JP2002266477A - 防火性を有するシート防水構造 - Google Patents

防火性を有するシート防水構造

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JP2002266477A JP2001068137A JP2001068137A JP2002266477A JP 2002266477 A JP2002266477 A JP 2002266477A JP 2001068137 A JP2001068137 A JP 2001068137A JP 2001068137 A JP2001068137 A JP 2001068137A JP 2002266477 A JP2002266477 A JP 2002266477A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工作業を容易に行えて、所定の防火性を備
えるシート防水構造を提供する。 【解決手段】 ポリスチレン樹脂発泡体等の断熱材12
aが、コンクリート製の屋根下地11に敷設されて断熱
層12が形成される。アルミニウム箔等の遮炎シート上
に、加熱発泡型の耐火性樹脂組成物が塗布された耐火遮
炎層用シート部材20aが、断熱層12上に敷設されて
耐火遮炎層20が形成される。軟質合成樹脂製の防水シ
ート13aが、耐火遮炎層20上に敷設されて、防水層
13が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばコンクリ
ート製屋根下地上に断熱材を介して防水シートが敷設さ
れる断熱防水屋根等に適用される防火性を有するシート
防水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般家屋の勾配付き屋根等におい
て、軟質合成樹脂製の防水シート用いて屋根葺き施工す
る技術が採用されつつある。
【0003】防水シートによる屋根葺き構造において
は、図3に示すように、屋根下地(11)上に、断熱材
(12a)を介して防水シート(13a)を敷設するも
のがある。このような構造において、防水シート(13
a)は、例えばゴム系、エポキシ樹脂等の接着剤によ
り、防水シート(13a)のほぼ全域を断熱材層に接着
するようにした接着工法や、防水シート(13a)の一
部を機械的に屋根下地(1)に固定して、残り多くの部
分を遊離させるようにした絶縁工法等によって敷設施工
される。
【0004】しかしながら、上記屋根葺き構造におい
て、断熱材(12a)として一般に用いられるスチレン
フォーム等の合成樹脂発泡成形体は、可燃性物質である
ため、その断熱材(12a)によって、防火性の低下を
来す恐れがある。特に、防水シート(13a)が絶縁工
法により敷設されるような場合には、防水シート(13
a)の下面側に空気層が形成されるため、その空気層に
よって、燃焼が促進されて、一段と防火性の低下を来す
恐れがある。
【0005】一方、防火性を示す一つの指標として、近
時改正される建築基準法において、ISO/CD124
68(Test Method for External Fire Exposure to Ro
ofs)の規格(ISO規格)に準拠した屋根の外部加熱
試験(飛び火試験)がある。
【0006】この飛び火試験は、図4に示すように、試
験体(10)としての屋根材を載置した設置架台(1)
を所定の傾斜角度(θ)で保持しておき、試験体(1
0)の下端側に載置した火種(2)に着火するととも
に、試験体(10)の表面に沿って下側からエアー
(A)を吹き付け、その状態で、燃焼状況を観察するも
のである。そして、試験体(10)の端部にまで燃焼域
が広がってしまったり、あるいは火種(2)や燃焼物が
試験体(10)から飛散したり落下してしまった場合等
には、防火性能が不十分であるとして不合格の評価がな
されるものである。
【0007】この飛び火試験において、例えば上記図3
に示す断熱防水屋根の屋根材(12a)(13a)を試
験体として、飛び火試験を行った場合、火種(2)直下
の防水シート(13a)及び断熱材(12a)が燃焼し
て、火種(2)が落下したり、断熱材部分が短時間で試
験体端部まで燃焼して、不合格となり、所定の防火性を
得ることができなかった。
