JPH05220879A - 耐火性材料及びその製造方法 - Google Patents

耐火性材料及びその製造方法

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JPH05220879A
JPH05220879A JP4169106A JP16910692A JPH05220879A JP H05220879 A JPH05220879 A JP H05220879A JP 4169106 A JP4169106 A JP 4169106A JP 16910692 A JP16910692 A JP 16910692A JP H05220879 A JPH05220879 A JP H05220879A
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fire
laminated
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JP4169106A
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Hikari Yoshioki
光 義沖
Nobuo Kobayashi
暢生 小林
Kenji Yoshida
賢治 吉田
Katsunobu Sagawa
勝宣 佐川
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】平面又は非平面の被積層物に、(A)りん及び
/又は硫黄を含有する化合物と合成樹脂と有機性発泡剤
と該りん及び/又は硫黄を含有する化合物以外の無機化
合物とからなる含りん・窒素発泡性耐火塗装剤と、
(B)ガラス繊維のチョップドストランドとを積層して
なる耐火性材料及びその製造方法。 【効果】火災時の持続的な高温の加熱下でも、極めて耐
火性能が高く、建材等の耐火性材料に広く適用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐火塗装剤と、無機繊
維のチョップドストランドとが、被積層物の表面に積層
されるか隙間に充填するのに適する耐火性材料に関す
る。さらには、例えば建造物の構造躯体、隔壁材、防火
戸、その他の建材、車両、船舶、建造物等に使用された
場合に、火災の燃え盛り期の持続的な1000℃前後の
高温にさらされても、従来公知の処理方法では得られな
い程度の材料への熱伝導の防止あるいは遅延効果を示す
発泡断熱性のある新規の耐火性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来木質材、合成樹脂、石こうボード板
やけい酸カルシウム板などの無機塩成形物、紙等の可燃
性の材料に対して、火災初期の比較的低温、例えば60
0℃以下での、着火に対する抵抗性を付与する処理であ
る難燃処理には、(イ)加圧・減圧法や含浸処理によ
る、防火薬剤の内部への注入法、(ロ)加熱時に発泡断
熱層を形成する塗装法、(ハ)可燃性材料に不燃性の無
機層を積層や被覆する方法等が知られている。
【0003】しかし、上記(イ)の方法によると、木質
建材の加熱時可燃性材料からの可燃性ガスの発生を防止
したり、あるいは選択的に脱水・炭化を促進するが、こ
の反面、重量と容量の著しい減少を伴う。例えば100
0℃程度で持続的に加熱すると、むしろ条件によっては
燃え抜けが促進されることがある。
【0004】また(ロ)の方法の場合は、発泡断熱性能
を効果的に発揮させるためには、防火塗装膜が、加熱時
に厚みが通常100倍以上に膨脹することが求められる
結果、種々処方を工夫しても、発泡層の耐酸化性や耐熱
気流性が不十分であるため、比較的低温度の初期火災の
段階では優れた難燃性能を発揮できても、1000℃前
後の持続的加熱の場合には、発泡層の全面的、あるいは
部分的な剥離に対しては、十分に抵抗し得なかった。
【0005】さらに(ハ)の方法の場合も、比較的低温
度の初期火災の段階では極めて有効な難燃性の付与方法
であるが、1000℃前後の持続的加熱の場合には、加
熱無機層表面の熱膨脹率の差や、結晶水の脱水収縮によ
る不燃層の亀裂発生や爆裂が避けられないので、必要な
無機不燃層の厚みと重量を著しく増し、かつ多層の積層
を行わねば、満足する燃え抜け時間の延長が達成できな
かった。
【0006】従って、木質材料の有する、保温性、軽量
性、高い比強度、美観、吸・吐湿性、加工性等を維持し
ながら、例えば、15mm厚の合板のような薄い材料に
対し、火災の燃え盛り期の温度を想定した試験方法(J
IS A−1304、ASTME−119、DIN−4
102等)の加熱試験で30分以上の燃え抜け時間が得
られる処理方法や、例えば比重が0.5以下で30〜4
0mm厚程度の木質材料に対し1時間以上の燃え抜け時
間や加熱による変形防止性が得られる処理方法または材
料構成は、今まで国際的にも未確立であった。
【0007】また石こう板、けい酸カルシウム板、コン
クリ−ト等のような材料は、それ自体が不燃性であるた
め、上記のような初期火災の段階では完全な不燃性を示
すが、1000℃前後での持続的加熱に対しては、本質
的に結晶水の脱水による蒸気圧の増大により爆裂や亀裂
が発生するので、材料を厚くしたり、多層に積層して要
求される耐火性能を付与する方法が一般的であった。
【0008】また更に、高層建造物の構造躯体に使用さ
れる鉄骨材料は、本質的に不燃性であり、融点はどの種
類でも1000℃を越えるが、自重や荷重が加わった状
態で約660℃以上の温度で持続的に加熱すると強度が
急激に低下して変形や挫屈するので、耐火処理は、作業
現場で、まず無機繊維を補強金網を巻き付け、更に不燃
繊維を混入したモルタルをスプレイで厚く被覆する一連
の手作業が一般的であった。更にアルミニウムは、融点
が660℃であるため建造物としての用途には制約があ
った。
【0009】したがって、耐火塗装のみで消防の放水に
耐える程の剥離強度のある、発泡性耐火塗装の方法は知
られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、1000℃
前後の持続的加熱に対しても、燃え抜け、強度低下、変
形、収縮、崩壊、溶融、亀裂、火煙の裏面への漏洩、欠
落や低密度部分の耐火性不足等の欠点を著しく改善し、
更に特筆すべきことは火災、プラズマを不完全燃焼させ
炭素分を選択的に吸着させることにより受熱量を下げか
つ火災系の発煙量も下げることができるような耐火材料
を提供することを目的とするものである。
【0011】即ち、イ)3mm〜100mm、好ましく
は50±10mmの長さのチョップドストランド、さら
に好ましくは、材質が無アルカリガラスのマット状のも
のと、材料の表面で、選ばれた耐火塗装剤とが積層され
た場合、前者が高温度での持続的加熱時に示す耐熱溶融
性、驚くべき倍率の三次元的膨脹、発泡層と一体となっ
た、低比重で、強固で複雑な交差状の補強構造層の形成
により、従来公知の方法では得られないような重力や、
加熱下の熱気流や、消防の放水に等による脱落に対する
優れた抵抗性の付与、 ロ) 形成塗膜を加熱する時に形成する発泡層内の大き
い空洞の形成防止、すなわち発泡層の均一、緻密化、 ハ) 耐火塗装膜の加熱時に形成する発泡層が、全体、
または部分的に必要以上に膨れ上がること、すなわち低
密度化のため熱風による発泡層の被塗装物からの剥離・
脱落、被塗装物の亀裂・変形等の防止と、発泡不足部分
の早期燃え抜けの防止、即ち発泡層の厚さの均一化、 ニ) 耐火塗装膜を連続的に加熱する時に形成する発泡
層の酸化による減量速度の大幅な遅延、 ホ) 本発明の材料の形態が板状で、表面に化粧合板、
突板、壁紙等の化粧層を貼り合わせたものが加熱される
場合、これら化粧層や接着剤の炭化物や、燃焼残滓が発
泡層を圧迫して、その形成が不良となるための耐火性能
の低下防止、 ヘ) 木質材料の表面に、耐火塗装剤と,無機繊維織物
とが1層以上積層されている場合の改善された発泡層の
補強効果も、無機織物の熱収縮と部分的切断の発生によ
りなお不完全であるため、材料の末端部での発泡層の部
分的な脱落が発生するが、このような欠陥が起こらない
補強層の形成、 ト) 従来の耐火性材料で必要な厚みと重量の低減によ
る建造物の軽量化と空間利用率の向上、 チ) 鉄骨への無機繊維を被覆する手仕事の工場塗装化
による生産性の向上、 リ) 耐火材料が部分的に有する間隙、溝、穴等への、
耐火塗装剤の充填による耐火性能の強化等、従来は現場
施工を行う必要があった工程を相当程度まで工場生産で
もできるようにすることによる性能の信頼性と生産性の
向上等、従来の方法では得られない、火災の場合煙から
炭素分を吸収するような性能や利点を具備した新規の耐
火性材料を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために、耐火塗装剤、発泡層補強繊維材料、
接着剤、化粧性を与えるための化粧層等を、可燃性、及
び不燃性の基材となる材料に種々の方法で積層する試験
を行った結果、本発明に到ったものである。
【0013】本発明は、発泡型の耐火塗装剤を単に上記
材料の表面に塗装する場合には、従来いかに処方が適切
であっても、通常の方法では解決できなかった多くの欠
点を解決したものであり、耐火塗装剤とチョップドスト
ランドとを積層した耐火性材料であることに特徴を有す
る。
【0014】即ち本発明は、平面又は非平面の被積層物
の表面に、(A)窒素およびりんを含有する発泡性耐火
塗装剤(以下耐火塗装剤という。)と、(B)チョップ
ドストランドとを積層してなる耐火性材料およびこの製
造方法である。
【0015】本発明で使用される耐火塗装剤は、加熱時
にルイス酸を形成するりん及び/又は硫黄を含有する化
合物と合成樹脂と有機性発泡剤とからなるものである。
これらに特定の無機化合物を添加すると耐火性能が著し
く向上するのである。
【0016】本発明で用いられる耐火塗装剤は、対象と
する被積層物の種類によって、最適の処方範囲が異なる
が、共通した特性は、(イ)常温あるいは加熱により、
水難溶性あるいは水不溶性の皮膜を形成すること、
(ロ)形成した皮膜は加熱により急激に発泡すること、
(ハ)常温では化学反応性はないが、600℃前後の高
温下で明らかに耐火塗装剤とある種の化学反応を起こす
ことが認められる特定の無機化合物微粉末を、発泡層の
補強剤として添加することによって、これらとチョップ
ドストランドとの積層物の持続的高温加熱時の質量減少
をより防止し、発泡性自体を向上すること、(ニ)加熱
時の発生気体に有毒なハロゲンを含まず、可燃性の気体
発生量も少ないこと、(ホ)形成する発泡層の圧縮強度
や剥離強度が非常に強いこと、(ヘ)形成皮膜の接着性
がよく、それ自体が接着剤として使用できる場合もある
こと等である。
【0017】本発明で使用できるりん及び/又は硫黄を
含有する化合物としては、空気中で800℃以下、通常
550℃以下で加熱されると分解して、ルイス酸として
機能するりんや硫黄の酸化物が形成される化合物であれ
ばどんな化合物でもよい。しかし、りんや硫黄を含む酸
類のアルカリ金属塩やその他の金属塩などはこのような
性質がないので含まれない。
【0018】本発明で使用できるりん及び/又は硫黄を
含有する化合物の例としては、例えば縮合系樹脂の硬化
触媒として必要な、りん酸やポリりん酸、硫酸、スルフ
ァミン酸、p−トルエンスルホン酸、これ等のアンモニ
