JP6671049B2 - 表面化粧パネル、これを備えた化粧パネル及びパネル製造方法 - Google Patents

表面化粧パネル、これを備えた化粧パネル及びパネル製造方法 Download PDF

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本発明は、内装パネルや家具の表面材等として用いられる表面化粧パネル、これを備えた化粧パネル及び表面化粧パネルの製造方法に関する。
従来より、内装パネルや家具の表面材等として用いられる表面化粧パネルとしては、MDF(中密度繊維板)等の木質系基材に樹脂フィルムや突板等の化粧シートを積層した構成とされたものが知られている。このようなものでは、吸放湿等による寸法変化が生じ易くなるという問題があった。
例えば、下記特許文献1には、化粧材の裏面に熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させ硬化させたバックシートを貼り合わせた積層仕上材が開示されている。
特開平10−114020号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された積層仕上材では、化粧面を構成する化粧材が薄かったり、成形時のプレス圧等によっては、ガラス繊維による僅かな凹凸が表面に形成されることが考えられ、更なる改善が望まれる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、寸法安定性の向上が可能でありながらも、化粧層の薄型化が可能で、表面外観を向上し得る表面化粧パネル、これを備えた化粧パネル及びこのような表面化粧パネルを効果的に製造し得るパネル製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る表面化粧パネルは、化粧面を構成する化粧層と繊維強化樹脂層との間に、前記繊維強化樹脂層を構成する樹脂組成物と樹脂主成分が同一で厚さが0.05mm〜0.5mmの表層側樹脂層介在されており、前記繊維強化樹脂層は、目付が150g/m 〜700g/m で厚さが0.1mm〜0.3mmのガラスクロスに100g/m 〜300g/m の樹脂組成物が含浸された構成とされ、当該表面化粧パネルの厚さが0.5mm〜5.0mmであることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る表面化粧パネルは、化粧面を構成する化粧層と繊維強化樹脂層との間に、前記繊維強化樹脂層を構成する樹脂組成物と樹脂主成分が同一の表層側樹脂層が介在されており、当該表面化粧パネルの裏面側には、溝底が前記表層側樹脂層に位置するように折曲溝が設けられていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る化粧パネルは、パネル芯材と、このパネル芯材の角部に応じた位置となるように折曲溝が設けられ、このパネル芯材に貼着される本発明に係る表面化粧パネルと、を備えていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係るパネル製造方法は、化粧シートの裏面に表層側樹脂層を構成する未硬化の樹脂組成物を供給した後に、前記表層側樹脂層の裏面側に位置するように繊維強化樹脂層を形成して表面化粧パネルを製造し、該表面化粧パネルの裏面側に、溝底が前記表層側樹脂層に位置するように折曲溝を設けることを特徴とする。
本発明に係る表面化粧パネル及びこれを備えた化粧パネルは、上述のような構成としたことで、寸法安定性の向上が可能でありながらも、化粧層の薄型化が可能で、表面外観を向上させることができる。また、本発明に係るパネル製造方法は、このような表面化粧パネルを効果的に製造することができる。
(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る表面化粧パネルの一例及びこれを備えた化粧パネルの一例を模式的に示し、(a)は、図3(a)におけるX−X線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(b)は、(a)に対応させた一部破断概略分解横断面図である。 (a)〜(e)は、本発明の一実施形態に係るパネル製造方法の一例を模式的に示す一部破断概略側面図である。 (a)は、同化粧パネルの概略正面図、(b)は、同化粧パネルが備えるパネル芯材の一例を模式的に示す概略正面図である。 (a)、(b)は、本発明の他の実施形態に係る表面化粧パネルの一例を模式的に示す概略縦断面図である。 