JP2000117870A - 繊維強化プラスチック製耐火部材およびその製造方法 - Google Patents

繊維強化プラスチック製耐火部材およびその製造方法

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JP2000117870A
JP2000117870A JP11216535A JP21653599A JP2000117870A JP 2000117870 A JP2000117870 A JP 2000117870A JP 11216535 A JP11216535 A JP 11216535A JP 21653599 A JP21653599 A JP 21653599A JP 2000117870 A JP2000117870 A JP 2000117870A
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fiber
refractory
resin
reinforced plastic
plastic
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Toyokazu Mizuguchi
豊和 水口
Hajime Kishi
肇 岸
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FRPの少なくとも片面に低温発泡性プラス
チック材および高温発泡性プラスチック材が少なくと
も、それぞれ1層以上積層されてなる部材であることを
特徴とする繊維強化プラスチック製耐火部材およびその
製造方法を提供するにある。 【解決手段】 繊維強化プラスチック材の少なくとも片
面に低温発泡性プラスチック材および高温発泡性プラス
チック材が少なくとも、それぞれ1層以上積層されてな
る部材を積層することにより解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐火性能の優れた
繊維強化プラスチック製耐火部材およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、炭素繊維はそのすぐれた力学的性
質、特にすぐれた強度および弾性率を利用した複合材料
の補強繊維として工業的に広く利用され建築構造物、土
木材料などにも利用されつつある。
【0003】一般的に炭素繊維は、エポキシ樹脂に代表
される熱硬化性樹脂の強化繊維として利用されている
が、エポキシ樹脂をマトリックスとする炭素繊維強化プ
ラスチックは耐火性が悪い。建築物の構造材として使用
するには、建築基準法に定められた消火設備や敷地面積
の規制、建設地域の規制がある。このため、上記規制場
所では建築部材の防火性能、耐火性能を高めるため多種
の耐火塗料を塗布する手段がとられている。例えば、火
災時の加熱による建築構造部材の温度上昇を遅延させる
ため加熱により不燃性ガスを発生しながら発泡し多孔質
炭化層を有する発泡型耐火塗料がある。
【0004】特開平6−55680号公報では、発泡耐
火塗料を含浸又は担持させた可燃性布状物からなる発泡
耐火シートが提案されている。この耐火塗料シートは塗
料を未乾燥状態を保持させるためフィルムでパッキング
しているが、保管時や運搬時はロール状または積層体に
する必要があり、厚みが変化したりフィルムが破れて流
出するなどの問題がある。
【0005】また、特開平9−53374号公報では、
非中空の繊維強化プラスチック成形部材本体の表面に発
泡型耐火塗料を塗布して耐火塗膜を形成した繊維強化プ
ラスチック部材が提案されている。
【0006】しかしながら、従来の耐火塗料を繊維強化
プラスチック部材の表面に直接塗布した場合は、耐火塗
料が発泡する前に繊維強化プラスチックが加熱され断熱
効果が小さく機械的強度が低下し、繊維強化プラスチッ
クの形態保持ができなくなる問題や規定の厚みを均一に
塗布するため専門の塗装会社に作業依頼する必要があ
り、その施工コストが塗料費以上に大幅に高くなり使用
に制限がでるなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点に鑑み、繊維強化プラスチック部材を保護
し、機械的強度の低下を惹起させず、かつ、形態保持し
ながら優れた耐火性、つまりJIS A1304に規定
される30分の耐火試験に合格する優れた繊維強化プラ
スチック製耐火部材を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の繊維強化プラスチック製耐火部
材は、繊維強化プラスチック材の少なくとも片面に、低
温発泡性耐火性プラスチック材および高温発泡性耐火性
プラスチック材が、それぞれ少なくとも1層積層されて
構成されていることを特徴とするものである。
【0009】また、かかる繊維強化プラスチック製耐火
部材の製造方法は、熱可塑性樹脂に、炭化剤、難燃剤お
よび無機粒子から選ばれる少なくとも1つの添加剤と、
低温発泡剤とを混合した後、これを成形してなる板状ま
たはシート状の発泡性耐火性プラスチック材Lと、熱可
塑性樹脂に、炭化剤、難燃剤および無機粒子から選ばれ
る少なくとも1つの添加剤と、高温発泡剤とを混合した
後、これを成形してなる板状またはシート状の発泡性耐
火性プラスチック材Hとを、それぞれ少なくとも1層貼