ウム塩、アミン塩やアルカノールアミン塩等が挙げられ
る。この中で、合成樹脂を外壁としてマイクロカプセル
化されたポリりん酸アンモニウムやりん酸メラミンが、
耐水性の点で特に好ましい。前者の例としては、水性の
合成樹脂ベヒクルと混合した場合に、水抽出に対し抵抗
性の高いメラミン樹脂でマイクロカプセル化した高分子
量(重量平均分子量で数万)のポリりん酸アンモニウム
が挙げられ、この市販品としては、EXOLIT 46
2(ヘキストジャパン株式会社)が非常にこの目的に適
している。
【0019】また水溶性やアルコ−ル可溶性のメラミン
や尿素の縮合物に添加して、木質材の耐火塗装剤とする
ような場合には、りんを含有する酸アミド化合物および
これらの縮合物や誘導体が適している。特に100℃以
下で効率的に常温硬化させるような場合には、pH3以
下で非常にメチレン縮合しやすい3−(ジアルキルホス
ホノ)プロピオンアミド(アルキル基の炭素数は3以
下、特にメチル基の化合物)の使用が最も適している。
最高の耐水性を与える処方は、米国特許第4,839,
099明細書に詳細が示されている。この市販品として
は70%水溶液のル−フ−プル−フ P(ROOF−P
ROOF P)40%、メタノ−ル溶液のフレ−ムガ−
ド 5527(いずれも大日本インキ化学工業株式会社
製品)が挙げられる。
【0020】さらにフェノ−ル系樹脂に添加して高度の
耐熱性を与える化合物は特公平3ー1342号公報で示
されている3−(ジメチルホスホノ)ジメチルサクシネ
−トや上記のルーフープルーフ Pやフレームガード
5527である。
【0021】この他に、高温加熱下で分解してルイス酸
を形成する種々の無機・有機りん系の化合物および硫黄
化合物としては、りん酸、りん酸塩類、硫酸塩類、りん
酸エステル類、りん酸メラミン、ホスファゼン化合物類
等や、合成樹脂を外壁としてマイクロカプセル化された
上記のEXOLIT462や赤りん、上記3ー(ジアル
キルホスホノ)プロピオンアミドのN−メチロ−ル化物
またはメトキシメチル化物等が挙げられる。
【0022】本発明で使用できる合成樹脂の種類には特
に制約はないが、窒素原子を含有しているものが特に望
ましい。即ち縮合系樹脂、重付加型樹脂、重合系樹脂等
が使用できる。
【0023】縮合系樹脂の例としてはメラミン樹脂類、
フェノ−ル樹脂類、尿素樹脂類等が挙げられるが、これ
らを単独または混合して使用することができる。またこ
れらの共縮合物を使用することもできる。さらに不飽和
ポリエステル樹脂も使用することができる。これらの
中、メラミン樹脂類は、そのメチロ−ル化物や、炭素数
3以下のアルコ−ルによるアルコキシメチル化物が挙げ
られ、これらは水溶性か水分散性、あるいはアルコ−ル
可溶性の化合物の単独使用か、混合使用が目的に適して
いる。
【0024】重付加型樹脂としては、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン、ポリウレイド等があげられる。重合系樹脂
としては、酢酸ビニ−ル、アクリル酸、アクリル酸エス
テル類等の重合物や共重合物等が挙げられる。
【0025】以下本発明に使用できる縮合系樹脂の具体
例を掲げる。 (1)ルイス酸形成物質の共存時に加熱して、優れた発
泡性を示す水溶性か水分散性のメラミン樹脂、あるいは
これ等と混合できるメラミン樹脂の市販品としては、ル
−フ−プル−フ FIX、ウオ−タ−ゾ−ル S−69
5、ウオ−タ−ゾ−ルS−683−IM、ベッカミン
J−101(大日本インキ化学工業株式会社製品)、サ
イメル 300、サイメル 738、サイメル 37
0、サイメル235、238(三井サイアナミド化学工
業株式会社製品)、ニカレシンS−260(日本カーバ
イド工業株式会社製品)等が挙げられる。これ等を混合
使用することにより、皮膜の可塑化や亀裂防止等の目的
が達せられる。 (2)ルイス酸形成物質の共存時に、優れた発泡性を示
す水分散型の尿素樹脂の市販品としては、プライセット
P−364BL(大日本インキ化学工業株式会社製
品)が挙げられる。この樹脂の欠点である経時的な加水
分解性や亀裂性をメラミン樹脂との併用により防止でき
る。 (3)ルイス酸形成物質の共存下に、特に優れた耐火性
を示し、被塗装物の熱による劣化を防止でき、常温で単
独あるいは上記(1)に挙げたメラミン樹脂類との併用
が可能なアルコ−ル可溶性のフェノ−ル樹脂の市販品と
して、フェノライト TD−2443LV、フェノライ
ト TD−5010(大日本インキ化学工業株式会社製
品)等が挙げられる。
【0026】また本発明の有用な合成樹脂成分として、
乾燥により皮膜を形成する酢酸ビニ−ル、アクリル酸、
アクリル酸エステル類等の共重合物の溶液や乳化重合物
を重合系の合成樹脂として使用することができる。
【0027】例えば、下記の重合系樹脂が挙げられる。 (1)アクリル酸エステル系樹脂乳化重合物型の市販品
として、ボンコ−ト 4001、ボンコ−ト SFC−
55(大日本インキ化学工業株式会社製品)が挙げられ
る。非イオン型、及び/またはカチオン型の乳化剤を使
用し、かつ最低皮膜形成温度が10℃以下の製品が目的
に特に適している。 (2)酢酸ビニ−ルと内部可塑化成分の高級脂肪酸ビニ
−ルエステルやアクリル酸エステル系の乳化共重合物の
市販品として、ボンコ−ト 6290やボンコ−ト 6
620(大日本インキ化学工業株式会社製品)が挙げら
れる。 (3)耐光性を余り重要視しない場合には、アクリル酸
やメタアクリル酸を共重合成分として含み、あるいは含
まない、ブタジエンとスチレンの乳化共重合物及び/あ
るいはブタジエンとアクリルニトリルの乳化共重合物も
使用することができる。これらの市販品としては、例え
ばラックスタ− DS−613(ブタジエン−スチレン
系)、ラックスタ− DS−704(ブタジエン−アク
リルニトリル系)(大日本インキ化学工業株式会社製
品)等が挙げられる。
【0028】これ等の重合系合成樹脂の耐水性を向上す
るために、メラミン樹脂やエポキシ樹脂等の架橋剤を併
用することは有用な方法である。乾燥により皮膜を形成
したり、混合して架橋硬化するその他の重付加型合成樹
脂の例として種々の方法で変成されたポリウレタン樹脂
やポリウレイド樹脂(以下単にポリウレタン樹脂と記
す。)のエラストマ−や2液型の有機溶剤溶液の使用も
有用である。市販品として、例えば下記の化合物が挙げ
られる。
【0029】即ち、二液型ポリウレタン樹脂の飽和ポリ
エステル成分として、バ−ノックD−220、バ−ノッ
ク D−161(大日本インキ化学工業株式会社製
品)、二液型ポリウレタン樹脂のポリオール成分の変形
形態の一種のアルキッド樹脂成分として、バ−ノック
DE−140−70(大日本インキ化学工業株式会社製
品)、、またポリオール成分の別の変形形態である二液
型ポリウレタン樹脂のトリアジン樹脂を含む成分とし
て、バ−ノック D0−1140−70(大日本インキ
化学工業株式会社製品)、次に二液型ポリウレタン樹脂
のポリイソシアネ−ト成分で、上記の各ポリオール成分
やウレタン系重合物と併用し架橋硬化させる成分で耐変
色性の優れている製品として、バ−ノックDN−95
0、バ−ノックDN−990、バ−ノック DN−99
2(大日本インキ化学工業株式会社製品)等が挙げられ
る。また一液型で、空気中の水分の作用で硬化するポリ
ウレタン樹脂も使用可能であり、バ−ノック DM−6
52、バ−ノック DM−678(大日本インキ化学工
業株式会社製品)等が挙げられる。
【0030】同様に一液型の有機溶剤溶液で、単に乾燥
により皮膜を形成し、伸縮性に富み金属や、木材との接
着性に優れたポリウレタンエラストマ−も本発明の目的
に適している。例えば、クリスボン 7367EL、ク
リスボン NB−130、タイホ−スAD−865、タ
イホ−ス AG−946(大日本インキ化学工業株式会
社製品)等が挙げられる。
【0031】金属の表面に焼き付ける耐火塗装剤のベヒ
クル成分として、種々の方法で変成されたエポキシ系処
方も本発明の耐火性能を効果的に発揮させる。特に優れ
た発泡層の耐熱風脱落性を与えるエポキシ樹脂とその硬
化剤との例は次の通りである。ビスフェノ−ルAを原料
としているエピクロン 850、エピクロン 105
0、エピクロン 900−IM、エピクロン 1600
−75X(大日本インキ化学工業株式会社製品)等が挙
げられる。またエポキシ樹脂の硬化剤として、ポリアミ
ド樹脂型硬化剤、ラッカマイド TD−982、ラッカ
マイド TD−984(大日本インキ化学工業株式会社
製品)、フェノ−ル樹脂型の焼き付けによる硬化剤の例
として、フェノライト TD−2131、フェノライト
TD−2090(大日本インキ化学工業株式会社製
品)、エポキシ樹脂を付加させたアミン化合物型硬化剤
の例として、エピクロン B−3150、エピクロン
B065(大日本インキ化学工業株式会社製品)等が挙
げられる。
【0032】この他、塩化パラフィン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリオレフィン、塩化ゴム、ゴム、ポリウレタンエ
ラストマーなどの固形重合体やプラスチゾルを加熱カレ
ンダーで本発明の他の必須成分と混練し、シート状に
し、あるいはせずして使用することもできる。
【0033】本発明に使用することができる有機性発泡
剤としては、(1)尿素樹脂、ジシアンジアミド、ジシ
アンジアミド縮合物、メラミン、メラミン樹脂、イソシ
アヌ−ル酸とそのメチロール化物、(2)アゾ系発泡
剤、スルホニルヒドラジッド系発泡剤、ニトロソ系発泡
剤あるいはこれ等の混合物が挙げられるが、(1)の発
泡剤と(2)の発泡剤を併用することが好ましい。この
場合、(2)の発泡剤は10重量%以下、特に1〜5重
量%の範囲で上記の加熱カレンダーによる混練時に使用
することが好ましい。
【0034】本発明者等は、もし発泡性耐火塗装剤が、
ジシアンジアミド縮合物のように耐火塗装の耐水性を著
しく低下しないが、これ等よりも低温の200℃前後で
の発泡性能が劣る化合物のメラミン粉末、メラミン樹脂
やイソシアヌ−ル酸等のみのような320〜350℃の
ように狭い範囲で、かつ比較的高い分解開始温度の発泡
剤のみが処方されている場合には、火災時や耐火試験時
のように急激に加熱されると、分解ガスの発生が急激で
あり過ぎ、かつこのような高温度に達するまでに耐火塗
装剤の固着剤成分が相当程度熱分解されてしまい、発泡
層形成に必要な炭素分や窒素分が無駄に消費されるた
め、過剰な塗装量を必要とし、しかも形成する発泡層の
内部に巨大な空洞を生じるため、発泡層の熱気流による
脱落を助長したり、空洞の生成で部分的に低密度となっ
た部分から被塗装物に熱が伝導したり、その部分から着
火や燃え抜けが発生することを観察した。そこでこの防
止手段として、熱分解温度が100℃〜300℃、好ま
しくは、100℃〜220℃であるアゾ系発泡剤、スル
ホニルヒドラジッド系発泡剤、ニトロソ系発泡剤あるい
はこれ等の混合物で、好ましくは、水溶性あるいは難溶
性の化合物を、上記のような高分解温度の発泡剤と共に
一種類以上加えて調製した耐火塗装剤を塗装した材料に
対し耐火試験を行ったところ、発泡層の形成が二段階以
上で行われるため、内部の巨大な空洞の発生を効率的に
防止することに成功した。
【0035】次に、微粉末状で、水難溶性で優れた効果
を示した製品の例を挙げるが、これらのみに限定される