本発明に係る表面化粧パネルの実施例と比較例とを評価試験の結果とともに示す表である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、第1実施形態に係る表面化粧パネルの一例、これを備えた化粧パネルの一例及び表面化粧パネルの製造方法の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る表面化粧パネル20は、図1(b)及び図2に示すように、化粧面を構成する化粧層21と繊維強化樹脂層26との間に、繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24と樹脂主成分が同一の表層側樹脂層23を介在させた構成とされている。換言すれば、表面化粧パネル20は、化粧層21の裏面側の樹脂層(繊維強化樹脂層)23,26に含まれる繊維シート25を、厚さ方向で反化粧層側となる裏面側に位置するように(偏在させるように)設けた構成とされている。また、本実施形態では、当該表面化粧パネル20の裏面側に、溝底が表層側樹脂層23に位置するように折曲溝27,28を設けた構成としている。
また、本実施形態に係る化粧パネル1は、図1に示すように、この表面化粧パネル20を、パネル芯材10に貼着した構成とされている。また、パネル芯材10のパネル厚さ方向両側に表面化粧パネル20,20を設けた構成としている。
この化粧パネル1は、図3(a)に示すように、一方向に長尺な略矩形平板状とされている。この化粧パネル1は、本実施形態のように、厚さ方向両側を化粧面とした場合には、出入口や収納開口を開閉する建具パネルやパーティション等の間仕切パネル、家具構成部材等として用いられるものとしてもよい。また、このように厚さ方向両側を化粧面とした態様に代えて、パネル芯材10のパネル厚さ方向一方側のみに表面化粧パネル20を設けた構成としてもよい。この場合にも上記同様の用途に用いることが可能である。また、化粧パネル1は、パネルの一部、例えば、框状パネルの框部や鏡板部を構成するように用いられるものでもよい。また、化粧パネル1は、反化粧面側が取付下地側に向けて配される天井パネルや壁パネル(間仕切壁パネル)、腰壁パネル、床パネル、巾木パネル、廻縁パネル、開口枠パネル等として用いられるものでもよい。
また、この化粧パネル1の長さ寸法(上下寸法、高さ寸法)や、幅寸法、厚さ寸法等は、当該化粧パネル1の用途等に応じて、適宜の寸法としてもよい。
例えば、化粧パネル1を、建具パネルとして用いられるものとした場合には、当該化粧パネル1の上下寸法(戸高寸法)を1800mm〜3000mm程度とし、戸幅寸法を600mm〜1200mm程度とし、戸厚寸法を20mm〜40mm程度としてもよい。また、この場合には、化粧パネル1の適所に、開閉する際のハンドルや引手等を設けたり、錠装置や、蝶番等の回転連結部材、ランナーや戸車等の走行部材、ガイド溝等を設けたりしてもよい。
パネル芯材10は、図3(b)に示すように、四周枠12,13,13,14を含む枠体11で囲まれた空間にコア材16が収容された構成とされている。
枠体11は、四周枠12,13,13,14を構成する上横枠12、左右一対の縦枠13,13及び下横枠14を備えている。また、枠体11は、左右の縦枠13,13に架け渡されるように上下に間隔を空けて設けられた複数本の横桟15,15を備えている。また、図例では、下横枠14を、複数本(図例では、2本)を上下に積層した構成とされたものとした例を示している。また、下横枠14の左右(長手方向)両端部の上側に、戸車等の走行部材の取付孔の加工下地となる桟部材を積層した例を示している。なお、当該化粧パネル1の用途等に応じて、上横枠12の左右両端部の下側や一方の縦枠13の内方側に、上述のようなランナー等の走行部材やハンドル、錠装置等の取付孔の加工下地や取付下地を設けた構成としてもよい。また、上横枠12も同様、複数本を上下に積層した構成とされたものとしてもよい。また、枠体11に、横桟15を設けた態様に代えて、または加えて、上下方向に長尺な縦桟を設けた構成としてもよい。
また、これら四周枠12,13,13,14及び横桟15は、略四角柱状とされ、パネル厚さ方向両面が略同一平面状となるように、パネル厚さ方向に沿う寸法が互いに略同寸法とされている。また、図例では、これら四周枠12,13,13,14及び横桟15のパネル厚さ方向に沿う寸法及び長さ寸法に直交する幅寸法を、互いに略同寸法とした例を示している。
これら四周枠12,13,13,14及び横桟15は、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板や、PB(パーティクルボード)等の木質ボード、MDF(中密度繊維板)やハードボード等の木質繊維板などの木質系材料から形成されたものとしてもよい。また、木質系材料としては、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)としてもよい。また、枠体11は、このような木質系材料から形成されたものに限られず、合成樹脂系材料や金属系材料から形成されたものでもよい。
