JPH06297488A - パネル用芯材及びその製造方法 - Google Patents

パネル用芯材及びその製造方法

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JPH06297488A
JPH06297488A JP5116357A JP11635793A JPH06297488A JP H06297488 A JPH06297488 A JP H06297488A JP 5116357 A JP5116357 A JP 5116357A JP 11635793 A JP11635793 A JP 11635793A JP H06297488 A JPH06297488 A JP H06297488A
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JP
Japan
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core material
panel
thickness
convex
mold
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Application number
JP5116357A
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English (en)
Inventor
Kunio Kanaguchi
邦夫 金口
Hideki Moriyama
秀樹 森山
Yoshio Sugaya
良雄 菅家
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
Original Assignee
Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不燃性、吸音性及び断熱性を有し、軽量であ
りながら優れた強度補強機能を有する、生産性のよいパ
ネル用芯材及びその製造方法を提供する。 【構成】 無機質繊維で形成されたパネル用芯材であっ
て、一方の面から見たとき、多数の独立した凸部2が全
面に整列分布され、これらの凸部2の回りが凹部3をな
しており、他方の面から見たとき、前記凸部2に対応す
る部分は凹部をなし、前記凹部3に対応する部分は凸部
をなしており、両面の凸部の頂部がそれぞれ同じ高さに
されている。芯材を構成する無機質繊維の繊維長は20mm
以上、密度は0.08〜0.8g/cm3、無機質繊維部分の板厚は
0.1 〜10mmとされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、 例えばオフィスビルや
冷凍倉庫などにおける間仕切りパネルの芯材に関するも
のである。更に詳しくは、不燃性、吸音性及び断熱性に
優れたパネル用芯材及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、間仕切りパネルの芯材としては、
低密度のグラスウールやロックウールの平板を断熱機能
を目的としてパネル内に充填したものや、紙や段ボール
紙をハニカム構造にしたもの(所謂ペーパーハニカ
ム)、又はアスベスト紙、アルミ箔等を同様にハニカム
構造にしたものを、パネル自体の強度補強機能材として
使用したものが知られている。
【0003】しかしながら、低密度のグラスウールやロ
ックウールの平板には、 曲げや圧縮などの外圧によるパ
ネル表面の変形を防止し得るほどの強度補強機能が得ら
れないという問題点があった。また、 高密度のグラスウ
ールやロックウールの平板では、 重量やコストのアップ
につながる欠点があった。
【0004】例えばグラスウール平板などでは、 直径4
〜12μ程度の微細な繊維がウール状に集積積層されて
いるが、その繊維の積層方向は、平板の平面に沿った方
向での積層が多く、平板の厚み方向、すなわち平面と垂
直方向に積層している繊維束は少ないことが知られてい
る。このため、平面からの面圧力、曲げ圧力に対し、抵
抗力が弱いこととなる。
【0005】このような欠点を改良するため、繊維の平
板を短冊状にカットし、一つ一つの短冊をカット面が平
面側に向くように並べて、繊維の長軸を平板に対して垂
直とする方法や、圧縮強度のある芯棒にグラスウール等
の断熱材を巻いた単位断熱子をパネルの芯材として、芯
棒が平板に対して垂直になるよう配列する方法(特開昭
57−253号公報に記載)が提案されている。
【0006】しかしながら、上記のような方法は、曲げ
強度や圧縮強度などの向上を得ることはできるが、工業