【0008】
【発明の背景】そこで、本発明者は、上記のような断熱
防水屋根において、十分な防火性を確保するため、断熱
材(12a)と防水シート(13a)との間に、厚さ5
mm以上の石膏、セメント系の不燃ボード(ケイ酸カル
シウム板等)を介装するという技術を提案した。この構
成では、不燃ボードによって、防水シート(13a)か
ら断熱材(12a)への飛び火を防止でき、十分な防火
性を得ることができた。しかしながら、不燃ボードは、
高重量、かつ硬質であるため、材料の搬入作業や敷設作
業が困難になるばかりか、現場での切断加工作業等も困
難となり、施工作業が困難であり、又は雨天時には吸水
により有害な変形が生じるという問題が発生した。
【0009】この発明は、上記の実情に鑑みてなされた
もので、施工作業を容易に行えるとともに、十分な防火
性を得ることができる防火性を有するシート防水構造を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、断熱材を用
いたシート防水構造に対し、防火性に着目しつつ、綿密
な実験研究を繰り返し行ったところ、上記目的を達成可
能な特有の構成を見出し、本発明を成すに至った。
【0011】すなわち、本発明の防火性を有するシート
防水構造は、建造物躯体上に設けられる断熱材からなる
断熱層と、前記断熱層上に設けられる防水シートからな
る防水層とを備え、加熱発泡型の耐火性樹脂組成物が遮
炎シート上に積層された耐火遮炎層が、前記断熱層及び
前記防水層間に介装されてなるものを要旨としている。
【0012】本発明のシート防水構造においては、例え
ば図1に示すように、建造物躯体としての屋根下地(1
1)上に、断熱層(12)、耐火遮炎層(20)及び防
水層(13)が積層されるものである。
【0013】本発明が適用される屋根下地(11)は、
例えばコンクリート等により構成されるものであり、勾
配を有する傾斜屋根形状であっても、勾配を有しない陸
屋根形状であっても、アーチ状の屋根形状であっても良
く、材質や形状は特に限定されるものではない。
【0014】本発明において、断熱層(12)を構成す
る断熱材(12a)としては、例えばポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン等の樹脂発
泡体からなるものを好適に用いることができ、中でも特
にポリスチレン樹脂発泡体を用いるのが良い。
【0015】また、断熱層(12)上に設けられる耐火
遮炎層(20)は、図2に示すように、遮炎シート(2
1)と、その上面に積層された耐火性樹脂組成物(2
2)とを具備する耐火遮炎層用シート部材(20a)に
より構成されている。
【0016】遮炎シート(21)としては、アルミニウ
ム箔、スチレンスチール箔等の金属シートからなるもの
の他、金属繊維、ガラス繊維等の織布からなるものを好
適に用いることができ、中でも特に、アルミニウム箔か
らなるものを用いるのが良い。なお、金属繊維やガラス
繊維の不織布は、内部に介在される空気層により、遮炎
性に劣る恐れがあるため、好ましくない。
【0017】本発明において、耐火性樹脂組成物(2
2)は、加熱発泡型のものにより構成される。具体的に
は、樹脂結合剤としての第1成分と、発泡剤としての第
2成分と、炭素生成剤としての第3成分と、無機質充填
剤としての第4成分とを含むものである。
【0018】樹脂結合剤成分(第1成分)は、上記各成
分を結合するためのものであり、具体例としては、酢酸
ビニル樹脂、アルキド樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン
樹脂、エポキシ樹脂からなるものを好適に用いることが
でき、中でも特に、酢酸ビニル樹脂からなるものは、上
記遮炎シート(21)との接着性が良好であるため、よ
り一層好適に用いることができる。
【0019】この樹脂結合剤成分は、耐火性樹脂組成物
全量に対し、10〜30重量%に設定するのが良い。
【0020】発泡剤成分(第2成分)は、加熱により発
泡して、アンモニアガス、炭酸ガス、水蒸気等の不燃ガ
スを生成するものであり、具体例としては、リン酸アン
モニウム、ポリ燐酸アンモニウム、トリアジンアミン等
のアンモニウム塩、ジシアンアミド、尿素、メラニン等
