JP2018134787A - 表面化粧パネル、これを備えた化粧パネル及び表面化粧パネル製造方法 - Google Patents

表面化粧パネル、これを備えた化粧パネル及び表面化粧パネル製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】変形の抑制が可能で、かつ表面外観を向上し得る表面化粧パネル、これを備えた化粧パネル及びこのような表面化粧パネルを効果的に製造し得る表面化粧パネル製造方法を提供する。【解決手段】表面化粧パネル20は、厚さ方向一方側に厚さ方向に突出する多数の凸部24が設けられ、熱可塑性樹脂を樹脂主成分とする凹凸樹脂層23と、該凹凸樹脂層の平坦面状とされた厚さ方向他方側に設けられた化粧層22と、前記凹凸樹脂層の厚さ方向一方側に設けられ、繊維シート26を含む平板状の繊維強化樹脂層27と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、内装パネルや家具の表面材等として用いられる表面化粧パネル、これを備えた化粧パネル及び表面化粧パネル製造方法に関する。
従来より、内装パネルや家具の表面材等として用いられる表面化粧パネルとしては、MDF(中密度繊維板)等の木質系基材に樹脂フィルムや突板等の化粧シートを積層した構成とされたものが知られている。このようなものでは、吸放湿等による反り等の変形が生じ易くなるという問題があった。
例えば、下記特許文献1には、少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された中空凸部成形シートの両面に表面材を貼着した中空構造板が開示されている。
特開2016−32938号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された中空構造板では、中空凸部成形シートの凸部の上面部に貼着された表面材の表面側において凸部による凹凸が目立ち易くなることが考えられ、更なる改善が望まれる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、変形の抑制が可能で、かつ表面外観を向上し得る表面化粧パネル、これを備えた化粧パネル及びこのような表面化粧パネルを効果的に製造し得る表面化粧パネル製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る表面化粧パネルは、厚さ方向一方側に厚さ方向に突出する多数の凸部が設けられ、熱可塑性樹脂を樹脂主成分とする凹凸樹脂層と、該凹凸樹脂層の平坦面状とされた厚さ方向他方側に設けられた化粧層と、前記凹凸樹脂層の厚さ方向一方側に設けられ、繊維シートを含む平板状の繊維強化樹脂層と、を備えていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る化粧パネルは、パネル芯材と、このパネル芯材に貼着される本発明に係る表面化粧パネルと、を備えていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る表面化粧パネル製造方法は、厚さ方向一方側に厚さ方向に突出する多数の凸部が設けられ、平坦面状とされた厚さ方向他方側に化粧層が設けられ、かつ熱可塑性樹脂を樹脂主成分とする凹凸樹脂シートの厚さ方向一方側に、繊維シートを含む平板状の繊維強化樹脂層を積層一体化して表面化粧パネルを製造することを特徴とする。
本発明に係る表面化粧パネル及びこれを備えた化粧パネルは、上述のような構成としたことで、変形の抑制が可能で、かつ表面外観を向上させることができる。また、本発明に係る表面化粧パネル製造方法は、このような表面化粧パネルを効果的に製造することができる。
(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る表面化粧パネルの一例及びこれを備えた化粧パネルの一例を模式的に示し、(a)は、図2(a)におけるX−X線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(b)は、(a)に対応させた一部破断概略分解横断面図である。 (a)は、同化粧パネルの概略正面図、(b)は、同化粧パネルが備えるパネル芯材の一例を模式的に示す概略正面図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る表面化粧パネル製造方法の一例を模式的に示し、(a)、(c)、(d)は、一部破断概略縦断面図、(b)は、一部破断概略分解斜視図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本実施形態に係る表面化粧パネルの一例、これを備えた化粧パネルの一例及び表面化粧パネル製造方法の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る表面化粧パネル20は、図1及び図3(d)に示すように、厚さ方向一方側に厚さ方向に突出する多数の凸部24が設けられ、熱可塑性樹脂を樹脂主成分とする凹凸樹脂層23を備えている。また、表面化粧パネル20は、この凹凸樹脂層23の平坦面状とされた厚さ方向他方側に設けられた化粧層22と、凹凸樹脂層23の厚さ方向一方側に設けられ、繊維シート26を含む平板状の繊維強化樹脂層27と、を備えている。
また、本実施形態に係る化粧パネル1は、この表面化粧パネル20を、パネル芯材10に貼着した構成とされている。また、化粧パネル1は、パネル芯材10のパネル厚さ方向両側に表面化粧パネル20,20を設けた構成とされている。
この化粧パネル1は、図2(a)に示すように、一方向に長尺な略矩形平板状とされている。この化粧パネル1は、本実施形態のように、厚さ方向両側を化粧面とした場合には、出入口や収納開口を開閉する建具パネルやパーティション等の間仕切パネル、家具構成部材等として用いられるものとしてもよい。また、このように厚さ方向両側を化粧面とした態様に代えて、パネル芯材10のパネル厚さ方向一方側のみに表面化粧パネル20を設けた構成としてもよい。この場合にも上記同様の用途に用いることが可能である。また、化粧パネル1は、パネルの一部、例えば、框状パネルの框部や鏡板部を構成するように用いられるものでもよい。また、化粧パネル1は、反化粧面側が取付下地側に向けて配される天井パネルや壁パネル(間仕切壁パネル)、腰壁パネル、床パネル、巾木パネル、廻縁パネル、開口枠パネル等として用いられるものでもよい。
