JP2006194077A - 発泡耐火シート被覆工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐火性及び意匠性を付与しつつ、比較的容易且つ確実に発泡耐火シートを被覆できる方法を提供する。
【解決手段】耐火性を付与すべき基材2に被覆する発泡耐火シート1,1’であって、当該シート末端部の側面形状が鋭角部分3、3’を有するものであることを特徴とする発泡耐火シート1、1’を、当該鋭角部分3,3’をもつ面を基材2に接するように設置し、かつ、当該シート1,1’末端部どうしを付き合わせる工程及び当該付き合わせ部に発泡耐火パテを充填して均す工程を有する耐火被覆工法。
【選択図】図4
【解決手段】耐火性を付与すべき基材2に被覆する発泡耐火シート1,1’であって、当該シート末端部の側面形状が鋭角部分3、3’を有するものであることを特徴とする発泡耐火シート1、1’を、当該鋭角部分3,3’をもつ面を基材2に接するように設置し、かつ、当該シート1,1’末端部どうしを付き合わせる工程及び当該付き合わせ部に発泡耐火パテを充填して均す工程を有する耐火被覆工法。
【選択図】図4
Description
本発明は、新規な発泡耐火シート被覆工法に関する。
建築物、土木構築物等の構造物が火災等による高温に晒された場合には、これら構築物の鉄骨及びコンクリートの機械的強度が急激に低下するという問題がある。これに対し、耐火性塗材を基材に塗付し、基材の温度上昇を遅延させ、物理的強度の低下を一時的に抑える方法が採られている。代表的な方法としては、例えば、セメント等の無機質バインダーに1)ロックウール、アスベスト、ガラス繊維等の無機質繊維状物質、2)パーライト、バーミキュライト等の軽量骨材、3)結晶水を含有する無機質粉体等を適宜混合し、水と混練し、ペースト状又はスラリー状とした混合組成物を基材表面に厚付けする湿式耐火被覆方法が知られている。
しかし、上記方法で使用される塗材組成物では、使用する材料の種類にもよるが、例えば鉄骨鉄筋コンクリート構造物の柱、梁等に対する1時間耐火性能(標準加熱曲線において1時間加熱した場合、鋼材温度が平均で350℃以下、最高温度で450℃以下であること)でみると、約20〜40mmという被覆厚みが必要となり、かなりの厚付けとなる。このため、建築現場において施工を行う際には比較的大量の塗材を搬入しなければならないので、コスト面で非常に不利である。また、厚付けのため、施工部が基材から大幅に突出し、外観上圧迫感を与えることにもなりかねない。さらに、施工後に被覆層の剥離、脱落等が生じるおそれもある。従って、より軽量でより薄くて済む塗材組成物の開発が必要とされている。
基材に耐火性を付与する他の方法として、火災等の温度上昇に伴い塗膜が発泡し、これによって基材に耐火性を与える発泡耐火性塗料を各種の手法により基材に塗付する方法が知られている。これに用いる発泡耐火性塗料は、温度上昇により分解して不燃性ガスを発生する発泡成分と、炭素化して多孔質の炭化層を形成する成分とを含有している。すなわち、不燃性ガスの発生により火災の消火効果を発揮するとともに、炭素化成分による多孔質炭化層の形成によって断熱効果を発揮するものである。
このような発泡耐火性塗料によれば、当初の塗膜は通常数mm以下と薄くても、火災時における加熱等により数倍から数十倍の倍率で発泡して有効な断熱層を形成できる。従って、湿式耐火被覆塗材に比べて塗膜は極端に薄くでき、圧迫感も少なく、すっきりとした感じに仕上がるという利点がある。また、湿式耐火被覆塗材に比べて使用材料が少なくて済み、コスト面の問題等も解消できる。
ところが、発泡耐火塗料を塗付する際には耐火性能を均等にするため、厚みも均等にする必要があるので、塗装時の厚み管理を徹底する必要がある。このため、塗装作業を熟練した職人に頼らざるを得ない。また、湿式の塗装工法であるため、その養生等に手間がかかるという欠点もあり、工期の短縮化に限界がある。
最近では、このような湿式塗装工法に代わって乾式シートによる耐火被覆が行われている。これは、予め用意された乾式シートを基材に被覆する方法である。乾式シートとしては、例えば不燃性の繊維類を不織布状にしたもの、不燃性の不織布・織布等の布状物に発泡耐火塗料を含浸させたもの、アルミ箔等の不燃性物をシート状にしたものの上に発泡耐火塗料を積層したもの等様々であるが、いずれも厚み管理が容易であり、養生等も必要ないために注目されつつある。このような乾式シートによる耐火被覆のうち、特に施工時には厚みが少なく、火災時には発泡して炭化層をつくるタイプのものが脚光を浴びている。
このようなシートは発泡耐火シートと呼ばれているが、これは施工時には美観ないし意匠性を持たせるような部位への施工要望が多く、発泡耐火シート上に保護仕上層を設けることが頻繁に行なわれている。
例えば、特許文献1によれば、保護仕上げ層は一般に仕上げ面がフラットになるような単色系の塗料によって形成する場合がほとんどであり、仕上げ面がフラットになることが要求される。
