JP2023504374A - 建物の断熱のための少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含む断熱板 - Google Patents

Abstract

本発明は、互いに接合された少なくとも２つの絶縁層（Ａ）を備える断熱板（ＩＢ）に関する。少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つは、少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含み、エアロゲル複合材料は、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）と、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）と、少なくとも１つの難燃剤（ａ３）とを含む。本発明はまた、断熱板（ＩＢ）を備える断熱システム（ＩＳ）に関する。さらに、本発明は、断熱板（ＩＢ）の製造方法、ならびに建物、部品、および／または建物の要素の断熱のための断熱板（ＩＢ）および断熱システム（ＩＳ）の使用に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、互いに接合された少なくとも２つの絶縁層（Ａ）を備える断熱板（ＩＢ）に関する。少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つは、少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含み、エアロゲル複合材料は、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）と、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）と、少なくとも１つの難燃剤（ａ３）とを含む。本発明はまた、断熱板（ＩＢ）を備える断熱システム（ＩＳ）に関する。さらに、本発明は、断熱板（ＩＢ）の製造方法、ならびに建物、部品、および／または建物の要素の断熱のための断熱板（ＩＢ）および断熱システム（ＩＳ）の使用に関する。

特に断熱による省エネルギーは、産業および建築構造において重要な問題である。従来の断熱材料は、例えば、ガラスウール、鉱物ウール、押出ポリスチレンおよび発泡スチロールである。断熱材の断熱能力は、その熱伝導率によって測定される。熱伝導率の値が低いほど、断熱材が熱を伝導しにくく、断熱性に優れる。

エアロゲルは、一般に≦２０Ｗ／（ｍＫ）の熱伝導率λを有するので、利用可能な最良の固体断熱材料に含まれると、広く考えられている。しかしながら、エアロゲルは典型的には粒状形態で得られ、輸送および取り扱いに問題をもたらすので、これは、典型的には、単一のブロック片、好ましくはパネルを得るために結合剤によって互いに接合されるか、または機械的に安定的な基材またはキャリア材、例えばガラス繊維マットに埋め込まれる。しかしながら、これらの手段による、さらなるいくつかの欠点がある。断熱材料の全体的な重量および厚さが増加し、取り扱い、機械加工および設置時に塵埃を示す傾向があるのである。また、粒状物同士を結着させる場合、断熱材はまた、機械的に脆くなる傾向がある。したがって、このような望ましくない重量および厚さの増加を回避し、埃を低減するために、連続気泡ポリマーフォームが最近キャリア材として使用されている。エアロゲルを連続気泡ポリマーフォームに組み込むことにより、エアロゲルと連続気泡ポリマーフォームとを含む絶縁層が得られる。

得られた絶縁層は、典型的には、少なくとも１つのさらなる絶縁層に接合されて多層断熱板を形成し、さらなる絶縁層はまた、エアロゲルを含んでもよい。形成された多層断熱板は、断熱システムを形成するために、絶縁層ではない少なくとも１つのさらなる層に接合することができる。さらなる層の例は、例えば、接着剤、モルタル、補強材料、塗料、コーティングおよびプラスターを含む層である。

断熱システムは、例えば、多層外断熱複合システム（ＥＴＩＣＳ）、多層外断熱ファサードシステム（ＥＩＦＳ）、および内断熱システムで使用される。

米国特許出願公開第２０１６／０１１５６８５号明細書は、本質的に絶縁複合材料からなる少なくとも１つの層を含む多層パネルを開示しており、絶縁複合材料は、無機エアロゲルおよびメラミンフォームを含む。例えば、１つまたは複数のプラスター板は、本質的に絶縁複合材料からなる層の片面または両面に接合することができる。

欧州特許第２，３４７，０５９号明細書は、外断熱複合システム（ＥＴＩＣＳ）と建物の壁とを備える断熱建物の壁を開示しており、外断熱複合システムは建物の壁に取り付けられている。外断熱複合システムは、２０～９０重量％のエアロゲルを含む少なくとも第１の断熱板、および鉱物ウールを含む少なくとも第２の断熱板を含む断熱サブシステム、または鉱物ウールおよび２０～９０重量％のエアロゲルを含む少なくとも１つの複合断熱板を含む断熱サブシステムのいずれかである断熱サブシステムを含む。外断熱複合システムはまた、少なくとも１つの機械的締結具と、モルタル層を含むシステムである外層とを含む。

欧州特許第２，６６５，８７６号明細書は、複合断熱システムと外部建造物壁とを備える断熱建造物壁を記載しており、複合断熱システムは、建造物から外方に面する建造物壁の側面に取り付けられ、複合断熱システムは、少なくとも２層の断熱クラッドを備え、少なくとも２層はそれぞれ２５～９５重量％のエアロゲル、５～７５重量％の無機繊維、および０～７０重量％の無機充填剤を含む。断熱クラッドの層は、無機結合剤によって互いに接合される。エアロゲルは、ケイ素、アルミニウムおよび／またはチタンをベースとする少なくとも１つのエアロゲルである。

米国特許出願公開第２０１８／０１１２１３４号明細書は、有機発泡材料と共にシリカエアロゲルを組み込んだ防火材料を開示している。有機発泡材料は、例えば、メラミンおよびポリウレタンのうちの１つまたは組み合わせである。

米国特許出願公開第２００２／００９４４２６号明細書は、無機および有機ゲル形成材料および補強構造からなる群から選択されるエアロゲルを含むエアロゲル複合品を記載している。

米国特許出願公開第２０１６／０１１５６８５号明細書 欧州特許第２，３４７，０５９号明細書 欧州特許第２，６６５，８７６号明細書 米国特許出願公開第２０１８／０１１２１３４号明細書 米国特許出願公開第２００２／００９４４２６号明細書

それにもかかわらず、連続気泡ポリマーフォームに埋め込まれたエアロゲルから依然として頻繁に生じる問題は、取り扱いおよび切断中のダストの排出である。

さらに、建築および建設用途で通常遭遇する湿潤条件下での長期適用を可能にするために、エアロゲル、特にシリカエアロゲルは、撥水性を材料に付与し、吸水および保水を最小限に抑えるための疎水性基を含むことができる。しかしながら、エアロゲルにこれらの疎水性基を含めることにより、エアロゲルの燃焼熱は通常増加し、断熱板（ＩＢ）および／またはこれらのエアロゲルを含む断熱システムを「非燃焼」として分類することは、特定の試験方法でそれらが、燃焼熱、火炎時間、質量損失または炉温度上昇などの関連特性の特定の閾値を達成しないことから、損なわれる。

したがって、本発明の根底にある目的は、エアロゲルを備える改良された断熱板および／または改良された断熱システムを提供することであり、断熱板および／または断熱システムは、取り扱いが容易であるべきであり、最小の燃焼熱を呈すべきである。さらに、断熱板および／または断熱システムは、例えば垂直引張強度に関して、機械的負荷に対する改善された機械的安定性を示すべきである。

この目的は、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）を含む断熱板（ＩＢ）であって、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）が互いに接合され、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つが、少なくとも以下の成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含む断熱板（ＩＢ）により達成される。
（ａ１）少なくとも１つのシリカエアロゲル、
（ａ２）少なくとも１つのポリマーフォーム、および
（ａ３）少なくとも１つの難燃剤。

驚くべきことに、本発明の断熱板（ＩＢ）は、同等の熱の能力を有する従来技術の断熱板のダスト排出と比較して、低減されたダスト排出を示すことが見出されており、この場合、本発明の文脈における「同等の熱の能力」は、同等のＵ値およびＲ値を意味する。したがって、本発明の断熱板（ＩＢ）は、特に切断および設置時の取り扱いが容易である。

本発明の文脈において、「Ｕ値」という用語は、それぞれ断熱板（ＩＢ）または断熱システム（ＩＳ）を通る熱の伝達率を、その断熱板（ＩＢ）または断熱システム（ＩＳ）にわたる温度の差で割ったものを意味すると理解される。測定単位はＷ／ｍ^２Ｋである。断熱板（ＩＢ）または断熱システム（ＩＳ）がそれぞれ良好に断熱されるほど、Ｕ値は小さくなる。Ｒ値は、Ｕ値の逆数である。Ｕ値およびＲ値は、例えば、Ｋｌａｕｓ Ｌｉｅｒｓｃｈ，Ｎｏｒｍｅｎ Ｌａｎｇｎｅｒ，’’Ｂａｕｐｈｙｓｉｋ ｋｏｍｐａｋｔ’’，Ｖｅｒｌａｇ Ｂａｕｗｅｒｋ ＢＢＢ，４．Ａｕｆｌａｇｅ２０１１，ＩＳＢＮ ９８７－３－８９９３２－２８５－９，Ｃｈａｐｔｅｒ ６ ’’Ｗａｒｍｅｄｕｒｃｈｇａｎｇ ｄｕｒｃｈ ｅｂｅｎｅ ｏｐａｋｅ Ｂａｕｔｅｉｌｅ’’に従って計算される。

さらに、本発明の断熱板（ＩＢ）は、同等の熱の能力を有する最新技術の断熱板の密度と比較して、より低い密度を示し、より軽い重量をもたらす。

さらに、本発明の断熱板（ＩＢ）は、同等の寸法を有する従来技術の断熱板の熱伝導率と比較して熱伝導率の低下を呈しており、したがって、同等のＵ値またはＲ値を達成するために薄い厚さで使用することができ、それは断熱板（ＩＢ）の軽量化にもつながる。

