JP2002201736A - 発泡耐火シート構造体 - Google Patents

発泡耐火シート構造体

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JP2002201736A
JP2002201736A JP2000401249A JP2000401249A JP2002201736A JP 2002201736 A JP2002201736 A JP 2002201736A JP 2000401249 A JP2000401249 A JP 2000401249A JP 2000401249 A JP2000401249 A JP 2000401249A JP 2002201736 A JP2002201736 A JP 2002201736A
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sheet
foamed
fire
foamed refractory
refractory sheet
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JP2000401249A
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Shoji Uwano
庄二 宇和野
Yoshiharu Ito
義治 伊藤
Tsutomu Nagasawa
勤 長沢
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SAITAMA RUBBER KOGYO KK
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SAITAMA RUBBER KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】火災時にシートの亀裂を生じることなく、優れ
た耐火性能を発揮することが可能な発泡耐火シート構造
体を提供すること。 【解決手段】樹脂成分、難燃剤、発泡剤、炭化剤および
充填材を含有する発泡耐火シート用組成物を含む発泡耐
火シート構造体であって、さらにシートの表面に補強基
材を積層したことを特徴とする、前記発泡耐火シート構
造体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐火断熱工法用の
発泡耐火シート構造体に関し、特に、火災時においても
シートの接合面やシート自体に亀裂などを生じることな
く、優れた耐火性能を発揮する耐火シート構造体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】建築物、土木構築物などの構造物が火災
などによって高温にさらされた場合には、これら構造物
の鉄骨およびコンクリートの物理的強度が急激に低下す
るという問題がある。このような問題を解決するため
に、耐火性塗材を建築構造物に塗布し、構造物の温度上
昇を遅延させ、物理的強度の低下を一時的に抑える湿式
塗装工法が知られている。しかし、かかる湿式塗材組成
物は、充分な耐火性能をもたせるためにかなり厚みをも
って塗装する必要があり、したがって建築現場に大量の
塗材を搬入する必要があるほか、かかる厚塗りのために
建築構造物から大幅に突出し、外観上圧迫感を与えると
いう欠点がある。しかも、施工後に被覆層の剥離、脱落
が生じるおそれもある。
【0003】一方、建築構造物に耐火性を付与する方法
として、火災時の温度上昇に伴い、塗膜が発泡しこれに
より建築構造物に耐火性を与える発泡耐火塗料を塗布す
る方法がある。しかし、かかる発泡耐火塗料を塗布する
際には、厚みを均等にするために厚みの管理を厳重に行
う必要があり、さらにその養生などに手間がかかり、熟
練した職人に頼らざるを得ないため、工期の短縮化に限
界がある。
【0004】近年は、このような塗装工法に代わって、
予め用意した乾式シートを建築構造物に被覆するという
方法が採られている。乾式シートとしては、例えば不燃
性の繊維類を不織布状にしたもの、不燃性の不織布、織
布などの布状物に発泡耐火塗料を含浸させたもの、アル
ミ箔などの不燃性物からなるシート状物の上に発泡耐火
塗料を積層したものなどが知られている。特に施工時に
は厚みが少なく(通常、1〜4mm程度)、火災時には
発泡して炭化層を形成して厚みを数倍から数十倍(通常
