JP2001279843A - 耐火パネル - Google Patents

耐火パネル

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JP2001279843A
JP2001279843A JP2000334662A JP2000334662A JP2001279843A JP 2001279843 A JP2001279843 A JP 2001279843A JP 2000334662 A JP2000334662 A JP 2000334662A JP 2000334662 A JP2000334662 A JP 2000334662A JP 2001279843 A JP2001279843 A JP 2001279843A
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JP
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heat insulating
refractory
insulating material
film
fire
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JP2000334662A
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English (en)
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Yasumitsu Mataki
康光 又木
Akinobu Ando
彰信 安藤
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Kikusui Kagaku Kogyo KK
Original Assignee
Kikusui Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐火膜をパネルに形成させることにより、常
温での断熱性及び断熱材層の強度及び耐衝撃性を保持し
つつ、耐火性能を容易に向上させるとともに、重量の増
加を抑制することができる耐火パネルを提供する。 【解決手段】 耐火パネル11は、表面材12と、その
表面材12の裏面に設けられる断熱材層14とにより構
成され、その表面材12の表面、断熱材層14の裏面及
び表面材12と断熱材層14との間の少なくとも1つの
箇所に発泡耐火塗料組成物より得られる塗膜又はシート
から耐火膜13が形成されているものである。又は、前
記耐火パネルの構成に裏面材15を断熱材層14の裏面
に設ける場合には、その裏面材15の裏面、断熱材層1
4と裏面材15の間を加えた箇所の少なくと1つの箇所
に発泡耐火塗料組成物より得られる耐火膜13が形成さ
れているものである。その耐火膜の膜厚は、0.5〜
5.0mmであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築物などの構
造物の内外壁材、屋根材、天井材、間仕切り材及び防火
戸として用いられる複合パネルのうち、耐火性に優れた
耐火パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物などに用いられる壁材等は、断熱
性、耐火性が要求される。断熱性から表面材と断熱材層
と裏面材から構成される複合パネルは、例えば特開平1
0−131345号公報に開示されたものなど数多く知
られている。
【0003】また、耐火性能を向上させた複合パネルも
多く知られている。複合パネルを構成するものの1つで
ある断熱材層は、合成樹脂発泡層からなる断熱材が用い
られることが多い。この断熱材は、常温での断熱性に優
れ、軽量であることを特徴としていが、合成樹脂からな
る有機系素材であるために、耐火性能が低いものであ
る。そのため、断熱材の主成分である合成樹脂に水酸化
アルミニウム、ポリリン酸アンモニウム、グラファイ
ト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、珪砂等の不燃性
の無機材が混入されたプラスチックフォームを用いるこ
とにより、断熱材層の難燃性を向上させたものがある。
【0004】さらに、特開平9−32153号公報に開
示された耐火パネルは、断熱材層となる合成樹脂発泡層
に耐火性のある有機、無機粉末等の耐火材を芯材100
重量部に対して芯材密度が約100〜500kg/m3
となるように混合したことを特徴とするものである。耐
火材として、炭酸カルシウム、未発泡性膨張黒鉛、膨張
