JP2017160702A - 化粧パネル及びパネル製造方法 - Google Patents
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例えば、下記特許文献1には、ハニカムコアなどの芯材の表面側及び裏面側に板紙を貼り合わせ、この板紙に、凹凸形状が付与された表面化粧板を貼着した構成とされたパネルが開示されている。
図1〜図4は、第1実施形態に係る化粧パネルの一例及びこの化粧パネルのパネル製造方法の一例を模式的に示す図である。
なお、図2〜図4では、パネル芯材を断面図として図示している。
また、以下の各実施形態では、一方向に長尺状とされた化粧パネルを、長手方向を上下方向に沿わせて配した状態を基準として、上下方向等の方向を説明する。
また、本実施形態では、図1(a)に示すように、化粧パネル1の厚さ方向両側に、パネル芯層10の一部分17がパネル厚さ方向に圧縮されて凹状部25,25が設けられた構成としている。また、これら厚さ方向両側の凹状部25,25を、パネル厚さ方向に見て互いに重なり合う位置となるように設けた構成としている。また、これら凹状部25,25を、化粧パネル1の上下方向(長手方向)に延びる凹溝状としている。また、これら凹状部25,25のそれぞれの戸幅方向に沿う幅寸法(溝幅寸法)及び戸厚方向に沿う深さ寸法(溝深さ寸法)を、溝長手方向の全体に亘って略同寸法とした構成としている。
これら四周枠12,13,13,14及び横桟15は、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板や、PB(パーティクルボード)等の木質ボード、MDF(中密度繊維板)やハードボード等の木質繊維板などの木質系材料から形成されたものとしてもよい。また、木質系材料としては、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)としてもよい。また、枠体11は、このような木質系材料から形成されたものに限られず、合成樹脂系材料や金属系材料から形成されたものでもよい。
つまり、図1(c)、(d)に示すように、上横枠12の長手方向一端側部位のパネル厚さ方向両側に、パネル厚さ方向外側及び上下両側に開口するように、切欠状に凹部12a,12aを設けた構成としている。また、上下に積層された各下横枠14の長手方向一端側部位のパネル厚さ方向両側に、パネル厚さ方向外側及び上下両側に開口するように、切欠状に凹部14a,14aを設けた構成としている。また、下横枠14の長手方向一端側部位の上側に設けられた桟部材のパネル厚さ方向両側にも、パネル厚さ方向外側及び上下両側に開口するように、切欠状に凹部が設けられている。また、各横桟15の長手方向一端側部位のパネル厚さ方向両側に、パネル厚さ方向外側及び上下両側に開口するように、切欠状に凹部15a,15aを設けた構成としている。
また、このようなコア材16としては、段ボール原紙やクラフト紙等の紙材を接着剤で重積接着して形成されたものでもよい。また、コア材16としては、このような紙材に、エポキシ樹脂等の補強用の樹脂を更に含浸させたものでもよく、その他、アルミ材等の金属系材料や硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂系材料から形成されたものでもよい。
繊維シート21としては、ガラス繊維や炭素繊維、鉱物繊維等の強化繊維の織布や不織布、マット等が例示される。ガラス繊維の織布としては、例えば、縦糸及び横糸にガラスロービングを用いて製織した平織、絡み織等の織物であるガラスクロス等が例示される。ガラス繊維の不織布としては、例えば、長さ約10mmのガラス繊維を水中分散させた後に、湿式抄紙法によってすくい取り、脱水、シート化させて、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の接着剤を塗布したものであるガラスペーパー等が例示される。ガラス繊維のマットとしては、長繊維状(例えば、長さ30mm前後、好ましくは長さ50mm前後)に切断したガラスストランドを、無方向に均等に分散させ、ポリエステルバインダー等の結合剤を用いてマット状に成形したものであるガラスマット等が例示される。
繊維シート21の目付けとしては、例えば、150g/m2以上700g/m2以下の範囲が例示される。この繊維シート21の目付けが小さ過ぎれば、強度が低下する傾向がある一方、大き過ぎれば、重くなる傾向がある。繊維シート21としてガラスクロスを用いる場合は、目付けを200g/m2以上としてもよい。また、繊維シート21としてガラスペーパーを用いる場合は、目付けを50g/m2以上としてもよい。また、繊維シート21としてガラスマットを用いる場合は、目付けを300g/m2以上としてもよい。また、繊維シート21としては、このようなガラス繊維シートのうちガラスマットまたはガラスクロスが好ましい。
