JP4027265B2 - 耐火性仕上げ構造及び耐火性仕上げ工法 - Google Patents

耐火性仕上げ構造及び耐火性仕上げ工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、建築、土木構造物等において用いられる耐火性仕上げ構造及び耐火性仕上げ工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建築物や土木構造物等のコンクリート基体に対し、コンクリート片の剥落防止や、耐震補強を目的として、繊維強化樹脂を用いた仕上げ工法が実施されてきた(非特許文献1、非特許文献2参照)。
【0003】
これらの仕上げ工法は、図6に示す様に、まず、コンクリート基体P1上に、ビニロン繊維ネット等の補強材を、エポキシ樹脂やMMA樹脂により張り込み、繊維強化樹脂層P3を形成する。次に、耐候性、耐傷性を付与するために、JIS6909に規定される建築用仕上げ塗材P5を塗布する。
【0004】
【非特許文献1】
JIS A6909
【非特許文献2】
財団法人建築保全センター「官庁施設の総合耐震診断・改修基準及び同解説」平成8年11月発行、「資料4耐震改修工法」の項
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の仕上げ工法を、トンネル内、地下通路、室内等のコンクリート基体上に実施した場合、火災時には、繊維強化樹脂層の温度が、樹脂の軟化温度を超えて上昇し、繊維強化樹脂層が熱劣化したり、燃焼してしまうという問題があった。繊維強化樹脂層が熱劣化したり、燃焼すると、コンクリート片の剥落が生じたり、耐震強度が低下するといった弊害が生じる。
【0006】
また、従来の仕上げ工法では、火災時に、繊維強化樹脂層の樹脂が燃え、有毒ガスが発生するという問題があった。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、火災時においても、繊維強化樹脂層が熱劣化せず、有毒ガスの発生がない耐火性仕上げ構造及び耐火性仕上げ工法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明は、
コンクリートから成る基材層と、前記基材層よりも上層に形成された繊維強化樹脂層と、前記繊維強化樹脂層よりも上層に形成された、層の熱伝導率が0.05Kcal/m・h・°C以下である遮熱断熱層と、前記遮熱断熱層よりも上層に形成された発泡性耐火塗料層と、を備えることを特徴とする耐火性仕上げ構造を要旨とする。
【0008】
本発明の耐火性仕上げ構造は、層の熱伝導率が0.05Kcal/m・h・°C以下である遮熱断熱層と発泡性耐火塗料層とを併せ持つことにより、例えば、(i)火災の初期等において、耐火性仕上げ構造の表面温度(発泡性耐火塗料層の温度)が未だ発泡性耐火塗料層の発泡温度に達していない状態、及び、(ii)火災発生から時間が経過した時等において、耐火性仕上げ構造の表面温度が発泡温度を超えた状態のいずれの場合も、耐火性仕上げ構造の繊維強化樹脂層が熱劣化したり、燃えたりすることがない。これは、以下の作用によるものと考えられる。
【0009】
(i)火災等の初期において、耐火性仕上げ構造の表面温度が、未だ発泡性耐火塗料層の発泡温度に達していない状態では、発泡性耐火塗料層はまだ発泡せず、発泡性耐火塗料層の遮熱性は十分でないことがある。しかし、本発明の耐火性仕上げ構造では、遮熱断熱層が熱を遮断することにより、繊維強化樹脂層への熱伝導を制限し、その温度上昇を防止することができる。特に、本発明では、遮熱断熱層の熱伝導率が0.05Kcal/m・h・°C以下であるので、熱を遮断し、繊維強化樹脂層の温度上昇を防止する効果が高い。
【0010】
(ii)火災発生から時間が経過し、耐火性仕上げ構造の表面温度が発泡温度を超えると、発泡性耐火塗料層が発泡する。この発泡した発泡性耐火塗料層は、遮熱性が高いので、耐火性仕上げ構造の表面側から繊維強化樹脂層への熱伝導を制限し、繊維強化樹脂層の温度上昇を抑えることができる。従って、本発明の耐火性仕上げ構造は、その表面側の温度が高温となった時は、遮熱断熱層が熱を吸収することに加えて、発泡性耐火塗料層の遮熱性により、繊維強化樹脂層への熱伝導を抑え、その温度上昇を防止することができる。
【0011】
このように、本発明の耐火性仕上げ構造では、遮熱断熱層と発泡性耐火塗料層とを併せ持つことにより、上記(i)、(ii)のいずれの場合にも、繊維強化樹脂層への熱伝導を抑え、その温度上昇を防止することができる。