2〜30倍程度)に増し、建築構造物が発火点に達する
のを遅延させるタイプのシートが脚光を浴びている。
【0005】このようなタイプのシートは発泡耐火シー
トと呼ばれ、例えば特開2000−192570号に記
載されるものが提案されている。この発泡耐火シート
は、上述のように、施工時には厚みが少なく、火災時に
発泡して炭化層を形成して厚みを増し、建築構造物の温
度上昇を遅延させ、これにより耐火性能を発揮する。か
つカッターなどによる機械的切断、曲げ、釘などによる
打ち付け等の加工によっても欠落、割れが生じない耐衝
撃性を有している点で優れている。
【0006】しかしながら、かかる発泡耐火シートは、
実際の火災時に、部分的な亀裂が生じるという問題があ
る。これは、シートに含まれている熱可塑性材料が、シ
ート圧延の際に応力歪を内包し、火災時の高温下でこの
歪みが開放されて、亀裂が発生するためであると考えら
れる。すなわち、火災時に発生する部分的なシートの亀
裂から火が回り、充分な耐火断熱性能を発揮することが
できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
を解決するために鋭意研究の結果なされたものであり、
特に火災時にシートの亀裂を生じることなく、優れた耐
火性能を発揮することが可能な発泡耐火シート構造体を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の発
泡耐火シートの表面に、補強基材、例えばガラスメッシ
ュクロス等をラミネートすることにより、上記目的を達
成することができることに想到した。すなわち本発明
は、樹脂成分、難燃剤、発泡剤、炭化剤および充填材を
含有する発泡耐火シート用組成物を含む発泡耐火シート
構造体であって、さらにシートの表面に補強基材を積層
したことを特徴とする、前記発泡耐火シート構造体を提
供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る発泡耐火シート構造
体の発泡耐火シート材料に使用する樹脂成分としては、
特に制限されないが、例えば、公知の発泡耐火シートで
樹脂成分として採用されている熱可塑性樹脂又はその他
の樹脂の中から1種又は2種以上を適宜採用することが
できる。
【0010】熱可塑性樹脂の例として、ポリエチレン系
樹脂、ビニルトルエン−ブタジエン共重合体、ビニルト
ルエン−アクリル酸エステル共重合体、ビニルトルエン
−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、あるいはこれらの共重合体を構成する2種のモノマ
ーとアクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー等との
三元共重合体等の樹脂が挙げられる。
【0011】これら共重合体を構成するアクリル酸モノ
マー又はメタクリル酸モノマーとしては、例えばメチル
アクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ブ
チルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、アクリルアミド、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙
げられる。
【0012】本発明に係る発泡耐火シート構造体に使用
する樹脂組成物(以下、本樹脂組成物という)は、樹脂
成分以外の成分として、難燃剤、発泡剤、炭化剤及び充
填剤を含む。これらの各成分は、特に火災発生時におい
て相互の複合作用によりシートの発泡、炭化層形成、不
燃性ガス発生等の諸機能を発現できるものであれば特に
限定されず、公知の発泡耐火シート(発泡耐火塗料)に
おいて用いられる難燃剤、発泡剤、炭化剤及び充填剤も
そのまま用いることができる。
【0013】難燃剤は、一般に、火災時に脱水冷却効
果、不燃性ガス発生効果、樹脂成分の炭化促進効果等の
少なくとも一つの効果を発揮し、樹脂成分の燃焼を防止
ないし抑制する作用を有する。難燃剤は、かかる作用を
有する限り特に制限されず、公知の発泡耐火シートにお
ける難燃剤と同様のものも使用できる。例えば、トリク
レジルホスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェー
