JP2021085209A - 延焼抑制層をもつ防水構造 - Google Patents

延焼抑制層をもつ防水構造 Download PDF

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Abstract

【課題】断熱材層を備える防水構造において、断熱材の熱分解により発生した可燃性ガスが長時間燃焼してしまうことや防水シートの上に置いた火種が断熱材に落下し、断熱材が直接引火してしまうことを充分に防げないとの問題があった。そこで、本発明は断熱材から発生する可燃性ガスへの引火を低減し、火種が断熱材に落下する可能性を低減することで断熱材の燃焼を防ぐ防水構造を提供する。【解決手段】屋根下地の上に敷設された断熱材層と、前記断熱材層の上に敷設された延焼抑制層と、前記延焼抑制層の上に敷設されまた、表面に露出された熱可塑性樹脂系防水層とを備え、前記延焼抑制層が少なくとも熱可塑性樹脂層と不燃材層とで構成され、前記熱可塑性樹脂層が前記断熱材層側に配置され、前記不燃材層が前記熱可塑性樹脂系防水層側に配置されている防水構造。【選択図】図1

Description

本発明は、屋上や屋根等に使用する断熱防水構造に関する。
建物の断熱性を向上させるため屋上や屋根に断熱材を使用する工法がある。特に、防水シートによる防水工事においては、屋根の下地と防水シートの間に断熱材層を設けることで屋根に断熱性を付与している。
この断熱材層はポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等のプラスチックの発泡材が用いられることが多いが、いずれも可燃性が高く、屋根の耐火性能を低下させてしまう恐れがある。
一方で、建築基準法において一定以上の断熱材層を持つ屋根構造については飛び火認定を受けなければならいことが定められている。飛び火認定を受けるにはISO/CD12468に準拠した飛び火試験に合格しなければならない。
この飛び火試験は、図6に示すように、屋根構造を模した試験体B2を専用の架台B1を用いて所定の傾斜角度θで保持しておき、試験体B2の下端側に載置した火種B3にて着火するとともに、試験体B2の表面に沿って下側から送風方向Eに向けてエアーを吹き付け、その状態で、燃焼状況を観察するものである。そして、試験体B2の端部にまで燃焼域が広がってしまったり、あるいは試験体B2に穴が開いてしまった場合等には、防火性能が不十分であるとして不合格の評価がなされるものである。
通常、防水シート自体も可燃性の材料であるため、断熱材と防水シートのみではこの飛び火試験を合格することは困難な場合がある。そこで、特許文献1では建造物躯体上に設けられる断熱材からなる断熱層と、断熱層上に設けられる防水シートからなる防水層とを備え、加熱発泡型の耐火性樹脂組成物が遮炎シート上に積層された耐火遮炎層が、断熱層及び防水層間に介装されてなるシート防水断熱構造が開示されている。
特許第3718639号公報
しかし、従来技術では、断熱材層の熱分解により発生した可燃性ガスが長時間燃焼してしまうことや防水シートの上に置いた火種が断熱材層に落下し、断熱材層が直接引火してしまうことを充分に防げないとの問題があった。
そこで、本発明は断熱材層から発生する可燃性ガスへの引火を防ぎ、火種が断熱材層に落下することを防止し、断熱材層の燃焼を防ぐ防水構造を提供する。
前述の課題を解決するために本発明が用いた手段は、断熱材層と熱可塑性樹脂系防水材層の間に延焼抑制層を設けることを要旨とする。
具体的には、屋根下地の上に敷設された断熱材層と、断熱材層の上に敷設された延焼抑制層と、延焼抑制層の上に敷設され、また表面に露出される熱可塑性樹脂系防水層と、を備え延焼抑制層が少なくとも熱可塑性樹脂層と不燃材層とで構成され、熱可塑性樹脂層が断熱材層側に配置され、不燃材層が熱可塑性樹脂系防水層側に配置されている防水構造、とすることである。また、不燃材層が、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、金属薄膜の群から選ばれる少なくとも一つで構成されていても良い。さらに、延焼抑制層の熱可塑性樹脂層と断熱材層とが直接接している防水構造が好ましい。不燃材層の単位面積当たりの重量が、100g/m2以上としても良いし、熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の融点が80℃以上130℃以下としても良い。
不燃材層と熱可塑性樹脂系防水層との間にさらに移行防止層を備える防水構造とすることも好ましい。
また、施工方法として、屋根下地の上に断熱材層を敷設し、断熱材層の上に延焼抑制層と、延焼抑制層の上に熱可塑性樹脂系防水層とを敷設し、熱可塑性樹脂系防水層を表面に露出させ、熱可塑性樹脂層を断熱材層側に配置し、不燃材層を熱可塑性樹脂系防水層側に配置する防水構造の施工方法を用いることができる。また、延焼抑制層の熱可塑性樹脂層と断熱材層とを直接接するように配置する施工方法としても良いし、不燃材層と熱可塑性樹脂系防水層との間にさらに移行防止層を配置する施工方法とすることもできる。
本発明では、断熱材層から発生する可燃性ガスへの引火を低減し、火種が断熱材層に落下する可能性を低減することで断熱材層の燃焼を防ぐ防水構造を提供することができる。