このことにより、本発明では、例えば、火災の発生初期から、長時間経過時に至るまで、繊維強化樹脂層の熱劣化が生じない。その結果として、本発明の耐火性仕上げ構造は、火災時等において加熱された場合でも、基材層のコンクリート片の剥落や、耐震性の低下等が生じることがない。
【0012】
また、本発明の耐火性仕上げ構造では、例えば、発泡性耐火塗料層が発泡し、遮熱断熱層を覆うことにより、遮熱断熱層にひび割れが生じにくく、万一ひび割れが生じた場合にも、ひび割れの部分からの熱伝導を抑えることができる。そのため、繊維強化樹脂層に熱が伝わったり、繊維強化樹脂層に着火してしまうようなことがない。
【0013】
更に、本発明の耐火性仕上げ構造は、発泡性耐火塗料層を備えているので、繊維強化樹脂層に着火することがない。そのため、繊維強化樹脂層の燃焼により、有毒ガスが発生してしまうようなことがない。
・前記上層とは、耐火性仕上げ構造の表面に近い側をいう。
【0014】
・前記繊維強化樹脂層としては、例えば、ビニロン繊維ネット、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維等の補強材を、エポキシ樹脂、MMA樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂に含浸させたものが挙げられる。
・前記遮熱断熱層としては、例えば、ポリマーセメントモルタル、ポリマーセメント軽量モルタル、軽量モルタル等から成る層が挙げられる。
【0015】
この遮熱断熱層の単位面積あたりの熱容量は、遮熱断熱層の厚みや、材質等により調整することができる。
この場合、遮熱断熱層は、例えば、セメント軽量モルタル等の材料を、3〜30mm程度の厚みに形成したものとすることができ、遮熱断熱層を極端に厚くする必要がない。
【0016】
・前記発泡性耐火塗料層とは、例えば、有機質結合材としての合成樹脂と、熱硬化型無機質結合材と、加熱により分解発泡する成分と、必要に応じて、炭化層形成剤とを含むものをいう。
上記合成樹脂とは、例えば、従来より塗料の結合材成分として用いられる合成樹脂である。この合成樹脂成分は、耐火塗料を塗装したあと、塗膜が火災に晒されて樹脂が溶融あるいは焼失するまでの間、下地に付着することのできる機能を有する。合成樹脂の例として、メラミン樹脂,アクリル樹脂,アルキッド樹脂,塩化ビニル樹脂,酢酸ビニル樹脂,ウレタン樹脂,エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂等がある。これらの樹脂は単独にて用いても良くあるいは共重合したものにして、またこれらを混合して用いることもできる。更に、これらの樹脂の形態として、溶媒に溶解させたものあるいはエマルションとして分散させたものも利用される。
【0017】
上記熱硬化型無機質結合材とは、塗料中にあって合成樹脂成分が溶融あるいは焼失した後も、下地に対する付着力を維持し、発泡後の塗膜全体の形を保つ作用を奏するものである。熱硬化型無機質結合材の例としては、水ガラス,シリカゾル(コロイダルシリカを含む),アルミナゾル,ジルコニアゾルなどのアルカリ金属塩,有機シリケート,有機チタネート,酸性金属リン酸塩,重クロム酸リン酸がある。
【0018】
上記の例にあるアルカリ金属塩とは、アルカリ土類金属の酸化物とシリカ、アルミナまたはジルコニアから生じる塩のことである。アルカリ金属塩の例として、Mをアルカリ土類金属として表したときケイ酸塩(xM2O・ySiO2),アルミン酸塩(xM2O・yAl23・zH2O;但しz=0を含む)、アルミノケイ酸塩(xM2O・yAl23・zSiO2・nH2O;n=0を含む)、ジルコニウム酸塩(xM2O・yZrO2)がある。水に対して溶解するか、不溶性であるかは金属の種類によって異なる。ケイ酸塩の中で特定の組成、形状のものについて水ガラス、シリカゾルなどと称している。
【0019】
上記の例にある水ガラスとは、アルカリ−ケイ酸系ガラスの濃厚水溶液のことを言い、Na2O・nSiO2(n=2〜4)あるいはK2O・nSiO2,Li2O・nSiO2,(R4N)2O・nSiO2により組成が表わされる。シリカゾルとは、水性シリカゾルのことを言い、高分子量の無水珪酸の超微粒子を水中に分散させたコロイド溶液のことである。
【0020】
有機シリケートは、オルト珪酸Si(OH)4とアルキルアルコールとのエステルであり、珪酸アルキルSi(OR)4のことを指す。アルキル基を選択することにより、多種類の有機シリケートがあり、例としてメチルオルトシリケート,エチルオルトシリケート,n−プロピルオルトシリケート,n−ブチルオルトシリケート,n−オクチルオルトシリケート,フェニルオルトシリケート,ベンジルオルトシリケートなどがある。更には、オルトシリケート類の脱水縮合によって得られるポリシリケート類もある。
