JP2015117509A - 被覆構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】屋内側から屋外側に突出する鉄骨梁において、熱橋現象による結露等の発生を抑制するとともに、梁下部においても十分な階高を確保でき、さらには耐熱保護性、美観性にも優れる被覆構造体を提供する。
【解決手段】本発明は、鉄骨構造物を構成する鉄骨梁の被覆構造体であり、上記鉄骨梁は、屋内側から屋外側に突出するものであり、屋外側には、セメント及び軽量骨材を含む無機断熱材層(A)が設けられ、屋内側には、熱発泡性被覆材層(B)が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規な鉄骨梁の被覆構造体に関するものである。
従来、住宅、ビル等の建築物等の構造物を構成する梁は、天井面に覆われ露出していない場合が多かった。しかし、近年、居室空間のデザインの多様化により、構造物を構成する梁を化粧梁として露出させることにより、室内空間を広く見せたり、装飾性を付与した美観性の高い建築物が数多く建造されている。
一方、これら構造物を構成する部材が熱伝導率の高い鉄骨の場合、熱橋(ヒートブリッジ)となりやすい。特に、鉄骨が屋内側からバルコニーや外廊下等の屋外へ突出する状態で設けられる場合、鉄骨(特に屋外側鉄骨)での断熱が不十分であれば熱移動が生じ、屋外と屋内との間で、熱橋が生じて結露が発生する可能性がある。これに対して、有機樹脂発泡体等の断熱材や木材で鉄骨を囲う工法等が知られている(例えば、特許文献1)。
特開平10−18386号公報
しかしながら、特許文献1のような工法は、鉄骨全体を断熱材で覆うため外観デザインに制約が生じてしまう。また、断熱材の厚みが厚くなるため、特に梁下部において、その分階高が低くなり、室内空間が狭く見えたり、容積が減少したりするおそれがある。また、耐熱保護性も不十分となる場合があり、鉄骨が高温に晒された場合には物理的強度が急激に低下するおそれもある。
本発明は、これら従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、鉄骨梁において、熱橋現象による結露等の発生を抑制するとともに、梁下部においても十分な階高を確保でき、さらには耐熱保護性、美観性にも優れる被覆構造体を得ることを目的とするものである。
このような課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討の結果、屋内側から屋外側に突出する鉄骨梁において、屋外側にはセメント及び軽量骨材を含む無機断熱材層(A)が設けられ、屋内側には熱発泡性被覆材層(B)が設けられた鉄骨梁の被覆構造体に想到し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.鉄骨構造物を構成する鉄骨梁の被覆構造体であり、
上記鉄骨梁は、屋内側から屋外側に突出するものであり、
屋外側には、セメント及び軽量骨材を含む無機断熱材層(A)が設けられ、
屋内側には、熱発泡性被覆材層(B)が設けられていることを特徴とする被覆構造体。
2.上記熱発泡性被覆材層(B)が、熱発泡性樹脂シート層であることを特徴とする1.に記載の被覆構造体。
3.上記無機断熱材層(A)の上に、防水層が積層されたことを特徴とする1.または2.に記載の被覆構造体。
本発明の被覆構造体は、屋内側から屋外側に突出する鉄骨梁の、屋外側には、セメント及び軽量骨材を含む無機断熱材層(A)が設けられ、屋内側には、熱発泡性被覆材層(B)が設けられたものであり、熱橋現象による結露等の発生を抑制するとともに、梁下部においても十分な階高を確保できるとともに、耐熱保護性、美観性にも優れるものである。
本発明の一例を示す図である。 本発明の一例を示す図である。 本発明の一例を示す図である。
1.鉄骨梁
2.壁材
2a.外壁側
2b.内壁側
3.床材
4.無機断熱材層(A)
5.熱発泡性被覆材層(B)
6.防水層
7.保護層または化粧層
8.境目(X)
9.突合せ部(Y)
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は鉄骨構造物を構成する鉄骨梁の被覆構造体に関するものであり、該鉄骨梁が屋内側から屋外側に突出するものであり、屋外側にはセメント及び軽量骨材を含む無機断熱材層(A)、屋内側には熱発泡性被覆材層(B)が設けられていることを特徴とするものである。
本発明の鉄骨梁は、建築物の水平方向に架けられ、柱や階上の床材の下面に接合され、かつ屋内側から屋外側に突出する構造のものである。使用される鉄骨部材の形状としては特に限定されないが、角型鋼、角型鋼管(ロ字型鋼)、H型鋼、I型鋼、あるいは平鋼(フラットバー)等の平板状の鉄骨等から選ばれるものが挙げられる。これら鉄骨部材は、予め、その表面が防錆処理されているものであることが好ましい。防錆処理方法としては、例えば、金属めっき等化成処理方法や、公知の錆止め塗料を塗付する方法、等が挙げられる。