ものではない。 発泡剤番号 化合物名 外 観 熱分解温度(℃) 発泡剤例1 アゾジカルボンアミド 淡黄色 200〜210 発泡剤例2 アゾイソブチロニトリル 白 色 100〜102 発泡剤例3 N,N´−ジニトロソペンタメチレン 淡黄色 200〜205 テトラミン 発泡剤例4 4,4´オキシビスベンゼンスルホニ 淡黄色 150〜159 ルヒドラジッド 発泡剤例5 p−トルエンスルホニルヒドラジッド 白 色 103〜111 発泡剤例6 p,p´オキシビス(ベンゼンスルホ 白 色 155〜160 ニルヒドラジッド) 発泡剤例7 ヒドラゾカルボンアミド 白 色 215〜220 以上の100℃〜220℃の低分解温度の発泡剤に更に
上記した、分解温度が高い、次のような発泡剤を併用す
ることにより、加熱温度上昇に応じ、二段階、あるいは
三段階以上の発泡が進行し、火災の各段階で対応できる
ような望ましい発泡性耐火性能が得られる。
【0036】発泡剤例8として、粉末メラミンが挙げら
れる。この化合物は、水難溶性の白色粉末で、窒素含有
率が66.7%であるため、熱分解開始温度の354℃
以上で加熱すると大量の窒素ガスを急激に発生するため
極めて有用である。単独で加熱した場合約450℃で分
解が完結する。
【0037】発泡剤例9として尿素樹脂、メラミン樹脂
および尿素・メラミン共縮合樹脂が挙げられる。これら
の樹脂は増膜性と発泡性を兼ね備えている。発泡剤例1
0として、イソシアヌール酸が挙げられる。この化合物
は、水難溶性の白色粉末で、熱分解開始温度は約330
℃である。
【0038】発泡性含りん有機耐火塗装剤の固着剤とし
ての合成樹脂の種類によっては、酸触媒の使用により効
果速度を促進し、耐火性能を向上することができる。合
成樹脂が、上記の尿素樹脂やメラミン樹脂の場合は、酸
触媒として、りん酸、硫酸、これらのアンモニア塩等の
使用が適している。塩化アンモニウムは、常温乃至は8
0℃以下での低温硬化性が優れている。その他の強酸の
弱塩基塩もこの目的に使用できるが、加熱時に有毒ガス
の発生や、環境面で有害とされる物質の生成を防止する
ため、塩酸や塩酸塩の使用は好ましくない。
【0039】合成樹脂が、上記のフェノ−ル樹脂の場合
は、酸触媒として、p−トルエンスルホン酸のメタノ−
ル溶液の使用が適している。本発明で使用することがで
きる発泡性耐火塗装剤は加熱時ルイス酸を生成するりん
及び/又は硫黄を含有する化合物と合成樹脂と有機性発
泡剤とからなるものであるが、これらにりん及び/又は
硫黄を含有する化合物以外の無機化合物を併用すること
が好ましい。これら無機化合物は、単独や2種類以上を
混合して使用することができる。具体的には炭化けい
素、炭化ほう素、炭化チタン、炭化タングステン、窒化
けい素、窒化ほう素等が挙げられる。これらの無機化合
物は、粒子径の低下と共に反応点が10の5乗的に増大
するため、微粉末状で使用することが好ましい。即ち粒
子径は50μm以下、特に5μm以下の微粉末のものが
好ましい。
【0040】これらの無機化合物微粉末は本発明では必
ずしも使用しなくてもよいが、単独又は2種類以上混合
して使用する場合、著しい耐火性能の向上が確認され
た。また比較のためこれらの化合物の代わりにグラファ
イト粉末や、コロイダルシリカ等を加えた場合には何等
このような特性は観察されなかった。このような発見は
本発明を最も効果的に実施する場合の、重要な要件であ
る。
【0041】本発明で使用することができる無機化合物
微粉末の具体例を以下に掲げる。これら化合物は下記の
ごとく極めて融点が高く、かつ化学的に安定と考えられ
ていたので、従来から発泡性耐火塗装剤の主原料として
は検討されなかったものと考えられる。 化合物名 化学式 分子量 融点・分解温度(℃・空気中) 炭化けい素 SiC 40.07 1,750 炭化ほう素 B4C 55.24 2,450 炭化タングステン WC 195.90 2,860 炭化チタン TiC 59.91 3,200 炭化モリブデン Mo2C 203.81 2,522 炭化ジルコニウム ZrC 103.23 3,580 炭化バナジウム VC 62.95 2,648 炭化ニオブ NbC 92.92 3,613 炭化タンタル TaC 192.96 3,985 ほう化チタン TiB2 69.52 2,790 ほう化ジルコニウム ZrB2 112.84 3,200 ほう化タンタル TaB2 202.62 3,037 ほう化クロム CrB 62.81 2,100 ほう化モリブデン MoB 106.75 2,550 ほう化タングステン WB 194.66 2,800 けい化ジルコニウム ZrSi2 148.11 1,520 けい化ニオブ NbSi2 149.08 1,930 けい化タンタル TaSi2 237.12 2,200 けい化クロム CrSi2 108.17 1,475 けい化モリブデン MoSi2 152.11 2,020 けい化タングステン WSi2 240.02 2,160 窒化けい素 Si23 140.30 1,900 窒化ほう素 BN 24.83 1,000 窒化チタン TiN 61.9 2,950 窒化ジルコニウム ZrN 105.22 2,980 窒化バナジウム VN 64.94 2,050 窒化ニオブ NbN 106.91 2,300 窒化タンタル TaN 194.95 3,087 炭化タングス WC/TiC 127.91 3,000 テン・チタン (50/50) 炭化タングス WC/TiC 154.51 3,000 テン・チタン・ /Ta タンタル (50/30/20) これらを有機性耐火塗装剤に配合しても、木材の着火温
度が約260℃で、アルミニウムの融点が660℃、ま
た建造物の鉄骨構造躯体も融点は1000℃を越える
が、660℃前後で強度が急激に低下し挫屈するとされ
ており、これら無機化合物を耐火塗装剤の配合成分とし
て加えても、単に骨材としての機能しか期待できないと
一般的に判断されよう。
【0042】しかし後で示すように、これ等をりん分や
窒素分を含む耐火処方に添加して得た塗装膜は、熱天秤
・示差熱分析法で1,000℃程度まで持続的に加熱し
ても共通して、質量減少率が低く、条件によっては、驚
くべきことに750℃前後で加熱温度の上昇と共に質量
が逆に増加する場合すらある事実が確認され、これら無
機化合物が、りん化合物が加熱により形成するルイス酸
成分、炭素、窒素、空気中の酸素等との強固な化学結合
により極めて緻密で耐熱気流性の耐火発泡層を形成した
ものと推定される。
【0043】無機化合物微粉末の具体的な製品例を挙げ
る。炭化けい素は純度に応じ無色、青色乃至は青黒色の
三角柱の結晶で平均粒子径が、50μm、好ましくは1
0μm以下のものが目的に適している。(昭和電工株式
会社、三井東圧化学工業株式会社、日本カ−ボン株式会
社、セントラル硝子株式会社、信越化学工業株式会社等
から販売されている。)炭化ほう素は黒色の結晶性菱面
体の粉体で、平均粒子径が1μm前後の製品が目的に適
している(電気化学株式会社、イビデン株式会社、三菱
金属鉱業株式会社等から販売されている。)その他本発
明に使用される上記した各無機物もこれらの製造会社よ
り市販されている。炭化タングステンは、六方晶形の黒
色の粉末で、平均粒子径が上記炭化ほう素と同様の製品
が目的に適している。(東京タングステン株式会社、日
本新金属株式会社等から販売されている。)炭化チタン
は、青銅色等軸晶系の粉末であり、平均粒子径が上記炭
化ほう素と同様の製品が目的に適している。(共立窯業
原料株式会社、電気化学工業株式会社、日本新金属株式
会社、三菱金属鉱業株式会社等から販売されている。)
窒化けい素としては、三窒化二けい素(Si23)、一
窒化一けい素(SiN)及び四窒化けい素(Si34
のいずれか、あるいはこれらの混合物が使用できる。こ
れらはいずれも灰色の粉末で、上記炭化ほう素と同様の
平均粒子径の製品が目的に適している。(電気化学工業
株式会社、日本電工株式会社、京セラ株式会社、旭硝子
株式会社、宇部興産株式会社、東ソ−株式会社、信越化
学工業株式会社、昭和電工株式会社等から販売されてい
る。)窒化ほう素は、白色の粉末であり、外装用の耐火
塗装剤としての用途においても、使用範囲は広い利点が
ある。(電気化学工業株式会社、昭和電工株式会社、共
立窯業原料株式会社、信越化学工業株式会社、宇部化学
株式会社、三井東圧化学工業株式会社販売されてい
る。)その他本発明に使用される上記した各無機物もこ
れらの製造会社より市販されている。
【0044】次に、本発明に使用することができる無機
繊維、好ましくはガラス繊維のチョップドストランドと
しては、下記のものが好ましい。切断長は3〜100m
mの範囲であればよいが、金属や木質材の表面に接着剤
で貼合せ接着する場合には特に40〜60mmのものが
好ましい。
【0045】本発明に適するチョップドストランドの具
体例としては、例えば切断長約50mm、単繊維のフィ
ラメント径が9〜10μm、収束単繊維数が約400
本、シリコン系薬液により表面加工され、収束剤にポリ
エステルを使用した、材質が無アルカリガラス(E型)
で、重量が230g/m2のもの(セントラル硝子株式
会社製品のチョップドストランドマットECM230−
501)、あるいは材料はほぼ同一であるが、重量が約
300g/m2のもの(日東紡績株式会社製品のMC3
00)等が挙げられる(例1)。
【0046】また耐火塗装剤に直接混入して使用する場
合には、切断長が3〜12mmであるものを使用するこ
とができる。これに適するチョップドストランドの具体
例としては、上記チョップドストランドの例と同様の収
束や、処理及び材料よりなるもの(日東紡績株式会社製
品のCS、3E、227や、セントラル硝子株式会社製
品のECS03−350)等が挙げられる(例2)。
【0047】代表的なガラス製品の成分は、[強化プラ
スチックハンドブック」72頁、日刊工業新聞社(19
75年刊)によると下記の通りである。これ等の中で、
最も量産化され、本発明のチョップドストランドとして
好ましい結果を与えた種類はE型(耐アルカリガラス)
である。 ガラスの種類 E型 C型 A型 S型 YM−31−A型 (成分%) Si02 54.0 65.0 72.0 64.3 53.7 Al23 15.0 4.0 0.6 24.8 − Fe23 − − − 0.2 0.5 Ca0 17.0 14.0 10.0 微量 12.9 Mg0 5.0 3.0 2.5 10.3 9.0 B23 8.0 5.0 − 微量 − Na20 0.6 8.0 14.7 0.3 − K23 − 1.0 − − − Li20 − − − − 3.0 Be0 − − − − 8.0 Ti02 − − − − 8.0 Zr02 − − − − 2.0 Ce02 − − − − 3.0 次に本発明で使用する耐火塗装剤の調製方法について説
明する。
【0048】耐火塗装剤は有機性発泡剤、合成樹脂、り
ん又は硫黄を含有する化合物、これに必要によりりん又
は硫黄を含有する化合物以外の無機化合物微粉末の組み
合わせからなるが、優れた耐火性能を与える処方の配合
は、例えば固型分換算で次のような範囲の比率で混合す
ると好適である。即ち有機発泡剤1〜40%、合成樹脂
20〜40%、りん又は硫黄を含有する化合物を15〜
40%、無機化合物微粉末5〜20%に配合すると好適
である。
【0049】ただし、発泡剤例1〜7のような低温度で
