JP6685030B2 - 表面化粧パネル、これを備えた化粧パネル及びパネル製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、多数の凹凸を有する熱可塑性樹脂シートの片面に、金属板やFRPを貼合してなる複合プラスチック構造板が開示されている。
図1〜図6は、第1実施形態に係る表面化粧パネルの一例、これを備えた化粧パネルの一例及びパネル製造方法の一例を模式的に示す図である。
また、本実施形態に係る化粧パネル1は、図1に示すように、この表面化粧パネル20を、パネル芯材10に貼着した構成とされている。また、パネル芯材10のパネル厚さ方向両側に表面化粧パネル20,20を設けた構成としている。
例えば、化粧パネル1を、建具パネルとして用いられるものとした場合には、当該化粧パネル1の上下寸法(戸高寸法)を1800mm〜3000mm程度とし、戸幅寸法を600mm〜1200mm程度とし、戸厚寸法を20mm〜40mm程度としてもよい。また、この場合には、化粧パネル1の適所に、開閉する際のハンドルや引手等を設けたり、錠装置や、蝶番等の回転連結部材、ランナーや戸車等の走行部材、ガイド溝等を設けたりしてもよい。
枠体11は、四周枠12,13,13,14を構成する上横枠12、左右一対の縦枠13,13及び下横枠14を備えている。また、枠体11は、左右の縦枠13,13に架け渡されるように上下に間隔を空けて設けられた複数本の横桟15,15を備えている。また、図例では、下横枠14の上側に、桟材を積層した構成とされたものとした例を示している。また、下横枠14の左右(長手方向)両端部の上側に、戸車等の走行部材の取付孔の加工下地となる下地部材を積層した例を示している。なお、当該化粧パネル1の用途等に応じて、上横枠12の左右両端部の下側や一方の縦枠13の内方側に、上述のようなランナー等の走行部材やハンドル、錠装置等の取付孔の加工下地や取付下地を設けた構成としてもよい。また、上横枠12の下側にも同様な桟材を設けた構成とされたものとしてもよい。また、枠体11に、横桟15を設けた態様に代えて、または加えて、上下方向に長尺な縦桟を設けた構成としてもよい。
これら四周枠12,13,13,14及び横桟15は、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板や、PB(パーティクルボード)等の木質ボード、MDF(中密度繊維板)やハードボード等の木質繊維板などの木質系材料から形成されたものとしてもよい。また、木質系材料としては、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)としてもよい。また、枠体11は、このような木質系材料から形成されたものに限られず、合成樹脂系材料や金属系材料から形成されたものでもよい。
この表面化粧パネル20を構成する化粧層21は、本実施形態では、薄シート状とされた化粧シート21とされている。この化粧シート21としては、天然木材(銘木)から形成された突板等の単板(化粧単板)や、木目柄等の種々の柄(模様)が印刷された化粧印刷紙や合成樹脂系の樹脂シート(フィルム)等としてもよい。樹脂フィルムとしては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ウレタン樹脂フィルム等が例示される。また、樹脂フィルムの厚さとしては、例えば、0.02mm〜1.0mm、好ましくは0.05mm〜0.2mm、更に好ましくは0.06mm〜0.12mmの範囲が例示される。
また、この表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22(図3(a)参照)は、樹脂主成分が後記する繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24(図3(c)参照)の樹脂主成分と同一とされている。これら樹脂組成物22,24としては、無発泡性または低発泡性の樹脂が例示される。例えば、これら樹脂組成物22,24の樹脂主成分としては、ウレタン(ポリウレタン)樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フェノール樹脂等を単独または2種類以上を併用したものが例示される。
また、これら樹脂組成物22,24としては、比較的に低温(例えば、40℃以上90℃以下、好ましくは80℃以下)で硬化する低温硬化性の熱硬化性樹脂としてもよい。これによれば、低温で硬化させることができ、また、化粧シート(化粧層)21への熱負荷を軽減することができ、表面外観の劣化を抑制することができる。
