JPH0820086A - 断熱パネルおよびその製造方法 - Google Patents

断熱パネルおよびその製造方法

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JPH0820086A
JPH0820086A JP6175890A JP17589094A JPH0820086A JP H0820086 A JPH0820086 A JP H0820086A JP 6175890 A JP6175890 A JP 6175890A JP 17589094 A JP17589094 A JP 17589094A JP H0820086 A JPH0820086 A JP H0820086A
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JP
Japan
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heat insulating
insulating panel
phenol resin
thickness
fiber sheet
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JP6175890A
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Toru Mizukami
徹 水上
Yuji Yokoo
祐次 横尾
Isao Muto
功 武藤
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
Original Assignee
Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 断熱性と、防火、耐火性とに優れた断熱パネ
ル、およびそれを低コストで生産性よく製造する方法を
提供する。 【構成】 ハニカム体の両面に、発泡性フェノール樹脂
と無機質繊維シートとの複合物を積層し、その外側にホ
ットメルトフィルムまたは熱硬化性樹脂を介して表皮材
を積層して加熱加圧し、発泡性フェノール樹脂を発泡硬
化させて一体成形することにより、ハニカム体のセル内
にフェノール樹脂フォームが充填されたコア11の両面
に無機質繊維シート3が配置され、その外側の両面が表
皮材5で被覆された断熱パネル10を得る。この断熱パ
ネル10は、全体の厚さが40mm以上であり、かつ、
全体の厚さに対する、無機質繊維シート3の厚さと表皮
材5の厚さとの合計の比率が0.5〜15%とされてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、断熱性が高く、防火、
耐火性にも優れていて、特に冷凍冷蔵倉庫の天井材、内
外壁材、間仕切り材等に好適な断熱パネルおよびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷凍冷蔵倉庫あるいは一般建築物の設置
において、天井材、内外壁材、または間仕切り材に使用
する断熱パネルとしては、従来、ウレタンフォームを芯
材として、それに表皮材を貼付したパネルが主に使用さ
れている。しかしながら、ウレタンフォームは、断熱性
に優れる反面、可燃性であるため、これを冷凍冷蔵倉庫
等の建築物に使用した場合には、火災防止等のために消
防法によって建築物の敷地面積や建設地域が規制される
場合がある。
【0003】このため、上記規制を受ける場所では、防
火、耐火性を考慮して、ウレタンフォームに難燃剤を添
加した断熱パネル、押出し発泡ポリスチレンボードの両
面に石こうボードを貼付した断熱パネル、またはイソシ
アヌレートフォームを芯材にして表皮材を貼付した断熱
パネル等が使用されているが、防火、耐火性がまだ十分
ではなく、冷凍冷蔵倉庫等の建築物の設置認可を得るた
めには、さまざまな消火設備の設置が必要とされてい
る。
【0004】また、有機系フォームとして最も不燃性が
高いものにフェノール樹脂フォームが知られているが、
単独では芯材としての強度が劣り、表皮材との接着性も
低いため、フェノール樹脂フォーム単独では断熱パネル
の芯材としては利用できないという欠点を有している。
この欠点を解消する手段として、特開平3−10914
5号、特開平4−319428号、および特開平5−2