ところが、実際に発泡耐火シートを施工部位に貼着した場合、このシートの突き合わせ部、重ね合わせ部等に段差ができ、不陸が発生するという問題がある。このような場合には、わざわざサンダー等により不陸部分のケレンを行い、耐火被覆面をフラットな状態にした後、保護仕上げ面を形成するという煩雑な施工方法が基本的に必要となる。
特に、発泡耐火シートどうしの突き合わせ部又は重ね合わせ部については、シートの厚みが薄い場合は、図1に示すようにシートの末端部を重ねた後、カッター等でシートの一部を切断してフラットにする加工処理が施されている(図1(a)〜(d))。一方、シートが厚い場合には、図2のように突き合わせ部分をパテ、シーリング剤等で継ぎ目を埋めて処理にする施工方法がとられている(図2(a)〜(d))。
特開平7−276552号公報
しかしながら、上記のような加工処理等によって表面を平坦化しても、突き合わせ部や重ね合せ部の内部では空隙が残存しやすい。火災等での温度上昇によりシートが発泡した場合には、このような空隙が発泡層に亀裂や割れを引き起こしてしまい、耐火性の低下をもたらすおそれが高い。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、優れた耐火性及び意匠性を付与しつつ、比較的容易かつ確実に発泡耐火シートを被覆できる方法を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記のような従来技術の問題点を鑑み、鋭意研究を行った結果、特に、発泡耐火シートの継ぎ目部分にあたるシート末端部を特定形状に加工することによって、温度上昇時には亀裂や割れを生じない耐火性に優れた発泡層を形成できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の発泡耐火シート被覆工法に関する。
項1.耐火性を付与すべき基材に発泡耐火シートを被覆するに際し、
(1)シート末端部の側面形状が鋭角部分を有する発泡耐火シートを、当該鋭角部分をもつ面を基材に接するように設置し、かつ、当該シート末端部どうしを突き合わせる工程、及び
(2)当該突き合わせ部に発泡耐火パテを充填して均す工程
を有する発泡耐火シート被覆工法。
項2.発泡耐火パテが、前記発泡耐火シート組成と同じ組成の発泡耐火パテである、上記項1に記載の発泡耐火シートの被覆方法。
項3.発泡耐火シートの上からさらに化粧層を設ける上記項1又は2に記載の発泡耐火シート被覆方法。
項4.化粧層上にさらにクリヤー塗料を施工する上記項3に記載の発泡耐火シートの被覆工法。
項1.耐火性を付与すべき基材に発泡耐火シートを被覆するに際し、
(1)シート末端部の側面形状が鋭角部分を有する発泡耐火シートを、当該鋭角部分をもつ面を基材に接するように設置し、かつ、当該シート末端部どうしを突き合わせる工程、及び
(2)当該突き合わせ部に発泡耐火パテを充填して均す工程
を有する発泡耐火シート被覆工法。
項2.発泡耐火パテが、前記発泡耐火シート組成と同じ組成の発泡耐火パテである、上記項1に記載の発泡耐火シートの被覆方法。
項3.発泡耐火シートの上からさらに化粧層を設ける上記項1又は2に記載の発泡耐火シート被覆方法。
項4.化粧層上にさらにクリヤー塗料を施工する上記項3に記載の発泡耐火シートの被覆工法。
以下に、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
1.耐火性を付与すべき基材
本発明の耐火性を付与すべき基材としては、建築物・土木構築物等の構造物において耐火構造にできる部分をすべて含み、壁、柱、床、梁、屋根、階段等のすべての部位を含む。特に、意匠性が求められるのは人目に触れる部分であることから、本発明の工法は壁、柱、床、梁等への施工にも有効である。このような施工部位は、コンクリート、金属等で形成されていることがほとんどであるが、特に金属で形成されている部位・部材(例えばH型鋼、鉄骨丸柱、鉄骨角柱等)は予め防錆塗料を塗付して防錆処理をしておいても良い。その他、基材として木部、樹脂部分等への適用も可能である。
2.発泡耐火シート
本発明で使用する発泡耐火シート(以下「シート」ともいう)は、火災等により周辺温度が所定の発泡温度に達すると発泡し、炭化断熱層を形成するものであれば特に限定されず、公知のものも使用できる。
1.耐火性を付与すべき基材
本発明の耐火性を付与すべき基材としては、建築物・土木構築物等の構造物において耐火構造にできる部分をすべて含み、壁、柱、床、梁、屋根、階段等のすべての部位を含む。特に、意匠性が求められるのは人目に触れる部分であることから、本発明の工法は壁、柱、床、梁等への施工にも有効である。このような施工部位は、コンクリート、金属等で形成されていることがほとんどであるが、特に金属で形成されている部位・部材(例えばH型鋼、鉄骨丸柱、鉄骨角柱等)は予め防錆塗料を塗付して防錆処理をしておいても良い。その他、基材として木部、樹脂部分等への適用も可能である。
2.発泡耐火シート
