JPS6329769Y2

JPS6329769Y2 -

Info

Publication number: JPS6329769Y2
Application number: JP1983015855U
Authority: JP
Priority date: 1983-02-03
Filing date: 1983-02-03
Publication date: 1988-08-10
Also published as: JPS59177606U

Description

【考案の詳細な説明】

本考案は防火構造、準不燃などの建築基準法に
規定された防火性能を満足すると共に、軽量で断
熱性に富み、しかも機械強度も十分に具備した防
火性パネルに関するものである。特に、金属板の表面に平行な凹溝を有する長尺
状の表面材は、高熱に曝されると金属板の変形が
平板に比べてはるかに大きいのでこれを抑制する
と共に、裏面に積層した芯材を保護し得る防火性
パネルに係る。一般にパネルにおいては、家屋の密集化によつ
て種々の防火規制が法的に定められている。その
ため、市場には無機質のみからなるパネル、
無機材と有機系フオームを複合化したパネル、
レジンコンクリートのようにしたパネルなどがは
んらんしている。しかしながら、上記した各パネ
ルにはそれぞれ一長一短があり、実用上種々と問
題があつた。すなわち、のパネルは重く、脆
く、かつ、吸水性、断熱性に欠ける不利があり、
のパネルは工程が複雑となる割に両材料の特性
が相殺される欠点があつた。また、のパネルは
断熱性が悪く、樹脂の使用料が多く、コストが高
い、比重が重い、発泡が大幅に阻害され、連通気
泡化し、吸水性の発生、および他部材との接着性
の低下と防火性が樹脂自体の耐熱性となる不利が
あつた。さらに、化粧面を凹凸部からなる模様で
形成した際には、化粧面に残留応力が不安定な状
態で残り、温度（100℃以上）、圧力によつて長尺
の表面材の化粧面に顕著に現われる欠点があつ
た。本考案は、このような諸問題を解決せんと鋭意
研究したものであり、その１つの目的は防火性の
グレードアツプ、もう１つの目的は前記した〜
に示した各パネルの欠点を低減し、その特性を
採り入れたパネルとすること、さらに、もう１つ
の目的は化粧面に現われる成形時のオイルキヤン
の抑制と高熱下における変形を抑えると共に、耐
久性のある防火性を維持するパネルを提案するこ
とである。以下に、図面を用いて本考案に係る防火性パネ
ルの一実施例について詳細に説明する。第１図は
本考案に係る防火性パネルの一例を示す斜視図で
ある。図において、１は表面材で所定形状に成形
された長尺体（図では樋状）であり、例えば表面
処理鋼板、アルミニウム板、銅板、ステンレス板
などの金属板体からなり、その少なくとも化粧面
２に第２図に示すような凹溝３と凸部４を複数
本、長手方向、もしくは短尺方向（図示せず）に
平行に形成する。さらに説明すると、凹溝３は主
に化粧面２の意匠性の改善と補強、および化粧面
の裏面に凹部５を形成するのに役立つ。なお、凹
部５は凸部４の裏面部分であり、凹溝３との分布
割合は表面材１の断面形状、下記する不燃層、合
成樹脂発泡層の接着力によつて異なる。６は不燃
層で表面材１の凹部５に充填するものであり、主
に表面材１の化粧面２の変形を阻止するための剛
性を与えること、および表面材１が高熱に曝され
た際の変形を冷却して抑制すると共に、後記する
合成樹脂発泡層を火炎、高熱から保護するもので
ある。その材料としては高熱下において水を放出
すると共に溶融、発泡して無機質発泡層を形成す
るものであり、例えば水ガラス系、硼酸塩系など
である。さらに説明を加えると、不燃層６はスラ
リー状で凹部５のみに積層、充填して速乾硬化さ
せて形成したものであり、不燃層６の硬度によ
り、表面材１を長手方向に対して補強するもので
ある。また不燃層６は凹部５に充填していること
と、速乾硬化させていることにより、後述する合
成樹脂発泡層７を液状原料で吐出しても、この吐
出圧および発泡圧によつて不燃層６が飛散した
り、流動することがなく、防火性能のバラツキを
阻止することができるものである。なお、不燃層
６としては、表面材１との接着性があるものがよ
り好ましいものである。７は合成樹脂発泡層で主
に接着剤、断熱材、芯材、クツシヨン材、防湿
材、防音材として役立つものであり、例えばポリ
ウレタンフオーム用原料、ポリイソシアヌレート
フオーム用原料、フエノールフオーム用原料、ポ
リスチレンフオーム用原料、ポリエチレンフオー
ム用原料などからなり、吐出時が原料状態であ
り、その後で発泡硬化し、かつ、その際に自己接
着性を発揮する合成樹脂原料からなるものであ
る。さらに説明すると、合成樹脂発泡層７は凹溝
３の裏面３ａと接着することにより表面材１と一
体化して上記発泡層７と表面材１の剥離を防止
し、かつ、不燃層６と表面材１間の弱い接着力を
さほど問題にしなくともよいパネル構造とするも
のである。なお、合成樹脂発泡層７は不燃層６と
の接触が金属板との接触よりも発泡、接着性に悪
影響を受けやすいものであるが、不燃層６は凹部
５にのみ存在するため、部分的な影響となり、ほ
ぼ本来の発泡層を形成することができ、断熱性、
クツシヨン性、および強度を維持することができ
る。８は裏面材でシート状物、例えばアルミニウ
ム箔、鉛箔、アスベスト紙、合成樹脂シート、
紙、アスフアルトフエルト、金属板、不織布など
の１種、またはこれらの１種以上をラミネートし
たものなどである。勿論、クラフト紙に難燃化処
理したり、段ボール状のアスベスト紙、塩化ビニ
ルなども使用する。次に実施例につき説明する。実施例１表面材１としては、例えば0.27mmのカラー鋼板
を第２図に示すような断面形状に成形し、その化
粧面２に３本の凹溝３（幅Ｗ×深さｄ）を形成し
たものである。また、不燃層６は、例えば耐水
性、非吸湿性で速乾型のものであり、主成分とし
ては水ガラス系、これにリン酸系、シリコン系、
ケイフツ化ソーダ系、水酸化アルミニウム、リン
酸マグネシウム、水酸化カルシウム、硼素、硫酸
アルミニウムの１種以上を添加したものである。また、合成樹脂発泡層７としては、ポリウレタ
ン樹脂でポリオール100に対しポリイソシアネー
ト170の重量比で配合し、これに３量化触媒を添
加したものであり、フリー発泡の密度は28Kg／m³
位のものである。さらに、裏面材８としてはアル
ミニウム箔（25ミクロン）にアスベスト紙（180
ｇ／m²）を用いる。そこで、表面材１の裏面の凹
部５に不燃層６をスラリー状で吐出し、ほぼ凹溝
３の裏面３ａと面一に充填する。そして、不燃層
６の表面が見掛上、硬化した状態になつた後に発
泡前のポリウレタン樹脂原料を表面材１の裏面に
吐出し、その上に裏面材８を積層し、型（図示せ
ず）に送給して40〜90℃で１〜10分位キユアす
る。このようにして製造した防火性パネルに対し
てJIS−Ａ−1321の表面試験と、曲げ試験を行な
つた。なお、比較のため、表面材１の裏面全面に
不燃層６を形成した以外、実施例１と同じ構造と
した防火性パネルを製造した。その結果は下記の
ようであつた。