【0021】
有機チタネートとは、Ti−O−C型結合をもつ、アルコキシチタニウムエステル,チタニウムキレートおよびチタニウムアシレートを指す。 例えば、テトラ−i−プロピルチタネート,テトラ−n−ブチルチタネート,ブチルチタネートダイマー,テトラステアリルチタネート,トリエタノールアミンチタネート,チタニウムアセチルアセテート,チタニムエチルアセトアセテート,チタニウムラクテート,テトラオクチレングリコールチタネートなどがある。
【0022】
酸性金属リン酸塩とは、MO・xP25・yH2Oにより表わされるMがアルカリ金属である金属酸化物とリン酸の錯塩である。この塩に対しては硬化剤としてMgO,CaO,Al23,Fe23,TiO2,Mg(OH)2,Ca(OH)2,Zn(OH)2,Al(OH)3,MgSiO3,CaSiO3,BaO3,第II族のホウ酸塩などを併用することもある。
【0023】
重クロム酸リン酸とは、重クロム酸マグネシウムとリン酸の混合物を言う。
上記加熱により分解発泡する成分としては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、トリエチレングリコール、ソルビトール、レゾルシノール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの多価アルコール、澱粉、カゼインなどの炭水化物、ジシアンジアミド、アゾジカルボンアミド、ヘキサメトキシメチルメラミンを例とするその誘導体、尿素、ブチルメラミンおよびトリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、ウレア、ジメチルウレア、グアニルウレアフォスフェート、アミノグアニルウレア、尿素ホルムアルデヒド、アミノ酢酸、グアニジンなどの含窒素化合物、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミンなどのリン酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ金属の水酸化物および、これらをマイクロカプセル化したものが使用できる。このうち、分解温度のバランスからペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリリン酸アンモニウム、メラミンの組み合わせを使うのが望ましい。
【0024】
上記炭化層形成剤とは、塗膜中にあって火災に晒された時に、炭素骨格が発泡後の塗膜中に存在させる為のものである。炭化層形成剤に利用されるものとして、ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール,トリペンタエリスリトールなどのイソパラフィンの多価アルコール,でんぷん,デキストリン,膨張性黒鉛から任意に選択されるものである。
【0025】
発泡性耐火塗料層は、その他、耐火性能を損なわない範囲において、酸化チタン,炭酸カルシウム,アルミニウム粉末,水酸化アルミニウム,無機繊維,アルミナ,シリカなどの充填剤および消泡剤,分散剤,湿潤剤などの界面活性剤、造膜助剤,防凍剤などの溶剤、着色の為の顔料,粘度,粘性調整の為の増粘剤あるいは防腐剤,防黴剤など、通常の塗料に使用される成分を含んでいても良い。
【0026】
上記有機質結合材としての合成樹脂、熱硬化型無機質結合材、加熱により分解発泡する成分、及び炭化層形成剤の配合割合は、発泡性耐火塗料の全量に対し、それぞれ、例えば、5〜40重量%、5〜40重量%、5〜50重量%、5〜50重量%とすることが好ましい。また、合成樹脂、熱硬化性無機質結合材、及び加熱発泡成分の合計配合割合は、30重量%以上であることが好ましい。
【0027】
・前記繊維強化樹脂層は、例えば、前記基材層の上に直接形成してもよく、または、間に他の層を介在させてもよい。また、前記遮熱断熱層は、前記繊維強化樹脂層の上に直接形成してもよく、または、間に他の層を介在させてもよい。また、前記発泡性耐火塗料層は、前記遮熱断熱層の上に直接形成してもよく、または、間に他の層を介在させてもよい。
(2)請求項2の発明は、
コンクリートから成る基材層と、前記基材層よりも上層に形成された繊維強化樹脂層と、前記繊維強化樹脂層よりも上層に形成されたセメントモルタル層と、前記セメントモルタル層よりも上層に形成された発泡性耐火塗料層と、を備えることを特徴とする耐火性仕上げ構造を要旨とする。