分解する発泡剤の配合率は、合計で10%以内、好まし
くは、1〜5%の範囲で使用すれば、十分その目的を達
することができる。
【0050】ここで、固着剤としての合成樹脂と発泡層
の炭素供給源や窒素ガスを発生するため発泡剤となる高
分子化合物以外の主要配合成分は、いずれも粉末状であ
り(場合によってはペ−スト状であってもよい)、本発
明では場合により全体の80%以上が粉末原料の場合も
あるが、これ等を耐火塗装剤の固着剤となる、溶液状、
エマルジョン状や分散液状の高分子化合物に均一に分散
させることが必要である。そして使用方法に応じて、適
当な粘度や、低い非ニュ−トン粘性や、ダイラタンシ−
の少ない状態を長時間保ち、更にできるだけ高濃度に調
製すること等が、耐火性能、塗装適性、美観、塗装液の
可使時間、作業能率等の点で好結果を得るため重要であ
る。
【0051】このためには、非水系の高分子化合物の溶
液を耐火塗装剤の固着剤に使用する場合は、粘度を適当
な高さに保ち得るように製品の分子量や濃度を決定する
か、増粘剤を添加して、ミキサ−やロ−ルで十分混練し
調製すればよく、更に粉末原料の粒度を小さくすれば、
長期間分離しない処方を決定することができる。
【0052】また水溶性や水分散性の高分子化合物や、
初期縮合物を固着剤に使用する場合は、高分子化合物の
溶液を使用する場合と同様の処理の他に、全粉末原料の
重量に対して2%程度かそれ以下の高分子分散剤、例え
ばポリアクリル酸ナトリウムのオリゴマ−や界面活性剤
型分散剤、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、あるいはその他公知の分散剤の一種類以上を塗装剤
調製に際して予め添加すれば、固型分の沈降性防止性や
流動性を著しく改善することができる。
【0053】またこの目的の分散剤として、表面にシリ
コーン処理したコロイダルシリカや、水中で陽電荷を帯
びアタパルジャイトの微粉末を全固形分の5%程度加え
て混練すると優れた分散性が得られる。
【0054】次に、チョップドストランドの積層方法に
ついて説明する。まず第一の方法として、本発明の耐火
塗装剤にチョップドストランドを混入し、そのまま被塗
装物に直接塗装する方法がある。この方法は、イ)防錆
塗装を施した鉄骨構造材への耐火塗装、ロ)木質防火戸
の框材の外面周囲に幅15〜25mm、深さ3〜10m
m程度の溝をつくり、ここへ固型分が80%以上のこの
混合物を流し込み、硬化させてから塗装面を平滑にし、
更にその上に薄い化粧層を貼り合わせるような方法で仕
上げ、火災時に防火戸と取り付け枠の間隙が発泡層形成
で塞ぎ、煙や火炎を遮断する、ハ)耐火が必要な建造物
の隔壁、床、たたみ、天井等の面と、配管や配線等との
間隙に積層や充填とによる耐火処理や、パイプ表面への
積層、ニ)家屋の屋根裏板(野地板)等、直接目に触れ
ぬ部分への防・耐火塗装、あるいはその乾燥皮膜の上
に、更に化粧層を積層したり、多種の耐火・耐水性塗装
剤を塗り重ねる等の実施形態が挙げられる。
【0055】第二の方法として、被積層物の表面、好ま
しくは離型性のある平面状の表面の上に、チョップドス
トランドを散布し、その上に、接着剤、好ましくは、耐
火性のある接着剤を噴霧し乾燥してから、フロ−コ−タ
−、ハンドレイアップ、スプレイ、カ−テンコ−タ−等
により、発泡性含りん有機性耐火塗装剤を塗装し、その
まま乾燥するか、更にその上にガラス織物等を積層して
から乾燥し、一体のシ−ト状にした後で、これらのいず
れかを耐火材料の基体に耐火性、あるいは非耐火性接着
剤を用いて積層するか、これらのいずれかに化粧層を更
に積層したり、他種の耐火塗料を塗装仕上げする等の実
施形態が挙げられる。
【0056】第三の方法としては、既製のチョップドス
トランドマットに耐火塗装剤を含浸しマングルロールで
絞るかフローコーターなどで塗装し乾燥する形態も挙げ
られる。
【0057】第四の方法として、耐火材料の基体の表面
に、耐火性または非耐火性接着剤を塗装し、その上にチ
ョップドストランドやチョップドストランドマットを積
層し、乾燥し、あるいは耐火塗装剤の種類によっては、
乾燥を待たず、本発明の耐火塗装剤を積層し、上記例の
ごとく仕上げる方法等が挙げられる。
【0058】第五の方法として、上記した固形のポリウ
レタンエラストマーや塩化ゴムなどの重合体や、可塑剤
との混和物であるプラスチゾルを、本発明の必須成分で
ある上記のチョップドストランド、りんを含有する化合
物、窒素を含む化合物、好ましくは上記の無機添加剤を
熱カレンダーで混練し、シート状としたものを接着剤と
プレスを用いて被積層物に積層したり、ペースト状とし
たコンパウンドを被塗装物に塗装し、加熱し密着させる
方法である。
【0059】積層方法1〜5の積層上に、ガラス織物等
の無機繊維織物を更に積層することの利点は、チョップ
ドストランドの一部分が、積層の上にはみ出しているの
を、押さえ、薄い化粧層を貼り易くしたり、そのペイン
ト仕上げを容易にしたり、長期間の外気との接触による
耐火積層と化粧層との剥離や平滑性の喪失を防止した
り、非耐火性接着剤を使用する場合に、耐火積層への直
接の混入を防ぎ、耐火性能を維持することにある。
【0060】本発明の被積層物として、金属、石こうボ
ードやけい酸カルシウム等無機塩成形物、合成樹脂、木
質物、紙等及びこれらの複合物が挙げられ、その形状は
平面状又はエンボス模様、曲面、波型、H字型、L字型
等の非平面状か開口のある面あるいは異型断面を有して
いてもよい。
【0061】被積層物の表面が、石膏ボ−ド、セメン
ト、けい酸カルシウム等の無機塩成形物か、これらに補
強繊維が混入したり、表層に紙が存在する場合、メラミ
ン樹脂やフェノ−ル樹脂等の縮合系樹脂を含む耐火塗装
剤を直接塗装すると、接着力が低下したり、紙を劣化さ
せたり、あるいはセメント中の強アルカリ成分が耐火り
ん分を消耗する結果、耐火性能を低下させることがあ
る。この場合、化学的に反応性のない下記の構造式を有
する化合物を単独で使用するか、更にこれに常温では反
応性のないヘキサメトキシメチルエラミン、例えば上記
サイメル300(三井サイアナミド化学工業株式会社製
品)を混入したものを混合希釈して使用すると、強度低
下が起きず且つ本発明の耐火積層物に使用した場合に紙
層の燃焼による耐火積層部分の脱落が防止できる。
【0062】
【化2】 (但し、式中R1とR2は炭素数3以下のアルキル基、R
3は水素原子又はメチル基を表わす。) また被積層物が、木質物の場合、その表面に、予め加熱
時のルイス酸を形成能のある、上記したりん化合物や硫
黄化合物、メラミン樹脂、好ましくは、平均で5核体程
度のレゾ−ル型フェノ−ル樹脂の混合物を必須成分とす
る塗装剤で前処理しておくと、持続的な高温加熱時に木
質物に亀裂が発生するのを極めて有効に防止する。また
この下地処理剤としての配合物をチョップドストランド
を積層する場合の接着剤として利用すると、耐火性能の
向上にも有用である。この場合の各必須成分の配合例は
実施例に示されている。
【0063】本発明者は本発明に到るまでの実験におい
て、以下の事実を確認し、その理由を推定した。一般的
にガラス繊維自体は種類にかかわらず不燃性であるが、
通常約300℃以上の温度で溶融または崩壊する。本発
明の耐火塗装剤も、有機成分の熱分解が大体550℃前
後で完結する。しかし、この両者の積層物や混合物群の
中で、チョップドストランドとの積層物の場合は100
0℃前後の高温にさらしても形態と強度を保持する特異
な耐火性能の向上効果が認められたのである。
【0064】ガラス繊維モノフィラメントを短く切断し
たステ−プルと、本発明で使用する耐火塗装剤とを混合
し積層した材料を1000℃前後の温度で持続的に加熱
してもほとんど発泡層の補強効果が得られず、むしろ耐
火性能が低下することが観察された。この理由は表面処
理剤が付着している個々のフラメントが、積層や混合さ
れる時に耐火塗装剤との親和性が充分でないため、耐火
塗装剤を十分に包含できないので、加熱により直ちに溶
融温度に達してしまい形成する発泡層の中でモノフィラ
メントが、直ちに溶融するかあるいは崩壊するするため
と考えられる。
【0065】同様に、ガラス繊維のモノフィラメントを
原料とする不織布や紙を耐火塗装剤と積層する場合に
も、これらの厚さが最低5mm以上でないと形成する発
泡層を注意深く観察すると、熱で崩壊したこれらの形態
を維持した残骸が部分的に発見されるが、初期の強度を
全く喪失しており被積層耐火材料の燃え抜け時間の延長
に貢献した事実は観察されなかった。
【0066】しかしガラス繊維織物や、ロ−ビング織物
を使用する場合は、発泡層を固定するような発泡層の物
理的補強効果がよく発揮される[本発明者等は、足場効
果(英語では、scafolding effect)
と仮称している]ので、例えば一辺が30cmの正方形
のような、小さい試料の加熱試験では、極めて再現性の
高い顕著な耐火性能の向上が観察された。またガラス繊
維織物の経糸と緯糸との交叉構造に基づく、表面張力を
利用した一種の耐火塗装剤を塗装量の均一化方法でもあ
り、上記のような発泡性耐火塗装剤とガラス繊維との積
層により、発泡層が十分な量の本発明の耐火塗装剤を包
含したことも、被積層材料の耐火性能の改善に寄与した
ものと推定された。
【0067】また、上記ガラス製品の成分の表に示した
ように、いずれのガラスも共通成分としてアルミニウ
ム、カルシウム、マグネウム等の酸化物を含み、これら
と本発明の耐火塗装剤が、特に上記したような無機化合
物の存在下で高温加熱により形成するりんや硫黄の酸化
物のルイス酸とが、強固な三次元化架橋すること、およ
び耐火塗装剤の硬化反応が、ガラス織物の介在による空
気との接触面積の増大により、蒸発効果の促進により硬
化反応が促進されることが、このようなガラス織物の発
泡層を補強する理由であると推定した。
【0068】しかし、耐火試験を90cm×240cm
のような、防火戸や、防火隔壁として実大の試験体を用
いて、例えばJIS A−1304による60分耐火試
験を実施すると、ガラス織物のみを本発明の耐火塗装剤
と2層以上積層した試料の場合は、積層しない試験体と
比較して耐火性能の向上は顕著であるが、かなりの割合
で、恐らくは基板の低密度部分の存在のため、ごく限ら
れ部位での燃え抜け発生や、積層した無機繊維の高温で
の収縮に起因する被積層物の上下左右の末端部分の顕著
なそりによる劣化や炭化で生じる間隙発生により耐火性
能の低下が観測された。
【0069】そこで、このような加熱試験後の試験体を
注意深く観察したところ、 イ)加熱側の表面のガラス織物に破断が起こる場合がほ
とんどであり、これが上記の局部的な耐火性能が極度に
低下する部分と一致していること、 ロ)ガラス織物の強度が全体として測定不能な程度まで
低下していること、 ハ)例えば炭素繊維や金属繊維織物のように高強度で、
重く織られた無機繊維織物は、形成する発泡層がその重
量を支えられず、かつ試験体の熱変形(そり)にも追随
できず、かなり発泡層を同伴して加熱途中で脱落する場
合があり、その後急速に燃え抜けが発生すること、 ニ)無機繊維織物が、十分に発泡層で保護されている場
合や、使用繊維が1000℃前後でも顕著な強度低下を
起こさない場合でも、発泡層が織物固有の熱収縮に対す
る追随性に限界があるため、上記イ)記載の破断が起こ
らない場合でも、積層面の前後左右に、例えばJIS
A1304の方法で1時間耐火試験を行う場合、通常5