さらに、本発明の断熱板（ＩＢ）は、燃焼熱の低下を示し、したがって、様々な建築基準法に従って非燃焼として分類することができる。

本発明の断熱板（ＩＢ）はまた、高い機械的安定性、特に高い垂直引張強度を示し、断熱システム（ＩＳ）に組み込まれたときに、ダボのような追加の機械的固定補助具の必要性および数を低減する。

また、驚くべきことに、本発明の断熱板（ＩＢ）が断熱システム（ＩＳ）に統合されると、取り扱い、機械加工および切断時のダスト排出も低減され、断熱システム（ＩＳ）は、同等の熱の能力（それぞれＵ値またはＲ値）を有する最新技術の断熱システムと比較してより軽い重量およびより低い厚さを示し、断熱問題を解決させるにあたり、スペースを節約することも見出された。

本発明の断熱板（ＩＢ）を備える本発明の断熱システム（ＩＳ）はまた、最新技術の断熱システムと比較して、好ましくは≦３．０ＭＪ／ｋｇの燃焼熱の低下を示し、断熱システム全体の特定の設計に応じて≦１．５ＭＪ／ｋｇの値にさえ達することができ、したがって、様々な建築基準法に従って非燃焼として分類することができる。

本発明の断熱板（ＩＢ）を含む断熱システム（ＩＳ）はまた、高い機械的安定性および垂直引張強度を示し、その結果、本発明の断熱板（ＩＢ）および追加の層（Ｘ）、ならびに任意選択で追加の層（Ｂ）、（Ｃ）および（Ｄ）のための追加の機械的固定助剤はまったくまたはほとんど必要とされない。

本発明の文脈において、「エアロゲル複合材料」という用語は、少なくとも１つのエアロゲルと、少なくとも１つのエアロゲル前駆体と不混和性である少なくとも１つのさらなる成分とを含む材料を意味すると理解される。好ましい実施形態では、「エアロゲル複合材料」は、エアロゲル複合材料の総重量に基づいて、少なくとも１０重量％、好ましくは少なくとも２０重量％、より好ましくは少なくとも３０重量％の少なくとも１つのエアロゲルを含む。さらなる成分は、例えば、充填剤、添加剤またはフォームから選択することができる。本発明によるエアロゲル複合材料は、少なくとも１つのエアロゲルとして少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）と、さらなる成分として少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）とを含む。後述するように、エアロゲル複合材料は、赤外線吸収または反射乳白剤などのさらなる成分を含むこともできる。

本発明の文脈において、「エアロゲル」という用語は、エアロゲルならびにキセロゲルを意味すると理解される。一般に、キセロゲルは、液相の臨界温度未満および臨界圧力超での乾燥によって液相がゲルから除去されるゾルゲルプロセスによって製造される材料である（「亜臨界状態」）。対照的に、エアロゲルは、一般に、「超臨界条件」下でゾルゲルプロセス中に液相がゲルから除去され、空気で満たされた細孔を有する開孔、高多孔性構造を形成する場合、エアロゲルと呼ばれる。エアロゲルは、有機または無機エアロゲルであり得る。無機エアロゲルは、例えば、シリカエアロゲル、酸化チタンエアロゲル、酸化マンガンエアロゲル、酸化カルシウムエアロゲルまたは酸化ジルコニウムエアロゲルから選択される。本発明の断熱板（ＩＢ）に含まれるエアロゲルは、少なくとも１つのシリカエアロゲルである。

本発明の断熱板（ＩＢ）および本発明の断熱システム（ＩＳ）自体、ならびに前記断熱板（ＩＢ）の本発明の製造方法のさらなる詳細を提示する定義を下に提示する。
断熱板（ＩＢ）

本発明の断熱板（ＩＢ）は、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）を備え、したがって、正確に２つの絶縁層（Ａ）を備えるか、または３つ、４つ、５つ、またはそれ以上の絶縁層（Ａ）を備えることができる。断熱板（ＩＢ）自体の層の数は、互いに接合された絶縁層（Ａ）の数に起因する。したがって、２つの層自体を含む断熱板（ＩＢ）の場合、２つの絶縁層（Ａ）が互いに接合される。したがって、３つまたは４つの層自体を含む断熱板（ＩＢ）の場合、３つまたは４つの絶縁層（Ａ）が互いに接合されることが好ましい。はるかに多くの層を含む断熱板（ＩＢ）自体が製造される限り、適宜、好ましくは互いに接合される絶縁層（Ａ）の数が層の数に対応する必要があり、例えば１０層を含む断熱板（ＩＢ）であるなら、例として１０層の絶縁層（Ａ）がある。

３つ以上の絶縁層（Ａ）を含む断熱板（ＩＢ）の場合、個々の絶縁層（Ａ）は段階的に組み立てられることが好ましい。したがって、３つの絶縁層（Ａ）を含む断熱板（ＩＢ）の場合、第１のステップの生成物は、２つの絶縁層（Ａ）を含む断熱板（ＩＢ）であることが好ましく、２つの絶縁層（Ａ）を含む断熱板（ＩＢ）は、次いで、別の絶縁層（Ａ）に接合されて、３つの絶縁層（Ａ）を含む断熱板（ＩＢ）を得る。３つの絶縁層（Ａ）は、（特にそれらの厚さおよびそれらの組成に関して）互いに同一または異なっていてもよく、３つの絶縁層（Ａ）の少なくとも１つは、少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含む。

接合方法に使用される絶縁層（Ａ）は、それらの化学組成に関して、本発明の方法の文脈で製造される断熱板（ＩＢ）自体に対応する（使用される接着剤を無視した接着剤の接合の場合、例として表面に任意に適用される成分を無視する）。

接合される各絶縁層（Ａ）は、同じ寸法および／または同じ化学組成を有することが好ましい。しかしながら、必要に応じて、異なる寸法および／または異なる化学組成を有する絶縁層（Ａ）を互いに接合することも可能である。例として、３つの絶縁層（Ａ）が互いに接合され、それらのすべてが同じ寸法を有し、（例として）それらのすべてが少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含む場合、得られた生成物は、３つの絶縁層（Ａ）を含む断熱板（ＩＢ）であり、そのすべてが少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含む。

共に接合される絶縁層（Ａ）は、任意の所望の寸法を有することができる。それらの長さおよび幅に関して、それらは、センチメートルの範囲から数メートルまでの寸法を有することができる。第３の寸法（厚さ）に関して、任意の所望の寸法が理論的に同様に可能であるが、実際には、絶縁層（Ａ）の厚さは、好ましくは１～５００ｍｍ、より好ましくは５～１００ｍｍ、最も好ましくは５～２０ｍｍである。したがって、本発明の方法で製造される断熱板（ＩＢ）の厚さは、使用されるすべての絶縁層（Ａ）の厚さの合計から生じる。しかしながら、可能な例として、接着結合の場合、得られた断熱板（ＩＢ）は、少なくとも１つの接着剤を塗布した後、一対の絶縁層（Ａ）ごとに特定の厚さを有する少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）を含む「層」も形成されるため、使用される絶縁層（Ａ）のそれぞれの厚さの合計と比較して増加した厚さを有することが可能である。

本発明では、厚さはｚ方向として定義され、ｘ方向およびｙ方向と共に、直交座標系における本発明の断熱板（ＩＢ）（または層（Ａ）のそれぞれ）の寸法を定義する。本発明において、ｘ方向は断熱板（ＩＢ）の長さ（または層（Ａ）のそれぞれ）を意味し、ｙ方向は断熱板（ＩＢ）の幅（または層（Ａ）のそれぞれ）を意味する。本発明の断熱板（ＩＢ）の長さ（または層（Ａ）のそれぞれ）は、常に幅および厚さよりも大きい。本発明の断熱板（ＩＢ）では（層（Ａ）では）、長さ（ｘ方向）が幅（ｙ方向）よりも大きく、同様に幅が厚さ（ｚ方向）よりも大きいことが好ましい。

本発明の断熱板（ＩＢ）は、接合される少なくとも１つの対の絶縁層（Ａ）の場合、２つの絶縁層（Ａ）の長さ（ｘ方向）がそれぞれ５００～２８００ｍｍ、好ましくは１０００～１５００ｍｍであり、幅（ｙ方向）が５００～１２５０ｍｍ、好ましくは５００～９００ｍｍであり、厚さ（ｚ方向）が１～５００ｍｍ、好ましくは５～１００ｍｍ、より好ましくは５～２０ｍｍであることが好ましい。３つ以上の絶縁層（Ａ）を含む断熱板（ＩＢ）の場合、その中に含まれる各絶縁層（Ａ）が上述の寸法を有することがさらに好ましい。

本発明の断熱板（ＩＢ）は、
ａ）少なくとも２つの絶縁層（Ａ）を設けるステップであって、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つは、少なくとも以下の成分（ａ１）～（ａ３）、すなわち
（ａ１）少なくとも１つのシリカエアロゲル、
（ａ２）少なくとも１つのポリマーフォーム、および
（ａ３）少なくとも１つの難燃剤、を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含む、設けるステップ、ならびに
ｂ）好ましくは少なくとも１つの接着剤および／または機械的固定によって、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）を互いに接合して、断熱板（ＩＢ）を得るステップのステップａ）とｂ）を含む方法によって生成される。

したがって、本発明はまた、断熱板（ＩＢ）の製造方法であって、
ａ）少なくとも２つの絶縁層（Ａ）を設けるステップであって、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つは、少なくとも以下の成分（ａ１）～（ａ３）、すなわち
（ａ１）少なくとも１つのシリカエアロゲル、
（ａ２）少なくとも１つのポリマーフォーム、および
（ａ３）少なくとも１つの難燃剤、を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含む、設けるステップ、ならびに
ｂ）好ましくは少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）および／または機械的固定（ＭＦ）によって、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）を互いに接合して、断熱板（ＩＢ）を得るステップのステップａ）とｂ）を含む方法によって生成される。

