JPH07276552A - 発泡耐火性積層体とその形成方法 - Google Patents
発泡耐火性積層体とその形成方法Info
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- JPH07276552A JPH07276552A JP7349794A JP7349794A JPH07276552A JP H07276552 A JPH07276552 A JP H07276552A JP 7349794 A JP7349794 A JP 7349794A JP 7349794 A JP7349794 A JP 7349794A JP H07276552 A JPH07276552 A JP H07276552A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】主材層と保護仕上層とからなり、屋外において
も長期にわたり美観を維持し且つ優れた耐久性および耐
水性を発揮し、火災などの温度上昇時に保護仕上層が主
材層の発泡炭化作用を妨げることなく、所期の優れた耐
火性能を発揮する発泡耐火性積層体を提供することを主
な目的とする。 【構成】火災により周辺温度が所定の発泡温度に達する
と発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成を行う
発泡耐火材料からなる主材層上に、正常時には主材層を
保護し、且つ火災時には主材層の発泡温度以下で熱分解
を起こす保護仕上層を積層したことを特徴とする発泡耐
火性積層体。
も長期にわたり美観を維持し且つ優れた耐久性および耐
水性を発揮し、火災などの温度上昇時に保護仕上層が主
材層の発泡炭化作用を妨げることなく、所期の優れた耐
火性能を発揮する発泡耐火性積層体を提供することを主
な目的とする。 【構成】火災により周辺温度が所定の発泡温度に達する
と発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成を行う
発泡耐火材料からなる主材層上に、正常時には主材層を
保護し、且つ火災時には主材層の発泡温度以下で熱分解
を起こす保護仕上層を積層したことを特徴とする発泡耐
火性積層体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火災時の加熱により発
泡および炭化して、保護すべき被覆物に断熱性乃至耐火
性を付与する発泡耐火性積層体、長期にわたり優れた耐
火性能を維持し続け、発泡時にその耐火性能を充分に発
揮できる発泡耐火性積層体、およびこの様な発泡耐火性
積層体の形成方法に関する。
泡および炭化して、保護すべき被覆物に断熱性乃至耐火
性を付与する発泡耐火性積層体、長期にわたり優れた耐
火性能を維持し続け、発泡時にその耐火性能を充分に発
揮できる発泡耐火性積層体、およびこの様な発泡耐火性
積層体の形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】建築物、土木構築物などの構造物において
は、火災などの高温により、これら構造物の基材である
鉄骨およびコンクリートの機械的強度が急激に低下する
ので、これを防止するために、耐火性塗材を基材に塗付
し、基材の温度上昇を遅延させることが行われている。
この様な方法の代表的なものとして、セメントなどの無
機質バインダーに、ロックウール、アスベスト、ガラス
繊維などの無機質繊維状物質;パーライト、バーミキュ
ライト等など軽量骨材;結晶水を含有する無機質粉体な
どを適宜選択して混合し、水と混練し、ペースト状或い
はスラリー状になった混合組成物を基材表面に厚付けす
る湿式耐火被覆方法がある。
は、火災などの高温により、これら構造物の基材である
鉄骨およびコンクリートの機械的強度が急激に低下する
ので、これを防止するために、耐火性塗材を基材に塗付
し、基材の温度上昇を遅延させることが行われている。
この様な方法の代表的なものとして、セメントなどの無
機質バインダーに、ロックウール、アスベスト、ガラス
繊維などの無機質繊維状物質;パーライト、バーミキュ
ライト等など軽量骨材;結晶水を含有する無機質粉体な
どを適宜選択して混合し、水と混練し、ペースト状或い
はスラリー状になった混合組成物を基材表面に厚付けす
る湿式耐火被覆方法がある。
【0003】しかしながら、この様な湿式耐火被覆方法
において使用される公知の塗材組成物は、使用する材料
の種類にもよるが、例えば、鉄骨鉄筋コンクリート構造
物の柱、梁などでは、1時間耐火性能(標準加熱曲線に
て1時間加熱した場合、鋼材温度が平均で350℃以
下、最高温度で450℃以下であること)でみると、2
0〜40mm程度の被覆厚みが必要であり、かなりの厚
付けである。従って、建築現場において施工を行う際に
は、重量の大きい塗材を搬入しなければならないので、
運送費用がかさむという問題がある。また、厚付け施工
を行う場合には、施工部が基材から大きく突出し、圧迫
感を与えるため、美的な観点からも、必ずしも満足すべ
きものと言えない。さらに、施工後に剥離、脱落などの
事故が生じる場合もある。
において使用される公知の塗材組成物は、使用する材料
の種類にもよるが、例えば、鉄骨鉄筋コンクリート構造
物の柱、梁などでは、1時間耐火性能(標準加熱曲線に
て1時間加熱した場合、鋼材温度が平均で350℃以
下、最高温度で450℃以下であること)でみると、2
0〜40mm程度の被覆厚みが必要であり、かなりの厚
付けである。従って、建築現場において施工を行う際に
は、重量の大きい塗材を搬入しなければならないので、
運送費用がかさむという問題がある。また、厚付け施工
を行う場合には、施工部が基材から大きく突出し、圧迫
感を与えるため、美的な観点からも、必ずしも満足すべ
きものと言えない。さらに、施工後に剥離、脱落などの
事故が生じる場合もある。
【0004】基材に対し耐火性を付与する他の方法とし
て、基材に対し、火災などの温度上昇時に塗膜が発泡し
て、基材に耐火性を付与する発泡耐火性塗料を吹付け、
こて塗り、刷毛塗り、ローラー塗りなどの手法によって
塗布しておく方法がある。この塗料は、温度上昇により
分解して不燃性ガスを発生する発泡成分と炭素化して多
孔質の炭化層を形成する成分とを含有しており、不燃性
ガスの発生により火災の消火効果を発揮するとともに、
炭素化成分による多孔質炭化層の形成により断熱効果を
発揮するものである。この様な発泡耐火性塗料は、火災
時の加熱により、数倍〜数十倍の倍率で発泡して断熱層
を形成するため、当初の塗膜は、通常数mm程度以下の
厚みである。従って、湿式耐火被覆塗材に比して、塗膜
は極端に薄くなり、圧迫感が少なく、スッキリとした感
じに仕上がる。また湿式耐火被覆塗材に比して、使用材
料が少なくて済み、運搬上の問題も解決される。
て、基材に対し、火災などの温度上昇時に塗膜が発泡し
て、基材に耐火性を付与する発泡耐火性塗料を吹付け、
こて塗り、刷毛塗り、ローラー塗りなどの手法によって
塗布しておく方法がある。この塗料は、温度上昇により
分解して不燃性ガスを発生する発泡成分と炭素化して多
孔質の炭化層を形成する成分とを含有しており、不燃性
ガスの発生により火災の消火効果を発揮するとともに、
炭素化成分による多孔質炭化層の形成により断熱効果を
発揮するものである。この様な発泡耐火性塗料は、火災
時の加熱により、数倍〜数十倍の倍率で発泡して断熱層
を形成するため、当初の塗膜は、通常数mm程度以下の
厚みである。従って、湿式耐火被覆塗材に比して、塗膜
は極端に薄くなり、圧迫感が少なく、スッキリとした感
じに仕上がる。また湿式耐火被覆塗材に比して、使用材
料が少なくて済み、運搬上の問題も解決される。
【0005】従って、耐火性が必要であり、且つ鉄骨外
観の化粧性が必要とされる建築物の部位に対しては、発
泡耐火性塗料を使用する施工方法が広く採用されつつあ
る。この様な発泡性耐火性塗料とその製造方法の1例
は、特開平5−220879号公報に開示されている。
この公報は、平面または非平面の被積層物に、(A)り
ん及び/又は硫黄を含有する化合物と合成樹脂と有機性
発泡剤と該りん及び/または硫黄を含有する化合物以外
の無機化合物とからなる含りん・窒素発泡性耐火塗装剤
と、(B)ガラス繊維のチョップドストランドとを積層
してなる耐火性材料及びその製造方法を開示している。
観の化粧性が必要とされる建築物の部位に対しては、発
泡耐火性塗料を使用する施工方法が広く採用されつつあ
る。この様な発泡性耐火性塗料とその製造方法の1例
は、特開平5−220879号公報に開示されている。
この公報は、平面または非平面の被積層物に、(A)り
ん及び/又は硫黄を含有する化合物と合成樹脂と有機性
発泡剤と該りん及び/または硫黄を含有する化合物以外
の無機化合物とからなる含りん・窒素発泡性耐火塗装剤
と、(B)ガラス繊維のチョップドストランドとを積層
してなる耐火性材料及びその製造方法を開示している。
【0006】さらに、最近になってこの様な発泡炭化前
の発泡耐火塗料の塗膜に対して、より一層の美観乃至意
匠性、則ち、建築および土木用の一般塗料のような色彩
的な多様性を要求する動きが高まってきた。しかしなが
ら、発泡耐火塗料そのものを着色するために、例えば発
泡耐火性塗料配合中に着色顔料などの着色料を混合する
と、耐火性能を低下させたり、コストを高めたりするこ
とが予想される。そこでこの様な着色による美観の改善
という要望に応えるために、現在では、発泡耐火性塗料
の塗膜を主材層とし、従来から使用されている汎用の着
色塗料を仕上層として積層することにより、耐火効果は
主材層によって達成し、色彩効果は仕上層によって得る
という機能分離の手法が用いられている。例えば、上記
の特開平5−220879号公報に記載された技術にお
いても、被積層物に積層した耐火性材料表面に化粧合
板、突板、壁紙などを貼り合わせることにより、化粧性
を向上させている。
の発泡耐火塗料の塗膜に対して、より一層の美観乃至意
匠性、則ち、建築および土木用の一般塗料のような色彩
的な多様性を要求する動きが高まってきた。しかしなが
ら、発泡耐火塗料そのものを着色するために、例えば発
泡耐火性塗料配合中に着色顔料などの着色料を混合する
と、耐火性能を低下させたり、コストを高めたりするこ
とが予想される。そこでこの様な着色による美観の改善
という要望に応えるために、現在では、発泡耐火性塗料
の塗膜を主材層とし、従来から使用されている汎用の着
色塗料を仕上層として積層することにより、耐火効果は
主材層によって達成し、色彩効果は仕上層によって得る
という機能分離の手法が用いられている。例えば、上記
の特開平5−220879号公報に記載された技術にお
いても、被積層物に積層した耐火性材料表面に化粧合
板、突板、壁紙などを貼り合わせることにより、化粧性
を向上させている。
【0007】また、発泡耐火性塗料中の発泡耐火能を付
与する各構成成分は、親水性の高いものを多く使用して
いる。従って、発泡耐火性塗料のみを塗布した状態で外
部において使用する場合には、塗布層自体の耐久性乃至
耐水性が劣るので、長期間経過後に火災などにより温度
が上昇した際に、発泡耐火性塗料の塗膜がすでに劣化し
ていることが原因となって、本来行われる筈の均一で良
好な発泡が行われず、所期の耐火性能を発揮することが
できない場合がある。この様な問題も、耐久性乃至耐水
性に優れる保護仕上層をさらに積層することにより解決
できるため、保護仕上層の積層が行われている。
与する各構成成分は、親水性の高いものを多く使用して
いる。従って、発泡耐火性塗料のみを塗布した状態で外
部において使用する場合には、塗布層自体の耐久性乃至
耐水性が劣るので、長期間経過後に火災などにより温度
が上昇した際に、発泡耐火性塗料の塗膜がすでに劣化し
ていることが原因となって、本来行われる筈の均一で良
好な発泡が行われず、所期の耐火性能を発揮することが
できない場合がある。この様な問題も、耐久性乃至耐水
性に優れる保護仕上層をさらに積層することにより解決
できるため、保護仕上層の積層が行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、火災発
生による発泡炭化前の発泡耐火塗料塗膜においては、主
材層と保護仕上層とが密着している限り、どの様な保護
仕上層を使用しても良いが、火災などの温度上昇時に
は、保護仕上層を構成する材料の種類によっては、主材
層の発泡炭化が阻害され、所期の耐火効果が得られない
場合があることが判明した。
生による発泡炭化前の発泡耐火塗料塗膜においては、主
材層と保護仕上層とが密着している限り、どの様な保護
仕上層を使用しても良いが、火災などの温度上昇時に
は、保護仕上層を構成する材料の種類によっては、主材
層の発泡炭化が阻害され、所期の耐火効果が得られない
場合があることが判明した。
【0009】また、個性的な建築様式が好まれる昨今に
おいて、発泡耐火性塗料の塗膜が長期的な耐久性を有し
ていない場合には、膨れ、剥がれ、変色などを生じ、建
築物の外観乃至美観を損ねるという新たな問題を生じる
場合があることも、判明した。
おいて、発泡耐火性塗料の塗膜が長期的な耐久性を有し
ていない場合には、膨れ、剥がれ、変色などを生じ、建
築物の外観乃至美観を損ねるという新たな問題を生じる
場合があることも、判明した。
【0010】従って、本発明は、主材層と保護仕上層と
からなり、屋外においても長期にわたり美観を維持し且
つ優れた耐久性および耐水性を発揮し、火災などの温度
上昇時に保護仕上層が主材層の発泡炭化作用を妨げるこ
となく、所期の優れた耐火性能を発揮する発泡耐火性積
層体を提供することを主な目的とする。
からなり、屋外においても長期にわたり美観を維持し且
つ優れた耐久性および耐水性を発揮し、火災などの温度
上昇時に保護仕上層が主材層の発泡炭化作用を妨げるこ
となく、所期の優れた耐火性能を発揮する発泡耐火性積
層体を提供することを主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な従来技術の問題点に留意しつつ、発泡耐火性塗料の主
材層の発泡機構および保護仕上層の保護機構について鋭
意研究を重ねた結果、保護仕上層として、その熱分解温
度が発泡耐火塗料により形成される主材層の発泡開始温
度より低い材料を主材層上に積層塗付する場合には、正
常時には保護仕上層が長期にわたり主材層を保護するこ
とができ、また火災時には保護仕上層の妨げられること
なく、主材層が均一且つ良好に発泡できることを見出し
た。
な従来技術の問題点に留意しつつ、発泡耐火性塗料の主
材層の発泡機構および保護仕上層の保護機構について鋭
意研究を重ねた結果、保護仕上層として、その熱分解温
度が発泡耐火塗料により形成される主材層の発泡開始温
度より低い材料を主材層上に積層塗付する場合には、正