【表】なお、○イはJIS−Ａ−14083号試験体による。○ロ
合成樹脂発泡体が表面材１から剥離したため、途
中で中止した。○ハ合成樹脂発泡層が大きく部分的
に裏面から突出し、ガスが放出した孔が全厚の1/
１０以上であつた。以上説明したのは、本発明の一実施例にすぎ
ず、第３図に示すように表面材１の凸部４にエン
ボス模様９を形成したり、第４図ａ〜ｋに示すよ
うな防火性パネルとすることもできる。勿論、裏
面材８に表面材１の材質を用いることもできる。
さらに、例えば第４図ａ，ｃにおいて〇で示すよ
うに合成樹脂発泡層の内部、あるいは部分的に骨
材１０を添加することもできる。上述したように、本考案に係る防火性パネルに
よれば、不燃性の表面材の化粧面に平行な凹溝を
複数本形成し、その裏面の凹部にのみ不燃層を充
填し、凹溝の裏面を接着面として利用し、合成樹
脂発泡層と表面材との接着を強化した特徴があ
る。また、不燃層を裏面の凹部に対応して分布し
たため、高熱に表面材が曝された際も最初に周囲
を冷却して変形を抑制し、かつ、表面材の裏面凸
部頂面と接触していた合成樹脂発泡層のスキン層
部分が溶融し、表面材が上記頂面から剥落し、こ
こに不燃層が溶融し、表面材の裏面と合成樹脂発
泡層間に冷却ガスと無機質発泡層が存在するため
準不燃材に合格しうる特徴がある。さらに、合成
樹脂発泡層は不燃層との接触面積が少ないため本
来の発泡層を形成でき、断熱性、クツシヨン性、
および強度があり、しかも使用量を低減できる特
徴がある。その上、不燃層により表面材が補強さ
れ、反り、捩じれ、オイルキヤンを抑制すること
ができる。また、不燃層は速乾硬化させているた
め、合成樹脂発泡層の原料を吐出する際の吐出圧
および発泡圧によつて飛散、流動することなく、
防火性のバラツキを阻止することができる特徴が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る防火パネルの一実施例を
示す斜視図、第２図は表面材の一部を示す斜視
図、第３図、第４図ａ〜ｋはその他の実施例を示
す説明図である。１……表面材、２……化粧面、３……凹溝、４
……凸部、５……凹部、６……不燃層、７……合
成樹脂発泡層。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

化粧面に複数本の平行な凹溝を形成した長尺状
の表面材の裏面の上記凹溝間の凹部にのみスラリ
ー状で積層し、速乾硬化すると共に、高熱下で発
泡膨脹して無機質発泡層を形成する不燃層を充填
し、該不燃層の裏面と凹溝の裏面に合成樹脂発泡
層を積層すると共に不燃層裏面、および凹溝裏面
を上記発泡層で一体に接着し、かつ、上記合成樹
脂発泡層の裏面に裏面材を一体に固着したことを
特徴とする防火性パネル。