%前後の収縮を起こすため、発泡層の脱落も同時に起こ
る場合が多いこと、 ホ)比較例4の[写真図1]に示すように、チョップド
ストランドを使用せず、E型ガラス繊維、耐火塗装剤、
高重量で高強度のガラス繊維(S型)織物とを積層する
ような場合には、1000℃前後の加熱でも溶融しない
が、経方向、緯方向とも5%前後の収縮を起こすため
に、露出した被塗装材の目地や枠材部分の耐熱性が脆弱
になることが耐火性能の部分的低下の主な原因と推定さ
れた。
【0070】本発明者等は、一層以上のガラス繊維織物
と、本発明の発泡性耐火塗装剤とを積層した場合に避け
られないこれらの欠陥を改良するため、無機繊維、特に
ガラス繊維のチョップドストランド及びそのマットを使
用した場合、本発明の方法による耐火材料に、例えばJ
IS A−1304による1〜2時間耐火試験を行った
場合、被積層物の材料にかかわらず、 イ)実施例5の写真図4〜6で加熱前の未処理のもの
と、本発明の耐火塗装剤を積層後2時間耐火試験したも
のとが比較されているが、チョップドストランドは、そ
の収束された固有の形状により、耐火塗装剤を大量に包
含して一体となり、加熱によっても収縮や溶融を起こさ
ず、原切断長を維持したまま、[写真図3]のように極
めて太く膨脹し、本来直径1mm以下の個々のチョップ
ドストランドが、被積層物の加熱面全体に幅3〜6mm
のテ−プを毛皮状に植え込んだような、脱落しにくい層
を形成すること、 ロ)個々のチョップドストランドは、加熱後もガラス織
物の場合のような顕著な溶融、粉化、崩壊を起こした形
跡がなく、かつ個々のチョップドストランドと発泡層と
の接着力は、単なる物理的付着の程度を越え、10kg
/m2の水道水を垂直に棒状で当てても除去できない程
強く、この接着力は上記の発泡層補強用の無機添加物の
使用によって更に著しく向上すること、これら木質材だ
けでなく、他の材料、例えば鋼鉄の構造材や無機塩成形
板その他の無機・有機性の材料も、シート状耐火材の貼
り合わせによって、耐火性が向上できる。
【0071】ハ)被積層物とこのように膨脹したチョッ
プドストランドとの接着力は、使用する接着剤にも依存
するが、例えばフェノ−ル樹脂、メラミン樹脂、場合に
よりエポキシ樹脂、上記のホスホネ−ト類を必須成分と
するものを使用する場合には極めて大きく、かつ発泡層
の圧縮強度も非常に大で、火災時の消防の放水に耐える
ことが予想される程の脱落抵抗性のあるものを得ること
もできること、 ニ)チョップドストランドと本発明の耐火塗装剤を積層
し、未乾燥の状態で、更に無機織物、特にガラス織物を
更に積層し硬化させると、耐火性能を更に向上させるこ
とができ、この場合、突板や化粧合板等の化粧層を貼り
合わせるのに使用する可燃性の接着剤の使用によっても
耐火性能上の大きい悪影響がないこと、 ホ)他の形状の無機繊維の使用では見られない、例えば
1300℃での連続加熱のような高温での耐劣化性や、
耐熱気流性が優れていること等の特性を具備しているこ
とが確認された。
【0072】そこで本発明者等は、無機繊維のチョップ
ドストランドの場合に限り、他の形態の同質の無機繊維
類では得られない特性が得られる理由を次のように推定
した。
【0073】1)無機繊維の紙や不織布は、個々のモノ
フラメントが、必要な量の耐火塗装剤を包含できないの
で、加熱により耐火塗装剤が発泡する前に、同時に溶融
したり崩壊してしまい、かつ高温加熱時に耐火塗装剤の
形成するルイス酸が、熱崩壊したガラス繊維の含有する
軽金属や、アルカリ金属の酸化物類と反応し消耗する結
果、耐火性能を低下する場合がある。
【0074】2)無機繊維の織物は、耐火塗装剤に足場
効果を与えるので、上記の利点を与えるが、糸のより
や、経糸と緯糸とが交叉構造により、互いに物理的に拘
束されているので耐火塗装剤の無機繊維への浸透は、糸
の表面に止まり、個々のフィラメントの間隙には殆ど包
含されず、かつこの相互の拘束性のため、織物の場合
は、熱で破断するまでは耐火塗装剤の容積が100倍以
上にもなる発泡時の膨脹に、個々の糸が追随できない。
また無機繊維の不織布や紙も同じ様な単繊維間拘束力で
同様な防火性の低下が起こる。
【0075】3)これに対して、チョップドストランド
の場合は、数百本のモノフィラメントの集合体であり、
撚りや、交叉構造による物理的な拘束がないので、耐火
塗装剤の表面に浮かべた場合に速やかに沈降する程度の
濡れ易ささえ具備させれば、毛管現象と類似した一種の
物理作用で、多量の耐火塗装剤を包含した状態で積層し
乾燥硬化できる。従って300℃以下のような加熱の初
期には、チョップドストランド部分は直接に熱を受け
ず、発泡性耐火塗装剤に完全に覆われたまま、単繊維の
結束点以外は拘束力のない状態で、耐火塗装剤と共に自
由に形状が拡大でき、しかも各単繊維は形成する発泡層
に完全に覆われる。そして1000℃程度まで加熱温度
が上昇しても、特に上記の発泡層補強用の無機添加剤の
共存下では、生成する発泡層は減量がある温度以上では
ほとんど起こらず、テ−プ状に膨脹した個々のチョップ
ドストランドと発泡層とが、元の長さを維持したまま外
観が幅数ミリのテープのような一体構造を形成してい
る。
【0076】更に特筆すべきことは、本発明の耐火塗装
剤をガラス繊維チョップドストランドに積層した耐火シ
ートは、一般的傾向として、電気炉中で例えば1000
℃で30分以上加熱を継続する場合に、発泡層は徐々に
その厚みと重量の40〜60%程度減少するが、JIS
Aー1304の耐火炉で約1000℃に保って、ガス
の火炎で30分以上加熱すると、当初は発泡層の厚みや
重量が同様に減少するが、加熱を続けると逆に重量が最
低値から10%以上も増加することである。こ 的に不均一なプラズマが形成した発泡層に接触したとき
に、水素原子のみが燃焼するような不完全燃焼が優先的
に起こり、その強い親和性により遊離した炭素分が発泡
層に吸収され、発煙防止にも貢献しているものと考えら
れる。
【0077】これらの機構はまだ不明の点があるが、こ
れらの現象がチョップドストランドを使用する場合にの
み示す特異な耐火断熱性能を示すものと推定される。こ
のような耐火性材料は、非平面の一つの利用形態として
パッキング状に打ち抜いたり、テープ状にして、例えば
多層建造物の床と天井の間の開口部に通したり、水道
管、電線、電話線、ガス管などの管の熱遮断用に利用す
ることも非常に有効である。
【0078】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明するが、こ
れはあくまで若干の態様でしかなく、本発明の実施例に
よって本発明が限定されるものではない。
【0079】また文中の「部」と「%」は、全て重量基
準を示す。 [実施例1]、[比較例1] 厚さ2mm、22cm角のエンボス加工により縦、横方
向に深さ1mm巾2mmの溝が40mm毎に存在するア
ルミ板に下記の2処方の耐火塗装剤を、固型分換算で2
80g/m2の割合で、各3枚ずつ刷毛を使用して塗装
し、100℃で20分間予備乾燥し、続いて150℃で
20分間熱処理した。この塗装板の表面に先端温度が1
300℃±20℃のプロパンガスのノズル径が2cmの
タ−ボジェットバ−ナ−の酸素予混炎を当てて発泡状況
や、炎の貫通を観察した。更にこの発泡層の上40cm
の高さから、面積2cm2の蛇口から10kg±2kg
/cm2の水圧の水道水を30秒間当ててその剥離状態
を観察した。
【0080】〈耐火塗装剤の処方〉 1)エポキシ樹脂[エピクロン 1050−75X 大
日本インキ化学工業株式会社製(75% キシロ−ル
溶液)]を100部、 2)マイクロカプセル化ポリりん酸アンモニウム(エク
ソリット 462 ヘキストジャパン株式会社製)を3
0部、 3)粉末メラミン(日産化学工業株式会社製)を25
部、 4)平均粒子径1μmの炭化ほう素微粉末(電気化学株
式会社製)を10部、 5)粘度調節溶剤としてキシロ−ルを10部とを混合
し、分散撹拌ミキサ−を用い4000回転/分で5分間
混合して、エポキシ主剤を得た。このエポキシ主剤17
5部に 6)ポリアミド樹脂(ラッカマイド TD−984 大
日本インキ化学工業株式会社製)を20部、を加えて比
較試験用の2液型発泡性耐火塗装剤とした。この処方の
固型分濃度は、79.6%でであった。
【0081】この耐火塗装剤のみを塗装する場合を比較
例1とし、ここへ切断長12mmのチョプッドストラン
ド(ECS12−350 セントラル硝子株式会社製)
10部を混合した場合を実施例1とした。それぞれ同一
塗装量になるように濃度差を考慮して上記の試験を行っ
た。発泡層の高さは、比較例1が約8mm,実施例1が
12mm程度であり、いずれの場合も、加熱により速や
かに発泡したが、比較例1の場合は、加熱を続ける間に
発泡層に大きな凹凸や亀裂を生じ、この亀裂の部分か
ら、13分16秒で貫通を生じた。実施例1の板は、6
0分間加熱を継続しても炎の貫通を認めなかった。上記
の耐水試験の結果、実施例1の場合は発泡層の流失は無
視し得る程度であったが、比較例1の場合は、発泡層の
亀裂の部分に相当量の脱落を認めた。
【0082】[実施例2]、[比較例2] 〈耐火塗装剤の処方〉 1)3ー(ジメチルホスホノ)プロピオンアミド70%
水溶液を200部、 2)マイクロカプセル化ポリりん酸アンモニウム(EX
OLIT)を271部 3)ヒドロキシエチルセルローズの2%水溶液を3部、 4)ベストサイド[殺菌剤、大日本インキ化学工業
(株)製]を1部、を分散攪拌ミキサーで約3000r
pmで30分間攪拌して均一なペースト状物を作り、こ
のペースト状物に 5)メチル化メチロールメラミン(ルーフプルーフFI
X)70%水溶液を430部、 6)平均粒子径5μmの炭化けい素(ワッカー株式会社
製 SILCARP)を85部、 7)りん酸の87%の水溶液を10部を加えて均一な淡
黄色のペースト状水分散液を調製した。
【0083】<耐火シートの作成>230g/m2、切
断長5cmのガラス繊維チョップドストランドよりなる
マットに鏡面仕上げをしたステンレススチール板(SA
S 304)の上に均一に広げ、上記の耐火塗装剤を固
形分として670g/m2になるように塗装し、60℃
で20分間予備乾燥し、次いで同じステンレス板をその
上に乗せ、軽く加圧して更に3時間加熱キュアーにて、
900g/m2の平板状の耐火マットを作成した。
【0084】<被積層物への耐火マットの積層方法>被
積層物としてJIS G 3101で規定されている材
質がSSー400のH字型の鋼材で、断面が300mm
×300mm(但しウエブ厚が10mm、フランジ厚が
15mm)、長さが300mmのものを用意した。
【0085】エピクロン 850[ビスフェノールA型
エポキシ樹脂 大日本インキ化学工業(株)製]を10
00部とりん酸メラミン50部とをよくミキサーで混和
し、これにラッカマイドEA−230[ポリアミド樹
脂、大日本インキ化学工業(株)製]430部を混合し
て得た接着剤を上記被積層物の全面に230g/m2
割合で塗布し速やかに上記耐火シートを貼り合わせた。
これを3時間静置すると、上記接着剤がゲル化し強固な
接着が達成された。
【0086】<耐火試験>上記で得られた試験体の加熱
面の裏面からドリルで孔をあけ、クロムーアルメル熱電
対5個を耐火マットの裏面の異なる場所に差し込み、耐
火セメントで固定し、加熱面をH字鋼の垂直と水平方向
からJIS Aー1304の1時間耐火試験法により加