また、本実施形態では、図1(b)及び図3(b)に示すように、両縦枠13,13のパネル幅方向外側に向く外側面に、後記する表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20cが差し込まれる差込溝13a,13aを全長に亘って設けた構成としている。これらパネル幅方向両側の差込溝13a,13aは、パネル幅方向外側に向けて開口するように設けられている。また、これら差込溝13a,13aを、各縦枠13,13のパネル厚さ方向略中心に位置するように設けた構成としている。これら差込溝13a,13aのパネル幅方向に沿う溝深さ寸法及びパネル厚さ方向に沿う溝幅寸法は、表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20cの差込性や保持性等の観点から適宜の寸法としてもよい。
パネル芯材10のコア材16は、図3(b)に示すように、枠体11で囲まれた空間に充填されるように収容されている。本実施形態では、上記のように上下(パネル長手方向)に間隔を空けて設けられた複数本の横桟15,15によって上下に区画された四周枠12,13,13,14内の各空間のそれぞれにコア材16を収容させた構成としている。このコア材16のパネル厚さ方向に沿う寸法は、枠体11のパネル厚さ方向に沿う寸法と略同寸法とされている。このようなコア材16としては、発泡ウレタン等の発泡樹脂系材料から成形された発泡成形体からなるものでもよいが、本実施形態では、パネル厚さ方向両側に開口する多数の中空筒状セルの集合体からなるハニカム状のコア材16としている。つまり、コア材16を、いわゆるペーパーコアとしている。また、このようなコア材16としては、段ボール原紙やクラフト紙等の紙材を接着剤で重積接着して形成されたものでもよい。また、コア材16としては、このような紙材に、エポキシ樹脂等の補強用の樹脂を更に含浸させたものでもよく、その他、アルミ材等の金属系材料や硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂系材料から形成されたものでもよい。
また、図例では、コア材16の中空筒状セルを模式的に示しており、パネル幅方向に厚さ方向を沿わせた薄シート間に波形部(コルゲート部)を設けたものを例示しているが、このような態様に限られない。このコア材16としては、中空筒状セルが蜂の巣状(六角状)とされたものや、方形状とされたもの、円筒形状とされたもの等、中空筒状セルのセル形状が種々の形状とされたものでもよい。また、このコア材16は、ステイプル等の止具や接着剤等によって枠体11に固定されたものでもよい。なお、このコア材16の中空筒状セルのセルサイズ(セル径、セル幅)は、軽量化を図る観点や強度上の観点等から適宜のサイズとしてもよく、1mm以上25mm以下としてもよく、好ましくは、5mm以上15mm以下としてもよい。
表面化粧パネル20は、薄板状とされている。この表面化粧パネル20は、種々の化粧パネル1の化粧面を構成する表面材として従来から用いられているMDF等の木質系材料を基材とする表面材と同様な厚さ(例えば、3mm程度)とされたものでもよいが、用途等に応じて適宜の厚さとされたものでもよい。例えば、この表面化粧パネル20の厚さを、0.5mm〜5.0mm程度としてもよく、好ましくは3.0mm以下としてもよい。
この表面化粧パネル20を構成する化粧層21は、本実施形態では、薄シート状とされた化粧シート21とされている。この化粧シート21としては、天然木材(銘木)から形成された突板等の単板(化粧単板)や、木目柄等の種々の柄(模様)が印刷された化粧印刷紙や合成樹脂系の樹脂シート(フィルム)等としてもよい。樹脂フィルムとしては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ウレタン樹脂フィルム等が例示される。また、樹脂フィルムの厚さとしては、例えば、0.02mm〜1.0mm、好ましくは0.05mm〜0.2mm、更に好ましくは0.06mm〜0.12mmの範囲が例示される。
また、化粧シート21を構成する化粧単板の厚さとしては、例えば、0.2mm〜1.0mmの範囲が例示される。また、化粧シート21を化粧単板とする場合には、化粧単板の裏面側に接着剤を介して不織布等の裏打ち材が貼着されたものでもよい。この場合の接着剤としては、化粧単板に水分が移行しにくい非水溶性接着剤が好ましく例示される。非水溶性接着剤としては、例えば、溶液型のアクリル共重合体、合成ゴム系の接着剤、熱可塑性合成樹脂であるホットメルト系の接着剤を単独または2種類以上を併用したもの等を例示することができる。ホットメルト系接着剤としては、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)やウレタン系ホットメルト(PUR)等が例示される。また、エポキシ樹脂系、ウレタン系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系の接着剤等を単独または2種類以上を併用したものを例示することができる。