また、この化粧パネル1の長さ寸法(上下寸法、高さ寸法)や、幅寸法、厚さ寸法等は、当該化粧パネル1の用途等に応じて、適宜の寸法としてもよい。
例えば、化粧パネル1を、建具パネルとして用いられるものとした場合には、当該化粧パネル1の上下寸法(戸高寸法)を1800mm〜3000mm程度とし、戸幅寸法を600mm〜1200mm程度とし、戸厚寸法を20mm〜40mm程度としてもよい。また、この場合には、化粧パネル1の適所に、開閉する際のハンドルや引手等を設けたり、錠装置や、蝶番等の回転連結部材、ランナーや戸車等の走行部材、ガイド溝等を設けたりしてもよい。
パネル芯材10は、図2(b)に示すように、四周枠12,13,13,14を含む枠体11で囲まれた空間にコア材16が収容された構成とされている。つまり、化粧パネル1は、中実板状ではなく、中空状のパネル芯材10のパネル厚さ方向両側に表面化粧パネル20,20を設けたいわゆるフラッシュパネル状とされている。
枠体11は、四周枠12,13,13,14を構成する上横枠12、左右一対の縦枠13,13及び下横枠14を備えている。また、枠体11は、左右の縦枠13,13に架け渡されるように上下に間隔を空けて設けられた複数本の横桟15,15を備えている。また、図例では、下横枠14の上側に、桟材を積層した構成とされたものとした例を示している。また、下横枠14の左右(長手方向)両端部の上側に、戸車等の走行部材の取付孔の加工下地となる下地部材を積層した例を示している。なお、当該化粧パネル1の用途等に応じて、上横枠12の左右両端部の下側や一方の縦枠13の内方側に、上述のようなランナー等の走行部材やハンドル、錠装置等の取付孔の加工下地や取付下地を設けた構成としてもよい。また、上横枠12の下側にも同様な桟材を設けた構成とされたものとしてもよい。また、枠体11に、横桟15を設けた態様に代えて、または加えて、上下方向に長尺な縦桟を設けた構成としてもよい。
また、これら四周枠12,13,13,14及び横桟15は、略四角柱状とされ、パネル厚さ方向両面が略同一平面状となるように、パネル厚さ方向に沿う寸法が互いに略同寸法とされている。また、図例では、これら四周枠12,13,13,14及び横桟15の長さ方向及びパネル厚さ方向に沿う方向に直交する方向の幅寸法を、互いに略同寸法とした例を示している。
枠体11を構成するこれら四周枠12,13,13,14及び横桟15は、木質系材料及び合成樹脂系材料の両方または一方から形成されている。つまり、四周枠12,13,13,14及び横桟15は、金属製のフレーム状の桟や補強材等を用いた構成とされておらず、木質系材料及び合成樹脂系材料の両方または一方を、主たる材料として形成されている。木質系材料としては、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板や、PB(パーティクルボード)等の木質ボード、MDF(中密度繊維板)やハードボード等の木質繊維板などが挙げられる。また、木質系材料としては、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)としてもよい。また、合成樹脂系材料としては、種々の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、本実施形態では、図1(b)及び図2(b)に示すように、両縦枠13,13のパネル幅方向外側に向く外側面に、後記する表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20cが差し込まれる差込溝13a,13aを全長に亘って設けた構成としている。これらパネル幅方向両側の差込溝13a,13aは、パネル幅方向外側に向けて開口するように設けられている。また、これら差込溝13a,13aを、各縦枠13,13のパネル厚さ方向略中心に位置するように設けた構成としている。これら差込溝13a,13aのパネル幅方向に沿う溝深さ寸法及びパネル厚さ方向に沿う溝幅寸法は、表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20cの差込性や保持性等の観点から適宜の寸法としてもよい。
パネル芯材10のコア材16は、図2(b)に示すように、枠体11で囲まれた空間に充填されるように収容されている。本実施形態では、上記のように上下(パネル長手方向)に間隔を空けて設けられた複数本の横桟15,15によって上下に区画された四周枠12,13,13,14内の各空間のそれぞれにコア材16を収容させた構成としている。このコア材16のパネル厚さ方向に沿う寸法は、枠体11のパネル厚さ方向に沿う寸法と略同寸法とされている。このようなコア材16としては、発泡ウレタン等の発泡樹脂系材料から成形された発泡成形体からなるものでもよいが、本実施形態では、パネル厚さ方向両側に開口する多数の中空筒状セルの集合体からなるハニカム状のコア材16としている。つまり、コア材16を、いわゆるペーパーコアとしている。また、このようなコア材16としては、段ボール原紙やクラフト紙等の紙材を接着剤で重積接着して形成されたものでもよい。また、コア材16としては、このような紙材に、エポキシ樹脂等の補強用の樹脂を更に含浸させたものでもよく、その他、アルミ材等の金属系材料や硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂系材料から形成されたものでもよい。
また、図例では、コア材16の中空筒状セルを模式的に示しており、パネル幅方向に厚さ方向を沿わせた薄シート間に波形部(コルゲート部)を設けたものを例示しているが、このような態様に限られない。このコア材16としては、中空筒状セルが蜂の巣状(六角状)とされたものや、方形状とされたもの、円筒形状とされたもの等、中空筒状セルのセル形状が種々の形状とされたものでもよい。また、このコア材16は、ステイプル等の止具や接着剤等によって枠体11に固定されたものでもよい。なお、このコア材16の中空筒状セルのセルサイズ(セル径、セル幅)は、軽量化を図る観点や強度上の観点等から適宜のサイズとしてもよく、1mm以上100mm以下としてもよく、好ましくは、5mm以上15mm以下としてもよい。