熱した。
【0087】耐火マットを積層しない比較例2の場合は
加熱開始後10分程度で鋼鉄の変態点とされる600℃
を全て超過したが、積層した実施例2は、60分経過後
も両試料とも最高温度は378℃であり、平均温度が1
83℃であり、厚さが25mm程度に膨張した発泡層の
優れた断熱効果が実証できた。
【0088】[実施例3]、[比較例3] 表面に白地のエナメル塗装を行った厚さ0.6mmの鋼
板の裏面に実施例2と同じ接着剤を用いて同様に積層し
てから、これを折り曲げ実施例2のH字型鋼の周囲を直
方体状に覆った後、その一面は幅2cmの部分のみ上下
方向に耐火シートを剥離して、下の板とその剥離部分の
みが下の鋼板と重なるようにし、ここへ孔を10cm間
隔であけ、ボルトナットとビスで固定した。
【0089】更にH字鋼の5ヶ所の定位置に実施例2と
同様に熱電対を取り付け、エナメル塗装鋼板の覆いの上
から、実施例2と同じ耐火試験を行い、内部にあるH字
鋼の温度上昇を測定した。
【0090】耐火シートを積層しない比較例3のH字鋼
の表面は、20分以内でいずれも600℃を越えたが、
耐火シートを積層した実施例3の場合は、60分後も熱
電対の表示温度はいずれも230〜280℃の温度範囲
に留まった。
【0091】[実施例4]、[比較例4] 含水率12±2%、36mm厚のラワン材を使用したパ
−ティクルボ−ドの側面に、高硬度のアピトン材の幅1
0cmで、同じ厚みの枠材をさね加工で接合し大きさ9
00mm×1880mm、重量が51kgの木質の防火
戸用基板を作成し、20mm厚のステンレス鋼製のハン
ドルケ−スを基板内に入れ、その上に無機性の耐火セメ
ントを塗り、乾燥固定してから凹凸部分をサンダ−で平
滑にし、更に6%のポリビニ−ルアルコ−ル水溶液80
g/m2を塗装して乾燥した。
【0092】次いで、この基板に対して、 1)70%水溶液の3−(ジメチルホスホノ)プロピオ
ンアミド(ル−フ−プル−フP 大日本インキ化学工業
株式会社製)を20部、 2)70%水溶液のメラミン樹脂(ル−フプル−フ F
IX 大日本インキ化学工業株式会社製)を20部、 3)60%水溶液のフェノ−ル樹脂(プライセット T
D−2443LV大日本インキ化学工業株式会社製)を
50部、 4)50%のp−トルエンスルホン酸のメタノ−ル溶液
を10部よりなる濃度63%の処方を、常温硬化性耐火
接着剤として、それぞれ180g宛てハンドロ−ルで塗
装し、230g/m2の平織のガラス繊維織物を、これ
と同じ重量のチョップストランドのマットを、直ちに貼
合せ、気温で2時間放置して硬化させ積層した。
【0093】次いで、耐酸性の平底円形容器に、 1)3−(ジメチルホスホノ)プロピオンアミド(ル−
フプル−フP 大日本インキ化学工業株式会社製)を2
50部、 2)メラミン樹脂(ル−フプル−フ FIX 大日本イ
ンキ化学工業株式会社製)を445部、 3)低分子量のポリアクリル酸ナトリウム型分散剤(花
王株式会社製 ポイズ530)を5部、 4)平均粒子径が1μmの炭化タングステン(東京タン
グステン株式会社)を50部、 5)マイクロカプセル化したポリりん酸アンモニウム
(エキソリト462 ヘキストジャパン株式会社)20
0部、 6)重硫酸アンモニウムの水溶液(SO4分として20
g/kg)を50部とを、この番号の順に加え、分散撹
拌ミキサ−で約4000回転/分で10分間撹拌し、そ
の後で100メッシュの金網で濾過した。得られた耐火
塗装剤は、固型分が75.1%,pHが4.1(25
℃)であった。
【0094】この塗装剤を、それぞれ上記のチョップド
ストランドマットとガラス織物とが積層された基板の上
に、ハンドロ−ルで、それぞれ750g/m2の割合で
塗装し、耐火塗装剤が硬化しない前に、実施例2の場合
は上記と同じE型のガラス繊維織物を、比較例2の場合
は、400g/m2の高強度ガラス(S型)繊維織物を
それぞれ積層し、その上に滲み出た若干の耐火塗装剤
が、全表面が均一に濡れるように、刷毛で軽くならして
接着を確実にした後、27℃で表面の粘着感がなくなる
まで約2時間乾燥した。
【0095】その上に、600g/m2の割合で、濃度
が53%で、エチレン/酢酸ビニ−ルの重量比が18/
82の共重合物エマルジョン[大日本インキ化学工業
(株)製、エバディック EP−11)をハンドロ−ル
で塗装し、乾燥しない間に2.3mm厚、3プライで、
同じ大きさの化粧合板を、4kg/m2の圧力で、12
時間かけて積層した。
【0096】まだ処理を行っていない反対の面にも、上
記と同様の積層処理を順次行い、両面に同じ積層が行わ
れた厚さ45mmの基板を作成し、この四辺の枠の側面
の中心に、幅20mm、深さ3mmの溝を切削した。
【0097】比較例4の場合は、この溝に順次上記の耐
火塗装剤を少し盛り上がるように流し込み、24時間硬
化させ、それぞれサンディングして平滑にし、化粧性の
ある1.0mm厚の木質大手板を、上記のエチレン−/
酢酸ビニ−ルの共重合物エマルジョンを500g/m2
の割合で使用して、4側面に貼り合わせた。実施例4の
場合には、上記の耐火塗装剤に切断長3mmのチョップ
ドストランドを4部混入したペ−スト状の耐火塗装剤を
使用して、比較例2と同様に仕上げた。この二種類の試
験体に、それぞれステンレス鋼製のハンドル、鍵、鍵
穴、蝶番とを取り付け、加熱面の裏面の12の部分の温
度と、2個の炉内温度を測定するクロム−アルメル熱電
対とを記録装置(デ−タ−ロガ−)に取り付けた。
【0098】<耐火試験>これ等の試験体を、JIS
A−1304の耐火試験方法に準拠し、上下の間隙が5
mmとなるよう鉄製の戸枠に取り付け、これを更に、鉄
製の取り付けフレ−ムに固定し、試験体以外の面を発泡
性の耐火材料の50mm厚のけい酸カルシウム繊維補強
板で覆い、間隙を耐火セメントで封じてから、耐火試験
炉に固定した。
【0099】比較例4の試験体は、この耐火試験で、1
2個の熱電対の内、11個の温度上昇は緩慢であった
が、1個の熱電対の示した温度上昇は早く、加熱開始後
60分33秒で裏面が260℃に到達したが、これは基
板のこの部分のみに低密度部分があったためと推定され
た。また61分33秒後に試験体の上部の50mmのそ
り変形による煙と火炎の漏洩を目視したので、加熱を止
めた。この時の他の熱電対の温度の示度の平均は、まだ
135℃であった。
【0100】試験体を取り出して観察したところ、[写
真図1]の中央部のごとく、260℃に到達部分のガラ
ス繊維織物が破れ,その部分の発泡断熱層に深い亀裂と
剥離を生じたため、耐熱性を失ったものと判明した。ま
たこの顕著な試験体のそりは、貼り合せガラス繊維織物
の上下・左右方向での約5%の収縮に起因する発泡層の
脱落による受熱量の増加によるものと判断した。また試
験体の20ヶ所のの平均の炭化深度は37mmであっ
た。
【0101】実施例4は同じ耐火試験で、加熱開始90
分後も、裏面温度は全て140℃以下であり、そりも1
0mm程度で、60分耐火試験の合格は明らかであった
ため、加熱を中止し、試験体を加熱炉から取り外し加熱
面の形状を観察した。
【0102】その結果、[写真図2]のように、表面の
ガラス繊維織物層には幅20cm以下の切断箇所の発生
を認めたが、この層を取り除いたその下の発泡層は、
[写真図3]のように、300℃前後で溶融するはずの
ガラス繊維のチョップドストランドが、テープ状に大き
く膨脹し、これが発泡断熱層中で複雑に交叉しているこ
とにより、木質部の枠の部分のものも含めた試験体の全
面が熱の伝導から保護され、そして発泡層に強い耐剥離
強度が付与されている事を認めた。そして同じ測定方法
での炭化深度の平均は20mmであった。
【0103】[実施例5]実施例4と同じ方法で試験体
を作成した。ただし、実施例4と異なり、チョップドス
トランドマットを積層する代わりに、同じ耐火塗装剤に
切断長6mmのチョップドストランドを4%混入したも
のを刷毛とハンドロールで800g/m2で直接基板に
積層した後、実施例4と同一の処理により試験体を仕上
げた。
【0104】この試験体は、同じ耐火試験で加熱開始後
75分後迄は裏面に燃え抜け貫通や煙の漏洩を起こさな
かったが、試験体と試験体取り付け鉄枠間のそりによる
間隙が序々に増大し、この間隙から、煙と火炎を目視し
たので、加熱を中止した。
【0105】試験体を炉から取り出し、観察したとこ
ろ、実施例4と同様のチョップドストランドマットで補
強された発泡層が、何等の形態上の損傷も受けずに試験
体の全面に残存していたが、表面に積層したガラス繊維
織物層は大部分が熱で崩壊して、白くなり、溶融せず細
片となり、試験体から脱落して、加熱炉の内部で相当量
脱落していることが観察された。そして試験体の炭化深
度は、25mmであった。[写真図4]は、実施例4と
実施例5で積層に使用したチョップドストランドマット
を示し、[写真図5]は、実施例5の加熱試験終了後に
採取された、耐火塗装剤とチョップドストランドマット
の積層部分を示している。また両方の写真の目盛りの単
位はmmである。写真図6は写真図4と写真図5のそれ
ぞれ任意の5本ずつのチョップドストランドを示してい
る。このような観察の結果、全く溶融・収縮せず、基板
と密着し、かつ高膨脹状態にあるこのような特異な発泡
層の形成が実施例5の防火戸試験体の極めて高度の耐火
性能の主因と判断した。
【0106】[実施例6、7]、[比較例6] 実施例4に使用したパ−ティクルボ−ドの代りに、厚さ
12mmのJAS2類合板を2枚貼り合わせ24mm厚
とする以外は、実施例4及び比較例4と同じ形状で、同
じ耐火層や化粧合板を同様に貼合せ、33mm厚の3体
の試験体を作成した。
【0107】いずれの試験体にも第一層に耐火性の接着
剤は使用せず、実施例4と比較例4で使用した炭化タン
グステンの代わりに、同量の炭化けい素を、実施例6に
のみ使用し、実施例7および比較例6にはいずれの無機
剤も使用しなかった以外は同じ耐火塗装剤を使用した。
また実施例6および実施例7のみに切断長50mmのチ
ョップドストランドを5部混合した。全試験体に700
g/m2の割合で直接にフロ−コ−タ−により塗装し、
その上に実施例4で使用したガラス繊維織物を全試験体
に張り合わせて同様に試験体を作成した。JIS A−
1304の耐火試験を、実施例4及び比較例4と同じ方
法で実施した。比較例5の場合は、加熱開始後、約21
分15秒で、枠材上部にできた約40mmのそりにもと
ずく、試験体と枠との空隙が徐々に大きくなり、かつ合
板の剥離による弱い破裂音が続いて起こり始め、23分
15秒で、鉄枠と試験体の間隙から火炎が目視されたの
で、加熱を中止した。表面からの平均の炭化深度は、約
28mmであった。
【0108】同じ耐火試験で、実施例7の場合は、約3
9分での同じそりは約30mm程度になり、弱い破裂音
が続いて発生し42分30秒で裏面側での火炎を目視し
たので、加熱試験を中止した。平均の炭化深度は約23
mmであった。
【0109】実施例7の試験体は、加熱開始後約45分
での同じそりは約32mmで、加熱中の燃え抜けがな
く、平均の炭化深度は約24mmであった。 [実施例8] 1)メラミン粉末15部、 2)ジペンタエリスリトール15部、 3)水10部 4)ヒドロキシエチルセルローズ3%水溶液7部、 5)粒子径1μmの炭化ジルコニウム3部をボールミル
で約10時間均一に混練して容器に取り出し、これに 6)マイクロカプセル化ポリりん酸アンモニウム(EX