【0028】
本発明の耐火性仕上げ構造は、セメントモルタル層と発泡性耐火塗料層とを併せ持つことにより、例えば、(i)火災の初期等において、耐火性仕上げ構造の表面温度が未だ発泡性耐火塗料層の発泡温度に達していない状態、及び、(ii)火災発生から時間が経過した時等において、耐火性仕上げ構造の表面温度が発泡温度を超えた状態のいずれの場合も、耐火性仕上げ構造の繊維強化樹脂層が熱劣化したり、燃えたりすることがない。これは、以下の作用によるものと考えられる。
【0029】
(i)火災等の初期において、耐火性仕上げ構造の表面温度が、未だ発泡性耐火塗料層の発泡温度に達していない状態では、発泡性耐火塗料層はまだ発泡せず、発泡性耐火塗料層の遮熱性は十分でないことがある。しかし、本発明の耐火性仕上げ構造では、セメンモルタル層が熱を遮断することにより、繊維強化樹脂層への熱伝導を制限し、その温度上昇を防止することができる。
【0030】
(ii)火災発生から時間が経過し、耐火性仕上げ構造の表面温度が発泡温度を超えると、発泡性耐火塗料層が発泡する。この発泡した発泡性耐火塗料層は、遮熱性が高いので、耐火性仕上げ構造の表面側から繊維強化樹脂層への熱伝導を制限し、繊維強化樹脂層の温度上昇を抑えることができる。従って、本発明の耐火性仕上げ構造は、その表面側の温度が高温となった時は、セメントモルタル層が熱を吸収することに加えて、発泡性耐火塗料層の遮熱性により、繊維強化樹脂層への熱伝導を抑え、その温度上昇を防止することができる。
【0031】
このように、本発明の耐火性仕上げ構造では、セメントモルタル層と発泡性耐火塗料層とを併せ持つことにより、上記(i)、(ii)のいずれの場合にも、繊維強化樹脂層への熱伝導を抑え、その温度上昇を防止することができる。
このことにより、本発明では、例えば、火災の発生初期から、長時間経過時に至るまで、繊維強化樹脂層の熱劣化が生じない。その結果として、本発明の耐火性仕上げ構造は、火災時等において加熱された場合でも、基材層のコンクリート片の剥落や、耐震性の低下等が生じることがない。
【0032】
また、本発明の耐火性仕上げ構造では、例えば、発泡性耐火塗料層がセメントモルタル層を覆うことにより、加熱された場合でも、セメントモルタル層にひび割れが生じにくく、万一ひび割れが生じた場合でも、ひび割れの部分から繊維強化樹脂層に熱が伝わったり、繊維強化樹脂層に着火してしまうようなことがない。
【0033】
更に、本発明の耐火性仕上げ構造は、発泡性耐火塗料層を備えているので、繊維強化樹脂層に着火することがない。そのため、繊維強化樹脂層の燃焼により、有毒ガスが発生してしまうようなことがない。
・前記セメントモルタル層としては、例えば、ポリマーセメント、ポリマーセメントモルタル、ポリマーセメント軽量モルタル、軽量モルタル等で構成される層が挙げられる。
【0034】
このセメントモルタル層の厚みは、3〜30mmの範囲が好ましい。3mm未満であると、耐火性仕上げ構造の表面側に加えられる熱を遮断する効果が十分でないことがある。30mmを越えると、施工の手間が増え、施工後の剥落の問題が生じることがある。
【0035】
・前記繊維強化樹脂層、発泡性耐火塗料層としては、前記請求項1と同様のものを使用することができる。
・前記繊維強化樹脂層は、例えば、前記基材層の上に直接形成してもよく、または、間に他の層を介在させてもよい。また、前記セメントモルタル層は、前記繊維強化樹脂層の上に直接形成してもよく、または、間に他の層を介在させてもよい。また、前記発泡性耐火塗料層は、前記セメントモルタル層の上に直接形成してもよく、または、間に他の層を介在させてもよい。
(3)請求項3の発明は、
前記セメントモルタル層が、シラスバルーン、セラミック軽量骨材、パーライト、発泡蛭石、発泡プラスチック粉(例えば、発泡スチロール、発泡ポリウレタン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリ塩化ビニル、発泡ウレタン)、合成ゴムフォームの中の1種以上から成る骨材を含むことを特徴とする前記請求項2に記載の耐火性仕上げ構造を要旨とする。
【0036】
本発明の耐火性仕上げ構造では、セメントモルタル層が上記骨材を含むことにより、一層、表面側から繊維強化樹脂層への熱伝導を抑制する効果が高い。
・前記骨材の粒径は、0.1〜3mmの範囲が好ましい。0.1mmより小さいと、断熱効果の減少や収縮ひび割れが生じることがあり、3mmより大きいと、均一な施工が困難となり、仕上げ精度の確保が困難となることがある。
【0037】
