JP7229818B2 - 繊維強化成形体 - Google Patents
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Description
制振性を有する繊維強化成形体として、第1及び第2の炭素繊維強化プラスチック層の間に、粘弾性樹脂と粘弾性樹脂に混練りされた繊維状物質とを含む制振弾性層が設けられた炭素繊維強化プラスチック成形体がある(特許文献1)。
図1に示す本発明の一実施形態に係る繊維強化成形体10は、芯材11と、芯材11の両面に積層一体化された繊維強化樹脂補強材21とからなり、車両のパネルなどの車両部材などに好適なものである。
熱硬化性樹脂の樹脂分に対するフタル酸エステルの添加比率の値は、次の式で算出される。
フタル酸エステルの添加比率(%)=フタル酸エステルの添加量/(熱硬化性樹脂の樹脂分量+フタル酸エステルの添加量)×100
繊維強化樹脂補強材21は、炭素繊維織物にフェノール樹脂が含浸し、加熱または乾燥によりフェノール樹脂を半硬化状態にしたプリプレグを使用し、繊維強化成形体10の製造時の加熱・圧縮により硬化させてもよい。
また、繊維強化成形体10の制振性判断に用いられる損失係数(JIS K 7391:2008(非拘束形制振複合はりの振動減衰特性試験方法)による中央加振法(スイープ゜加振による、但し、ズーム分析・マスキャンセル処理無し)に基づく)は、0.01以上が好ましい。
繊維強化成形体10の曲げ弾性率を前記の範囲とすることで、繊維強化成形体10を高剛性にすることができる。
繊維強化成形体10の損失係数を前記の範囲とすることで、繊維強化成形体10を制振性が良好なものにできる。
発明の繊維強化成形体10の製造方法は、含浸工程、積層工程、圧縮加熱工程とからなる。
プリプレグ用及び熱硬化性樹脂発泡体(芯材)用の熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂、住友ベークライト株式会社製、品名:PR-55791B(樹脂分60wt%、エタノール40wt%)を使用した。なお、図2における「熱硬化性樹脂100%」は、フェノール樹脂(熱硬化性樹脂)の樹脂分と溶剤(エタノール)とよりなる熱硬化性樹脂が100%の意味である。
なお、比較例10は、連続気泡を有する熱硬化性樹脂発泡体に代えて汎用の粘弾性シートを使用した。
成形品厚み(全体の厚み)は、プレス成形用下型と上型間に介在させたスペーサの厚み(2.0mm)と等しい。
比重はJIS Z 8801に基づいて測定した。
曲げ強度は、JIS K 7074-1988 Aに基づいて測定した。
曲げ弾性率は、JIS KJIS K 7074-1988 Aに基づいて測定した。曲げ弾性率の測定結果の評価は、測定結果が20GPa以上の場合に「〇」、20GPa未満の場合に「×」とした。
損失係数は、JIS K 7391:2008(非拘束形制振複合はりの振動減衰特性試験方法)による中央加振法(スイープ゜加振による、但し、ズーム分析・マスキャンセル処理無し)に基づいて測定した。サンプルサイズは25×300mmである。損失係数の測定結果の評価は、測定結果が0.01以上の場合に「〇」、0.01未満の場合に「×」とした。
ブリード評価は、各実施例及び各比較例の繊維強化成形体を80℃で168時間放置した後、繊維強化成形体の表面をガーゼで拭き取り、ガーゼに付着物がない場合に「〇」、付着物が有る場合に「×」とした。
総合評価は、曲げ弾性率の評価「〇」、損失係数の評価「〇」、かつブリード性「〇」の場合に総合評価「◎」、評価の何れか一つでも「×」の場合に総合評価「×」とした。
実施例1は、厚み2.0mm、比重1.0mm、曲げ強度261MPa、曲げ弾性率33.3GPa、曲げ弾性率の評価「〇」、損失係数0.0213、損失係数の評価「〇」、ブリード評価「〇」、総合評価「◎」であり、制振性と高剛性と軽量性を有し、添加した可塑剤について耐ブリードアウト性を有する。
実施例2は、厚み2.0mm、比重1.0mm、曲げ強度302MPa、曲げ弾性率38.5GPa、曲げ弾性率の評価「〇」、損失係数0.0174、損失係数の評価「〇」、ブリード評価「〇」、総合評価「◎」であり、制振性と高剛性と軽量性を有し、添加した可塑剤について耐ブリードアウト性を有する。
実施例3は、厚み2.0mm、比重1.0mm、曲げ強度225MPa、曲げ弾性率25.4GPa、曲げ弾性率の評価「〇」、損失係数0.0289、損失係数の評価「〇」、ブリード評価「〇」、総合評価「◎」であり、制振性と高剛性と軽量性を有し、添加した可塑剤について耐ブリードアウト性を有する。