のアミノ化合物の他、塩素化パラフィン等を、単独又は
2種以上併用して用いることができ、中でも特に、リン
酸アンモニウムとトリアジンアミンとを組み合わせたも
のは、より一層好適に用いることができる。
【0021】この発泡剤成分は、耐火性樹脂組成物全量
に対し、10〜40重量%に設定するのが良い。
【0022】更に発泡剤成分は、樹脂結合剤成分を10
0重量部としたとき、30〜400重量部の割合で配合
するのが良い。すなわち、発泡剤成分が、少な過ぎる場
合には、加熱時に不燃ガスの生成量が不十分となり、防
火性の低下を来す恐れがあり、好ましくない。逆に発泡
剤成分が、多過ぎて、樹脂結合剤成分が少なくなると、
各成分を十分に結合することができなかったり、遮炎シ
ート(21)との接着性も十分に確保できなくなる恐れ
があり、好ましくない。
【0023】炭素生成剤成分(第3成分)は、加熱によ
り不燃断熱の炭化層を生成するものであり、具体例とし
ては、デンプン、デキストリン、砂糖等の炭水化物、モ
ノ・ジ・テトラペンタエリスリトール、ポリオール等の
多価アルコールの他、膨張性黒鉛等を単独又は2種以上
併用して用いることができ、中でも特に、ポリオール
は、より一層好適に用いることができる。
【0024】この炭素生成剤成分は、耐火性樹脂組成物
全量に対し、10〜30重量%に設定するのが良い。
【0025】更に炭素生成剤成分は、樹脂結合剤成分を
100重量部としたとき、30〜300重量部の割合で
配合するのが良い。すなわち、炭素生成剤成分が、少な
過ぎる場合には、加熱時に炭化層を十分に形成できず、
防火性の低下を来す恐れがあり、好ましくない。逆に炭
素生成剤成分が多過ぎると、相対的に樹脂結合剤成分が
少なくり、各成分の結合を十分に行うことができなくな
る恐れがあり、好ましくない。
【0026】無機質充填剤成分(第4成分)は、加熱発
泡時における発泡層の形態を良好に維持するための結合
材としての機能に加えて、増量剤としての機能等も兼ね
備えるものであり、具体例としては、酸化チタン、ケイ
酸塩、炭酸塩、酸化アルミニウム、粘土、クレー、シラ
ス、マイカ等の無機質粉末、体質顔料、着色顔料等の無
機質顔料の他、アスベスト、ロックウール、ガラス繊
維、シリカアルミナ繊維、シリコンカーバイド繊維等の
無機質繊維等を単独又は2種以上併用して用いることが
でき、中でも、無機粉末、特に酸化チタンは、より一層
好適に用いることができる。
【0027】この無機質充填剤成分は、耐火性樹脂組成
物全量に対し、5〜40重量%、好ましくは上限を20
重量%以下に設定するのが良い。
【0028】更に無機質充填剤成分は、樹脂結合剤成分
を100重量部としたとき、16〜400重量部、好ま
しくは上限値を200重量部以下の割合で配合するのが
良い。すなわち、無機質充填剤成分が、少な過ぎる場合
には、加熱発泡層の形態を維持できず、発泡層が剥離し
たり発泡層表面に多数の突起が生じて、断熱防火性の低
下を来す恐れがあるばかりか、増量効果に乏しく、コス
トの増大を来す恐れがあり、好ましくない。逆に無機質
充填剤成分が、多過ぎる場合には、相対的に樹脂結合剤
成分が少なくなり、遮炎シート(21)との接着性が低
下する恐れがあり、好ましくない。
【0029】本発明における耐火性樹脂組成物(22)
は、上記第1ないし第4成分を含むものであるが、言う
までもなく、これらの成分以外にも、必要に応じて、他
の成分(添加剤)等を含有させても良い。
【0030】更に本発明において、第1ないし第4成分
の総量は、耐火性樹脂組成物全量に対し、50重量%以
上、好ましくは70重量%以上に設定するのが良い。す
なわち、この範囲に調整することにより、所定の耐火性
能を確実に得ることができる。
【0031】本発明においては、上記耐火性樹脂組成物
(22)を、上記遮炎シート(21)の上面に塗布ない
しは塗工して積層一体化し、耐火遮炎層用シート部材
(20a)を構成するものである。
【0032】ここで、耐火性樹脂組成物(22)の積層
厚みは、0.1〜3mmに設定するのが良い。すなわ
ち、この厚みが小さ過ぎる場合には、加熱発泡時におけ
る断熱消火性を十分に得ることができず、好ましくな
い。逆に厚みが厚過ぎる場合には、耐火遮炎層用シート
部材(20a)の厚みが厚くなって、その取扱が不便と