本発明の防水構造の一実施形態であって、先付工法における部分断面図である。 本発明の防水構造の一実施形態であって、後付工法における部分断面図である。 本発明の防水構造の一実施形態であって、接着工法における部分断面図である。 本発明の防水構造の他の実施形態であって、先付工法における部分断面図である。 本発明の移行防止層を備える構成を示した部分断面図である。 飛火試験の状態を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1を用いて本発明の実施形態1について説明する。屋根下地Gの上に断熱材層10が敷設され、断熱材層10の上に延焼抑制層40が敷設され、延焼抑制層40を覆って熱可塑性樹脂系防水層50が敷設固定され、熱可塑性樹脂系防水層50が屋根下地Gからみて最外層に配置され表面に露出した状態となる防水構造を構成している。
延焼抑制層40は主に熱可塑性樹脂で構成された熱可塑性樹脂層20と不燃材料で構成された不燃材層30とが用いられ、不燃材層30が熱可塑性樹脂系防水層50の側に配置され、熱可塑性樹脂層20が断熱材層10の側に配置されている。
より具体的には、屋根下地Gの上に断熱材層10として硬質ウレタンフォーム11が敷設され、延焼抑制層40(41)が硬質ウレタンフォーム11を覆って敷設されている。延焼抑制層41は、熱可塑性樹脂層20がポリエチレン樹脂層21で構成され、不燃材層30がガラス繊維を織物としたガラスクロス31で構成され、熱可塑性樹脂層20と不燃材層30とが積層一体化されている。延焼抑制層40(41)を覆って熱可塑性樹脂系防水層50である熱可塑性樹脂系防水シート51が敷設固定されている。熱可塑性樹脂系防水シート51は固定用ディスクDと固定用ビスSにより屋根下地Gに対して固定されている。ここで、ガラスクロス31は熱可塑性樹脂系防水シート51の側に配置され、ポリエチレン樹脂層21は硬質ウレタンフォーム11の側に配置されている。
実施形態1のように、延焼抑制層40が断熱材層10の上に配置された構成とすることで断熱材層10に接する面に熱可塑性樹脂層20が配置されることなる。さらに断熱材層10と熱可塑性樹脂系防水層50との間に不燃材層30を敷設することで、断熱材から発生する可燃性ガスへの引火を低減し、火種が落下する可能性を低減することにより断熱材層の燃焼を防ぐ防水構造を提供することができる。この様な効果は以下のように想定している。
断熱材層10と不燃材層30との間に配置された熱可塑性樹脂層20が火種等からの熱により軟化し、熱可塑性樹脂層20を介して断熱材層10の表面に不燃材層が接合される。このように熱可塑性樹脂層20が熱により軟化し断熱材層10に熱可塑性樹脂層20と不燃材層30が密着したような状態となり、断熱材層10から生じた可燃性ガスが断熱材層10の外側への拡散を減少、遅延することが期待できる。さらに断熱材層10への酸素の供給を減少、または遮断することができる。これにより、断熱材層10から発生した可燃性ガスへの引火による延焼を遅延または防ぐことができる。また不燃材層30により不燃材層30より上側にある火種が断熱材層10にまで落下することを遅延または防ぐことで断熱材層10と火種が直接、接することによる断熱材層10の燃焼を防ぐ効果がある。
ここで、熱可塑性樹脂系防水層50の屋根下地Gに対する固定は、機械的固定と接着剤による接合が可能である。機械的固定は、固定用ディスクDを熱可塑性樹脂系防水層50の下側(屋根下地G側)に先に固定する先付と、固定用ディスクDを熱可塑性樹脂系防水層50の上側に配置固定する後付があり、これらいずれも適用することが可能である。なお、機械的固定による工法を機械的固定工法、先付、後付による固定工法を先付工法、後付工法、接着剤による接合方法を接着工法と記載する場合がある。
図1の実施形態1は先付工法により施工された防水構造である。熱可塑性樹脂系防水層50である熱可塑性樹脂系防水シート51の固定について示す。
延焼抑制層40(41)の上に固定用ディスクDが配置され、固定用ビスSが固定用ディスクDの上から打ち込まれ、延焼抑制層40(41)、断熱材層10を貫通して屋根下地Gに固定される。固定用ディスクDの上面には熱可塑性樹脂からなる層が設けられている。固定用ディスクDと延焼抑制層40(41)とを覆うように熱可塑性樹脂系防水シート51を敷設され、誘導加熱装置を用いて固定用ディスクDと熱可塑性樹脂系防水シート51とが融着されている。ここで、ガラスクロス31は熱可塑性樹脂系防水シート51の側に配置され、ポリエチレン樹脂層21は硬質ウレタンフォーム11の側に配置されている。また、熱可塑性樹脂系防水シート51および固定用ディスクDの上面の熱可塑性樹脂からなる層はポリ塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましい。
実施形態1の変形例として、熱可塑性樹脂系防水シート51の固定が後付である場合を図2を用いて説明する。
屋根下地Gの上に断熱材層10として硬質ウレタンフォーム11が敷設され、延焼抑制層40(41)が硬質ウレタンフォーム11を覆って敷設される。延焼抑制層41は、熱可塑性樹脂層20がポリエチレン樹脂層21で構成され、不燃材層30がガラス繊維を織物としたガラスクロス31で構成され、熱可塑性樹脂層20と不燃材層30とが積層一体化されている。延焼抑制層40(41)の上から熱可塑性樹脂系防水層50である熱可塑性樹脂系防水シート51が敷設されている。熱可塑性樹脂系防水シート51の上に固定用ディスクDが配置され、固定用ビスSが固定用ディスクDの上から打ち込まれ、熱可塑性樹脂系防水シート51、延焼抑制層40(41)、断熱材層10を貫通して屋根下地Gに固定されている。固定用ディスクDの上から補強用シートHが配置され、補強用シートHが固定用ディスクDと熱可塑性樹脂系防水シート51とに接合されている。固定用ディスクDの上面には熱可塑性樹脂からなる層が設けられ、補強用シートHは熱可塑性樹脂からなる。そこで、熱可塑性樹脂系防水シート51と固定用ディスクDに対し補強用シートHは熱による融着または、溶剤による液溶着により接合される。ここで、熱可塑性樹脂系防水シート51、固定用ディスクDの上面の熱可塑性樹脂からなる層および補強用シートHはポリ塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましい。