黒鉛、珪酸カルシウム、炭化粉体、アルミナ粉、水酸化
アルミニウム、シラスバルーン、チタン粉、ゼオライ
ト、パーライト、珪砂、バーミキュライト、グラファイ
ト、安定したフェノール樹脂粉末粒状物などが挙げられ
ている。このようにして、芯材などの断熱材層の耐火性
能を向上させることにより、耐火パネルの耐火性能を向
上させたものがある。
【0005】また、セメント等の無機質結合材にロック
ウール、アスベスト、ガラス繊維等からなる耐火被覆材
を複合パネルに被覆することにより、複合パネルの耐火
性能を向上させる方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、断熱材の難
燃性を向上させるために、炭酸カルシウム、珪砂、珪酸
カルシウム、水酸化アルミニウムなどの不燃性の無機充
填材や耐火性のある有機、無機粉末等を大量に添加した
場合には、断熱材層の強度及び耐衝撃性が低下し、ま
た、耐火パネルの重量が増加するなどの問題が生じる。
【0007】耐火被覆材を用いた耐火パネルの場合で
も、耐火性能を得るためには10mm以上の被覆厚が必
要であり、耐火被覆材を用いることにより、複合パネル
の重量を増加させることになる。
【0008】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、常温での断熱性及び断熱材層の強度及び
耐衝撃性を保持しつつ、耐火性能を容易に向上させると
ともに、重量の増加を抑制することができる耐火パネル
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の耐火パネルは、表面材
と、その表面材の裏面に設けられる断熱材層とにより構
成され、その表面材の表面、断熱材層の裏面及び表面材
と断熱材層との間の少なくとも1つの箇所に発泡耐火塗
料組成物より得られる耐火膜が形成されているものであ
る。
【0010】請求項2に記載の発明の耐火パネルは、表
面材と、その表面材の裏面に設けられる断熱材層と、そ
の断熱材層の裏面に設けられる裏面材により構成され、
その表面材の表面、裏面材の裏面、表面材と断熱材層の
間及び断熱材層と裏面材の間の少なくと1つの箇所に発
泡耐火塗料組成物より得られる耐火膜が形成されている
ものである。
【0011】請求項3に記載の発明の耐火パネルは、請
求項1又は請求項2に記載の発明において、前記耐火膜
の膜厚が0.5〜5.0mmであるものである。請求項
4に記載の発明の耐火パネルは、請求項1〜請求項3の
いずれかに記載の発明において、前記表面材が金属製薄
板であるものである。請求項5に記載の発明の耐火パネ
ルは、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明にお
いて、前記耐火膜は発泡耐火塗料組成物より予め得られ
るシート状のものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。耐火パネルは、表面材と、その表面
材の裏面に設けられる断熱材層とにより構成され、その
表面材の表面、断熱材層の裏面及び表面材と断熱材層と
の間の少なくとも1つの箇所に発泡耐火塗料組成物より
得られる耐火膜が形成されているものである。または、
表面材と、その表面材の裏面に設けられる断熱材層と、
その断熱材層の裏面に設けられる裏面材により構成さ
れ、その表面材の表面、裏面材の裏面、表面材と断熱材
層の間及び断熱材層と裏面材の間の少なくと1つの箇所
に発泡耐火塗料組成物より得られる耐火膜が形成されて
いるものである。
【0013】まず、表面材は、建築物などの構造物の化
粧面として、外部に露出されるため耐候性、耐久性のよ
いものが用いられる。表面材は、構造物の火災の問題か
ら難燃性の材料が好ましく、金属製板、石綿スレート板
などの無機質板などが用いられる。この耐火パネルは、
製造時の取扱い、加工性や建設現場等での施工の容易さ
などより、軽量で、強度のある厚みの薄い金属製薄板が
より好ましく用いられる。
【0014】金属製薄板には、鉄、アルミニウム、銅、
ステンレス鋼、チタン、アルミニウム−亜鉛合金メッキ
鋼鈑、ホーロー鋼鈑、クラッド鋼鈑、塩ビ鋼鈑等のラミ
ネート鋼鈑、制振鋼鈑、ガルバリウム鋼鈑等のサンドイ
ッチ鋼鈑などがあり、それらに防錆処理を施したものが
ある。また、金属製薄板に塗装を施したカラー鋼鈑など
がある。金属製薄板は、耐火パネルの用途、使用される
部位、耐候性や耐久性などの性能に応じて、適宜選択す
ることができる。入手の容易さから鉄製の金属製薄板が
好ましく、錆の発生が少ない点からアルミニウム、ステ
ンレス鋼製の金属製薄板が好ましい。
【0015】また、金属製薄板の厚みは、0.1〜5.