り合わせてなる発泡性耐火性プラスチック材料を型枠の
上に配置し、これに繊維強化プラスチックを積層して一
体成形することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、すなわち、
JIS A1304に規定される30分の耐火試験に合
格する耐火性および断熱性を大きく向上した優れた繊維
強化プラスチック(以下、単にFRPという)製耐火部
材について鋭意検討し、FRPの少なくとも片面に低温
発泡性プラスチック材および高温発泡性プラスチック材
が少なくとも、それぞれ1層以上積層することにより、
意外にもかかる課題を一挙に解決できることを究明した
ものである。特に本発明のFRP製耐火部材は、JIS
A1304に規定される30分の耐火試験に合格すると
ころに重要な意味が存在するものである。以下、かかる
耐火性を有するFRP材とその製造方法について説明す
る。
【0011】本発明のFRP材は、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、
メラミン樹脂等の熱硬化樹脂をマトリックス樹脂とする
複合材料であり、なかでもフェノール樹脂が安価で、か
つ難燃性にすぐれており、好ましく使用される。
【0012】また、かかるFRPの補強繊維としては、
好ましくは無機繊維が使用され、例えば、ガラス繊維、
チラノ繊維、炭素繊維、シリコンカーバイト繊維、シリ
コンナイトライド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、鉱
物繊維等を使用することができる。これらの繊維はコス
ト、性能を配慮して単独または複合で使用することがで
きる。さらに、補強繊維基材の形態としては、織物(平
織り、一方向織り)、不織布、編み物、組み物等が挙げ
られるが、中でもFRPに良く用いられ補強効果が大き
い織物が好ましい。
【0013】本発明の発泡性耐火性プラスチック材に
は、可塑剤を添加することができる。可塑剤は、高分子
物質の加工性を改善したり、樹脂の分子間に入り込み樹
脂の硬い網状構造の原因であるファン・デル・ワールス
結合を弱め、かなりの温度範囲にわたって柔軟な性質を
与える物質である。可塑剤としては、低温成形するため
低温用可塑剤であるフタル酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバチン酸、クエン酸マレイン酸などカルボン酸類
のエステル化合物が挙げられる。中でも、塩化ビニルや
酢酸ビニル樹脂などの低温成形性を安定させるためフタ
ル酸のエステル化合物が好ましく使用できる。
【0014】本発明の発泡性耐火プラスチック材には無
機質および/または有機質短繊維を添加することがで
き、断熱性の向上、軽量化、強度向上、発泡体の形態保
持のために用いられる。無機質繊維としては、ガラス繊
維、チラノ繊維、炭素繊維、シリコンカーバイト繊維、
シリコンナイトライド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊
維、鉱物繊維等の短繊維が挙げられる。これらの繊維は
コスト、性能を配慮して単独または複合で使用すること
ができる。また、有機質繊維としてはアクリル繊維、ア
ラミド繊維、レーヨン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、フッ
素繊維等の短繊維が挙げられる。中でも無機繊維である
ガラス繊維や天然のパルプ、石綿、炭素繊維等は耐火性
が良く、有機繊維であるレーヨン繊維、アクリル繊維は
安価で加熱されても溶融しないで炭化するため発泡層の
形態保持性が良くより好ましい。発泡性プラスチック材
の中に無機質および/または有機質短繊維を入れなくと
も発泡断熱は可能であるが、発泡倍率が小さくなる。
【0015】発泡性プラスチック材を補強する無機質お
よび/または有機質短繊維の添加量は0.1〜50重量
%である。添加量が0.1%より小さいと発泡性プラス
チック材が発泡した時、発泡層の形態が保持出来にくく
なり脱落して断熱効果が低下する。また、逆に50%よ
り多く添加すると発泡性プラスチック材の成形性が悪く
表面形態も悪くなりコスト的にも高くなるため好ましく
ない。より好ましい添加量は、成形性、外観、断熱性、
コスト等総合的な面から1〜10%が良い。
【0016】発泡性プラスチック材に添加する発泡剤は
無機質および/または有機質からなり、発泡温度は90
℃〜300℃の範囲にあり、添加量が20〜200部で
ある。
【0017】発泡剤の発泡温度が90℃より小さい場
合、使用雰囲気温度範囲において形態保持出来なくなる
ことがある。また、300℃より高い場合、発泡する前
にFRPが加熱され機械的強度が低下する。より好まし
い発泡剤の発泡温度は、100℃〜200℃であり、F
RPの機械的強度を低下させることなく炎から断熱する
ことができる。さらに好ましい発泡形態は、90℃以上
〜150℃未満と150℃以上〜300℃以下の2段発
泡である。90℃以上〜150℃未満の低温発泡に次い
で150℃以上〜300℃以下の高温発泡が生ずること
により、断熱効果をより向上させ、FRPの温度上昇を
効果的に阻止できる。さらに発泡性プラスチック材は、
発泡温度が90℃以上〜150℃未満、150℃以上〜
200℃未満、200℃以上〜300℃以下の3段で発
泡するプラスチック材の多層積層体からなるものでも良