的生産性、コスト等において問題が多いという欠点を有
している。
【0007】一方、ハニカム構造体は、その優れた軽量
補強部材としての機能を生かし、数多くのパネル用芯材
に適用されている。
【0008】しかしながら、ペーパーハニカム芯材にお
いては、可燃物である紙を使用しており、火災にたいす
る安全性が得られないという問題点があった。また、不
燃化芯材としてアスベスト紙をハニカム構造にしたもの
は、 アスベスト素材の発癌性から、特定化学物質として
その使用を制限されている。また、ハニカム体のみをパ
ネル用芯材とした場合、断熱、吸音性はハニカムコアの
空気層のみで発現されるため充分でない。
【0009】この欠点を改良するため、ハニカム構造体
とグラスウール等の断熱材を複層等に組合わせて、パネ
ル用芯材として使用する方法が、特公昭63−3541
4号公報、特開昭63−239496号公報、実開昭6
3−151610号公報、実開昭59−120212号
公報、実開昭62−30621号公報に提案されてい
る。
【0010】上記のような方法によれば、断熱、吸音性
を有し、軽量で剛性の大きなパネルを提供できるが、ハ
ニカムサンドイッチ構造では、コアと複層材料との接着
面積が著しく小さいため、複層材料とコアとが単に接着
されているだけでは不完全で、接着剤の硬化後の形態
が、所謂「フィレットが立っている」ことが必要で、複
層材料や接着剤が限定されたり、また、そもそもハニカ
ム構造体の製法が複雑で、生産性やコスト等の問題点を
有している。
【0011】このような欠点を改良するため、断熱、吸
音性及び不燃性を有する無機繊維からなるパネル用芯材
等に適用される成形方法が特開平4−152115号公
報に提案されている。この提案は、グラスウール、ロッ
クウール又はセラミックウールからなる連続波形形状の
成形品の成形法に関するものであり、波形形状板を集合
し中空部を形成したハニカム体、所謂コルゲート法によ
るハニカム体や、波形形状板を内装材の芯材(中骨体)
に使用することが述べられている。
【0012】しかしながら、上記公報によれば、無機質
繊維を上記波形形状の成形体とするには、型成形に準じ
た予備成形が必要とされるので、生産性やコスト等の問
題点を有する。また、連続波形形状板は、パネル用芯材
としたとき、補強効果に異方性が有り、この異方性を防
ぐため、少なくとも2枚の波形形状板を互いに直交する
ように重ねて使用しなければならないなどの欠点を有す
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述したよ
うな従来技術の問題点を解決するためになされたもので
あり、その目的は、不燃性、吸音性及び断熱性と強度補
強機能を有しておりながら、工業的に生産性のよいパネ
ル用芯材を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のパネル用芯材は、無機質繊維で形成された
パネル用芯材において、一方の面から見たとき、多数の
独立した凸部が全面に整列分布され、これらの凸部の回
りが凹部をなしており、他方の面から見たとき、前記凸
部に対応する部分は凹部をなし、前記凹部に対応する部
分は凸部をなしており、両面の凸部の頂部がそれぞれ同
じ高さにされた形状をなし、芯材を構成する無機質繊維
の繊維長が20mm以上、密度が0.08〜0.8g/cm3、無機質繊
維部分の板厚が0.1 〜10mmとされていることを特徴とす
る。
【0015】また、本発明のパネル用芯材の製造方法
は、繊維長20mm以上の無機質繊維を集積してなる、バイ
ンダーを含有するマットを、全面に整列分布された同じ
高さの多数の独立した凸部と、この凸部の回りを囲む同
じ深さの凹部とを有する第1の型と、前記第1の型の凹
部に入り込むように形成された同じ高さの凸部と、前記
第1の型の凸部を受け入れるように形成された同じ深さ
の凹部とを有する第2の型との間で挟み、成形品の密度
が0.08〜0.8g/cm3、無機質繊維部分の板厚が0.1〜10mm
になるように、加熱圧縮して成形することを特徴とす
る。
【0016】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て更に詳細に説明する。本発明に使用される無機質繊維
としては、ガラス繊維、シリカ繊維、カーボン繊維、ロ
ックウール、セラミックス繊維等のいずれの素材も何ら
支障なく使用することができるが、上記繊維長を有する
繊維の入手の容易性及びコストの点でガラス繊維が望ま
しい。ガラス繊維としては、熔融したガラスを細いノズ