・前記セメントモルタル層全体に対する骨材の配合量は、5〜50重量%が好ましい。5重量%より小さいと、断熱性能が低下することがあり、50重量%より大きいと、モルタル性能の低下、例えば、付着強度あるいは圧縮強度の低下の問題が起こることがある。
(4)請求項4の発明は、
前記請求項1に記載の耐火性仕上げ構造を形成する耐火性仕上げ工法であって、前記基材層よりも上層に、前記繊維強化樹脂層を形成する繊維強化樹脂層形成工程と、前記繊維強化樹脂層よりも上層に、前記遮熱断熱層を形成する遮熱断熱層形成工程と、前記遮熱断熱層よりも上層に、前記発泡性耐火塗料層を形成する発泡性耐火塗料層形成工程と、を備えることを特徴とする耐火性仕上げ工法を要旨とする。
【0038】
本発明の耐火性仕上げ工法により形成した耐火性仕上げ構造は、前記請求項1の発明と同様の効果を奏する。
・前記繊維強化樹脂層形成工程では、例えば、先に、繊維から成る補強材を基材層の上に広げておき、次に、樹脂をその上に塗布する方法や、樹脂を予め基材層上に塗り付け、補強材を点付け、仮止めした後、更に樹脂を塗り付けてサンドイッチ状とする方法により、繊維強化樹脂層を形成することができる。
【0039】
・前記遮熱断熱層形成工程では、例えば、鏝塗りや、吹き付け塗装の方法により、遮熱断熱層を構成する材料(例えば、ポリマーセメント)を塗布することができる。
・前記発泡性耐火塗料層形成工程では、例えば、刷毛塗り、鏝塗りや吹き付け塗装等の方法で、発泡性耐火塗料を塗布することができる。
(5)請求項5の発明は、
前記請求項2又は3に記載の耐火性仕上げ構造を形成する耐火性仕上げ工法であって、前記基材層よりも上層に、前記繊維強化樹脂層を形成する繊維強化樹脂層形成工程と、前記繊維強化樹脂層よりも上層に、前記セメントモルタル層を形成するセメントモルタル層形成工程と、前記遮熱断熱層よりも上層に、前記発泡性耐火塗料層を形成する発泡性耐火塗料層形成工程と、を備えることを特徴とする耐火性仕上げ工法を要旨とする。
【0040】
本発明の耐火性仕上げ工法により形成した耐火性仕上げ構造は、前記請求項2又は3の発明と同様の効果を奏する。
・前記セメントモルタル層形成工程では、例えば、鏝塗りや吹き付け塗装の方法により、セメントモルタル層を構成する材料(例えば、ポリマーセメント)を塗布することができる。
【0041】
・前記繊維強化樹脂層形成工程と、前記発泡性耐火塗料層形成工程は、例えば、前記請求項4の発明と同様のものとすることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の耐火性仕上げ構造及び耐火性仕上げ工法の実施の形態の例(実施例)を説明する。
(実施例1)
a)まず、本実施例1の耐火性仕上げ構造の構成を図1を用いて説明する。
【0043】
本実施例1の耐火性仕上げ構造は、図1に示すように、コンクリートから成る基材層1の上に、繊維強化樹脂層3と、遮熱断熱層(セメントモルタル層)5と発泡性耐火塗料層7と、を順次積層した構成を備える。
上記繊維強化樹脂層3は、メラミン樹脂の中に、補強材としてのガラス繊維を含浸したものである。この繊維強化樹脂層3の厚みは1mmである。また、繊維強化樹脂層3の軟化温度は205°Cであり、耐熱温度は150〜205°Cである。尚、耐熱温度や軟化温度の測定条件は化学便覧、応用編第二版に準拠したものであり、軟化温度測定時の圧力は264PSiである。
【0044】
上記遮熱断熱層5は、ポリマーセメントモルタルから成る層であって、シラスバルーンを骨材として含んでいる。この遮熱断熱層5において、ポリマーセメントモルタル全量に対するシラスバーンの含有量は、10重量%であり、シラスバーンの平均粒径は500μmである。また、遮熱断熱層5の厚みは5mmであり、層の熱伝導率が0.02Kcal/m・h・°Cである。
【0045】
上記発泡性耐火塗料層7は、発泡性耐火塗料を塗布して成る層である。その発泡性耐火塗料の具体的な構成は、以下のものである。
(A)有機質結合材としてのメラミン樹脂:20重量%
(B)熱硬化型無機質結合材としての水ガラス:40重量%
(C)分解発泡する無機質充填剤としてのポリリン酸アンモニウム:20重量%
(D)炭化層形成剤としてのペンタエリストリール:20重量
また、この発泡性耐火性塗料層7の膜厚は1mmである。
【0046】
尚、表1に、本実施例1の構成の概要を示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004027265
【0048】
b)次に、本実施例1の耐火性仕上げ構造を形成する工法(耐火性仕上げ工法)を説明する。