常時には保護仕上層が長期にわたり主材層を保護するこ
とができ、また火災時には保護仕上層の妨げられること
なく、主材層が均一且つ良好に発泡できることを見出し
た。
【0012】則ち、本発明は、下記の発泡耐火性積層体
とそれに関連する技術を提供するものである。; 1.火災により周辺温度が所定の発泡温度に達すると発
泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成を行う発泡
耐火性材料からなる主材層上に、正常時には主材層を保
護し、且つ火災時には主材層の発泡温度以下で熱分解を
起こす保護仕上層を積層したことを特徴とする発泡耐火
性積層体。
とそれに関連する技術を提供するものである。; 1.火災により周辺温度が所定の発泡温度に達すると発
泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成を行う発泡
耐火性材料からなる主材層上に、正常時には主材層を保
護し、且つ火災時には主材層の発泡温度以下で熱分解を
起こす保護仕上層を積層したことを特徴とする発泡耐火
性積層体。
【0013】2.火災により周辺温度が所定の発泡温度
に達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形
成を行う発泡耐火性塗料を塗付して主材層を形成した
後、正常時には主材層を保護し、且つ火災時には主材層
の発泡温度以下で熱分解する保護仕上層を主材層上に形
成することを特徴とする発泡耐火性積層体の形成方法。
に達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形
成を行う発泡耐火性塗料を塗付して主材層を形成した
後、正常時には主材層を保護し、且つ火災時には主材層
の発泡温度以下で熱分解する保護仕上層を主材層上に形
成することを特徴とする発泡耐火性積層体の形成方法。
【0014】3.発泡耐火性塗料が、固形分換算で、バ
インダー100重量部に対して、難燃剤200〜600
重量部、発泡剤40〜150重量部、炭化剤40〜15
0重量部および充填剤50〜160重量部の割合で構成
されていることを特徴とする上記項2に記載の発泡耐火
性積層体の形成方法。
インダー100重量部に対して、難燃剤200〜600
重量部、発泡剤40〜150重量部、炭化剤40〜15
0重量部および充填剤50〜160重量部の割合で構成
されていることを特徴とする上記項2に記載の発泡耐火
性積層体の形成方法。
【0015】4.発泡耐火性塗料が、固形分換算で、バ
インダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体お
よび/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重
合体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸ア
ンモニウム200〜600重量部、発泡剤としてメラミ
ンを40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエリス
リトールを40〜150重量部、充填剤として二酸化チ
タンを50〜160重量部の割合で構成されている上記
項2または3に記載の発泡耐火性積層体の形成方法。
インダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体お
よび/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重
合体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸ア
ンモニウム200〜600重量部、発泡剤としてメラミ
ンを40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエリス
リトールを40〜150重量部、充填剤として二酸化チ
タンを50〜160重量部の割合で構成されている上記
項2または3に記載の発泡耐火性積層体の形成方法。
【0016】5.発泡耐火性塗料が、固形分換算で、バ
インダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体お
よび/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重
合体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸ア
ンモニウムを200〜600重量部、発泡剤としてメラ
ミンを40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエリ
スリトールを40〜150重量部、充填剤として二酸化
チタンを50〜160重量部および可塑剤として塩素化
パラフィン30〜160重量部の割合で構成されている
上記項2乃至4のいずれかに記載の発泡耐火性積層体の
形成方法。
インダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体お
よび/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重
合体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸ア
ンモニウムを200〜600重量部、発泡剤としてメラ
ミンを40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエリ
スリトールを40〜150重量部、充填剤として二酸化
チタンを50〜160重量部および可塑剤として塩素化
パラフィン30〜160重量部の割合で構成されている
上記項2乃至4のいずれかに記載の発泡耐火性積層体の
形成方法。
【0017】6.火災により周辺温度が所定の発泡温度
に達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形
成を行う発泡耐火性材料からなる主材層上に、正常時に
は主材層を保護し、且つ火災時には主材層の発泡温度以
下で熱分解を起こす保護仕上層を積層したことを特徴と
する発泡耐火性積層シート。
に達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形
成を行う発泡耐火性材料からなる主材層上に、正常時に
は主材層を保護し、且つ火災時には主材層の発泡温度以
下で熱分解を起こす保護仕上層を積層したことを特徴と
する発泡耐火性積層シート。
【0018】7.発泡耐火性材料が、固形分換算で、バ
インダー100重量部に対して、難燃剤200〜600
重量部、発泡剤40〜150重量部、炭化剤40〜15
0重量部および充填剤50〜160重量部の割合で構成
されている上記項6に記載の発泡耐火性積層シート。
インダー100重量部に対して、難燃剤200〜600
重量部、発泡剤40〜150重量部、炭化剤40〜15
0重量部および充填剤50〜160重量部の割合で構成
されている上記項6に記載の発泡耐火性積層シート。
【0019】8.発泡耐火性材料が、固形分換算で、バ
インダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体お
よび/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重
合体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸ア
ンモニウムを200〜600重量部、発泡剤としてメラ
ミンを40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエリ
スリトールを40〜150重量部、充填剤として二酸化
チタンを50〜160重量部の割合で構成されている上
記項6または7に記載の発泡耐火性積層シート。
インダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体お
よび/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重
合体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸ア
ンモニウムを200〜600重量部、発泡剤としてメラ
ミンを40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエリ
スリトールを40〜150重量部、充填剤として二酸化
チタンを50〜160重量部の割合で構成されている上
記項6または7に記載の発泡耐火性積層シート。
【0020】9.発泡耐火性材料が、固形分換算で、バ
インダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体お
よび/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重
合体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸ア
ンモニウムと塩素化パラフィンを合計量で200〜60
0重量部、発泡剤としてメラミンを40〜150重量
部、炭化剤としてジペンタエリスリトールを40〜15
0重量部、充填剤として二酸化チタンを50〜160重
量部および可塑剤として塩素化パラフィン30〜160
重量部の割合で構成されている上記項6乃至8に記載の
発泡耐火性積層シート。
インダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体お
よび/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重
合体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸ア
ンモニウムと塩素化パラフィンを合計量で200〜60
0重量部、発泡剤としてメラミンを40〜150重量
部、炭化剤としてジペンタエリスリトールを40〜15
0重量部、充填剤として二酸化チタンを50〜160重
量部および可塑剤として塩素化パラフィン30〜160
重量部の割合で構成されている上記項6乃至8に記載の
発泡耐火性積層シート。
【0021】10.常温での引張強さが20〜300N
/cm2 、耐屈曲性が10mm以下である上記項5乃至
9のいずれかに記載の発泡耐火性積層シート。
/cm2 、耐屈曲性が10mm以下である上記項5乃至
9のいずれかに記載の発泡耐火性積層シート。
【0022】11.火災により周辺温度が所定の発泡温
度に達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の
形成を行う発泡耐火性材料からなる主材層の一面上に、
正常時には主材層を保護し、且つ火災時には主材層の発
泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上層が積層されてお
り、さらに主材層の他の一面上に粘着剤層および可剥離
性シートが順次積層されていることを特徴とする発泡耐
火性積層粘着シート。
度に達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の
形成を行う発泡耐火性材料からなる主材層の一面上に、
正常時には主材層を保護し、且つ火災時には主材層の発
泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上層が積層されてお
り、さらに主材層の他の一面上に粘着剤層および可剥離
性シートが順次積層されていることを特徴とする発泡耐
火性積層粘着シート。
【0023】12.発泡耐火性材料が、固形分換算で、
バインダー100重量部に対して、難燃剤200〜60
0重量部、発泡剤40〜150重量部、炭化剤40〜1
50重量部および充填剤50〜160重量部の割合で構
成されている上記項11に記載の発泡耐火性積層粘着シ
ート。
バインダー100重量部に対して、難燃剤200〜60
0重量部、発泡剤40〜150重量部、炭化剤40〜1
50重量部および充填剤50〜160重量部の割合で構
成されている上記項11に記載の発泡耐火性積層粘着シ
ート。
【0024】13.発泡耐火性材料が、固形分換算で、
バインダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体
および/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共
重合体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸
アンモニウムを200〜600重量部、発泡剤としてメ
ラミンを40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエ
リスリトールを40〜150重量部、充填剤として二酸
化チタンを50〜160重量部の割合で構成されている
上記項11乃至12のいずれかに記載の発泡耐火性積層
粘着シート。
バインダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体
および/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共
重合体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸
アンモニウムを200〜600重量部、発泡剤としてメ
ラミンを40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエ
リスリトールを40〜150重量部、充填剤として二酸
化チタンを50〜160重量部の割合で構成されている
上記項11乃至12のいずれかに記載の発泡耐火性積層
粘着シート。
【0025】14.発泡耐火性材料が、固形分換算で、
バインダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体
および/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共
重合体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸
アンモニウムを200〜600重量部、発泡剤としてメ
ラミンを40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエ
リスリトールを40〜150重量部、充填剤として二酸
化チタンを50〜160重量部およびと塩素化パラフィ
ンを30〜160重量部の割合で構成されている上記項