表面化粧パネル20は、薄板状とされている。この表面化粧パネル20は、種々の化粧パネル1の化粧面を構成する表面材として従来から用いられているMDF等の木質系材料を基材とする表面材と同様な厚さ(例えば、3mm程度)とされたものでもよいが、用途等に応じて適宜の厚さとされたものでもよい。例えば、この表面化粧パネル20の厚さを、0.5mm〜5.0mm程度としてもよく、好ましくは1.0mm以上3.0mm以下としてもよく、より好ましくは1.5mm以上2.0mm以下としてもよい。
本実施形態では、表面化粧パネル20の化粧層を、凹凸樹脂層23とによって凹凸樹脂シート21を構成する薄シート状とされた化粧シート22としている。
凹凸樹脂シート21を構成する化粧シート22としては、天然木材(銘木)から形成された突板等の単板(化粧単板)や、木目柄等の種々の柄(模様)が印刷された化粧印刷紙や合成樹脂系の樹脂シート(フィルム)等としてもよい。化粧シート22を構成する樹脂フィルムとしては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ウレタン樹脂フィルム等が例示される。また、樹脂フィルムの厚さとしては、例えば、0.02mm〜1.0mm、好ましくは0.05mm〜0.2mmの範囲が例示される。
また、化粧シート22を構成する化粧単板の厚さとしては、例えば、0.2mm〜1.0mmの範囲が例示される。また、化粧シート22を化粧単板とする場合には、化粧単板の裏面側に接着剤を介して不織布等の裏打ち材が貼着されたものでもよい。この場合の接着剤としては、化粧単板に水分が移行しにくい非水溶性接着剤が好ましく例示される。非水溶性接着剤としては、例えば、溶液型のアクリル共重合体、合成ゴム系の接着剤、熱可塑性合成樹脂であるホットメルト系の接着剤を単独または2種類以上を併用したもの等を例示することができる。ホットメルト系接着剤としては、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)やウレタン系ホットメルト(PUR)等が例示される。また、エポキシ樹脂系、ウレタン系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系の接着剤等を単独または2種類以上を併用したものを例示することができる。
また、凹凸樹脂シート21を構成する凹凸樹脂層23は、化粧シート22の厚さ方向一方側となる裏面側の略全面に亘って裏打ち材(バッカー材)状に設けられている。この凹凸樹脂層23と化粧シート22とは、上記同様な種々の接着剤を介して積層一体化されたものでもよい。また、この凹凸樹脂層23は、後記する繊維強化樹脂層27に含まれる強化繊維を含んでいない構成とされている。この凹凸樹脂層23を構成する熱可塑性樹脂としては、成形性や衝撃強さに優れ、線膨張係数の小さいものが好ましく、例えば、ポリプロピレン樹脂やABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられ、その他、種々の熱可塑性樹脂でもよい。
この凹凸樹脂層23の化粧シート22側に向く厚さ方向他方側面としての平坦状表面23aは、全面に亘って平坦面状とされている。
また、この凹凸樹脂層23の反化粧シート側、つまり、繊維強化樹脂層27側となる厚さ方向一方側(裏面側)には、厚さ方向に突出する多数の凸部24が設けられている。つまり、凹凸樹脂層23の裏面側には、多数の凸部24間に厚さ方向に凹む多数の凹部25が設けられている。本実施形態では、これら凸部24の厚さ方向一方側に向く突出方向先端面を、上記のように平坦面状とされた平坦状表面23aに平行状の平坦面状とされた平坦状先端面24aとしている。また、本実施形態では、凹凸樹脂層23の凸部24を、それぞれが一方向に延びるようにかつ互いに平行状に設けられた多数の凸条としている。つまり、多数の凸部24間に設けられる多数の凹部25は、それぞれが一方向に延びるようにかつ互いに平行状に設けられた多数の凹溝状とされている。この凹部25の溝底は、平坦状先端面24aに平行状の平坦面状とされている。
また、本実施形態では、凸部24を、長手方向(凸条の延びる方向)に見て、突出方向先側に向かうに従い先細状としている。つまり、凸部24の並列方向に沿う方向となる幅方向両側面を、平坦状先端面24aから凹部25の溝底に向かうに従い下るように傾斜する傾斜面としている。また、図例では、凸部24を、長手方向に見て、略等脚台形状とした例を示している。なお、凸部24の長手方向に見た形状は、このような形状に限られず、その他の形状としてもよい。
また、これら凸部24及び凹部25の長手方向に見た形状は、これらの長手方向の全長に亘って一様な形状とされている。本実施形態では、各凸部24を、長手方向に見て互いに略同寸同形状とし、各凹部25を、長手方向に見て互いに略同寸同形状としている。つまり、各凸部24は、突出寸法及び幅寸法が互いに略同寸法とされている。また、各凹部25は、溝深さ寸法及び溝幅寸法が互いに略同寸法とされている。つまりは、複数本の凸条状とされた凸部24は、略等間隔を空けて(略等ピッチで)設けられている。
凹部25の溝深さ寸法(凸部24の突出寸法)や溝幅寸法は、表面化粧パネル20の剛性を確保する観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。この凹部25の溝深さ寸法や溝幅寸法は、凹部25が設けられた部位に表面化粧パネル20の表面(化粧シート22)側から厚さ方向に荷重を掛けられた際に、凹み難いように適宜の寸法としてもよい。
例えば、凹部25の溝深さ寸法は、凹凸樹脂層23の最も厚さ寸法が大の部分(凸部24の部分)の厚さ寸法(凹凸樹脂層23の総厚さ寸法)の1/10〜7/10程度の寸法としてもよい。つまり、凹凸樹脂層23の凹部25の溝底を構成する部位の厚さ寸法を、凹凸樹脂層23の総厚さ寸法の3/10〜9/10程度の寸法としてもよい。