0mmの範囲が好ましく、0.5〜3.0の範囲がより
好ましい。0.1mmより薄い場合には、耐火パネルの
強度が低下する。5.0mmより厚い場合には、耐火パ
ネルの重量が増し、建設現場等での施工時の取扱いが困
難になり、製造時の搬送などの製造効率が損なわれる場
合がある。
【0016】耐火膜は、発泡耐火塗料組成物から得られ
る薄い塗膜又はシート状のものであり、火災から建築物
などの構造物を保護するためのものである。この耐火膜
は、火災等の温度上昇により発泡することで断熱層を形
成し、その断熱層により断熱効果が得られ、耐火パネル
裏面の温度上昇を抑制するものである。
【0017】また、その発泡の際に吸熱反応により耐火
パネルの温度を下げることによって耐火性能を向上させ
得るものである。この発泡耐火塗料組成物は、主に温度
上昇により不燃性ガスを発生する発泡剤と、炭化して多
孔質の炭化層を形成する炭化剤と、これらを結合する結
合材とにより構成されている。
【0018】発泡剤としては、ポリリン酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム、リン、その他のリン化合物な
どが使用される。これらは、得られる耐火膜を加熱し、
不燃性ガスを発生させて発泡することにより、断熱層を
形成し、断熱効果を発現する。同時に吸熱反応によって
耐火パネルが設けられる部材の温度を引き下げる。
【0019】炭化層を形成する炭化剤としては、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタ
エリスリトール、ポリペンタエリスリトール、メラミン
などが使用される。これらは、加熱することによって、
耐火膜に炭化層を形成するものであり、その炭化層によ
って、さらに断熱効果を発現するものである。
【0020】結合材として、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、塩
化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ
エステル樹脂などの樹脂を単独又は共重合したもの、こ
れら樹脂を有機溶媒に溶解させたものあるいはエマルシ
ョンとして水に分散させたものが使用される。取扱い、
入手の容易さより合成樹脂エマルションが好ましく用い
られる。
【0021】発泡耐火塗料組成物のその他の成分として
は、充填材、難燃剤、界面活性剤、高沸点溶剤、増粘
剤、体質顔料、着色顔料、防腐剤、防藻剤、防黴剤等の
ように一般の塗料組成物に配合される成分が使用され
る。
【0022】充填材としては、水酸化アルミニウム、ア
ルミナ、シリカ、無機繊維、ロックウールなどが用いら
れ、難燃剤には、ハロゲン系、リン系、三酸化アンチモ
ン系などのものが用いられる。界面活性剤は、消泡剤、
分散剤、湿潤剤などとして用いられ、高沸点溶剤は、造
膜助剤、防凍剤などとして用いられる。増粘剤は、粘度
又は粘性調整のために用いられる。これらの成分は、発
泡耐火塗料組成物の性能を損なわない範囲で含有するこ
とができる。
【0023】この耐火膜は、100〜200℃の高温下
にさらされた時に、結合材である合成樹脂が溶融を開始
する。そして、耐火膜の温度が250〜300℃に達す
ると発泡剤であるリン化合物が不燃性ガスを発生して耐
火膜を発泡させ断熱層を形成すると同時に、吸熱反応に
よって耐火パネルが設けられる部材の温度を引き下げ
る。さらに、ペンタエリスリトールなどの炭化剤により
耐火膜に炭化層を形成し、その炭化層によって、さらに
断熱効果を発現するものである。
【0024】耐火膜の厚みは、耐火パネルの耐火性能に
より決めることができるが、0.5〜5.0mmの範囲
が好ましく、0.5〜3.0mmの範囲がより好まし
い。0.5mmより小さい場合には、耐火性能の向上が
期待できない。5.0mmより大きい場合には、発泡耐
火塗料組成物の硬化乾燥に時間を要するなどのため製造
の効率が損なわれる場合がある。また、シート状の耐火
膜を用いた場合には、前もって乾燥させた耐火膜をパネ
ルに貼り付けるため、5.0mmより大きいものを用い
ることが容易となる。
【0025】耐火膜の1m2当たりの重量は、0.5〜
7.5kgの範囲が好ましく、0.5〜4.5kgの範
囲がより好ましい。0.5kgより少ない場合には、耐
火膜が薄く、耐火性能を十分に発揮できないことがあ
る。7.5kgより多い場合には、耐火パネルの重量が
増し、建設現場での取扱いが損なわれることがある。
【0026】耐火膜の耐火性能は、次のように測定され
る。すなわち、JIS−G3466に規定する長さ10
00mmのSTKR400正方形一般構造用角形鋼管
(一辺が300mmで部材厚みが9mm)に発泡耐火塗
