JPH11198264A - 繊維強化プラスチック製耐火部材およびその製造方法 - Google Patents

繊維強化プラスチック製耐火部材およびその製造方法

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JPH11198264A
JPH11198264A JP10001365A JP136598A JPH11198264A JP H11198264 A JPH11198264 A JP H11198264A JP 10001365 A JP10001365 A JP 10001365A JP 136598 A JP136598 A JP 136598A JP H11198264 A JPH11198264 A JP H11198264A
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resin
fiber
frp
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reinforced plastic
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JP10001365A
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Toyokazu Mizuguchi
豊和 水口
Tetsuyuki Kyono
哲幸 京野
Ikuo Horibe
郁夫 堀部
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FRP材の少なくとも片面に無機質材が配置
され、その無機質材の表面が耐火塗料で被覆されたこと
を特徴とする繊維強化プラスチック製耐火建築部材およ
びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 FRP材の少なくとも片面に無機質材が
配置され、かつ無機質材の表面が耐火塗料で被覆された
ことを特徴とする繊維強化プラスチック製耐火部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐火性能の優れた
繊維強化プラスチック製耐火部材およびその製造方法に
関するものである。さらに詳しくは、無機繊維で補強し
たFRP材の少なくとも片面に無機質材を配置し、その
表面に耐火塗料を塗った繊維強化プラスチック製耐火部
材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭素繊維はそのすぐれた力学的性
質、特にすぐれた強度および弾性率を利用した複合材料
の補強繊維として工業的に広く利用され建築構造物、土
木材料などにも利用されつつある。
【0003】一般的に炭素繊維は、エポキシ樹脂に代表
される熱硬化性樹脂の強化繊維として利用されている
が、エポキシ樹脂をマトリックスとするCFRPは耐火
性が悪い。建築物の構造材として使用するには、建築基
準法に定められた消火設備や敷地面積の規制、建設地域
の規制がある。このため、上記規制場所では建築部材の
防火性能、耐火性能を高めるため多種の耐火塗料を塗布
する手段がとられている。
【0004】例えば、火災時の加熱による建築構造部材
の温度上昇を遅延させるため加熱により不燃性ガスを発
生しながら発泡し、多孔質炭化層を有する発泡型耐火塗
料がある。特開昭52−103817では建築物の内装
を構成する天井または壁等の基材と内装材との間に発泡
性防火物質層を介在させることを特徴とする建築物内装
の防火方法が開示されている。また、特開平9−533
74には、非中空のFRP成形部材本体の表面に発泡型
耐火塗料を塗布して耐火塗膜を形成した耐火FRP部材
が開示されている。
【0005】しかしながら、これらの耐火塗料は200
℃以上の温度で徐々に発泡を開始するため、FRP部材
の表面に通常の方法で発泡性防火物質や耐火塗料を直接
塗布しただけでは火災時の熱で耐火塗料が発泡する前に
FRP部材の温度が急上昇し、軟化して形態を保持でき
なくなる問題がある。また、天井基材や壁基材に貼り付
けたFRPと内装材との間に発泡性防火物質を塗布した
場合でも火災時、内装材の燃焼で天井および壁基材に貼
り付けたFRP材の温度が350℃に達し、FRP材は
形態保持ができなくなる。すなわち発泡性防火物質だけ
ではFRP部材にとって耐火断熱効果が小さいという欠
点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来の上述した問題点を解決し、FRP材の少なくとも片
面に無機質材が配置され、その無機質材の表面が耐火塗
料で被覆されたことを特徴とする繊維強化プラスチック