少なくとも２つの絶縁層（Ａ）が機械的固定（ＭＦ）によって互いに接合される場合、それらは、好ましくは縫製、クランプ、リベット、ダボおよび／または釘によって互いに接合される。

少なくとも２つの絶縁層（Ａ）が少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）によって互いに接合される場合、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）は、無機接着剤、有機接着剤および無機有機ハイブリッド接着剤からなる群から選択される。

本発明の文脈において、「少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）」という用語は、正確に１つの第１の接着剤（ＡＤ１）ならびに２つ以上の第１の接着剤（ＡＤ１）を意味すると理解される。好ましい実施形態では、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）は、１つの第１の接着剤（ＡＤ１）によって互いに接合される。

しかしながら、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）は、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）および機械的固定（ＭＦ）によって互いに接合されることも可能である。

無機接着剤は、好ましくは、水ガラス、ケイ酸塩、石灰、石膏、セメントおよび無水石膏からなる群から選択される少なくとも１つの成分を含む。有機接着剤は、好ましくは、ポリウレタン系一成分または二成分接着剤、不飽和ポリエステル、エポキシド、（メタ）アクリレートおよびシリコーンからなる群から選択される少なくとも１つの成分を含む。無機有機ハイブリッド接着剤は、好ましくは、無機化合物で充填された有機接着剤を含む。

好ましい実施形態では、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）は、場合により無機化合物で充填された、＜４０ＭＪ／ｋｇの発熱量を有するポリウレタン系一成分または二成分接着剤である。

無機、有機および無機－有機ハイブリッド接着剤は、様々な技術を使用して、例えば接着剤またはその成分をスプレー、ローリングまたはブラッシングすることによって塗布することができる。任意選択で、接着剤は、噴霧接着フォーム、発泡接着剤、または発泡接着剤として適用することができる。

少なくとも２つの絶縁層（Ａ）が少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）によって互いに接合される場合、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）は、好ましくは少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つの少なくとも１つの表面に、好ましくは０．０１～１０ｍｍの厚さで、より好ましくは０．０１～５ｍｍの厚さで、最も好ましくは０．０５～２ｍｍの厚さで塗布される。

好ましい一実施形態では、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）は、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つの少なくとも１つの表面に、１０～５００ｇ／ｍ^２の１平方メートル当たりの重量で、好ましくは５０～２５０ｇ／ｍ^２の１平方メートル当たりの重量で塗布される。

好ましくは、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）は、接合される２つの出発絶縁層（Ａ）の一方の表面のみに接合される対の絶縁層（Ａ）それぞれに塗布される。例えば、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）は、絶縁層（Ａ）の対応する表面に広い面積にわたって塗布することができる。第１の接着剤（ＡＤ１）は、通常の方法、例えば、ブラッシング、スプレー、ローリング、スキージまたは印刷によって塗布することができる。好ましくは、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）は、（対の絶縁層（Ａ）それぞれに）接合される出発絶縁層（Ａ）の一方の表面にのみ塗布され、第１の接着剤（ＡＤ１）は、接合される第２の表面には塗布されない。

好ましい一実施形態では、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）は、絶縁層（Ａ）の表面の一方向に均一に塗布される。
本発明の別の好ましい実施形態では、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）は、構造化された、好ましくはスポット状、線状または格子状、より好ましくは格子状に、絶縁層（Ａ）の少なくとも１つの表面に塗布される。

本発明のこの実施形態は、構造化された結合とも呼ばれる。少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）との構造化された接合は、任意の構造または構造形態によって達成することができる。少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）は、好ましくは、絶縁層（Ａ）のそれぞれの表面の２０～８０％、より好ましくは４０～８０％、最も好ましくは５０～７５％まで構造化された様式で塗布することができる。

（発明を実施するための形態）
絶縁層（Ａ）

絶縁層自体は、原則として当業者に知られている。絶縁層は、例えば、押出ポリスチレン（ＸＰＳ）フォーム、発泡ポリスチレン（ＥＰＳ）フォーム、ポリウレタンフォーム、フェノール樹脂フォーム、木部繊維、セルロース繊維、コルク、ケイ酸カルシウム、石膏、鉱物フォーム、ガラスフォーム、鉱物ウール、ストーンウール、ガラスウール、ガラス繊維（ｇｌａｓｓ ｆｉｂｅｒｓ、ｆｉｂｅｒｇｌａｓｓ）およびエアロゲルを含むことができる。

本発明の断熱板（ＩＢ）において、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つは、少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含む。

本発明の文脈において、「少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つ」という用語は、正確に１つの絶縁層（Ａ）ならびに２つ以上の絶縁層（Ａ）を意味すると理解される。好ましい実施形態において、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）の各々は、少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含む。

別の好ましい実施形態において、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つは、少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料から本質的になる。

本発明の文脈において、「少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料から本質的になる」という用語は、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つが、少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料の少なくとも９９．５重量％、好ましくは少なくとも９９．９重量％を含むことを意味すると理解される。より好ましい実施形態では、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）の各々は、少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料から本質的になる。

しかしながら、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの１つのみが、少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含み、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のさらなる層は、少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含まず、代わりに、押出ポリスチレン（ＸＰＳ）フォーム、発泡ポリスチレン（ＥＰＳ）フォーム、ポリウレタンフォーム、フェノール樹脂フォーム、木部繊維、セルロース繊維、コルク、ケイ酸カルシウム、石膏、鉱物フォーム、ガラスフォーム、鉱物ウール、ストーンウール、ガラスウール、ガラス繊維およびエアロゲルからなる群から選択される少なくとも１つの異なる材料を含むことも可能である。２つ以上の絶縁層（Ａ）が、少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含み、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のさらなる層は、少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含まず、代わりに、押出ポリスチレン（ＸＰＳ）フォーム、発泡ポリスチレン（ＥＰＳ）フォーム、ポリウレタンフォーム、フェノール樹脂フォーム、木部繊維、セルロース繊維、コルク、ケイ酸カルシウム、石膏、鉱物フォーム、ガラスフォーム、鉱物ウール、ストーンウール、ガラスウール、ガラス繊維およびエアロゲルからなる群から選択される少なくとも１つの異なる材料を含むことも可能である。

本発明の文脈において、「少なくとも１つのエアロゲル複合材料」という用語は、正確に１つのエアロゲル複合材料、および２つ以上のエアロゲル複合材料の混合物を意味すると理解される。好ましい実施形態において、少なくとも２つの絶縁層（Ａ）の各々は、１つのエアロゲル複合材料を含む。

さらに、本発明の文脈において、「少なくとも１つの異なる材料」という用語は、正確に１つの異なる材料、および２つ以上の異なる材料の混合物を意味すると理解される。好ましい実施形態において、少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含まない各絶縁層（Ａ）は、１つの異なる材料を含む。より好ましい実施形態では、少なくとも成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含まない各絶縁層（Ａ）は、本質的に１つの異なる材料からなる。
エアロゲル複合材料

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、少なくとも以下の成分（ａ１）～（ａ３）を含む：
（ａ１）少なくとも１つのシリカエアロゲル、
（ａ２）少なくとも１つのポリマーフォーム、および
（ａ３）少なくとも１つの難燃剤。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）を任意の所望の量で含んでもよい。

好ましくは、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、それぞれの場合において、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量百分率の合計に基づいて、好ましくは少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、少なくとも１０重量％、より好ましくは少なくとも２０重量％、最も好ましくは少なくとも３０重量％の成分（ａ１）を含む。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、それぞれの場合において、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量百分率の合計に基づいて、好ましくは少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、好ましくは９４重量％以下、より好ましくは８０重量％以下、最も好ましくは７０重量％以下の成分（ａ１）を含む。

好ましい実施形態において、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、それぞれの場合において、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量百分率の合計に基づいて、好ましくは少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、１０～９４重量％、好ましくは２０～８０重量％、より好ましくは３０～７０重量％の成分（ａ１）を含む。

好ましくは、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、それぞれの場合において、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量百分率の合計に基づいて、好ましくは少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、少なくとも１重量％、より好ましくは少なくとも３重量％の成分（ａ２）を含む。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、それぞれの場合において、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量百分率の合計に基づいて、好ましくは少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、好ましくは２０重量％以下、より好ましくは１５重量％以下、最も好ましくは１０重量％以下の成分（ａ２）を含む。

好ましい実施形態において、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、それぞれの場合において、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量百分率の合計に基づいて、好ましくは少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、１～２０重量％、好ましくは１～１５重量％、より好ましくは３～１０重量％の成分（ａ２）を含む。

好ましくは、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、それぞれの場合において、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量百分率の合計に基づいて、好ましくは少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、少なくとも５重量％、より好ましくは少なくとも１９重量％、最も好ましくは少なくとも２７重量％の成分（ａ３）を含む。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、それぞれの場合において、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量百分率の合計に基づいて、好ましくは少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、好ましくは７０重量％以下、より好ましくは６５重量％以下、最も好ましくは６０重量％以下の成分（ａ３）を含む。

好ましい実施形態において、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、それぞれの場合において、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量百分率の合計に基づいて、好ましくは少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、５～７０重量％、好ましくは１９～６５重量％、より好ましくは２７～６０重量％の成分（ａ３）を含む。