樹脂組成物22が発泡樹脂の場合には、その種類にもよるが、発泡倍率が7倍以下、より好ましくは5倍以下の低発泡性のものでもよい。また、樹脂組成物22としては、ウレタン樹脂が好適なものとして例示されるが、この場合には、発泡倍率が1倍〜5倍、より好ましくは1倍〜3倍、さらに好ましくは1倍〜2倍のものでもよい。樹脂組成物22を、このようなウレタン樹脂とした場合には、繊維シート21への含浸性に優れ、化粧シート24及びパネル芯材10のコア材16への接着性にも優れたものとなる。また、ウレタン樹脂としては、耐水性を有したエーテル系やひまし油系のウレタン樹脂が好ましく例示される。なお、樹脂組成物22には、硬化剤や難燃材等の各種添加剤を添加することができる。
また、樹脂組成物22の繊維シート21への含浸は、樹脂組成物22を貯留する容器内に繊維シート21を浸漬させた後に、余剰分を適宜、絞り取る態様や、繊維シート21にスプレーやローラー等によって塗布する態様としてもよい。または、後記する好ましい製法のように、裏面(反化粧面)側にスプレーやローラー等によって樹脂組成物22が塗布された化粧シート24と繊維シート21とを積層することで、繊維シート21に結果的に樹脂組成物22が含浸される態様等としてもよい。
本実施形態では、化粧シート24とパネル芯材10との間に繊維強化樹脂層23を構成する繊維シート21及び未硬化の樹脂組成物22を介在させた状態で、上下の成形型2,4によって圧締して化粧パネル1を製造する構成としている。また、本実施形態では、パネル芯材10のパネル厚さ方向両側に、繊維強化樹脂層23,23を構成する繊維シート21,21及び未硬化の樹脂組成物22,22をそれぞれに介在させてパネル厚さ方向両側の化粧シート24,24を配した状態で、上下の成形型2,4によって圧締して化粧パネル1を製造する構成としている。また、上下の成形型2,4のうちの少なくとも一方の化粧シート24の化粧面に対面される側の成形型2,4に設けられた凸状部3,5によってパネル芯材10の一部分(圧縮部)17をパネル厚さ方向に圧縮するようにしている。
また、本実施形態では、化粧パネル1の厚さ方向両側に凹状部25,25が形成されるように、それぞれに凸状部3,5が設けられた上下の成形型2,4を用いるようにしている。これら上下の成形型2,4の凸状部3,5は、図4(a)に示すように、各成形型2,4の互いに向き合う側に設けられ、互いに向き合う方向に向けて突出するように設けられている。また、これら上下の成形型2,4の凸状部3,5は、上記した化粧パネル1の凹状部25,25に対応させて、化粧パネル1の長手方向に延びるように設けられている。また、このような成形型2,4としては、樹脂組成物22の種類にもよるが、硬化に加熱を要する場合には、ヒーターや熱媒体が流通される媒体流通路が設けられたものでもよい。つまり、成形型2,4を、ホットプレスとしてもよい。
また、図2(c)及び図3(a)に示すように、下成形型2上の繊維シート21上にパネル芯材10を配置し、図3(b)に示すように、このパネル芯材10上に、上成形型4側の繊維シート21を載置する。また、図3(c)及び図4(a)に示すように、裏面側に上記同様に樹脂組成物22が塗布された化粧シート24を、塗布された樹脂組成物22が繊維シート21に含浸するように、パネル芯材10上の繊維シート21上に積層する。なお、このような態様に代えて、化粧シート24側に樹脂組成物22を介して繊維シート21を積層した状態でパネル芯材10上に載置する態様としてもよい。
上記のような製造方法によれば、成形型2,4の凸状部3,5を種々の形状とすることで、化粧パネル1の少なくとも厚さ方向一方側に、種々の凹状部25を設けることができる。これにより、切削等によって表面に凹凸形状を付与するようなものと比べて、表面層20の薄型化を図りながらも効果的に立体感を付与することができる。また、表面層20を構成する化粧シート24及び繊維強化樹脂層23とパネル芯材10とを上下の成形型2,4で圧締して一体化することができるので、製造効率を向上させることができる。つまり、繊維強化樹脂層23を構成する樹脂組成物22を、表面層20とパネル芯材10とを接合一体化させる接着成分として機能させることができ、別途に接着剤を塗布して積層するようなものと比べて、製造効率を向上させることができる。
また、上記した本実施形態に係るパネル製造方法の各工程の順序等は一例に過ぎず、別順序でなされるものでもよく、種々の変形が可能である。