また、これら樹脂組成物22,24の樹脂主成分としては、ウレタン樹脂が好ましく採用される。これによれば、後記する化粧シート21への接着性に優れ、繊維シート25への含浸性にも優れたものとなる。このようなウレタン樹脂としては、耐水性を有したエーテル系やひまし油系のウレタン樹脂が好ましく例示される。なお、樹脂組成物22,24には、硬化剤や難燃材等の各種添加剤を添加することができる。
また、この繊維強化樹脂層26の厚さとしては、例えば、0.1mm〜1.0mm程度でもよく、好ましくは0.2mm〜0.6mm程度でもよい。本実施形態では、この繊維強化樹脂層26の厚さを、表層側樹脂層23の厚さよりも大としている。例えば、この繊維強化樹脂層26の厚さを、表層側樹脂層23の厚さの2倍〜10倍程度としてもよい。
繊維シート25としては、ガラス繊維や炭素繊維、鉱物繊維等の強化繊維の織布や不織布、マット等が例示される。ガラス繊維の織布としては、例えば、縦糸及び横糸にガラスロービングを用いて製織した平織、絡み織等の織物であるガラスクロス等が例示される。ガラス繊維の不織布としては、例えば、長さ約10mmのガラス繊維を水中分散させた後に、湿式抄紙法によってすくい取り、脱水、シート化させて、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の接着剤を塗布したものであるガラスペーパー等が例示される。ガラス繊維のマットとしては、長繊維状(例えば、長さ30mm前後、好ましくは長さ50mm前後)に切断したガラスストランドを、無方向に均等に分散させ、ポリエステルバインダー等の結合剤を用いてマット状に成形したものであるガラスマット等が例示される。
繊維シート25の目付としては、例えば、100g/m2以上700g/m2以下の範囲が例示され、好ましくは150g/m2以上としてもよい。これによれば、繊維強化樹脂層26に適度な強度を付与することが可能でありながらも、軽量化を図ることができる。
この繊維シート25の目付が小さ過ぎれば、強度が低下する傾向がある一方、大き過ぎれば、重くなる傾向がある。繊維シート25としてガラスクロスを用いる場合は、目付を200g/m2以上としてもよい。また、繊維シート25としてガラスペーパーを用いる場合は、目付を50g/m2以上としてもよい。また、繊維シート25としてガラスマットを用いる場合は、目付を100g/m2以上としてもよい。また、繊維シート25としては、このようなガラス繊維シートのうちガラスマットまたはガラスクロスが好ましい。
また、樹脂組成物24の繊維シート25への含浸は、樹脂組成物24を貯留する容器内に繊維シート25を浸漬させた後に、余剰分を適宜、絞り取る態様や、繊維シート25にスプレーやローラー等によって塗布する態様としてもよい。または、後記する好ましい製法のように、上記した表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22が硬化または半硬化の状態で、その反化粧シート側にスプレーやローラー等によって塗布された樹脂組成物24に繊維シート25を積層することで、繊維シート25に結果的に樹脂組成物24が含浸される態様等としてもよい。
また、この凹凸繊維強化樹脂層32に含まれる繊維シート30としては、上記した繊維強化樹脂層26の繊維シート25として例示したもののうちのいずれかとしてもよい。この繊維シート30としては、好ましくは、上記同様、ガラス繊維シートのうちガラスマットまたはガラスクロスとしてもよく、繊維強化樹脂層26の繊維シート25と同一または同種のものとしてもよく、異種のものとしてもよい。
この繊維シート30に含浸させる樹脂組成物31の量は、上記同様な観点から、適宜の量としてもよく、100g/m2以上300g/m2以下としてもよく、好ましくは150g/m2以上250g/m2以下としてもよい。また、この樹脂組成物31の量を、繊維強化樹脂層26の樹脂組成物24の量と略同量としてもよく、異なる量としてもよい。表層側の強度を向上させる観点等から、この凹凸繊維強化樹脂層32の繊維シート30の目付及び樹脂組成物31の量よりも、繊維強化樹脂層26の繊維シート25の目付及び樹脂組成物24の量を大としてもよく、例えば、1.5倍〜3倍程度としてもよい。
本実施形態では、図4(e)に示すように、凸部34の突出方向先端部(凹部33の底部)となる表面側(繊維強化樹脂層26側)部位を、繊維強化樹脂層26と平行状の表面側平板部としている。また、これら凹部33及び凸部34の周囲に繊維強化樹脂層26と平行状となる裏面側平板部が形成されるように、これら凹部33及び凸部34を、互いに間隔を空けて設けた構成としている。また、凸部34の先端部(凹部33の底部)に連なる側周壁部の厚さ寸法を、表面側平板部及び裏面側平板部の厚さと略同厚さとしている。