22784号公報には、断熱パネル等の芯材として、フ
ェノール樹脂フォームとハニカム体との複合体を用いた
ものが開示されている。
【0005】このうち、特開平5−222784号公報
には、ハニカム体にフェノール樹脂フォームを充填して
なるコアの片面又は両面に、鉱物質繊維ボードを積層
し、更にその外側を表皮材で被覆してなる断熱パネルが
開示されている。この断熱パネルは、コアの外側に高密
度の鉱物質繊維ボードを配置し、断熱パネル全体の厚さ
に対する、鉱物質繊維ボードの厚さと表皮材の厚さとの
合計が占める割合を高くしているため、防火、耐火性に
優れている。
【0006】しかしながら、同公報の断熱パネルの熱伝
導率は、一般的に使用されている断熱パネルの熱伝導率
(0.018 〜0.040kcal/m・h・℃) と比較して大であり、断
熱性の面では劣っているため、冷凍冷蔵倉庫用の断熱パ
ネルとしては使用困難であった。すなわち、冷凍冷蔵倉
庫用の断熱パネルに要求される断熱性の指標であるK値
(C級の場合)は、0.4 〜0.32kcal/m2・h・℃であり、熱
伝導率が大きい断熱パネルを使用する場合には厚さを相
当厚くしなければならない。例えば熱伝導率が0.07 kca
l/m・h・℃の断熱パネルを使用する場合には、厚さが175
〜219mm も必要となり、一般的な断熱パネルの倍以上の
厚さとなる。しかし、断熱パネルの厚さを厚くする場合
には、断熱パネル自体のコストアップ、断熱パネルの重
量増大による施工性の悪化、多数のパネルを使用するこ
とによる施工費用増大等、多くの問題が発生する。
【0007】また、特開平3−109145号に記載さ
れている芯材の成形方法では、発泡性フェノール樹脂の
発泡時の漏出を防止する目的でプレス成形に使用する金
型に堰をもうけているため、金型と金型との隙間がわず
かであり、ハニカム体のセル内の空気および発泡剤の余
剰ガスが抜けきれず、ハニカム体のセル内にフェノール
樹脂フォームが完全に充填されない構造になるという問
題があった。
【0008】また、上記3つの公報の芯材を断熱パネル
として使用するためには、フェノール樹脂フォームとハ
ニカム体からなる芯材を成形した後に、別工程において
表皮材を接着固定しなければならない。表皮材の接着手
段としてホットメルトフィルムを用いる場合には、芯材
の成形設備とは別に表皮材の加熱接着ラインが必要とな
るため、また、接着剤を用いて表皮材を接着する場合に
は、芯材の成形時間とは別に接着硬化する時間が必要と
なるため、上記の技術は断熱パネルの製造コストの高騰
を招くという欠点を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術が有する前述の問題点を解消することにあり、断熱
性が高く、防火、耐火性に優れた断熱パネル、および、
表皮材を含めて一体成形することによって製造工程およ
び製造時間を短縮し、低コストで製造可能な断熱パネル
の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の断熱パネルは、ハニカム体のセル内にフェ
ノール樹脂フォームが充填されたコアの両面に無機質繊
維シートが配置され、さらにその外側の両面が表皮材で
被覆されてなる断熱パネルにおいて、全体の厚さが40
mm以上であり、かつ、全体の厚さに対する、無機質繊
維シートの厚さと表皮材の厚さとの合計の比率が0.5
〜15%であることを特徴とする。
【0011】また、本発明の断熱パネルの製造方法は、
ハニカム体のセル内にフェノール樹脂フォームが充填さ
れたコアの両面に無機質繊維シートが配置され、さらに
その外側の両面が表皮材で被覆されてなる断熱パネルの
製造方法において、ハニカム体の両面に発泡性フェノー
ル樹脂と無機質繊維シートとの複合物を積層し、さら
に、ホットメルトフィルムを配した表皮材、あるいは熱
硬化性樹脂を塗布した表皮材を、前記複合物の両外側に
積層して加熱加圧し、発泡性フェノール樹脂を発泡硬化
させ、一体成形することを特徴とする。
【0012】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て更に詳細に説明する。本発明の断熱パネルの厚さは、
40mm以上とされる。厚さが40mm未満の場合に
は、断熱性が不十分であるため、特に高い断熱性が必要