本実施形態では、凹部25の溝深さ寸法を、凹凸樹脂層23の総厚さ寸法の1/2以上の寸法としている。図例では、凹部25の溝深さ寸法を、凹凸樹脂層23の総厚さ寸法の3/5程度の寸法とした例を示している。
また、凹部25の溝幅寸法は、例えば、1.0mm〜8.0mm程度としてもよく、好ましくは、2.0mm〜4.0mm程度としてもよい。
また、凸部24の幅寸法は、上記同様な観点等から適宜の寸法としてもよい。例えば、凸部24の幅寸法を、凹部25のピッチ(隣り合う凹部25,25の溝幅方向中心間寸法)が2.0mm〜10.0mm程度となるように、凹部25の溝幅寸法等に応じて適宜の寸法としてもよい。また、凸部24の幅寸法(最も幅寸法が小さい部分(先端部)の幅寸法)を、凹部25の溝幅寸法(最も溝幅寸法が大きい部分(開口部)の幅寸法)の1/2以上の寸法としてもよく、好ましくは、2/3以上の寸法としてもよい。図例では、凸部24の最も幅寸法が小さい部分となる先端部の幅寸法を、凹部25の最も溝幅寸法が大きい部分となる開口部の幅寸法と概ね同寸法とした例を示している。
また、この凹凸樹脂層23の総厚さ寸法は、寸法安定性の観点や、また、当該表面化粧パネル20が上記のような厚さ寸法となるように、後記する繊維強化樹脂層27の厚さ寸法に応じて、適宜の寸法としてもよい。この凹凸樹脂層23の総厚さ寸法は、例えば、0.5mm〜2.0mm程度としてもよく、好ましくは1.5mm以下としてもよく、より好ましくは1.0mm程度としてもよい。また、この凹凸樹脂層23の総厚さ寸法を、後記する繊維強化樹脂層27の厚さ寸法と略同寸法としてもよく、図例では、繊維強化樹脂層27の厚さ寸法よりも大としている。
また、本実施形態では、これら凸部24及び凹部25の長手方向(上記一方向)を、表面化粧パネル20の長手方向(化粧パネル1の長手方向(高さ方向))に沿わせた構成としている。つまり、凸条状とされた凸部24及び凹溝状とされた凹部25を、表面化粧パネル20の長手方向(化粧パネル1の長手方向)に延びるように全長に亘って設けた構成としている。
なお、この凹凸樹脂層23は、上記のような種々の熱可塑性樹脂を樹脂主成分とする樹脂組成物から射出成形や押出成形等によって成形されたものでもよい。上記のように凸部24及び凹部25を全長に亘って設けた場合には、凹凸樹脂層23を、押出成形等によって成形するようにしてもよい。
凹凸樹脂シート21の厚さ方向一方側となる裏面側に設けられる繊維強化樹脂層27は、薄平板状(シート状)とされ、図3(a)〜(c)に示すように、繊維シート26に、未硬化の樹脂組成物2が含浸されこの樹脂組成物2が硬化した構成とされている。この繊維強化樹脂層27の厚さは、化粧パネル1の用途等に応じて選択される繊維シート26の種類や目付、厚さ等に応じて、適宜の厚さとしてもよい。この繊維強化樹脂層27の厚さは、例えば、0.1mm〜2.0mm程度でもよく、好ましくは0.5mm〜1.5mm程度でもよい。
また、繊維強化樹脂層27は、熱硬化性樹脂を樹脂主成分としている。この繊維強化樹脂層27を構成する未硬化の樹脂組成物2(図3(a)参照)としては、無発泡性または低発泡性の樹脂が例示される。この樹脂組成物2の発泡倍率は、その種類にもよるが、発泡倍率が7倍以下、より好ましくは5倍以下の低発泡性のものでもよい。また、樹脂組成物2としては、発泡倍率が1倍〜5倍、より好ましくは1倍〜3倍、さらに好ましくは1倍〜2倍のものでもよい。
また、樹脂組成物2としては、比較的に低温(例えば、40℃以上90℃以下、好ましくは80℃以下)で硬化する低温硬化性の熱硬化性樹脂としてもよい。これによれば、低温で硬化させることができる。また、後記するように、凹凸樹脂シート21と繊維強化樹脂層27とを、繊維強化樹脂層27を構成する樹脂組成物2によって接合する場合にも、凹凸樹脂シート21への熱負荷を軽減することができ、表面外観の劣化を抑制することができる。
例えば、この樹脂組成物2の樹脂主成分としては、ウレタン(ポリウレタン)樹脂やフェノール樹脂等の種々の熱硬化性樹脂を単独または2種類以上を併用したものが例示されるが、本実施形態では、ポリウレタン樹脂としている。これによれば、凹凸樹脂シート21への接着性に優れ、繊維への含浸性にも優れたものとなる。また、このようなポリウレタン樹脂としては、耐水性を有したエーテル系やひまし油系のポリウレタン樹脂が好ましく例示される。なお、樹脂組成物2には、硬化剤や難燃材等の各種添加剤を添加することができる。
また、繊維強化樹脂層27に含まれる樹脂の質量、つまり、繊維強化樹脂層27に含まれる樹脂を構成する未硬化の樹脂組成物2の質量と繊維強化樹脂層27に含まれる繊維の質量との質量比は、例えば、1:2.5〜1:6としてもよい。つまりは、繊維強化樹脂層27に含まれる樹脂の質量1g/mに対する繊維の質量を、2.5〜6g/mとしてもよい。
この繊維強化樹脂層27に含まれる樹脂(未硬化の樹脂組成物2)の質量は、上記のような質量比となるように、繊維強化樹脂層27に含まれる繊維の質量や、繊維強化樹脂層27の目標とする質量や厚さ等に応じて適宜の質量としてもよい。例えば、樹脂組成物2の質量(単位面積(1m)当たりの質量)を、80g/m以上としてもよく、好ましくは100g/m以上としてもよい。また、軽量化を図る観点やコスト等の観点からは、樹脂組成物2の質量を、500g/m以下としてもよく、好ましくは400g/m以下としてもよい。
また、繊維強化樹脂層27に含まれる繊維の質量(単位面積(1m)当たりの質量)は、上記のような質量比となるように、樹脂組成物2の質量に応じて適宜の質量としてもよい。この繊維強化樹脂層27に含まれる繊維の質量を、例えば、100g/m以上としてもよく、好ましくは600g/m以上としてもよく、1500g/m以下としてもよい。また、これら繊維及び樹脂の質量を、繊維強化樹脂層27全体の質量が1600g/m以下となるような質量としてもよい。