本発明で使用する発泡耐火シート(以下「シート」ともいう)は、火災等により周辺温度が所定の発泡温度に達すると発泡し、炭化断熱層を形成するものであれば特に限定されず、公知のものも使用できる。
具体的には、適用する部位、材質等に応じて適宜選択できるが、例えば特開平5−220879号公報、特開平7−276552号公報に開示されるような発泡耐火塗料を公知の方法により塗膜化してシート状としたもの、これら発泡耐火塗料を不織布、織布等の布状物に含浸させたもの、あるいはこれらを積層したもの、不燃性布状物(金属箔等を含む)上に積層したもの等が本発明のシートとして使用できる。
発泡耐火シートを構成するバインダーとしては、一般には熱可塑性樹脂が使用される。熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばビニルトルエン−ブタジエン共重合体、ビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合体、ビニルトルエン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、あるいはこれらの共重合体を構成する2種のモノマーとアクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー等との三元共重合体等の樹脂が挙げられる。この場合において、アクリル酸エステル成分又はメタクリル酸エステル成分を含む共重合体中のアクリル酸モノマー又はメタクリル酸モノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は2種以上で使用できる。
バインダー以外の成分として、公知の発泡耐火シート(発泡耐火塗料)として用いられる成分、例えば難燃剤、発泡剤、炭化剤、充填材等が含まれていても良い。これらの成分は、火災発生時において、相互の複合作用によりシートの発泡、炭化層形成、不燃性ガス発生等の機能を発現するものである。
難燃剤は、一般に、火災時に脱水冷却効果、不燃性ガス発生効果、バインダー炭化促進効果等の少なくとも1つの効果を発揮し、バインダーの燃焼を防止ないし抑制するものである。本発明において、難燃剤としては、公知の発泡耐火シートにおける難燃剤と同様のものが使用でき、例えばトリクレジルホスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、ジフェニルオクチルフォスフェート、トリ(β−クロロエチル)フォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリ(ジクロロプロピル)フォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリ(ジブロモプロピル)フォスフェート、クロロフォスフォネート、ブロモフォスフォネート、ジエチル−N, N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルフォスフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ヒドロキシメチルフォスフォネート等の有機リン系化合物;塩素化ポリフェニル、塩素化ポリエチレン、塩化ジフェニル、塩化トリフェニル、五塩化脂肪酸エステル、パークロロペンタシクロデカン、塩素化ナフタレン、テトラクロル無水フタル酸等の塩素化合物;三酸化アンチモン、五塩化アンチモン等のアンチモン化合物;三塩化リン、五塩化リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン化合物;その他ホウ酸亜鉛、ホウ酸ソーダ等の無機質化合物等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上で使用することができる。
発泡剤は、主に、火災時に不燃性ガスを発生させて、炭化していくバインダー及び下記の炭化剤を発泡させ、気孔を含有した炭化断熱層を形成させる効果を発揮するものである。発泡剤としては、例えばメラミン及びその誘導体、ジシアンジアミド及びその誘導体、アゾジカーボンアミド、尿素、チオ尿素等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上で使用できる。
炭化剤は、一般に、火災によるバインダーの炭化とともにそれ自体も脱水炭化していくことにより、断熱性により優れた厚みのある炭化断熱層を形成する効果を発揮するものである。炭化剤としては、公知の発泡耐火シートにおける炭化剤と同様のものが使用でき、例えばペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール;デンプン、カゼイン等が挙げられる。これら炭化剤は単独で又は2種以上で使用できる。