ルから連続的に繊維を引き出した後、所定の長さに切断
して得られる、所謂チョップドストランドや、熔融した
ガラスを遠心力により細いノズルから吹き出す遠心法又
は火焔法により得られるグラスウールが使用される。
【0017】本発明において、これらの無機質繊維の繊
維長は20mm以上とされる。繊維長が20mm以下では、凹又
は凸成形時の引張り作用で繊維間の絡み合いが解け、成
形品の密度が低い部分が生じる。繊維長の上限は、特に
は限定されないが、場合により、繊維長が500mm 以上で
は凹又は凸成形時に成形が不充分になったり、又は成形
時の引張り作用で繊維が引き千切られ、成形品の密度が
低い部分が生じることもあるので、より好ましくは20〜
500mm 、更に好ましくは30〜300 mm、最も好ましくは40
〜200 mmとされる。
【0018】これらの無機質繊維を、1m2あたり50〜5,
000 g、好ましくは100 〜3,000 g、更に好ましくは20
0 〜2,000 g集積させ、バインダーを含有させてマット
とする。バインダーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、無機質接着剤の周知のものが使用できる。例えば
フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン
樹脂及びその共重合体等の有機質バインダーの他、水ガ
ラスを初めとした無機質バインダーやそれらの混合物等
何ら支障なく使用されるが、コスト、耐熱性、不燃性の
点で特にフェノール系樹脂が使用される。バインダー
を、全重量に対し2〜70重量%、好ましくは5〜30重量
%、特に好ましくは8〜20重量%含有したマットが、不
燃性、耐熱性、機械的強度の点で好ましく使用される。
【0019】本発明においては、特に遠心法により得ら
れるグラスウールマットが好ましく使用される。このグ
ラスウールマットとしては、10cm長の試料の引張り伸度
が30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%
以上の繊維の絡み合いが大きなマットが用いられる。
【0020】本発明では、上記マットを、全面に整列分
布された同じ高さの多数の独立した凸部と、この凸部の
回りを囲む同じ深さの凹部とを有する第1の型と、前記
第1の型の凹部に入り込むように形成された同じ高さの
凸部と、前記第1の型の凸部を受け入れるように形成さ
れた同じ深さの凹部とを有する第2の型との間で挟ん
で、加熱圧縮することにより成形する。この場合、バイ
ンダーとして熱硬化性樹脂を用いた場合には、マットを
加熱圧縮するだけで成形できるが、バインダーとして熱
可塑性樹脂を用いた場合には、マットを一旦加熱した
後、圧縮した状態で冷却する必要がある。本発明におけ
る加熱圧縮とは、上記のように、加熱と圧縮とを同時に
行う場合に限らず、一旦加熱した後、圧縮し、更に冷却
するような場合も含む意味である。
【0021】この場合、成形品の密度が0.08〜0.8g/c
m3、無機質繊維部分の板厚が0.1 〜10mmになるように、
加熱圧縮して成形する。成形品の密度が0.08g/cm3 より
も小さいと、成形品の強度が不足し、0.8g/cm3よりも大
きいと、吸音、断熱性が低下するのみならず、芯材の重
量が増加する。なお、成形品の密度は、0.1 〜0.6g/cm3
とすることが更に好ましい。また、成形品の無機質繊維
部分の板厚が0.1 mmよりも薄いと、十分な強度が得られ
ず、10mmよりも厚いと、芯材の重量が重くなりすぎてし
まう。なお、上記板厚は、1〜5mmとすることが更に好
ましい。
【0022】こうして得られた成形品は、一方の面から
見たとき、多数の独立した凸部が全面に整列分布され、
これらの凸部の回りが凹部をなしており、他方の面から
見たとき、前記凸部に対応する部分は凹部をなし、前記
凹部に対応する部分は凸部をなしており、両面の凸部の
頂部がそれぞれ同じ高さにされた形状をなしている。こ
こで独立した凸部というのは、周囲を凹部で囲まれた凸
部という意味である。独立した凸部の形状は、特に限定
されず、例えば丸、四角、三角、+字、Y字など、各種
の形状が採用できる。また、少なくとも一方の面から見
たときに多数の独立した凸部が形成されていればよく、
他方の面から見たときには凸部が連続していてもよい。
特には、凸部と凹部とが交互に、かつ、いずれの面から
見ても、多数の独立した凸部が存在するように形成する
ことがより好ましい。
【0023】こうして得られた成形品は、凸部又は凹部
が1m2あたり100 〜10,000個で、一方の面の凸部から他