さらに、熱可塑性樹脂系防水シート51の固定が接着剤である場合の変形例を図3を用いて説明する。
屋根下地Gの上に断熱材層10として硬質ウレタンフォーム11が敷設され、延焼抑制層40(41)が硬質ウレタンフォーム11を覆って敷設される。延焼抑制層41は、熱可塑性樹脂層20がポリエチレン樹脂層21で構成され、不燃材層30がガラス繊維を織物としたガラスクロス31で構成され、熱可塑性樹脂層20と不燃材層30とが積層一体化されている。延焼抑制層40(41)の上に接着剤が塗布され、熱可塑性樹脂系防水層50である熱可塑性樹脂系防水シート51が敷設され熱可塑性樹脂系防水シート51が延焼抑制層40(41)に接着されている。接着剤Aは、延焼抑制層40(41)に塗布する片面塗布でも良いし、延焼抑制層40(41)と熱可塑性樹脂系防水シート51に塗布する両面塗布でも良い。ここで、熱可塑性樹脂系防水シート51としてポリ塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましく、この場合に接着剤として、ニトリルゴム系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤が好適に用いられる。また、断熱材層10および延焼抑制層40(41)とは固定用ディスクと固定用ビスを用いた機械的固定工法、ニトリルゴム系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリルエマルション系接着剤等による接着工法によって屋根下地Gに対し固定されている。
次に防水構造を構成する各部材について説明する。
断熱材層10はポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム、フェノールフォーム等の一般的な材料が使用できる。面材がある断熱材を用いても良くその場合、面材の材質はクラフト紙、アルミはく等のアルミ薄膜、ガラス不織布、ポリエステル不織布等の一般的な材質、もしくはこれらの材料を組み合わせたものでもよい。
断熱材層10の表面は延焼抑制層40の熱可塑性樹脂層20が溶融することにより不燃材層30が断熱材層10に概ね隙間なく密着できる程度の平滑さがあればよい。一般的な断熱材の平滑さがあればよいが、断熱材層10の表面の凹凸は1mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.3mm以下がさらに好ましい。また、熱可塑性樹脂層の厚みが薄い場合には断熱材層10の凹凸が小さい方が好ましい。例えば、熱可塑性樹脂層の厚みが0.05mm程度であれば断熱材層10の凹凸は0.5mm以下が好適であり、熱可塑性樹脂層の厚みが0.02mm程度であれば断熱材層10の凹凸は0.2mm以下が好適である。
延焼抑制層40は少なくとも熱可塑性樹脂で構成された熱可塑性樹脂層20と不燃材料で構成された不燃材層30とが用いられる。熱可塑性樹脂層20と不燃材層30とは積層一体化されることが好ましく、これにより施工性が向上する。延焼抑制層40は熱可塑性樹脂層20と不燃材層30以外の別の層を有していても良い。
不燃材層30は、不燃材層30の上に敷設される熱可塑性樹脂系防水層50が着火したした場合に延焼を抑制するためにその着火の原因となった火種が断熱材層10と直接、接触するのを防ぐために、不燃材層が火種によって燃焼しないことが求められる。そこで、不燃材層30はガラス、炭素、金属などの無機材料を用いることができ、これらの無機材料からなる繊維で構成された無機質繊維層とすることが好ましい。また、無機質材薄膜、特に金属薄膜等を用いても良い。このような、無機質繊維層や無機質薄膜はロール状で輸送が可能で施工時にも巻出しながら使用することができ好ましい。
無機質繊維層を構成する繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維が例示でき、重量が軽くコスト面でも安価なことからガラス繊維が好ましい。無機質繊維層は無機質繊維を織物とした層であっても良いし、不織布であっても良い。
例えばガラス繊維の場合、平織、綾織、繻子織、不織布などのガラス繊維層を用いることが出でき、耐火性能の点からは平織や綾織等の織物が不織布よりも好ましい。平織や綾織等の織物は不織布と比較して厚みを薄くしても可燃性ガスへの引火を抑制し延焼防止層として良好な性能を示す。ほぼ隙間なく織り込まれた織物や、ガラス繊維層の目付量は100g/m2以上が好ましく、これらは火種の落下を防止することができる。さらに、ほぼ隙間なく織り込まれた織物であって目付量が100g/m2以上がより好ましい。
ここで、火種の落下と炎が断熱材層に広がるのを防止するために不燃材層30は、一様な平面を有することが好ましい。不燃材層30と熱可塑性樹脂層20とを接合した際に、不燃材層30から熱可塑性樹脂層20が視認されず、不燃材層30から熱可塑性樹脂層20が表出しないことが好ましい。
特に、不燃材層30が無機質材層であり織物、不織布で構成されている場合、織物や不織布の目が詰まっていることが好ましい。