充填剤は、一般に、炭化断熱層の強度を改善し、かつ、耐火性を高める効果を発揮するものである。充填剤としては、公知の発泡耐火シートにおける充填剤と同様のものが使用でき、例えばタルク等の珪酸塩;炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩;酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物;粘土、クレー、シラス、マイカ等の天然鉱物類等が挙げられる。これら充填剤は単独で又は2種以上で使用できる。
これらの成分以外にも、必要に応じて、例えば補強用繊維、着色用顔料等を適宜配合できる。補強用繊維としては、ロックウール、ガラス繊維、シリカーアルミナ繊維、カーボン繊維等の無機繊維、あるいはパルプ繊維、ポリプロピレン繊維、ビニル繊維、アラミド繊維等の有機繊維が挙げられる。着色顔料としては、一般の塗料顔料(有機顔料・無機顔料)が使用できる。本発明では、特にベンガラ、黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエロー、クロムグリーン、群青、コバルトブルー等の無機顔料が好ましい。さらに、耐火性能をより高めるために膨張性黒鉛、未膨張バーミキュライト等を配合しても良い。
また、必要に応じて、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の可塑剤を添加しても良い。但し、可塑剤の添加量が増加すると耐汚染性が低下することがあるので、その添加量は可能な限り少なくすることが好ましい。
本発明で用いる発泡耐火シートは、溶剤含有量の少ないものが好ましく、特に溶剤が実質的に残存していないものが好ましい。通常、発泡耐火シートには、製造原料中に含まれている溶剤あるいは製造工程中に配合された溶剤が一部蒸発せずに残存する。これに対し、本発明においては、耐火性、安全性、作業性等の面から溶剤残存量が少ないほど好ましい。
従って、本発明では、溶剤含有量の少ない発泡耐火シート用組成物から製造(成形)された発泡耐火シートを用いることが好ましい。特に、全溶剤含有量が10重量%以下(好ましくは5重量%以下)の発泡耐火シート用組成物から得られる発泡耐火シートを好適に用いることができる。なお、上記組成物中の全溶剤含有量の下限は、均一な発泡耐火シート用組成物が調整できる限りは特に制限されない。
このような組成物は、例えばバインダー成分として無溶剤型樹脂を用いて調整することができる。無溶剤型樹脂としては、溶剤を含まない以外は公知の樹脂成分を使用することができる。例えば、ビーズ状あるいはペレット状樹脂の熱可塑性樹脂をそのまま無溶剤型樹脂として使用し、この樹脂の軟化温度まで加熱装置によって加熱し、ニーダー等によって混練しながら、その他の成分を混合すれば発泡耐火シート用組成物を調整できる。バインダー成分以外の成分は、公知の発泡耐火シートの成分・組成割合をそのまま採用できる。
発泡耐火シートの製造(成形)においては、例えば前記組成物を型枠内に流し込み、乾燥後に脱型する方法、前記組成物を加温塗工機によって離型紙に塗付した後に巻き取る方法、ニーダーによって混練した前記組成物を押し出し成型機によってシート状に加工する方法、ニーダーによって混練した前記組成物を対ロールの間に供給してシート状に加工する方法、前記組成物をペレット状にした後に押し出し成型機によってシート状に加工する方法、バンバリーミキサー、ミキシングロール等で混練した前記組成物を複数の熱ロールからなるカレンダによって圧延してシート状に加工する方法等が適宜採用できる。
発泡耐火シートの厚みは、発泡耐火シートの性能、適用部位等により適宜設定すれば良いが、通常は0.2〜5mm程度、好ましくは0.5〜2mmとする。0.2mm未満の場合には、充分な耐火性能が得られないことがある。5mmを超える場合は、厚みに相当するだけの耐火性能が十分得られない場合がある。但し、発泡耐火シートの性能、適用部位等によっては必ずしもこのような厚みに限定されるものではない。
本発明発泡耐火シートは、シート末端部の側面形状が鋭角部分を有するものである。すなわち、本発明発泡耐火シートは、そのシート末端部の側面(断面)が鋭角をなしている。鋭角部分を有している限りその形状は限定されないが、特に図3(a)〜(c)に示すような鋭角部分をもつ略台形の側面形状を有する発泡耐火シートを好適に使用することができる。鋭角部分の角度は、基本的には90度未満の範囲において発泡耐火シートの組成、使用部位等に応じて適宜設定すれば良いが、好ましくは60度以下、より好ましくは45度以下、最も好ましくは40度以下とする。このような形状への加工は、例えばカッター等により作り出すことができる。発泡耐火シートに対して垂直ではなく、角度をもたせながらカッターにより切断すれば、切断面(断面)がシートに対して鋭角をなす発泡耐火シートを得ることができる。このような加工をシートに施すことにより、継ぎ目部分処理後において、継ぎ目部分の内部に空隙が残存することなく、温度上昇の際、発泡層に亀裂や割れを生じず、安定した耐火性を得ることができる。なお、本発明の効果を妨げないような空隙の存在は許容される。
このように、本発明の発泡耐火シートは、特にシートどうしの一体接合用(熱融着接合用)のシートとして好適に用いることができる。特に、以下の発泡耐火シート被覆工法に適したものである。