製耐火建築部材およびその製造方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明は、次の構成からなる。すなわち、
FRP材の少なくとも片面に無機質材が配置され、かつ
無機質材の表面が耐火塗料で被覆されたことを特徴とす
る繊維強化プラスチック製耐火部材を提供する。また、
本発明は無機質材表面に一方向および/または織物構成
の無機繊維を積層し、その上に樹脂を面方向に拡散する
ための樹脂拡散媒体を置き、フィルムで全体を覆いフィ
ルム内を真空にしながら25℃での粘度が0.1〜20
ポイズの常温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を注入し、
一体成形したFRP材の無機質材表面に耐火塗料を塗り
乾燥させることを特徴とする繊維強化プラスチック製耐
火部材の製造方法および常温硬化型樹脂または熱硬化型
樹脂を塗布したフィルムの上に一方向および/または織
物構成の無機繊維を連続的に乗せ次いで同じ樹脂を塗布
したフィルムを被せ加熱ローラで押さえながら樹脂を含
浸させた後、切断、積層し上部に無機質材を積層してカ
バーフィルムで覆いオートクレーブで加圧し、一体成形
したものの無機質材表面に耐火塗料を塗り乾燥させるこ
とを特徴とする繊維強化プラスチック製耐火部材の製造
方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のFRP材は少なくとも片
面に無機質材が配置され、かつ無機質材の表面が耐火塗
料で被覆されたことを特徴とする繊維強化プラスチック
製耐火部材である。
【0009】本発明のFRP材の片面に配置する無機質
材は、セラミック、ケイ酸カルシウム、アスベスト、炭
酸マグネシウム、炭酸カルシウム、アルミニウム、ガラ
ス繊維、グラファイト等のシート状物、マット状物、パ
ネル体および発泡体が挙げられる。中でも炭酸カルシウ
ム発泡体やケイ酸カルシウム発泡体が軽量でかつ防火性
能がよい。なお、耐火性能を向上させるためFRP材の
両面に無機質材を配置し、その無機質材の各表面に耐火
塗料または耐火塗料シートを塗布または貼り付け加工す
ると、FRPは無機質材により熱源から断熱保護され、
続いて耐火塗料により断熱保護されるためFRP材は強
度の低下、軟化、燃焼することもなく安定し、形態保持
することができるためより好ましい。無機質材の厚さ
は、1〜20cmが好ましく、2〜10cmがより好ま
しい。なぜなら、無機質材の厚さが1cmより薄いと断
熱性が低下し、FRPが加熱され機械的強度が低下し、
形態保持できなくなる。また、20cmより厚すぎると
重量が増加し、取り扱いにくくなる他部材の価格も高く
なるためコスト的にマイナスになる。また、無機質材の
密度は10〜900kg/m3 が好ましく、20〜50
0kg/m3 がより好ましい。なぜなら、密度が小さす
ぎると成形時の形態保持性が悪く成形圧力でフォームが
潰れることになる。大きすぎると重量が増加し取り扱い
性が悪く、コストも高くなるからである。
【0010】ここで、耐火塗料には基材が火災により高
熱に曝された場合、塗膜が着火を防ぐ非発泡性耐火塗料
と耐火塗膜が高熱に曝されたとき塗料に含まれる発泡剤
が発泡膨張し、断熱性を付与する発泡性耐火塗料がある
がどちらでも良い。好ましくは、加熱源から受ける温度
を断熱させる効果が大きい発泡性耐火塗料の方が良い。
【0011】さらに、耐火塗料のシート状物でも非発泡
性耐火塗料または発泡性耐火塗料をフィルム上に均一に
塗布したものを貼り付けると同様の効果が得られる。塗
膜厚みが均一で希望の厚みに簡単に調整でき誰でも正確
に塗布することができるため耐火塗料のなかでは発泡性
耐火塗料シートが最も好ましい。耐火塗料の塗布厚みは
0.1mm〜5mmが好ましく、0.2mm〜2mmが
より好ましい。なぜなら、耐火塗料の塗布厚みが薄すぎ
るとFRPに対する耐火性および断熱性が低下し、FR
Pの機械的特性が低下する。反対に塗布量が厚すぎると
FRPは、熱源から十分に保護されるが必要以上の断熱
性がオーバースペックとなりコスト的にマイナスとな
る。
【0012】また、FRP材の表面に配置する部材は、
上記に限定するものだけではない。上記以外にフェノー
ルフォーム材など有機質の不燃材をFRP材の表面に配
置し、その表面に発泡性耐火塗料を塗布することも可能
である。
【0013】本発明のFRP材のマトリックス樹脂はフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂の常温硬化型樹脂また
は熱硬化型樹脂が挙げられる。なかでもフェノール樹脂
が安価で、かつ難燃性があり燃えにくいため好ましい。
【0014】本発明のFRPの補強繊維は無機繊維であ