この凹凸繊維強化樹脂層32の各部の厚さ寸法は、繊維強化樹脂層26の厚さと略同厚さとしてもよく、異なる厚さとしてもよく、繊維強化樹脂層26の厚さよりも小としてもよい。
また、本実施形態では、多数の凹部33及び凸部34を、互いに同寸同形状とされたものとしている。また、凸部34の先端部及び凹部33の開口を、厚さ方向(表面化粧パネル20の厚さ方向に沿う方向)に見て、略円形状としている(図6(a)参照)。つまり、凸部34を、表面側平板部を底部とする略円筒状としている。
この凸部34のピッチや凸部34の径(基端部外径)は、成形性や、当該凹凸繊維強化樹脂層32と繊維強化樹脂層26との接合性や当該凹凸繊維強化樹脂層32とこれの裏面側の接合対象との接合性等の観点から適宜、設定するようにしてもよい。
また、例えば、多数の凸部34の先端面を足し合わせた面積が凹凸繊維強化樹脂層32を厚さ方向に見た面積の10%以上となるように、これら凹部33及び凸部34を設けた構成としてもよい。また、裏面側平板部の裏面側に向く面の総面積が凹凸繊維強化樹脂層32を厚さ方向に見た面積の60%以上となるように、これら凹部33及び凸部34を設けた構成としてもよい。
また、図6(b)では、凸部34Aのピッチが凸部34Aの径(基端部外径)の略1.5倍とされた凹凸繊維強化樹脂層32Aを例示している。
また、図6(c)では、凸部34Bのピッチが凸部34Bの径(基端部外径)の略4/3倍とされた凹凸繊維強化樹脂層32Bを例示している。これら図6(b)、(c)に示した凹凸繊維強化樹脂層32A,32Bを、凹凸繊維強化樹脂層32に代えて、表面化粧パネル20に設けた構成としてもよい。
また、凸部34,34A,34Bの径やピッチ、配列は、上記した例に限られず、種々の変形が可能である。
また、厚さ方向に見た状態における凸部34,34A,34B(凹部33)の形状も上記した例に限られず、多角形状等とされたものでもよい。つまり、凸部34,34A,34Bを、略多角柱状や略多角錐台状等とされたものとしてもよい。
これら表面化粧パネル20,20は、互いに同様の構成とされ、パネル芯材10の角部に応じた位置となるように、裏面側に折曲溝(角部折曲溝)37,37,37,37を設けた構成とされている。また、本実施形態では、これら表面化粧パネル20,20の裏面側に、角部折曲溝37,37,37,37に加えて、パネル芯材10の差込溝13a,13aの両開口縁に応じた位置となるように、端部折曲溝38,38,38,38を設けた構成としている。
各表面化粧パネル20,20は、これら角部折曲溝37及び端部折曲溝38の部位において残存する少なくとも化粧シート21の部位がヒンジ部(折曲部)のように機能し、これらの部位において折り曲げ可能とされている。
また、本実施形態では、これら角部折曲溝37及び端部折曲溝38を、溝底が表層側樹脂層23に位置するように設けた構成としている(図1(b)参照)。つまり、これら角部折曲溝37及び端部折曲溝38を、溝底が表層側樹脂層23に留まり、化粧シート21に達しないように、かつ凹凸繊維強化樹脂層32及び繊維強化樹脂層26の厚さ方向の全体に亘って設けた構成としている。
また、角部折曲溝37,37は、パネル芯材10の厚さ方向一方面に沿わせられる表面化粧パネル20の表面側片部20aと、パネル芯材10の幅方向各端面に沿わせられる側端面片部20b,20bと、の境界部に位置するように設けられている。
また、端部折曲溝38,38は、側端面片部20b,20bと、パネル芯材10の差込溝13a,13aに差し込まれる差込片部20c,20cと、の境界部に位置するように設けられている。パネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20c,20c,20cは、パネル芯材10の差込溝13a,13aに嵌め込まれるように納められる。
上記構成とされたパネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20がパネル芯材10の四周表面に貼着されて当該化粧パネル1の四周表面が化粧面とされる。これら表面化粧パネル20,20のパネル芯材10への貼着は、上記同様な適宜の接着剤等を用いてなされたものでもよい。
同製造方法は、化粧シート21の裏面側に未硬化の樹脂組成物24を供給した後に、化粧シート21の裏面側に繊維シート25を配して繊維強化樹脂層26を形成する工程を備えている。また、同製造方法は、上記のような多数の凹部33及び凸部34が設けられ、繊維シート30を含む凹凸繊維強化樹脂層32の凸部34を、繊維強化樹脂層26の裏面側に接着する工程を備えている。また、本実施形態では、化粧シート21の裏面に表層側樹脂層23を構成する未硬化の樹脂組成物22を供給した後に、表層側樹脂層23の裏面側に位置するように繊維強化樹脂層26を形成する構成としている。また、本実施形態では、化粧シート21の裏面に表層側樹脂層23及び繊維強化樹脂層26が形成された平板状の表層側シート体の裏面側に、凹凸繊維強化樹脂層32を接着する構成としている。