OLIT 462)20部と 7)50%アクリル酸エステル系共重合物エマルジョン
[大日本インキ化学工業(株) ボンコート6290]
30部とを混入し、これを分散ミキサーで3000rp
mで20分間攪拌して耐火処理剤を調製した。
【0110】これをステンレス板の上に広げた繊維切断
長5cm,360g/m2のガラス繊維のチョップドス
トランドにロールで圧搾し、80℃で15分間乾燥し
て、780g/m2の耐火シートを作成した。この耐火
シートを光にかざすと1〜2mm幅程度の空隙が十分目
視できる程度の充填率であった。この耐火シートを、炎
の先端温度が850程度のガスレンジの上に乗せて加熱
したところ、厚さ5mm程度の発泡層を形成するのが目
視された。
【0111】この加熱の裏面の上5cmの場所の温度は
45〜55℃で、加熱面の火炎が上記の間隙から目視で
きるのにもかかわらず、加熱開始後60分後もこの温度
上昇が認められず、また耐火シートの収縮や変形が認め
られず、しかも加熱側に加熱時間の経過とともに炭素粒
の付着量が増大する傾向が認められた。更にこの耐火塗
料の配合成分から想定されるアミン臭や煙の発生を認め
ず、加熱中にシアンガスの発生も検出されなかった。ま
たこの遮熱効果は、アスベスト塗り金網の場合とは異な
り、裏面の表面でも90〜120℃を越えないものであ
った。
【0112】[実施例9]、[比較例7] 大きさ900mm×1800mmの12mm厚の石膏板
の上に、45mm×1800mmの同じ石膏板を乗せ、
その紙層に下地処理剤として、 1)3ー(ジメチルホスホノ)プロピオンアミドの70
%水溶液30部、 2)ヘキサメトキシメチル化メラミン(サイメル30
0)20部、 3)イソプロピルアルコール10部、 4)水40部をロール刷毛で80g/m2の割合で塗装
し、3時間常温乾燥の後、ポリ酢酸ビニル系エマルジョ
ン接着剤を120g/m2の割合で塗装し、更にその上
から250g/m2のクロスを同様に同じ接着剤を用い
て耐火マットを貼り合わせ、これを鉄枠に入れて試験体
とした。
【0113】クロス貼りの面を加熱側として、JIS
A 1304法で1時間耐火試験を実施した。反対側の
裏面に取り付けた8個の熱電対は、中央の目地部も含め
いずれも183℃以内に留まり、60分後も裏面の破壊
を認めなかった。これに反し耐火シートを積層しない試
験体である比較例7は、28分後に裏面に亀裂が発生し
たので、加熱を中止した。
【0114】[実施例10]、[比較例8] 通常2バイ4工法と呼ばれる、石膏ボ−ト張り木造家屋
に使用される石膏ボ−ドの目地部分は、火災時や100
0℃前後の熱を受けると、相当なそり、収縮、亀裂等を
起こして、その目地部分部分に間隙を生じるので、ここ
がこの工法の脆弱部分であると、当業界の専門家から指
摘されている。
【0115】そこで、ガラス繊維のチョップドストラン
ドを含りん・含窒素型耐火塗装剤を側面に塗装した石膏
ボ−ドが強化される耐火性能の程度を検討した。 耐火塗装剤配合成分(固型分の重量%) (実施例12)(比較例8) ポリりん酸アンモニウム 12.8 12.8 (ヘキストジャパン株式会社製) 可塑化酢酸ビニ−ル樹脂乳化共重合物 12.8 12.8 (大日本インキ化学工業株式会社製) ジペンタエリスリト−ル(炭素分供給剤) 9.5 9.5 アゾジカルボンアミド 2.3 2.3 (永和化成工業株式会社製) 粉末イソシアヌ−ル酸 9.5 9.5 (四国化成工業株式会社製) 40%ポリアクリル酸ナトリウムオリゴマ−水溶液 1.5 1.5 ルチル化2酸化チタン微粉末 4.9 4.9 炭化ほう素 5.0 5.0 (電気化学株式会社製) チョップドストランド(切断長6mm) 5.0 な し (日東紡績株式会社製) これら処方は、チョップドストランド以外は、水を加え
ロ−ルグラインダ−で十分混練し、固型分60%の耐火
塗装剤を調製し、チョップドストランドのみは、その後
に分散混合ミキサ−で混合した。
【0116】次いで15cm×30cmの直方体で、1
2mm厚の石膏ボ−ドの4側面を、上記の処方で、40
0g/m2の割合で刷毛塗りし、常温で12時間乾燥し
た。この二枚の塗装済みの板を横にあまり隙間の無い
が、しかし光線をかざすと、隙間が目視できる程度の横
の突き付けを行い、30cm角とし、更に裏面に30c
mのけい酸カルシウムの8mm板を当て、3片の板をク
リップで固定して、30cm角、20mm厚の試料を作
成し、この大きさの加熱炉に入れて、この目地の部分を
中心に有する面を、JIS A−1304に準拠した方
法で、加熱試験を実施した。ここで、強度保持用の表面
のボ−ル紙は予め除去した。
【0117】10枚比較例8の試験体の目地の裏面の温
度上昇は、耐火塗装層の発泡量に大きなバラツキがある
ため、その内の最も早い1枚は25分15秒間で規定温
度の260℃に、最も遅い1枚は58分03秒後に到達
した。平均値は48分34秒で、全て不合格と判定し
た。これは切断面の不均一さが、このように耐火性能変
動の最大の原因と考えられた。
【0118】これに反し実施例9の10枚の試料は、チ
ョップドストランドの急激で大きい膨脹により切断面に
高度の断熱効果を与えるため、いずれも加熱開始後、2
時間以内に260℃に到達するものは無かったので、実
用性があり、従来の現場施工による通称テ−パ−仕上げ
工法より能率の優れた耐火性向上法と判断した。
【0119】[実施例11〜31]、[比較例9〜1
1] JIS A6901−83で規定されている9mm厚の
建築用石膏ボ−ドを、各実施例と比較例ごとに、各3枚
づつ幅15cm、長さ30cmの大きさに切断し、未処
理の板を[比較例9]とした。
【0120】次いで、下記配合成分をボ−ルミルで十分
混練して、白色の防火塗装剤を調整した後、更に水を加
えて固形分を55%に調整した。 1) 水 10 部 2) 50%の酢酸ビニ−ル・エチレン共重合物エマルジョン 30 3) ブチルカルビト−ルアセテ−ト(造膜促進剤) 3 4) 30%低重合度ポリアクリル酸ナトリウム(分散剤) 3 5) ジペンタエリスリト−ル(炭素源) 15 6) メラミン粉末 (発泡剤と窒素供給源) 15 7) 上記のEXOLIT 462 20 8) ルチル型酸化チタン(りんと窒素供給源) 4 そして、この発泡型防火塗装剤を刷毛で、固型分として
220g/cm2の割合で表面のボ−ル紙の上から均一
に塗装し、80℃で完全に乾燥した試験板を[比較例1
0]とした。
【0121】更に、日東紡績株式会社製品の230g/
cm2、繊維長さ50mm、シリコ−ン処理を行った、
Eガラス繊維よりなるチョップドストランドマットを、
付着量が[比較例9]と同一になるよう、上記処方を水
で稀釈し、刷毛で均一積層するよう調節しながら、塗装
し、80℃で完全に乾燥したものを[実施例11]とし
た。 次に、[実施例11]と同様に試験体を作成する
が、平均粒子径が1〜2μmの無機添加物を発泡型防火
塗装剤に更に下表のように、それぞれ加えた処方を用い
た塗装板を[実施例12〜実施例31]とした。また本
発明の無機化合物を加えた処方による塗装板を[比較例
11]とした。
【0122】このようにして調整した各塗装板を、加熱
時に放射熱による熱応力を高めるために、発泡けい酸カ
ルシウム断熱板で覆った箱の中で、[実施例1]と同様
にタ−ボジェットバ−ナ−で垂直に加熱し、石膏ボ−ド
の裏面のボ−ル紙が、炭化により青色から僅かに黄色す
るまでの時間(炭化時間)と、更に加熱を継続して、僅
かでも亀裂を生じるまでの時間(亀裂時間)とをそれぞ
れ測定し、各測定値の平均時間によって、耐火性能の比
較を行い下表のごとく、各実施例の方法、特に選ばれた
無機添加物を加えた場合の耐火性能の向上が確認され
た。 試験体番号 積層と無機添加物と添加量 (%) 炭化時間 亀裂時間 比較例 9 無積層・無塗装板 3´38″ 4´05″ 比較例10 塗装のみ 4´24″ 4´55″ 比較例11 BN・積層なし 5% 4´45 5´05″ 実施例11 積層のみ・無機物なし 5´24″ 5´50″ 実施例12 SiC(固型分中) 1% 6´32″ 7´00″ 実施例13 SiC 5% 7´40″ 8´43″ 実施例14 TiC 1% 8´29″ 9´27″ 実施例15 Mo2C 1% 8´45″ 9´40″ 実施例16 ZrC 1% 8´55″ 9´36″ 実施例17 VC 1% 8´06″ 8´32″ 実施例18 NbC 1% 8´46″ 9´29″ 実施例19 TaC 1% 8´04″ 8´19″ 実施例20 TiB2 2% 6´46″ 7´30″ 実施例21 TiB2 5% 7´46″ 8´30″ 実施例22 MoB 2% 7´23″ 8´11″ 実施例23 WB 2% 7´51″ 8´26″ 実施例24 ZrSi2 2% 8´11″ 9´00″ 実施例25 MoSi2 2% 8´38″ 9´15″ 実施例26 CrSi2 1% 8´00″ 8´49″ 実施例27 TiN 2% 9´05″ 9´42″ 実施例28 VN 1% 8´05″ 8´28″ 実施例29 NbN 1% 7´50″ 8´38″ 実施例30 WC/TiC(50/50)1% 9´24″ 10´09″ 実施例31 WC/TiC/TaC 1% 8´54″ 9´33″ (50/30/20) またこの各実施例の発泡性耐火マットを開口部のあるパ
ーライト板2枚ではさみ、中央部を10cm角の開口部
の下からガスバーナで800±20℃で加熱したとこ
ろ、上記比較例の各マットと比較して収縮の伴わない著
しい発泡を示し、熱を遮断した。これは、各実施例の耐
火マットが建造物の空気孔や配管部分の空隙に使用され
る通気性耐火マットとして優れた適性を示すものであっ
た。
【0123】
【発明の効果】本発明の効果を以下に要約する。 (1)加熱時ルイス酸を形成するりんや硫黄と窒素を含
有する化合物と、合成樹脂、有機発泡剤およびこれに、
好ましくは特定の無機化合物を添加してなる新規の発泡
断熱型の耐火塗装剤に、発泡層の補強層として、ガラス
織物のような無機繊維のチョップドストランドを使用し
た場合は、発泡層に足場を与えるので、大きい断熱性能
の向上が得られる。先ずガラス繊維のチョップドストラ
ンドをこのような発泡断熱型の耐火塗装剤に包含させ
て、金属、金属以外の無機材料、木質材料や有機材料等
に積層させると、持続的な1000℃以上の加熱を行う
と、形成される極めて高膨脹率の、強固で特異な交叉状
の発泡断熱層を形成し、被積層物の熱伝導率が低下する
ため、溶融、変形、間隙生成、減量、亀裂、発煙、爆
裂、燃え抜けを著しく遅延または防止する。 (2)このような被塗装物への積層物の上に、更にガラ
ス繊維のような無機繊維を積層する事により、表面が平
滑になり、チョップドストランドが表面に出て美観を損
ねたり、化粧層の張り合わせの接着の障害となる事や、
耐火層に直接可燃性接着剤やペイントを塗装する事によ
る、耐火性能の低下を防止し、かつ、異種の耐火接着剤
や、化粧層や、耐火剤の塗装や積層を可能とする。 (3)予め、必要な積層を工場生産で実施できるため、
現場施工のように低生産効率で、品質管理上発生しやす
い問題が解決する。 (4)極めて広範囲の被耐火処理材料や耐火剤処方に適
用でき、その耐火性能や信頼度の向上に大きく貢献す
る。 (5)このような耐火性能の飛躍的向上の結果、公知の
方法で必要とされる耐火性材料の厚さや、重量を低減で
きる。 (6)本発明の実施には、必ずしも加熱工程を必要とせ