3.発泡耐火シート被覆工法
本発明の発泡耐火シート被覆工法は、耐火性を付与すべき基材に発泡耐火シートを被覆するに際し、
(1)前記の発泡耐火シートを、当該鋭角部分をもつ面を基材に接するように貼着し、かつ、当該シート末端部どうしを突き合わせる工程、
(2)当該突き合わせ部に発泡耐火シート細幅材を重ね合せる工程、
(3)少なくとも当該重ね合わせ部に離型シートを重ねる工程、及び
(4)当該離型シートの上から加熱・押圧して当該重ね合わせ部を均す工程
を有する。
3.発泡耐火シート被覆工法
本発明の発泡耐火シート被覆工法は、耐火性を付与すべき基材に発泡耐火シートを被覆するに際し、
(1)前記の発泡耐火シートを、当該鋭角部分をもつ面を基材に接するように貼着し、かつ、当該シート末端部どうしを突き合わせる工程、
(2)当該突き合わせ部に発泡耐火シート細幅材を重ね合せる工程、
(3)少なくとも当該重ね合わせ部に離型シートを重ねる工程、及び
(4)当該離型シートの上から加熱・押圧して当該重ね合わせ部を均す工程
を有する。
すなわち、耐火性を付与すべき基材に発泡耐火シートを被覆する方法において、発泡耐火シートとして本発明の発泡耐火シートを用い、当該シート末端部どうしを接合するに際し、(1)鋭角部分をもつ面が基材に接し、当該シート末端部どうしが突き合わさるように、発泡耐火シートを基材に貼着する工程、(2)当該突き合わせ部に発泡耐火シート細幅材を重ね合せる工程、(3)少なくとも当該重ね合わせ部に離型シートを重ねる工程、及び(4)当該離型シートの上から加熱・押圧して当該重ね合わせ部を均す工程を有する。この一連の工程を図4に従って説明する。
まず、発泡耐火シート(1)は、図4(a)に示すように、シート末端部の側面形状の鋭角部分(3)をもつ面(4)を基材(2)に接するように貼着する。別途に用意した発泡耐火シート(1’)のシート末端部(又は上記発泡耐火シートの他端)の側面形状の鋭角部分(3’)をもつ面(4’)を基材(2)に接するように貼着し、これらのシート末端部(鋭角部分)どうしが突き合わされる。
発泡耐火シートのシート末端部どうしを突き合わせる際には、隙間なく(両シート末端部が接触した状態で)突き合わせても良いし、ある程度の間隔をもって突き合わせても良い。また、両シート末端部の鋭角部分は互いに同じ角度であっても良く、また異なる角度であっても良い。
発泡耐火シートを基材に貼着する方法としては、このシートの性能を妨げない限りいずれの方法で実施しても良い。例えば、基材及び発泡耐火シートの少なくとも一方に公知の接着剤又は粘着剤を塗付して発泡耐火シートを基材に貼着することができる。また、接着剤等を用いずに熱融着により発泡耐火シートを基材に直接貼着したり、あるいは基材側又は発泡耐火シート側の一部に接着剤を付けて発泡耐火シートを基材に仮固定し、次いで熱融着して基材に貼着することもできる。
次いで、図4(b)に示すように、発泡耐火シートの末端部どうしの突き合わせ部(シートどうしの境界部)に発泡耐火シート細幅材(5)を重ね合わせる。発泡耐火シート細幅材として用いる発泡耐火シートは、発泡耐火シートの一体化が実質的に行える限りは特に制限されず、公知の発泡耐火シートと同様の組成のものを用いることができる。特に、本発明では、突き合わせ部の発泡耐火シート組成と同じ組成の発泡耐火シートを用いるのが好ましい。発泡耐火シート細幅材のサイズは、上記突き合わせ部の大きさ等に応じて適宜設定すれば良いが、その幅は通常2〜10mm程度とすれば良い。また発泡耐火シート細幅材の形状は、シートの突き合わせ部に適用できる限り特に限定されず、例えば、短冊状、棒状、紐状等の形状のものが使用可能である。
また、本発明方法では、発泡耐火シート細幅材を使用せずに突き合わせる方法も包含される。すなわち、耐火性を付与すべき基材に発泡耐火シートを被覆するに際し、(1)前記の発泡耐火シートのシート末端部どうしを突き合わせて基材に貼着するにあたり、一方のシート末端部の鋭角部分をもつ面は基材に接し、他方のシート末端部の鋭角部分をもつ面は基材に接していない状態で突き合わせながら貼着する工程、(2)少なくとも当該突き合わせ部に離型シートを重ねる工程、及び(3)当該離型シートの上から加熱・押圧する均す工程を有する発泡耐火シート被覆工法も包含される。
後記の実施例(目地−6)で示すように、突き合わせるシート末端部の一方は、その鋭角部分を有する面が基材に接している。一方、他方のシート末端部は、その鋭角部分を有する面が基材に接していない。すなわち、鋭角部分をもたない面が基材に接している。このように突き合わせることによって、突き合わせるシート末端部の断面どうしが互いに接触し、空隙がない状態で突き合わせされることとなる。これにより、後工程でシートどうしが良好に熱融着される。かかる点から、本発明方法では、両シートの末端部の鋭角部分の角度は実質的に同じであることが好ましい。