つまり、図3(b)、(c)に示すように、表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22が硬化または半硬化すれば、繊維強化樹脂層26を構成する未硬化の樹脂組成物24を塗り重ねるように塗布する。そして、図3(d)に示すように、この樹脂組成物24が含浸するように、繊維シート25を積層する。この際、繊維シート25が表層側樹脂層23内に略移動しないように表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22が半硬化または完全硬化した後に、繊維強化樹脂層26を構成する未硬化の樹脂組成物24及び繊維シート25を配するようにしてもよい。
そして、図3(e)に示すように、上下の成形型2,3によって圧締する。この際、上成形型3の下面に、適宜の離型剤を塗布しておくようにしてもよい。また、適宜のプレス圧で圧締するようにしてもよい。また、必要に応じて加熱し、樹脂組成物22,24を硬化させるようにしてもよい。このような工程を経て、化粧シート21、表層側樹脂層23及び繊維強化樹脂層26からなる表層側シート体が形成される。
まず、図4(a)に示すように、下成形型4の上面側に、繊維シート30を載置する。そして、この繊維シート30に、図4(b)に示すように、凹凸繊維強化樹脂層32を構成する未硬化の樹脂組成物31を供給し、樹脂組成物31を繊維シート30に含浸させるようにしてもよい。この樹脂組成物31は、上記同様、スプレーやローラー等を用いて繊維シート30に塗布するようにしてもよい。なお、このような態様に代えて、樹脂組成物31を貯留する容器内に繊維シート30を浸漬させた後に、余剰分を適宜、絞り取って繊維シート30に樹脂組成物31を含浸させる態様としてもよい。
また、上記した上下の成形型4,5を上下反転させるように設けた態様としてもよい。つまり、互いに向き合う面のうちの一方面側としての下面側に凸部4aが設けられた上成形型4と、他方面側としての上面側に凹部5aが設けられた下成形型5と、を用いて凹凸繊維強化樹脂層32を形成する構成としてもよい。
そして、図5(b)、(c)に示すように、上下の成形型2,3によって圧締し、接着剤35を乾燥硬化させ、図5(d)に示すように、表面化粧パネル20を製造するようにしてもよい。なお、上下の成形型2,3による圧締は、接着剤35の種類にもよるが、ホットプレスでもよく、コールドプレスでもよい。
また、必要に応じて、上記のような折曲溝37,38を切削等によって表面化粧パネル20の裏面側に設けるようにしてもよい。また、表面化粧パネル20をパネル芯材10に貼着し、化粧パネル1を製造するようにしてもよい。
つまり、化粧シート21の裏面側に未硬化の樹脂組成物24を供給した後に、化粧シート21の裏面側に繊維シート25を配して繊維強化樹脂層26を形成する構成としている。従って、繊維強化樹脂層26を形成した後に、この表面側に化粧シート21を貼着するようなものと比べて、製造効率を向上させることができ、また、接着成分による表面の化粧シート21の外観劣化等を生じ難くすることができる。また、繊維シート25に樹脂組成物24を含浸させた後に化粧シート21の裏面側に積層して繊維強化樹脂層26を形成する構成と比べて、繊維による凹凸が表面に生じ難くなり、表面平滑性を向上させることができ、表面の外観を向上させることができる。
また、本実施形態では、表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22が硬化または半硬化すれば、繊維シート25に先だって、繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24を供給する構成としている。従って、表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22上に載置された繊維シート25に対して繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24を供給して含浸させる態様と比べて、表層側樹脂層23と繊維強化樹脂層26との境界剥離等を効果的に防止することができる。
また、上記した本実施形態に係るパネル製造方法の各工程や順序等は一例に過ぎず、別順序でなされるものでもよく、種々の変形が可能である。