したがって、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、それぞれの場合において、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量百分率の合計に基づいて、好ましくは少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）の１０～９４重量％の範囲、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）の１～２０重量％の範囲、および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の５～７０重量％の範囲を含むとき、好ましい。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、それぞれの場合において、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量百分率の合計に基づいて、好ましくは少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）の２０～８０重量％の範囲、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）の１～１５重量％の範囲、および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の１９～６５重量％の範囲を含むとき、特に好ましい。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、それぞれの場合において、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量百分率の合計に基づいて、好ましくは少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）の３０～７０重量％の範囲、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）の３～１０重量％の範囲、および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の２７～６０重量％の範囲を含むとき、特に好ましい。

したがって、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）の重量％の値は、典型的には合計１００％である。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）に加えて、少なくとも１つの赤外線吸収性または反射性乳白剤をさらに含んでもよい。

本発明の文脈において、「少なくとも１つの赤外線吸収または反射乳白剤」は、正確に１つの赤外線吸収もしくは反射乳白剤、または２つ以上の赤外線吸収もしくは反射乳白剤の混合物のいずれかを意味すると理解されるべきである。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、例えば０．１～１０重量％の範囲の少なくとも１つの赤外線吸収性または反射性乳白剤を含んでもよい。少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、１～５重量％の範囲の少なくとも１つの赤外線吸収性または反射性乳白剤を含むとき、好ましい。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料が少なくとも１つの赤外線吸収性または反射性乳白剤を含む場合、少なくとも１つのエアロゲル複合材料中に存在する少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）の重量％の値は、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）、少なくとも１つの難燃剤（ａ３）および少なくとも１つの赤外線吸収性または反射性乳白剤の重量％の値の合計が１００％になるように、対応して減少することが理解されよう。

適切な赤外線吸収または反射乳白剤は、それ自体当業者に公知である。赤外線吸収または反射乳白剤は、好ましくは、カーボンブラック、グラファイト、炭化ホウ素、金属酸化物および金属炭化物からなる群から選択され、より好ましくは金属酸化物から選択される。

適切な金属酸化物の例は、酸化チタン、酸化鉄および酸化マンガンである。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、ＡＳＴＭ Ｃ１６７に従って測定して、好ましくは０．１０～０．４０ｇ／ｃｍ^３、より好ましくは０．１５～０．２５ｇ／ｃｍ^３の密度を有する。

さらに、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、ＤＩＮ ＥＮ １２６６７：２００１－０５に従って決定される、好ましくは≦０．０３０Ｗ／（ｍＫ）のλ、より好ましくは≦０．０２０Ｗ／（ｍＫ）のλの熱伝導率を有する。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、疎水性を有することができる。さらに好ましい実施形態において、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、≦２０重量％、好ましくは≦１０重量％、より好ましくは≦５重量％、最も好ましくは≦１重量％の液体吸水率を有する。液体吸水率は、エアロゲルまたはエアロゲル複合材料の疎水性の１つの表現である。本発明の文脈内で、「液体吸水率」という用語は、エアロゲルまたはエアロゲル複合材料が液体水を吸収または保持する可能性の測定値を指す。液体吸水率は、特定の測定条件下で液体水にさらされたときにエアロゲルまたはエアロゲル複合材料によって吸収されるかまたは保持される水のパーセント（重量または体積による）として表すことができる。エアロゲルまたはエアロゲル複合材料の液体吸水率は、ＤＩＮ ＥＮ １２０８７：２０１３－０６、方法２を含むがこれらに限定されない、当技術分野で公知の方法によって決定することができる。別のエアロゲルまたはエアロゲル複合材料と比較して改善された液体吸水率を有するエアロゲルまたはエアロゲル複合材料は、基準のエアロゲルまたはエアロゲル複合材料と比較して、液体吸水率／保持率が低い。

別の好ましい実施形態において、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、好ましくはＥＮ ＩＳＯ １７１６：２０１０－１１に従って決定される≦３．０ＭＪ／ｋｇの燃焼熱を有する。

さらに好ましくは、ＩＳＯ １１８２：２０１０に従って測定して、≦５０°Ｃの炉内温度上昇、≦５０％の質量損失、および≦２０秒の火炎時間を有する。

特に好ましい実施形態では、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、≦１０重量％の液体吸水率、≦０．０２０Ｗ／（ｍＫ）の熱伝導率および≦３．０ＭＪ／ｋｇの燃焼熱を有する。
シリカエアロゲル（ａ１）

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）を含む。

「少なくとも１つのシリカエアロゲル」、「シリカエアロゲル」および「成分（ａ１）」という用語は、本発明の文脈において同義的に使用され、同じ意味を有する。さらに、本発明の文脈において、「少なくとも１つのシリカエアロゲル」という用語は、正確に１つのシリカエアロゲルおよび２つ以上のシリカエアロゲルの混合物を意味すると理解される。好ましい実施形態において、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、１つのシリカエアロゲルを含む。

シリカエアロゲルは、原則として当業者に公知である。それらは通常、ゾルゲル法によってゲル前駆体から作製される。

適切なゲル前駆体の例は、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムなどの金属ケイ酸塩、ならびにテトラメトキシシラン（ＴＭＯＳ）およびテトラエトキシシラン（ＴＥＯＳ）などのアルコキシシランである。

しかしながら、少なくとも１つの疎水性基を含むゲル前駆体を使用して、得られたシリカエアロゲルにおいて、安定性や疎水性などの特定の特性を付与または改善することも可能である。少なくとも１つの疎水性基を含むゲル前駆体の使用によって、得られたシリカエアロゲルが少なくとも１つのケイ素原子に結合した少なくとも１つの疎水性基も含むことは、当業者にとって明らかである。

少なくとも１つの疎水性基を含む適切なゲル前駆体は、アルキルシランおよびアリールシラン、例えばトリメチルメトキシシラン（ＴＭＳ）、ジメチルジメトキシシラン（ＤＭＳ）、メチルトリメトキシシラン（ＭＴＭＳ）、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン（ＤＭＤＳ）、メチルトリエトキシシラン（ＭＴＥＳ）、エチルトリエトキシシラン（ＥＴＥＳ）、ジエチルジエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランおよびフェニルトリエトキシシラン（ＰｈＴＥＳ）である。

好ましい実施形態では、シリカエアロゲルは、少なくとも１つの疎水性基を含むゲル前駆体と、テトラメトキシシラン（ＴＭＯＳ）およびテトラエトキシシラン（ＴＥＯＳ）から選択されるゲル前駆体とを含む混合物から調製される。

しかしながら、ゲルを疎水化剤で処理して、得られたシリカエアロゲルの安定性および／または疎水性を付与または改善することも可能である。疎水化処理は、疎水化剤と、疎水化剤が可溶であり、また湿潤ゲル中のゲル溶媒と混和する溶媒とを含む混合物に、ゲルを浸漬することによって、行うことができる。適切な溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、キシレン、トルエン、ベンゼン、ジメチルホルム、アミドおよびヘキサンである。しかし、液体または気体の形態の疎水化剤をゲルと直接接触させて疎水性を付与してもよい。

疎水化剤の例としては、トリメチルクロロシラン（ＴＭＣＳ）、トリエチルクロロシラン（ＴＥＣＳ）、トリフェニルクロロシラン（ＴＰＣＳ）、ジメチルクロロシラン（ＤＭＣＳ）、ジメチルジクロロシラン（ＤＭＤＣＳ）、または一般にアルキルもしくはアリールアルコキシシラン、またはアルキルジシラザンもしくはアルキルジシロキサン、例えばヘキサメチルジシラザンもしくはヘキサメチルジシロキサンが挙げられるが、これらに限定されない。

好ましい実施形態では、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）が、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）の総重量に基づいて、１～２５重量％の範囲、好ましくは１～１０重量％の範囲の少なくとも１つの疎水性基を含み、少なくとも１つの疎水性基が、少なくとも１つのケイ素原子に結合している。

少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）は、モノリシックエアロゲル、微粒子エアロゲル、またはそれらの組み合わせであり得る。本発明の文脈内で、「モノリシック」という用語は、エアロゲルの大部分（重量による）が単一の相互接続されたエアロゲルナノ構造の形態であることを意味する。モノリシックエアロゲルは、最初に一体的な相互接続されたゲルまたはエアロゲルのナノ構造を有するように形成することができるが、その後、亀裂、破壊、または非一体型エアロゲルのナノ構造に分割することができる。モノリシックエアロゲルは、粒状エアロゲルと区別される。本発明の文脈内で、「微粒子」という用語は、エアロゲルの大部分（重量による）が微粒子、粒子、顆粒、ビーズまたは粉末の形態であり、これらは一緒に組み合わせまたは圧縮することができるが、個々の粒子間に相互接続されたエアロゲルナノ構造を欠いていることを意味する。
ポリマーフォーム（ａ２）

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）を含む。

「少なくとも１つのポリマーフォーム」、「ポリマーフォーム」および「成分（ａ２）」という用語は、本発明の文脈において同義的に使用され、同じ意味を有する。さらに、本発明の文脈において、「少なくとも１つのポリマーフォーム」という用語は、正確に１つのポリマーフォームおよび２つ以上のポリマーフォームの混合物を意味すると理解される。好ましい実施形態において、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、１つのポリマーフォームを含む。

ポリマーフォームは、原則として当業者に公知である。

ポリマーフォームは、連続気泡ポリマーフォームまたは独立気泡ポリマーフォームであり得る。少なくとも１つのエアロゲル複合材料に含まれる少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）は、好ましくは連続気泡ポリマーフォームである。

本発明の文脈において、「連続気泡ポリマーフォーム」という用語は、例えば空気および／または別のガスで満たされた空洞を有する複数の密接に離間した気泡を含むポリマーフォームを意味すると理解され、空洞はそれぞれの気泡の壁の開口部によって相互接続される。