なり、施工作業性の低下を来す恐れがあり、好ましくな
い。
【0033】本発明においては、上記耐火遮炎層用シー
ト部材(20a)を断熱層(12)上に敷設して、耐火
遮炎層(20)を形成するものである。
【0034】耐火遮炎層(20)の上面には、防水シー
ト(13a)からなる防水層(13)が形成される。
【0035】本発明において、防水シート(13a)と
しては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂等
の軟質合成樹脂製のものや、合成ゴム製のものを用いる
ことができ、中でも軟質合成樹脂製のものを好適に用い
ることができる。なお、防水シート(13a)として
は、単独の合成樹脂からなる単独シートの他に、複数種
の合成樹脂が積層形成された複合シートや、中間に補強
層等が介挿さられたものも使用することができる。
【0036】この防水シート(13a)が、例えば耐火
遮炎層(20)上に張り渡された状態で、そのシート
(13a)の要所が部分的に屋根下地(11)に固定さ
れることにより、防水層(13)が形成される。
【0037】本発明のシート防水構造を形成する場合、
屋根下地(11)上に、断熱材(12a)、耐火遮炎層
用シート部材(20a)及び防水シート(13a)を順
次施工していく施工方法を採用することができるが、施
工作業性の向上を図るために、あらかじめ断熱材(12
a)上に耐火遮炎層用シート部材(20a)が積層一体
化された防火断熱パネルを準備しておき、施工現場にお
いて、この防火断熱パネルを、屋根下地(11)上に敷
設施工して、断熱層(12)及び耐火遮炎層(20)を
同時に形成した後、防水シート(13a)を敷設するよ
うな施工方法も採用することができる。
【0038】以上の構成の本発明のシート防水構造にお
いて、燃焼物が防水層(13)上に飛散して燃焼した際
には、加熱により、耐火遮炎層(20)の耐火性樹脂組
成物(22)が発泡膨張し、不燃ガスを放出するととも
に、不燃断熱の炭化層を形成する。これにより、消火効
果と同時に、延焼防止効果を発揮して、表面防水層での
燃焼域の拡大を防止することができる。しかも、炭化層
が断熱遮熱層として機能するとともに、遮炎シート(2
1)により炎の透過を遮断でき、可燃性の断熱層(1
2)への飛び火や延焼を防止することができる。従っ
て、燃焼域を狭い範囲に抑えることができ、十分な防火
性を得ることができる。
【0039】また、本発明のシート防水構造は、断熱層
(12)としての断熱材(12a)上に、耐火遮炎層用
シート部材(20a)を介して防水シート(13a)を
敷設するだけで、簡単に施工することができる。
【0040】しかも、耐火遮炎層用シート部材(20
a)は、例えば石膏、セメント系の不燃ボードと比べ
て、軽量で、柔軟性も備えるものであるため、搬入作業
や敷設作業等を容易に行うことができるとともに、寸法
合わせ等の切断加工も容易に行うことができ、より一
層、簡単に敷設施工することができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明に関連した実施例と、その効果
を検証するための比較例について説明する。
【0042】<実施例>樹脂結合剤(第1成分)として
酢酸ビニル樹脂20重量部、発泡剤(第2成分)として
燐酸アンモニウム15重量部及びトリアジンアミン20
重量部、炭素生成剤(第3成分)としてポリオール20
重量部、無機質充填剤として酸化チタン5重量部を配合
して、耐火性樹脂組成物(耐火塗料)を作製した。この
とき、第1ないし第4成分の総量は、耐火性樹脂組成物
全量に対し80重量%とした。
【0043】続いて、厚さ50μmのアルミニウム箔
(遮炎シート)に、上記耐火樹脂組成物を厚さ0.2m
mで均一に塗布して、耐火遮炎層用シート部材を作製し
た。
【0044】更に上記耐火遮炎層用シート部材を、厚さ
50mmのポリスチレン樹脂発泡体(ポリスチレンフォ
ーム)からなる断熱材上に積層一体化して、防火断熱パ
ネルを作製した。
【0045】そして下表1に示すように、この防火断熱
パネルを用いて本発明に関連したシート防水構造を作製
して、ISO/CD12468に準拠した飛び火試験
(図4参照)を行った。
【0046】すなわち、試験装置の設置架台上に、上記