とされる冷凍冷蔵倉庫用としては使用できず、また防
火、耐火性も十分ではない。
【0013】本発明の断熱パネルの全体の厚さに対す
る、無機質繊維シートの厚さと表皮材の厚さとの合計の
比率は、0.5〜15%とされる。0.5%未満では十
分な防火、耐火性を得ることができず、15%を越える
と熱伝導率が大となり断熱性が低下する。特に、断熱性
と防火、耐火性とのバランスを好適にすることから2〜
12%であることが好ましい。
【0014】本発明において、ハニカム体とフェノール
樹脂フォームとからなるコアの密度は、10〜200kg
/m3 が好ましく、20〜100kg/m3 が特に好ましい。
密度が10kg/m3 未満および200kg/m3 を越える場合
には断熱性に劣り、断熱パネルの芯材としては適さなく
なる。
【0015】本発明において使用するハニカム体は、特
に限定されず、公知のものを使用することができる。ハ
ニカム体のセル形状の例としては、ハニカムコア、ロー
ルコア、コルゲートコア等を挙げることができ、材質の
例としては、クラフト紙、セミ中芯紙等のペーパーハニ
カム、アルミニウム等の金属ハニカム等を挙げることが
できる。しかし、断熱パネルの断熱性を低下させないた
め、熱伝導率が小さいペーパーハニカムが好ましい。ま
た、ペーパーハニカムの場合には、難燃性等を向上させ
る目的で、フェノール樹脂、水酸化アルミニウム等を含
浸させてあってもよい。
【0016】本発明におけるフェノール樹脂としては、
従来使用されているフェノール樹脂を使用することがで
きるが、硬化剤による表皮材の腐食が発生しないノボラ
ック型のフェノール樹脂を使用することが好ましい。こ
のフェノール樹脂に発泡剤を添加混合することで、発泡
性フェノール樹脂を得ることができる。発泡剤として
は、加熱によって熱分解してガスを発生する無機系およ
び有機系発泡剤が使用され、特にジニトロソペンタメチ
レンテトラミン等の有機系発泡剤が好ましく使用され
る。
【0017】上記発泡性フェノール樹脂には、発泡硬化
後の不燃性を向上させるために、フェノール樹脂に対し
て1〜50重量%、望ましくは10〜30重量%の難燃
剤を添加してもよい。上記添加量が1重量%未満では難
燃剤の効果が十分でなく、添加量が50重量%を越える
場合には発泡性フェノール樹脂の発泡を大きく阻害し断
熱性能を低下させ、断熱パネルの重量の大幅な増加を招
く。難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、りん系難燃
剤、三酸化アンチモン、または水酸化アルミニウムや水
酸化マグネシウム等の無機水酸化物を使用することがで
きるが、難燃剤がその分解脱水による吸熱効果を有する
という点で無機水酸化物を使用することが好ましい。
【0018】本発明における無機質繊維シートとして
は、ガラス繊維、岩綿、アルミナ繊維等の織布、不織
布、紙、または繊維を堆積させて樹脂バインダーによっ
て固着させたマット等を使用することができ、中でも、
価格、発泡性フェノール樹脂が担持されやすいという面
でガラスチョップドストランドマットが好ましく使用さ
れる。また、無機質繊維シートは、フェノール樹脂フォ
ームとの接着性を向上させるために表面処理を施してあ
ってもよい。
【0019】さらに、無機質繊維シートは、厚さが0.
1〜5mmであることが好ましく、特に0.2〜3mm
であることが好ましい。厚さが0.1mm未満の場合
は、シートの面方向に沿った通気性が低く、表皮材に塗
布した接着剤等がシート全体に浸透して、上記通気性が
より低下するので、発泡性フェノール樹脂の発泡時に発
生する発泡剤の余剰ガスおよびハニカム体のセル内の空
気がパネル外へ抜けにくくなり、ハニカム体のセル内へ
フェノール樹脂フォームが完全に充填されず空隙が残
る。厚さが5mmより大きい場合には、無機質繊維シー
ト内の、フェノール樹脂フォームおよび表皮材に塗布し
た接着剤等が浸透していない層の厚さが大きくなり、こ
の層からの層間剥離が問題となる。また、無機質繊維シ
ートが断熱層となり、一体成形時に発泡性フェノール樹
脂の加熱発泡の所要時間が極端に長くなり実用的ではな
い。
【0020】また、無機質繊維シートは、単位重量が3
0〜1500g/m2であることが好ましい。単位重量が3
0g/m2未満では発泡性フェノール樹脂が担持されにく
く、また複合物とした時の強度も低く取扱性に劣る。単