11乃至13のいずれかに記載の発泡耐火性積層粘着シ
ート。
バインダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体
および/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共
重合体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸
アンモニウムを200〜600重量部、発泡剤としてメ
ラミンを40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエ
リスリトールを40〜150重量部、充填剤として二酸
化チタンを50〜160重量部およびと塩素化パラフィ
ンを30〜160重量部の割合で構成されている上記項
11乃至13のいずれかに記載の発泡耐火性積層粘着シ
ート。
【0026】15.常温での引張強さが20〜300N
/cm2 、耐屈曲性が10mm以下である上記項11乃
至14のいずれかに記載の発泡耐火性積層粘着シート。
/cm2 、耐屈曲性が10mm以下である上記項11乃
至14のいずれかに記載の発泡耐火性積層粘着シート。
【0027】16.耐火性を付与すべき躯体に接着剤を
塗付した後、上記項6乃至10のいずれかに記載の発泡
耐火性積層シートを貼着することを特徴とする耐火被覆
方法。
塗付した後、上記項6乃至10のいずれかに記載の発泡
耐火性積層シートを貼着することを特徴とする耐火被覆
方法。
【0028】17.耐火性を付与すべき躯体に上記項1
1乃至15のいずれかに記載の発泡耐火性積層粘着シー
トを貼着することを特徴とする耐火被覆方法。
1乃至15のいずれかに記載の発泡耐火性積層粘着シー
トを貼着することを特徴とする耐火被覆方法。
【0029】18.耐火性を付与すべきる躯体に接着剤
を塗付した後、火災により周辺温度が所定の発泡温度に
達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成
を行う発泡耐火性シートを貼着し、さらに正常時には該
発泡耐火性シートを保護し、且つ火災時には該発泡耐火
性シートの発泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上層を
塗付形成することを特徴とする発泡耐火性被覆の形成方
法。
を塗付した後、火災により周辺温度が所定の発泡温度に
達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成
を行う発泡耐火性シートを貼着し、さらに正常時には該
発泡耐火性シートを保護し、且つ火災時には該発泡耐火
性シートの発泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上層を
塗付形成することを特徴とする発泡耐火性被覆の形成方
法。
【0030】19.火災により周辺温度が所定の発泡温
度に達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の
形成を行う主材層の一面に可剥離性シートを表面に設け
た粘着剤層を積層してなる発泡耐火性材料粘着シートの
可剥離性シートを剥離した後、該粘着剤層を介して耐火
性を付与すべき躯体に貼着し、さらに正常時には該発泡
耐火性材料シートを保護し、且つ火災時には該発泡耐火
性材料シートの発泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上
層を塗付形成することを特徴とする発泡耐火性被覆の形
成方法。
度に達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の
形成を行う主材層の一面に可剥離性シートを表面に設け
た粘着剤層を積層してなる発泡耐火性材料粘着シートの
可剥離性シートを剥離した後、該粘着剤層を介して耐火
性を付与すべき躯体に貼着し、さらに正常時には該発泡
耐火性材料シートを保護し、且つ火災時には該発泡耐火
性材料シートの発泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上
層を塗付形成することを特徴とする発泡耐火性被覆の形
成方法。
【0031】20.上記項18または19に記載の方法
であって、複数枚の発泡耐火性材料シートまたは発泡耐
火性材料粘着シートを躯体に貼着した後、複数枚のシー
トの貼り合わせ部分に、火災により周辺温度が所定の発
泡温度に達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱
層の形成を行う発泡耐火性塗料を充填塗付し、さらに正
常時には該発泡耐火性材料シートまたは発泡耐火性材料
粘着シートを保護し、且つ火災時には該発泡耐火性材料
シートまたは発泡耐火性材料粘着シートの発泡温度以下
で熱分解を起こす保護仕上層を躯体全面に塗付形成する
ことを特徴とする発泡耐火性被覆の形成方法。
であって、複数枚の発泡耐火性材料シートまたは発泡耐
火性材料粘着シートを躯体に貼着した後、複数枚のシー
トの貼り合わせ部分に、火災により周辺温度が所定の発
泡温度に達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱
層の形成を行う発泡耐火性塗料を充填塗付し、さらに正
常時には該発泡耐火性材料シートまたは発泡耐火性材料
粘着シートを保護し、且つ火災時には該発泡耐火性材料
シートまたは発泡耐火性材料粘着シートの発泡温度以下
で熱分解を起こす保護仕上層を躯体全面に塗付形成する
ことを特徴とする発泡耐火性被覆の形成方法。
【0032】21.H型鋼のエッジ部に接着剤を塗付し
た後、上記項6に記載の発泡耐火性積層体を貼着し、次
いでウェブ、フランジなどの残余の部分およびエッジ部
に、火災により周辺温度が所定の発泡温度に達すると発
泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成を行う発泡
耐火性塗料を塗付した後、さらに正常時には該発泡耐火
性積層体を保護し、且つ火災時には該発泡耐火性積層体
の発泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上層を全面に塗
付形成することを特徴とするH型鋼に対する発泡耐火性
被覆の形成方法。
た後、上記項6に記載の発泡耐火性積層体を貼着し、次
いでウェブ、フランジなどの残余の部分およびエッジ部
に、火災により周辺温度が所定の発泡温度に達すると発
泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成を行う発泡
耐火性塗料を塗付した後、さらに正常時には該発泡耐火
性積層体を保護し、且つ火災時には該発泡耐火性積層体
の発泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上層を全面に塗
付形成することを特徴とするH型鋼に対する発泡耐火性
被覆の形成方法。
【0033】22.H型鋼のエッジ部に上記項11に記
載の発泡耐火性材料粘着シートを貼着し、次いでウェ
ブ、フランジなどの残余の部分に、火災により周辺温度
が所定の発泡温度に達すると発泡し、不燃性ガスの発生
と炭化断熱層の形成を行う発泡耐火性塗料を塗付した
後、さらに正常時には該発泡耐火性積層粘着シートを保
護し、且つ火災時には該発泡耐火性積層粘着シートの発
泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上層を全面に塗付形
成することを特徴とするH型鋼に対する発泡耐火性被覆
の形成方法。
載の発泡耐火性材料粘着シートを貼着し、次いでウェ
ブ、フランジなどの残余の部分に、火災により周辺温度
が所定の発泡温度に達すると発泡し、不燃性ガスの発生
と炭化断熱層の形成を行う発泡耐火性塗料を塗付した
後、さらに正常時には該発泡耐火性積層粘着シートを保
護し、且つ火災時には該発泡耐火性積層粘着シートの発
泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上層を全面に塗付形
成することを特徴とするH型鋼に対する発泡耐火性被覆
の形成方法。
【0034】ここに、「保護仕上げ層の熱分解温度」と
は、未発泡時の主材層上に形成された保護仕上層の主構
成成分である高分子バインダーの分子結合が、ほぼ開裂
する温度に相当するものである。この様な保護仕上層の
熱分解温度は、未発泡状態の保護仕上層について、熱重
量分析装置により熱重量曲線を描かせ、その熱重量曲線
の急激な減少部分の発生温度から測定することができ
る。
は、未発泡時の主材層上に形成された保護仕上層の主構
成成分である高分子バインダーの分子結合が、ほぼ開裂
する温度に相当するものである。この様な保護仕上層の
熱分解温度は、未発泡状態の保護仕上層について、熱重
量分析装置により熱重量曲線を描かせ、その熱重量曲線
の急激な減少部分の発生温度から測定することができ
る。
【0035】発泡耐火性塗料からなる主材層の発泡温度
は、火災発生による温度上昇と躯体の強度低下との相関
関係から300〜350℃程度に設定されているので、
これより低温の熱分解温度を有する保護仕上層を主材層
上に積層すればよい、但し、保護仕上層の熱分解温度が
100℃よりも低くなると、未発泡時に発泡耐火性材料
乃至塗料からなる主材層を保護して、長期耐久性を維持
するという所望の機能を果たさなくなるので、保護仕上
層の熱分解温度は、主材層の発泡温度以下でかつ100
〜325℃の範囲とすることが望ましい。
は、火災発生による温度上昇と躯体の強度低下との相関
関係から300〜350℃程度に設定されているので、
これより低温の熱分解温度を有する保護仕上層を主材層
上に積層すればよい、但し、保護仕上層の熱分解温度が
100℃よりも低くなると、未発泡時に発泡耐火性材料
乃至塗料からなる主材層を保護して、長期耐久性を維持
するという所望の機能を果たさなくなるので、保護仕上
層の熱分解温度は、主材層の発泡温度以下でかつ100
〜325℃の範囲とすることが望ましい。
【0036】本発明の発泡耐火性材料乃至塗料により構
成される主材層は、火災などに際しての温度上昇時に発
泡し且つ炭化して、炭化断熱層を形成し、被塗物に耐火
性を付与するものである。
成される主材層は、火災などに際しての温度上昇時に発
泡し且つ炭化して、炭化断熱層を形成し、被塗物に耐火
性を付与するものである。
【0037】主材層を形成するための発泡耐火性塗料
は、バインダー、難燃剤、発泡剤、炭化剤および充填剤
ならびに塗料を液状とするための溶剤を必須成分とす
る。
は、バインダー、難燃剤、発泡剤、炭化剤および充填剤
ならびに塗料を液状とするための溶剤を必須成分とす
る。
【0038】発泡耐火性塗料中のバインダーは、未発泡
状態での主材層被膜の主要成分の一つであり、火災発生
時には被膜中に含有されている他の成分との複合反応に
より、炭化断熱層の一部となるものである。従って、こ
の様なバインダーとしては、主材層の他の成分と混合可
能であって、被膜を形成し得る合成樹脂および天然樹脂
であればどのようなものでも使用できる。炭化断熱層の
強度、発泡倍率の大きさ、発泡の均一性などの観点から
は、バインダーとしては、ビニルトルエン−ブタジエン
共重合体、ビニルトルエン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂;これらの
共重合体を構成する2種のモノマーとアクリル酸モノマ
ー、メタクリル酸モノマーなどとの三元共重合体;一液
硬化型エポキシ樹脂などから選択される重量平均分子量
50000〜200000程度の高分子が好ましい。
状態での主材層被膜の主要成分の一つであり、火災発生
時には被膜中に含有されている他の成分との複合反応に
より、炭化断熱層の一部となるものである。従って、こ
の様なバインダーとしては、主材層の他の成分と混合可
能であって、被膜を形成し得る合成樹脂および天然樹脂
であればどのようなものでも使用できる。炭化断熱層の
強度、発泡倍率の大きさ、発泡の均一性などの観点から
は、バインダーとしては、ビニルトルエン−ブタジエン
共重合体、ビニルトルエン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂;これらの
共重合体を構成する2種のモノマーとアクリル酸モノマ
ー、メタクリル酸モノマーなどとの三元共重合体;一液
硬化型エポキシ樹脂などから選択される重量平均分子量
50000〜200000程度の高分子が好ましい。
【0039】一液硬化型のエポキシ樹脂としては、ビス
フェノールA形、ビスフェノールF形、ノボラック形、
レゾルシン形、環状エステル形、脂肪族エステル形など
のエポキシ樹脂であって、熱可塑性を有するものが挙げ
られる。
フェノールA形、ビスフェノールF形、ノボラック形、
レゾルシン形、環状エステル形、脂肪族エステル形など
のエポキシ樹脂であって、熱可塑性を有するものが挙げ
られる。
【0040】また、(メタ)アクリル酸エステル成分を
含有する共重合体中の(メタ)アクリル酸エステルモノ
マー成分としては、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
プロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、アクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート等があげられる。
含有する共重合体中の(メタ)アクリル酸エステルモノ
マー成分としては、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
プロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、アクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート等があげられる。
【0041】バインダーとしては、上記の高分子を単独
で使用しても良く、或いは2種以上を併用しても良い。
で使用しても良く、或いは2種以上を併用しても良い。
【0042】上記のバインダーとしての高分子中でも、
ビニルトルエン−ブタジエン共重合体およびビニルトル
エン−アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。
ビニルトルエン−ブタジエン共重合体およびビニルトル
エン−アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。
【0043】主材層を形成するための発泡耐火塗料中の
その他の構成成分は、難燃剤、発泡剤、炭化材および充
填材ならびに塗料形態とするための溶剤に大別される。