ト、ジフェニルオクチルフォスフェート、トリ(β−ク
ロロエチル)フォスフェート、トリブチルフォスフェー
ト、トリ(ジクロロプロピル)フォスフェート、トリフ
ェニルフォスフェート、トリ(ジブロモプロピル)フォ
スフェート、クロロフォスフォネート、ブロモフォスフ
ォネート、ジエチル−N, N−ビス(2−ヒドロキシエ
チル)アミノメチルフォスフェート、ジ(ポリオキシエ
チレン)ヒドロキシメチルフォスフォネート等の有機リ
ン系化合物;塩素化ポリフェニル、塩素化ポリエチレ
ン、塩化ジフェニル、塩化トリフェニル、五塩化脂肪酸
エステル、パークロロペンタシクロデカン、塩素化ナフ
タレン、テトラクロル無水フタル酸等の塩素化合物;三
酸化アンチモン、五塩化アンチモン等のアンチモン化合
物;三塩化リン、五塩化リン、リン酸アンモニウム、ポ
リリン酸アンモニウム等のリン化合物;その他ホウ酸亜
鉛、ホウ酸ソーダ等の無機質化合物等が挙げられる。こ
れらは、単独で又は2種以上で使用することができる。
本発明では、特にポリリン酸アンモニウムが好ましい。
ポリリン酸アンモニウムを使用する場合には、脱水冷却
効果と不燃性ガス発生効果とをより効果的に発揮できる
ので難燃効果が高く、しかも発泡剤の含有量を削減でき
る効果もあり、これらの点において他の難燃剤よりも有
利である。
【0014】発泡剤は、一般に、火災時に不燃性ガスを
発生させて、炭化していく樹脂成分及び炭化剤を発泡さ
せ、気孔を有する炭化断熱層を形成させる役割を果た
す。発泡剤は、かかる作用を有する限り特に制限され
ず、公知の発泡耐火シートにおける発泡剤と同様のもの
も使用できる。例えば、メラミン及びその誘導体、ジシ
アンジアミド及びその誘導体、アゾジカーボンアミド、
尿素、チオ尿素等が挙げられる。これらは単独で又は2
種以上で使用することができる。これらの中では、メラ
ミン、ジシアンジアミド、アゾジカーボンアミド等が不
燃性ガスの発生効率に優れていることから好ましい。特
にメラミンがより好適に使用することができる。
【0015】炭化剤は、一般に、火災下において樹脂成
分を炭化させるとともに、それ自体も脱水炭化していく
ことにより、より断熱性に優れた厚みのある炭化断熱層
を形成する作用を有する。炭化剤は、かかる作用を有す
る限り特に制限されず、公知の発泡耐火シートにおける
炭化剤と同様のものが使用できる。例えば、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロール
プロパン等の多価アルコールのほか、デンプン、カゼイ
ン等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上で使
用することができる。本発明では、特にジペンタエリス
リトールが、脱水冷却効果と炭化断熱層形成作用に優れ
ている点で好ましい。
【0016】充填剤は、一般に、炭化断熱層の強度を改
善し、かつ、耐火性を高める作用を有する。充填剤は、
かかる作用を有する限り特に制限されず、公知の発泡耐
火シートにおける充填剤と同様のものが使用できる。例
えば、タルク等の珪酸塩;炭酸カルシウム、炭酸ナトリ
ウム等の炭酸塩;酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸
化亜鉛等の金属酸化物;粘土、クレー、シラス、マイカ
等の天然鉱物類等が挙げられる。これらは、単独で又は
2種以上で使用することができる。これらの充填剤の中
では二酸化チタン、酸化アルミ二ウムがより好ましい。
【0017】各成分の配合比率は、火災発生時に発泡が
良好に行われて、高度の断熱性を有する炭化断熱層を形
成し得る限り特に限定されないが、固形分換算で、樹脂
成分100重量部に対して、難燃剤200〜600重量
部(好ましくは250〜500重量部)、発泡剤40〜
150重量部(好ましくは50〜80重量部)、炭化剤
40〜150重量部(好ましくは50〜80重量部)及
び充填剤50〜160重量部(好ましくは60〜120
重量部)とすれば良い。この範囲内においては、特に、
炭化断熱層の発泡倍率が高く、発泡が均一であり、しか
もより優れた断熱効果、強度等を得ることができる。
【0018】本樹脂組成物では、これらの成分以外に
も、必要に応じて補強用繊維、着色用顔料等を適宜配合
できる。補強用繊維としては、ロックウール、ガラス繊
維、シリカ−アルミナ繊維、カーボン繊維等の無機繊
維、パルプ繊維、ポリプロピレン繊維、ビニル繊維、ア