比較例1は、厚み2.0mm、比重1.0mm、曲げ強度69MPa、曲げ弾性率22.8GPa、曲げ弾性率の評価「〇」、損失係数0.0599、損失係数の評価「〇」、ブリード評価「×」、総合評価「×」であり、熱硬化性樹脂の樹脂分と可塑剤との合計量に対する可塑剤の比率が本発明の範囲よりも高いため、添加した可塑剤について耐ブリードアウト性が悪い。
比較例2は、厚み2.0mm、比重1.0mm、曲げ強度423MPa、曲げ弾性率43.6GPa、曲げ弾性率の評価「〇」、損失係数0.0061、損失係数の評価「×」、ブリード評価「〇」、総合評価「×」であり、熱硬化性樹脂の樹脂分と可塑剤との合計量に対する可塑剤の比率が本発明の範囲よりも低いため、制振性が悪い(損失係数が低い)。
比較例3は、厚み2.0mm、比重1.0mm、曲げ強度36MPa、曲げ弾性率1.9GPa、曲げ弾性率の評価「×」、損失係数0.1087、損失係数の評価「〇」、ブリード評価「×」、総合評価「×」であり、可塑剤としてTCPを使用したため、剛性が低く(曲げ弾性率が低く)、添加した可塑剤に対する耐ブリードアウト性が悪い。
比較例4は、厚み2.0mm、比重1.0mm、曲げ強度375MPa、曲げ弾性率35.3GPa、曲げ弾性率の評価「〇」、損失係数0.0056、損失係数の評価「×」、ブリード評価「×」、総合評価「×」であり、可塑剤としてTCPの量を増加させたため、制振性が悪く(損失係数が低く)、添加した可塑剤に対する耐ブリードアウト性も悪い。
比較例5は、厚み2.0mm、比重1.0mm、曲げ強度47MPa、曲げ弾性率6.0GPa、曲げ弾性率の評価「×」、損失係数0.0318、損失係数の評価「〇」、ブリード評価「×」、総合評価「×」であり、可塑剤としてBBP(融点370℃)を使用したため、剛性が低く(曲げ弾性率が低く)、添加した可塑剤に対する耐ブリードアウト性が悪い。
比較例6は、厚み2.0mm、比重1.0mm、曲げ強度51MPa、曲げ弾性率10.3GPa、曲げ弾性率の評価「×」、損失係数0.0386、損失係数の評価「〇」、ブリード評価「×」、総合評価「×」であり、可塑剤としてBBP(融点370℃)を使用したため、剛性が低く(曲げ弾性率が低く)、添加した可塑剤に対する耐ブリードアウト性が悪い。
比較例7は、厚み2.0mm、比重1.0mm、曲げ強度303MPa、曲げ弾性率29.4GPa、曲げ弾性率の評価「〇」、損失係数0.0088、損失係数の評価「×」、ブリード評価「×」、総合評価「×」であり、可塑剤としてBBP(融点370℃)を使用し、熱硬化性樹脂の樹脂分と可塑剤との合計量に対する可塑剤の比率を低くしたため、制振性が悪く(損失係数が低く)、添加した可塑剤に対する耐ブリードアウト性も悪い。
比較例8は、厚み2.0mm、比重1.0mm、曲げ強度204MPa、曲げ弾性率27.3GPa、曲げ弾性率の評価「〇」、損失係数0.0335、損失係数の評価「〇」、ブリード評価「×」、総合評価「×」であり、可塑剤としてDMP(融点2℃)を使用したため、添加した可塑剤に対する耐ブリードアウト性が悪い。
比較例9は、厚み2.0mm、比重1.0mm、曲げ強度230MPa、曲げ弾性率30.2GPa、曲げ弾性率の評価「〇」、損失係数0.0078、損失係数の評価「×」、ブリード評価「×」、総合評価「×」であり、可塑剤としてDMP(融点2℃)を使用し、熱硬化性樹脂の樹脂分と可塑剤との合計量に対する可塑剤の比率を低くしたため、制振性が悪く(損失係数が低く)、添加した可塑剤に対する耐ブリードアウト性も悪い。
10A 積層体
11 芯材
11A 熱硬化性樹脂発泡体
11B 熱硬化性樹脂(エタノール含有)
11C 含浸済み熱硬化性樹脂発泡体
21 繊維強化樹脂補強材
21A プリプレグ(含浸済み炭素繊維織物)
Claims (2)
- 芯材と、前記芯材の両面に積層された繊維強化樹脂補強材とよりなる繊維強化成形体において、
前記芯材は、連続気泡を有する熱硬化性樹脂発泡体に熱硬化性樹脂が含浸してなる含浸済み熱硬化性樹脂発泡体が、圧縮された状態で前記熱硬化性樹脂が硬化したものからなり、
前記熱硬化性樹脂は、融点が50℃~80℃のフタル酸エステルが添加され、
前記熱硬化性樹脂の樹脂分と前記フタル酸エステルとの合計量に対する前記フタル酸エステルの比率が25wt%~40wt%であることを特徴とする繊維強化成形体。 - JIS K 7074-1988 A法に基づく曲げ弾性率が20GPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化成形体。
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