら形成した雌型連結部１５とからなるものであ
る。さらに説明すると、化粧溝３は断面形状が四
角形状、三角形状、円弧状等と任意であるが、少
なくとも１本以上の化粧溝３の基底部３ａが差込
縁７と下縁１１とを結ぶ線に接するように形成
し、フオーム板１７を下縁１１、延長部１２と共
に化粧溝３の基底部３ａで支持し、生産の際にフ
オーム板１７を安定した状態で支持することによ
り、フオーム板１７がフオーム１６の反応、発泡
を阻止しないようにする機能を有する。また、化
粧溝３は凹状部６を複数にするため、ボードの幅
に比べてフオーム１６による化粧面２の太鼓状の
変形が阻止されると共に、ボードの長方方向の強
度を向上させ、またボードを連結した場合、目地
部と共に立体感を助長する機能も有する。フオー
ム１６は主に耐火材、断熱材、裏打材、クツシヨ
ン材、防水材、防湿材、および接着材として機能
するものである。さらに詳しく説明するとフオー
ム１６はポリイソシアヌレートフオーム、ヌレー
ト変性ポリウレタンフオーム、ポリフエニレンフ
オーム、またはこれらに長、短繊維状のガラス繊
維、炭素繊維、あるいは粉末状（微粉末も含む）
のアルミニウム、水酸化アルミナ、リン酸アルミ
ニウム、ベントナイト、ガラス、カーボンブラツ
ク、石灰石、水酸化リチウム、活性アルミナ、重
炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、珪藻土、バー
ミキユライト、石英（フリント）、石綿、カオリ
ンクレイ、マイカ、タルク、ウオラストナイト、
珪酸アルミ、珪酸（ホワイトカーボン）、珪酸カ
ルシウム、含水珪酸カルシウム、スルフオアルミ
ン酸カルシウム、石膏、シリカ、シリカゲル、水
酸化マグネシウム、グラフアイト粉、スレート
粉、セリサイト、バライト、ロウ石クレー、アタ
パルジヤイト、カリ長石、ソーダ長石、バリウム
長石、フエノールフオームの粉末、明ばん石、三
酸化アンチモン、ゾノトライト、トバモライト、
あるいはパーライト粒、シラスバルーン、アルミ
ナバルブ、ガラス粒、周知難燃剤等の１種以上を
フオーム１６の原料100重量部に対し、５〜200重
量部添加したフオームも含むものである。なお、
この種添加材とは界面活性剤で表面処理されてい
る場合もある。特に、このフオーム１６は高熱下
において炭化層を形成することが好ましいもので
ある。フオーム板１７は成形体からなり、密度が
30〜100Kg／m³位、厚さは５〜50mm位であり、差
込縁７の先端からl₁だけ離れた窪部９ａを形成す
るものである。フオーム板１７の具体例としては
レゾールタイプ、ノボラツクタイプ、ベンジリツ
クタイプのいずれでもよく、単体、あるいは前記
した無機繊維、無機粉体、軽量骨材などの１種以
上を添加したものからなる。さらに説明を加える
と、フオーム板１７は下縁１１、延長部１２、化
粧溝３の基底部３ａで支持されて、フオーム１６
の裏面に積層され、差込縁７の先端からフオーム
板１７の側面までをl₁、係合溝１０の最奥からボ
ードの雌型連結部１５側の側端までをl₂とする
と、 l₁≒l₂ の関係になるように積層し、窪部９ａを形成す
る。この窪部９ａはボードを連結した際に裏面が
間〓なく面一になるようにし、高熱下で寸法安定
性のよいフオーム板１７を下地全体に覆いかぶせ
るようにするために形成し、目地部（図示せず）
の下部にも断熱性のあるフオーム板１７が存在す
るようにし、目地部の防火性、断熱性の強化のた
めに設けたものである。１８は接着剤で、後述す
る裏面材１９をフオーム板１７に接着するための
ものである。その一例としてはゴム系、デンプン
系、合成樹脂系、防火性を有する無機系などであ
る。裏面材１９は、フオーム板１７の露出面を被
覆すると共に、窪部９ａも被覆し、主に防火性、
防水性、耐候性、美観性、強度の向上のために用
いるものである。その素材は、例えばクラフト
紙、アスベスト紙、防水処理したクラフト紙、防
水処理したアスベスト紙、金属箔（Al、Pb、
Cu、Fe）、ガラス繊維不織布、合成樹脂シート、
およびこれらの１種以上をラミネート、蒸着等し
たシート状物からなるものである。次に実施例と比較例の防火性について説明す
る。まず、実施例は第２図に示す形状のボードで
下記の仕様からなるものである。すなわち、表面
材１として0.27mm厚のカラー鋼板、フオーム１６
としてはポリイソシアヌレートフオーム（充填後
の密度は30Kg／m³）、フオーム板１７はレゾール
タイプで密度を40Kg／m³、厚さ15mm、裏面材１９
としてはアルミニウム箔（厚さ７ミクロン）をア
スベスト紙70ｇ／m²にラミネートしたもの接着剤
１８は酢酸ビニル系である。また、比較例は第１