ず、常温でも実施できる。 (7)またこの耐火マットは、それ自体高温加熱により
著しく発泡するので、建造物の空洞の火災伝搬防止材料
として優れた適性を示している。
【図面の簡単な説明】
(図面に代わる写真)耐火性材料の組織および繊維の形
状の写真
【図1】チョップドストランド不使用の耐火性材料の加
熱試験後の組織形状の写真
【図2】チョップドストランド使用の耐火性材料の加熱
試験後の組織形状の写真
【図3】チョップドストランド使用の耐火性材料の加熱
試験後の組織形状の写真
【図4】加熱処理前のチョップドストランドの形状の写
【図5】加熱処理後のチョップドストランドの形状の写
【図6】加熱処理前および処理後のチョップドストラン
ドの形状の写真
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 1/94 R 7521−2E

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平面又は非平面の被積層物に、(A)窒素
    および加熱時ルイス酸を形成する化合物を含有する発泡
    性耐火塗装剤と(B)チョップドストランドとを積層し
    てなる耐火性材料。
  2. 【請求項2】(B)チョップドストランドの材質がガラ
    スであることを特徴とする請求項1記載の耐火性材料。
  3. 【請求項3】(B)チョップドストランドの切断長が3
    〜100mmの範囲にあることを特徴とする請求項1又
    は2記載の耐火性材料。
  4. 【請求項4】被積層物の材質が、金属、無機塩成形物、
    合成樹脂、木質、紙のいずれか、又はこれらの混合物あ
    るいは複合物であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の耐火性材料。
  5. 【請求項5】被積層物の材質が、無機塩成形物および/
    又は紙であり、該被積層物の表面に、予め水不溶性のア
    ミノ樹脂と有機りん化合物および/又はこれとホルムア
    ルデヒドおよび/又はグリオキザールとの付加物あるい
    は縮合物の1種又は2種以上を含む溶液を塗装しておく
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の耐
    火性材料。
  6. 【請求項6】有機りん化合物が下記構造式で示される化
    合物であることを特徴とする請求項5記載の耐火性材
    料。 【化1】 (但し、式中R1とR2は炭素数3以下のアルキル基、R
    3は水素原子又はメチル基を表わす。)
  7. 【請求項7】被積層物の材質が、木質物であり、該被積
    層物の表面に、予め加熱時ルイス酸を形成する化合物と
    メラミン樹脂とフェノ−ル樹脂とを必須成分として含有
    する組成物を塗装しておくことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項記載の耐火性材料。
  8. 【請求項8】請求項7記載の組成物を接着剤として
    (B)チョップドストランド、又は発泡性耐火塗装剤で
    処理したチョップドストランドマットを被積層物に積層
    することを特徴とする請求項1〜3、7のいずれか1項
    記載の耐火性材料。
  9. 【請求項9】被積層物の材質が、金属であり、該被積層
    物の表面に、予め加熱時ルイス酸を形成する化合物とエ
    ポキシ樹脂とを必須成分として含有する組成物を塗装し
    ておくことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記
    載の耐火性材料。
  10. 【請求項10】請求項9記載の組成物を接着剤として
    (B)チョップドストランドを被積層物に積層すること
    を特徴とする請求項1〜3、9のいずれか1項記載の耐
    火性材料。
  11. 【請求項11】(A)窒素および加熱時ルイス酸を形成
    する化合物を含有する発泡性耐火塗装剤と(B)チョッ
    プドストランドとを積層し、更にその上に無機繊維織物
    を積層することを特徴とする耐火性材料。
  12. 【請求項12】積層表面に、更に化粧層を積層すること
    を特徴とする請求項1〜11記載の耐火性材料。
  13. 【請求項13】(B)チョップドストランドと無機繊維
    織物とを重ね合わせるか、又は合体させたものを、
    (A)窒素およびりんを含有する発泡性耐火塗装剤に含
    浸、成形させ、該成形物の乾燥物および/又は硬化物を
    被積層物に積層することを特徴とする請求項1〜11記
    載の耐火性材料。
  14. 【請求項14】縮合系樹脂と加熱によりルイス酸を形成
    する性質を有するりん及び/または硫黄化合物とを必須
    成分として含有する接着剤で接着することを特徴とする
    請求項1〜13のいずれか1項記載の耐火性材料。
  15. 【請求項15】(A)窒素および加熱時ルイス酸を形成
    する化合物を含有する発泡性耐火塗装剤が、りん及び/
    又は硫黄を含有する化合物と合成樹脂と有機性発泡剤と
    を含有してなる組成物であることを特徴とする請求項1
    〜14のいずれか1項記載の耐火性材料。
  16. 【請求項16】りん及び/又は硫黄を含有する化合物
    が、ポリりん酸アンモニウム、りん酸メラミン、過りん
    酸メラミン、合成樹脂を外壁としてマイクロカプセル化
    されたポリりん酸アンモニウム、合成樹脂を外壁として
    マイクロカプセル化された赤りん、3−(アルキルホス
    ホノ)プロピオンアミド、このメチロ−ル化物又はこの
    メトキシメチル化物、3−(アルキルホスホノ)ジメチ
    ルこはく酸エステル(ただし、アルキル基はいずれも炭
    素数3以下)の1種又は2種以上の混合物であることを
    特徴とする請求項1〜15項のいずれか1項記載の耐火
    性材料。
  17. 【請求項17】合成樹脂が、メラミン樹脂類、フェノ−
    ル樹脂類、尿素樹脂類およびこれらの共縮合樹脂類、エ
    ポキシ樹脂類、ウレタン樹脂類、酢酸ビニル共重合樹脂
    類、アクリル樹脂類、ゴム類、塩化パラフィン、ポリ塩
    化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂の1種または2
    種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜16
    のいずれか1項記載の耐火性材料。
  18. 【請求項18】有機性発泡剤が、尿素樹脂、ジシアンジ
    アミド、ジシアンジアミド縮合物、メラミン、メラミン
    樹脂、尿素メラミン共縮合樹脂、イソシアヌ−ル酸、ア
    ゾ系発泡剤、スルホニルヒドラジッド系発泡剤、ニトロ
    ソ系発泡剤から選ばれた1種又は2種以上の混合物であ
    ることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項記載
    の耐火性材料。
  19. 【請求項19】アゾ系発泡剤が、アゾジカルボンアミ
    ド、アゾビスイソブチロニトリルから選ばれるいずれか
    1種又は2種であることを特徴とする請求項18記載の
    耐火性材料。
  20. 【請求項20】スルホニルヒドラジッド系発泡剤が、
    4,4´オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド、
    p−トルンスルホニルヒドラジッド、p,p´−オキシ
    ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)から選ばれる
    1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求
    項18記載の耐火性材料。
  21. 【請求項21】ニトロソ系発泡剤が、N,N´−ジニト
    ロソペンタメチレンテトラミンであることを特徴とする
    請求項18記載の耐火性材料。
  22. 【請求項22】(A)窒素および加熱時ルイス酸を形成
    する化合物を含有する発泡性耐火塗装剤が、りん及び/
    又は硫黄を含有する化合物と合成樹脂と有機性発泡剤と
    無機化合物とを含有してなる組成物であることを特徴と
    する請求項1〜14、16〜21のいずれか1項記載の
    耐火性材料。
  23. 【請求項23】無機化合物が、けい素の炭化物、窒化
    物、及びほう化物、チタン、ジルコニウム、バナジウ
    ム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、及
    びクロムの炭化物、窒化物、ほう化物、けい化物、炭・
    窒化物、炭・ほう化物、窒・けい化物、ほう素の炭化
    物、窒化物、けい化物、炭・窒化物、窒・けい化物窒化
    物、又はけい素の炭化物、窒化物、ほう化物、炭・窒化
    物、炭・ほう化物から選ばれる1種類または2種以上の
    混合物であることを特徴とする請求項22記載の耐火性
    材料。
  24. 【請求項24】被積層物に、(A)窒素および加熱時ル
    イス酸を形成する化合物を含有する発泡性耐火塗装剤と
    (B)チョップドストランドとの混合物を積層すること
    を特徴とする耐火性材料の製造方法。
  25. 【請求項25】離型性を有する被積層物の表面に(B)
    チョップドストランドを散布し、接着剤と(A)窒素お
    よび加熱時ルイス酸を形成する化合物を含有する発泡性
    耐火塗装剤とを塗布した後、乾燥することによりシ−ト
    状成型物を得、次いで該成形物を被積層物に接着剤によ
    り接着することを特徴とする耐火性材料の製造方法。
  26. 【請求項26】被積層物に接着剤を塗布し、その上に
    (B)チョップドストランドを散布するか、又はシ−ト
    状の(B)チョップドストランドを積層し、更にその上
    に耐火塗装剤を乾燥して又は乾燥せずに積層させること
    を特徴とする耐火性材料の製造方法。
  27. 【請求項27】チョップドストランド又はチョップドス
    トランドマットを請求項15〜23のいずれか1項記載
    の発泡性耐火塗装剤で処理して得られるシート状成形
    物。
  28. 【請求項28】チョップドストランドと請求項15〜2
    3のいずれか1項記載の発泡性耐火塗装剤とを混合して
    なる耐火性組成物。
  29. 【請求項29】請求項1〜23のいずれかの耐火性材料
    と鉄鋼板とを貼着してなる金属構造体。
  30. 【請求項30】請求項1〜23のいずれかに記載の耐火
    性材料を任意の形状に打ち抜き、又は切断して得られる
    耐火性パッキング。
  31. 【請求項31】請求項1〜23のいずれかに記載の耐火
    性材料を任意の形状に切断して得られる耐火性テープ。
  32. 【請求項32】請求項1〜23のいずれかに記載の耐火
    性材料又はその砕片物で火炎物を覆うことを特徴とする
    火炎物の消炎方法。
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