次に、発泡耐火シート細幅材を用いる場合は、発泡耐火シートの末端部どうしを突き合わせ、発泡耐火シート細幅材を重ね合わせた後に、離型シート(6)を重ねる。また、上記細幅材を用いない場合は、突き合わせ部の上に離型シート(6)を重ねる。これらの場合、重ね合わせ部又は突き合わせ部(以下、両者をまとめて「重ね合わせ部」という。)のみならず、その周辺部分(発泡耐火シート)も含めて離型シートを重ねることができる。
本発明では、離型シートを用いることにより、加熱装置の温度が直接に発泡耐火シートに伝導しなくなるため、発泡耐火シートが徐々に昇温し、重ね合わせ部全体が適度に軟化するので一体化しやすく、均しにおいても離型シート表面の滑りの良さにより平坦化をスムースに行える。これに対し、離型シートを用いずに加熱装置を発泡耐火シートに押圧すると、加熱装置の温度が発泡耐火シート内部全体に伝導する前に発泡耐火シート表面の温度が上がるために引き続く均しを行う際に発泡耐火シートどうしが一体化しにくくなり、表面上は融着していても内部で肌別れが生じ、経時的には表面まで肌別れが延伸してクラックが生じるおそれがある。また、シートどうしを一体化させるために発泡耐火シート内部まで加熱できるように長時間にわたリ加熱装置を抑圧したままにしていると、発泡耐火シートの表面部分の軟化が進みすぎてベタつき、均しを行う際に加熱装置に発泡耐火シートの表面の軟化物が付着して平滑化することが困難となる。
離型シートとしては、かかる耐熱性・離型性がある限り特に制限されず、例えば紙シート、無機繊維シート、金属製シート、合成樹脂製シートあるいはこれらの複合材料からなるシート等の各種材質からなるシートを用いることができる。また、市販品も使用することができる。これらシートは、さらにポリテトラフルオロエチレン、シリコーン等で処理されているものも使用できる。よリ具体的には、ポリテトラフルオロエチレンで処理(例えば、テフロン(登録商標)加工(「テフロン(登録商標)」商標名、デュポン社)等)された耐熱ガラス繊維シート、シリコーンで表面被覆された紙シート等が挙げられる。本発明では、特にポリテトラフルオロエチレン製シート又はポリテトラフルオロエチレンで処理されたガラス繊維シートが好ましい。これらは市販品もそのまま使用できる。
離型シートには、必要に応じてその表面上に微細な凹凸模様を予め形成しても良い。これにより、加熱・抑圧の際にシート面に上記模様が転写され、発泡耐火シートに意匠性を付与することができる。
離型シートの厚さは、重ね合わせ部を有効に一体化できる限りは離型シートの材質、発泡耐火シートの種類等によって適宜設定すれば良いが、通常は0.02〜0.3mm程度とすれば良い。
本発明では、上記離型シートに代えて、可剥性離型シートを発泡耐火シート及び発泡耐火シート細幅材の両者又はいずれか一方に予め積層した積層体を用いることもできる。これにより、工程の簡略化を図ることができ、さらに重ね合わせ部のみならずシート全体の均しを容易に行うこともできる。
可剥性離型シートの材質としては、前記の離型シートと同様のものが使用でき、これらを発泡耐火シートに可剥性を維持しながら貼着する。可剥性を維持しながら貼着する方法は、重ね合わせ部を熱融着によりー体化した後に容易に剥離できるようにすれば良い。例えば、発泡耐火シートの製造工程において、シート成形後、シリコーン等で表面被覆された離型シートを、当該表面被覆された面が接するようにロール等を用いて発泡耐火シートに圧着させて積層すれば良い。積層体の末端部においては、発泡耐火シートと可剥性離型シートが揃っていても良いし、いずれかがはみ出ていても良い。
次に、離型シート(又は可剥性離型シート)(6)の上部から加熱・押圧して重ね合わせ部を均す(図4(d))。加熱する温度は、発泡耐火シートの軟化温度以上とすれば良く、通常は200℃以下の範囲内で適宜設定すれば良い。また、発泡耐火シートの種類によっては200℃を超える温度で加熱しても良い。均しの圧力も、用いる発泡耐火シートの種類等に応じて、その重ね合わせ部が平坦になるように適宜調節すれば良い。この工程で用いる加熱・押圧装置(7)としては、加熱・抑圧をできる限りは特に制限されないが、例えば加熱装置を備えたアイロン、ローラー、コテ等を用いれば加熱・押圧が同時にできるので好ましい。
加熱・押圧した後、離型シート(6)を取り外せば良い(図4(e))。また、上記積層体を用いる場合も同様に可剥性離型シートを取り外せば良い。この場合、発泡耐火シートの種類によっては、加熱直後は離型シート(可剥性離型シート)と離型しにくいこともあるので、そのような場合には適当に冷却してから離型シートを取り外せば良い。冷却方法は、強制冷却、自然放冷等のいずれの方法であっても良い。また、加熱・押圧した後において、余分なシート部分が発生した場合はカッター等で切断して取り除けば良い。
本発明では、発泡耐火シート細幅材のほか、当該突き合わせ部に発泡耐火パテを充填することによっても施工することができる。発泡耐火パテは、発泡耐火シートの一体化が実質的に行える限りは特に制限されず、公知の発泡耐火シート用組成物(発泡耐火塗料)と同様の組成のものを用いることができる。特に、本発明では、突き合わせ部のシート組成と同じ組成の発泡耐火パテを用いるのが好ましい。