(無機断熱材層(A))
本発明のセメント及び軽量骨材を含む無機断熱材層(A)(以下「(A)層」ともいう。)は、鉄骨梁の屋外側に設けられるものであり、断熱性及び耐熱保護性を有するものである。このような(A)層を鉄骨梁の屋外側に設けることによって、熱橋を防止し、屋内側の鉄骨表面に結露が発生することを抑制することができる。また、鉄骨が高温に晒された場合に、物理的強度が急激に低下することを抑制することもできる。
本発明の(A)層としては、断熱性及び耐熱保護性を有するものであれば、特に限定されないが、本発明では、少なくともセメント及び軽量骨材を含む断熱材(以下、「断熱材」ともいう。)より形成されるものであることが好ましい。
セメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント等のポルトランドセメントのほか、アルミナセメント、超速硬セメント、膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、キーンスセメント等が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して使用できる。これらの中でも、ポルトランドセメントが好ましい。より具体的には、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントの少なくとも1種が好ましいものとして挙げられる。このようなセメントを主成分とすることにより、耐熱保護性を有することができる。
軽量骨材としては、例えば、膨張パーライト、膨張バーミキュライト、セラミック中空ビーズ、中空ガラスビーズ、シラスバルーン、シリカゲル、等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。軽量骨材の混合比率は、セメント100重量部に対し、好ましくは20〜300重量部、より好ましくは50〜200重量部である。このような範囲である場合、優れた断熱性を有することができる。
本発明の断熱材には、上記成分に加え、金属水酸化物を含むことが好ましい。金属水酸化物は、火災時等の高温に晒された場合、水蒸気等の不燃性ガスを多量に発生させ得るものであり、その吸熱作用により温度上昇を大幅に抑制する効果をもつものである。このような金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化スカンジウム等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。
金属水酸化物の混合比率は、セメント100重量部に対し、好ましくは50〜500重量部、より好ましくは80〜400重量部である。このような範囲である場合、優れた耐熱保護性を有することができる。
断熱材には、上述の成分のほか、本発明の効果を妨げない範囲内で、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、プロピオン酸ビニル樹脂、バーサチック酸ビニル樹脂、アクリル酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂、珪砂、砂等の骨材、着色顔料、体質顔料、繊維物質、その他にも増粘剤、界面活性剤、減水剤、消泡剤、防錆剤、低融点無機質物質等の公知の添加剤を配合しても良い。
本発明の断熱材は、このような成分を常法により均一に混合することで製造することができる。これらの成分は順次又は同時に添加することができる。また、混合時には、適当量の水を混合することが好ましい。水の比率は、断熱材100重量部に対し、好ましくは50〜200重量部である。この範囲の水を添加することにより、施工性に優れ、均一な無機断熱材層を形成することができる。また、本発明の断熱材は、非発泡性であることが好ましい。これにより、優れた断熱性及び耐熱保護性を発揮し、本発明の効果を高めることができる。
(熱発泡性被覆材層(B))
本発明の熱発泡性被覆材層(B)(以下、「(B)層」ともいう。)とは、通常は薄膜であるが、火災等により周辺温度が所定の温度に達すると発泡し、炭化断熱層を形成するものである。本発明の(B)層は、上記効果を発揮するものであれば特に限定されず、コーティング材やシート等の形態の熱発泡性被覆材によって形成できる。このような熱発泡性被覆材としては、熱可塑性樹脂、難燃剤、発泡剤、炭化剤、及び充填剤等を含むものが好ましい。これらの各成分は、火災発生時において、相互の複合作用により熱膨張、炭化断熱層形成、不燃性ガスの発生等の機能を発現することにより、優れた耐熱保護性を発揮することができる。本発明における熱発泡性被覆材としては、特に熱発泡性樹脂シートが好適である。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。また、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴム物質も使用することができる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。