料組成物を2mm厚で塗布し、耐火膜を形成した後、J
IS−A1304の標準曲線にしたがって加熱試験を行
う。そして、試験体の裏面温度が500℃に達した時間
を測定する。
【0027】耐火膜は、膜厚が2mmの試験体の裏面温
度が500℃に達した時間が45分以上のものが好まし
い耐火性能である。45分より短い場合は、発泡耐火塗
料としての耐火性能がやや劣ることになる。
【0028】断熱材層は断熱材からなり、建築物などの
構造物の断熱をするものであり、外気による温度の変動
を構造物の内部に伝達させることを防止し、内部の熱を
外部に放出しないためのものである。断熱材には、プラ
スチックフォームなどの有機系のものと、ロックウー
ル、セラミックウール、ガラスウールなどの無機系のも
の、有機無機複合のものなどがある。耐火パネルの断熱
性能や建設現場等での取扱い、製造での作業効率から軽
量である合成樹脂発泡層からなるプラスチックフォーム
が好ましく用いられる。
【0029】プラスチックフォームは、フェノール樹脂
フォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、ポリウレタ
ンフォーム、ユリア樹脂フォーム、塩化ビニル樹脂フォ
ーム、ポリカーボネートフォーム等の1種以上のもの。
また、このフォームに水酸化アルミニウム、ポリリン酸
アンモニウムなどの難燃材、パーライト粒、シラスバル
ーンなどの保形材を含有したものがある。この断熱材層
に用いる断熱材は、従来の複合パネルと同様なものが用
いられ、耐火パネルの用途、使用される部位、断熱性能
に応じて適宜選択することができる。
【0030】また、断熱材からなる断熱材層の厚みは、
5〜100mmの範囲が好ましく、断熱材の材質や必要
とされる断熱性能により適宜選択することができる。5
mmより薄い場合には、断熱性能があまり期待できな
い。100mmより厚い場合には、耐火パネルの製造及
び施工時の取扱いが困難になる。
【0031】裏面材は、主に構築物の内面になるもので
あり、断熱材層の保護などを目的としたものである。裏
面材としては、表面材として使われる金属製薄板などを
用いることができ、その他にアルミニウム蒸着紙、アス
ベスト紙、クラフト紙、アルファルトフェルト、アルミ
ニウム等の金属箔、合成樹脂シート、ゴムシート、布シ
ート、石膏紙、水酸化アルミニウム紙、ガラス繊維不織
布などがある。また、これらを2種以上ラミネートした
ものもある。耐火パネルの用途などに応じて適宜選択す
ることができる。建築物などの構造物の火災の問題があ
るため、難燃性のものであり、軽量なものが好ましく用
いられる。
【0032】次に、前記のように構成された耐火パネル
の構築方法及び作用について図面を用いて説明する。図
1に示すように、耐火パネル11は、表面材12の裏面
側より発泡耐火塗料組成物からなる耐火膜13、断熱材
層14、裏面材15を順に積層して構成されているもの
である。
【0033】この耐火パネル11は、上端部に幅方向に
延びる係合突条16及び下端部にその係合突条16に係
合可能な係合溝17が設けられている。そして、耐火パ
ネル11を上下に連結するとき、係合突条16と係合溝
17とが係合されるようになっている。この耐火パネル
11を構造物に取付け、耐火パネル11の係合突条16
に次の耐火パネルの係合溝17を係合させ、その耐火パ
ネルを構造物に取付ける。この工程を繰り返し行うこと
により、構造物の壁などを構築する。
【0034】図2に示すように、まず表面材12の裏面
に発泡耐火塗料組成物を塗布して、硬化乾燥させること
により耐火膜13を形成する。発泡耐火塗料組成物の塗
布方法としては、特に限定されるものではないが、スプ
レー、ローラー、刷毛、カーテンフローコーター、ナイ
フコーター、流し込みなどで行うことができる。塗布厚
は、0.5〜5.0mm程度である。また、前もってシ
ート状の耐火膜を表面材12の裏面に貼り付けることが
できる。前記シート状の耐火膜は、発泡耐火塗料組成物
をスプレー、ローラー、刷毛、カーテンフローコータ
ー、ナイフコーターなどの塗装方法を用いて、離型紙な
どの離型性のある素材に塗装し、硬化及び乾燥させるこ
とによって得られる。また、シート状の耐火膜は、発泡
耐火塗料組成物を紙(例えば難燃紙)、不織布、織布、
メッシュ、箔などの上に塗布、含浸させ、これを乾燥さ
せることによっても得られる。その貼り付け方法には、
接着剤を用いる方法やシート状の塗膜に粘着性を持たせ
たものを、そのまま接合する方法などがある。また、接
着剤を用いる場合には、発泡耐火塗料と同成分の接着剤
を用いることができる。
【0035】耐火膜13を形成する際の硬化乾燥は、常
温による自然乾燥、又は加熱装置による加熱乾燥などの
硬化乾燥方法があるが、その硬化乾燥方法は、特に限定