つまり、圧縮変形可能とされたコア材16を有したパネル芯層(パネル芯材)10の少なくともパネル厚さ方向一方側に、繊維強化樹脂層23と化粧層(化粧シート)24とを有した表面層20を設けた構成としている。従って、無垢の木材や積層板等の中実状パネルと比べて、軽量化を図ることができる。また、表面層20を、繊維強化樹脂層23と化粧シート24とを有した構成としているので、従来のMDF(中密度繊維板)等の木質板を基材とした表面材に比べて、薄型化を図りながらも表面硬度を向上させることができる。
また、パネル芯材10の一部分(圧縮部)17が圧縮されて少なくともパネル厚さ方向一方側に凹状部25が設けられた構成としている。従って、表面化粧板に凹凸形状を設けて立体感を付与するようなものと比べて、パネル芯材10も含めて凹状部25を形成することができ、表面層20の厚さを大とすることなく立体感を向上させることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10の圧縮部厚さ寸法t2を、非圧縮部厚さ寸法t1の3/5以下としている。従って、パネル厚さ方向に凹んだ凹状部25の深さが比較的に大きくなり、より効果的に立体感を付与することができる。
また、本実施形態では、化粧パネル1の厚さ方向両側に、凹状部25,25を設けた構成としている。従って、化粧パネル1の厚さ方向両側に効果的に立体感を付与することができる。
また、本実施形態では、パネル幅方向一方側端部の厚さ方向両面側において開口し、かつパネル高さ方向に長尺状で手掛部となる凹状部25,25を設けた構成としている。従って、別部材の引手部材等を設けたものと比べて、部材点数を削減することができ、また、化粧シート24,24が一連状に設けられることとなることから、一体感のあるすっきりとした外観を呈するものとなる。
図5は、第2実施形態に係る化粧パネルの一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
また、図5(c)に示すように、パネル芯材10Aを、上記と概ね同様、枠体11Aとコア材16とを有した構成としている。また、枠体11Aを、上記と概ね同様、上横枠12A、下横枠14A、左右の縦枠13,13及び複数本の横桟15Aを有した構成としている。また、上下の横枠12A,14A及び各横桟15Aのパネル厚さ方向両側に、各凹状部25Aに応じた凹部12Aa,14Aa,15Aaを設けた構成としている。
このような構成とされた本実施形態に係る化粧パネル1Aにおいても、上記と概ね同様な効果を奏する。また、本実施形態に係る化粧パネル1Aも上記したパネル製造方法と略同様にして製造可能である。
図6は、第3実施形態に係る化粧パネルの一例を模式的に示す図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
また、図6(c)に示すように、パネル芯材10Bを、上記同様、枠体11Bとコア材16とを有した構成とし、枠体11Bを、上横枠12B、下横枠14B、左右の縦枠13,13及び複数本の横桟15Bを有した構成としている。また、上下の横枠12B,14B及び各横桟15Bのパネル厚さ方向両側に、各凹状部25Bに応じた凹部12Ba,14Ba,15Baを設けた構成としている。
このような構成とされた本実施形態に係る化粧パネル1Bにおいても、上記と概ね同様な効果を奏する。また、本実施形態に係る化粧パネル1Bも上記したパネル製造方法と略同様にして製造可能である。
図7(a)は、第4実施形態に係る化粧パネルの一例を模式的に示す図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
また、コア材16は、図示は省略しているが、各凹状部25C,25Cの底側となる表面側部位が概ねパネル幅方向に圧縮された一部分としての圧縮部とされている。つまり、本実施形態では、コア材16の一部分がパネル厚さ方向ではなく、概ねパネル幅方向に圧縮された構成とされている。また、この場合、コア材16の圧縮部のパネル厚さ方向他方側の表面側部位は、拡開された状態となる。なお、この場合、拡開側においてコア材16の一部に割裂等が生じるものでもよい。
なお、本実施形態では、化粧パネル1Cの厚さ方向両面を、幅方向両端側部位の厚さ方向外側に向く平坦面状部間に凸湾曲面状部と凹湾曲面状部とを滑らかに一連状に設けた構成とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、化粧パネル1Cを、平面視して屈曲させたような角部が形成されたような態様等としてもよく、その他、種々の湾曲、屈曲形状等の採用が可能である。