熱可塑性樹脂層20は主に熱可塑性樹脂で構成され、熱可塑性樹脂としてはポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂等を用いることができる。熱可塑性樹脂層20には、熱可塑性樹脂に各種添加剤や無機充填材を添加しても良い。熱可塑性樹脂層20は延焼抑制層40の上側から火種等による炎の熱によって熱可塑性樹脂が溶融し、熱可塑性樹脂層20と接する層、例えば断熱材層10に溶着し不燃材層30と断熱材層10との層間に密着することで延焼を抑制することが期待される。そのため、延焼抑制層40の最下層は熱可塑性樹脂層20で構成され、熱可塑性樹脂層20と断熱材層10とが直接接していることが好ましい。また、熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の軟化する温度が低いとより低温から熱可塑性樹脂が溶融し、延焼を防ぐことが期待でき好ましい。したがって、熱可塑性樹脂の融点は80〜130℃が好ましく、100℃〜120℃がさらに好ましい。より具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレンが好ましい。
ここで、熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の軟化する温度は、ビカット軟化温度(JIS K7206、ASTM D1527)や熱変形温度(荷重たわみ温度測定、JIS K7192、ISO 75、ASTM D648)で測定することができる。ビカット軟化温度(JIS K7206 B50法)において70℃〜130℃が好ましく、80℃〜120℃がより好ましく、85〜110℃がさらに好ましい。熱変形温度(荷重たわみ温度測定 JIS K 7196 4.6Kg/cm)においては、40℃〜110℃が好ましく、40℃〜90℃がより好ましく、45〜70℃がさらに好ましい。
ここで、ビカット軟化温度(JIS K7206 B50法)において低密度ポリエチレンは約80℃〜100℃、中密度ポリエチレンは約100℃〜120℃、高密度ポリエチレンは約120℃〜135℃である。また、熱変形温度(荷重たわみ温度測定 JIS K 7196 4.6Kg/cm)において、低密度ポリエチレンは約40℃〜50℃、中密度ポリエチレンは約50℃〜70℃、高密度ポリエチレンは約60℃〜85℃、ポリプロピレンは約85℃〜110℃、硬質ポリ塩化ビニル樹脂は約55℃〜75℃である。
そこで、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂が好ましく、ポリエチレン樹脂がより好ましく、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンがさらに好ましい。
低密度ポリエチレンの密度は914〜925(Kg/m)、中密度ポリエチレンの密度は926〜940(Kg/m)、高密度ポリエチレン密度は941〜965(Kg/m)と分類することができる。さらに、密度が914(Kg/m)以下のポリエチレン、例えばエチレン−αオレフィンコポリマー(密度 860〜900(Kg/m))等を用いることもできる。密度はJIS K6922−2により測定することができる。
また、断熱材層の表面に面材を設けた場合、面材との密着性を考慮することが好ましく、面材としてクラフト紙やアルミはくを用いる場合にはポリエステル樹脂を熱可塑性樹脂層20とすると密着性に優れるために好ましい。さらに、熱可塑性樹脂層20は、断熱材層10の材質、特に表面の材質に応じ密着性が優れる樹脂組成物を選択することが好ましい。
熱可塑性樹脂系防水層50は、ポリ塩化ビニル樹脂系、加硫ゴム系、非加硫ゴム系、熱可塑性エラストマー系、エチレン酢酸ビニル樹脂系等の防水層を用いることができる。なかでも、熱可塑性樹脂系防水シート51が好ましく用いられ、ポリ塩化ビニル樹脂系、加硫ゴム系、非加硫ゴム系、熱可塑性エラストマー系、エチレン酢酸ビニル樹脂系等の防水シートが使用できる。柔軟性、耐候性、防水シート同士または他の部材とを容易かつ充分に接合できるとの点からポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aが好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂系防水層50は、熱可塑性樹脂層の単層でも良いが、寸法安定性、引張強度に優れるという点からガラスクロス、ガラス不織布、ポリエステルクロス、ポリエステル不織布等の基材層を積層した複層品が好ましい。基材層は最下層に設けても良いが熱可塑性樹脂層の中間に設けても良い。また熱可塑性樹脂層は一層であっても、複数の層であってもよく、それぞれの層の組成を異なるものとしてもよい。
熱可塑性樹脂系防水層50を構成する材料、特に可塑剤等の液状成分が熱可塑性樹脂系防水層50から断熱材層10に移行するのを防止するために、移行防止層60を設ける場合がある。移行防止層60を有する場合の構成の一例を図5に示した。移行防止層60は、延焼抑制層40と熱可塑性樹脂系防水層50間に設ける必要がある。移行防止層60は、図5のように延焼抑制層40とは別の層として設けても良いし、延焼抑制層40がその機能を兼ね備えていても良い。また、移行防止層60を延焼抑制層40とを別の層として設ける場合も、施工時に移行防止層60と延焼抑制層40とを予め接合しても良いし、別個の層として延焼抑制層40と移行防止層60を逐次、別に施工しても良い。移行防止層60を用いる場合、延焼抑制層40の不燃材層30と熱可塑性樹脂系防水層50との間に移行防止層60が設けられている。さらに、移行防止層60を用いる場合でも延焼抑制層40の最下層は熱可塑性樹脂層20で構成され、熱可塑性樹脂層20と断熱材層10とが直接接していることが好ましい。