その中でも、本発明では、少なくとも熱発泡性樹脂シート製造温度が熱発泡性樹脂シートの膨張温度よりも低い温度で実施できるものを使用することが好ましい。このような熱可塑性樹脂として、具体的には、例えば、ビニルトルエン‐ブタジエン共重合体、ビニルトルエン‐アクリル酸エステル共重合体、ビニルトルエン‐メタクリル酸エステル共重合体、スチレン‐ブタジエン共重合体、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、あるいはこれら共重合体を構成する2種のモノマーとアクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー等との三元共重合体等の樹脂が挙げられ、これらの1種または2種以上を含むことが好ましい。
難燃剤は、一般に火災時に脱水冷却効果、不燃性ガス発生効果、熱可塑性樹脂の炭化促進効果等の少なくとも1つの効果を発揮し、熱可塑性樹脂の燃焼を抑制する作用を有するものである。本発明で用いる難燃剤としては、このような作用を有する限り特に制限されず、公知の難燃剤が使用できる。例えば、トリクレジルホスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、ジフェニルオクチルフォスフェート、トリ(β−クロロエチル)フォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリ(ジクロロプロピル)フォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリ(ジブロモプロピル)フォスフェート、クロロフォスフォネート、ブロモフォスフォネート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルフォスフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ヒドロキシメチルフォスフォネート等の有機リン系化合物;塩素化ポリフェニル、塩素化ポリエチレン、塩化ジフェニル、塩化トリフェニル、五塩化脂肪酸エステル、パークロロペンタシクロデカン、塩素化ナフタレン、テトラクロル無水フタル酸等の塩素化合物;三酸化アンチモン、五塩化アンチモン等のアンチモン化合物;三塩化リン、五塩化リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン化合物;その他ホウ酸亜鉛、ホウ酸ソーダ等のホウ素化合物等が挙げられる。難燃剤は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらは、未被覆品、被覆処理品のいずれであってもよい。特に、ポリリン酸アンモニウムを使用した場合には、脱水冷却効果と不燃性ガス発生効果とをより効果的に発揮することができるため好ましい。
難燃剤の混合比率は、熱可塑性樹脂100重量部(固形分)に対し、好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは100〜800重量部、より好ましくは200〜600重量部である。本発明では、このように難燃剤が比較的高比率で含まれることにより、耐熱保護性において良好な性能を得ることができる。
発泡剤は、一般に、火災時に不燃性ガスを発生させて、炭化していく熱可塑性樹脂及び炭化剤を発泡させ、気孔を有する炭化断熱層を形成させる作用を有するものである。発泡剤は、かかる作用を有する限り特に制限されず、公知の発泡剤が使用できる。例えば、メラミン及びその誘導体、ジシアンジアミド及びその誘導体、アゾジカーボンアミド、尿素、チオ尿素等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。これらの中では、メラミン、ジシアンジアミド、アゾジカーボンアミド等が不燃性ガスの発生効率に優れていることから好ましい。特にメラミンがより好適である。
発泡剤の混合比率は、熱可塑性樹脂100重量部(固形分)に対し、好ましくは5〜500重量部、より好ましくは30〜200重量部である。このような範囲であることにより、優れた発泡性を発揮し、耐熱保護性において良好な性能を得ることができる。
炭化剤は、一般に、火災時に熱可塑性樹脂の炭化とともにそれ自体も脱水炭化していくことにより、断熱性に優れた厚みのある炭化断熱層を形成する作用を有するものである。本発明で用いる炭化剤としては、このような作用を有する限り特に制限されず、公知の炭化剤が使用できる。例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール;デンプン、カゼイン等が挙げられる。炭化剤は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが脱水冷却効果と炭化断熱層形成作用に優れている点で好ましい。