図に示す形状であり、材料は実施例に準じ、Ａは
ポリイソシアヌレートフオーム、不燃材Ｂはフエ
ノールフオーム板、表面材Ｃは0.27mm厚のカラー
鋼板、裏面材は実施例と同一のものを用い、裏面
材と不燃材Ｂとの接着には酢酸ビニル系の接着剤
を用いた。

【表】以上説明したのは本考案に係るボードの一実施
例にすぎず、第４図ａ〜ｖ、第５図ａ〜ｏに示す
ように形成することもできる。すなわち、第４図
ａ〜ｖは表面材１の変形例であり、任意の目的に
応じて形成するものであり、板厚は省略して示し
てある。また、第５図ａ〜ｏは雄型連結部９、雌
型連結部１５の各種構造についてのその他の実施
例を示すものであり、ａ〜ｅ図はそれぞれの位置
にコーキング剤２０を植設したボード、ｆ図は裏
面材１９で舌片１４を被覆し、かつ、その先端に
コーキング剤２０を植設したボード、ｇ図は裏面
材１９で窪部９ａ、フオーム板１７の裏面を被覆
した後、雌型連結部１５の外方へΔWだけ突出し
たボード、ｈ図は裏面材１９で窪部９ａ、フオー
ム板１７の裏面を被覆した後、雌型連結部１５側
の外方にΔWだけ突出し、再び内方へ折り返し、
その後フオーム板１７の側面を被覆したボード、
ｉ図はフオーム板１７を雌型連結部１５から外方
に突出させ、裏面材１９でフオーム板１７の露出
面を被覆したボード、ｊ図は裏面材１９をフオー
ム板１７と延長部１２の中間にも配設したボー
ド、ｋ図は裏面材１９の一端を舌片８で挟持した
ボード、ｌ図はフオーム１６とフオーム板１７の
中間に中間面材２１を配設したボード、ｍ図は差
込縁７の表面、または裏面（図示せず）に防火塗
料２２を塗布したボード、ｎ図は延長部１２の表
面、または裏面（図示せず）に防火塗料２２を塗
布したボード、ｏ図は延長部１２の裏面を両面テ
ープや熱融着テープなどの隔離用テープ２３で被
覆したボードである。なお、第５図においては接
着剤１８は省略して示してある。勿論、第４図、
第５図を各々組み合わせたボードとすることも可
能である。上述したように本考案に係るボードによれば、
耐火、断熱性に富み、しかも低発煙性で炭化層
を十分に形成すると共に、高熱下でも寸法安定
性にすぐれたフオーム板をフオームの裏面に安定
積層した構造としたため、防火試験、準不燃試
験、ボツクス試験に合格できる特徴がある。ま
た、脆いフオーム板を裏面材とフオームでサン
ドイツチしたため、十分に保護でき、しかも、
生産の際にフオーム板を延長部、下縁、化粧溝に
より安定した状態に載置できるため、生産性に富
む特徴がある。また化粧溝はボードの長手方向
に対する強度を向上すると共に、凹状部を複数に
し、フオームによる化粧面の太鼓状の反りを抑制
する特徴がある。さらに、ボードを施工すると
防火性にすぐれたフオーム板が下地全体を覆うよ
うになるため、目地部においても防火性、断熱性
を付与している特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のサイデイングボードの一例を示
す斜視図、第２図は本考案に係るサイデイングボ
ードの一実施例を示す斜視図、第３図は本考案に
係るサイデイングボードの構成材である表面材の
一実施例を示す斜視図、第４図ａ〜ｖ、第５図ａ
〜ｏはその他の実施例を示す説明図である。１……表面材、３……化粧溝、１６……防火性
を有するフオーム、１７……フエノールフオーム
板、１９……防火性を有する裏面材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

長方形状の化粧面と該化粧面に１本、または複
数本の化粧溝を設け、該化粧面の両側端を内方に
屈曲して２側壁を形成して断面を複数の凹状と
し、上記側壁の１端縁を外方へ突出して差込縁を
形成した雄型連結部を設け、他側壁の端縁を内方
に屈曲し、再び外方に突出して断面Ｕ字状に形成
した係合溝と、該係合溝の下縁を外側方へ突出し
て形成した延長部とからなる雌型連結部とを設け
た表面材と、該表面材の凹状部に原料状態で吐出
され反応、発泡により充填した防火性を有するフ
オームと、雄型連結部近傍の一部を除き窪部を形
成して該フオーム、下縁、延長部背面上に安定積
層したフエノールフオーム板と、該フエノールフ
オーム板の露出面と該窪部を被覆する防火性を有
する裏面材とからなり、製造の際に前記フエノー
ルフオーム板が下縁、延長部と共に、前記化粧溝
基底部の少なくとも１本で、前記フオームの発泡
を阻害しない位置での支持とし、また、防火性を
有する裏面材はフエノールフオーム板の露出面を
接着材を介して被覆し、該窪部においては防火性
を有するフオームの自己接着性により防火性を有
する裏面材を貼着したことを特徴とするサイデイ
ングボード。