防火断熱パネルを敷設施工して断熱層及び耐火遮炎層を
形成した後、その上に、ポリオレフィン系樹脂製の防水
シート(オレフィンシート)を敷設施工した。このとき
防水シートは、多くの部分は遊離させた状態で、一部の
みを機械的に固定するようにした絶縁工法により敷設し
た。
【0047】こうして作製したシート防水構造(試験
体)に対し、ISO規格に準拠して試験を行ったとこ
ろ、同表に示すように、屋根表面の勾配方向の延焼を狭
い範囲にとどめることができ、その上更に、断熱層への
飛び火や延焼も抑制することができ、ISO規格の防火
性能を十分に満たすという結果が得られた。
【0048】
【表1】
【0049】<比較例1>上表1に示すように、厚さ5
0mmの難燃性の高いフェノールフォームからなる断熱
層上に、上記実施例と同様の防水シートを敷設して、シ
ート防水構造を作製した。このとき、防水シートは、そ
のほぼ全域を接着剤により接着固定するようにした接着
工法により敷設した。
【0050】そして、上記と同様の試験を行ったとこ
ろ、断熱層の燃焼は抑制することができたものの、屋根
表面の防水シートが延焼して、勾配方向の延焼を十分に
抑制することができず、ISO規格の防火性能を満たす
ものではなかった。
【0051】<比較例2>上表1に示すように、断熱層
上に、上記の遮炎シートを介して、防水シートを絶縁工
法により敷設した。つまり、耐火遮炎層として、上記耐
火遮炎層用シート部材に代えて、遮炎シートのみを単独
で用いた以外は、上記実施例と同様に、シート防水構造
を作製し、上記と同様の試験を行った。
【0052】その結果、屋根表面の勾配方向の延焼や、
断熱層の飛び火や延焼を十分に抑制することができず、
ISO規格の防火性能を満たすものではなかった。
【0053】<比較例3>目付150g/m2 のガラス
不織布上に、上記の耐火性樹脂組成物を同厚みで塗布し
て、耐火遮炎層用布製品を作製した。そして、耐火遮炎
層として、上記耐火遮炎層用シート部材に代えて、耐火
遮炎層用布製品を用いた以外は、上記実施例と同様に、
シート防水構造を作製した。なお、防水シートは、上記
実施例と同様に、絶縁工法により敷設した。
【0054】そして、上記と同様の試験を行ったとこ
ろ、屋根表面の勾配方向の延焼はある程度狭い範囲に抑
えることができたものの、断熱層の飛び火や延焼を十分
に抑制することができず、ISO規格の防火性能を満た
すものではなかった。
【0055】<参照例>耐火遮炎層として、上記耐火遮
炎層用シート部材に代えて、厚さ5mmのケイ酸カルシ
ウム板を用いた以外は、実施例と同様に、シート防水構
造を作製した。なお、防水シートは、上記実施例と同様
に、絶縁工法により敷設した。
【0056】そして、上記と同様の試験を行ったとこ
ろ、実施例と同様に、ISO規格の防火性能を満たすと
いう結果が得られた。
【0057】<総評>以上の試験結果から明らかなよう
に、本発明に関連した実施例のシート防水構造は、IS
O規格に合格し、十分な防火性能を備えるものであっ
た。更に、実施例のシート防水構造において、耐火遮炎
層としてのシート部材が、軽量で、柔軟性も備えてお
り、取扱が非常に容易であった。しかも、寸法合わせ等
の裁断加工も容易に行うことができた。
【0058】これに対し、本発明の要旨を逸脱する比較
例1〜3のシート防水構造は、ISO規格に不合格で、
防火性能に劣るものであった。なお、参照例のシート防
水構造は、ISO規格に合格するものではあるが、高重
量かつ硬質のケイ酸カルシウム板(ケイカル板)を使用
するものであるため、搬入等の取扱作業や切断加工等が
面倒であり、実際に施工する場合には、作業性の低下を
来すものと考えられる。
【0059】
【発明の効果】以上のように、この発明の防火性を有す
るシート防水構造によれば、表面防水層での燃焼域の拡
大を防止できる上、断熱層への飛び火や延焼を防止する
ことができ、燃焼を狭い範囲に抑えることができ、十分
な防火性を得ることができる。更に、断熱層としての断
熱材上に、耐火遮炎層用シート部材を介して防水シート
を敷設するだけで、簡単に施工することができる。しか
も、耐火遮炎層用シート部材は、例えば石膏、セメント
系の不燃ボードと比べて、軽量で、柔軟性も備えるもの
であるため、搬入作業等の取扱を容易に行うことができ