ラミド繊維等の有機繊維が挙げられる。
【0019】また、本樹脂組成物は、必要に応じて染
料、顔料などにより着色することができる。着色顔料と
しては、一般の塗料顔料(有機顔料・無機顔料)が使用
できる。本発明では、特にベンガラ、黄鉛、黄色酸化
鉄、チタンイエロー、クロムグリーン、群青、コバルト
ブルー等の無機顔料が好ましい。さらに、耐火性能をよ
り高めるために膨張性黒鉛、未膨張バーミキュライト等
を配合しても良い。
【0020】さらに、本樹脂組成物には、必要に応じて
ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、塩素化パ
ラフィン等の可塑剤を添加しても良い。但し、可塑剤の
添加量が増加すると耐汚染性が低下するおそれがあるの
で、その添加量は可能な限り少なくすることが好まし
く、通常は固形分換算で樹脂成分100重量部に対して
30重量部以下、好ましくは15重量部以下とすれば良
い。
【0021】本発明に係る発泡耐火シート構造体に使用
する樹脂組成物は、これらの各成分を公知の樹脂配合方
法に従って均一に混合すれば得ることができる。各成分
の配合順序等に制限はなく、配合成分の種類等に応じて
適宜配合すれば良い。
【0022】特に、本樹脂組成物では溶剤含有量が少な
い方が良く、本樹脂組成物の溶剤含有量(合計量)を通
常10重量%以下、好ましくは5重量%以下とする。な
お、溶剤含有量の下限は、均一な組成物が調製できる限
りは特に制限されない。通常、発泡耐火シートには、製
造原料中に含まれている溶剤あるいは製造工程中に配合
された溶剤が一部蒸発せずに残存するが、耐火性、安全
性、作業性、寸法精度等の面からは溶剤残存量が少ない
ほど好ましい。従って、本発明では、溶剤含有量の少な
い組成物を用いることにより、得られるシートの溶剤残
存量をできるだけ低く抑えることができる。
【0023】このような樹脂組成物は、例えば樹脂成分
として無溶剤型樹脂を用いれば好適に調製することがで
きる。従って、本樹脂組成物においては、樹脂成分とし
て無溶剤型樹脂を用いることが好ましい。無溶剤型樹脂
としては、溶剤を含まない以外は公知の樹脂を用いるこ
とができる。例えば、ビーズ状あるいはペレット状樹脂
を無溶剤型樹脂として使用し、加熱されたニーダー等に
よって混練しながら、その他の成分を混合すれば、溶剤
含有量の少ない(又は溶剤が実質的に存在しない)発泡
耐火シート用組成物を調製できる。樹脂以外の成分は、
公知の発泡耐火シートの成分・組成割合をそのまま採用
できる。なお、上記溶剤含有量の範囲内となる限りは、
溶剤を含む成分を用いることができる。
【0024】上述の樹脂成分等を配合、混練する際に
は、通常、加熱することが好ましい。例えば、30〜1
50℃、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは
60〜80℃に加熱することができる。混練時の加熱温
度は、混練する樹脂成分や発泡成分によって決定され、
例えば発泡成分が200℃で発泡するものであれば、こ
れより低い温度、例えば約180℃以下で混練すること
が好ましい。
【0025】本発明に係る発泡耐火シート構造体の発泡
耐火シートは、例えば上記の樹脂組成物をシート状に成
形して得ることができる。成形方法は、シート状に成形
できる限り実質的にあらゆる方法を採用できる。例え
ば、本樹脂組成物を型枠内に流し込み、乾燥後に脱型す
る方法、本樹脂組成物を加温塗工機によって離型紙に塗
付した後に巻き取る方法、ニーダー等によって混練した
本樹脂組成物を押出成型機によってシート状に加工する
方法、ニーダー等によって混練した本樹脂組成物を圧延
対ロールの間に供給して圧延シート状に加工する方法、
本樹脂組成物をペレット状にした後に押出成形機によっ
てシート状に加工する方法、バンバリーミキサー又はミ
キシングロールで混練した前記組成物を複数の熱ロール
からなるカレンダによって圧延してシート状に加工する
方法等が可能である。
【0026】このようにシートを成形する際に、あるい
は成形後に、シートの表面に補強基材を積層する。この
補強基材は、成形時に熱可塑性樹脂に生じた応力歪が、
火災時の高温下で開放されてシートに亀裂が生じるのを
防止する役割を果たす。つまりこの補強基材が、火災時
の高温によりシートに亀裂が生じそうになると、これを
抑制し、亀裂がそれ以上広がるのを防ぐのである。