い。従来から250℃〜300℃の温度範囲で発泡する
耐火塗料は知られているが、発泡開始温度が高すぎ、F
RPの強度、剛性を維持しうる温度以下にFRPの表面
温度を長時間保つことが困難である。また、90℃以上
〜150℃未満で発泡する低温発泡性プラスチック材の
みの使用の場合、耐火試験中に発泡層表面被膜の加熱分
解が進み断熱層が薄くなり、結果的にFRPが加熱され
機械的強度が低下することがある。
【0018】無機質発泡剤としては重炭酸アンモニウム
等の炭酸アンモニウム系、アジド銅酢酸塩等のアジド化
合物系、膨脹黒鉛等の鉱物質系があり、有機質発泡剤と
してアゾジカルボンアミド等のアゾ化合物系、P,P’
オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド等のスルホ
ニルヒドラジッド系、ポリリン酸アンモニウム等のリン
酸塩系等の発泡剤が挙げられる。無機質系では発泡倍率
が大きい膨張黒鉛などが厚い断熱層を形成できるため好
ましい。有機質系ではスルホニルヒドラジッド系がシャ
ープに低温発泡するため好ましい。発泡剤は無機質、有
機質を単独、併用どちらでも使用可能である。
【0019】発泡剤の添加量は、マトリックス樹脂10
0重量部に対して20〜200重量部であるが、20部
より少ないとFRPを炎から断熱するに十分な発泡層を
形成できなくなる。また、200部より多いと発泡層が
必要以上に形成され、自重で脱落して逆に断熱効果が低
下する他、コスト的にも高いものとなる。より好ましい
発泡剤の添加量は、20〜150部である。
【0020】本発明のFRPの少なくとも片面に固着さ
せる発泡性プラスチック材に用いるマトリックス樹脂
は、90〜300℃の融点または軟化温度を有する熱可
塑性樹脂または熱硬化性樹脂が好ましい。マトリックス
樹脂の軟化温度または融点は発泡剤と組み合わせて選択
することが好ましい。例えば、発泡剤の発泡温度に対応
させ、90℃以上〜150℃未満と150℃以上〜30
0℃以下の融点または軟化温度を有する樹脂を選択し、
低温発泡性プラスチック材と高温発泡性プラスチック材
を成形するという具合である。
【0021】発泡性プラスチック材に用いる熱可塑性樹
脂としては塩化ビニル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル
およびこれらの共重合物等が挙げられ中でも塩化ビニル
樹脂、ポリエチレン樹脂、酢酸ビニルおよびこれらの共
重合樹脂などは安価で成形温度が低く設定できるため好
ましい。また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ユリ
ア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が
挙げられるが中でも安価で成形性の良いエポキシ樹脂、
フェノール樹脂が好ましい。
【0022】発泡性プラスチック材の発泡前の厚みは
0.1〜30mmが好ましい。また、発泡性プラスチッ
ク材の発泡による厚みの増加(発泡倍率)は発泡前の全
厚みの5〜200倍の範囲が良い。発泡性プラスチック
材の厚みが0.1mmより薄いと発泡層が薄くなり断熱
効果が著しく悪くなる。厚みが30mmを越えると全体
の重量が増加しすぎる他、発泡層は大きくなるが自重ま
たは熱風で発泡層が落下し、逆に断熱効果が低下する。
低温発泡性プラスチック材と高温発泡性プラスチック材
を貼り合わせた全発泡倍率が5倍より小さいと断熱効果
が小さくFRPが加熱され機械的強度が大きく低下す
る。また、全発泡倍率が200倍より大きいと発泡層の
自重が大きくなり、炎のあおりや自然脱落により断熱層
が薄くなりFRPが加熱され機械的強度が低下する他、
塗料の使用量が必要以上に多くなり、コストが高くな
る。
【0023】本発明の発泡性プラスチック材は、天井、
壁、床、柱、屋根、梁、庇またはドアを構成する建築部
材である。中でも軽量、高弾性率、錆びない、形状、寸
法、成形の自由度などの特徴を生かせる天井材、屋根
材、壁材、床材としての用途が好ましい。天井材、屋根
材、壁材、床材などはFRPの表面に発泡性プラスチッ
ク材を貼り付けると、火災でも初期の加熱で発泡し、断
熱効果が大きく耐火性が良いため、FRPの性能を十分
生かせる耐火部材が提供できる。
【0024】また、このFRP製耐火部材は船舶、車両
構体、航空機等の壁材、床材、天井材の他、耐火金庫、
危険物貯蔵設備、石油掘削設備などの主要構造材にも使
用可能である。
【0025】本発明のFRP製耐火部材の製造方法につ
いて、以下、説明する。本発明の繊維強化プラスチック
製耐火部材の一つの製造方法は、少なくとも1台以上か
らなる押出成形機の一台から熱可塑性樹脂に低温発泡剤
と下記A〜E群の中から選ばれる少なくとも1つの添加
剤を混合し、押出成形した板状の発泡性プラスチック材
ともう一つの押出成形機から熱可塑性樹脂に高温発泡剤
と下記A〜E群の中から選ばれる少なくとも1つの添加
剤を混合し、押出成形した板状の発泡性プラスチック材
とを貼り合わせた少なくとも、それぞれ1層以上からな
る発泡性プラスチック材を型枠の上に配置し、その上に
繊維基材を積層し、その上に樹脂を繊維基材全体に拡散
させる樹脂拡散媒体を積層し、全体を密封可能な膜体で
覆い端部をシール材で密封し、膜体内を真空にしながら