炭化剤の混合比率は、熱可塑性樹脂100重量部(固形分)に対し、好ましくは5〜600重量部、より好ましくは10〜400重量部である。このような範囲であることにより、脱水冷却効果と炭化断熱層形成作用を発揮し、耐熱保護性において良好な性能を得ることができる。
充填剤は、一般に炭化断熱層の強度を維持する作用を有するものである。充填剤としては、このような作用を有する限り特に制限されず、公知の充填剤が使用できる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム等の炭酸塩;二酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物;シリカ、粘土、タルク、クレー、カオリン、ケイソウ土、シラス、マイカ、ワラストナイト、珪砂、珪石、石英、ヒル石、アルミナ、フライアッシュ等の無機粉末等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することもできる。また、上記充填剤の形状としては、特に限定されないが、例えば、球状、粒状、板状、棒状、リン片状、針状、繊維状等が挙げられる。
充填剤の配合比率は、熱可塑性樹脂100重量部(固形分)に対し、好ましくは10〜300重量部、より好ましくは20〜250重量部である。このような範囲であることにより、炭化断熱層の強度を維持することができ、耐熱保護性において良好な性能を得ることができる。
また、熱発泡性樹脂シートには、上記成分に加え、さらに液状ハロゲン化合物を含むものが好適である。このような液状ハロゲン化合物は、熱発泡性樹脂シートの屈曲性、耐熱保護性等の向上に有効に作用する成分である。なお、ここに言う液状とは、常温(25℃)にて液体の性状を示すことを意味する。また、液状ハロゲン化合物には、リンを有するものは包含されない。ハロゲンの種類としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられるが、この中でも塩素が好適である。好適な液状ハロゲン化合物としては、塩素化パラフィンが挙げられる。
さらに熱発泡性樹脂シートには、上記成分に加え、繊維物質を含むものが好適である。本発明では、このような繊維物質が含まれることにより、炭化断熱層の形状を保持する効果等が高まる。繊維物質の繊維長は、好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜20mmである。
繊維物質としては、例えば、ロックウール、ガラス繊維、シリカ−アルミナ繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維等の無機繊維、カーボン繊維、パルプ繊維、ポリプロピレン繊維、ビニル繊維、アラミド繊維等の有機繊維が挙げられる。この中でも、耐熱保護性を有する無機繊維やカーボン繊維が好ましく、ガラス繊維が最も好ましい。ガラス繊維を使用した場合は、加熱時の発泡性においても優れた性能が発揮され、耐熱保護性に優れた多孔質炭化層が得られやすい。
繊維物質の混合比率は、熱可塑性樹脂100重量部(固形分)に対し、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部である。
本発明の熱発泡性樹脂シートは、各成分を均一に混合して得られる混合物を、公知の方法によって成形すればよい。各成分の混合時には、必要に応じ溶剤を混合したり、加熱したりすることも可能である。ビーズ状、ペレット状等の熱可塑性樹脂を使用する場合は、この熱可塑性樹脂の軟化温度まで加熱装置によって加熱し、ニーダー等によって混練しながら、各成分を混合すればよい。
成形方法としては、例えば、混合物を型枠内に流し込み、乾燥後に脱型する方法、混合物を加温塗工機によって離型紙に塗付した後に巻き取る方法、ニーダー等によって混練した混合物を押し出し成型機によってシート状に加工する方法、ニーダー等によって混練した混合物を対ロールの間に供給してシート状に加工する方法、混合物をペレット状にした後に押し出し成型機によってシート状に加工する方法、バンバリーミキサーまたはミキシングロールで混練した混合物を複数の熱ロールからなるカレンダによって圧延してシート状に加工する方法、等が挙げられる。
本発明の熱発泡性被覆材層(B)として使用する熱発泡性樹脂シートの厚みは、適用部位等により適宜設定すれば良いが、好ましくは0.2〜10mm、より好ましくは0.5〜6mm程度である。
本発明の熱発泡性被覆材層(B)は、上記構成成分を含むシートのみで構成されてもよいが、裏面(鉄骨梁側)に繊維シートを積層することもできる。このような繊維シートとしては、例えば、有機繊維、無機繊維、あるいは無機繊維と有機繊維からなる複合シート等が挙げられる。