(4)化粧層等の形成
本発明では、発泡耐火シートを基材に被覆した後、必要に応じて発泡耐火シート上に化粧層を形成させても良い。化粧層は、公知の施工方法で形成させれば良く、例えば発泡耐火シートに各種塗料を塗装したり、あるいは化粧フィルム、化粧シート等を積層しても良い。例えば、公知の石材調貼り仕上材等を用いて施工することもできる。
(4)化粧層等の形成
本発明では、発泡耐火シートを基材に被覆した後、必要に応じて発泡耐火シート上に化粧層を形成させても良い。化粧層は、公知の施工方法で形成させれば良く、例えば発泡耐火シートに各種塗料を塗装したり、あるいは化粧フィルム、化粧シート等を積層しても良い。例えば、公知の石材調貼り仕上材等を用いて施工することもできる。
また、本発明では、化粧層の形成に先立って必要に応じて化粧用下塗材(単に「下塗材」ともいう)を発泡耐火シートに塗布しても良い。下塗材の塗布によって、主として、発泡耐火シート積層後におけるシートと化粧層との密着性をよリ高めることができる。また、化粧目地を形成する際には、着色タイプの下塗材を使用して目地部分とすることも可能である。
下塗材としては、発泡耐火シート及び化粧層との密着性が確保できる限り特に限定されず、公知のものも使用できる。例えば、シーラー、プライマー、下地調整材、サーフェーサー等のほか、通常のフラットタイプの塗料も適用できる。また、クリヤータイプ又は着色タイプのいずれであっても良い。また、発泡耐火シートの耐水性を損なわない限り、水系・溶剤系のいずれでも良く、塗装箇所等に応じて適宜選択できる。例えば、内装部分を施工する場合には、水系のものを使用するのが好ましい。化粧仕上げを行う際に目地を形成させる場合は、下塗材を目地色に着色しても良い。本発明では、特に目地部分に下塗材が露出することを考慮すると、耐候性に優れた粒子間架橋タイプのアクリル樹脂エマルション系塗料を用いることが好ましい。
本発明における化粧用下塗材の塗装は、公知の塗装方法に従えば良く、例えば吹き付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等により行うことができる。特に、内装部分に使用する場合は養生等の手間を考慮するとローラー塗装、刷毛塗り等によるのが適当である。
また、本発明では、上記化粧層の保護を主目的としてさらにクリヤー塗料を塗布することもできる。特に耐候性が要求される構造物外部の部位に施工する際には化粧層にクリヤー塗料を塗付するのが好ましい。
クリヤー塗料は、特に限定されず公知のものが使用できる。例えば、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、アクリルシリコン系、フッ素系等の塗料が挙げられる。また、水系又は溶剤系のいずれであっても良いが、特に内装部分に塗装する際には水系の方が望ましい。また、クリヤー塗料は、非汚染タイプの方が好ましい。さらに、艶消しタイプでも艶有りタイプでもいずれであっても良い。本発明では、耐候性を考慮すると、アクリルシリコン系、フッ素系等が望ましい。クリヤー塗料による塗装は、公知の塗装によれば良く、例えば吹き付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等の各種の塗装方法により実施することができる。
本発明方法によれば、発泡耐火シートとして末端部の側面形状に鋭角部分を有するものを用い、これを特定方法により施工するので、シートどうしの継ぎ目部分の内部に空隙が実質的に残存しない状態とすることができる。
これにより、温度上昇の際、発泡層に亀裂や割れを生じず、安定した耐火性を得ることができる。特に、継ぎ目部分の肉痩せ又は目開きを確実に防止することができ、経時的な耐火性能の低下を防止し、ムラのない均一な耐火性能を得ることができる。
また、発泡耐火シートどうしが実質的に一体化されているので外観上も優れており、化粧層等の形成も容易に行うことができる結果、耐火性のみならず意匠性にも優れた効果を発揮することができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。なお、実施例及び比較例では、発泡耐火シートはいずれも表1に示す組成のものを使用した。
実施例1
(1)試験体の作製
表2に示す試験体(目地−1〜6)を作製した。
(1)試験体の作製
表2に示す試験体(目地−1〜6)を作製した。
i) 目地−1
表2に示すようにシート末端部の側面形状に鋭角部分のない通常の発泡耐火シート(幅150mm、長さ370mm、厚さ2mm)を用いた。このシートが基材と接する面に、アクリル樹脂系粘着剤を約800g/m2の塗付量にてローラーで全面塗付した。次に、錆止め塗装された直径115mm・長さ150mmの丸鋼管に発泡耐火シートを貼り付けた。
表2に示すようにシート末端部の側面形状に鋭角部分のない通常の発泡耐火シート(幅150mm、長さ370mm、厚さ2mm)を用いた。このシートが基材と接する面に、アクリル樹脂系粘着剤を約800g/m2の塗付量にてローラーで全面塗付した。次に、錆止め塗装された直径115mm・長さ150mmの丸鋼管に発泡耐火シートを貼り付けた。