されるものではない。また、シート状の耐火塗膜も前記
同様の乾燥方法により得ることができる。
【0036】図3に示すように、耐火膜13を形成した
後、その耐火膜13上に断熱材層14を形成する。形成
方法としては、発泡耐火塗料組成物が未硬化又は未乾燥
の間に、断熱材を載せ一体化させる方法、発泡耐火塗料
組成物が硬化乾燥した後又はシート状の耐火膜を貼り付
けた後に、接着剤等により断熱材を耐火膜に接着する方
法、又は、耐火膜が形成された後に、その上で合成樹脂
を発泡させてフォーム状の断熱材層を形成し、一体化す
る方法などがある。特に断熱材層の形成方法は、限定さ
れるものではない。
【0037】図4に示すように、断熱材層14を形成し
た後、その断熱材層14に裏面材15を接合する。その
接合方法は、接着剤等により裏面材を断熱材層に接着す
る方法、又は、断熱材層を耐火膜の上で合成樹脂を発泡
させてフォーム状にする場合には、合成樹脂が未硬化乾
燥の時に裏面材を載せて断熱材層と裏面材を一体化する
方法がある。
【0038】その他に耐火パネルの製造方法として、表
面材の表面又は裏面材の露出面側(裏面材の裏面)に耐
火膜を形成する場合は、既存の複合パネルに発泡耐火塗
料組成物を上記の方法を用いて塗布する方法又はシート
状の耐火膜を貼り合わせる方法がある。
【0039】また、断熱材層と裏面材の間に耐火膜があ
る場合は、断熱材層に発泡耐火塗料組成物を塗布し、耐
火膜が形成された後、又はシート状の耐火膜を貼り合わ
せた後に、裏面材を形成する方法、耐火膜の成形後に裏
面材を接着剤等により接着する方法、さらには、耐火膜
が未硬化又は未乾燥の間に、裏面材を載せ一体化させる
方法などがある。特にその方法は、限定されるものでは
ない。
【0040】また、前もって表面材と断熱材が一体とな
ったもの又は断熱材と裏面材が一体となったものなどを
用いてもよい。このようにして、この発明の耐火パネル
を得ることができる。
【0041】この耐火パネルをJIS−A1301の標
準曲線にしたがって、加熱試験を行う。加熱試験の加熱
方法は、プロパンガスなどを用い、その炎が直接試験体
に十分に達するものであり、試験体表面の全体が一様に
温度が与えられるようにする。加熱試験中の試験体の裏
面温度が500℃に達した時間を測定し、その測定され
た時間によって耐火性能を表す。
【0042】さて、この耐火パネルは、建築物などの構
造物に取付けられ、構造物の外部からの火災等による高
温状態から構造物を保護することができる。すなわち、
耐火パネルの表面材の表面が加熱された場合には、その
熱が表面材を介して耐火膜に伝えられる。耐火膜の温度
が100〜200℃になった時に、結合材である合成樹
脂が溶融し、分解を開始する。そして、耐火膜の温度が
250〜300℃に達すると発泡剤であるリン化合物が
不燃性ガスを発生して耐火膜を発泡させ断熱層を形成す
ると同時に吸熱反応によって耐火パネルが設けられる部
材の温度を引き下げる。また、ペンタエリスリトールな
どの炭化剤により耐火膜に炭化層を形成し、その炭化層
によって、さらに断熱効果が発現される。また、断熱材
層の断熱効果も加わって、耐火パネルの表面から加わっ
た熱を裏面に伝わりにくくし、耐火パネルの裏面温度の
上昇を抑制する。
【0043】以上のように、この実施形態によれば次の
ような効果が発揮される。 ・ 耐火パネルは、表面材と、その表面材の裏面に設け
られる断熱材層とにより構成され、その表面材の表面、
断熱材層の裏面及び表面材と断熱材層との間の少なくと
も1つの箇所に発泡耐火塗料組成物より得られる耐火膜
が形成されているものであることにより、耐火性能を容
易に向上させることができる。
【0044】・ 従来と同様な断熱材を用いることによ
り、常温での断熱性及び断熱材層の強度及び耐衝撃性を
保持することができる。 ・ 耐火パネルは、発泡耐火塗料組成物より得られる薄
い塗膜又はシート状のものである耐火膜を形成すること
により、耐火パネルの重量の増加を抑制することができ
る。
【0045】・ また、耐火パネルは表面材と、その表
面材の裏面に設けられる断熱材層と、その断熱材層の裏
面に設けられる裏面材により構成され、その表面材の表
面、裏面材の裏面、表面材と断熱材層の間及び断熱材層
と裏面材の間の少なくと1つの箇所に発泡耐火塗料組成
物より得られる塗膜又はシート状の耐火膜が形成されて
いる。このため、常温での断熱性及び断熱材層の強度及
び耐衝撃性を保持しつつ、耐火性能を容易に向上させる
とともに、重量の増加を抑制することができる。
【0046】・ 発泡耐火塗料組成物が合成樹脂エマル
ションよりなるものであることにより、取扱いや入手が
容易である。 ・ 塗膜又はシート状の耐火膜の膜厚が好ましくは0.