繊維シート26としては、ガラス繊維や炭素繊維、鉱物繊維等の強化繊維の織布や不織布、マット等が例示される。ガラス繊維の織布としては、例えば、縦糸及び横糸にガラスロービングを用いて製織した平織、絡み織等の織物であるガラスクロス等が例示される。ガラス繊維の不織布としては、例えば、長さ約10mmのガラス繊維を水中分散させた後に、湿式抄紙法によってすくい取り、脱水、シート化させて、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の接着剤を塗布したものであるガラスペーパー等が例示される。ガラス繊維のマットとしては、長繊維状(例えば、長さ30mm前後、好ましくは長さ50mm前後)に切断したガラスストランドを、無方向に均等に分散させ、ポリエステルバインダー等の結合剤を用いてマット状に成形したものであるガラスマット等が例示される。
また、繊維シート26の厚さとしては、例えば、0.1mm〜0.5mmの範囲が例示される。また、繊維シート26をガラスマットとした場合には、厚さを、0.3mm〜0.5mm程度としてもよく、ガラスクロスとした場合には、厚さを、0.1mm〜0.3mm程度としてもよい。また、ガラスクロスの密度としては、例えば、30〜120本/25mmのものが例示される。また、ガラスクロスを構成するガラス糸の番手(太さ)としては、例えば、67〜135tex(g/1000m)の範囲が例示される。
繊維シート26の目付としては、例えば、100g/m以上2000g/m以下の範囲が例示され、好ましくは150g/m以上としてもよい。
この繊維シート26の目付が小さ過ぎれば、強度が低下する傾向がある一方、大き過ぎれば、重くなる傾向がある。繊維シート26としてガラスクロスを用いる場合は、目付を200g/m以上としてもよい。また、繊維シート26としてガラスペーパーを用いる場合は、目付を50g/m以上としてもよい。また、繊維シート26としてガラスマットを用いる場合は、目付を100g/m以上としてもよい。また、繊維シート26としては、このようなガラス繊維シートのうちガラスマットまたはガラスクロスが好ましい。
また、繊維シート26としては、上記のような目付範囲となるように複数枚のガラス繊維の織布、不織布またはマット(ガラス繊維シート)を積層したものや、ガラス繊維シートと、植物繊維の織布、不織布、フィルム、紙またはマットと、が積層されたものでもよい。植物繊維としては、植物繊維マットや製紙に用いられる植物繊維であれば特に限定されないが、繊維シート26の強度や耐久性、寸法安定性等を考慮すると、麻系天然繊維、シ繊維または農産廃棄物繊維のいずれか1種以上であることが好ましい。
また、繊維シート26への未硬化の樹脂組成物2の含浸は、樹脂組成物2を貯留する容器内に繊維シート26を浸漬させた後に、余剰分を適宜、絞り取る態様や、繊維シート26にスプレーやローラー等によって塗布する態様としてもよい。
なお、繊維強化樹脂層27及び凹凸樹脂層23のうちの両方または一方に、遮光性顔料を含有させた構成としてもよい。このような遮光性顔料としては、黒色顔料や、黒色以外の赤色や青色等の他の色の比較的に濃色な顔料、複数色の顔料を混合した顔料などでもよく、比較的に隠蔽性の高い淡色な顔料が挙げられる。また、遮光性顔料としては、隠蔽性や分散性の良好な顔料が好ましく採用され、隠蔽性の観点からは、無機顔料としてもよい。このような隠蔽性や分散性等の観点から遮光性顔料としてカーボンブラックを採用するようにしてもよい。また、カーボンブラック以外の黒色顔料としては、グラファイトなどの炭素系黒色顔料や、鉄や銅、クロムなどの酸化物からなる酸化物系黒色顔料、チタンブラックなどが挙げられるが、その他、種々の黒色顔料でもよい。比較的に濃色な顔料としては、弁柄等の酸化鉄が挙げられ、また、隠蔽性の高い淡色な顔料としては、酸化チタンや亜鉛華(酸化亜鉛)が挙げられるが、その他、種々の顔料でもよい。また、遮光性顔料の含有率は、遮光性が付与されるように適宜の含有率としてもよい。
本実施形態では、上記のような構成とされた表面化粧パネル20を、図1に示すように、パネル幅方向両端面に継目が位置するようにパネル芯材10のパネル厚さ方向両側のそれぞれに対状に設けた構成としている。つまり、2枚の表面化粧パネル20,20を設けた構成としている。また、これら2枚の表面化粧パネル20,20を、化粧パネル1の四周表面(厚さ方向両面及び幅方向両端面)が化粧面となるように、パネル芯材10の四周表面(パネル厚さ方向両面及びパネル幅方向両端面)に設けた構成としている。
これら表面化粧パネル20,20は、互いに同様の構成とされ、パネル芯材10の角部に応じた位置となるように、厚さ方向一方側となる裏面側に折曲溝(角部折曲溝)28,28,28,28を設けた構成とされている。また、本実施形態では、これら表面化粧パネル20,20の裏面側に、角部折曲溝28,28,28,28に加えて、パネル芯材10の差込溝13a,13aの両開口縁に応じた位置となるように、端部折曲溝29,29,29,29を設けた構成としている。
これら角部折曲溝28及び端部折曲溝29は、少なくとも化粧シート22を残すように各表面化粧パネル20,20の裏面側に設けられている。
各表面化粧パネル20,20は、これら角部折曲溝28及び端部折曲溝29の部位において残存する少なくとも化粧シート22の部位がヒンジ部(折曲部)のように機能し、これらの部位において折り曲げ可能とされている。
また、本実施形態では、これら角部折曲溝28及び端部折曲溝29を、溝底が凹凸樹脂層23に位置するように設けた構成としている(図1(b)参照)。つまり、これら角部折曲溝28及び端部折曲溝29を、溝底が凹凸樹脂層23に留まり、化粧シート22に達しないように、かつ繊維強化樹脂層27の厚さ方向の全体に亘って設けた構成としている。
また、本実施形態では、これら角部折曲溝28及び端部折曲溝29を、凹凸樹脂層23の凸部24が設けられた部位に位置するように設けた構成としている。つまり、上記のように凸条状とされた凸部24が設けられた部位に凸部24の長手方向に沿って延びるように角部折曲溝28及び端部折曲溝29を設けた構成としている。また、角部折曲溝28及び端部折曲溝29を、これら角部折曲溝28及び端部折曲溝29の溝内面において凹部25が露出しないように設けた構成としている。