屋根下地Gは、鉄筋コンクリート、ALC造、木造、鋼製、金属折版屋根等の従来の防水構造に使用されているものであれば、どのような材質、構造であってもよい。
固定用ディスクDは、熱可塑性樹脂系防水層50を屋根下地Gに対しより安定的に固定するために用いられる。そのため、適度な剛性と強度を有することが好ましく、金属製、樹脂製、木製等が用いられる。剛性と強度の面から金属製が好ましい。固定用ディスクDの表面は熱可塑性樹脂系防水層50または補強用シートHと接合され、その接合には熱融着もしくは溶剤溶着が用いられる。そのため、固定用ディスクDの熱可塑性樹脂系防水層50や補強用シートHと接する面、通常は固定用ディスクDの屋根下地Gに対して上面には、熱可塑性樹脂系防水層50、補強用シートHと溶着または溶融着できる被覆層で被覆されていることが好ましい。また、被覆層は、ホットメルト接着剤等の接着剤や粘着剤で合っても良い。熱可塑性樹脂系防水層50や補強用シートHが熱可塑性樹脂系の防水シートであれば、固定用ディスクDの被覆層も熱可塑性樹脂とすることが好ましい。
具体的に例示すると、熱可塑性樹脂系防水層50をポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aとした場合、固定用ディスクDの上面(熱可塑性樹脂系防水層50と接する面)はポリ塩化ビニル系樹脂層で被覆されていることが好ましい。これにより、熱可塑性樹脂系防水層50であるポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aと固定用ディスクDの上面に被覆されたポリ塩化ビニル系樹脂層とを熱による融着または溶剤による溶着が可能となり、熱可塑性樹脂系防水層50と固定用ディスクDを強固に接合することが出来る。
同様に、補強用シートHがポリ塩化ビニル樹脂系のシートである場合、固定用ディスクDの上面(補強用シートHと接する面)はポリ塩化ビニル系樹脂層で被覆されていることが好ましい。
さらに、固定用ディスクDの下面もポリ塩化ビニル系樹脂層で被覆されることが好ましい。
固定用ビスSは、ビス以外に一般的にネジ、ボルト、釘等を用いてもよい。材質としては、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼等の鋼材などが使用できる。
実施形態1の施工方法について図1を用いて説明する。屋根下地Gの上に断熱材層10を敷設し、断熱材層10の上に熱可塑性樹脂層20と不燃材層30とが積層一体化された延焼抑制層40を敷設する。延焼抑制層40の不燃材層30の上に熱可塑性樹脂系防水層50を敷設固定する。延焼抑制層40の熱可塑性樹脂層20を断熱材層10の側に配置し、不燃材層30を熱可塑性樹脂系防水層50の側に配置している。熱可塑性樹脂系防水層50を表面に露出した形態で敷設している。
より具体的には、屋根下地Gの上に断熱材層10として硬質ウレタンフォーム11を敷設し、延焼抑制層40(41)を硬質ウレタンフォーム11を覆って敷設する。延焼抑制層41は、熱可塑性樹脂層20がポリエチレン樹脂層21で構成され、不燃材層30がガラス繊維を織物としたガラスクロス31で構成され、熱可塑性樹脂層20と不燃材層30とが積層一体化されている。延焼抑制層40(41)を覆うように熱可塑性樹脂系防水層50である熱可塑性樹脂系防水シート51を敷設し固定する。熱可塑性樹脂系防水シート51を固定用ディスクDと固定用ビスSにより屋根下地Gに対して固定している。
実施形態1では、先付工法で熱可塑性樹脂系防水シート51が固定されている。延焼抑制層40(41)の上に固定用ディスクDを配置し、固定用ビスSを固定用ディスクDの上から打ち込み、延焼抑制層40(41)、断熱材層10を貫通して屋根下地Gに固定する。固定用ディスクDの上面には熱可塑性樹脂からなる層が設けられている。固定用ディスクDと延焼抑制層40(41)とを覆うように熱可塑性樹脂系防水シート51を敷設し、誘導加熱装置を用いて固定用ディスクDと熱可塑性樹脂系防水シート51とを融着する。ここで、ガラスクロス31は熱可塑性樹脂系防水シート51の側に配置され、ポリエチレン樹脂層21は硬質ウレタンフォーム11の側に配置されている。また、熱可塑性樹脂系防水シート51および固定用ディスクDの上面の熱可塑性樹脂からなる層はポリ塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましい。
実施形態1の変形例として、熱可塑性樹脂系防水シート51の固定方法が後付工法である施工方法を図2を用いて説明する。
屋根下地Gの上に断熱材層10として硬質ウレタンフォーム11を敷設し、延焼抑制層40(41)を硬質ウレタンフォーム11を覆って敷設する。延焼抑制層41は、熱可塑性樹脂層20がポリエチレン樹脂層21で構成され、不燃材層30がガラス繊維を織物としたガラスクロス31で構成され、熱可塑性樹脂層20と不燃材層30とが積層一体化されている。延焼抑制層40(41)の上から熱可塑性樹脂系防水層50である熱可塑性樹脂系防水シート51を敷設する。熱可塑性樹脂系防水シート51の上に固定用ディスクDを配置し、固定用ビスSを固定用ディスクDの上から打ち込み、延焼抑制層40(41)、断熱材層10を貫通して屋根下地Gに固定する。固定用ディスクDの上から補強用シートHを配置し、補強用シートHを固定用ディスクDと熱可塑性樹脂系防水シート51とに接合する。固定用ディスクDの上面には熱可塑性樹脂からなる層が設けられ、補強用シートHは熱可塑性樹脂からなる。そこで、熱可塑性樹脂系防水シート51と固定用ディスクDに対し補強用シートHは熱による融着または、溶剤による液溶着により接合する。ここで、熱可塑性樹脂系防水シート51、固定用ディスクDの上面の熱可塑性樹脂からなる層および補強用シートHはポリ塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましい。