溶剤以外のこれらの各構成成分は、火災発生時に相互の
複合作用により、主材層の発泡、炭化層形成、不燃性ガ
ス発生という機能に全体として寄与する。
その他の構成成分は、難燃剤、発泡剤、炭化材および充
填材ならびに塗料形態とするための溶剤に大別される。
溶剤以外のこれらの各構成成分は、火災発生時に相互の
複合作用により、主材層の発泡、炭化層形成、不燃性ガ
ス発生という機能に全体として寄与する。
【0044】具体的には、難燃剤は、火災時に、脱水冷
却効果、不燃性ガス発生効果、バインダーの炭化促進効
果などの少なくとも1つの効果を発揮して、バインダー
の燃焼を防止乃至抑制する。難燃剤としては、トリクレ
ジルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、
ジフェニルオクチルホスフェート、トリ(β−クロロエ
チル)ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ
(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリフェニルホス
フェート、トリ(ジブロモプロピル)ホスフェート、ク
ロロホスホネート、ブロモホスホネート、ジエチル−
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホ
スフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ヒドロキシメチ
ルホスフォネートなどの有機リン系化合物;塩素化ポリ
フェニル、塩素化ポリエチレン、塩化ジフェニル、塩化
トリフェニル、五塩化脂肪酸エステル、パークロロペン
タシクロデカン、塩素化ナフタレン、テトラクロル無水
フタル酸などの塩素化合物;三酸化アンチモン、五塩化
アンチモンなどのアンチモン化合物;三塩化リン、五塩
化リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム
などのリン化合物;その他ホウ酸亜鉛、ホウ酸ソーダな
どの無機質化合物などが挙げられ、これらの少なくとも
一種を使用する。特に、ポリリン酸アンモニウムを使用
する場合には、脱水冷却効果と不燃性ガス発生効果とを
特に良好に発揮するので、難燃効果が高く、下記の発泡
剤の配合量を削減できる効果もあり、より好ましい。こ
の様な難燃剤を発泡耐火塗料に配合しない場合には、火
災時に溶融したバインダーが燃焼してしまい、充分な断
熱性を有する炭化断熱層を形成することができない。
却効果、不燃性ガス発生効果、バインダーの炭化促進効
果などの少なくとも1つの効果を発揮して、バインダー
の燃焼を防止乃至抑制する。難燃剤としては、トリクレ
ジルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、
ジフェニルオクチルホスフェート、トリ(β−クロロエ
チル)ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ
(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリフェニルホス
フェート、トリ(ジブロモプロピル)ホスフェート、ク
ロロホスホネート、ブロモホスホネート、ジエチル−
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホ
スフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ヒドロキシメチ
ルホスフォネートなどの有機リン系化合物;塩素化ポリ
フェニル、塩素化ポリエチレン、塩化ジフェニル、塩化
トリフェニル、五塩化脂肪酸エステル、パークロロペン
タシクロデカン、塩素化ナフタレン、テトラクロル無水
フタル酸などの塩素化合物;三酸化アンチモン、五塩化
アンチモンなどのアンチモン化合物;三塩化リン、五塩
化リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム
などのリン化合物;その他ホウ酸亜鉛、ホウ酸ソーダな
どの無機質化合物などが挙げられ、これらの少なくとも
一種を使用する。特に、ポリリン酸アンモニウムを使用
する場合には、脱水冷却効果と不燃性ガス発生効果とを
特に良好に発揮するので、難燃効果が高く、下記の発泡
剤の配合量を削減できる効果もあり、より好ましい。こ
の様な難燃剤を発泡耐火塗料に配合しない場合には、火
災時に溶融したバインダーが燃焼してしまい、充分な断
熱性を有する炭化断熱層を形成することができない。
【0045】発泡剤は、火災時に不燃性ガスを発生させ
て、炭化していくバインダーおよび下記の炭化剤を発泡
させ、気孔を含有した炭化断熱層を形成させる効果を発
揮する。発泡剤としては、メラミンおよびその誘導体、
ジシアンジアミドおよびその誘導体、アゾジカーボンア
ミド、尿素、チオ尿素などが挙げられ、これらの少なく
とも一種が使用される。これらの中では、メラミン、ジ
シアンジアミド、アゾジカーボンアミドなどが、不燃性
ガスの発生効率に優れているので、より好ましく、メラ
ミンが特に好ましい。この様な発泡剤を配合しない場合
には、炭化層中に断熱性を付与する気孔が形成されない
ので、所期の耐火効果が得られない。
て、炭化していくバインダーおよび下記の炭化剤を発泡
させ、気孔を含有した炭化断熱層を形成させる効果を発
揮する。発泡剤としては、メラミンおよびその誘導体、
ジシアンジアミドおよびその誘導体、アゾジカーボンア
ミド、尿素、チオ尿素などが挙げられ、これらの少なく
とも一種が使用される。これらの中では、メラミン、ジ
シアンジアミド、アゾジカーボンアミドなどが、不燃性
ガスの発生効率に優れているので、より好ましく、メラ
ミンが特に好ましい。この様な発泡剤を配合しない場合
には、炭化層中に断熱性を付与する気孔が形成されない
ので、所期の耐火効果が得られない。
【0046】炭化剤は、火災によるバインダーの炭化と
ともにそれ自体も脱水炭化していくことにより、断熱性
により優れた厚みのある炭化断熱層を形成する効果を発
揮する。炭化剤としては、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどの多
価アルコール;澱粉、カゼインなどが挙げられ、これら
の少なくとも一種が使用される。特に、ジペンタエリス
リトールは、脱水冷却効果と炭化断熱層形成作用に優れ
ているので、より好ましい。この様な炭化剤を配合しな
い場合には、炭化層はバインダーのみから形成されるこ
とになるので、バインダーの充分な炭化が進むことな
く、燃焼分解を起こし、所期の耐火効果を得ることがで
きない。
ともにそれ自体も脱水炭化していくことにより、断熱性
により優れた厚みのある炭化断熱層を形成する効果を発
揮する。炭化剤としては、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどの多
価アルコール;澱粉、カゼインなどが挙げられ、これら
の少なくとも一種が使用される。特に、ジペンタエリス
リトールは、脱水冷却効果と炭化断熱層形成作用に優れ
ているので、より好ましい。この様な炭化剤を配合しな
い場合には、炭化層はバインダーのみから形成されるこ
とになるので、バインダーの充分な炭化が進むことな
く、燃焼分解を起こし、所期の耐火効果を得ることがで
きない。
【0047】充填剤は、炭化断熱層の強度を改善し、且
つ耐火性を向上させる効果を発揮する。充填剤として
は、タルクなどの珪酸塩;炭酸カルシウム、炭酸ナトリ
ウムなどの炭酸塩;酸化アルミニウム、二酸化チタン、
酸化亜鉛などの金属酸化物;粘土、クレー、シラス、マ
イカなどの天然鉱物類などが挙げられ、これらの少なく
とも1種が使用される。これらの充填剤中では、二酸化
チタンがより好ましい。この様な充填剤を配合しない場
合には、火災時に形成される炭化層が脆弱で壊れやすい
ため、炭化断熱層の剥離脱落を起こし、所期の耐火効果
を得ることができない。
つ耐火性を向上させる効果を発揮する。充填剤として
は、タルクなどの珪酸塩;炭酸カルシウム、炭酸ナトリ
ウムなどの炭酸塩;酸化アルミニウム、二酸化チタン、
酸化亜鉛などの金属酸化物;粘土、クレー、シラス、マ
イカなどの天然鉱物類などが挙げられ、これらの少なく
とも1種が使用される。これらの充填剤中では、二酸化
チタンがより好ましい。この様な充填剤を配合しない場
合には、火災時に形成される炭化層が脆弱で壊れやすい
ため、炭化断熱層の剥離脱落を起こし、所期の耐火効果
を得ることができない。
【0048】発泡耐火性材料乃至塗料からなる主材層を
構成する各成分の配合比率は、火災発生時に発泡が良好
に行われて、高度の断熱性を有する炭化断熱層を形成し
得る限り、特に限定はされないが、固形分として、通常
バインダー100重量部に対し、難燃剤200〜600
重量部、発泡剤40〜150重量部、炭化剤40〜15
0重量部および充填剤50〜160重量部を配合すれば
良い。
構成する各成分の配合比率は、火災発生時に発泡が良好
に行われて、高度の断熱性を有する炭化断熱層を形成し
得る限り、特に限定はされないが、固形分として、通常
バインダー100重量部に対し、難燃剤200〜600
重量部、発泡剤40〜150重量部、炭化剤40〜15
0重量部および充填剤50〜160重量部を配合すれば
良い。
【0049】炭化断熱層の発泡倍率が高いこと、発泡が
均一であること、断熱効果に優れていること、強度が高
いことなどの理由により、主材層を形成すべき発泡耐火
性材料乃至塗料には、固形分換算で、バインダーとして
のビニルトルエン−ブタジエン共重合体および/または
ビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合体100重
量部に対し、難燃剤としてポリリン酸アンモニウムを2
00〜600重量部程度、発泡剤としてメラミンを40
〜150重量部程度、炭化剤としてジペンタエリスリト
ールを40〜150重量部程度、充填剤として二酸化チ
タンを50〜160重量部程度配合することがより好ま
しい。
均一であること、断熱効果に優れていること、強度が高
いことなどの理由により、主材層を形成すべき発泡耐火
性材料乃至塗料には、固形分換算で、バインダーとして
のビニルトルエン−ブタジエン共重合体および/または
ビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合体100重
量部に対し、難燃剤としてポリリン酸アンモニウムを2
00〜600重量部程度、発泡剤としてメラミンを40
〜150重量部程度、炭化剤としてジペンタエリスリト
ールを40〜150重量部程度、充填剤として二酸化チ
タンを50〜160重量部程度配合することがより好ま
しい。
【0050】さらに、難燃材としてポリリン酸アンモニ
ウムを使用する上記の組成においては、後述の様に、可
塑剤として塩素化パラフィンを併用することが特に好ま
しい。この場合、塩素化パラフィンは、バインダー10
0重量部に対し、30〜160重量部程度配合すること
が好ましい。
ウムを使用する上記の組成においては、後述の様に、可
塑剤として塩素化パラフィンを併用することが特に好ま
しい。この場合、塩素化パラフィンは、バインダー10
0重量部に対し、30〜160重量部程度配合すること
が好ましい。
【0051】上記の発泡耐火性材料乃至塗料からなる主
材層には、必要に応じて、補強用繊維、白以外の有彩色
着色用顔料などを配合しておくことができる。補強用繊
維としては、ロックウール、ガラス繊維、シリカ−アル
ミナ繊維などの無機繊維が挙げられる。なお、主材層の
耐火性能を阻害しない範囲で、無機繊維とパルプなどの
有機繊維とを併用してもよい。また、白以外の有彩色着
色顔料としては、塗料用の一般顔料が使用できる。但
し、主材層が火災によって高温に曝される場合を想定す
ると、べんがら、黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエロー、
クロムグリーン、群青、コバルトブルーなどの塗料用無
機系顔料がより好ましい。補強用繊維および白以外の有
彩色着色用顔料の配合量は、火災発生時の主材層の発泡
性を阻害しない範囲であれば、特に限定されない。
材層には、必要に応じて、補強用繊維、白以外の有彩色
着色用顔料などを配合しておくことができる。補強用繊
維としては、ロックウール、ガラス繊維、シリカ−アル
ミナ繊維などの無機繊維が挙げられる。なお、主材層の
耐火性能を阻害しない範囲で、無機繊維とパルプなどの
有機繊維とを併用してもよい。また、白以外の有彩色着
色顔料としては、塗料用の一般顔料が使用できる。但
し、主材層が火災によって高温に曝される場合を想定す
ると、べんがら、黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエロー、
クロムグリーン、群青、コバルトブルーなどの塗料用無
機系顔料がより好ましい。補強用繊維および白以外の有
彩色着色用顔料の配合量は、火災発生時の主材層の発泡
性を阻害しない範囲であれば、特に限定されない。
【0052】主材層を形成するための発泡耐火性塗料
は、使用するバインダーがワニス(樹脂の溶剤溶液)と
なっているので、液状となる。塗料中の固形分濃度は、
使用箇所に応じて要求される性能、これに対応して選択
される構成成分、下記に詳述する主材層の使用形態など
により適宜定めれば良く、特に限定されないが、通常5
0〜98重量%程度、より好ましくは70〜85重量%
程度である。
は、使用するバインダーがワニス(樹脂の溶剤溶液)と
なっているので、液状となる。塗料中の固形分濃度は、
使用箇所に応じて要求される性能、これに対応して選択
される構成成分、下記に詳述する主材層の使用形態など
により適宜定めれば良く、特に限定されないが、通常5
0〜98重量%程度、より好ましくは70〜85重量%
程度である。
【0053】主材層を形成するための発泡耐火性塗料の
粘度調整、乾燥性調整、作業性調整などのためには、必
要に応じて希釈用溶剤を配合しても良い。このような溶
剤としては、バインダーを構成する樹脂溶液の溶媒と相
溶性を有し、且つ発泡耐火性塗料の各構成成分と反応を
起こさないものであれば、特に限定されない。この様な
溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶
剤;ケトン類、グリコールエステル類、ミネラルスピリ
ットなどの脂肪族系溶剤などが例示される。これらの希
釈用溶剤は、上記の樹脂溶液の調製に使用する溶剤と実
質的に同じものである。
粘度調整、乾燥性調整、作業性調整などのためには、必
要に応じて希釈用溶剤を配合しても良い。このような溶
剤としては、バインダーを構成する樹脂溶液の溶媒と相