位重量が1500g/m2より大きい場合には、通気性が低
くなる。
【0021】本発明において、発泡性フェノール樹脂と
無機質繊維シートとの複合物とは、上記無機質繊維シー
トが上記発泡性フェノール樹脂の担体となって一体化さ
れたものである。この複合物は、例えば、無機質繊維シ
ート上に粉体の発泡性フェノール樹脂を散布した後、樹
脂の溶融温度まで加熱して無機質繊維シートへ発泡性フ
ェノール樹脂を融着させる方法、粉体の発泡性フェノー
ル樹脂とポリビニルアルコール水溶液等とを合わせて無
機質繊維シート上に散布した後、乾燥固着させる方法等
によって得ることができる。
【0022】また、本発明において、表皮材の接着手段
としてのホットメルトフィルムとしては、軟化点が50
〜200℃の接着性を有するホットメルトフィルムを使
用することが好ましい。軟化点が50℃より低い場合に
は、断熱パネルの保管、輸送時に表皮材が剥離するおそ
れがあり、軟化点が200℃より高い場合には、断熱パ
ネルの一体成形が困難となる。このようなホットメルト
フィルムとしては、例えば、市販のポリオレフィン系、
ポリアミド系、またはポリエステル系等のホットメルト
フィルムが挙げられる。
【0023】また、表皮材の接着手段として表皮材に塗
布する熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂等の接着性を有する樹脂が好ましく使用される。こ
のうち、接着力および耐久性の面から、特にエポキシ樹
脂に硬化剤を添加した組成物が好ましい。
【0024】本発明の断熱パネルでは、表皮材が断熱パ
ネルの表裏両面ともに金属板であるか、あるいは一方の
面が金属板でもう一方の面が無機質ボードであること
が、防火、耐火性を向上させ、さらに、透湿による結露
や芯材の劣化および断熱性能の低下を防止するために好
ましい。表皮材として用いる金属板としては、鋼板、ア
ルミニウム板等を使用することができ、また無機質ボー
ドとしては、石こうボード、石綿セメント板、けい酸カ
ルシウム板、スラグ石こう板、ALC板等を使用するこ
とができる。
【0025】本発明の断熱パネルは、本発明の製造方法
である、次のような一体成形法によって好ましく製造す
ることができる。すなわち、図2に示すように、ハニカ
ム体1の両面に、発泡性フェノール樹脂2と無機質繊維
シート3との複合物4を、発泡性フェノール樹脂の付着
面がハニカム体1の方へ向くように積層し、さらにその
両外側に表皮材5を、ホットメルトフィルムを配した
面、あるいは熱硬化性樹脂を塗布した面が無機質繊維シ
ート3の方へ向くように積層する。
【0026】続いて、この積層体6を、上型7および下
型8を有するプレス装置にセットし、加熱加圧して発泡
性フェノール樹脂2を発泡硬化させ、上記各層を一体成
形する方法によって断熱パネルを得ることができる。ス
ペーサー9はプレス装置の上型7と下型8との間隔を、
目的とする断熱パネルの厚さに合わせるために使用され
る。また、複数の積層体6と積層体6との間に面状ヒー
ターを挿入することによって、複数の断熱パネルの多段
プレス成形を行うことも可能である。
【0027】本発明において、断熱パネルの一体成形
は、一般に使用される加熱機能を備えたプレス装置で行
うことができる。一体成形時の温度は、150〜200
℃が好ましい。上記温度が150℃未満であると、発泡
性フェノール樹脂の発泡が不十分となり、成形時間が長
くなって経済的ではない。また、上記温度が200℃を
越えると、フェノール樹脂が徐々にではあるが熱分解を
おこして断熱パネルの品質が低下するので好ましくな
い。
【0028】図1に示すように、こうして得られた本発
明の断熱パネル10は、ハニカム体のセル内にフェノー
ル樹脂フォームが充填されてなるコア11と、その外側
両面に接合された無機質繊維シート3と、さらにその外
側両面に接合された表皮材5とで構成されている。
【0029】
【作用】本発明においては、断熱パネルの全体の厚さに
対する、断熱パネルを構成する無機質繊維シートの厚さ
と表皮材の厚さとの合計の比率を一定の範囲内にしたこ
とにより、防火、耐火性を備えると共に、熱伝導率も小
さく、断熱性が向上した断熱パネルを提供できる。すな
わち、防火、耐火材等としては機能するが熱伝導率は比
較的大きい無機質繊維シートおよび表皮材と、熱伝導率
が小さく断熱材としては機能するが、防火性、耐火性は