さらに、熱可塑性樹脂系防水シート51の固定方法が接着工法である実施形態1の変形例を図3を用いて説明する。
屋根下地Gの上に断熱材層10として硬質ウレタンフォーム11を敷設し、延焼抑制層40(41)を硬質ウレタンフォーム11を覆って敷設する。延焼抑制層41は、熱可塑性樹脂層20がポリエチレン樹脂層21で構成され、不燃材層30がガラス繊維を織物としたガラスクロス31で構成され、熱可塑性樹脂層20と不燃材層30とが積層一体化されている。延焼抑制層40(41)の上に接着剤を塗布し、熱可塑性樹脂系防水層50である熱可塑性樹脂系防水シート51を敷設し、熱可塑性樹脂系防水シート51の上から圧着し熱可塑性樹脂系防水シート51を接着する。接着剤は、延焼抑制層40(41)に塗布する片面塗布でも良いし、延焼抑制層40(41)と熱可塑性樹脂系防水シート51に塗布する両面塗布でも良い。ここで、熱可塑性樹脂系防水シート51ポリ塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましく、この場合に接着剤として、ニトリルゴム系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤が好適に用いられる。
移行防止層60を有する防水構造である実施形態2を図4を用いて説明する。
屋根下地Gの上に断熱材層10を敷設し、断熱材層10の上に延焼抑制層40が敷設され、延焼抑制層40の上に移行防止層60が敷設されている。さらに、移行防止層60を覆って熱可塑性樹脂系防水層50が敷設固定され、熱可塑性樹脂系防水層50が屋根下地Gからみて最外層に配置され表面に露出した状態となる防水構造を構成している。
延焼抑制層40は熱可塑性樹脂で構成された熱可塑性樹脂層20と不燃材料で構成された不燃材層30とが用いられ、熱可塑性樹脂層20が熱可塑性樹脂系防水層50の側に配置され、不燃材層30が断熱材層10の側に配置されている。
より具体的には、屋根下地Gの上に断熱材層10として硬質ウレタンフォーム11が敷設され、延焼抑制層40(41)が硬質ウレタンフォーム11を覆って敷設されている。延焼抑制層41は、熱可塑性樹脂層20がポリエチレン樹脂層21で構成され、不燃材層30がガラス繊維を織物としたガラスクロス31で構成され、熱可塑性樹脂層20と不燃材層30とが積層一体化されている。延焼抑制層40(41)の上に移行防止層60であるアルミニウム薄膜シート61が敷設され、アルミニウム薄膜シート61を覆って熱可塑性樹脂系防水層である熱可塑性樹脂系防水シート51が敷設固定されている。熱可塑性樹脂系防水シート51は固定用ディスクDと固定用ビスSにより屋根下地Gに対して固定されている。ここで、ガラスクロス31は熱可塑性樹脂系防水シート51の側に配置され、ポリエチレン樹脂層21は硬質ウレタンフォーム11の側に配置されている。
実施形態2の施工方法も実施形態1と同様に、機械的固定工法および接着工法を用いることができ、機械的固定工法においても先付工法、後付工法を用いることができる。
「実施例1」
図1を用いて実施例1を説明する。
金属屋根である屋根下地G1の上に断熱材層として150mmの硬質ウレタンフォーム11aが敷設され、延焼抑制層41aが硬質ウレタンフォーム11aを覆って敷設されている。延焼抑制層41aは、熱可塑性樹脂層が0.015mmのポリエチレン樹脂層21aで構成され、不燃材層がガラス繊維を織物としたガラスクロス31(目付量:200g/m2)で構成され、ポリエチレン樹脂層21aとガラスクロス31とが熱により積層一体化されている。延焼抑制層41aの上に固定用ディスクD1が配置され、固定用ディスクD1を貫通して固定用ビスS1が屋根下地G1に打ち込まれている。固定用ディスクD1の上面には被覆層としてポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる層が積層されている。延焼抑制層41aと固定用ディスクD1を覆って熱可塑性樹脂系防水層であるポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aが敷設され、ポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aの下面と固定用ディスクD1の上面のポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる層とが誘導加熱装置により接合されている。ここで、ガラスクロス31aはポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aの側に配置され、ポリエチレン樹脂層21aは硬質ウレタンフォーム11aの側に配置されている。
実施例1の施工方法について説明する。