まず、基材層1の上に、ビニロン繊維ネットを張り、エポキシ樹脂またはMMA樹脂により固めて、繊維強化樹脂層3を形成する(繊維強化樹脂層形成工程)。
【0049】
次に、ポリマーセメントを所定の厚さに塗布し、1日間養生し、遮熱断熱層5を形成する(遮熱断熱層形成工程、セメントモルタル層形成工程)。
次に、発泡性耐火塗料を、スプレー法により所定の厚さに塗布し、発泡性耐火塗料層7を形成する(発泡性耐火塗料層形成工程)。
【0050】
c)次に、本実施例1の耐火性仕上げ構造が奏する効果を説明する。
本実施例1の耐火性仕上げ構造は、(i)火災等の初期等において、耐火性仕上げ構造の表面温度が未だ発泡性耐火塗料層7の発泡温度に達していない状態、及び、(ii)火災発生から時間が経過した時等において、耐火性仕上げ構造の表面温度が発泡温度を超えた状態のいずれの場合も、耐火性仕上げ構造の繊維強化樹脂層3が熱劣化することがない。
【0051】
また、本実施例1の耐火性仕上げ構造では、発泡性耐火塗料層7が遮熱断熱層5を覆うことにより、加熱された場合でも、遮熱断熱層5にひび割れが生じにくく、万一ひび割れが生じた場合でも、ひび割れの部分から、繊維強化樹脂層3に熱が伝わったり、繊維強化樹脂層3に着火してしまうようなことがない。
【0052】
更に、本実施例1の耐火性仕上げ構造は、発泡性耐火塗料層7を備えることにより、耐火性仕上げ構造の表面が高温になった場合でも、繊維強化樹脂層3が燃えることがないので、有毒ガスが発生することがない。
d)次に、本実施例1の耐火性仕上げ構造の効果を確かめるために行った実験について説明する。
【0053】
▲1▼実験方法
まず、実験に用いる試験片を作成した。この試験片は、図2に示す様に、縦30cm、横30cm、厚さ6cmのコンクリートから成る基材層1の上に、繊維強化樹脂層3と、遮熱断熱層5と、発泡性耐火塗料層7と、を順次積層したものである。この試験片における繊維強化樹脂層3、遮熱断熱層5、及び発泡性耐火塗料層7の組成や厚みは、上記a)と同様であり、上記b)の工法で形成されたものである。
【0054】
次に、この試験片の繊維強化樹脂層3の部分に、側面から熱電対を差し込み、試験片全体をガス炉に収容した。JIS A1304に規定される標準曲線に従い、30分間かけて、試験片の表面温度が300°Cになるまで加熱を行い、表面温度が300°Cに達した時点で加熱を終了した。
【0055】
加熱開始から3分後、10分後、30分後に、それぞれ、繊維強化樹脂槽3の温度を測定した。また、加熱開始から3分後、10分後、30分後にそれぞれ試験片の目視観察を行った。
▲2▼実験結果
繊維強化樹脂層3の温度、及び加熱開始から30分経過後における目視観察の結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
Figure 0004027265
【0057】
この表2に示す様に、加熱開始から30分経過時においても、繊維強化樹脂層3の温度は、75°Cであり、繊維強化樹脂層3を構成する樹脂の軟化温度である205°Cや、耐熱温度である150〜205°Cより低かった。
また、加熱開始から30分経過時での目視観察の結果は、繊維強化樹脂層3のどの部分にも、熱による変形や燃焼は見られなかった。
【0058】
これらの実験結果より、本実施例1の耐火性仕上げ構造は、その表面側を加熱し始めた当初、及び加熱開始から長時間経過した時のいずれにおいても、繊維強化樹脂層3が熱劣化したり燃えたりすることがなく好適であることが分かった。
(実施例2)
本実施例2の耐火性仕上げ構造は、基本的には、前記実施例1と同様である。但し、本実施例2では、遮熱断熱層5の厚みが20mmである。この実施例2の耐火性仕上げ構造の構成の概要を上記表1に示す。
【0059】
本実施例2の耐火性仕上げ構造は、前記実施例1の耐火性仕上げ工法と同様にして形成することができる。また、本実施例2の耐火性仕上げ構造は前記実施例1と同様の効果を奏する。
この実施例2の耐火性仕上げ構造の効果を確かめるために、前記実施例1のd)と同様の試験を行った。この結果を上記表2に示す。
【0060】
この表2に示す様に、加熱開始から30分過時においても、繊維強化樹脂層3の温度は、62°Cであり、繊維強化樹脂層3を構成する樹脂の軟化温度である205°Cや、耐熱温度である150〜205°Cより低かった。
また、加熱開始から30分経過時での目視観察の結果は、繊維強化樹脂層3のどの部分にも、熱による変形や燃焼は見られなかった。
【0061】