空洞がそれぞれのセルの壁の開口部によって相互接続されているセルは、「連続気泡」とも呼ばれる。連続気泡ポリマーフォーム、好ましくは濡れ性セル壁を有する連続気泡ポリマーフォームは、通常、毛管作用によって液体を吸収することができる。連続気泡ポリマーフォームは、（連続気泡ポリマーフォーム中の気泡の総数に基づいて）５０％を超える連続気泡を含む。その結果、独立気泡はまた、連続気泡ポリマーフォーム中に存在し得る。

本発明の文脈において、「独立気泡」は、その空洞がそれぞれの気泡の壁の開口部によって相互接続されていない気泡である。本発明において、連続気泡ポリマーフォームは、（気泡の総数に基づいて）独立気泡よりも多くの独立気泡を常に含む。

好ましくは、連続気泡ポリマーフォームは、連続気泡ポリマーフォームの気泡の総数に基づいて、少なくとも６０％、好ましくは少なくとも８０％、より好ましくは少なくとも９０％の連続気泡を含む。

「独立気泡ポリマーフォーム」は、（独立気泡ポリマーフォーム中の気泡の総数に基づいて）５０％を超える独立気泡を含む。結果として、独立気泡はまた、独立気泡ポリマーフォームに含めることができる。本発明の文脈において、独立気泡ポリマーフォームは常に、（セルの総数に基づいて）独立気泡よりも多くの独立気泡を含む。

好ましくは、独立気泡ポリマーフォームは、独立気泡ポリマーフォーム中の気泡の総数に基づいて、少なくとも８０％、好ましくは少なくとも９０％、より好ましくは少なくとも９５％の独立気泡を含む。

連続気泡または独立気泡ポリマーフォーム自体、ならびにそれらの製造方法は、当業者に公知である。それらは、例えば、発泡方法によって製造することができ、第１のステップでは、通常、ガスが適切な液体、好ましくは溶融ポリマーまたはポリマー抽出物に吹き込まれるか、または発泡の形成が、ガス雰囲気での液体の激しい叩解、振盪、噴霧もしくは撹拌によって達成される。その後、液体は通常、連続気泡または独立気泡ポリマーフォームを得るために第２のステップで硬化される。（主に）連続気泡または独立気泡ポリマーフォームが得られるかどうかは、とりわけ、液体の体積、機械的条件、圧力および温度に依存する。

ポリマーフォームはまた、熱可塑性または熱硬化性ポリマーフォームであってもよい。本発明の文脈において、連続気泡熱硬化性ポリマーフォームが好ましい。より好ましい実施形態では、少なくとも１つのエアロゲル複合材料に含まれる少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）は、連続気泡メラミン系フォームまたは連続気泡ウレタン系フォーム、好ましくは連続気泡メラミン系フォームである。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料に含まれる少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）は、ＥＮ ＩＳＯ ８４５：２００９－１０に従って測定して、０．００２～０．０２５ｇ／ｃｍ^３、好ましくは０．００５～０．０１５ｇ／ｃｍ^３の密度を有することがさらに好ましい。
難燃剤（ａ３）

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、少なくとも１つの難燃剤を含む。

「少なくとも１つの難燃剤」、「難燃剤」および「成分（ａ３）」という用語は、本発明の文脈において同義的に使用され、同じ意味を有する。さらに、本発明の文脈において、「少なくとも１つの難燃剤」という用語は、正確に１つの難燃剤および２つ以上の難燃剤の混合物を意味すると理解される。好ましい実施形態において、少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、２つ以上の難燃剤の混合物を含む。

難燃剤は、原則として当業者に公知である。

本発明の文脈における少なくとも１つの難燃剤は、無機化合物、好ましくは粘土鉱物、低融点ガラス、金属酸化物、金属酸化物水酸化物、金属水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群から選択され、より好ましくは粘土鉱物、金属酸化物、金属酸化物水酸化物および金属水酸化物から選択される。

適切な粘土鉱物は、例えば、ケイ酸アルミニウム粘土、フィロケイ酸塩粘土、カオリナイト、ハロイサイト、エンデライト、雲母、ジアスポア、ギブサイト、モンモリロナイト、バイデライト、パイロフィライト、ノントロナイト、ブラバイサイト、スメクタイト、レブリエライト、レクトライト、セラドナイト、アタパルジャイト、クロロパール、ボルコンスコイト、アロファン、ラセビナイト、ジルナイト、セベライト、ミロシャイト（ｍｉｌｏｓｃｈｉｔｅ）、コロサイト、シモライトおよびニュートナイトである。

適切な低融点ガラスは、例えば、ガラスビーズである。

適切な金属酸化物は、例えば、酸化マグネシウムおよび酸化チタンである。

適切な金属水酸化物は、例えば、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムである。

少なくとも１つのエアロゲル複合材料は、例えば、以下の連続するステップａ）～ｄ）
ａ）少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）が配置される反応器内に、少なくとも１つのゲル前駆体、少なくとも１つの溶媒および少なくとも１つの難燃剤（ａ３）を含むゾルをキャスティングするステップであって、少なくとも１つのゲル前駆体が、少なくとも１つのエアロゲル（ａ１）を作調製するためのゲル前駆体である、キャスティングするステップと、
ｂ）少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）中の少なくとも１つのゲル前駆体をゲル化させて、少なくとも１つのリヨゲルを得るステップであって、少なくとも１つのリヨゲルが、ゲル化した少なくとも１つのゲル前駆体と、少なくとも１つの溶媒と、少なくとも１つの難燃剤（ａ３）とを含む、得るステップと、
ｃ）ステップｂ）で得られた少なくとも１つのリヨゲルを乾燥させて、少なくとも１つのリヨゲルから少なくとも１つの溶媒を除去し、少なくとも１つのエアロゲル（ａ１）と、少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）と、少なくとも１つの難燃剤（ａ３）とを含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を得るステップと、
ｄ）ステップｃ）で得られた少なくとも１つのエアロゲル複合材料を反応器から除去するステップを含む方法によって製造される。

しかしながら、少なくとも１つの難燃剤（ａ３）は、少なくとも１つのエアロゲル複合材料の製造方法の任意の段階で添加されてもよい。例えば、ステップａ）、ｂ）、ｃ）もしくはｄ）の間、またはステップａ）とｂ）の間、ステップｂ）とｃ）の間、またはステップｃ）とｄ）の間、またはステップｄ）の後に添加することもできる。

好ましい実施形態において、少なくとも１つの難燃剤（ａ３）は、少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）に埋め込まれる。
断熱システム（ＩＳ）

本発明はまた、断熱板（ＩＢ）と、固定層（Ｘ）とを備え、固定層（Ｘ）は、断熱板（ＩＢ）を建物の壁（ＢＷ）に固定する、断熱システム（ＩＳ）を提供する。

本発明の文脈において、「固定層」および「層（Ｘ）」という用語は同義的に使用され、同じ意味を有する。建物の壁（ＢＷ）は、外部および／または内部の建物の壁（ＢＷ）、床、屋根、および／または天井とすることができる。

断熱システム（ＩＳ）において、建物の壁（ＢＷ）と断熱板（ＩＢ）との間に固定層（Ｘ）が存在するように、固定層（Ｘ）が建物の壁（ＢＷ）に断熱板（ＩＢ）を固定することは、当業者にとって明らかである。

固定層（Ｘ）が、無機接着剤および有機接着剤からなる群から選択される少なくとも１つの第２の接着剤（ＡＤ２）を好ましくは含み、より好ましくは無機接着剤および有機接着剤からなる群から選択される少なくとも１つの接着剤からなり、最も好ましくは、固定層はモルタルからなる。適切なモルタルは、例えば、Ｋｎａｕｆ ＳＭ ３００またはＳＭ ７００の商品名でＫｎａｕｆから購入することができる。

少なくとも１つの第２の接着剤（ＡＤ２）は、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）と同じであることが可能である。しかしながら、少なくとも１つの第２の接着剤（ＡＤ２）は、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）とは異なることも可能である。

好ましい実施形態において、固定層（Ｘ）は、０．５～３０ｍｍ、好ましくは１～１０ｍｍの厚さを有する。また、固定層（Ｘ）の厚みは、断熱板（ＩＢ）における少なくとも２つの絶縁層（Ａ）の少なくとも１つの表面に、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）が塗布される厚みよりも厚いことが好ましい。

断熱システム（ＩＳ）は、好ましくは、断熱板（ＩＢ）に接合された上層（Ｂ）をさらに備え、断熱システム（ＩＳ）において固定層（Ｘ）と上層（Ｂ）との間に断熱板（ＩＢ）が存在するようにする。

本発明の文脈において、「上層」および「層（Ｂ）」という用語は同義的に使用され、同じ意味を有する。

好ましくは上層（Ｂ）は、無機接着剤および有機接着剤からなる群から選択される少なくとも１つの第３の接着剤（ＡＤ３）、ならびに場合により、メッシュ、繊維、フリースおよび布地からなる群から選択される、好ましくはメッシュおよび繊維からなる群から選択される少なくとも１つの補強材を含む。

適切な無機接着剤は、レンダリングおよびモルタルである。適切な有機接着剤はポリマーベースの接着剤である。好ましくは、上層（Ｂ）はモルタルを含む。

少なくとも１つの第２の接着剤（ＡＤ３）は、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）および／または少なくとも１つの第２の接着剤（ＡＤ２）と同じであることが可能である。しかし、少なくとも１つの第２の接着剤（ＡＤ２）は、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）および／または少なくとも１つの第２の接着剤（ＡＤ２）と異なることがまた可能である。