金属屋根である屋根下地G1の上に断熱材層として150mmの硬質ウレタンフォーム11aを敷設し、延焼抑制層41aを硬質ウレタンフォーム11aを覆って敷設する。延焼抑制層41aは、熱可塑性樹脂層が0.015mmのポリエチレン樹脂層21aで構成され、不燃材層がガラス繊維を織物としたガラスクロス31a(目付量:200g/m2)で構成され、ポリエチレン樹脂層21aとガラスクロス31aとが熱により積層一体化されている。延焼抑制層41aの上に固定用ディスクD1を配置し、固定用ディスクD1を貫通して固定用ビスS1を屋根下地G1に打ち込む。固定用ディスクD1の上面には被覆層としてポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる層が積層されている。延焼抑制層41aと固定用ディスクD1を覆って熱可塑性樹脂系防水層であるポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aを敷設する。ポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aの上から、固定用ディスクD1の上に誘導加熱装置を載せ、誘導加熱装置を発振させポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aの下面と固定用ディスクD1の上面のポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる層と接合する。
「実施例2」
図2を用いて実施例2を説明する。実施例1は先付に対し、実施例2は後付である。
金属屋根である屋根下地G1の上に断熱材層として25mmの硬質ウレタンフォーム11bが敷設され、延焼抑制層41bが硬質ウレタンフォーム11bを覆って敷設されている。延焼抑制層41bは、熱可塑性樹脂層が0.03mmのポリエチレン樹脂層21bで構成され、不燃材層がガラス繊維を織物としたガラスクロス31b(目付量:185g/m2)で構成され、ポリエチレン樹脂層21bとガラスクロス31bとが熱により積層一体化されている。延焼抑制層41bを覆って熱可塑性樹脂系防水層であるポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aが敷設され、ポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aの上に固定用ディスクD2が配置され、固定用ディスクD2を貫通して固定用ビスS2が屋根下地G1に打ち込まれている。固定用ディスクD2の上面には被覆層としてポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる層が積層されている。さらに、固定用ディスクD2および固定用ビスS2による貫通孔を覆って補強用シートとしてポリ塩化ビニル樹脂系補強用シートH1が敷設され、ポリ塩化ビニル樹脂系補強用シートH1は、固定用ディスクD2の被覆層とポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aと溶剤により溶着されている。ポリ塩化ビニル樹脂系補強用シートH1の周囲にはシーラーCで防水処理が施されている。ここで、ガラスクロス31bはポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aの側に配置され、ポリエチレン樹脂層21bは硬質ウレタンフォーム11bの側に配置されている。
実施例2の施工方法について説明する。
金属屋根である屋根下地G1の上に断熱材層として25mmの硬質ウレタンフォーム11bを敷設し、延焼抑制層41bが硬質ウレタンフォーム11bを覆って敷設する。延焼抑制層41bは、熱可塑性樹脂層が0.03mmのポリエチレン樹脂層21bで構成され、不燃材層がガラス繊維を織物としたガラスクロス31b(目付量:185g/m2)で構成され、ポリエチレン樹脂層21bとガラスクロス31bとが熱により積層一体化されている。延焼抑制層41bを覆って熱可塑性樹脂系防水層50であるポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aを敷設し、ポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aの上に固定用ディスクD2を配置し、固定用ディスクD2を貫通して固定用ビスS2が屋根下地G1に打ち込まれている。固定用ディスクD2の上面には被覆層としてポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる層が積層されている。さらに、固定用ディスクD2および固定用ビスS2による貫通孔を覆って補強用シートとしてポリ塩化ビニル樹脂系補強用シートH1を敷設し、ポリ塩化ビニル樹脂系補強用シートH1は、固定用ディスクD2の被覆層とポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aと溶剤により溶着する。ポリ塩化ビニル樹脂系補強用シートH1の周囲にはシーラーCを塗布し防水処理を施している。
「実施例3」
図4を用いて実施例3を説明する。実施例3は、延焼抑制層とともに移行防止層を用いる防水構造である。