図7(b)は、第5実施形態に係る化粧パネルの一例を模式的に示す図である。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
また、本実施形態においても、上記同様、パネル芯材10Dの枠体11D内にコア材16(図1等参照)を収容させた構成とされ、パネル厚さ方向両側に表面層20,20を設けた構成とされている。また、枠体11Dの上下の横枠12D,14D及び各横桟15Dを、上記した当該化粧パネル1Dの平面視した形状に応じた形状となるように、平面視して略円弧状としている。コア材16は、図示は省略しているが、上記第4実施形態と概ね同様、凹状部25Dの底側となる表面側部位が概ねパネル幅方向に圧縮された一部分としての圧縮部とされ、この圧縮部のパネル厚さ方向他方側の表面側部位が拡開された構成とされている。
なお、上記各実施形態に係る化粧パネル1,1A〜1Dにおける互いに異なる構成を、適宜、組み替えたり、組み合わせたりして適用するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、枠体11,11A〜11Dで囲まれた空間にコア材16を収容させた構成とした例を示しているが、パネル芯材10,10A〜10Dを、コア材16のみによって構成したり、三辺以下に桟材を設けたような構成とされたものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、パネル芯材10,10A〜10Dのパネル厚さ方向両側のそれぞれに表面層20,20を設けた構成とした例を示しているが、パネル厚さ方向一方側のみに化粧層24を含む表面層20を設けた構成としてもよい。この場合は、パネル厚さ方向他方側に、繊維強化樹脂層23を設けたり、他の表面材を設けたりしてもよく、さらには、パネル芯材10,10A〜10Dを露出させた構成としてもよい。上記各実施形態に係る化粧パネル1,1A〜1Dの具体的構成としては、その他、種々の変形が可能である。
10,10A〜10D パネル芯材(パネル芯層)
11,11A〜11D 枠体
12a,12Aa,12Ba 凹部
14a,14Aa,14Ba 凹部
15a,15Aa,15Ba 凹部
16 コア材
17,17A,17B 圧縮部(一部分)
20 表面層
21 繊維シート
22 樹脂組成物
23 繊維強化樹脂層
24 化粧シート(化粧層)
25,25A〜25D 凹状部
2 下成形型
3 凸状部
4 上成形型
5 凸状部
t1,t1A 非圧縮部厚さ寸法
t2,t2A 圧縮部厚さ寸法
Claims (7)
- 圧縮変形可能とされたコア材を有したパネル芯層の少なくともパネル厚さ方向一方側に、繊維強化樹脂層と化粧層とを有した表面層が設けられており、
前記パネル芯層の一部分が圧縮されて少なくともパネル厚さ方向一方側に凹状部が設けられていることを特徴とする化粧パネル。 - 請求項1において、
前記パネル芯層の一部分がパネル厚さ方向に圧縮されて前記凹状部が設けられていることを特徴とする化粧パネル。 - 請求項2において、
前記パネル芯層の圧縮された部位のパネル厚さ方向に沿う寸法が圧縮されていない部位のパネル厚さ方向に沿う寸法の3/5以下とされていることを特徴とする化粧パネル。 - 請求項2または3において、
前記パネル芯層は、四周枠を含む枠体で囲まれた空間に前記コア材が収容された構成とされ、
前記枠体の少なくともパネル厚さ方向一方側に、前記凹状部に連続状に設けられる凹状部を構成するように凹部が設けられていることを特徴とする化粧パネル。 - 請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記パネル芯層のパネル厚さ方向両側のそれぞれに前記表面層を設けたことを特徴とする化粧パネル。 - 化粧シートと圧縮変形可能とされたコア材を有したパネル芯材との間に繊維強化樹脂層を構成する繊維シート及び未硬化の樹脂組成物を介在させた状態で、上下の成形型のうちの前記化粧シートの化粧面に対面される側の成形型に設けられた凸状部によって前記パネル芯材の一部分をパネル厚さ方向に圧縮するようにこれら上下の成形型によって圧締して化粧パネルを製造することを特徴とするパネル製造方法。
- 圧縮変形可能とされたコア材を有したパネル芯材のパネル厚さ方向両側に、繊維強化樹脂層を構成する繊維シート及び未硬化の樹脂組成物をそれぞれに介在させてパネル厚さ方向両側の化粧シートを配した状態で、上下の成形型のうちの少なくとも一方の成形型に設けられた凸状部によって前記パネル芯材の一部分をパネル厚さ方向に圧縮するようにこれら上下の成形型によって圧締して化粧パネルを製造することを特徴とするパネル製造方法。
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