上層（Ｂ）の厚みは、０．５～３０ｍｍが好ましく、１～１０ｍｍがより好ましい。上層（Ｂ）の厚さが、断熱板（ＩＢ）における少なくとも２つの絶縁層（Ａ）の少なくとも１つの少なくとも１つの面に、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）が塗布される厚さよりも、厚いことも、当業者にとって好ましいことは明らかである。

上層（Ｂ）が、上層（Ｂ）に含まれる少なくとも１つの第３の接着剤（ＡＤ３）によって断熱板（ＩＢ）に固定されることは、当業者にとって明らかである。

さらに好ましい実施形態では、断熱システム（ＩＳ）はまた、上層（Ｂ）に接合された仕上げ層（Ｃ）を備える。

本発明の文脈において、「仕上げ層」および「層（Ｃ）」という用語は同義的に使用され、同じ意味を有する。

断熱システム（ＩＳ）において、仕上げ層（Ｃ）と断熱板（ＩＢ）との間に上層（Ｂ）が存在するように、仕上げ層（Ｃ）が上層（Ｂ）に接合されることは、当業者にとって明らかである。

仕上げ層（Ｃ）は、好ましくは、プラスターまたはレンダリングを含む。適切なプラスターおよびレンダリングは、無機および／または有機成分を含むことができる。適切な無機成分の例は、石膏、セメント、石灰およびケイ酸塩である。適切な有機成分の例は、ポリスチレンおよびポリアクリレートである。

仕上げ層（Ｃ）の厚みは、０．５～４０ｍｍが好ましく、２～２０ｍｍがより好ましい。

仕上げ層（Ｃ）が、上層（Ｂ）に含まれる少なくとも１つの接着剤、および／または仕上げ層（Ｃ）に含まれるプラスターまたはレンダリングによって、上層（Ｂ）に貼り付けられることは、当業者にとって明らかである。

さらに好ましい実施形態では、断熱システム（ＩＳ）はまた、仕上げ層（Ｃ）に接合された仕上げ層（Ｄ）を備える。

断熱システム（ＩＳ）において、上層（Ｂ）と表面仕上げ層（Ｄ）との間に仕上げ層（Ｃ）が存在するように、表面仕上げ層（Ｄ）が仕上げ層（Ｃ）に接合されることは、当業者にとって明らかである。

本発明の文脈において、「表面仕上げ層」および「層（Ｄ）」という用語は同義的に使用され、同じ意味を有する。

表面仕上げ層（Ｄ）は、好ましくは、コーティング、積層、フィルム、箔または塗料、好ましくは当業者に周知の外壁または内壁用塗料を含む。塗料は、好ましくは、無機顔料と、アクリル、ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシまたはシリコーンポリマーなどの有機結合剤との水性分散物またはエマルジョンに基づく塗料の形態で塗布される。

表面仕上げ層（Ｄ）の厚みは、０．００１～１０ｍｍが好ましく、０．００２～２ｍｍがより好ましい。

当業者には明らかなように、断熱板（ＩＢ）を固定層（Ｘ）によって建物の壁（ＢＷ）に固定することによって、断熱板（ＩＢ）に任意選択的に接合された層（Ｂ）、層（Ｂ）に任意選択的に接合された層（Ｃ）、および層（Ｃ）に任意選択的に接合された層（Ｄ）も建物の壁（ＢＷ）に固定され、その結果、断熱システム（ＩＳ）は全体として建物の壁（ＢＷ）に固定される。

断熱板（ＩＢ）および／または断熱システム（ＩＳ）は、それぞれ、固定層（Ｘ）のみによって外部および／または内部の建物の壁（ＢＷ）、床、屋根、および／または天井に取り付けることができ、あるいはそれらは、機械的固定、好ましくはダボ、釘、ねじ、および／またはレールによってさらに取り付けることができる。

本発明の断熱板（ＩＢ）および／または本発明の断熱システム（ＩＳ）は、固定層（Ｘ）によって外部および／または内部の建物の壁（ＢＷ）、床、屋根および／または天井に直接固定されるか、または本発明の断熱板（ＩＢ）および／または本発明の断熱システム（ＩＳ）をキャリア板に予め設置することによって間接的に固定されることも可能であり、キャリア板は、好ましくは、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、プラスター、プラスター、木材、合板、木材繊維、フレーク、粒子およびチップからなる群から選択される少なくとも１つの構成要素を含み、キャリア板は、固定層（Ｘ）によって、外部および／または内部の建物の壁（ＢＷ）、床、屋根および／または天井に固定される。

図１には、本発明の断熱板（ＩＢ）および本発明の断熱システム（ＩＳ）のそれぞれの一実施形態が概略的に示されており、本発明の断熱板（ＩＢ）は、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）によって互いに接合された５つの絶縁層（Ａ）を備える。本発明の断熱板（ＩＢ）は、本発明の断熱システム（ＩＳ）を得るために固定層（Ｘ）によって建物の壁（ＢＷ）に取り付けられる。上層（Ｂ）が断熱板（ＩＢ）に接合され、断熱システム（ＩＳ）において固定層（Ｘ）と上層（Ｂ）との間に断熱板（ＩＢ）が存在するようにする。上層（Ｂ）には、仕上げ層（Ｃ）が接合されている。仕上げ層（Ｃ）には、表面仕上げ層（Ｄ）が接合されている。

図２には、本発明の断熱板（ＩＢ）および本発明の断熱システム（ＩＳ）のそれぞれの別の実施形態が概略的に示されており、本発明の断熱板（ＩＢ）は、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）によって互いに接合された５つの絶縁層（Ａ）を備える。本発明の断熱板（ＩＢ）は、本発明の断熱システム（ＩＳ）を得るために固定層（Ｘ）によって建物の壁（ＢＷ）に取り付けられる。上層（Ｂ）が断熱板（ＩＢ）に接合され、断熱システム（ＩＳ）において固定層（Ｘ）と上層（Ｂ）との間に断熱板（ＩＢ）が存在するようにする。上層（Ｂ）には、仕上げ層（Ｃ）が接合されている。仕上げ層（Ｃ）には、表面仕上げ層（Ｄ）が接合されている。断熱板は、機械的固定（ＭＦ）によって建物の壁（ＢＷ）に付加的に固定される。
使用

したがって、本発明はまた、本発明の断熱板（ＩＢ）または本発明の断熱システム（ＩＳ）の、建物、部品および／または建物の要素の断熱のための、好ましくは外部および／または内部の建物の壁、床、屋根および／または天井の断熱のための、より好ましくは多層外断熱複合システム（ＥＴＩＣＳ）、多層外断熱ファサードシステム（ＥＩＦＳ）、換気またはカーテンファサードシステムおよび／または内断熱システムにおける外部および／または内部の建物の壁、床、屋根および／または天井の断熱のための使用を提供する。

例えば、本発明の断熱システム（ＩＳ）は、ファサードシステム、クラッド、外部または内部の建物の壁（ＢＷ）に適用されたフェーシングまたはカバーの背後で、好ましくは換気されたファサードシステムにおいて、キャリア下部構造を介して外部の建物の壁（ＢＷ）に接続された雨水スクリーンまたはクラッド要素の背後で、使用される。この場合、断熱システム（ＩＳ）は、任意選択に、少なくとも１つの接着剤によって、または機械的固定によって壁に接合され、任意選択に、仕上げフリース、布または他のコーティングもしくは積層を備えている。

さらに、本発明の断熱システム（ＩＳ）は、例えば、ファサードカセットシステム、充填ファサードパネル、フレームワーク、フレームまたはパネル構造、ポストおよびビームおよびポストおよびマリオンファサード、要素ファサード、カーテンウォールおよびカーテンファサード、ダブルスキンファサード、穴の開いた、貫通された、または穿孔されたファサード、縞模様のファサード、構成要素ファサード、一体型ファサード、および一体型機能を有するファサード構成要素、例えば、グリーンファサード、一体型光起電装置、換気または加熱ファサードに使用される。

本発明の断熱システム（ＩＳ）はまた、例えば、建物および建築セグメントにおける他の用途の広い分野、例えば、熱橋および熱分離、例えばファサード継手、コンソールおよびアンカー、ローラシャッタまたは他のシェーディング要素、郵便投函箱、ケーブルダクト、パイプ、チューブおよび導管用シャフト、内部または外部の窓またはドアのリビール、フレーム、たて枠、わき柱、まぐさまたはシル、ＥＴＩＣＳのダウエル用カバー（ロンデラ）またはジョイントシールテープなどにおいて有益な用途を見出すことができる。また、例えば、特にニッチ、アルコーブ、凹部、開口部または空洞、例えばラジエータニッチまたは窓アルコーブにおける内壁の断熱、例えばプラスター板、壁板、プラスター板、柱および梁および骨組み構造、仕切り要素、壁スタッド要素またはライニングおよび溝の要素を含む乾式壁構造における断熱および断熱システム（ＩＳ）にも使用を見出すことができる。