方の面の凸部に至る全体の厚さが、無機繊維質の板厚の
2倍以上で5〜100 mmとされていることが好ましい。凸
部又は凹部が1m2あたり100個以下では、パネルの芯材
としたときの補強効果が少なく、また、1m2あたり10,0
00個を超えると、凹凸の高さが確保できないという成形
品の欠陥が生じてしまう。凸部又は凹部は、1m2あたり
200 〜2,500 個となるようにすることが更に好ましい。
また、成形品全体の厚さが5mm以下では、パネルとした
ときの補強効果及び断熱、吸音特性が充分に発揮され
ず、上記厚さが100 mm以上では、パネル用芯材の強度が
低下する。成形品全体の厚さは、10〜50mmとすることが
更に好ましい。
【0024】
【作用】本発明のパネル用芯材は、少なくとも一方の面
から見たとき、多数の独立した凸部が全面に整列分布さ
れている。この凸部は、その反対面側が凹部をなしてお
り、いわばキャップ状に突出した形状をなしている。こ
のような形状の凸部は、それを押し潰そうとする力が作
用したとき、その力が凸部の周壁に対して引張り力や押
圧力として作用する。このため、凸部の周壁を破壊しな
ければ押し潰すことができず、そのような力に対して極
めて高い抵抗力を示す。
【0025】また、無機質繊維のマットを第1の型と第
2の型とで挟み、加熱圧縮して成形するとき、マットが
一方の型の凸部と他方の型の凹部とに挟まれて繊維束が
引き伸ばされるので、芯材の厚み方向に配向する繊維が
多くなる。その結果、芯材の平面に対して垂直方向に作
用する力に対して強い抵抗力が得られる。
【0026】更に、本発明のパネル用芯材は、無機質繊
維の繊維長が20mm以上であるため、繊維がよく絡み合
い、密度が0.08〜0.8g/cm3で、無機質繊維部分の板厚が
0.1 〜10mmとされているので、材料自体の強度も得られ
る。これらの理由から、本発明のパネル用芯材は、軽量
でありながらパネル用芯材として充分な曲げ強度や圧縮
強度などを得ることができる。
【0027】また、本発明のパネル用芯材の製造方法に
よれば、繊維長20mm以上の無機質繊維からなるマットを
用いるので、一対の型で挟んで成形するとき、繊維間の
絡み合いが解けにくく、均一な密度の成形品を得ること
ができる。このため、マットの予備成形をしなくても、
金型で直接加圧して成形することができる。
【0028】
【実施例】図1、2には、本発明のパネル用芯材の一実
施例が示されている。図1はパネル用芯材の斜視図、図
2は図1のA−A線に沿った断面図である。
【0029】このパネル用芯材10は、グラスウールマ
ットを圧縮成形してなる多孔質の板状体1で形成され、
一方の面から見たとき、多数の独立した凸部2が整列し
て設けられ、これらの凸部2の回りが凹部3をなす形状
とされている。ただし、反対側の面から見たときには、
上記凸部2に該当する部分が凹部をなし、凹部3に該当
する部分が独立した凸部をなしている。この実施例の場
合、凸部2の頂面及び凹部3の底壁の形状は、正方形と
されている。
【0030】パネル用芯材としての望ましい曲げ強度や
圧縮強度などを得るため、多孔質の板状体1を構成する
ガラス繊維の繊維長は20mm以上、密度は0.08〜0.8g/cm3
とされる。また、図2における板厚dは、0.1 〜10mmと
される。更に、一方の面の凸部から他方の面の凸部に至
るパネル用芯材10の全体の厚さHは、上記板厚dの2
倍以上であって5〜100 mmの範囲とされる。更に、凹凸
のピッチWは10〜100mm、より好ましくは20〜60mmとさ
れる。そして、一方の面から見たとき、凸部2の数は、
1m2あたり100 〜10,000個となるようにされる。
【0031】図3には、上記パネル用芯材10の成形方
法が示されている。すなわち、繊維長20mm以上のガラス
繊維を集積してなる、バインダーを含有するマット4
を、全面に整列分布された同じ高さの多数の独立した凸
部6と、この凸部の回りを囲む同じ深さの凹部7とを有
する第1の型5と、前記第1の型5の凹部7に入り込む
ように形成された同じ高さの凸部7’と、前記第1の型
5の凸部6を受け入れるように形成された同じ深さの凹
部6’とを有する第2の型5’との間で挟み、成形品の
密度が0.08〜0.8g/cm3、無機質繊維部分の板厚が0.1 〜
10mmになるように、加熱圧縮して成形する。
【0032】その結果、第1の型5の凸部6が第2の型
5’の凹部6’に入り込み、第2の型5’の凸部7’が
第1の型5の凹部7に入り込み、マット4は、それぞれ
の型5、5’の斜面8、8’に挟まれて、引き伸ばされ