ることを特徴とする。無機繊維としては、ガラス繊維、
炭素繊維、シリコンカーバイト繊維、シリコンナイトラ
イド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、鉱物繊維等が挙
げられる。これらの繊維はコスト、性能を配慮して単独
または複合で使用することができる。
【0015】本発明のFRP耐火部材は、天井、壁、
床、柱、屋根、梁、庇、ドア等の建築部材として用いる
ことができる。中でも軽量、高弾性率、錆びない、形
状、寸法、成形の自由度などの特徴を生かせる天井材、
屋根材、壁材、床材としての用途が好ましい。天井材、
屋根材、壁材、床材など無機質ボードの内側に無機質ま
たは有機質の発泡または未発泡断熱材を積層し、その断
熱材の表面に無機繊維を積層して、フェノール樹脂で一
体成形した物は、断熱効果が大きく耐火性が良いため、
FRPの性能を十分生かせる耐火建築部材が提供でき
る。
【0016】また、このFRP耐火部材は船舶、車両構
体、航空機等の壁材、床材天井材にも使用可能である。
【0017】本発明のFRP製耐火部材は、無機質材表
面に一方向および/または織物構成の無機繊維を積層
し、その上に樹脂を面方向に拡散するための樹脂拡散媒
体を置き、フィルムで全体を覆った後、フィルム内を真
空にしながら25℃での粘度が0.1〜20ポイズの常
温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を注入し、一体成形し
たFRP材の無機質材表面に、耐火塗料を塗り乾燥させ
ることを特徴とする繊維強化プラスチック製耐火部材の
製造方法である。
【0018】強化繊維は一方向と織物を単独で用いても
組み合わせても良い。また、FRP製耐火部材を成形す
る際の基材全体を覆ったフィルム内は真空にする必要が
あり、真空度が740mmHg以上になるようにシール
する。真空漏れがあると成形されるFRP中に泡が入り
物性の低いFRPができる。フィルム内に注入する樹脂
は常温硬化型または熱硬化型のいずれでも良い。中でも
常温硬化型の樹脂がコスト的に安価で、硬化炉が不要で
成形物の大きさにも自由度があり取り扱いやすく好まし
い。
【0019】注入する樹脂は、常温硬化型フェノール樹
脂がより好ましく、粘度は25℃雰囲気中において0.
1〜20ポイズが好ましい。0.1ポイズより小さいと
樹脂が一気に通過するパスが固定され全体的に含浸斑と
なる。また20ポイズより大きいと樹脂が基材の中を通
過しにくく時間がかかる他、通過しない部分が発生して
含浸斑になる。より好ましい粘度は1〜10ポイズであ
る。
【0020】また、FRP材の他の製造方法としては、
常温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を塗布したフィルム
の上に一方向および/または織物構成の無機繊維を積層
し、次いで同じ樹脂を塗布したフィルムを被せ加熱ロー
ラで押さえながら樹脂を含浸させプリプレグ化し、切
断、積層して上部および/または下部に無機質材を積層
してカバーフィルムで覆いオートクレーブで加圧し、一
体成形したFRP材の無機質材の少なくとも片面に耐火
塗料を塗り乾燥させることを特徴とする繊維強化プラス
チック製耐火部材の製造方法である。この方法は、プリ
プレグ化するため樹脂量を希望通りに調整できることか
ら高Vfの成形物ができ、成形物の強度が向上し、樹脂
量も少なくて済むため低コストになる。フィルムに塗布
する樹脂は常温硬化型でも熱硬化型樹脂でもいずれでも
良いが好ましくはポットライフが長く長期保管が可能な
熱硬化型樹脂が良い。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0022】実施例1 単繊維本数が12000本の撚りの無い扁平状アクリル
系炭素繊維を機織り機を用いて織物シートに加工し、こ
の織物シートを10層積層した。厚みが25mmで密度
70kg/m3 の炭酸カルシウム発泡体の上に上記織物
シート10層を積層し全体をフィルムで覆い、真空ポン
プを用いてフィルム内を真空度750mmHgにした。
一方から樹脂粘度5ポイズの常温硬化型フェノール樹脂
を織物シート部に注入し、常温で硬化させ一辺が120
0mm、厚みが30mmのFRP試験体を得た。このF
RP試験体の炭酸カルシウム発泡体の上に塗膜厚みが
0.5mmの発泡性耐火塗料を塗布し24時間常温乾燥
した。試験体は建築基準法に従った耐火試験(JIS
A1304)条件で30分耐火試験を実施した。試験炉
は間口1000mmの小型試験炉を用いた。熱源として
プロパンガスバーナを用い試験体の耐火塗料を塗布した
側から加熱し、試験体の裏面温度を測定した。試験体は
30分経過時の表面温度が840℃で加熱表面の耐火塗