また、これら角部折曲溝28及び端部折曲溝29が設けられた部位の凹凸樹脂層23の厚さ、つまり、溝底側の残り厚さは、上記のようにヒンジ部として機能するように、化粧シート22の厚さや凹凸樹脂層23の厚さに応じて、適宜の厚さとしてもよい。図例では、凹凸樹脂層23の溝底側の残り厚さを、凹凸樹脂層23の凹部25の溝底を構成する部位の厚さの1/2程度とした例を示しているが、このような厚さに限られない。
角部折曲溝28,28は、パネル芯材10の厚さ方向一方面に沿わせられる表面化粧パネル20の表面側片部20aと、パネル芯材10の幅方向各端面に沿わせられる側端面片部20b,20bと、の境界部に位置するように設けられている。
端部折曲溝29,29は、側端面片部20b,20bと、パネル芯材10の差込溝13a,13aに差し込まれる差込片部20c,20cと、の境界部に位置するように設けられている。パネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20c,20c,20cは、パネル芯材10の差込溝13a,13aに嵌め込まれるように納められる。
また、本実施形態では、角部折曲溝28,28を、これら角部折曲溝28,28において折り曲げられて形成された角部が略直角状となるように表面化粧パネル20の裏面側に設けた構成としている。図例では、これら角部折曲溝28,28を、溝長手方向に見て略V字溝状とされた単一の溝からなるものとした例を示している。なお、このような態様に代えて、これら角部折曲溝28,28において折り曲げられて形成された角部がR面取り形状やC面取り形状となるように、これら角部折曲溝28,28のそれぞれを、複数条の溝からなるものとしてもよい。また、端部折曲溝29,29は、これら端部折曲溝29,29において折り曲げられて形成された角部が略直角状となるように表面化粧パネル20の裏面側に設けられている。
上記構成とされたパネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20がパネル芯材10の四周表面に貼着されて当該化粧パネル1の四周表面が化粧面とされる。これら表面化粧パネル20,20のパネル芯材10への貼着は、上記同様な適宜の接着剤等を用いてなされたものでもよい。
次に、本実施形態に係る表面化粧パネル20を製造する表面化粧パネル製造方法の一例について、図3を参照して説明する。
同表面化粧パネル製造方法は、上記した凹凸樹脂シート21の厚さ方向一方側となる裏面側に、繊維シート26を含む平板状の繊維強化樹脂層27を積層一体化して表面化粧パネル20を製造する構成とされている。
また、同製造方法では、互いに向き合う面が平坦面とされた上下の成形型3,4を用いて表面化粧パネル20を製造する構成としている。このような成形型3,4としては、樹脂組成物2の種類にもよるが、硬化に加熱を要する場合には、ヒーターや熱媒体が流通される媒体流通路が設けられたものでもよい。つまり、成形型3,4を、ホットプレスとしてもよい。
まず、図3(a)に示すように、上下の成形型3,4のうちの下成形型3の上面に、繊維シート26を配し、未硬化の樹脂組成物2を供給する構成としている。この樹脂組成物2の供給は、一様な塗布量でスプレーやローラー等を用いて塗布するようにしてもよい。
そして、図3(b)、(c)に示すように、凹凸樹脂シート21を、裏面側の凹凸樹脂層23の凸部24の平坦状先端面24aを繊維強化樹脂層27(または未硬化の樹脂組成物2)に当接させるようにして載置し、上下の成形型3,4によって圧締する。凹凸樹脂シート21と繊維強化樹脂層27とは、繊維強化樹脂層27を構成する樹脂組成物2が硬化する前に凹凸樹脂シート21を載置し、この樹脂組成物2によって積層一体化されるものでもよい。または、凹凸樹脂シート21と繊維強化樹脂層27とは、繊維強化樹脂層27を構成する樹脂組成物2を硬化させた後に、適宜の接着剤によって積層一体化されるものでもよい。
なお、上下の成形型3,4のうち、未硬化の樹脂組成物2が付着する可能性がある面に、適宜の離型剤を塗布しておくようにしてもよい。また、適宜のプレス圧で圧締するようにしてもよい。また、必要に応じて加熱し、樹脂組成物2を硬化させるようにしてもよい。
また、上記した本実施形態に係る表面化粧パネル製造方法の各工程や順序等は一例に過ぎず、別順序でなされるものでもよく、種々の変形が可能である。例えば、上記のような態様に代えて、凹凸樹脂層23側を上方側に向けて下成形型3に載置した凹凸樹脂シート21上に、繊維シート26を載置し、凹凸樹脂シート21の厚さ方向一方側に繊維強化樹脂層27を形成するようにしてもよい。この場合、凹凸樹脂シート21上に、予め樹脂組成物2が含浸された繊維シート26を載置するようにしてもよく、または、繊維シート26を載置した後に樹脂組成物2を塗布するようにしてもよい。また、上記のようにバッチ成形的に製造する態様に限られず、連続成形的に製造するような態様としてもよい。例えば、長尺状とされた凹凸樹脂シート21を搬送しながら樹脂組成物2や繊維シート26を供給し、圧締し、適宜、裁断等として表面化粧パネル20を製造するような態様等としてもよく、その他、種々の変形が可能である。
また、必要に応じて、上記のような折曲溝28,29を切削等によって表面化粧パネル20の裏面側に設けるようにしてもよい。また、表面化粧パネル20をパネル芯材10に貼着し、化粧パネル1を製造するようにしてもよい。
上記のような製造方法によれば、表面化粧パネル20を効果的に製造することができる。
つまり、化粧層を構成する化粧シート22の裏面に未硬化の樹脂組成物等を供給するようなものと比べて、化粧層を構成する比較的に薄い化粧シート22の外観劣化等を生じ難くすることができる。また、化粧シート22を有した凹凸樹脂シート21が凹凸樹脂層23によって言わば裏打ちされているので、取扱性が良く、容易に成形することができる。また、凹凸樹脂シート21の基材を、熱可塑性樹脂を樹脂主成分とする凹凸樹脂層23としているので、熱硬化性樹脂層とした場合と比べて、柔軟であり、ロール状に巻いた状態とされた凹凸樹脂シート21を繰り出しながら供給して連続成形的に製造するようなことも容易に可能となる。