5〜5.0mmであり、さらに好ましくは0.5〜3.
0mmの範囲であることにより、耐火性能が優れ、より
軽量なものを得ることができる。
【0047】・ 耐火膜を発泡耐火塗料組成物より予め
シート状に形成しておくことにより、耐火パネルの製作
を容易に行うことができる。 ・ 表面材が金属製薄板であることにより、加工が容易
であり、耐火パネルの強度が優れ、軽量なものを得るこ
とができる。 ・ 発泡耐火塗料組成膜の1m2当たりの重量が好まし
くは0.5〜7.5kgであり、さらに好ましくは0.
5〜4.5kgであることより、耐火性能を十分に発揮
でき、軽量であるものを得ることができる。
【0048】・ 断熱材層が合成樹脂発泡層であること
により、より一層、軽量で断熱性のあるものが得られ
る。
【0049】
【実施例】以下、前記実施形態を実施例に基づいて、さ
らに具体的に説明する。 (実施例1)表面材は、鉄を塗装したカラー鋼板である
金属製薄板を用いた。その厚みは、2.0mmである。
【0050】表面材の裏面に耐火膜を形成させた。この
耐火膜を形成する発泡耐火塗料組成物は、結合材として
酢酸ビニル−アクリルエマルションを用い、炭化剤には
メラミン、ペンタエリスリトール、発泡剤にはポリリン
酸アンモニウム、充填剤に酸化チタンを用いた。配合割
合は、以下のようである。
【0051】 酢酸ビニル−アクリル合成樹脂エマルション(固形分)29.2重量% メラミン 8.3重量% ペンタエリスリトール 8.3重量% ポリリン酸アンモニウム 37.5重量% 酸化チタン 16.7重量% 合計 100.0重量% 耐火膜の厚みは、2.0mmであり、表面材であるカラ
ー鋼鈑の裏面に発泡耐火塗料組成物をスプレーにより塗
布した。発泡耐火塗料組成物の常温の自然状態で硬化乾
燥後に合成樹脂を常法により発泡させてフォーム状の断
熱材層を形成した。
【0052】この断熱材層は、ポリイソシアヌレートフ
ォームであり、その厚みは50mmである。裏面材は、
厚みが0.5mmであるカラー鋼鈑を用いた。カラー鋼
鈑は、断熱材層が未硬化時の断熱材層に載せ一体化し
た。
【0053】試験体は、幅900mm、高さ900mm
であり、厚みが約55mmになり、その重量は約20.