熱硬化性樹脂を注入して成形することを特徴とするもの
である。 (A〜E群) A:炭化剤 加熱時樹脂が発泡する際樹脂の発泡被膜を炭化促進させ
る物質でペンタエリスリトール、デンプン、メラミン、
セルロース等が挙げられる。 B:難燃剤 樹脂発泡時発泡被膜が燃焼分解するのを防止する物質で
第一リン酸アンモン、 リン酸メラミン等が挙げられ
る。 C:可塑剤 フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、クエン酸、アゼラ
イン酸等のエステル化合物が挙げられる。 D:短繊維 ガラス、金属、セラミック、ボロン、アルミナ、炭素、
黒鉛等の短繊維が挙げられる。 E:無機粒子 樹脂発泡後の発泡被膜の形態を保持させるための物質で
酸化チタン、タルク、 カオリン等が挙げられる。
【0026】上記製造方法において、少なくとも1台以
上からなる押出成形機の1台から低融点熱可塑性樹脂に
A〜E群の中から選ばれる添加剤の少なくとも1つ以上
を添加し、押出成形した低温発泡性プラスチック材とも
う一台から高融点熱可塑性樹脂にA〜E群の中から選ば
れる添加剤の少なくとも1つ以上を添加し、押出成形し
た高温発泡性プラスチック材を貼り合わせ一体化して2
層以上からなる発泡性プラスチック材にすることが好ま
しい。低温発泡性プラスチック材は、FRP製耐火部材
の最表層部に配置させ、耐火試験において熱源点火時の
炎により急激に発泡層を形成し、FRPを断熱保護する
ことができる。
【0027】樹脂注入による成形法を用いるとFRPを
成形する際に注入する樹脂で発泡性プラスチック材を接
着一体化することができる。また、樹脂注入においては
密封可能な膜体の中を真空ポンプで真空圧0.1MPa
以下になるようにシールする必要がある。密封可能な膜
体とは、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性
樹脂フィルムが挙げられる。密封可能な膜体は以上のフ
ィルムに限定するものでなく、密封可能な膜であれば何
でも良い。
【0028】膜体内の真空圧が0.1MPaより低い真
空圧や真空洩れがあると樹脂注入中および注入後に空気
が入りボイドの多いFRPとなる。
【0029】注入する熱硬化性樹脂とは、温度が0〜3
00℃で硬化する樹脂であれば、いずれでも良い。好ま
しくは、0〜80℃で硬化する樹脂であれば加熱コスト
が低くなり全体的なコストが削減できる。より好ましく
は、加熱装置の不要な0〜30℃で硬化するフェノール
樹脂が好ましい。注入する樹脂は25℃での粘度が0.
1〜20ポイズが好ましい。25℃での粘度が0.1ポ
イズより小さいと樹脂が一気に通過するパスが固定され
全体的に含浸斑となる。また20ポイズより大きいと樹
脂が繊維基材の中を通過しにくく時間がかかる他、通過
しない部分が発生して含浸斑になる。より好ましい粘度
は0.5〜10ポイズで、さらに好ましくは1〜5ポイ
ズである。
【0030】また、FRPを成形した後、発泡性プラス
チック材は接着剤で貼り付け一体化することもできる。
成形する際に注入した樹脂で同時に一体化する方が成形
時間が短く、コストが安くなりより好ましい。
【0031】また、もう一つの製造方法は、樹脂液に低
温発泡剤と下記A〜E群の中から選ばれる少なくとも1
つの添加剤を混合した樹脂液をシート状に成形し、型枠
の上に貼り付け、その上に樹脂液に高温発泡剤と下記A
〜E群の中から選ばれる少なくとも1つの添加剤を混合
した樹脂液をシート状に成形して貼り付け、少なくと
も、それぞれ1層以上からなる発泡性プラスチック材の
上に繊維基材を積層し、その上に樹脂を繊維基材全体に
拡散させる樹脂拡散媒体を積層し、全体を膜体で覆い端
部をシール材で密封した後、膜体内を真空にした後、熱
硬化性樹脂を注入して成形することを特徴とするもので
ある。 (A〜E群) A:炭化剤 B:難燃剤 C:可塑剤 D:短繊維 E:無機粒子 上記製造方法における発泡性プラスチック材は、樹脂液
中に低温または高温発泡剤と下記A〜E群の中から選ば
れる少なくとも1つの添加剤を混合した樹脂液をシート
状に成形し、低温発泡プラスチック材と高温発泡プラス
チック材を貼り合わせ、一体化して2層以上からなる発
泡性プラスチック材にすることが好ましい。低温発泡性
プラスチック材は、FRP製耐火部材の最表層部に配置
させ、耐火試験において熱源点火時の炎により急激に発
泡層を形成し、FRPを断熱保護することができる。
【0032】本発明の樹脂液に使用するための溶媒は、
有機系溶媒が好ましく、例えばメチルエチルケトン、ア
セトン、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジオキサン、
エタノール、メタノール、ブタノール、酢酸ブチル、酢
酸エチル、酢酸アミル等が挙げられ、中でも一般的によ
く使用されて安価なキシレン、トルエン、酢酸ブチル等
がより好ましい。また、樹脂液は水で分散させた系でも
適用可能である。
【0033】樹脂液中に添加剤を入れる方法は、押出成
形法に比較して多量の添加剤が添加できるため高発泡性
プラスチック材が製造可能となり好ましい。
【0034】さらに、上記製造方法において樹脂を繊維
基材全体に拡散させるため樹脂拡散媒体を用いるが、そ
の代わりに全面または片面に樹脂を拡散させるための溝
加工したコア材を繊維基材の上に積層し、コア材の上に