十分でないフェノール樹脂フォーム充填ハニカムコアと
の比率を一定の範囲内にすることにより、必要とされる
断熱性と、防火、耐火性とが共に得られるようにしたの
である。
【0030】また、本発明の断熱パネルの製造方法にお
いて、無機質繊維シートは、発泡性フェノール樹脂を担
持するだけではなく、発泡性フェノール樹脂が発泡する
際に発生する発泡剤の余剰な分解ガスおよびハニカム体
のセル内の空気を外へ逃がすための通路としての役割も
果す。このように、余剰の分解ガス等が断熱パネルの内
部に残ることがないため、ハニカム体のセル内にフェノ
ール樹脂フォームが完全に充填し、断熱パネルの断熱性
が向上し、全面にわたって均一となる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。 <実施例1>無機質繊維シートとして、厚さ0.65m
mで、単位重量が300g/m2のガラスチョップドストラ
ンドマットを用い、このマット上に、発泡性フェノール
樹脂(ノボラック型)の粉体を単位面積あたりの散布量
が1000g/m2となるように散布し、80℃に加熱して
発泡性フェノール樹脂を溶融、融着して、発泡性フェノ
ール樹脂と無機質繊維シートとの複合物をあらかじめ用
意した。
【0032】厚さ50mmのペーパーハニカム(昭和飛
行機工業製、品番25−S−10)の両面に、上記の複
合物を発泡性フェノール樹脂の融着面がペーパーハニカ
ムの方へ向くように積層し、さらにその両外側に、2液
性のエポキシ樹脂組成物(日本チバガイギー社製、主剤
XNR3312と硬化剤XNH3312を20:11の
比で混合)を、単位面積あたりの塗布量が300g/m2
なるように塗布した厚さ0.4mmのカラー鋼板を、エ
ポキシ樹脂組成物の塗布面がガラスチョップドストラン
ドマットの方へ向くように積層して、一体成形用の積層
体を作成した。次に、加熱機能を備えたプレス装置の温
度を170℃とし、上記積層体をセットし、その両脇に
高さ52mmのアルミニウム製のスペーサーを配置し、
10分間加熱加圧してパネルを得た。
【0033】<実施例2>複合体における発泡性フェノ
ール樹脂の単位面積あたりの散布量を1400g/m2
し、ペーパーハニカムの厚さを70mmとした以外は、
実施例1と同じ要領で一体成形用の積層体を作成した。
次に、アルミニウム製のスペーサーの高さを72mmに
し、加熱加圧時間を15分間とした以外は実施例1と同
じ方法でパネルを得た。
【0034】<実施例3>カラー鋼板にエポキシ樹脂組
成物を塗布する代わりに、厚さ0.1mmのポリオレフ
ィン系ホットメルトフィルム(ダイアボンド工業社製、
品名EXH)を2枚重ねてカラー鋼板に配した以外は、
実施例1と同じ構成および方法でパネルを得た。
【0035】<実施例4>実施例1のカラー鋼板の一方
を厚さ5mmの石綿セメント板に代えた以外は、実施例
1と同じ要領で一体成形用の積層体を作成した。次に、
アルミニウム製のスペーサーの高さを56.6mmにし
た以外は実施例1と同じ方法でパネルを得た。
【0036】<比較例1>表皮材として厚さ0.4mm
のカラー鋼板を使用し、全体の厚さが52mmになるよ
うにウレタンフォーム(東京エアゾル社製、スリースー
パーウレタンフォームS−20)を2枚の表皮材の間に
注入発泡させ、パネルを得た。
【0037】<比較例2>複合体における無機質繊維シ
ートをロックウールボード(密度380kg/m3 、厚さ9
mm)とし、発泡性フェノール樹脂の単位面積あたりの
散布量を320g/m2とし、ペーパーハニカムの厚さを1
6mmとした以外は実施例1と同じ要領で一体成形用の
積層体を作成した。次に、表皮材を厚さ5mmの難燃化
粧合板とし、アルミニウム製のスペーサーの高さを44
mmとし、加熱加圧時間を30分とした以外は実施例1
と同じ方法でパネルを得た。
【0038】実施例1〜4および比較例1、2で得たパ
ネルについて、熱伝導率測定、強度試験、表面試験、お
よび防火、耐火試験を行った結果を表1に示す。
【0039】
【表1】 熱伝導率:JIS A1427(0℃) 圧縮強度:10%圧縮強度 表面試験:建設省告示第3415号による表面試験 防火、耐火性試験:JIS A1304およびJIS
A1302の加熱試験に準拠した方法により評価した。
【0040】<比較例3>発泡性フェノール樹脂と無機