有機繊維としては、例えば、パルプ繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、PBO繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、塩化ビニル繊維、セルロース繊維等、またはそれらの織布、不織布等が挙げられる。有機繊維は、150℃程度の温度領域で溶融して液体状態になるようなものであってもよいが、かかる温度領域で溶融しないものの方が好ましい。
無機繊維としては、例えば、ロックウール、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、カーボン繊維、炭化珪素繊維等、またはそれらの織布、不織布等、さらに鉄、銅等の金属細線が挙げられる。このような無機繊維は、熱を加えても溶融せず、さらに補強材としても作用し、発泡した炭化断熱層を保持できるので、鉄骨梁からの脱落防止効果に優れている。
(被覆構造体)
本発明の被覆構造体は、屋内側から屋外側に突出する鉄骨梁の被覆構造体であり、無機断熱材層(A)と熱発泡性被覆材層(B)を併用するものである。特に、屋外側に無機断熱材層(A)、屋内側に熱発泡性被覆材層(B)が設けられていることにより、熱橋現象による結露等の発生を抑制するとともに、梁下部においても十分な階高を確保でき、耐熱保護性、美観性にも優れる。
本発明の被覆構造体は、上記(A)層と上記(B)層の境目が屋内外を隔てる壁材付近にあればよい。例えば、図1に示すように、境目(X)が壁材部分にある態様(図1−2)、または境目(X)が壁材の内壁側付近にある態様(図1−3)等が挙げられ、それぞれ境目(X)より屋外側に(A)層、屋内側に(B)層が設けられるものである。なお、図1−3のように、境目(X)を壁材の内壁側付近とする場合、境目(X)を設ける場所は、上記(A)層と上記(B)層の厚み等により適宜設定すればよいが、好ましくは内壁から500mm以内(より好ましくは300mm以内)とする。このような場合、美観性を損なうことなく、本発明の効果が得られやすい。
また、本発明の被覆構造体において、上記(A)層と上記(B)層の境目(X)は、突き合わせて設けられても、重なり部を有するように設けられてもよい。境目(X)は、公知のシーリング剤、パテ、目地材等を介して設けることもできるが、その場合は、耐熱保護性を有するものを使用することが望ましい。ただし、重なり部を有する場合、(B)層の上に(A)層を設けることが好ましい。また、上記(A)層と壁材、上記(B)層と壁材との突合せ部(Y)は、公知のシーリング剤、パテ、目地材等が充填されていることが好ましい。
被覆構造体の形成方法としては、特に限定されない。例えば、無機断熱材層(A)の形成方法としては、鉄骨梁の屋外側に上述の断熱材を塗付・硬化して形成すればよく、塗付する際には、例えば、スプレー、ローラー、こて、刷毛塗り等の手段を用いた方法を採用することができる。また、断熱材の硬化は、通常、常温で行えばよい。
(A)層の厚み(硬化後)は、好ましくは3〜60mm、より好ましくは5〜50mm程度である。このような範囲であれば、優れた断熱性、耐熱保護性を発揮することができる。また、(A)層の比重は、好ましくは0.3〜1.0g/cm、より好ましくは0.4〜0.9g/cm程度である。このような場合、本発明の効果をよりいっそう高めることができる。
熱発泡性被覆材層(B)の形成方法としては、鉄骨梁の屋内側に熱発泡性のコーティング材を塗付するか、あるいは熱発泡性樹脂シートを被覆する方法が挙げられる。当該コーティング材を塗付する場合、上記(A)層の同様の方法を採用することができる。また、熱発泡性樹脂シートを被覆する際には、接着剤、釘等の手段を用いた方法を採用することができ、本発明では接着剤を用いることが好ましい。接着剤としては、耐熱保護性接着剤を用いることが好ましい。また、熱発泡性樹脂シートは、所望の耐熱保護性に合わせて、2枚以上重ねて被覆してもよい。熱発泡性被覆材層(B)の厚みは、適用部位等により適宜設定すれば良いが、好ましくは0.2〜10mm、より好ましくは0.5〜6mm程度である。
本発明の被覆構造体は、無機断熱材層(A)の上に、さらに防水層を積層することが好ましい。防水層を積層することにより、外部からの水分の侵入を防止でき、水分に起因する断熱性低下、及び耐熱保護性能低下を抑えることができる。このような防水層としては、(A)層に密着すると共に外部からの水の侵入を防ぎ、(A)層の耐久性を当初のレベルで確保するものであれば特に限定されず、例えば、シート防水、塗膜防水等が挙げられる。シート防水とは、塩化ビニルや加硫ゴム等の防水シートを接着剤を介して接着させる防水工法であり、塗膜防水とは、液状のゴムや樹脂を塗料化して、ローラーや吹き付けにより塗付して形成される防水塗膜による防水工法である。
本発明では、複雑な部位への施工が容易な塗膜防水が好ましい。このような防水層は、その防水層の標準状態(温度23℃、相対湿度50%)における伸び率が50%以上、透水量が0.5ml/24h以下であることが好ましい。このような場合、長期にわたり本発明の効果をより顕著に得ることができる。このような防水層を形成する防水材としては、望ましくはJIS