【0027】このような働きをする補強基材として、種
々の物を使用することができる。例えば、プラスチック
シート、各種不織布、ガラスメッシュ、ガラスクロス、
金属メッシュ、樹脂クロス等が挙げられる。このうち2
以上を組み合わせて用いてもよい。特に柔軟性、適当な
耐火性および発泡耐火シートへの接着性などが良好であ
る点から、不織布とガラスメッシュを積層したガラスメ
ッシュクロス補強基材を用いることが好ましい。この
際、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリ
ル樹脂などのあらゆる材質の不織布を使用することがで
きるが、特にポリエステル不織布を使用することが好ま
しい。
【0028】上記補強基材の厚さは、発泡耐火シートの
亀裂を防ぐ性能を有する限り、特に限定されないが、発
泡耐火シートへの積層処理の便や、発泡耐火シート構造
体自体の柔軟性などの観点から、実質的には0.1〜2
mm、好ましくは0.3〜1.5mm、さらに好ましく
は0.5〜1.0mmである。
【0029】補強基材を発泡耐火シートに積層する方法
はいかなる方法を採用しても良いが、シート作成時にシ
ート片面または両面に補強基材を設けることが便利かつ
効率がよい。特にロールで圧延成形する際に補強基材と
共に圧延すれば、補強基材を設けたシートを直ちに得る
ことが可能である。このほか、発泡耐火シートを作成し
た後に、別途補強基材を貼り付けることも可能であり、
例えばシート成形後にかかる補強基材を加熱圧着させた
り、既存の接着剤などにより貼り付けることができる。
【0030】本発明に係る発泡耐火シート構造体の厚み
は、適用部位用等に応じて適宜設定すれば良いが、通常
は先述の補強基材を含めて、0.3〜10mm、好まし
くは0.5〜5mm、特に好ましくは1.0〜2.0m
mとすることができる。0.3mm未満の場合には、充
分な耐火性能が得られないことがある。また、10mm
を超える場合は、厚みに相当するだけの耐火性能の向上
が充分得られないことがある。但し、必要に応じて上記
範囲外となる厚みとしても差し支えない。
【0031】本発明に係る発泡耐火シート構造体は、建
築物・土木構築物等の構造物において耐火構造とすべき
部分、例えば、壁、柱、床、梁、屋根、階段の各部位に
施工される。このような施工部位は、コンクリート又は
金属で形成されていることがほとんどであるが、特に金
属で形成されているH鋼、鉄骨丸柱、鉄骨角柱等は防錆
処理として予め防錆塗料を塗付しておくのが好ましい。
また、本発明に係る発泡耐火シート構造体は、コンクリ
ート・金属だけでなく、例えば木質部材、樹脂系部材等
への適用も可能である。
【0032】本発明の発泡耐火シート構造体は、耐火性
を付与すべき躯体に貼着する際、躯体に予め接着剤を塗
付して貼着する方法の他、発泡耐火シート側あるいは補
強基材側に接着剤層を設けて貼着する方法、発泡耐火シ
ート構造体を釘、鋲等により躯体に打ち付けて固定する
方法等の種々の方法が可能である。
【0033】発泡耐火シート構造体を貼着する際には、
躯体がすべて覆われるように処理することが好ましく、
いずれの方法により貼着しても良い。従って、例えばシ
ートとシートの突き合わせ部分においては、シートどう
しを重ね合わせたり、細幅のシートを重ね合わせたり、
あるいは接着剤又は加熱・押圧等により貼り合わせた
り、耐火性のパテ材を充填塗付することによって処理す
ることができる。その他にも、耐火性の隙間テープ、テ
ープ状に裁断した発泡耐火シート構造体等で覆い隠すこ
とも可能である。このように、突き合わせ部分の隙間を
実質的になくすことにより、本来の耐火性能をより確実
に得ることができる。
【0034】本発明の発泡耐火シート構造体の上には、
必要に応じて化粧層を形成させても良い。化粧層は公知
の施工方法で形成させれば良く、例えば発泡耐火シート
構造体に各種塗料を塗装したり、あるいは化粧フィル
ム、化粧シート等を積層しても良い。また例えば、公知
の石材調貼り仕上材等を用いて施工することもできる。
【0035】また、化粧層の形成に先立って必要に応じ
て化粧用下塗り材(単に「下塗り材」ともいう)を発泡
耐火シート構造体上に塗付しても良い。下塗り材の塗付
によって、主として、発泡耐火シート構造体積層後にお
けるシートと化粧層との密着性をより高めることができ
る。下塗り材は、公知の下塗り材を採用することができ