質繊維シートとの複合物に代えて、発泡性フェノール樹
脂を単独で溶融してシート化したものを使用した以外は
実施例1と同じ要領で一体成形用の積層体を作成した。
次に、アルミニウム製のスペーサーの高さを51mmと
した以外は実施例1と同じ方法でパネルを得た。
【0041】このパネルを分解してみると、ペーパーハ
ニカムのセル内にフェノール樹脂フォームが完全に充填
されておらず、空隙が存在していた。
【0042】
【発明の効果】本発明の断熱パネルは、実施例に示すと
おり熱伝導率が小さく、防火、耐火性も良好である。す
なわち、高い断熱性と、防火、耐火性とを兼ね備えてい
る。したがって、本発明の断熱パネルを冷凍冷蔵倉庫用
に使用した場合には、厚さが極端に大となることがな
い。また、ハニカム体のセル内にフェノール樹脂フォー
ムが完全に充填しているため、断熱性がパネル全面にわ
たって均一である。
【0043】さらに、本発明の断熱パネルの製造方法に
よれば、表皮材を別工程で貼付することなく一体成形で
きるため、断熱パネルの製造コストが大きく削減され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の断熱パネルの断面図
【図2】 本発明の断熱パネルの製造方法の一例を示す
側面図
【符号の説明】
1:ハニカム体 2:発泡性フェノール樹脂 3:無機質繊維シート 4:複合物 5:表皮材 6:積層体 7:上型 8:下型 9:スペーサー 10:断熱パネル 11:コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04C 2/36 G

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハニカム体のセル内にフェノール樹脂フォ
    ームが充填されたコア(11)の両面に無機質繊維シート
    (3) が配置され、さらにその外側の両面が表皮材(5) で
    被覆されてなる断熱パネル(10)において、全体の厚さが
    40mm以上であり、かつ、全体の厚さに対する、無機
    質繊維シート(3) の厚さと表皮材(5) の厚さとの合計の
    比率が0.5〜15%であることを特徴とする断熱パネ
    ル。
  2. 【請求項2】冷凍冷蔵倉庫の天井材、内外壁材、または
    間仕切り材として用いられる請求項1記載の断熱パネ
    ル。
  3. 【請求項3】前記ハニカム体が、ペーパーハニカムであ
    る請求項1または2に記載の断熱パネル。
  4. 【請求項4】前記フェノール樹脂フォームが、ノボラッ
    ク型フェノール樹脂の発泡体である請求項1〜3のいず
    れか1つに記載の断熱パネル。
  5. 【請求項5】前記無機質繊維シートは、厚さが0.1〜
    5mmであり、単位重量が30〜1500g/m2である請
    求項1〜4のいずれか1つに記載の断熱パネル。
  6. 【請求項6】前記表皮材が、両面とも金属板であるか、
    あるいは、一方の面が金属板で、もう一方の面が無機質
    ボードである請求項1〜5のいずれか1つに記載の断熱
    パネル。
  7. 【請求項7】ハニカム体のセル内にフェノール樹脂フォ
    ームが充填されたコアの両面に無機質繊維シートが配置
    され、さらにその外側の両面が表皮材で被覆されてなる
    断熱パネルの製造方法において、ハニカム体の両面に発
    泡性フェノール樹脂と無機質繊維シートとの複合物を積
    層し、さらに、ホットメルトフィルムを配した表皮材、
    あるいは熱硬化性樹脂を塗布した表皮材を、前記複合物
    の両外側に積層して加熱加圧し、発泡性フェノール樹脂
    を発泡硬化させ、一体成形することを特徴とする断熱パ
    ネルの製造方法。
  8. 【請求項8】前記複合物は、厚さが0.1〜5mm、単
    位重量が30〜1500g/m2である無機質繊維シート
    に、発泡性フェノール樹脂の粉体を担持させたものであ
    る請求項7記載の断熱パネルの製造方法。
JP6175890A 1994-07-05 1994-07-05 断熱パネルおよびその製造方法 Pending JPH0820086A (ja)

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