つまり、化粧層(化粧シート)21の裏面側に、繊維シート25を含む繊維強化樹脂層26と、多数の凹部33及び凸部34が設けられ繊維シート30を含む凹凸繊維強化樹脂層32と、を設けた構成としている。従って、従来のMDF(中密度繊維板)等の木質板を基材とした表面材に比べて、吸放湿等による反りや寸法変化等の変形を抑制することができる。また、厚さを確保しながらも、軽量化を図ることができる。また、凹凸繊維強化樹脂層32が繊維シート30を含んだ構成としているので、凹凸を有した層を熱可塑性樹脂から形成したものと比べて、厚さ方向に荷重が掛けられた際にも凸部34が潰れ難くなり、平面圧縮強度を向上させることができる。これにより、厚さ方向に荷重が掛けられる場合が多々ある建具の表面材等として好適なものとなる。
また、本実施形態では、パネル芯材10の角部に応じた位置となるように角部折曲溝37が設けられた表面化粧パネル20をパネル芯材10に貼着した構成としている。従って、上記のように、角部表面の外観を向上させることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10のパネル厚さ方向両側のそれぞれに表面化粧パネル20,20を設けた構成としている。従って、パネル厚さ方向両面側を、上記のような外観を向上させた化粧面とすることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10を、四周枠12,13,13,14を含む枠体11で囲まれた空間にコア材16が収容された構成としている。従って、パネル芯材10をコア材16のみや三辺以下に桟材を設けたようなものとした場合と比べて、化粧パネル1の強度を向上させることができ、建具等として好適に用いることができる。また、中実状のパネル芯材10としたものと比べて、軽量化を図ることができる。
また、パネル芯材10の四周表面を表面化粧パネル20によって覆った態様に代えて、パネル厚さ方向両面のみを表面化粧パネル20によって覆った態様としてもよい。この場合は、パネル芯材10のパネル幅方向の各端面を、別途のエッジシート等によって覆うような態様としてもよく、また、パネル幅方向の各端面を化粧面とせずに、パネル芯材10を露出させた態様等としてもよい。
図7は、第2実施形態に係る表面化粧パネル及びパネル製造方法の一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
裏面側繊維強化樹脂層27は、表面側の繊維強化樹脂層26と同様、繊維シートに、未硬化の樹脂組成物が含浸されこの樹脂組成物が硬化した構成とされている。この裏面側繊維強化樹脂層27に含まれる繊維シートや樹脂組成物は、上記した繊維強化樹脂層26の繊維シート25及び樹脂組成物24と同様な構成とされたものでもよい。換言すれば、繊維強化樹脂層26と同様な構成とされた裏面側繊維強化樹脂層27を、凹凸繊維強化樹脂層32の裏面側に設けた構成としてもよい。また、このような態様に代えて、裏面側繊維強化樹脂層27に含まれる繊維シートの目付及び樹脂組成物の量のうちの両方または一方を、繊維強化樹脂層26よりも小としたり、大としたりしてもよい。
まず、図7(a)に示すように、上記と同様、下成形型2の上面に、化粧面を対面させるようにして化粧シート21を載置する。そして、この化粧シート21の裏面に、繊維強化樹脂層26を構成する未硬化の樹脂組成物24を供給し、この樹脂組成物24が含浸するように、繊維シート25を積層する。また、図7(b)に示すように、この樹脂組成物24が未硬化または半硬化の状態で、凸部34を下方側に向けて凹凸繊維強化樹脂層32を積層する。また、図7(c)に示すように、この凹凸繊維強化樹脂層32の裏面側(凹部33の開口側)に、含浸された樹脂組成物が未硬化または半硬化の状態の裏面側繊維強化樹脂層27を構成する繊維シートを積層する。そして、図7(d)に示すように、上下の成形型2,3によって圧締し、表面側の繊維強化樹脂層26及び裏面側繊維強化樹脂層27を構成する樹脂組成物24を硬化させて積層一体化し、表面化粧パネル20Aを製造するようにしてもよい。
なお、繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24の自己接着性によって繊維強化樹脂層26と凹凸繊維強化樹脂層32とを積層一体化する態様に代えて、接着剤を介して積層一体化する態様としてもよい。また、裏面側繊維強化樹脂層27を構成する樹脂組成物の自己接着性によって裏面側繊維強化樹脂層27と凹凸繊維強化樹脂層32とを積層一体化する態様に代えて、接着剤を介して積層一体化する態様としてもよい。