る。
【0036】さらに、上記化粧層の保護を主目的として
化粧層にクリヤー塗料を塗付することもできる。特に耐
候性が要求される構造物外部の部位に施工する際には、
化粧層にクリヤー塗料を塗付するのが好ましい。クリヤ
ー塗料は、公知のクリヤー塗料を採用することができ
る。
【0037】本発明の発泡耐火シート構造体では、耐火
性能向上のために耐火性材料と発泡耐火シートとを積層
することも可能である。例えば、耐火性を付与すべき躯
体に対して耐火性材料、発泡耐火シートの順で積層する
ことができる。積層方法自体は、公知の方法に従って実
施すれば良い。耐火性材料としては、例えば珪酸カルシ
ウム板、パーライトセメント板、石膏ボード、ロックウ
ール板、グラスウール保温板、石綿スレート板、気泡軽
量コンクリート板、気泡モルタル板、気泡石膏ボード、
軽量コンクリート板、セメント系押出成形板、無機系サ
イディング、金属サイディング等の成形板、あるいはロ
ックウール、セラミックウール、グラスウール、スラグ
ウール等からなるシート、マット、ブランケット等が挙
げられる。
【0038】本発明に係る発泡耐火シート構造体は、従
来の発泡耐火シートにガラスメッシュクロスを備えてい
るため、火災時の高温下において生じやすい発泡樹脂シ
ート部分の亀裂、割れなどを防ぐことができ、このよう
な亀裂から建築構造物へ火が回るおそれのない、優れた
耐火性能を有する。さらに従来の発泡耐火シートと同様
に柔軟性を有するため、建築構造物の他、耐火性能を必
要とするあらゆる部材に容易に貼り付け、施工すること
が可能である。
【0039】
【実施例】(実施例1)発泡耐火シート構造体の製造 1.本発明の発泡耐火シート構造体用シート材料の製造 以下の成分:樹脂成分として、メタロセンポリエチレン
(EG8200、ダウケミカル)100重量部、難燃剤と
してポリリン酸アンモニウム(スミセーフP、住友化
学)200重量部、発泡剤としてメラミン(セルマイク
A、三協化成)70重量部、炭化剤としてジペンタエリ
スリトール(ペンタリンH、ハーキュレス)70重量部
および充填材として二酸化チタン(酸化チタン、チタン
工業)70重量部を、加圧ニーダ内に投入し、80℃で
加熱、混練した。
【0040】この樹脂組成物を、圧延ローラを用いて圧
延し、圧延ギャップからシートを形成した。 2.発泡耐火シート材料への補強基材の貼りつけ 上記のように製造した発泡耐火シートの片面から離型紙
を取り外し、ここに補強基材としてポリエステル不織布
とガラスクロスとを貼り合わせたガラスメッシュクロス
(UGF直交積層ネット、厚さ0.5t)を置き、80℃
に加熱してプレスすることにより、発泡耐火シート構造
体を作成した。
【0041】
【発明の効果】本発明の発泡耐火シート構造体は、火災
時の高温下においても、亀裂や割れを生じることなく、
良好な耐火性を発揮することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長沢 勤 埼玉県加須市愛宕2丁目5番24号 埼玉ゴ ム工業株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DD01 DE01 EA01 EA05 FA01 FA02 FA03 FA16 FA30 GA24 GA76 GA82 HA01 HA02 HA03 HA04 HA07 HA21 HA32 HA33 HA34 HB01 HD11 JA00 JA12 JA22 JA25 JA29 JB00 JC02 JD02 JD04 JD05 LA12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成分、難燃剤、発泡剤、炭化剤およ
    び充填材を含有する発泡耐火シート用組成物を含む発泡
    耐火シート構造体であって、さらにシートの表面に補強
    基材を積層したことを特徴とする、前記発泡耐火シート
    構造体。
  2. 【請求項2】 前記補強基材が、ガラスメッシュクロス
    であることを特徴とする、請求項1に記載の発泡耐火シ
    ート構造体。
JP2000401249A 2000-12-28 2000-12-28 発泡耐火シート構造体 Pending JP2002201736A (ja)

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