本発明の断熱システム（ＩＳ）はまた、例えば、空洞の壁や壁の間にある中空の空間の断熱、屋根、特に傾斜した屋根および平坦な屋根の断熱、例えば倒立屋根、保護メンブレン屋根、グリーンの屋根、換気された屋根および垂木の間、上または下の断熱、ならびにバッフル、屋根裏部屋、わき柱の壁の断熱、床、高床、床下、中空の床、クロールスペース、テラス、バルコニー、天井、地下室の天井、パークデッキ天井、軒裏の断熱、ならびに床または壁の暖房または冷房システムの断熱にも使用される。また、例えば、スライド式、ローラ式またはセクショナルドアおよびゲート式、窓用形材およびフレームを含むドア、ゲート、ドアおよびゲート充填材、ならびに建物および建造物の他の中空形材の断熱に、例えば、予め作製された断熱要素としてプロファイルに挿入されるか、または連続押出または引抜加工プロセスの断熱要素として挿入されるかの断熱に、防火および防火システムの断熱に、ならびにそのような用途の不燃性、非燃焼要素または部分、例えば、防火障壁、防火遮断、防火ロック、防火ストライプ、防火ドア、ゲートまたはカーテン、煙の通気口または屋根ドームの断熱に、住宅用導管、ダクト、通気口およびパイプおよび建築サービスおよび技術的建築設備のシステム、例えば、ボイラー、ヒーター、温水および冷水の供給、太陽熱発電、空調および空気供給システム、ならびに冷蔵所および冷蔵室に使用することができる。

建築および建設の分野を超えて、本発明の断熱システム（ＩＳ）はまた、例えば、他の断熱用途、例えば家庭および商業用機器、例えば、冷蔵庫、冷却器、冷凍庫、アイスボックス、冷蔵棚および陳列ケース、自動販売機、オーブンにおいて、例えば、容器、冷蔵庫、冷蔵貯蔵庫におけるカーテンの断熱または要素の分離または分割の一部または構成要素として、例えば、医薬品、ワクチン、医療用試料、臓器、血液、飲料、食品または他の腐敗しやすい物品の輸送用の輸送および物流の容器および箱の断熱、例えば、コンピュータ、タブレットＰＣ、ラップトップＰＣ、ディスプレイ、スクリーンおよびモニタ、携帯電話およびスマートフォン、センサなどの電子機器、家庭用電化製品およびウェアラブルエレクトロニクスの断熱、例えば、クーラーバッグ、テント、寝袋、靴、スポーツシューズおよびブーツ、靴底およびインソール、ジャケット、手袋および帽子類などのスポーツ衣料品やアウトドア用機器を含む衣類、機能性衣類、アパレルおよびスポーツウエアの断熱、尿素溶液などの、燃料、液化ガス、排気ガス処理用媒体などの、パワートレイン、エンジンコンパートメント、エンジンカバー、エンジンカプセル化、排気システム、触媒システム、トランスミッショントンネル、タンク、およびそれぞれのパイプとラインなどの、内燃機関を搭載した車両の部品の断熱などの車や車両の断熱、ハイブリッドまたは電気駆動システムを有する車両のパーツ、例えばバッテリセル、電池モジュールおよびケーシング、パワーエレクトロニクス、電気エンジン、燃料電池、水素のような媒体用のタンクおよびそれぞれの管およびラインの間の熱的保護、およびヘッドライナー、ルーフライナー、アンダーボディ、ドア、トリム、ファイアウォール、後壁などの、客室、および車両本体の部分の断熱、商用ユーティリティ、車両や建設機械の断熱、例えばトラック、ダンプトラック、タンクトラック、アスファルト混合機、道路舗装、トラクタ、バン、クレーン、トンネル掘削機械、採掘車両および機械、例えばそれぞれのトレーラ、そのような車両のコンテナおよび構造、例えばリーファの断熱、バス、路面電車、列車およびそれぞれのコーチ、車およびワゴンの内部および外部の断熱、軍用および装甲車の内部、外部、キャビンまたは部品の断熱、航空機、ヘリコプタ、衛星および他の航空宇宙機および機器の内部、外部、キャビンまたは部品の断熱、船舶、ボートまたはヨットの内部、外部、キャビンまたは部品の断熱、ならびに、昇降およびポップトップルーフを含む、内部、外部、キャビンまたはキャラバン、トレーラーキャラバン、キャンパー車両、移動式ホームの断熱において採用され得る。

下の実施例を参照して、本発明を説明する。

表１に、本発明の実施例Ｅ１～Ｅ３による断熱板（ＩＢ）に用いられる絶縁層（Ａ）の必須パラメータを示し、表２に、比較例Ｃ１～Ｃ３による断熱板（ＩＢ）に用いられる絶縁層（Ａ＊）の必須パラメータを示す。

表１

表２

熱伝導率λは、ＤＩＮ ＥＮ １２６６７：２００１－０５およびＤＩＮ ＥＮ １３１６２に従って決定される。

１重量当たりの燃焼熱は、ＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ １７１６：２０１０－１１に従って決定される。

密度は、ＤＩＮ ＥＮ １６０２：２０１３－０５に従って決定される。

垂直引張強度は、ＤＩＮ ＥＮ １６０７：２０１３－０５に従って決定される

表３は、本発明の実施例Ｅ１～Ｅ３による断熱板（ＩＢ）の組成および全体の厚さを示し、表４は、比較例Ｃ１～Ｃ３による断熱板の組成および全体の厚さを示す。この場合、組成とは、異なる層が互いに接合している順序を意味する。

表３

表４

断熱システム（ＩＳ）を得るために、実施例Ｅ１～Ｅ３による本発明の断熱板（ＩＢ）および比較例Ｃ１～Ｃ３による断熱板が、モルタル（固定層（Ｘ））によって建物の壁（ＢＷ）に貼り付けられる。モルタルの厚さは５ｍｍ、熱伝導率λは０．５４０Ｗ／（ｍＫ）、乾燥状態の密度は１．２ｇ／ｃｍ^３、燃焼熱は０．５ＭＪ／ｋｇである。

本発明の実施例Ｅ１およびＥ３による断熱板（ＩＢ）、ならびに比較例Ｃ２およびＣ３による断熱板は、それらを建物の壁（ＢＷ）に取り付ける前に製造される。本発明の実施例Ｅ２による断熱板（ＩＢ）は、まず、モルタル（固定層（Ｂ））によって建物の壁（ＢＷ）に層Ａ２を固着し、次いで、さらなる３つの層Ａ２および層Ａ１をそれぞれモルタルによって前の層Ａ２に接合することによって、現場で製造される。

断熱板をモルタルで建物の壁（ＢＷ）に固着した後、補強メッシュを有するモルタル（上層（Ｂ））を、断熱システムにおいて固定層（Ｘ）と上層（Ｂ）との間に断熱板が存在するように、本発明の実施例Ｅ１～Ｅ３による断熱板、および比較例Ｃ１～Ｃ３による断熱板に接合する。上層（Ｂ）の厚みは５ｍｍである。

本発明の実施例Ｅ１およびＥ２では、上層（Ｂ）は層Ａ１に接合されており、本発明の実施例Ｅ３では、上層（Ｂ）は層Ａ２に接合されている。比較例Ｃ１では上層（Ｂ）がＡ＊１層に接合されており、比較例Ｃ２では上層（Ｂ）がＡ＊４層に接合されており、比較例Ｃ３では上層（Ｂ）がＡ＊３層に接合されている。

プラスターを含む仕上げ層（Ｃ）が、上層（Ｂ）に接着される。仕上げ層（Ｃ）の厚さは５ｍｍである。

本発明の実施例Ｅ１～Ｅ３による断熱システムおよび比較例Ｃ１～Ｃ３による断熱システムの特性を表５に示す。本発明の実施例Ｅ１～Ｅ３による断熱システムおよび比較例Ｃ１～Ｃ３による断熱システムに含まれる断熱版の特性を表６に示す。

表面積当たりおよび重量当たりの燃焼比熱は、それぞれのＭＪ／ｋｇ値に１ｍ^２表面積の各成分の成分重量を乗算することによって、システムの個々の成分から計算される。

Ｕ値およびＲ値は、Ｋｌａｕｓ Ｌｉｅｒｓｃｈ，Ｎｏｒｍｅｎ Ｌａｎｇｎｅｒ，’’Ｂａｕｐｈｙｓｉｋ ｋｏｍｐａｋｔ’’，Ｖｅｒｌａｇ Ｂａｕｗｅｒｋ ＢＢＢ，４．Ａｕｆｌａｇｅ２０１１，ＩＳＢＮ ９８７－３－８９９３２－２８５－９，Ｃｈａｐｔｅｒ ６ ’’Ｗａｒｍｅｄｕｒｃｈｇａｎｇ ｄｕｒｃｈ ｅｂｅｎｅ ｏｐａｋｅ Ｂａｕｔｅｉｌｅ’’）を参照することによって計算することができる。

表６から分かるように、本発明の実施例Ｅ１～Ｅ３による本発明の断熱板（ＩＢ）は、同様の全体的な断熱能力（Ｕ値／Ｒ値）を提供しながら、比較例Ｃ１～Ｃ３による断熱板と比較して、燃焼熱の減少、総厚および重量の減少、ならびにダストの発生の減少を示す。さらに、本発明の実施例Ｅ１～Ｅ３による本発明の断熱板（ＩＢ）は、比較例Ｃ１～Ｃ３による断熱板と比較して、増大した垂直引張強度を示す。

同じことが本発明の断熱システムにも当てはまり、表５から分かるように、本発明の実施例Ｅ１～Ｅ３による本発明の断熱システム（ＩＳ）はまた、同様の全体的な断熱能力（Ｕ／Ｒ値）を呈しながら、比較例Ｃ１～Ｃ３による断熱システムと比較して、燃焼熱の減少、総厚および重量の減少、ならびにダストの発生の減少を示す。さらに、それらはまた、比較例Ｃ１～Ｃ３による断熱システムと比較して、垂直引張強度の増加を示す。

本発明の断熱システム（ＩＳ）は、例えば、多層外断熱複合システム（ＥＴＩＣＳ）に使用することができる。

Claims (18)