また、本実施形態では、凹凸繊維強化樹脂層32の裏面側に、裏面側繊維強化樹脂層27を設けた構成としているので、剛性を向上させることができ、また、反り等の変形をより効果的に抑制することができる。なお、本実施形態においても、上記したような表層側樹脂層23を化粧シート21の裏面側に設けた構成としてもよい。
図8は、第3実施形態に係る表面化粧パネルの一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
また、この表面化粧パネル20Bは、適宜の接着剤や粘着材等によって巾木8に取り付けられるものとしてもよい。
なお、本実施形態では、表面化粧パネル20Bを、既設の巾木8を覆う巾木カバーとした例を示しているが、このような態様に限られず、既設の開口枠や窓枠、廻縁等の他の既設内装建材を覆うカバー等として用いられるものでもよい。
また、本実施形態においても、上記第2実施形態と同様な裏面側繊維強化樹脂層27を設けた構成としたり、表層側樹脂層23を設けていない構成としたりしてもよい。
また、上記各実施形態では、化粧層を、化粧シート21とした例を示しているが、このような態様に限られず、塗膜層等としてもよい。
また、上記各実施形態において説明した互いに異なる構成を、適宜、組み替えたり、組み合わせたりして適用するようにしてもよい。
10 パネル芯材
20,20A,20B 表面化粧パネル
21 化粧シート(化粧層)
22 樹脂組成物(表層側樹脂層を構成する樹脂組成物)
23 表層側樹脂層
24 樹脂組成物(繊維強化樹脂層を構成する樹脂組成物)
25 繊維シート
26 繊維強化樹脂層
30 繊維シート
32,32A,32B 凹凸繊維強化樹脂層
33 凹部
34,34A,34B 凸部
37 角部折曲溝(折曲溝)
38 端部折曲溝(折曲溝)
39 折曲溝
Claims (7)
- 厚さ方向一方側に開口する凹部が形成されるように厚さ方向他方側に向けて突出する多数の凸部が設けられ、繊維シートを含む凹凸繊維強化樹脂層と、この凹凸繊維強化樹脂層の凸部に裏面側が接着され、繊維シートを含む繊維強化樹脂層と、この繊維強化樹脂層の表面側に設けられた化粧層と、を備えており、
前記繊維シートに樹脂組成物が含浸されて、前記繊維強化樹脂層と平行状とされた前記凸部の突出方向先端部の平板部と、該凸部の先端部に連なる側周壁部と、前記繊維強化樹脂層と平行状とされた前記凸部の周囲の平板部と、を備えた前記凹凸繊維強化樹脂層が形成された構成とされていることを特徴とする表面化粧パネル。 - 請求項1において、
前記化粧層と前記繊維強化樹脂層との間に、前記繊維強化樹脂層を構成する樹脂組成物と樹脂主成分が同一の表層側樹脂層を介在させたことを特徴とする表面化粧パネル。 - 請求項2において、
当該表面化粧パネルの裏面側には、溝底が前記表層側樹脂層に位置するように折曲溝が設けられていることを特徴とする表面化粧パネル。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記凹凸繊維強化樹脂層及び前記繊維強化樹脂層に含まれる樹脂主成分がウレタン樹脂であることを特徴とする表面化粧パネル。 - 請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記凹凸繊維強化樹脂層及び前記繊維強化樹脂層に含まれる前記繊維シートの目付が100g/m2以上700g/m2以下であること特徴とする表面化粧パネル。 - パネル芯材と、このパネル芯材に貼着される請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表面化粧パネルと、を備えていることを特徴とする化粧パネル。
- 化粧シートの裏面側に未硬化の樹脂組成物を供給した後に、該化粧シートの裏面側に繊維シートを配して繊維強化樹脂層を形成する工程と、厚さ方向一方側に開口する凹部が形成されて厚さ方向他方側に向けて突出する多数の凸部が設けられるように、繊維シートに未硬化の樹脂組成物を含浸させて、前記繊維強化樹脂層と平行状とされた前記凸部の突出方向先端部の平板部と、該凸部の先端部に連なる側周壁部と、前記繊維強化樹脂層と平行状とされた前記凸部の周囲の平板部と、を備えた凹凸繊維強化樹脂層を形成する工程と、該凹凸繊維強化樹脂層の凸部を、前記繊維強化樹脂層の裏面側に接着する工程と、を備えていることを特徴とするパネル製造方法。
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JP2016129512A JP6685030B2 (ja) | 2016-06-30 | 2016-06-30 | 表面化粧パネル、これを備えた化粧パネル及びパネル製造方法 |
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