また、上述のような構成とされた本実施形態に係る表面化粧パネル20及びこれを備えた化粧パネル1は、変形の抑制が可能で、かつ表面外観を向上させることができる。
つまり、厚さ方向一方側に厚さ方向に突出する多数の凸部24が設けられた凹凸樹脂層23の平坦面状とされた厚さ方向他方側に化粧層としての化粧シート22を設けた構成としている。従って、化粧シート22の表面側において凸部24による凹凸が目立ち難くなり、表面外観を向上させることができる。また、凹凸樹脂層23の凸部24側となる厚さ方向一方側に、繊維シート26を含む平板状の繊維強化樹脂層27を設けた構成としている。従って、軽量化を図ることが可能でありながらも、適度な厚さを確保することができ、また、剛性を向上させることができる。つまり、凹凸樹脂層23を設けているので必要となる樹脂量の低減化を図りながらも、厚さを確保することができ、また、繊維強化樹脂層27を設けているので、必要となる樹脂量の低減化を図りながらも、剛性を向上させることができる。また、従来のMDF等の木質板を基材としたものと比べて、反り等の変形を生じ難くすることができる。
また、本実施形態では、凹凸樹脂層23の凸部24を、それぞれが一方向に延びるようにかつ互いに平行状に設けられた多数の凸条によって構成している。従って、凹凸樹脂層23の厚さ方向一方側に一方向に延びる多数の凹溝状の凹部25が設けられることとなる。これにより、凹凸樹脂層23を、例えば、押出成形等によって容易に成形することができる。また、凹凸樹脂層23を一方向に直交する方向に巻き取り易くなり、凹凸樹脂層23の取扱性や搬送性等を向上させることができ、表面化粧パネル20の製造性を向上させることができる。また、上述のように、凸条状とされた凸部24が設けられた部位に凸部24の長手方向に沿って延びるように折曲溝28,29を設けることができる。このような構成とすれば、凸部24を点在状に設けたり、凹部25が設けられた部位に折曲溝28,29を設けたものと比べて、折り曲げられた際に当接される折曲溝28,29の溝内面同士の接着面積を大きくすることができる。これにより、折曲溝28,29の部位において折り曲げられて形成された角部の強度を向上させることができる。
また、本実施形態では、繊維強化樹脂層27に含まれる樹脂主成分を、熱硬化性樹脂としている。従って、繊維強化樹脂層27に含まれる樹脂主成分を熱可塑性樹脂としたものと比べて、耐熱性や剛性を向上させることができる。なお、このような態様に代えて、繊維強化樹脂層27に含まれる樹脂主成分を、凹凸樹脂層23と同様な熱可塑性樹脂としてもよい。
また、本実施形態では、凹凸樹脂層23の凸部24の厚さ方向一方側に向く突出方向先端面としての平坦状先端面24aを、平坦面状とされた当該凹凸樹脂層23の厚さ方向他方側面としての平坦状表面23aに平行状の平坦面状としている。従って、凹凸樹脂層23の凸部24の先端部を尖頭形状や凸湾曲形状等としたものと比べて、繊維強化樹脂層27を凸部24の平坦状先端面24aに安定的に貼着することができる。なお、このような態様に代えて、凹凸樹脂層23の凸部24の先端部を尖頭形状や凸湾曲形状等としてもよい。
また、本実施形態では、厚さ方向一方側となる裏面側に、溝底が凹凸樹脂層23に位置するように折曲溝28,29を設けた構成としている。従って、当該表面化粧パネル20の取付対象に角部があるような場合にも、折曲溝28,29の箇所で折り曲げて一連状に覆うことができる。これにより、複数枚の表面化粧パネル2を取付対象の角部において突き合わせたりするようなものと比べて、角部における見栄えを向上させることができる。また、折曲溝28,29を、溝底が凹凸樹脂層23に位置するように設けているので、折り曲げられた角部において繊維強化樹脂層27に含まれる繊維による凹凸等が生じ難くなり、角部表面の外観を向上させることができる。
また、本実施形態に係る化粧パネル1は、パネル芯材10と、このパネル芯材10に貼着される表面化粧パネル20と、を備えた構成とされている。従って、上記のように反り等の変形が抑制され、表面外観の良好な表面化粧パネル20によって化粧面が構成されるので、内装パネルや家具材等として好適なものとなる。これにより、例えば、当該化粧パネル1を、天井高程度の戸高寸法とされたハイドアとした場合にも、パネル芯材10にフレーム状の金属製の補強材等を設ける必要性を生じ難くすることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10の角部に応じた位置となるように角部折曲溝28が設けられた表面化粧パネル20をパネル芯材10に貼着した構成としている。従って、上記のように、角部表面の外観を向上させることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10のパネル厚さ方向両側のそれぞれに表面化粧パネル20,20を設けた構成としている。従って、パネル厚さ方向両面側を、上記のような外観を向上させた化粧面とすることができ、また、反り等の変形をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10を、四周枠12,13,13,14を含む枠体11で囲まれた空間にコア材16が収容された構成としている。従って、パネル芯材10をコア材16のみや三辺以下に桟材を設けたようなものとした場合と比べて、強度を向上させることができ、化粧パネル1を建具等として好適に用いることができる。また、中実状のパネル芯材10としたものと比べて、軽量化を図ることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10の両側端部に、パネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20c,20c,20cが差し込まれる差込溝13a,13aを設けた構成としている。従って、表面化粧パネル20,20の端部を突き合わせて納めるようなものと比べて、表面化粧パネル20,20同士の継目を見栄え良く納めることができる。なお、このような態様に代えて、パネル厚さ方向一方側の表面化粧パネル20とパネル厚さ方向他方側の表面化粧パネル20とを、パネル幅方向の各端面において突き合わせたり、重ね合わせたりして納めるような態様等としてもよい。また、パネル厚さ方向一方側の表面化粧パネル20のみによってパネル幅方向の端面を覆うような態様等としてもよい。この場合は、パネル厚さ方向他方側の表面化粧パネル20には、折曲溝を設けないようにしてもよい。