溶性を有し、且つ発泡耐火性塗料の各構成成分と反応を
起こさないものであれば、特に限定されない。この様な
溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶
剤;ケトン類、グリコールエステル類、ミネラルスピリ
ットなどの脂肪族系溶剤などが例示される。これらの希
釈用溶剤は、上記の樹脂溶液の調製に使用する溶剤と実
質的に同じものである。
【0054】本発明による主材層を形成するための発泡
耐火性材料乃至塗料は、常法により容易に製造すること
ができる。例えば、上記の各構成成分そのものおよび/
またはその溶剤溶液を所定の割合で混合すればよい。よ
り具体的には、例えば、バインダー溶液を混合タンク内
に投入し、ディゾルバーにより撹拌しつつ、その他の構
成成分を順次投入するなどの方法によれば良い。
耐火性材料乃至塗料は、常法により容易に製造すること
ができる。例えば、上記の各構成成分そのものおよび/
またはその溶剤溶液を所定の割合で混合すればよい。よ
り具体的には、例えば、バインダー溶液を混合タンク内
に投入し、ディゾルバーにより撹拌しつつ、その他の構
成成分を順次投入するなどの方法によれば良い。
【0055】この様にして得られた発泡耐火性塗料を耐
火性を付与すべき躯体に対し、火災発生時において必要
とされる耐火性を発揮するに十分な厚さの発泡炭化断熱
層を形成できる量で塗付する。耐火性を付与すべき躯体
としては、特に限定されるものではないが、例えば、鉄
骨(梁、柱)、間仕切壁、耐火扉内側、耐火金庫内側、
トンネル内壁、燃料タンク、溶剤貯蔵タンク、ガスおよ
び石油パイプラインおよびその支持体;モーター、ポン
プ、発電機などの火花を発生する可能性のある設備の防
護カバー;防火区画の貫通部のシール材、電線などが挙
げられる。塗付は、常法に従って、スプレーガン、エア
レススプレーガン、圧送機などによる吹付塗付、コテ塗
り、ローラー塗り、刷毛塗りなどにより、行えば良い。
火性を付与すべき躯体に対し、火災発生時において必要
とされる耐火性を発揮するに十分な厚さの発泡炭化断熱
層を形成できる量で塗付する。耐火性を付与すべき躯体
としては、特に限定されるものではないが、例えば、鉄
骨(梁、柱)、間仕切壁、耐火扉内側、耐火金庫内側、
トンネル内壁、燃料タンク、溶剤貯蔵タンク、ガスおよ
び石油パイプラインおよびその支持体;モーター、ポン
プ、発電機などの火花を発生する可能性のある設備の防
護カバー;防火区画の貫通部のシール材、電線などが挙
げられる。塗付は、常法に従って、スプレーガン、エア
レススプレーガン、圧送機などによる吹付塗付、コテ塗
り、ローラー塗り、刷毛塗りなどにより、行えば良い。
【0056】発泡耐火性塗料が乾燥して、主材層塗膜が
形成された後、該主材層の未発泡時の保護仕上層を形成
させるために、該主材層の発泡温度より低い温度で熱分
解する塗材を、発泡耐火性塗料と同様にして主材層上に
塗付する。
形成された後、該主材層の未発泡時の保護仕上層を形成
させるために、該主材層の発泡温度より低い温度で熱分
解する塗材を、発泡耐火性塗料と同様にして主材層上に
塗付する。
【0057】この様な塗材から形成される保護仕上層塗
材としては、上記熱分解時の温度条件を満たし、且つ主
材層と密着するとともに、さらに、未発泡時における該
主材層の保護機能の観点から、耐水性、耐光性、耐久
性、耐候性などの各種の塗膜物性、特に耐水性に優れて
いることが必要である。この様な条件を充足する保護仕
上層形成のために使用可能な塗材は、分子結合の開裂の
度合から、バインダー樹脂の主鎖がビニル重合系である
ものが好ましい。特に、高度の耐水性、耐候性などが要
求される構造物の外部などにおいては、側鎖の官能基に
フッ素原子、シリル基などを含有する合成樹脂が好まし
く、また、環境保全の観点からは、低揮発性のターペン
可溶型もしくはNAD(非水分散系)の合成樹脂が望ま
しい。
材としては、上記熱分解時の温度条件を満たし、且つ主
材層と密着するとともに、さらに、未発泡時における該
主材層の保護機能の観点から、耐水性、耐光性、耐久
性、耐候性などの各種の塗膜物性、特に耐水性に優れて
いることが必要である。この様な条件を充足する保護仕
上層形成のために使用可能な塗材は、分子結合の開裂の
度合から、バインダー樹脂の主鎖がビニル重合系である
ものが好ましい。特に、高度の耐水性、耐候性などが要
求される構造物の外部などにおいては、側鎖の官能基に
フッ素原子、シリル基などを含有する合成樹脂が好まし
く、また、環境保全の観点からは、低揮発性のターペン
可溶型もしくはNAD(非水分散系)の合成樹脂が望ま
しい。
【0058】以下に図面に示す実施態様を参照しつつ、
本発明をさらに詳細に説明する。
本発明をさらに詳細に説明する。
【0059】図1に躯体1に主材層2を付与した後、保
護仕上塗料3を塗布した本発明による発泡耐火性積層体
の1例を模式的な断面図として示す。なお、下記に示す
いずれの図も、本発明による発泡耐火性積層体の模式的
な断面図を示す。
護仕上塗料3を塗布した本発明による発泡耐火性積層体
の1例を模式的な断面図として示す。なお、下記に示す
いずれの図も、本発明による発泡耐火性積層体の模式的
な断面図を示す。
【0060】本発明による発泡耐火性積層体は、発泡耐
火性塗料を発泡耐火材料として予めシート状に成形して
おき、接着剤を使用して躯体に貼着する方法或いは粘着
剤を積層したシートを介して躯体に貼着する方法で使用
しても良い。
火性塗料を発泡耐火材料として予めシート状に成形して
おき、接着剤を使用して躯体に貼着する方法或いは粘着
剤を積層したシートを介して躯体に貼着する方法で使用
しても良い。
【0061】図2に示す態様においては、発泡耐火性塗
料により形成した主材層4の表面に保護仕上層5を予め
積層したシートを形成しておく。施工に際しては、図3
に示す様に、躯体(図示せず)と主材層4との間に接着
剤層6を介在させた状態で、躯体上に発泡耐火性積層構
造を形成させる。
料により形成した主材層4の表面に保護仕上層5を予め
積層したシートを形成しておく。施工に際しては、図3
に示す様に、躯体(図示せず)と主材層4との間に接着
剤層6を介在させた状態で、躯体上に発泡耐火性積層構
造を形成させる。
【0062】或いは、図4に示す様に、主材層4のみか
らなる発泡耐火性シートを接着剤層(図示せず)により
躯体(図示せず)に対し貼着した後、その表面に保護仕
上塗料(図示せず)を塗布積層しても良い。
らなる発泡耐火性シートを接着剤層(図示せず)により
躯体(図示せず)に対し貼着した後、その表面に保護仕
上塗料(図示せず)を塗布積層しても良い。
【0063】さらに、図5に示す様に、主材層4と接着
剤層6とからなる発泡耐火性粘着シートを躯体(図示せ
ず)に対し貼着した後、保護仕上塗料(図示せず)を塗
付積層しても良い。さらにまた、図6に示す様に、躯体
1に対し、接着剤層6を介して主材層4のみからなる発
泡耐火性シートを隣接して複数枚貼着した後、継目部分
2に本発明による発泡耐火性塗料を充填塗付し、次いで
保護仕上塗料3を全面に塗付積層することができる。こ
の場合には、発泡耐火性シートの継目が表面に表われな
いので、美装上望ましいし、また継目部分2の存在によ
る耐火性能への悪影響を防止することも可能となる。
剤層6とからなる発泡耐火性粘着シートを躯体(図示せ
ず)に対し貼着した後、保護仕上塗料(図示せず)を塗
付積層しても良い。さらにまた、図6に示す様に、躯体
1に対し、接着剤層6を介して主材層4のみからなる発
泡耐火性シートを隣接して複数枚貼着した後、継目部分
2に本発明による発泡耐火性塗料を充填塗付し、次いで
保護仕上塗料3を全面に塗付積層することができる。こ
の場合には、発泡耐火性シートの継目が表面に表われな
いので、美装上望ましいし、また継目部分2の存在によ
る耐火性能への悪影響を防止することも可能となる。
【0064】また、本発明によれば、図7に示す様にし
て、H型鋼の保護を行うこともできる。則ち、H型鋼の
エッジ部分に対し、裏面に粘着剤層6を積層した主材層
4からなる発泡耐火性粘着シートを貼着した後、ウエ
ブ、フランジおよび該シート表面を含む全面に発泡性耐
火塗料2を塗付し、さらに保護仕上層3として、耐候性
に優れた仕上塗材を塗付する。この様な構成とすれば、
発泡耐火性塗料単独で仕上げた際のエッジ部分の塗付量
不足という問題点、火災発生時の発泡耐火性塗料の発泡
による炭化断熱層の形成が、エッジ部においておおきな
歪みを発生し、炭化断熱層の剥離を生ずるという問題な
どを防止することができる。
て、H型鋼の保護を行うこともできる。則ち、H型鋼の
エッジ部分に対し、裏面に粘着剤層6を積層した主材層
4からなる発泡耐火性粘着シートを貼着した後、ウエ
ブ、フランジおよび該シート表面を含む全面に発泡性耐
火塗料2を塗付し、さらに保護仕上層3として、耐候性
に優れた仕上塗材を塗付する。この様な構成とすれば、
発泡耐火性塗料単独で仕上げた際のエッジ部分の塗付量
不足という問題点、火災発生時の発泡耐火性塗料の発泡
による炭化断熱層の形成が、エッジ部においておおきな
歪みを発生し、炭化断熱層の剥離を生ずるという問題な
どを防止することができる。
【0065】本発明において、シート状物を使用する場
合には、発泡耐火性の主材層および保護仕上層の厚みを
一定とすることができるため、発泡耐火性材料の被耐火
物表面における必要塗付量の管理が、吹付法などの他の
手法により施工する場合に比して、容易であるというメ
リットがある。なおシートにする場合には前記発泡耐火
材料主材層に、シート化を可能とするためのある程度の
可撓性を付与しなければならない場合があり、その時に
は前記発泡耐火性塗料配合に、さらに可塑剤を配合すれ
ば良い。このような場合の可塑剤としては、塩素化パラ
フィン;フタル酸ジブチル、フタル酸ジn−オクチルな
どのフタル酸エステル;リン酸トリブチル、リン酸トリ
2−エチルへキシルなどのリン酸エステルなどが使用で
きる。可塑剤は、特に限定されるものではないが、バイ
ンダーの固形分100重量部に対し、通常30〜160
重量部程度の割合で配合すれば良い。特に塩素化パラフ
ィンは、前記の難燃剤であるポリリン酸アンモニウムと
の共存下に、脱水冷却効果と不燃性ガス発生効果という
相乗的な効果をも発揮するので、特にポリリン酸アンモ
ニウムと併用することが好ましい。両者を併用する場合
の割合は、ポリリン酸アンモニウム100重量部に対
し、塩素化パラフィン70重量部程度まで、より好まし
くは20〜50重量部程度である。
合には、発泡耐火性の主材層および保護仕上層の厚みを
一定とすることができるため、発泡耐火性材料の被耐火
物表面における必要塗付量の管理が、吹付法などの他の
手法により施工する場合に比して、容易であるというメ
リットがある。なおシートにする場合には前記発泡耐火
材料主材層に、シート化を可能とするためのある程度の
可撓性を付与しなければならない場合があり、その時に
は前記発泡耐火性塗料配合に、さらに可塑剤を配合すれ
ば良い。このような場合の可塑剤としては、塩素化パラ
フィン;フタル酸ジブチル、フタル酸ジn−オクチルな
どのフタル酸エステル;リン酸トリブチル、リン酸トリ
2−エチルへキシルなどのリン酸エステルなどが使用で
きる。可塑剤は、特に限定されるものではないが、バイ
ンダーの固形分100重量部に対し、通常30〜160
重量部程度の割合で配合すれば良い。特に塩素化パラフ
ィンは、前記の難燃剤であるポリリン酸アンモニウムと
の共存下に、脱水冷却効果と不燃性ガス発生効果という
相乗的な効果をも発揮するので、特にポリリン酸アンモ
ニウムと併用することが好ましい。両者を併用する場合
の割合は、ポリリン酸アンモニウム100重量部に対
し、塩素化パラフィン70重量部程度まで、より好まし
くは20〜50重量部程度である。
【0066】本発明の発泡耐火性塗料のシート化は、シ
ート状物が得られる限り、特定の方法に限定されるもの
ではなく、例えば、発泡耐火性塗料をスプレー法によ
り、或いはフローコーター、ナイフロールコーター、ロ
ールドクターコーター、コンマロールコーター、リバー
スロールコーター、カレンダーロールコーター、ロッド
コーターなどのコーターにより支持体に塗付した後、支
持体を剥離する方法;ロール押し出し法により発泡性耐
火塗料自体を直接シート化する方法;発泡耐火性塗料を
シート状枠体に流し込んだ後、脱型する方法などの任意
の方法により、行うことができる。また、粘着剤層、保
護仕上層などを設ける場合には、発泡耐火性材料のシー
ト自体を支持体として、上記と同様のスプレー法、上記
コーター塗布法などにより、積層することができる。ま
た、粘着剤層を設けたシートは、未使用時の粘着層の保
護のため、剥離剤を積層した可剥離性シートを粘着剤層
表面に積層しておくことが望ましい。
ート状物が得られる限り、特定の方法に限定されるもの
ではなく、例えば、発泡耐火性塗料をスプレー法によ
り、或いはフローコーター、ナイフロールコーター、ロ
ールドクターコーター、コンマロールコーター、リバー
スロールコーター、カレンダーロールコーター、ロッド
コーターなどのコーターにより支持体に塗付した後、支
持体を剥離する方法;ロール押し出し法により発泡性耐
火塗料自体を直接シート化する方法;発泡耐火性塗料を
シート状枠体に流し込んだ後、脱型する方法などの任意
の方法により、行うことができる。また、粘着剤層、保
護仕上層などを設ける場合には、発泡耐火性材料のシー
ト自体を支持体として、上記と同様のスプレー法、上記
コーター塗布法などにより、積層することができる。ま
た、粘着剤層を設けたシートは、未使用時の粘着層の保
護のため、剥離剤を積層した可剥離性シートを粘着剤層
表面に積層しておくことが望ましい。
【0067】粘着剤層または躯体に塗付する接着剤とし
ては、天然ゴムおよび再生ゴムを主体として、これに粘
着付与剤として、ロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂など
を用いたゴム系粘着剤;アクリル酸エステルの重合物お
よび酢酸ビニル、塩化ビニリデン、メタアクリル酸エス
テル、アクリル酸、メタアクリル酸などのビニル系モノ
マーとの共重合物からなるアクリル系粘着剤;塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル重合体、ポリビニ
ルブチラール等のビニル系重合体に可塑剤を加えたビニ
ル系粘着剤:主鎖にシロキサン結合を含有するゴム状シ
ロキサンと樹脂状シロキサンから構成されるシリコーン
系粘着剤などの公知の材料が使用可能である。これらの
粘着剤或いは接着剤中では、特に耐熱性が高く、加熱時
に分解ガスなどの発生のないアクリル酸エステル重合
物、シリコン系粘着剤などが好ましい。
ては、天然ゴムおよび再生ゴムを主体として、これに粘