これらの実験結果より、本実施例2の耐火性仕上げ構造は、その表面側を加熱し始めた当初、及び加熱開始から長時間経過した時のいずれにおいても、繊維強化樹脂層3が熱劣化したり燃えたりすることがなく好適であることが分かった。
(実施例3)
本実施例3の耐火性仕上げ構造は、基本的には、前記実施例1と同様である。但し、本実施例3では、図3に示す様に、遮熱断熱層5の代わりに、セメントモルタル層8を備えている。このセメントモルタル層8は、遮熱断熱層5と同様の組成を有するが、その厚みが20mmである。この実施例3の耐火性仕上げ構造の構成の概要を上記表1に示す。
【0062】
本実施例3の耐火性仕上げ構造は、以下の耐火性仕上げ工法により形成することができる。
まず、基材層1の上に、ビニロン繊維ネットを張り、エポキシ樹脂またはMMA樹脂により固めて、繊維強化樹脂層3を形成する(繊維強化樹脂層形成工程)。
【0063】
次に、ポリマーセメントを所定の厚さに塗布し、1日間養生し、セメントモルタル層8を形成する(セメントモルタル層形成工程)。
次に、発泡性耐火塗料を、スプレー法により所定の厚さに塗布し、発泡性耐火塗料層7を形成する(発泡性耐火塗料層形成工程)。
【0064】
本実施例3の耐火性仕上げ構造は前記実施例1と同様の効果を奏する。
この実施例3の耐火性仕上げ構造の効果を確かめるために、前記実施例1のd)と同様の試験を行った。この結果を上記表2に示す。
この表2に示す様に、加熱開始から30分経過時においても、繊維強化樹脂層3の温度は、78°Cであり、前記実施例1や実施例2の場合よりもやや高かったが、繊維強化樹脂層3を構成するMMA樹脂の軟化温度である80°Cや耐熱温度である81°Cより低かった。
【0065】
また、加熱開始から30分経過時での目視観察の結果は、繊維強化樹脂層3のどの部分にも、熱による変形や燃焼は見られなかった。
これらの実験結果より、本実施例3の耐火性仕上げ構造は、その表面側を加熱し始めた当初、及び加熱開始から長時間経過した時のいずれにおいても、繊維強化樹脂層3が熱劣化したり燃えたりすることがなく好適であることが分かった。
(比較例1)
本比較例1の耐火性仕上げ構造は、基本的には、前記実施例1と同様である。但し、本比較例1では、遮熱断熱層5及びセメントモルタル層8を備えておらず、図4に示す様に、繊維強化樹脂層3の上に、直接、発泡性耐火塗料層7が形成されている。この比較例1の耐火性仕上げ構造の構成の概要を上記表1に示す。
【0066】
尚、本比較例1は、遮熱断熱層及びセメントモルタル層を備えておらず、本発明の範囲外の例である。
本比較例1の耐火性仕上げ構造に対し、前記実施例1のd)と同様の試験を行った。この結果を上記表2に示す。
【0067】
この表2に示す様に、繊維強化樹脂層3の温度は、加熱開始から3分後には150°Cに達しており、10分後の段階では300°Cを超えていた。
また、加熱開始から30分経過時での目視観察の結果は、繊維強化樹脂層3は、熱により変形し、一部燃焼している部分が見られた。
【0068】
これらの結果は、本比較例1は、遮熱断熱層(セメントモルタル層)を備えていないため、発泡性耐火塗料層7が発泡するまでの間に、繊維強化樹脂層3に大量の熱が伝わったためであると考えられる。
つまり、耐火性仕上げ構造の表面側の温度が上昇し始めてから、発泡性耐火塗料層7の発泡温度に達するまで間は、発泡性耐火塗料層7は発泡していないため遮熱性が低く、しかも、遮熱断熱層やセメントモルタル層がないので、表面側から繊維強化樹脂層3に、そのまま熱が伝わり、繊維強化樹脂層の熱劣化が起こったと考えられる。
(比較例2)
本比較例2の耐火性仕上げ構造は、基本的には、前記実施例1と同様である。但し、本比較例2では、図5に示す様に、発泡性耐火塗料層7を備えておらず、遮熱断熱層(セメントモルタル層)5の上に、水系仕上げ塗材から成る塗料層(発泡性耐火塗料ではない塗料から成る層)9を備えている。この比較例2の耐火性仕上げ構造の構成の概要を上記表1に示す。
【0069】
尚、本比較例2は、発泡性耐火塗料層を備えておらず、本発明の範囲外の例である。
本比較例2の耐火性仕上げ構造に対し、前記実施例1のd)と同様の試験を行った。この結果を上記表2に示す。
【0070】
この表2に示す様に、繊維強化樹脂層3の温度は、加熱開始から3分の時点では、実施例1〜3と同程度の32°Cであったが、加熱開始から10分経過後には90°Cに達し、30分経過後には300°Cを超えていた。
また、加熱開始から30分経過時での目視観察の結果は、繊維強化樹脂層3は全体として熱により変形し、一部燃焼した部分があった。
【0071】