るとともに、切断加工等も容易に行うことでき、より一
層、簡単に敷設施工することができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に関連したシート防水構造を示す断面
図である。
【図2】この発明に関連したシート防水構造に適用され
た耐火遮炎層用シート部材を拡大して示す断面図であ
る。
【図3】従来の断熱防水屋根構造を示す断面図である。
【図4】ISO規格の飛び火試験装置を模式化して示す
側面図である。
【符号の説明】
11…屋根下地 12…断熱層 12a…断熱材 13…防水層 13a…防水シート 20…耐火遮炎層 21…遮炎シート 22…耐火性樹脂組成物

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建造物躯体上に設けられる断熱材からな
    る断熱層と、 前記断熱層上に設けられる防水シートからなる防水層と
    を備え、 加熱発泡型の耐火性樹脂組成物が遮炎シート上に積層さ
    れた耐火遮炎層が、前記断熱層及び前記防水層間に介装
    されてなることを特徴とする防火性を有するシート防水
    構造。
  2. 【請求項2】 前記耐火性樹脂組成物が、樹脂結合剤か
    らなる第1成分と、加熱により発泡して不燃ガスを生成
    する発泡剤からなる第2成分と、加熱により炭化層を形
    成する炭素生成剤からなる第3成分と、無機質充填剤か
    らなる第4成分とを含む請求項1記載の防火性を有する
    シート防水構造。
  3. 【請求項3】 前記第1成分として、酢酸ビニル樹脂、
    アルキド樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキ
    シ樹脂の中から選択されるものが用いられてなる請求項
    2記載の防火性を有するシート防水構造。
  4. 【請求項4】 前記第2成分として、リン酸アンモニウ
    ム、ポリ燐酸アンモニウム、トリアジンアミン等のアン
    モニウム塩、ジシアンアミド、尿素、メラニン等のアミ
    ノ化合物、塩素化パラフィンの中から選択されるものが
    用いられてなる請求項2又は3記載の防火性を有するシ
    ート防水構造。
  5. 【請求項5】 前記第3成分として、デンプン、デキス
    トリン、砂糖等の炭水化物、モノ・ジ・テトラペンタエ
    リスリトール、ポリオール等の多価アルコール、膨張性
    黒鉛の中から選択されるものが用いられてなる請求項2
    ないし4のいずれかに記載の防火性を有するシート防水
    構造。
  6. 【請求項6】 前記第4成分として、酸化チタン、ケイ
    酸塩、炭酸塩、酸化アルミニウム、粘土、クレー、シラ
    ス、マイカ等の無機質粉末、体質顔料、着色顔料等の無
    機質顔料の中から選択されるものが用いられてなる請求
    項2ないし5のいずれかに記載の防火性を有するシート
    防水構造。
  7. 【請求項7】 前記第1成分100重量部に対し、第2
    成分が30〜400重量部、第3成分が30〜300重
    量部、第4成分が16〜400重量部配合されてなる請
    求項2ないし6のいずれかに記載の防火性を有するシー
    ト防水構造。
  8. 【請求項8】 第1ないし第4成分の総量が、前記耐火
    性樹脂組成物の全量に対し、50重量%以上配合されて
    なる請求項2ないし7のいずれかに記載の防火性を有す
    るシート防水構造。
  9. 【請求項9】 前記耐火性樹脂組成物の積層厚みが、
    0.1〜3mmに設定されてなる請求項1ないし8のい
    ずれかに記載の防火性を有するシート防水構造。
  10. 【請求項10】 前記遮炎シートが、金属シートをもっ
    て構成されてなる請求項1ないし9のいずれかに記載の
    防火性を有するシート防水構造。
  11. 【請求項11】 前記遮炎シートが、金属繊維、ガラス
    繊維等の無機繊維の織布により構成されてなる請求項1
    ないし9のいずれかに記載の防火性を有するシート防水
    構造。
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