再度繊維基材の上に積層して成形することもできる。中
央にコア材を用いる成形方法は、成形物全体の剛性を大
きくでき、薄くて大面積の成形物が成形可能となる利点
がある。コア材としては、可燃、準不燃、不燃の何れで
もよいが、好ましくは軽量で燃えにくい準不燃のフォー
ム材または板材が良い。
【0035】さらに、もう一つの製造方法は、樹脂液に
低温発泡剤と下記A〜E群の中から選ばれる少なくとも
1つの添加剤を混合した樹脂液をシート状に成形し、型
枠の上に貼り付け、その上に樹脂液に高温発泡剤と下記
A〜E群の中から選ばれる少なくとも1つの添加剤を混
合した樹脂液をシート状に成形して貼り付け、少なくと
も、それぞれ1層以上からなる発泡性プラスチック材を
型枠の上に配置し、その上に熱硬化性樹脂を繊維基材に
含浸させたプリプレグを積層して成形することを特徴と
するものである。 (A〜E群) A:炭化剤 B:難燃剤 C:可塑剤 D:短繊維 E:無機粒子 上記製造方法において、低温発泡プラスチック材および
高温発泡プラスチック材を互いに張り合わせたシート状
物を型枠の上に配置し、その上に熱硬化性樹脂を繊維基
材に含浸させたプリプレグを積層する方法は、プリプレ
グ化するため樹脂量を希望通りに調整できることから高
Vfの成形物ができ、成形物の強度が向上し、樹脂量も
少なくて済むため低コストになる。プリプレグに使用す
る樹脂はポットライフが長く長期保管が可能な熱硬化型
樹脂が好ましく使用される。
【0036】また、プリプレグを積層した場合、オート
クレーブ成形することが好ましい。すなわち、熱硬化性
樹脂を塗布したシートの上に補強用無機繊維を積層し、
次いで同じ樹脂を塗布したシートを被せて被覆し、加熱
ローラで押さえながら樹脂を含浸させプリプレグ化す
る。このプリプレグを積層した後、あるいは、該プリプ
レグを切断し、それを積層して積層体を形成した後、型
枠の上に貼り付けた少なくとも1層以上からなる発泡性
プラスチック材の上に積層し、全体を膜体で覆い、膜体
内を真空度0.1MPa以下の真空にした後、オートク
レーブ内に入れて圧力0.3MPa、温度130℃で1
時間かけて成形するものである。
【0037】また、上記製造方法の中でオートクレーブ
成形する方法の代わりに、少なくとも、それぞれ1層以
上からなる発泡性プラスチック材を型枠の上に配置し、
その上に熱硬化性樹脂を繊維基材に含浸させたプリプレ
グを積層し、プレス成形することにより目標の成形体を
得ることができる。プレス成形は、加熱でも常温でも良
いが、成形速度を早めるため加熱プレス方式を好ましく
使用することができる。
【0038】本発明の繊維強化プラスチック製耐火部材
は、繊維強化プラスチック材の少なくとも片面に低温発
泡性プラスチック材および高温発泡性プラスチック材が
少なくとも1層以上積層されてなる部材であるが、これ
に限定するものではない。
【0039】繊維強化プラスチック材の両面に低温発泡
性プラスチック材および高温発泡性プラスチック材が少
なくとも1層以上積層されてなる部材であっても良い。
【0040】本発明のFRP製耐火建築部材およびその
製造方法について図を以て説明する。図1は、本発明の
FRP製耐火部材の構造の一例を示すものでFRP4の
上に高温発泡性プラスチック材3を樹脂で接着させ、そ
の上に低温発泡性プラスチック材2を接着させている構
造例である。図2は、FRP製耐火部材およびその製造
方法の一例を示す概略図であり、型枠1の上に低融点ま
たは低温軟化樹脂で押出成形した低温発泡性プラスチッ
ク材2を積層し、その上に高融点または高温軟化樹脂で
押出成形した高温発泡性プラスチック3を接着させて、
その上に炭素繊維織物シート4を積層し、さらに樹脂拡
散媒体5を配置し、その端部には樹脂注入口6を設置
し、反対側の型枠の上には真空吸引口7を配置し、全体
をカバーフィルム8で覆い、端部は型枠全周囲に取り付
けたシリコン系シール材9に貼り付ける。カバーフィル
ム内は、真空吸引口7から真空ポンプで真空度0.1M
Pa以下を継続維持しながら、樹脂注入口6から25℃
での粘度が0.1〜20ポイズの常温硬化型フェノール
樹脂を注入しながら、樹脂が全体に行き渡った後、常温
で樹脂を硬化させ成形するものである。
【0041】図3は、溶解または分散させた樹脂液に低
温発泡剤とその他添加剤を添加した樹脂シート2を型枠
の上に貼り付け、その上に溶解または分散させた樹脂液
に高温発泡剤とその他添加剤を添加した樹脂シート3を
成形して貼り付け、その上にプリプレグ化した炭素繊維
織物シート4を2層以上積層し、全体をカバーフィルム
8で覆い端部をシール材9で密封した後、フィルム内を
真空ポンプで真空にして、加熱しながらオートクレーブ
成形する方法である
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 融点が95℃の熱可塑性樹脂(エチレン酢ビ共重合物)
にガラス繊維を3部、発泡温度が140℃のアゾジカル
ボンアミド系発泡剤を100部、低温炭化剤としてリン
酸セルロースを50部、難燃剤として水酸化アルミニウ
ムを50部、可塑剤としてフタル酸ジオクチル、無機粒
子として酸化チタンを添加混合し、一つの押出成形機で
厚みが2mmの発泡性プラスチック材を成形しながら、
もう一つの押出成形機で融点が190℃の熱可塑性樹脂
(ポリアミド樹脂)にガラス繊維を3部、発泡温度が1