また、パネル厚さ方向両側に別体状に表面化粧パネル20,20をそれぞれに設けた態様に代えて、一連状の表面化粧パネル20によってパネル芯材10の四周表面を覆うような態様としてもよい。この場合は、パネル芯材10の一方側端部のみに差込溝13aを設けた態様としてもよい。また、表面化粧パネル20,20に折曲溝28,29を設けた態様に代えて、パネル芯材10の幅方向両端面を覆うように延出された化粧シート22,22が折り曲げ貼着されてパネル芯材10の幅方向両端面が覆われるものとしてもよい。この場合は、化粧シート22,22の端部が差し込まれる適宜の差込溝をパネル芯材10に設けた構成としてもよい。
また、パネル芯材10の四周表面を表面化粧パネル20によって覆った態様に代えて、パネル厚さ方向両面のみを表面化粧パネル20によって覆った態様としてもよい。この場合は、パネル芯材10のパネル幅方向の各端面を、別途のエッジシート等によって覆うような態様としてもよく、また、パネル幅方向の各端面を化粧面とせずに、パネル芯材10を露出させた態様等としてもよい。
また、上記のようにパネル芯材10のパネル厚さ方向両側に同様の表面化粧パネル20,20を設けた構成に代えて、パネル厚さ方向一方側のみに上記のような表面化粧パネル20を設けた構成としてもよい。この場合は、パネル厚さ方向他方側に、化粧シート22を設けていない凹凸樹脂層23と繊維強化樹脂層27とを設けたり、他の表面材を設けたりしてもよく、さらには、パネル芯材10を露出させた構成としてもよい。
また、本実施形態では、パネル芯材10の枠体11内にコア材16を収容させた構成とした例を示しているが、このようなコア材16を設けていない構成としてもよい。また、本実施形態では、パネル芯材10の桟材を、四周枠を構成する枠体11とした例を示しているが、三方枠状としたり、左右の縦枠13,13のみを桟材としたり、上下の横枠12,14のみを桟材としたりしてもよく、その他、種々の変形が可能である。
また、上記のような表面化粧パネル20は、化粧パネル1の化粧面を構成するように設けられたものに限られず、例えば、既設の開口枠や窓枠、廻縁、巾木等の既設内装建材を覆うカバー等として用いられるものでもよい。
また、上記した例では、表面化粧パネル20の化粧層を、化粧シート22とした例を示しているが、このような態様に限られず、塗膜層等としてもよい。
また、本実施形態では、凹凸樹脂層23の各凸部24を、長手方向に見て互いに略同寸同形状とし、各凹部25を、長手方向に見て互いに略同寸同形状とした例を示しているが、長手方向に見て異なる形状としてもよい。
また、本実施形態では、凸条状の凸部24及び凹溝状の凹部25を、表面化粧パネル20の長手方向(化粧パネル1の長手方向)に延びるように設けた例を示しているが、表面化粧パネル20の幅方向(化粧パネル1の幅方向)に延びるように設けた構成としてもよい。さらには、凸部24及び凹部25を、このように一方向に延びるように設けた態様に代えて、凸部24を点在状に設けた構成としてもよい。例えば、多数の凸部24を、正方配列状や格子配列状、千鳥配列状等の規則的な配列となるように設けた構成としてもよく、略等間隔を空けて(略等ピッチで)設けた構成としてもよい。当該表面化粧パネル20を構成する各部の具体的構成としては、上記したような態様に限られず、その他、種々の変形が可能である。
1 化粧パネル
10 パネル芯材
20 表面化粧パネル
21 凹凸樹脂シート
22 化粧シート(化粧層)
23 凹凸樹脂層
23a 平坦状表面(厚さ方向他方側面)
24 凸部
24a 平坦状先端面(突出方向先端面)
26 繊維シート
27 繊維強化樹脂層
28 角部折曲溝(折曲溝)
29 端部折曲溝(折曲溝)

Claims (7)

  1. 厚さ方向一方側に厚さ方向に突出する多数の凸部が設けられ、熱可塑性樹脂を樹脂主成分とする凹凸樹脂層と、該凹凸樹脂層の平坦面状とされた厚さ方向他方側に設けられた化粧層と、前記凹凸樹脂層の厚さ方向一方側に設けられ、繊維シートを含む平板状の繊維強化樹脂層と、を備えていることを特徴とする表面化粧パネル。
  2. 請求項1において、
    前記凹凸樹脂層の凸部は、それぞれが一方向に延びるようにかつ互いに平行状に設けられた多数の凸条からなることを特徴とする表面化粧パネル。
  3. 請求項1または2において、
    前記繊維強化樹脂層に含まれる樹脂主成分は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする表面化粧パネル。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、
    前記凹凸樹脂層の凸部の厚さ方向一方側に向く突出方向先端面は、平坦面状とされた当該凹凸樹脂層の厚さ方向他方側面に平行状の平坦面状とされていることを特徴とする表面化粧パネル。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、
    厚さ方向一方側には、溝底が前記凹凸樹脂層に位置するように折曲溝が設けられていることを特徴とする表面化粧パネル。
  6. パネル芯材と、このパネル芯材に貼着される請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表面化粧パネルと、を備えていることを特徴とする化粧パネル。
  7. 厚さ方向一方側に厚さ方向に突出する多数の凸部が設けられ、平坦面状とされた厚さ方向他方側に化粧層が設けられ、かつ熱可塑性樹脂を樹脂主成分とする凹凸樹脂シートの厚さ方向一方側に、繊維シートを含む平板状の繊維強化樹脂層を積層一体化して表面化粧パネルを製造することを特徴とする表面化粧パネル製造方法。
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