金属屋根である屋根下地G1の上に断熱材層として50mmの硬質ウレタンフォーム11cが敷設され、延焼抑制層41aが硬質ウレタンフォーム11cを覆って敷設されている。延焼抑制層41aは、熱可塑性樹脂層が0.015mmのポリエチレン樹脂層21aで構成され、不燃材層がガラス繊維を織物としたガラスクロス31a(目付量:200g/m2)で構成され、ポリエチレン樹脂層21aとガラスクロス31aが熱により積層一体化されている。延焼抑制層41aの上に移行防止層60としてアルミニウム薄膜シート61aを敷設し、アルミニウム薄膜シート61aの上に固定用ディスクD1が配置され、固定用ディスクD1を貫通して固定用ビスS1が屋根下地G1に打ち込まれている。固定用ディスクD1の上面には被覆層としてポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる層が積層されている。延焼抑制層41aと固定用ディスクD1を覆って熱可塑性樹脂系防水層であるポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aが敷設され、ポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aの下面と固定用ディスクD1の上面のポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる層とが誘導加熱装置により接合されている。ここで、ガラスクロス31aはポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aの側に配置され、ポリエチレン樹脂層21aは硬質ウレタンフォーム11cの側に配置されている。
実施例3の施工方法について説明する。
金属屋根である屋根下地G1の上に断熱材層として50mmの硬質ウレタンフォーム11cを敷設し、延焼抑制層41aが硬質ウレタンフォーム11cを覆って敷設する。延焼抑制層41aは、熱可塑性樹脂層が0.015mmのポリエチレン樹脂層21aで構成され、不燃材層がガラス繊維を織物としたガラスクロス31a(目付量:200g/m2)で構成され、ポリエチレン樹脂層21aとガラスクロス31aとが熱により積層一体化されている。延焼抑制層41aの上に、アルミニウム薄膜シート61aを敷設し、アルミニウム薄膜シート61aの上に固定用ディスクD1を配置し、固定用ディスクD1を貫通して固定用ビスS1を屋根下地G1に打ち込む。固定用ディスクD1の上面には被覆層としてポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる層が積層されている。延焼抑制層41aと固定用ディスクD1を覆って熱可塑性樹脂系防水層であるポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aを敷設する。ポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aの上から、固定用ディスクD1の上に誘導加熱装置を載せ、誘導加熱装置を発振させポリ塩化ビニル樹脂系防水シート51aの下面と固定用ディスクD1の上面のポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる層と接合する。
本発明の防水構造は木造や鉄骨造の屋根に用いることができる。特に高い断熱性能が求められる北海道や東北などの寒冷地域の建物の屋根に好適に用いることができる。
10 断熱材層
11 硬質ウレタンフォーム
20 熱可塑性樹脂層
21 ポリエチレン樹脂層
30 不燃材層
31 ガラスクロス
40 延焼抑制層
50 熱可塑性樹脂系防水層
51 熱可塑性樹脂系防水シート
60 移行防止層
G 屋根下地
D 固定用ディスク
S 固定ビス
A 接着剤
H 補強用シート

Claims (9)

  1. 屋根下地の上に敷設された断熱材層と、
    前記断熱材層の上に敷設された延焼抑制層と、
    前記延焼抑制層の上に敷設され、また表面に露出される熱可塑性樹脂系防水層と、を備え、
    前記延焼抑制層が少なくとも熱可塑性樹脂層と不燃材層とで構成され、
    前記熱可塑性樹脂層が前記断熱材層側に配置され、前記不燃材層が前記熱可塑性樹脂系防水層側に配置されている防水構造。
  2. 前記不燃材層が、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、金属薄膜の群から選ばれる少なくとも一つで構成されている請求項1に記載の防水構造。
  3. 前記延焼抑制層の前記熱可塑性樹脂層と前記断熱材層とが直接接している請求項1または請求項2に記載の防水構造。
  4. 前記不燃材層の単位面積当たりの重量が、100g/m2以上である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防水構造。
  5. 前記熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の融点が80℃以上130℃以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の防水構造。
  6. 前記不燃材層と前記熱可塑性樹脂系防水層との間にさらに移行防止層を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の防水構造。
  7. 屋根下地の上に断熱材層を敷設し、
    前記断熱材層の上に延焼抑制層と、前記延焼抑制層の上に熱可塑性樹脂系防水層とを敷設し、前記熱可塑性樹脂系防水層を表面に露出させ、
    前記熱可塑性樹脂層を前記断熱材層側に配置し、前記不燃材層を前記熱可塑性樹脂系防水層側に配置する防水構造の施工方法。
  8. 前記延焼抑制層の前記熱可塑性樹脂層と前記断熱材層とを直接接するように配置する請求項7に記載の防水構造の施工方法。
  9. 前記不燃材層と前記熱可塑性樹脂系防水層との間にさらに移行防止層を配置する請求項7または請求項8のいずれか1項に記載の防水構造の施工方法。
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