98℃のアゾジカルボンアミド系発泡剤を100部、高
温炭化剤としてセルロースを50部、難燃剤として水酸
化アルミニウムを50部、可塑剤としてフタル酸ジオク
チル、無機粒子として酸化チタンを添加混合し、厚みが
2mmの発泡性プラスチック材を押出成形しながら重ね
合わせて、2層からなる発泡性プラスチック材を成形
し、型枠の上に配置した。単繊維本数が12000本の
撚りの無い扁平状アクリル系炭素繊維を機織り機を用い
て一辺が1200mmの炭素繊維織物シートに加工し、
この炭素繊維織物シートを10枚積層し、発泡性プラス
チック材の上に積層した。炭素繊維織物シートの上に樹
脂拡散媒体を配置して、全体をポリアミド製フィルムで
覆い真空ポンプを用いてフィルム内を真空度0.1MP
a以下にした。樹脂粘度5ポイズの常温硬化型フェノー
ル樹脂を樹脂拡散媒体の上から注入し、炭素繊維織物シ
ート上に拡散、含浸後、常温で硬化させ一辺が1200
mm、厚みが12mmのFRP製耐火部材を得た。この
FRP製耐火部材は、建築基準法に従った耐火試験(J
IS A1304)条件で30分の耐火試験を実施し
た。試験炉は間口1000mmの小型試験炉を用いた。
熱源としてプロパンガスバーナを用い試験体の発泡性プ
ラスチック材側から加熱した。表層の発泡性プラスチッ
ク材は点火後1分で発泡を開始し2.0分で発泡倍率が
40倍の断熱層を形成し、FRPの裏面温度は55℃で
あった。続けて高温発泡塗料部分が発泡を開始し、30
分経過時の試験体の表面温度は840℃で、全体の発泡
倍率が80倍となりFRPの裏面温度は151℃と断熱
効果は大きく、耐火試験合格レベル(30分後の裏面温
度が260℃を越えないこと)を越える値であった。結
果を表1に示す。 実施例2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ユカシェル製:エピ
コート872、エポキシ当量650)を溶媒としてキシ
レンで溶解し濃度30%液とした。この樹脂液中にガラ
ス繊維を3部、発泡温度が140℃のアゾジカルボンア
ミド系発泡剤を150部、炭化剤としてリン酸セルロー
スを50部、難燃剤として水酸化アルミニウムを100
部、無機粒子として酸化チタンを添加した後、硬化剤を
添加混合しホッパーに投入して、扁平形状のノズルから
押出し厚みが2mmとなるように離形フィルムの上にシ
ート化した。もう一方の同様のエポキシ樹脂中にガラス
繊維を3部、発泡温度が198℃のアゾジカルボンアミ
ド系発泡剤を150部、炭化剤としてセルロースを50
部、難燃剤として水酸化アルミニウムを100部、無機
粒子として酸化チタンを添加した後、硬化剤を添加混合
しホッパーに投入して、扁平形状のノズルから押出し厚
みが2mmとなるように離形フィルムの上にシート化し
て、それぞれのシートを張り合わせてから100℃で1
0分間加熱し、2層からなる発泡性プラスチック材を成
形し、型枠の上に配置した。その上に実施例1と同様の
炭素繊維織物シート10枚を発泡性プラスチック材の上
に積層し、その上に樹脂拡散媒体を配置した。全体をポ
リアミド製フィルムで覆い真空ポンプを用いてフィルム
内を真空度0.1MPa以下にした。樹脂粘度5ポイズ
の常温硬化型フェノール樹脂を樹脂拡散媒体上の一方か
ら注入し、炭素繊維織物シートを含浸後、常温で硬化さ
せ一辺が1200mm、厚みが12mmのFRP製耐火
部材を得た。このFRP製耐火部材は実施例1と同様の
30分耐火試験を行った。点火後1分付近から発泡を開
始し発泡倍率が35倍の断熱層を形成した。その後つづ
いて高温発泡塗料層が発泡を開始し、30分経過時のF
RP試験体の表面温度は840℃で、全体の発泡倍率が
75倍となりFRPの裏面温度は162℃と断熱効果は
大きかった。結果を表1に示す。 実施例3 型枠の上に実施例2と同様の発泡性プラスチック材を配
置した。その上に炭素繊維織物シートを熱硬化型フェノ
ール樹脂が塗布されたフィルムの上に1枚乗せ、その上
に同様の樹脂が塗布されたフィルムを被せて温度130
℃の加熱ローラで押さえながら樹脂を繊維に含浸させプ
リプレグ化した。このフェノール樹脂含浸織物プリプレ
グを切断し10枚積層して、発泡性プラスチック材の上
に積層した。全体をポリアミド製フィルムで覆い、一方
から真空ポンプを用いてフィルム内の真空度を0.1M
Pa以下にした。フィルム内を真空にした状態で積層体
をオートクレーブ内に入れて、内圧を0.3MPa、温
度80℃で3時間と130℃で2時間かけて加圧成形
し、一辺が1200mm、厚みが12mmのFRP試験
体を得た。FRP試験体は実施例1と同様の耐火試験を
実施した。点火後1分から発泡性プラスチック材は大き
く発泡して発泡倍率が37倍の断熱層を形成した。30
分経過時の試験体の表面温度は840℃で、全体の発泡
倍率が85倍となりFRPの裏面温度は158℃と断熱
効果は大きかった。結果を表1に示す。 比較例1 型枠の上に離形シートを貼りその上に市販の耐火塗料
(日本ペイント製:タイカリットS−100)を厚みが
2mmになるように塗布し乾燥後、その上に実施例1と
同様の炭素繊維織物シートを10枚積層し、その上に樹
脂拡散媒体を配置して、全体をポリアミド製フィルムで
覆い真空ポンプを用いてフィルム内を真空度0.1MP
a以下にした。樹脂粘度5ポイズの常温硬化型フェノー
ル樹脂を樹脂拡散媒体の上から注入し、炭素繊維織物シ