5kgである。 (比較例)実施例1と同じものを使い耐火膜を除いた構
成とした。
【0054】試験体は、幅900mm、高さ900mm
であり、厚みが53mmである。重量は約18.5kg
である。実施例1及び比較例をJIS−A1301に規
定される標準加熱曲線にしたがって加熱試験を行った。
【0055】試験の結果は、実施例の試験体では、裏面
温度が500℃に達した時間は、76分であった。一
方、比較例の試験体では、裏面温度が500℃に達した
時間は、45分であった。試験の結果より、比較例の複
合パネルと比べた場合、実施例の耐火パネルは耐火性能
が向上していることがわかる。
【0056】比較例と実施例は構成上、耐火膜が存在す
るかしないかである。この2つを比較すると、耐火膜の
存在していることにより、厚みが増すが、その厚みも2
mmと少なく、また、重量においても、比較例の複合パ
ネル全体の重量から約2.0kgの増量であり、あまり
多くない。そのため、建築物などの構造物へのパネル施
工などは、従来の複合パネルと同じであった。
【0057】また、断熱材層の材質、厚みが同じなの
で、常温での断熱性能は同じである。次に、前記実施形
態から把握できる技術的思想について以下に記載する。 ・ 発泡耐火塗料組成物が合成樹脂エマルションからな
ることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記
載の耐火パネル。この構成により、取扱い及び入手が容
易である発泡耐火塗料組成物を用いるため、容易に耐火
パネルが得られる。
【0058】・ 前記耐火膜の1m2当たりの重量が、
0.5〜7.5kgであることを特徴とする請求項1〜
請求項4のいずれかに記載の耐火パネル。この構成によ
り、耐火性能を十分に発揮でき、軽量であるものを得る
ことができる。
【0059】・ 前記断熱材層が合成樹脂発泡層である
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載
の耐火パネル。この構成により、より一層、軽量で断熱
性のあるものが得られる。
【0060】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1又は請求項
2に記載の発明の耐火パネルによれば、常温での断熱性
及び断熱材層の強度及び耐衝撃性を保持しつつ、耐火性
能を容易に向上させるとともに、重量の増加を抑制する
ことができる。
【0061】請求項3に記載の発明の耐火パネルによれ
ば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、
従来の複合パネルの重量及び寸法があまり変わらないも
のを得ることができる。
【0062】請求項4に記載の発明の耐火パネルによれ
ば、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の効果
に加え、加工が容易で、耐火パネルの強度が優れ、軽量
なものを得ることができる。請求項5に記載の発明の耐
火パネルによれば、請求項1〜請求項4のいずれかに記
載の発明の効果に加え、耐火膜を発泡耐火塗料組成物よ
り予めシート状に形成できることから、耐火パネルの製
作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐火パネルの代表例を示す要部斜視
図。
【図2】表面材の裏面に耐火膜を形成した状態を示す断
面図。
【図3】耐火膜の裏面に断熱材層を形成した状態を示す
断面図。
【図4】断熱材層の裏面に裏面材を接合した状態を示す
断面図。
【符号の説明】 11…耐火パネル、12…表面材、13…発泡耐火塗
料組成物からなる耐火膜、14…断熱材層、15…裏面
材。
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Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面材と、その表面材の裏面に設けられ
    る断熱材層とにより構成され、その表面材の表面、断熱
    材層の裏面及び表面材と断熱材層との間の少なくとも1
    つの箇所に発泡耐火塗料組成物より得られる耐火膜が形
    成されている耐火パネル。
  2. 【請求項2】 表面材と、その表面材の裏面に設けられ
    る断熱材層と、その断熱材層の裏面に設けられる裏面材
    により構成され、その表面材の表面、裏面材の裏面、表
    面材と断熱材層の間及び断熱材層と裏面材の間の少なく
    と1つの箇所に発泡耐火塗料組成物より得られる耐火膜
    が形成されている耐火パネル。
  3. 【請求項3】 前記耐火膜の膜厚が0.5〜5.0mm
    である請求項1又は請求項2に記載の耐火パネル。
  4. 【請求項4】 前記表面材が金属製薄板である請求項1
    〜請求項3のいずれかに記載の耐火パネル。
  5. 【請求項5】 前記耐火膜は発泡耐火塗料組成物より予
    め得られるシート状のものである請求項1〜請求項4の
    いずれかに記載の耐火パネル。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009243176A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Nichias Corp 耐火間仕切構造およびその施工方法
CN102312490A (zh) * 2011-03-15 2012-01-11 苏州伊索来特耐火纤维有限公司 一种建筑保温用耐火带
JP2015104525A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 中部電力株式会社 火災延焼防止方法及び火災延焼防止装置
JP2015200137A (ja) * 2014-04-09 2015-11-12 旭化工株式会社 不燃断熱性弾性伸縮保護材
JP7394002B2 (ja) 2020-03-31 2023-12-07 株式会社イノアックコーポレーション 着色断熱ボードとその製造方法

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