これらの結果は、本比較例2では、遮熱断熱層5を備えているため、加熱を開始した当初は、繊維強化樹脂層3への熱伝導を抑えられるが、時間の経過とともに、表面側の温度が一層上昇した時には、発泡性耐火塗料層7を備えていないため、繊維強化樹脂層3への熱伝導を十分に抑制できなかったためであると考えられる。
【0072】
また、本比較例2では、発泡性耐火塗料層を備えていないため、遮熱断熱層5にひび割れが生じ、このひび割れの部分から、繊維強化樹脂層3に着火したと考えられる。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0073】
・例えば、前記実施例1〜3において、繊維強化樹脂層3を構成する樹脂は、エポキシ樹脂、MMA樹脂等の樹脂であっても良い。また、繊維強化樹脂層3を構成する補強材は、ビニロン繊維ネット、炭素繊維、アラミド繊維等の補強材であっても良い。
【0074】
繊維強化樹脂層3の耐熱温度は、樹脂がエポキシ樹脂であって補強材がガラス繊維である場合は180〜190°Cである。また、樹脂がMMA樹脂である場合の軟化温度は80°Cであり、耐熱温度は81°Cである。また、樹脂がメラミン樹脂で補強材が炭素繊維やアラミド繊維である場合の軟化温度は130°Cであり、耐熱温度は120〜205°Cである。尚、耐熱温度や軟化温度の測定条件は化学便覧、応用編第二版に準拠したものであり軟化温度測定時の圧力は264PSiである。
【0075】
・前記実施例1〜3において、遮熱断熱層5の厚みは、繊維強化樹脂層3を構成する樹脂の軟化温度や耐熱温度に合わせて調整することができる。例えば、メラミン樹脂に比べて軟化温度や耐熱温度が比較的低いMMAを用いる場合は、遮熱断熱層5の厚みを厚くすることにより、繊維強化樹脂層3の熱変形や燃焼を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の耐火性仕上げ構造の構成を示す断面図である。
【図2】 実施例1における試験片の構成を示す説明図である。
【図3】 実施例3の耐火性仕上げ構造の構成を示す断面図である。
【図4】 比較例1の耐火性仕上げ構造の構成を示す断面図である。
【図5】 比較例2の耐火性仕上げ構造の構成を示す断面図である。
【図6】 従来の剥落防止又は耐震性仕上げ構造の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・基材層
3・・・繊維強化樹脂層
5・・・遮熱断熱層
7・・・発泡性耐火塗料層
8・・・セメントモルタル層
9・・・塗料層

Claims (5)

  1. コンクリートから成る基材層と、
    前記基材層よりも上層に形成された繊維強化樹脂層と、
    前記繊維強化樹脂層よりも上層に形成された、層の熱伝導率が0.05Kcal/m・h・°C以下である遮熱断熱層と、
    前記遮熱断熱層よりも上層に形成された発泡性耐火塗料層と、を備えることを特徴とする耐火性仕上げ構造。
  2. コンクリートから成る基材層と、
    前記基材層よりも上層に形成された繊維強化樹脂層と、
    前記繊維強化樹脂層よりも上層に形成されたセメントモルタル層と、
    前記セメントモルタル層よりも上層に形成された発泡性耐火塗料層と、を備えることを特徴とする耐火性仕上げ構造。
  3. 前記セメントモルタル層が、シラスバルーン、セラミック軽量骨材、パーライト、発泡蛭石、発泡プラスチック粉、合成ゴムフォームの中の1種以上から成る骨材を含むことを特徴とする前記請求項2に記載の耐火性仕上げ構造。
  4. 前記請求項1に記載の耐火性仕上げ構造を形成する耐火性仕上げ工法であって、
    前記基材層よりも上層に、前記繊維強化樹脂層を形成する繊維強化樹脂層形成工程と、
    前記繊維強化樹脂層よりも上層に、前記遮熱断熱層を形成する遮熱断熱層形成工程と、
    前記遮熱断熱層よりも上層に、前記発泡性耐火塗料層を形成する発泡性耐火塗料層形成工程と、を備えることを特徴とする耐火性仕上げ工法。
  5. 前記請求項2又は3に記載の耐火性仕上げ構造を形成する耐火性仕上げ工法であって、
    前記基材層よりも上層に、前記繊維強化樹脂層を形成する繊維強化樹脂層形成工程と、
    前記繊維強化樹脂層よりも上層に、前記セメントモルタル層を形成するセメントモルタル層形成工程と、
    前記遮熱断熱層よりも上層に、前記発泡性耐火塗料層を形成する発泡性耐火塗料層形成工程と、を備えることを特徴とする耐火性仕上げ工法。
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