次いで、シート末端部どうしを重ね合わせ、重ね合わせ部にテフロン(登録商標)加工した耐熱ガラス繊維シート(幅100mm、長さ150mm)を離型シートとして載置し、180℃に温度設定したアイロンにて加熱しながら上記重ね合わせ部を均し、放冷した後、離型シートを取り外し、試験体(目地−1)を得た。
ii) 目地−2
シート末端部どうしの重ね合わせ部に形成された空間に2液型エポキシ樹脂接着剤を充填したほかは、目地−1と同様にして試験体(目地−2)を得た。
シート末端部どうしの重ね合わせ部に形成された空間に2液型エポキシ樹脂接着剤を充填したほかは、目地−1と同様にして試験体(目地−2)を得た。
iii) 目地−3
シート末端部どうしを重ね合わせ部において、下側のシートを加熱して熱融着したほかは、目地−1と同様にして試験体(目地−3)を得た。
シート末端部どうしを重ね合わせ部において、下側のシートを加熱して熱融着したほかは、目地−1と同様にして試験体(目地−3)を得た。
iv) 目地−4(本発明)
シート末端部の側面形状が鋭角部分(約40度)になるように切断加工した発泡耐火シート(長さ360mm)を用いたほかは、目地−1の場合と同様に発泡耐火シートを貼り付けた。
シート末端部の側面形状が鋭角部分(約40度)になるように切断加工した発泡耐火シート(長さ360mm)を用いたほかは、目地−1の場合と同様に発泡耐火シートを貼り付けた。
次いで、シートどうしの突き合わせ部分に、前記発泡耐火シートと同一組成の細幅材(幅7mm、長さ150mm、厚さ2mm)を重ね合わせ、重ね合わせ部に目地−1で使用したものと同様の離型シートを載置し、180℃に温度設定したアイロンにて加熱しながら上記重ね合わせ部を均し、放冷した後、離型シートを取り外し、試験体(目地−4)を得た。
v) 目地−5
シート末端部どうしの重ね合わせ部に形成された空間に耐火性パテを充填したほかは、目地−1と同様にして試験体(目地−5)を得た。
シート末端部どうしの重ね合わせ部に形成された空間に耐火性パテを充填したほかは、目地−1と同様にして試験体(目地−5)を得た。
vi) 目地−6
一方のシート末端部は鋭角部分を有する面が基材に接し、他方のシート末端部は鋭角部分を有する面が基材に接していない状態で、シート末端部を互いに突き合わせる。このとき、シート末端部の鋭角部分の断面どうしはほぼ完全に接触し、ほとんど隙間のない状態となっている。次いで、その突き合わせ部に目地−1で使用したものと同様の離型シートを載置し、180℃に温度設定したアイロンにて加熱しながら上記重ね合わせ部を均し、放冷した後、離型シートを取り外し、試験体(目地−6)を得た。
(2)試験体の加熱試験
これらの試験体について、加熱試験を行った。試験方法は、建築構造物の耐火試験方法JIS A 1304の「4.加熱等級;付図1」に規定する標準曲線に基づいて、電気炉で加熱することにより実施した。耐火時間は60分とした。その結果を表3に示す。
一方のシート末端部は鋭角部分を有する面が基材に接し、他方のシート末端部は鋭角部分を有する面が基材に接していない状態で、シート末端部を互いに突き合わせる。このとき、シート末端部の鋭角部分の断面どうしはほぼ完全に接触し、ほとんど隙間のない状態となっている。次いで、その突き合わせ部に目地−1で使用したものと同様の離型シートを載置し、180℃に温度設定したアイロンにて加熱しながら上記重ね合わせ部を均し、放冷した後、離型シートを取り外し、試験体(目地−6)を得た。
(2)試験体の加熱試験
これらの試験体について、加熱試験を行った。試験方法は、建築構造物の耐火試験方法JIS A 1304の「4.加熱等級;付図1」に規定する標準曲線に基づいて、電気炉で加熱することにより実施した。耐火時間は60分とした。その結果を表3に示す。
表3の結果からも明らかなように、本発明品である目地−4及び目地−6では、全体が均一に発泡し、亀裂、割れ等の異常は認められなかった。これに対し、目地−1〜目地−3及び目地−5は、いずれも目地部分(継ぎ目部分)に何らかの割れが認められた。
Claims (4)
- 耐火性を付与すべき基材に発泡耐火シートを被覆するに際し、
(1)シート末端部の側面形状が鋭角部分を有する発泡耐火シートを、当該鋭角部分をもつ面を基材に接するように設置し、かつ、当該シート末端部どうしを突き合わせる工程、及び
(2)当該突き合わせ部に発泡耐火パテを充填して均す工程
を有する発泡耐火シート被覆工法。 - 発泡耐火パテが、前記発泡耐火シート組成と同じ組成の発泡耐火パテである、請求項1に記載の発泡耐火シートの被覆方法。
- 発泡耐火シートの上からさらに化粧層を設ける請求項1又は2に記載の発泡耐火シート被覆方法。
- 化粧層上にさらにクリヤー塗料を施工する請求項3に記載の発泡耐火シートの被覆工法。
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