ート上に拡散、含浸後、常温で硬化させ一辺が1200
mm、厚みが10mmのFRP試験体を得た。このFR
P試験体は、建築基準法に従った耐火試験(JIS A
1304)条件で30分の耐火試験を実施した。試験炉
は間口1000mmの小型試験炉を用いた。熱源として
プロパンガスバーナを用い試験体の耐火塗料側から加熱
した。表層の耐火塗料は点火後3分で発泡を開始し10
分で発泡倍率が40倍の断熱層を形成したが、FRPの
裏面温度は220℃となりFRPが爆裂し、層間剥離を
起こした。30分経過時の試験体の表面温度は840℃
で、FRPの裏面温度は451℃と断熱効果は小さい。
結果を表1に示す。 比較例2 実施例1と同様の炭素繊維織物シートを10枚積層して
型枠の上に配置した。その上に樹脂拡散媒体を配置し、
全体をカバーフィルムで覆い真空ポンプを用いてカバー
フィルム内を真空度0.1MPa以下にした。真空吸引
口反対側の樹脂注入口から樹脂粘度5ポイズの常温硬化
型フェノール樹脂を注入し、常温で硬化させ一辺が12
00mm、厚みが8mmのFRP試験体を得た。このF
RP試験体は実施例1と同様の条件で30分の耐火試験
を実施した。30分経過時の試験体の表面温度は840
℃で、FRPの裏面温度は671℃と高く断熱効果は小
さい。結果を表1に示す。 比較例3 型枠の上に実施例1と同様の炭素繊維織物シートを10
枚積層し、その上に厚み30mmで炭素繊維織物シート
に接する面に樹脂が流れる溝加工を行ったフェノールフ
ォームを積層し、全体をフィルムで覆った。一方から真
空ポンプを用いてフィルム内を真空度0.1MPa以下
にし、もう一方から樹脂粘度5ポイズのフェノール樹脂
をフェノールフォームの溝に注入し樹脂を含浸させた
後、常温で硬化させ一辺が1200mm、厚みが38m
mのFRP試験体を得た。FRP試験体は実施例1と同
様の条件でフェノールフォーム面から加熱し、30分の
耐火試験を実施した。30分経過時の試験体の表面温度
は840℃で、FRPの裏面温度は432℃と高く、加
熱されたフェノールフォームの表面は加熱減量しており
断熱効果は小さい。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明のFRP製耐火部材は、FRP材
の少なくとも片面に低温発泡性プラスチック材および高
温発泡性プラスチック材が少なくとも、それぞれ1層以
上積層され、全体の発泡倍率が5〜200倍の発泡性プ
ラスチック材を固着させることにより、耐火性および断
熱性が大きく向上し、従来からクリアできなかったFR
P部材の30分耐火試験を合格することができ、特に外
壁材、天井材、屋根材などの建築部材への用途が拡大す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1、2、3の構造体を示す断面図。
【図2】 実施例1、2の構造体の製造方法を示す断面
図。
【図3】 実施例3の構造体の製造方法を示す断面図。
【符号の説明】
1:型枠 2:低温発泡性プラスチック材 3:高温発泡性プラスチック材 4:炭素繊維織物シート 5:樹脂拡散媒体 6:樹脂注入口 7:真空吸引口 8:カバーフィルム 9:真空シール材

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化プラスチック材の少なくとも片
    面に、低温発泡性耐火性プラスチック材および高温発泡
    性耐火性プラスチック材が、それぞれ少なくとも1層積
    層されて構成されていることを特徴とする繊維強化プラ
    スチック製耐火部材。
  2. 【請求項2】該繊維強化プラスチック製耐火部材が、最
    外表面側に低温発泡性耐火性プラスチック材、それより
    下側に高温発泡性耐火性プラスチック材を、それぞれ配
    置、積層して構成されているものである請求項1記載の
    繊維強化プラスチック製耐火部材。
  3. 【請求項3】 該繊維強化プラスチック製耐火部材が、
    JIS A1304に規定される30分以上の耐火試験
    に合格するものであることを特徴とする請求項1または
    2記載の繊維強化プラスチック製耐火部材。
  4. 【請求項4】 該発泡性耐火性プラスチック材が、無機
    質および有機質短繊維から選ばれた少なくとも1種の補
    強材料で補強されているものである請求項1〜3のいず
    れかに記載の繊維強化プラスチック製耐火部材。
  5. 【請求項5】 該補強材料の添加量が、0.1〜50重
    量%である請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化プ
    ラスチック製耐火部材。
  6. 【請求項6】 該発泡性耐火性プラスチック材が、無機
    質および有機質から選ばれた少なくとも1種の発泡剤を
    含むものである請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強
    化プラスチック製耐火部材。
  7. 【請求項7】 該発泡性プラスチック材に添加される発
    泡剤が、無機質および有機質から選ばれた少なくとも1
    種であり、かつ、その発泡温度が90〜300℃で、添
    加量が、樹脂成分100重量部に対して20〜200重