着付与剤として、ロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂など
を用いたゴム系粘着剤;アクリル酸エステルの重合物お
よび酢酸ビニル、塩化ビニリデン、メタアクリル酸エス
テル、アクリル酸、メタアクリル酸などのビニル系モノ
マーとの共重合物からなるアクリル系粘着剤;塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル重合体、ポリビニ
ルブチラール等のビニル系重合体に可塑剤を加えたビニ
ル系粘着剤:主鎖にシロキサン結合を含有するゴム状シ
ロキサンと樹脂状シロキサンから構成されるシリコーン
系粘着剤などの公知の材料が使用可能である。これらの
粘着剤或いは接着剤中では、特に耐熱性が高く、加熱時
に分解ガスなどの発生のないアクリル酸エステル重合
物、シリコン系粘着剤などが好ましい。
【0068】発泡耐火性塗料シートの物理的な物性は、
シート化可能な範囲であれば、特に限定されないが、引
張強さが20〜300N/cm2 、耐屈曲性が10mm
以下であれば、シートの施工性が良好であり、表面クラ
ックが発生しないので、有利である。なお、シートの主
材層に保護仕上層を積層する場合には、積層したシート
全体としての状態で、前記の物理的な物性を具備してい
る必要がある。このため、保護仕上層としては弾性系の
材料、例えば、JIS A 6910「複層仕上げ塗材
防水型の上塗り」として使用できるものが好適である。
シート化可能な範囲であれば、特に限定されないが、引
張強さが20〜300N/cm2 、耐屈曲性が10mm
以下であれば、シートの施工性が良好であり、表面クラ
ックが発生しないので、有利である。なお、シートの主
材層に保護仕上層を積層する場合には、積層したシート
全体としての状態で、前記の物理的な物性を具備してい
る必要がある。このため、保護仕上層としては弾性系の
材料、例えば、JIS A 6910「複層仕上げ塗材
防水型の上塗り」として使用できるものが好適である。
【0069】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
ころをより一層明確にする。
【0070】なお、以下の実施例および比較例における
各試験片の性能は、下記に示す方法により判定した。
各試験片の性能は、下記に示す方法により判定した。
【0071】I.耐火性能および発泡倍率 JIS A 1304「建築構造部分の耐火試験方法」の4.「加
熱等級;付図1」に規定する標準曲線に基づいて、電気
炉にて試験片の一面を加熱昇温し、熱間亜鉛鋼板の裏面
温度が600℃に達した時点での経過時間(分)を耐火
性能とし、また、その試験片について、乾燥塗膜に対す
る発泡倍率を測定した。
熱等級;付図1」に規定する標準曲線に基づいて、電気
炉にて試験片の一面を加熱昇温し、熱間亜鉛鋼板の裏面
温度が600℃に達した時点での経過時間(分)を耐火
性能とし、また、その試験片について、乾燥塗膜に対す
る発泡倍率を測定した。
【0072】II.促進劣化後の塗膜状況 各試験片をJIS K 5400「塗料一般試験方法」の9.8;
「促進耐候性」に規定のサンシャインカーボンアーク灯
式耐候性試験機にて、350時間促進試験した後、試験
片表面の塗膜の状態を目視にて評価した。評価基準は、
膨れやクラックのまったくないものを「○」とし、わず
かな膨れを認めるものを「△」とし、膨れやクラックが
著しく認められるものを「×」とした。
「促進耐候性」に規定のサンシャインカーボンアーク灯
式耐候性試験機にて、350時間促進試験した後、試験
片表面の塗膜の状態を目視にて評価した。評価基準は、
膨れやクラックのまったくないものを「○」とし、わず
かな膨れを認めるものを「△」とし、膨れやクラックが
著しく認められるものを「×」とした。
【0073】また、以下の実施例および比較例で使用し
た各成分の詳細は、以下の通りである。
た各成分の詳細は、以下の通りである。
【0074】A.バインダー A−1;一液型変性エポキシ樹脂、固形分40%、重量
平均分子量35000 A−2;ビニルトルエン−ブタジエン共重合体、固形分
40%、重量平均分子量7800 A−3;ビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合
物、固形分40%、重合平均分子量8300 A−4;シリコン変性アクリル樹脂、固形分50%、重
量平均分子量15000 B.難燃剤 B−1;ポリリン酸アンモニウム B−2;塩素化パラフィン C.発泡剤 C−1;メラミン C−2;ジシアンジアミド C−3;アゾジカルボンアミド D.炭化剤 D−1;ペンタエリスリトール D−2;ジペンタエリスリトール E.充填剤 E−1;二酸化チタン E−2;タルク F.希釈用溶剤 F−1;キシレン 実施例1〜8 上記の材料A〜Fから発泡耐火性主材層を構成すべき成
分を選択して、表1に示す組成(数値は、バインダー中
の固形分を100重量部とする相対量を示す)を有する
発泡耐火性塗料を製造した。
平均分子量35000 A−2;ビニルトルエン−ブタジエン共重合体、固形分
40%、重量平均分子量7800 A−3;ビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合
物、固形分40%、重合平均分子量8300 A−4;シリコン変性アクリル樹脂、固形分50%、重
量平均分子量15000 B.難燃剤 B−1;ポリリン酸アンモニウム B−2;塩素化パラフィン C.発泡剤 C−1;メラミン C−2;ジシアンジアミド C−3;アゾジカルボンアミド D.炭化剤 D−1;ペンタエリスリトール D−2;ジペンタエリスリトール E.充填剤 E−1;二酸化チタン E−2;タルク F.希釈用溶剤 F−1;キシレン 実施例1〜8 上記の材料A〜Fから発泡耐火性主材層を構成すべき成
分を選択して、表1に示す組成(数値は、バインダー中
の固形分を100重量部とする相対量を示す)を有する
発泡耐火性塗料を製造した。
【0075】
【表1】
【0076】製造は、まず混合撹拌タンク中にバインダ
ーと希釈用溶剤を投入し、これをディゾルバーにて撹拌
混合しながら、難燃剤、発泡剤、炭化剤および充填剤を
順次投入した。これら構成成分が均一に混合された時点
で、撹拌を終了して、粘度130PSの発泡耐火性塗料が
得られた。
ーと希釈用溶剤を投入し、これをディゾルバーにて撹拌
混合しながら、難燃剤、発泡剤、炭化剤および充填剤を
順次投入した。これら構成成分が均一に混合された時点
で、撹拌を終了して、粘度130PSの発泡耐火性塗料が
得られた。
【0077】次いで、この様にして製造した発泡耐火性
塗料を、300mm×300mm×9mmの熱間圧延鋼
板を基材として、塗付量3kg/m2 で吹付塗付した後、
養生乾燥した。得られた発泡耐火性塗料から得られた主
材層の膜厚は、1.5mmであった。
塗料を、300mm×300mm×9mmの熱間圧延鋼
板を基材として、塗付量3kg/m2 で吹付塗付した後、
養生乾燥した。得られた発泡耐火性塗料から得られた主
材層の膜厚は、1.5mmであった。
【0078】次いで、この発泡耐火性塗料の塗膜からな
る主材層表面に、保護仕上層として表2に示す保護仕上
用塗料のいずれかを塗付量0.30kg/m2 にて吹付塗
付し、乾燥養生した。
る主材層表面に、保護仕上層として表2に示す保護仕上
用塗料のいずれかを塗付量0.30kg/m2 にて吹付塗
付し、乾燥養生した。
【0079】この様にして作製した発泡耐火性積層を有
する熱間圧延鋼板を2週間養生して、試験片とし、これ
について所定の試験を行ったところ、表2に示す結果が
得られた。表3には、主材層と保護仕上げ層との組合せ
を併せて示す。なお、表2には、後記の実施例9および
10の結果をも併せて示す。
する熱間圧延鋼板を2週間養生して、試験片とし、これ
について所定の試験を行ったところ、表2に示す結果が
得られた。表3には、主材層と保護仕上げ層との組合せ
を併せて示す。なお、表2には、後記の実施例9および
10の結果をも併せて示す。
【0080】なお、保護仕上層形成用塗料の製造者およ
び商品名は、以下の通りである。
び商品名は、以下の通りである。
【0081】 1;エスケー化研株式会社製 「SKエコファイン」 2;エスケー化研株式会社製 「ナックベース」 3;エスケー化研株式会社製 「弾性カラーエナメル」 4;エスケー化研株式会社製 「弾性フッソロンエナメ
ル」 5;エスケー化研株式会社製 「SKマイルドウレタ
ン」 6;エスケー化研株式会社製 「弾性ウレタンカラー」 7;エスケー化研株式会社製 「リリカタイトエナメ
ル」 8;エスケー化研株式会社製 「フッソロンエナメル」 また、熱分解温度は、熱重量分析装置(株式会社リガク
製、「TAS−200」)により、熱重量曲線を描か
せ、最初に発生する重量の急激な減少部分の発生温度と
終局温度との相加平均により、決定した。
ル」 5;エスケー化研株式会社製 「SKマイルドウレタ
ン」 6;エスケー化研株式会社製 「弾性ウレタンカラー」 7;エスケー化研株式会社製 「リリカタイトエナメ
ル」 8;エスケー化研株式会社製 「フッソロンエナメル」 また、熱分解温度は、熱重量分析装置(株式会社リガク
製、「TAS−200」)により、熱重量曲線を描か
せ、最初に発生する重量の急激な減少部分の発生温度と
終局温度との相加平均により、決定した。
【0082】
【表2】
【0083】表2に示す結果から、本発明による発泡耐
火性積層体は、耐候性に優れ、且つ高温に曝された場合
の耐熱性にも優れていることが明らかである。
火性積層体は、耐候性に優れ、且つ高温に曝された場合
の耐熱性にも優れていることが明らかである。
【0084】実施例9 表2に示す発泡耐火性材料を使用し、表3に示す配合処
方例9に基づいて、発泡耐火性塗料を製造した。製造に
際しては、まず混合撹拌タンク中にバインダーと希釈用
溶剤を投入し、ディゾルバーにより撹拌混合しながら、
その他の成分である難燃剤、発泡剤、炭化剤および充填
剤を順次投入した後、これら構成成分が均一に混合され
た時点で、撹拌を終了して、粘度130PSの発泡耐火性
塗料を得た。
方例9に基づいて、発泡耐火性塗料を製造した。製造に
際しては、まず混合撹拌タンク中にバインダーと希釈用
溶剤を投入し、ディゾルバーにより撹拌混合しながら、
その他の成分である難燃剤、発泡剤、炭化剤および充填
剤を順次投入した後、これら構成成分が均一に混合され
た時点で、撹拌を終了して、粘度130PSの発泡耐火性
塗料を得た。
【0085】この様にして製造した発泡耐火性塗料を剥
離処理した紙シート面にフローコーターを使用して、塗
付量3kg/m2 で塗付し、養生乾燥した。形成された発
泡耐火性塗料からなる主材層の膜厚は、1.5mmであ
った。次いで、この発泡耐火性主材層表面に、保護仕上
層として前記に示すビニル重合型フッ素系樹脂を樹脂成
分とする保護仕上層形成用塗料(エスケー化研株式会社
製「弾性フッソロンエナメル」)を塗付量0.30kg/
m2 にて吹付塗付し、乾燥養生した後、紙シートを剥離
した。
離処理した紙シート面にフローコーターを使用して、塗
付量3kg/m2 で塗付し、養生乾燥した。形成された発
泡耐火性塗料からなる主材層の膜厚は、1.5mmであ
った。次いで、この発泡耐火性主材層表面に、保護仕上
層として前記に示すビニル重合型フッ素系樹脂を樹脂成
分とする保護仕上層形成用塗料(エスケー化研株式会社
製「弾性フッソロンエナメル」)を塗付量0.30kg/
m2 にて吹付塗付し、乾燥養生した後、紙シートを剥離
した。
【0086】この様にして作製した発泡耐火性積層シー
トをさらに2週間養生した後、JISK 5400「塗料一般試
験方法」の8.1「耐屈曲性試験」に供したところ、8
mmとなり、また、JIS A 6021「屋根用塗膜防水材」の
5.3「引張性能」に供したところ、引張強度は118
N/cm2 となった。
トをさらに2週間養生した後、JISK 5400「塗料一般試
験方法」の8.1「耐屈曲性試験」に供したところ、8
mmとなり、また、JIS A 6021「屋根用塗膜防水材」の
5.3「引張性能」に供したところ、引張強度は118
N/cm2 となった。
【0087】この発泡耐火性積層シートの保護仕上層と
反対の面に、アクリル酸エステル重合物系の粘着剤を厚
み250μmの粘着剤層を形成するように積層すること
により、発泡耐火性積層粘着シートを得た。
反対の面に、アクリル酸エステル重合物系の粘着剤を厚
み250μmの粘着剤層を形成するように積層すること
により、発泡耐火性積層粘着シートを得た。
【0088】この発泡耐火性積層粘着シートを300m
m×300mm×9mmの熱間圧延鋼板に貼着して2週
間養生し、試験体とした。この試験体について実施例1
と同様の試験を行ったところ、表2に示す結果が得られ
た。
m×300mm×9mmの熱間圧延鋼板に貼着して2週
間養生し、試験体とした。この試験体について実施例1
と同様の試験を行ったところ、表2に示す結果が得られ
た。
【0089】実施例10 表2に示した発泡耐火性主材層構成成分を使用し、表3
に示す配合処方例13に基づいて、実施例10と同様な
手法により、発泡耐火性塗料を製造した。
に示す配合処方例13に基づいて、実施例10と同様な
手法により、発泡耐火性塗料を製造した。
【0090】得られた発泡耐火性塗料を、剥離処理した
紙シート面にフローコーターを使用して、塗付量3kg/
m2 で塗付し、養生乾燥した。形成された発泡耐火性塗
料〜なる主材層の膜厚は1.5mmであった。
紙シート面にフローコーターを使用して、塗付量3kg/
m2 で塗付し、養生乾燥した。形成された発泡耐火性塗
料〜なる主材層の膜厚は1.5mmであった。
【0091】次いで、上記の主材層表面に、保護仕上層
として前記のアクリル系樹脂を樹脂成分とする保護仕上
層形成用塗料(エスケー化研株式会社製「弾性カラーエ
ナメル」)を塗付量0.30kg/m2 にて吹付塗付し、
乾燥養生した後、紙シートを剥離した。
として前記のアクリル系樹脂を樹脂成分とする保護仕上
層形成用塗料(エスケー化研株式会社製「弾性カラーエ
ナメル」)を塗付量0.30kg/m2 にて吹付塗付し、
乾燥養生した後、紙シートを剥離した。
【0092】この様にして作製した発泡耐火性積層シー
トを2週間養生した後、JIS K 5400「塗料一般試験方
法」の8.1「耐屈曲性試験」に供したところ、3mm
となり、また、JIS A 6021「屋根用塗膜防水材」の5.
3「引張性能試験」に供したところ、引張強度は70N
/cm2 となった。
トを2週間養生した後、JIS K 5400「塗料一般試験方
法」の8.1「耐屈曲性試験」に供したところ、3mm
となり、また、JIS A 6021「屋根用塗膜防水材」の5.