1. 少なくとも２つの絶縁層（Ａ）を含む断熱板（ＩＢ）であって、前記少なくとも２つの絶縁層（Ａ）が互いに接合され、前記少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つが、少なくとも、
   （ａ１）少なくとも１つのシリカエアロゲルと、
   （ａ２）少なくとも１つのポリマーフォームと、
   （ａ３）少なくとも１つの難燃剤と
   の成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含む、断熱板（ＩＢ）。
2. ｉ）前記少なくとも２つの絶縁層（Ａ）は、少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）によって互いに接合され、および／または
   ｉｉ）前記少なくとも２つの絶縁層（Ａ）は、機械的固定（ＭＦ）によって、好ましくは縫製、クランプ、リベット、ダボおよび／または釘によって互いに接合され、および／または
   ｉｉｉ）前記少なくとも２つの絶縁層（Ａ）の各々は、１～５００ｍｍ、好ましくは５～１００ｍｍ、より好ましくは５～２０ｍｍの厚さを有する、請求項１に記載の断熱板（ＩＢ）。
3. ｉ）前記少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）が、無機接着剤、有機接着剤および無機有機ハイブリッド接着剤からなる群より選択され、前記少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）が好ましくは、＜４０ＭＪ／ｋｇの発熱量を有し、場合により無機化合物が充填されているポリウレタン系一成分または二成分接着剤であり、および／または
   ｉｉ）前記少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）は、前記少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つの少なくとも１つの表面に、好ましくは０．０１～１０ｍｍの厚さで、より好ましくは０．０１～５ｍｍの厚さで、最も好ましくは０．０５～２ｍｍの厚さで塗布され、および／または
   ｉｉｉ）前記少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）は、前記少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つの少なくとも１つの表面に、１０～５００ｇ／ｍ^２の１平方メートル当たりの重量で、好ましくは５０～２５０ｇ／ｍ^２の１平方メートル当たりの重量で塗布される、請求項２に記載の断熱板（ＩＢ）。
4. 前記少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つに含まれる前記少なくとも１つのエアロゲル複合材料が、
   ｉ）０．１０～０．４０ｇ／ｃｍ^３、好ましくは０．１５～０．２５ｇ／ｃｍ^３の密度、および／または
   ｉｉ）≦０．０３０Ｗ／（ｍＫ）、好ましくは≦０．０２０Ｗ／（ｍＫ）の熱伝導率λ、および／または
   ｉｉｉ）前記少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、２０重量％以下、好ましくは１０重量％以下、より好ましくは５重量％以下、最も好ましくは１重量％以下の液体吸水率、および／または
   ｉｖ）≦３．０ＭＪ／ｋｇの燃焼熱、および／または
   ｖ）炉の温度上昇≦５０°Ｃ、質量損失≦５０％、および火炎時間≦２０秒を有する、請求項１から３のいずれかに記載の断熱板（ＩＢ）。
5. 前記少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つに含まれる前記少なくとも１つのエアロゲル複合材料が、
   ｉ）前記少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、１０～９４重量％、好ましくは２０～８０重量％、より好ましくは３０～７０重量％の前記少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）、および／または
   ｉｉ）前記少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、１～２０重量％、好ましくは１～１５重量％、より好ましくは３～１０重量％の前記少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）、および／または
   ｉｉｉ）前記少なくとも１つのエアロゲル複合材料の総重量に基づいて、５～７０重量％、好ましくは１９～６５重量％、より好ましくは２７～６０重量％の前記少なくとも１つの難燃剤（ａ３）を含む、請求項１から４のいずれかに記載の断熱板（ＩＢ）。
6. 前記少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）が、前記少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）の総重量に基づいて、１～２５重量％の範囲、好ましくは１～１０重量％の範囲の少なくとも１つの疎水性基を含み、前記少なくとも１つの疎水性基が、少なくとも１つのケイ素原子に結合される、請求項１から５のいずれかに記載の断熱板（ＩＢ）。
7. 前記少なくとも１つのエアロゲル複合材料に含まれる、前記少なくとも１つのポリマーフォーム（ａ２）が
   ｉ）連続気泡ポリマーフォーム、好ましくは連続気泡メラミン系フォームまたは連続気泡ウレタン系フォーム、より好ましくは連続気泡メラミン系フォームであり、および／または
   ｉｉ）０．００２～０．０２５ｇ／ｃｍ^３、好ましくは０．００５～０．０１５ｇ／ｃｍ^３の密度を有する、請求項１から６のいずれかに記載の断熱板（ＩＢ）。
8. 前記少なくとも１つのエアロゲル複合材料に含まれる前記少なくとも１つの難燃剤（ａ３）が、無機化合物、好ましくは粘土鉱物、低融点ガラス、金属酸化物、金属酸化物水酸化物、金属水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群から選択され、より好ましくは粘土鉱物、金属酸化物、金属酸化物水酸化物および金属水酸化物から選択される、請求項１から７のいずれかに記載の断熱板（ＩＢ）。
9. 前記少なくとも１つの難燃剤（ａ３）が、前記少なくとも１つのシリカエアロゲル（ａ１）に埋め込まれる、請求項１から８のいずれかに記載の断熱板（ＩＢ）。
10. 前記少なくとも１つのエアロゲル複合材料が、好ましくはカーボンブラック、グラファイト、炭化ホウ素、金属酸化物および金属炭化物からなる群から選択され、より好ましくは金属酸化物から選択される、少なくとも１つの赤外線吸収または反射乳白剤をさらに含む、請求項１から９のいずれかに記載の断熱板（ＩＢ）。
11. 請求項１から１０のいずれかに記載の断熱板（ＩＢ）と、固定層（Ｘ）とを備え、前記固定層（Ｘ）は、前記断熱板（ＩＢ）を建物の壁（ＢＷ）に固定する、断熱システム（ＩＳ）。
12. 前記固定層（Ｘ）が、
    ｉ）無機接着剤および有機接着剤からなる群から選択される少なくとも１つの第２の接着剤（ＡＤ２）を含み、好ましくは無機接着剤および有機接着剤からなる群から選択される少なくとも１つの接着剤からなり、より好ましくはモルタルからなり、および／または
    ｉｉ）０．５～３０ｍｍ、好ましくは１～１０ｍｍの厚さを有する、請求項１１に記載の断熱システム（ＩＳ）。
13. 前記断熱システム（ＩＳ）が、前記断熱板（ＩＢ）に接合される上層（Ｂ）をさらに備え、前記断熱システム（ＩＳ）において前記固定層（Ｘ）と前記上層（Ｂ）との間に前記断熱板（ＩＢ）が存在するようにする、請求項１１または１２に記載の断熱システム（ＩＳ）。
14. 前記上層（Ｂ）は、
    ｉ）無機接着剤および有機接着剤からなる群から選択される少なくとも１つの第３の接着剤（ＡＤ３）、好ましくはモルタルを含む前記少なくとも１つの第３の接着剤（ＡＤ３）、ならびに場合により、メッシュ、繊維、フリースおよび布地からなる群から選択される、好ましくはメッシュおよび繊維からなる群から選択される少なくとも１つの補強材を含む、および／または
    ｉｉ）０．５～３０ｍｍ、好ましくは１～１０ｍｍの厚さを有する、請求項１３に記載の断熱システム（ＩＳ）。
15. 前記断熱システム（ＩＳ）は、前記上層（Ｂ）に接合される仕上げ層（Ｃ）をさらに備え、
    ｉ）前記仕上げ層（Ｃ）は、プラスターまたはレンダリングを含み、および／または、
    ｉｉ）前記仕上げ層（Ｃ）は、０．５～４０ｍｍ、好ましくは２～２０ｍｍの厚さを有する、請求項１３または１４に記載の断熱システム（ＩＳ）。
16. 前記断熱システム（ＩＳ）は、前記仕上げ層（Ｃ）に接合される表面仕上げ層（Ｄ）をさらに備え、
    ｉ）前記表面仕上げ層（Ｄ）が、コーティング、積層、フィルム、箔または塗料を含み、および／または
    ｉｉ）前記表面仕上げ層（Ｄ）は、０．００１～１０ｍｍ、好ましくは０．００２～２ｍｍの厚さを有する、請求項１５に記載の断熱システム（ＩＳ）。
17. 請求項１から１０のいずれかに記載の断熱板（ＩＢ）の製造方法であって、
    ａ）少なくとも２つの絶縁層（Ａ）を設けるステップであって、前記少なくとも２つの絶縁層（Ａ）のうちの少なくとも１つが、少なくとも、
    （ａ１）少なくとも１つのシリカエアロゲルと、
    （ａ２）少なくとも１つのポリマーフォームと、
    （ａ３）少なくとも１つの難燃剤と
    の成分（ａ１）～（ａ３）を含む少なくとも１つのエアロゲル複合材料を含む、設けるステップと、
    ｂ）好ましくは少なくとも１つの第１の接着剤（ＡＤ１）および／または機械的固定（ＭＦ）によって、前記少なくとも２つの絶縁層（Ａ）を互いに接合して、前記断熱板（ＩＢ）を得るステップ
    というステップａ）とｂ）とを含む、製造方法。
18. 請求項１から１０のいずれかに記載の断熱板（ＩＢ）または請求項１１から１６のいずれかに記載の断熱システム（ＩＳ）の使用であって、建物、部品および／または建物の要素の断熱のための、好ましくは外部および／または内部の建物の壁（ＢＷ）、床、屋根および／または天井の断熱のための、より好ましくは多層外断熱複合システム（ＥＴＩＣＳ）、多層外断熱ファサードシステム（ＥＩＦＳ）、換気またはカーテンファサードシステムおよび／または内断熱システムにおける外部および／または内部の建物の壁（ＢＷ）、床、屋根および／または天井の前記断熱のための使用。
    
    

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