るように成形される。このとき、マット4の繊維長が20
mm以上であるため、マット4の繊維が解けて隙間が開い
てしまうことなく、均一な密度の成形品を得ることがで
きる。こうして図1、2に示した成形品を得ることがで
きる。
【0033】図4には、上記パネル用芯材10を用いて
構成した間仕切りパネルが示されている。すなわち、パ
ネル用芯材10の両面に、塗装鋼板等の金属板からなる
表面材11、11’を接着して構成したものである。こ
の場合、パネル用芯材10の凸部2が表面材11、1
1’の内面に当接して接着されているが、上記凸部2が
同じ高さであるため全ての凸部2を当接させることがで
きる。そして、凸部2の反対側は凹部3をなし、この凹
部3内は、凸部2の周壁9で囲まれた空間をなし、あた
かもハニカムのような構造となっている。
【0034】したがって、このパネルに図中矢印Fで示
すような押圧力が作用すると、その力は周壁9に対する
引張り力や押圧力として作用し、周壁9を破壊しなけれ
ば押し潰すことができず、極めて高い抵抗力が得られ
る。このように、このパネル用芯材10は、軽量であり
ながら充分な補強機能を有している。また、パネル用芯
材10自体の多孔質繊維構造とともに、凹部3によって
形成される閉塞空間によって、優れた断熱性、吸音性が
付与される。
【0035】図5〜9には、本発明によるパネル用芯材
のそれぞれ異なる実施例が示されている。図5、6は各
芯材の部分拡大平面図、図7、8、9は各芯材の部分拡
大斜視図である。
【0036】図5のパネル用芯材は、一方の面から見た
とき、頂面の形状が+字状をなす独立した凸部12が千
鳥状に配列されていて、これらの凸部12の間に同じく
+字状をなす凹部13が配列され、他方の面から見たと
きには、上記凸部12に対応する部分が+字状の凹部を
なし、上記凹部13に対応する部分が+字状の凸部をな
す形状とされている。したがって、どちらの面にも+字
状をなす独立した凸部が形成されている。
【0037】図6のパネル用芯材は、図5の実施例と同
様なものであり、一方の面から見たとき、頂面の形状が
Y字状をなす独立した凸部14が千鳥状に配列されてい
て、これらの凸部14の間に同じくY字状をなす凹部1
5が配列され、他方の面から見たときには、上記凸部1
4に対応する部分がY字状の凹部をなし、上記凹部15
に対応する部分がY字状の凸部をなす形状とされてい
る。したがって、どちらの面にもY字状をなす独立した
凸部が形成されている。
【0038】図7のパネル用芯材は、一方の面から見た
とき、頂面の形状が円形の独立した凸部16が整列して
配列され、これらの凸部16の周囲は平坦な板状部17
をなし、他方の面から見たとき、上記凸部16に対応す
る部分が凹部18をなし、この凹部18の周囲は、連続
した平坦な板状部19となっている。したがって、独立
した凸部は一方の面にのみ形成されている。
【0039】図8のパネル用芯材は、図7の実施例と同
様なものであり、一方の面から見たとき、頂面の形状が
正方形の独立した凸部20が整列して配列され、これら
の凸部20の周囲は平坦な板状部21をなし、他方の面
から見たとき、上記凸部20に対応する部分が凹部22
をなし、この凹部22の周囲は、連続した平坦な板状部
23となっている。この実施例においても、独立した凸
部は一方の面にのみ形成されている。
【0040】図9のパネル用芯材も、図7の実施例と同
様なものであり、一方の面から見たとき、頂面の形状が
+字状の独立した凸部24が整列して配列され、これら
の凸部24の周囲は平坦な板状部25をなし、他方の面
から見たとき、上記凸部24に対応する部分が凹部26
をなし、この凹部26の周囲は、連続した平坦な板状部
27となっている。この実施例においても、独立した凸
部は一方の面にのみ形成されている。
【0041】このように、本発明のパネル用芯材は、少
なくとも一方の面から見たときに独立した凸部が整列し
て設けられていればよく、凹凸の形状としては各種のも
のが採用できる。
【0042】実施例1 遠心法によって製造されたガラス短繊維に、レゾール型
フェノール樹脂水溶液からなるバインダーを噴霧しつ
つ、有孔ベルト上に集積し、繊維径6〜8μm、繊維長
50〜80mmのガラス短繊維からなる、未硬化のバインダー
が10重量%付着した、単位面積当たりの重量が2,560g/m
2 であるグラスウールマットを得た。このグラスウール
マットの引張り伸度は110 %であった。
【0043】こうして得られたグラスウールマットを、
図3に示したような形状の成形型に設置し、第1の型5
と第2の型5’との間に挟んで加熱圧縮することによ