A 6021 建築用塗膜防水材や、JIS A 6909 複層仕上塗材防水形主材に該当するもの等が挙げられる。防水層の伸び率、透水量は、JIS A 6909の規定に基づいて測定できる。
また、必要に応じて、(A)層に下塗材を塗布した後に防水層を設けても良い。このような下塗材としては、アクリル、ウレタン、エポキシ、塩素化ポリオレフィン系等の溶剤系シーラーや、水性系シーラー、エマルションとセメントからなるポリマーセメント、弾性ポリマーセメント等が使用できる。

また、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内であれば、表面保護性、意匠性等を高める目的で、公知の保護層及び/または化粧層を上記(A)層または防水層、あるいは(B)層の上に積層することもできる。このような保護層及び/または化粧層としては、例えば、JIS
A6909 建築用仕上塗材、JIS K5658建築用耐候性上塗り塗料、JIS K5660 つや有合成樹脂エマルションペイント、JIS K5663 合成樹脂エマルションペイント、JIS K5668合成樹脂エマルション模様塗料等に規定されるものや、各種シート材料等が挙げられ、これらを公知の方法で積層すればよい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(断熱材の製造)
ポルトランドセメント100重量部に対して、アクリル樹脂エマルションを10重量部、膨張パーライト80重量部、水酸化アルミニウムを200重量部、メチルセルロース0.7重量部、及び水を100重量部加えて、十分に攪拌してスラリー状の断熱材1を作製した。
(熱発泡性樹脂シートの製造)
熱可塑性樹脂100重量部、膨張剤60重量部、炭化剤60重量部、難燃剤300重量部、充填剤75重量部を120℃に加温したニーダーで混練、圧延後、室温まで放冷し、膜厚1.5mmのシート状の熱発泡性樹脂シート1を得た。なお、原料としては以下のものを使用した。
・熱可塑性樹脂:酢酸ビニル/エチレン共重合樹脂(軟化温度66℃)
・発泡剤:メラミン
・炭化剤:ペンタエリスリトール
・難燃剤:ポリリン酸アンモニウム
・充填材:酸化チタン
(試験例1)
平鋼(150×36mm、L=1200mm)の、端部から1000mmにアクリル系接着剤を介して、熱発泡性樹脂シート1を貼着し熱発泡性被覆層を形成した。次いで、平鋼の他方端部から200mmの範囲に、断熱材1を乾燥膜厚が20mmとなるようにコテで塗付し非発泡性の無機断熱材層を形成した。さらに、熱発泡性被覆層の上にJIS K5663に該当する合成樹脂エマルションペイント、無機断熱材層の上に、JIS A6909防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材に該当する下塗材、主材、及び上塗材を積層し試験体1を得た。なお、無機断熱材層と熱発泡性被覆層は突き合わせて被覆した。得られた試験体1は、熱発泡性被覆層は薄膜であり、美観性にも優れた仕上がりであった。
(結露試験)
得られた試験体1において、無機断熱材層と熱発泡性被覆層の境目より、無機断熱材層部分を雰囲気温度0℃(屋外側)、熱発泡性被覆層部分を雰囲気温度が25〜28℃(屋内側)となるように設置し、熱発泡性被覆層の表面での結露発生の有無を確認した。その結果、結露の発生は認められなかった。
(加熱試験)
得られた試験体1を、ISO834の標準加熱曲線に準じて一定時間(1時間)加熱し、試験体を室温に冷却した後、試験体の形状を目視にて評価した。その結果、熱発泡性樹脂シート部分では均一な炭化断熱層を形成し、また、無機断熱材層の形状は保持されており、優れた耐熱保護性を示した。
(試験例2)
試験体1の無機断熱材層を設けなかった以外は、試験例1と同様にして試験体2を作製し、同様の試験を実施した。その結果、結露試験では、熱発泡性被覆層の表面(屋内側)で結露発生が認められた。また、加熱試験では、屋外側の耐熱保護性が不十分であった。



Claims (3)

  1. 鉄骨構造物を構成する鉄骨梁の被覆構造体であり、
    上記鉄骨梁は、屋内側から屋外側に突出するものであり、
    屋外側には、セメント及び軽量骨材を含む無機断熱材層(A)が設けられ、
    屋内側には、熱発泡性被覆材層(B)が設けられていることを特徴とする被覆構造体。
  2. 上記熱発泡性被覆材層(B)が、熱発泡性樹脂シート層であることを特徴とする請求項1に記載の被覆構造体。
  3. 上記無機断熱材層(A)の上に、防水層が積層されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被覆構造体。

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