料は大きく発泡し、FRPの裏面温度は106℃と断熱
効果は大きかった。結果を表1に示す。
【0023】実施例2 実施例1と同様の織物シートを熱硬化型フェノール樹脂
が塗布されたフィルムの上に1層乗せ、その上に同様の
樹脂が塗布されたフィルムを被せて加熱ローラで押しな
がら樹脂を繊維に含浸させプリプレグ化した。厚みが2
5mmの炭酸カルシウム発泡体の上に切断した織物プリ
プレグを10層積層し周囲をフィルムで覆い、一方から
真空ポンプを用いてフィルム内の真空度を760mmH
gにした。この積層物をオートクレーブにて150℃で
加圧成形し、一辺が1200mm、厚みが30mmのF
RP試験体を得た。このFRP試験体の炭酸カルシウム
発泡体の上に塗膜厚みが0.5mmの発泡性耐火塗料を
塗布し24時間常温乾燥した。FRP試験体は実施例1
と同様の耐火試験を実施した。FRP試験体は30分経
過時の表面温度が840℃で加熱表面の耐火塗料は大き
く発泡し、その裏面温度は121℃と断熱効果は大きか
った。結果を表1に示す。
【0024】実施例3 厚みが25mmのガラスフォームの上に実施例1と同様
の織物シートを10層積層し周囲をフィルムで覆い、一
方から真空ポンプを用いてフィルム内を真空度750m
mHgにした。もう一方から樹脂粘度5ポイズの常温硬
化型フェノール樹脂を織物シート部に注入し、常温で硬
化させ一辺が1200mm、厚みが30mmのFRP試
験体を得た。このFRP試験体のガラスフォームの上に
塗膜厚みが0.5mmの発泡性耐火塗料を塗布し24時
間常温乾燥した。FRP試験体は実施例1と同様の方法
で耐火試験を実施した。試験体は30分経過時の表面温
度が840℃で加熱表面の耐火塗料は大きく発泡し、そ
の裏面温度は133℃と断熱効果は大きかった。結果を
表1に示す。
【0025】実施例4 実施例2と同様の織物シートを熱硬化型フェノール樹脂
が塗布されたフィルムの上に1層乗せ、その上に同様の
樹脂が塗布されたフィルムを被せて加熱ローラで押しな
がら樹脂を繊維に含浸させプリプレグ化した。その織物
プリプレグを切断し、10層積層した上に厚みが25m
mのガラスフォームを積層し周囲をフィルムで覆い、一
方から真空ポンプを用いてフィルム内の真空度を760
mmHgにした。この積層物をオートクレーブにて15
0℃で加圧成形し、一辺が1200mm、厚みが30m
mのFRP試験体を得た。このFRP試験体のガラスフ
ォームの上に塗膜厚みが0.5mmの発泡性耐火塗料を
塗布し24時間常温乾燥した。FRP試験体は実施例1
と同様の耐火試験を実施した。FRP試験体は30分経
過時の表面温度が840℃で加熱表面の耐火塗料は大き
く発泡し、その裏面温度は145℃と断熱効果があっ
た。
【0026】結果を表1に示す。
【0027】実施例5 厚みが100mmで密度40kg/m3のウレタン発泡
体の上下に実施例1と同様の織物シートを10層ずつ積
層し、さらに織物シートの上に厚みが25mmの炭酸カ
ルシウム発泡体を上下とも積層してフィルムで覆った。
一方から真空ポンプを用いてフィルム内を真空度750
mmHgにして、もう一方から樹脂粘度5ポイズの常温
硬化型フェノール樹脂を織物シート部に注入し常温で硬
化させ一辺が1200mm、厚みが60mmのFRP試
験体を得た。このFRP試験体のいずれか一方の炭酸カ
ルシウム発泡体の上に塗膜厚みが0.5mmの発泡性耐
火塗料を塗布し24時間常温乾燥した。試験体は実施例
1と同様の試験条件で30分の耐火試験を実施した。試
験体は30分経過時の表面温度が840℃で加熱表面の
耐火塗料は大きく発泡し、その裏面温度は113℃と断
熱効果は大きかった。結果を表1に示す。
【0028】比較例1 実施例1と同様の織物シートを10層積層した。その織
物シートをフィルムで覆い、一方から真空ポンプを用い
てフィルム内を真空度750mmHgにした。もう一方
から樹脂粘度5ポイズのフェノール樹脂を注入し、常温
で硬化させ一辺が1200mm、厚みが5mmのFRP
試験体を得た。このFRP試験体は実施例1と同様の条
件で30分耐火試験を実施した。試験体は30分経過時
の表面温度が840℃で加熱表面の耐火塗料は大きく発
泡したが、その裏面温度は652℃と高く断熱効果は小
さく耐火試験合格レベル(30分後の裏面温度が260
℃を越えないこと)には達しない値であった。結果を表
1に示す。
【0029】比較例2 実施例1と同様の織物シートを10層積層した。その織
物シートをフィルムで覆い、一方から真空ポンプを用い
てフィルム内を真空度750mmHgにした。もう一方
から樹脂粘度5ポイズのフェノール樹脂を注入し、常温
で硬化させ一辺が1200mm、厚みが5mmのFRP
試験体を得た。このFRP試験体の上に塗膜厚みが0.