り、図2における全体の厚さHが40mm(投影厚み0.04
m)、凹凸のピッチWが50mm、板厚dが3mm、嵩密度が
64kg/m3 、芯材の板の密度が0.39g/cm3 のグラスウール
製芯材を作製した。なお、ここで嵩密度は、成形品の重
量を投影面積(m2)と、投影厚み(m) で割った値であり、
以下の実施例、比較例についても同様である。
【0044】この芯材を305 mm×305 mmの正方形に切出
し、両面を本実験の荷重範囲で撓まない程度の厚さを有
する鉄板で挟み、クロスヘッドスピード10mm/分で圧縮
試験に供した結果、厚み変形率10%における圧縮強度は
10,800kgf/m2であった。
【0045】比較例1 上記実施例と全く同様にして、繊維径6〜8μm、繊維
長50〜80mmのガラス短繊維からなる、未硬化のバインダ
ーが10重量%付着した、単位面積当たりの重量が2,560g
/m2 であるグラスウールマットを得た。
【0046】このマットを加熱炉中で挟圧加熱し、板厚
40mm、嵩密度64kg/m3 のグラスウールの板を作製し、上
記実施例と同様に圧縮試験を行ったところ、厚み変形率
10%における圧縮強度は650kgf/m2 であった。
【0047】実施例2 実施例1と同様にして、繊維径6〜8μm、繊維長50〜
80mmのガラス短繊維からなる、未硬化のバインダーが10
重量%付着した、単位面積当たりの重量が1,200g/m2
1,600g/m2 及び2,000g/m2 の3種のグラスウールマット
を得た。
【0048】こうして得た3種のマットを、実施例1と
同様な形状で、板厚dが1.5mm になるように成形し、
板の密度0.36g/cm3(嵩密度30kg/m3)のもの、板の密度
0.48g/cm3(嵩密度40kg/m3)のもの、板の密度0.61g/cm
3(嵩密度50kg/m3)のものの3種類の芯材を作製した。
【0049】これらの芯材について、実施例1と同様に
圧縮試験を行ったところ、厚み変形率10%における圧縮
強度は、が4,000kgf/m2 、が6,000kgf/m2 、が8,
000kgf/m2 であった。
【0050】比較例2 実施例2と全く同様にして、繊維径6〜8μm、繊維長
50〜80mmのガラス短繊維からなる、未硬化のバインダー
が10重量%付着した、単位面積当たりの重量が1,200g/m
2 、1,600g/m2 及び2,000g/m2 の3種のグラスウールマ
ットを得た。
【0051】これらの3種類のマットを加熱炉中で挟圧
加熱し、板厚40mmになるように成形し、嵩密度30kg/m
3 、嵩密度40kg/m3 、嵩密度50kg/m3 のグラスウー
ルの板を作製した。
【0052】これらのグラスウールの板について、実施
例1と同様に圧縮試験を行ったところ、厚み変形率10%
における圧縮強度は、が170kgf/m2 、が300kgf/m
2 、が420kgf/m2 であった。
【0053】実施例3 実施例1と全く同様にして、繊維径6〜8μm、繊維長
50〜80mmのガラス短繊維からなる、未硬化のバインダー
が10重量%付着した、単位面積当たりの重量が2,560g/m
2 のグラスウールマットを得た。
【0054】このマットを用いて、実施例1と同様の形
状で、嵩密度が64kg/m3 で、板厚dが2mm(板の密度
0.58g/cm3)、板厚dが4mm(板の密度0.29g/cm3)、
板厚dが8mm(板の密度0.15g/cm3)の3種類の芯材を作
製した。
【0055】これらの芯材について、実施例1と同様に
圧縮試験を行ったところ、圧縮強度は、が11,000kgf/
m2、が9,000kgf/m2 、が5,000kgf/m2 であった。
【0056】実施例4 繊維径11μmのガラス長繊維を50mm長に切断し、単位面
積当たりの重量が900g/m2 になるように集積したマット
を得た。このマットを実施例1で使用したレゾール型フ
ェノール樹脂水溶液に浸した後、過剰な液を除去し、未
硬化の樹脂が10%付着したマットを得た。
【0057】このマットを用いて、実施例1と同様な形
状で、板厚dが2mm、板の密度が0.2g/cm3(嵩密度23kg
/m3)の芯材を作製した。
【0058】この芯材について、実施例1と同様に圧縮
試験を行ったところ、圧縮強度は、4,000kgf/m2 であっ
た。
【0059】比較例3 実施例4において、ガラス長繊維の切断長を13mmとした
以外は、実施例4と全く同様にして芯材を作製すること
を試みたが、成形型での加熱圧縮時にマットが引き千切
られ、所望の形状とすることができなかった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のパネル用