3「引張性能試験」に供したところ、引張強度は70N
/cm2 となった。
【0093】上記で得られた発泡耐火性積層シートを、
酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン
接着剤を塗付量0.2kg/m2 で予め吹付塗付した30
0mm×300mm×9mmの熱間圧延鋼板に貼着し、
2週間養生した後、試験体とした。
酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン
接着剤を塗付量0.2kg/m2 で予め吹付塗付した30
0mm×300mm×9mmの熱間圧延鋼板に貼着し、
2週間養生した後、試験体とした。
【0094】この試験体について実施例1と同様の試験
を行ったところ、表2に示す結果が得られた。
を行ったところ、表2に示す結果が得られた。
【0095】
【表3】
【0096】前記表2に示す結果から、本発明による発
泡耐火性積層体は、耐候性に優れ、且つ高温に曝された
場合の耐熱性にも優れていることが明らかである。
泡耐火性積層体は、耐候性に優れ、且つ高温に曝された
場合の耐熱性にも優れていることが明らかである。
【0097】比較例1 保護仕上層を形成しない以外は実施例1と試験を行っ
た。その結果を表5に示す。
た。その結果を表5に示す。
【0098】比較例2 実施例2における保護仕上層を前記の仕上材5に代える
以外は実施例2と同様にして試験を行った。その結果を
表4に示す。
以外は実施例2と同様にして試験を行った。その結果を
表4に示す。
【0099】比較例3 実施例5における保護仕上層を前記の仕上材6に代える
以外は実施例5と同様にして試験を行った。その結果を
表4に示す。
以外は実施例5と同様にして試験を行った。その結果を
表4に示す。
【0100】比較例4〜7 実施例1の主材層配合例および保護仕上層を形成する仕
上材に替えて、それぞれ表1または3に示す配合例およ
び前記の仕上材を使用する以外は実施例1と同様にして
試験体を作製した。
上材に替えて、それぞれ表1または3に示す配合例およ
び前記の仕上材を使用する以外は実施例1と同様にして
試験体を作製した。
【0101】これらの試験体における主材層と保護仕上
層との組合せおよびその性能を表4に示す。
層との組合せおよびその性能を表4に示す。
【0102】比較例8 保護仕上層を形成しない外は実施例8と同様にして試験
を行った。結果を表4に示す。
を行った。結果を表4に示す。
【0103】比較例9 実施例9の発泡耐火性主材層の配合例9を表1の配合例
6に代え、且つ保護仕上層を前記の仕上材6に代える以
外には実施例9と同様にして、発泡耐火性積層シートを
製造して、JIS K 5400「塗料一般試験方法」の8.1
「耐屈曲性試験」を行ったところ2mmとなり、JIS A
6021「屋根用塗膜防水材」の5.3「引張性能」の試験
を行ったところ、引張強度は39N/cm2 となった。
6に代え、且つ保護仕上層を前記の仕上材6に代える以
外には実施例9と同様にして、発泡耐火性積層シートを
製造して、JIS K 5400「塗料一般試験方法」の8.1
「耐屈曲性試験」を行ったところ2mmとなり、JIS A
6021「屋根用塗膜防水材」の5.3「引張性能」の試験
を行ったところ、引張強度は39N/cm2 となった。
【0104】この発泡耐火性積層シートの保護仕上層と
反対の面に、アクリル酸エステル重合物系の粘着剤を厚
み250μmの粘着剤層を形成するように積層すること
により、発泡耐火性積層粘着シートを得ることができ
た。
反対の面に、アクリル酸エステル重合物系の粘着剤を厚
み250μmの粘着剤層を形成するように積層すること
により、発泡耐火性積層粘着シートを得ることができ
た。
【0105】この発泡耐火性積層粘着シートを、300
mm×300mm×9mmの熱間圧延鋼板に貼着し、2
週間養生した後、試験体とした。この試験体について実
施例1と同様の試験を行ったところ、表4のような結果
となった。
mm×300mm×9mmの熱間圧延鋼板に貼着し、2
週間養生した後、試験体とした。この試験体について実
施例1と同様の試験を行ったところ、表4のような結果
となった。
【0106】比較例10 実施例10で使用した発泡耐火性主材層配合例13を表
3の配合例12に代え、且つ保護仕上層を形成しない以
外は実施例10と同様にして、発泡耐火性シートを製造
し、JIS K 5400「塗料一般試験方法」の8.1「耐屈曲
性試験」に供したところ、8mmとなり、またJIS A 60
21「屋根用塗膜防水材」の5.3「引張性能」の試験を
行ったところ、引張強度は118N/cm2 となった。
3の配合例12に代え、且つ保護仕上層を形成しない以
外は実施例10と同様にして、発泡耐火性シートを製造
し、JIS K 5400「塗料一般試験方法」の8.1「耐屈曲
性試験」に供したところ、8mmとなり、またJIS A 60
21「屋根用塗膜防水材」の5.3「引張性能」の試験を
行ったところ、引張強度は118N/cm2 となった。
【0107】この発泡耐火性シートを、酢酸ビニル−ア
クリル酸エステル共重合体エマルジョン接着剤を塗付量
0.2kg/m2 で予め吹付塗付した300mm×300
mm×9mmの熱間圧延鋼板に貼着し、2週間養生した
後、試験体とした。
クリル酸エステル共重合体エマルジョン接着剤を塗付量
0.2kg/m2 で予め吹付塗付した300mm×300
mm×9mmの熱間圧延鋼板に貼着し、2週間養生した
後、試験体とした。
【0108】この試験体について実施例1と同様の試験
を行ったところ、表4のような結果となった。
を行ったところ、表4のような結果となった。
【0109】
【表4】
【0110】表4に示す結果から、本発明による主材層
と保護仕上層との組合せを採用しない場合には、発泡耐
火性主材層が耐候性に劣り、その結果、高温に曝された
場合の耐熱性も、著しく劣っていることが明らかであ
る。
と保護仕上層との組合せを採用しない場合には、発泡耐
火性主材層が耐候性に劣り、その結果、高温に曝された
場合の耐熱性も、著しく劣っていることが明らかであ
る。
【0111】実施例11 実施例9で作製した表1の配合例9による発泡耐火性塗
料を剥離処理した紙シート面にフローコーターを使用し
て、塗付量3kg/m2 で塗付し、養生乾燥した後、紙シ
ートを剥離した。このようにして製造した発泡耐火性塗
料シートの膜厚は、1.5mmであった。
料を剥離処理した紙シート面にフローコーターを使用し
て、塗付量3kg/m2 で塗付し、養生乾燥した後、紙シ
ートを剥離した。このようにして製造した発泡耐火性塗
料シートの膜厚は、1.5mmであった。
【0112】この発泡耐火性塗料シートの表面に、アク
リル酸エステル重合物系の粘着剤を厚み250μmの粘
着剤層を形成するように積層して、発泡耐火性粘着シー
トを得た。
リル酸エステル重合物系の粘着剤を厚み250μmの粘
着剤層を形成するように積層して、発泡耐火性粘着シー
トを得た。
【0113】この様にして得た発泡耐火性粘着シートを
図7に示す様にH型鋼のエッジ部分に貼着した後に、ウ
エブ、フランジおよび該シート表面まで含めて全面的
に、表1の配合例3により製造した発泡耐火性塗料を塗
付量3kg/m2 で塗付し、さらに保護仕上層として、表
2の仕上材4(エスケー化研株式会社製「弾性フッソロ
ンエナメル」)を塗付量0.30kg/m2 にて吹付塗付
し、2週間養生して、試験体とした。
図7に示す様にH型鋼のエッジ部分に貼着した後に、ウ
エブ、フランジおよび該シート表面まで含めて全面的
に、表1の配合例3により製造した発泡耐火性塗料を塗
付量3kg/m2 で塗付し、さらに保護仕上層として、表
2の仕上材4(エスケー化研株式会社製「弾性フッソロ
ンエナメル」)を塗付量0.30kg/m2 にて吹付塗付
し、2週間養生して、試験体とした。
【0114】次いで、JIS A 1304「建築構造部分の耐火
試験方法」の4.「加熱等級 付図1」に規定する標準
曲線に基づいて、加熱炉中で上記の試験体を加熱昇温し
たところ、発泡した炭化断熱層は、エッジ部分において
も均一に発泡しており、歪みによるクラックや剥がれは
発生していなかった。従って、本発明による発泡耐火性
粘着シートを使用する場合には、H型鋼のエッジ部分の
膜厚を均一とするための特別な注意を要せずして、発泡
耐火層を形成することができる。
試験方法」の4.「加熱等級 付図1」に規定する標準
曲線に基づいて、加熱炉中で上記の試験体を加熱昇温し
たところ、発泡した炭化断熱層は、エッジ部分において
も均一に発泡しており、歪みによるクラックや剥がれは
発生していなかった。従って、本発明による発泡耐火性
粘着シートを使用する場合には、H型鋼のエッジ部分の
膜厚を均一とするための特別な注意を要せずして、発泡
耐火層を形成することができる。
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、耐久性に劣る発泡耐火
性塗料からなる主材層上に耐候性に優れた保護仕上層を
積層することにより、主材層の劣化を防止して、長期経
過後の火災発生時にも、所期の耐火性能を発揮させるこ
とができる。
性塗料からなる主材層上に耐候性に優れた保護仕上層を
積層することにより、主材層の劣化を防止して、長期経
過後の火災発生時にも、所期の耐火性能を発揮させるこ
とができる。
【0116】また、この保護仕上層として着色したもの
を積層することにより、主材層を形成する発泡耐火塗料
自体を着色しなくとも、塗膜全体として各種の色相や模
様を付与することができ、無味乾燥な耐火被覆に比較し
て、構造物の外観に美装性を与えることができる。
を積層することにより、主材層を形成する発泡耐火塗料
自体を着色しなくとも、塗膜全体として各種の色相や模
様を付与することができ、無味乾燥な耐火被覆に比較し
て、構造物の外観に美装性を与えることができる。
【0117】さらに、万一火災が発生した場合には、保
護仕上材層が発泡耐火性主材層よりも低い温度で熱分解
するので、発泡耐火性主材層の発泡炭化断熱層の形成を
阻害することはなく、所望の高度の耐火性能を発揮させ
ることができる。
護仕上材層が発泡耐火性主材層よりも低い温度で熱分解
するので、発泡耐火性主材層の発泡炭化断熱層の形成を
阻害することはなく、所望の高度の耐火性能を発揮させ
ることができる。
【0118】さらにまた、発泡耐火性塗料は、火災時に
主材層から形成される発泡炭化断熱層の厚みによって耐
火性能を発揮するので、従来は、実質的に主材層を形成
する発泡耐火性塗料の吹付塗布量により、火災発生時の
耐火性能が規定されている。そして、吹付塗布を均一且
つ一定量とすることは、熟練作業者によっても極めて困
難であった。これに対し、本発明の発泡耐火性塗料から
なる主材層と保護仕上材との積層体をシート状に予め成
形しておく場合には、主材層の厚さを一定とすることが
可能となるので、従来技術における発泡耐火性塗料を吹
付塗付する際の塗付量管理乃至均一塗布の困難さを解消
することができる。従って、一定厚さのシート状積層体
を所定の被保護部に貼着することにより、簡単な作業に
より、常に所定の耐火性能が得られる。
主材層から形成される発泡炭化断熱層の厚みによって耐
火性能を発揮するので、従来は、実質的に主材層を形成
する発泡耐火性塗料の吹付塗布量により、火災発生時の
耐火性能が規定されている。そして、吹付塗布を均一且
つ一定量とすることは、熟練作業者によっても極めて困
難であった。これに対し、本発明の発泡耐火性塗料から
なる主材層と保護仕上材との積層体をシート状に予め成
形しておく場合には、主材層の厚さを一定とすることが
可能となるので、従来技術における発泡耐火性塗料を吹
付塗付する際の塗付量管理乃至均一塗布の困難さを解消
することができる。従って、一定厚さのシート状積層体
を所定の被保護部に貼着することにより、簡単な作業に
より、常に所定の耐火性能が得られる。
【図1】被保護物に発泡耐火性塗料からなる主材層を塗
付し、さらに保護仕上層を塗付した積層構造を示す断面
図である。
付し、さらに保護仕上層を塗付した積層構造を示す断面
図である。
【図2】発泡耐火性塗料からなる主材層と保護仕上層と
を積層してなる発泡耐火性積層シートを示す断面図であ
る。
を積層してなる発泡耐火性積層シートを示す断面図であ
る。
【図3】発泡耐火性塗料からなる主材層に保護仕上層お
よび粘着剤層を積層してなる発泡耐火性積層粘着シート
を示す断面図である。
よび粘着剤層を積層してなる発泡耐火性積層粘着シート
を示す断面図である。
【図4】発泡耐火性材料のみをシート状に成形した発泡
耐火材料シートを示す断面図である。
耐火材料シートを示す断面図である。
【図5】発泡耐火性材料からなる主材層に粘着剤層を積
層してシート状に成形した発泡耐火材料粘着シートを示
す断面図である。
層してシート状に成形した発泡耐火材料粘着シートを示
す断面図である。
【図6】発泡耐火性材料シートを複数枚貼り合わせる際
に隙間に発泡耐火性塗料を充填する工法を示す断面図で
ある。
に隙間に発泡耐火性塗料を充填する工法を示す断面図で
ある。
【図7】発泡耐火材料粘着シートを用いるH型鋼のエッ
ジ部の処理工法を示す断面図である。
ジ部の処理工法を示す断面図である。
1…被保護物 2…発泡耐火性塗料 3…保護仕上塗料 4…発泡耐火性材料からなる主材層 5…保護仕上層 6…粘着剤層 7…H型鋼
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】しかしながら、この様な湿式耐火被覆方法
において使用される公知の塗材組成物は、使用する材料
の種類にもよるが、例えば、鉄骨造の建物の柱、梁など
では、1時間耐火性能(標準加熱曲線にて1時間加熱し
た場合、鋼材温度が平均で350℃以下、最高温度で4
50℃以下であること)でみると、20〜40mm程度
の被覆厚みが必要であり、かなりの厚付けである。従っ
て、建築現場において施工を行う際には、重量の大きい
塗材を搬入しなければならないので、運送費用がかさむ
という問題がある。また、厚付け施工を行う場合には、
施工部が基材から大きく突出し、圧迫感を与えるため、
美的な観点からも、必ずしも満足すべきものとは言えな
い。さらに、施工後に剥離、脱落などの事故が生じる場
合もある。
において使用される公知の塗材組成物は、使用する材料
の種類にもよるが、例えば、鉄骨造の建物の柱、梁など
では、1時間耐火性能(標準加熱曲線にて1時間加熱し
た場合、鋼材温度が平均で350℃以下、最高温度で4
50℃以下であること)でみると、20〜40mm程度
の被覆厚みが必要であり、かなりの厚付けである。従っ
て、建築現場において施工を行う際には、重量の大きい
塗材を搬入しなければならないので、運送費用がかさむ
という問題がある。また、厚付け施工を行う場合には、
施工部が基材から大きく突出し、圧迫感を与えるため、
美的な観点からも、必ずしも満足すべきものとは言えな
い。さらに、施工後に剥離、脱落などの事故が生じる場
合もある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】次いで、この発泡耐火性塗料の塗膜からな
る主材層表面に、保護仕上層として下記に示す保護仕上
層形成用塗料1〜8のいずれかを塗布量0.30kg/
m2にて吹付塗布し、乾燥養生した。
る主材層表面に、保護仕上層として下記に示す保護仕上
層形成用塗料1〜8のいずれかを塗布量0.30kg/
m2にて吹付塗布し、乾燥養生した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】この様にして作製した発泡耐火性積層を有
する熱間圧延鋼板を2週間養生して、試験片とし、これ