5mmの発泡性耐火塗料を塗布し24時間常温乾燥し
た。FRP試験体は実施例1と同様の条件で30分耐火
試験を実施した。試験体は30分経過時の表面温度が8
40℃で加熱表面の耐火塗料は大きく発泡したが、その
裏面温度は421℃と高く断熱効果は小さく耐火試験は
不合格であった。結果を表1に示す。
【0030】比較例3 実施例1と同様の織物シートをフェノール樹脂が塗布さ
れたフィルムの上に1層乗せ、その上に同様の樹脂が塗
布されたフィルムを被せて加熱ローラで押しながら樹脂
を繊維に含浸させプリプレグ化した。その織物プリプレ
グを切断し、5層積層した周囲をフィルムで覆い、一方
から真空ポンプを用いてフィルム内の真空度を760m
mHgにした。この積層物をオートクレーブにて150
℃で加圧成形し、一辺が1200mm、厚みが5mmの
FRP試験体を得た。このFRP試験体の上に塗膜厚み
が0.5mmの発泡性耐火塗料を塗布し24時間常温乾
燥した。FRP試験体は実施例1と同様の耐火試験を実
施した。FRP試験体は30分経過時の表面温度が84
0℃で加熱表面の耐火塗料は大きく発泡したが、その裏
面温度は405℃と断熱効果は小さく耐火試験は不合格
であった。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明のFRP材は、少なくとも片面に
無機質材が配置されその無機質材の表面を耐火塗料で被
覆することにより、断熱性が大きく向上し、従来からク
リアできなかったFRP部材の30分耐火試験を合格す
ることができ、建築分野への用途が拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1,2,3,4の構造体を示す断面
図。
【図2】 実施例5の構造体を示す断面図。
【図3】 比較例1の構造体を示す断面図。
【図4】 比較例2および3の構造体を示す断面図。
【符号の説明】
1:耐火塗料 2:無機質材 3:FRP材 4:芯材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FRP材の少なくとも片面に無機質材が
    配置され、かつ無機質材の表面が耐火塗料で被覆された
    ことを特徴とする繊維強化プラスチック製耐火部材。
  2. 【請求項2】 FRP材のマトリックス樹脂がフェノー
    ル樹脂、エポキシ樹脂または不飽和ポリエステル樹脂の
    常温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂であることを特徴と
    する請求項1に記載の繊維強化プラスチック製耐火部
    材。
  3. 【請求項3】 FRP材を補強する繊維が無機繊維であ
    ることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の繊
    維強化プラスチック製耐火部材。
  4. 【請求項4】 FRP材の表面を被覆する無機質材が炭
    酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミニウム、ガラ
    ス、ケイ酸カルシウム、セラミックのボードまたは発泡
    体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の繊維強化プラスチック製耐火部材。
  5. 【請求項5】 天井、壁、床、柱、屋根、梁、庇または
    ドアを構成する建築部材であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の繊維強化プラスチック製耐火
    部材。
  6. 【請求項6】 無機質材表面に一方向繊維および/また
    は織物繊維を積層し、その上に樹脂を面方向に拡散する
    ための樹脂拡散媒体を置き、フィルムで全体を覆いフィ
    ルム内を真空にしながら温度25℃での粘度が0.1〜
    20ポイズの常温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を注入
    し、一体成形したFRP材の無機質材表面に耐火塗料を
    塗り乾燥させることを特徴とする繊維強化プラスチック
    製耐火部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 常温硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を塗
    布したフィルムの上に一方向および/または織物構成の
    無機繊維を積層し、次いで同じ樹脂を塗布したフィルム
    を被せ加熱ローラで押さえながら樹脂を含浸させた後、
    切断、積層し上部に無機質材を積層してカバーフィルム
    で覆いオートクレーブで加圧し、一体成形した物の無機
    質材表面に耐火塗料を塗り乾燥させることを特徴とする
    繊維強化プラスチック製耐火部材の製造方法。
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