芯材によれば、特定の凹凸形状を有する無機質繊維の成
形品からなるので、耐熱性、不燃性、吸音性及び断熱性
を有していることに加えて、パネルを形成したときに多
数の凹凸部の空気層により吸音性及び断熱性が高められ
る。また、少なくとも片面から見たときに、多数の独立
した凸部が整列した形状をなすので、軽量でありながら
パネル用芯材として充分な圧縮強度や曲げ強度を得るこ
とができる。更に、パネルを形成するとき、凹凸形状の
底部又は頂部で、表面材と面接着できるため、得られる
パネル構成体の強度が高くなる。更にまた、本発明のパ
ネル用芯材の製造方法によれば、特定の繊維長の無機質
繊維からなるマットを使用し、特定の密度及び板厚とな
るように成形するので、上記パネル用芯材を生産性よく
低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパネル用芯材の一実施例を示す斜視図
である。
【図2】図1におけるA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明のパネル用芯材の成形方法を示す説明図
である。
【図4】図1のパネル用芯材を用いて構成した間仕切り
パネルの部分断面図である。
【図5】本発明のパネル用芯材の他の実施例を示す部分
拡大平面図である。
【図6】本発明のパネル用芯材の更に他の実施例を示す
部分拡大平面図である。
【図7】本発明のパネル用芯材の更に他の実施例を示す
部分拡大斜視図である。
【図8】本発明のパネル用芯材の更に他の実施例を示す
部分拡大斜視図である。
【図9】本発明のパネル用芯材の更に他の実施例を示す
部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
1…多孔質の板状体 2、12、14、16、20、24…凸部 3、13、15、18、22、26…凹部 4…グラスウールマット 5…第1の型 5’…第2の型 6、7’…凸部 7、6’…凹部 8、8’…型の斜面部 9…凸部2の周壁部 10…パネル用芯材 17、19、21、23、25、27…板状部
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:10 4F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質繊維で形成されたパネル用芯材に
    おいて、一方の面から見たとき、多数の独立した凸部が
    全面に整列分布され、これらの凸部の回りが凹部をなし
    ており、他方の面から見たとき、前記凸部に対応する部
    分は凹部をなし、前記凹部に対応する部分は凸部をなし
    ており、両面の凸部の頂部がそれぞれ同じ高さにされた
    形状をなし、芯材を構成する無機質繊維の繊維長が20mm
    以上、密度が0.08〜0.8g/cm3、無機質繊維部分の板厚が
    0.1 〜10mmとされていることを特徴とするパネル用芯
    材。
  2. 【請求項2】 前記凸部又は凹部が1m2あたり100 〜1
    0,000個で、一方の面の凸部から他方の面の凸部に至る
    全体の厚さが、前記板厚の2倍以上で5〜100mmとされ
    ている請求項1記載のパネル用芯材。
  3. 【請求項3】 繊維長20mm以上の無機質繊維を集積して
    なる、バインダーを含有するマットを、全面に整列分布
    された同じ高さの多数の独立した凸部と、この凸部の回
    りを囲む同じ深さの凹部とを有する第1の型と、前記第
    1の型の凹部に入り込むように形成された同じ高さの凸
    部と、前記第1の型の凸部を受け入れるように形成され
    た同じ深さの凹部とを有する第2の型との間で挟み、成
    形品の密度が0.08〜0.8g/cm3、無機質繊維部分の板厚が
    0.1 〜10mmになるように、加熱圧縮して成形することを
    特徴とするパネル用芯材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の型の凸部又は凹部が
    1m2あたり100 〜10,000個配列されており、成形品全体
    の厚さが前記板厚の2倍以上で5〜100 mmとなるよう
    に、前記第1及び第2の型の凸部及び凹部の高さ又は深
    さが定められている請求項3記載のパネル用芯材の製造
    方法。
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