について所定の試験を行ったところ、表2に示す結果が
得られた。表2には、主材層と保護仕上げ層との組合せ
を併せて示す。なお、表2には、後記の実施例9および
10の結果をも併せて示す。
する熱間圧延鋼板を2週間養生して、試験片とし、これ
について所定の試験を行ったところ、表2に示す結果が
得られた。表2には、主材層と保護仕上げ層との組合せ
を併せて示す。なお、表2には、後記の実施例9および
10の結果をも併せて示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正内容】
【0089】表3に示す配合処方例13に基づいて、実
施例9と同様な手法により、発泡耐火性塗料を製造し
た。
施例9と同様な手法により、発泡耐火性塗料を製造し
た。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正内容】
【0090】得られた発泡性耐火塗料を、剥離処理した
紙シート面にフローコーターを使用して、塗布量3kg
/m2で塗布し、養生乾燥した。形成された発泡耐火性
塗料からなる主材層の膜厚は、1.5mmであった。
紙シート面にフローコーターを使用して、塗布量3kg
/m2で塗布し、養生乾燥した。形成された発泡耐火性
塗料からなる主材層の膜厚は、1.5mmであった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正内容】
【0097】比較例1 保護仕上層を形成しない以外は実施例1と同様にして試
験を行った。その結果を表4に示す。
験を行った。その結果を表4に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 武士 大阪府茨木市清水一丁目25番10号 エスケ ー化研株式会社研究所内 (72)発明者 大内 富夫 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿島 建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 宮本 圭一 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿島 建設株式会社技術研究所内
Claims (22)
- 【請求項1】火災により周辺温度が所定の発泡温度に達
すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成を
行う発泡耐火性材料からなる主材層上に、正常時には主
材層を保護し、且つ火災時には主材層の発泡温度以下で
熱分解を起こす保護仕上層を積層したことを特徴とする
発泡耐火性積層体。 - 【請求項2】火災により周辺温度が所定の発泡温度に達
すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成を
行う発泡耐火性塗料を塗付して主材層を形成した後、正
常時には主材層を保護し、且つ火災時には主材層の発泡
温度以下で熱分解する保護仕上層を主材層上に形成する
ことを特徴とする発泡耐火性積層体の形成方法。 - 【請求項3】発泡耐火性塗料が、固形分換算で、バイン
ダー100重量部に対して、難燃剤200〜600重量
部、発泡剤40〜150重量部、炭化剤40〜150重
量部および充填剤50〜160重量部の割合で構成され
ていることを特徴とする請求項2に記載の発泡耐火性積
層体の形成方法。 - 【請求項4】発泡耐火性塗料が、固形分換算で、バイン
ダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体および
/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合体
100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸アンモ
ニウム200〜600重量部、発泡剤としてメラミンを
40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエリスリト
ールを40〜150重量部、充填剤として二酸化チタン
を50〜160重量部の割合で構成されている請求項2
または3に記載の発泡耐火性積層体の形成方法。 - 【請求項5】発泡耐火性塗料が、固形分換算で、バイン
ダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体および
/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合体
100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸アンモ
ニウムを200〜600重量部、発泡剤としてメラミン
を40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエリスリ
トールを40〜150重量部、充填剤として二酸化チタ
ンを50〜160重量部および可塑剤として塩素化パラ
フィン30〜160重量部の割合で構成されている請求
項2または3に記載の発泡耐火性積層体の形成方法。 - 【請求項6】火災により周辺温度が所定の発泡温度に達
すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成を
行う発泡耐火性材料からなる主材層上に、正常時には主
材層を保護し、且つ火災時には主材層の発泡温度以下で
熱分解を起こす保護仕上層を積層したことを特徴とする
発泡耐火性積層シート。 - 【請求項7】発泡耐火性材料が、固形分換算で、バイン
ダー100重量部に対して、難燃剤200〜600重量
部、発泡剤40〜150重量部、炭化剤40〜150重
量部および充填剤50〜160重量部の割合で構成され
ている請求項6に記載の発泡耐火性積層シート。 - 【請求項8】発泡耐火性材料が、固形分換算で、バイン
ダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体および
/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合体
100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸アンモ
ニウムを200〜600重量部、発泡剤としてメラミン
を40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエリスリ
トールを40〜150重量部、充填剤として二酸化チタ
ンを50〜160重量部の割合で構成されている請求項
6または7に記載の発泡耐火性積層シート。 - 【請求項9】発泡耐火性材料が、固形分換算で、バイン
ダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体および
/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合体
100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸アンモ
ニウムと塩素化パラフィンを合計量で200〜600重
量部、発泡剤としてメラミンを40〜150重量部、炭
化剤としてジペンタエリスリトールを40〜150重量
部、充填剤として二酸化チタンを50〜160重量部お
よび可塑剤として塩素化パラフィン30〜160重量部
の割合で構成されている請求項6または7に記載の発泡
耐火性積層シート。 - 【請求項10】常温での引張強さが20〜300N/c
m2 、耐屈曲性が10mm以下である請求項5乃至9の
いずれかに記載の発泡耐火性積層シート。 - 【請求項11】火災により周辺温度が所定の発泡温度に
達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成
を行う発泡耐火性材料からなる主材層の一面上に、正常
時には主材層を保護し、且つ火災時には主材層の発泡温
度以下で熱分解を起こす保護仕上層が積層されており、
さらに主材層の他の一面上に粘着剤層および可剥離性シ
ートが順次積層されていることを特徴とする発泡耐火性
積層粘着シート。 - 【請求項12】発泡耐火性材料が、固形分換算で、バイ
ンダー100重量部に対して、難燃剤200〜600重
量部、発泡剤40〜150重量部、炭化剤40〜150
重量部および充填剤50〜160重量部の割合で構成さ
れている請求項11に記載の発泡耐火性積層粘着シー
ト。 - 【請求項13】発泡耐火性材料が、固形分換算で、バイ
ンダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体およ
び/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合
体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸アン
モニウムを200〜600重量部、発泡剤としてメラミ
ンを40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエリス
リトールを40〜150重量部、充填剤として二酸化チ
タンを50〜160重量部の割合で構成されている請求
項11乃至12のいずれかに記載の発泡耐火性積層粘着
シート。 - 【請求項14】発泡耐火性材料が、固形分換算で、バイ
ンダーとしてビニルトルエン−ブタジエン共重合体およ
び/またはビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合
体100重量部に対して、難燃剤としてポリリン酸アン
モニウムを200〜600重量部、発泡剤としてメラミ
ンを40〜150重量部、炭化剤としてジペンタエリス
リトールを40〜150重量部、充填剤として二酸化チ
タンを50〜160重量部およびと塩素化パラフィンを
30〜160重量部の割合で構成されている請求項11
乃至13のいずれかに記載の発泡耐火性積層粘着シー
ト。 - 【請求項15】常温での引張強さが20〜300N/c
m2 、耐屈曲性が10mm以下である請求項11乃至1
4のいずれかに記載の発泡耐火性積層粘着シート。 - 【請求項16】耐火性を付与すべき躯体に接着剤を塗付
した後、請求項6乃至10のいずれかに記載の発泡耐火
性積層シートを貼着することを特徴とする耐火被覆方
法。 - 【請求項17】耐火性を付与すべき躯体に請求項11乃
至15のいずれかに記載の発泡耐火性積層粘着シートを
貼着することを特徴とする耐火被覆方法。 - 【請求項18】耐火性を付与すべきる躯体に接着剤を塗
付した後、火災により周辺温度が所定の発泡温度に達す
ると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成を行
う発泡耐火性シートを貼着し、さらに正常時には該発泡
耐火性シートを保護し、且つ火災時には該発泡耐火性シ
ートの発泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上層を塗付
形成することを特徴とする発泡耐火性被覆の形成方法。 - 【請求項19】火災により周辺温度が所定の発泡温度に
達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成
を行う主材層の一面に可剥離性シートを表面に設けた粘
着剤層を積層してなる発泡耐火性材料粘着シートの可剥
離性シートを剥離した後、該粘着剤層を介して耐火性を
付与すべき躯体に貼着し、さらに正常時には該発泡耐火
性材料シートを保護し、且つ火災時には該発泡耐火性材
料シートの発泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上層を
塗付形成することを特徴とする発泡耐火性被覆の形成方
法。 - 【請求項20】請求項18または19に記載の方法であ
って、複数枚の発泡耐火性材料シートまたは発泡耐火性
材料粘着シートを躯体に貼着した後、複数枚のシートの
貼り合わせ部分に、火災により周辺温度が所定の発泡温
度に達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の
形成を行う発泡耐火性塗料を充填塗付し、さらに正常時
には該発泡耐火性材料シートまたは発泡耐火性材料粘着
シートを保護し、且つ火災時には該発泡耐火性材料シー
トまたは発泡耐火性材料粘着シートの発泡温度以下で熱
分解を起こす保護仕上層を躯体全面に塗付形成すること
を特徴とする発泡耐火性被覆の形成方法。 - 【請求項21】H型鋼のエッジ部に接着剤を塗付した
後、請求項6に記載の発泡耐火性積層体を貼着し、次い
でウェブ、フランジなどの残余の部分およびエッジ部
に、火災により周辺温度が所定の発泡温度に達すると発
泡し、不燃性ガスの発生と炭化断熱層の形成を行う発泡
耐火性塗料を塗付した後、さらに正常時には該発泡耐火
性積層体を保護し、且つ火災時には該発泡耐火性積層体
の発泡温度以下で熱分解を起こす保護仕上層を全面に塗
付形成することを特徴とするH型鋼に対する発泡耐火性
被覆の形成方法。 - 【請求項22】H型鋼のエッジ部に請求項11に記載の
発泡耐火性材料粘着シートを貼着し、次いでウェブ、フ
ランジなどの残余の部分に、火災により周辺温度が所定
の発泡温度に達すると発泡し、不燃性ガスの発生と炭化
断熱層の形成を行う発泡耐火性塗料を塗付した後、さら
に正常時には該発泡耐火性積層粘着シートを保護し、且
つ火災時には該発泡耐火性積層粘着シートの発泡温度以
下で熱分解を起こす保護仕上層を全面に塗付形成するこ
とを特徴とするH型鋼に対する発泡耐火性被覆の形成方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07349794A JP3218359B2 (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | 発泡耐火性積層体とその形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07349794A JP3218359B2 (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | 発泡耐火性積層体とその形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07276552A true JPH07276552A (ja) | 1995-10-24 |
JP3218359B2 JP3218359B2 (ja) | 2001-10-15 |
Family
ID=13519959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07349794A Expired - Lifetime JP3218359B2 (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | 発泡耐火性積層体とその形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3218359B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1994
- 1994-04-12 JP JP07349794A patent/JP3218359B2/ja not_active Expired - Lifetime
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