    量部である請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化プ
    ラスチック製耐火部材。
  8. 【請求項8】 該発泡性耐火性プラスチック材のマトリ
    ックス樹脂が、90〜300℃の融点または軟化点を有
    する熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である請求項1〜
    7のいずれかに記載の繊維強化プラスチック製耐火部
    材。
  9. 【請求項9】 該発泡性耐火性プラスチック材が、低温
    発泡剤および高温発泡剤を熱可塑性樹脂にそれぞれ配合
    してなる2種のプラスチック材であって、かつ、それぞ
    れが炭化剤、難燃剤および無機粒子から選ばれた少なく
    とも1種の添加剤を含んでなるものである請求項1〜8
    のいずれかに記載の繊維強化プラスチック製耐火部材。
  10. 【請求項10】 該発泡性耐火性プラスチック材が、可
    塑剤および短繊維から選ばれた少なくとも1種を含むも
    のである請求項9記載の繊維強化プラスチック製耐火部
    材。
  11. 【請求項11】 該繊維強化プラスチック製耐火部材
    が、天井、壁、床、柱、屋根、梁、庇またはドアを構成
    する建築部材用である請求項1〜10のいずれかに記載
    の繊維強化プラスチック製耐火部材。
  12. 【請求項12】 熱可塑性樹脂に、炭化剤、難燃剤およ
    び無機粒子から選ばれる少なくとも1つの添加剤と、低
    温発泡剤とを混合した後、これを成形してなる板状また
    はシート状の発泡性耐火性プラスチック材Lと、熱可塑
    性樹脂に、炭化剤、難燃剤および無機粒子から選ばれる
    少なくとも1つの添加剤と、高温発泡剤とを混合した
    後、これを成形してなる板状またはシート状の発泡性耐
    火性プラスチック材Hとを、それぞれ少なくとも1層貼
    り合わせてなる発泡性耐火性プラスチック材料を型枠の
    上に配置し、これに繊維強化プラスチックを積層して一
    体成形することを特徴とする繊維強化プラスチック製耐
    火部材の製造方法。
  13. 【請求項13】 該繊維強化プラスチックを積層して一
    体成形する方法が、該発泡性耐火性プラスチック材Lお
    よびHからなる積層体の上に、繊維基材を積層し、さら
    にその上に繊維強化プラスチックを形成する樹脂を該繊
    維基材の全体に拡散させるための樹脂拡散媒体を積層し
    た後、全体を密封可能な膜体で覆った後、該膜体の端部
    をシール材で密封し、該膜体内を真空にしながら、熱硬
    化性樹脂を注入して、一体成形する方法である請求項1
    2記載の繊維強化プラスチック製耐火部材の製造方法。
  14. 【請求項14】 該樹脂拡散媒体が、網目構造を有する
    部材または溝が全面または片面に加工されてなるコア材
    である請求項13記載の繊維強化プラスチック製耐火部
    材の製造方法。
  15. 【請求項15】 該繊維強化プラスチックを積層して一
    体成形する方法が、該発泡性耐火性プラスチック材Lお
    よびHからなる積層体の上に、熱硬化性樹脂を繊維基材
    に含浸させたプリプレグを積層して、一体成形する方法
    である請求項12記載の繊維強化プラスチック製耐火部
    材の製造方法。
  16. 【請求項16】 該一体成形する方法が、該積層体全体
    を密封可能な膜体で覆い、該膜体内を真空にした後、オ
    ートクレーブ成形する方法である請求項15記載の繊維
    強化プラスチック製耐火部材の製造方法。
  17. 【請求項17】 該一体成形する方法が、プレス成形す
    る方法である請求項15記載の繊維強化プラスチック製
    耐火部材の製造方法。
  18. 【請求項18】 該発泡性耐火性プラスチック材Lおよ
    びHの少なくとも一方が、可塑剤および短繊維の少なく
    とも1種を含むものである請求項12〜17のいずれか
    に記載の繊維強化プラスチック製耐火部材の製造方法。
  19. 【請求項19】 該成形が、押出成形である請求項12
    〜18のいずれかに記載の繊維強化プラスチック製耐火
    部材の製造方法。
  20. 【請求項20】 該発泡性耐火性プラスチック材Lおよ
    びHが、別々の押出成形機で製造されるものである請求
    項19記載の繊維強化プラスチック製耐火部材の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 該発泡性耐火性プラスチック材Lおよ
    びHが、液状樹脂系から製造されるシート状物であり、
    かつ、これらのシート状物が型枠の上に貼り付けて積層
    されるものである請求項12〜18のいずれかに記載の
    繊維強化プラスチック製耐火部材の製造方法。
  22. 【請求項22】 該発泡性耐火性プラスチック材Lおよ
    びHからなる積層体が、該耐火部材の最外表面側に該発
    泡性耐火性プラスチック材Lを配置したものである請求
    項12〜21のいずれかに記載の繊維強化プラスチック
    製耐火部材の製造方法。
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