表面化粧パネル20を構成する表層側樹脂層23は、化粧シート21の裏面側の略全面に亘って設けられている。この表層側樹脂層23は、表面化粧パネル20の折り曲げられた角部外観を含む表面外観を向上させる観点や寸法安定性、生産性等の観点から適宜の厚さとしてもよい。例えば、この表層側樹脂層23の厚さとしては、0.01mm〜1.5mm、好ましくは0.03〜1.0mm、更に好ましくは0.05mm〜0.5mmの範囲が例示される。この表層側樹脂層23の厚さが小さ過ぎれば、表面外観が低下する傾向があり、表層側樹脂層23の厚さが大き過ぎれば、当該表層側樹脂層23による熱膨張の影響が大となったり、生産性が低下したりする傾向がある。
また、この表層側樹脂層23は、繊維強化樹脂層26に含まれるような繊維を略含んでいない構成(実質的に繊維を含まない構成)とされている。なお、実質的に繊維を含まない構成とは、表層側樹脂層23に、製造過程等において僅かに繊維が混入されるような場合を含む。
また、この表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22(図2(a)参照)は、樹脂主成分が後記する繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24(図2(c)参照)の樹脂主成分と同一とされている。これら樹脂組成物22,24としては、無発泡性または低発泡性の樹脂が例示される。例えば、これら樹脂組成物22,24の樹脂主成分としては、ウレタン(ポリウレタン)樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フェノール樹脂等を単独または2種類以上を併用したものが例示される。
また、本実施形態では、表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22の発泡倍率を、繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24の発泡倍率以下としている。つまり、表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22の発泡倍率を、繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24の発泡倍率と同一か、それよりも小としている。これら樹脂組成物22,24が発泡樹脂の場合には、その種類にもよるが、発泡倍率が7倍以下、より好ましくは5倍以下の低発泡性のものでもよい。また、樹脂組成物22,24としては、ウレタン樹脂が好適なものとして例示されるが、この場合には、発泡倍率が1倍〜5倍、より好ましくは1倍〜3倍、さらに好ましくは1倍〜2倍のものでもよい。樹脂組成物22,24を、このようなウレタン樹脂とした場合には、化粧シート21への接着性に優れ、後記する繊維シート25(図2(d)参照)への含浸性にも優れたものとなる。また、ウレタン樹脂としては、耐水性を有したエーテル系やひまし油系のウレタン樹脂が好ましく例示される。なお、樹脂組成物22,24には、硬化剤や難燃材等の各種添加剤を添加することができる。
また、表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22の量は、表層側樹脂層23が上記のような厚さとなるように、適宜の量としてもよい。また、表層側樹脂層23は、化粧シート21の裏面(反化粧面)に、スプレーやローラー等によって塗布された樹脂組成物22が硬化したものでもよい。また、表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22が半硬化(未硬化)の状態で、後記する繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24や繊維シート25が配されるものとしてもよい。
繊維強化樹脂層26は、図2(d)、(e)に示すように、繊維シート25に、未硬化の樹脂組成物24が含浸された構成とされ、樹脂含浸繊維シート層とも言い得る。この繊維強化樹脂層26の厚さは、表面化粧パネル20(化粧パネル1)の用途等に応じて選択される繊維シート25の種類や目付け、厚さ等に応じて、適宜の厚さとしてもよい。この繊維強化樹脂層26の厚さとしては、例えば、0.1mm〜1.0mm程度でもよく、0.2mm〜0.6mm程度でもよい。本実施形態では、この繊維強化樹脂層26の厚さを、表層側樹脂層23の厚さよりも大としている。例えば、この繊維強化樹脂層26の厚さを、表層側樹脂層23の厚さの2倍〜10倍程度としてもよい。
繊維シート25としては、ガラス繊維や炭素繊維、鉱物繊維等の強化繊維の織布や不織布、マット等が例示される。ガラス繊維の織布としては、例えば、縦糸及び横糸にガラスロービングを用いて製織した平織、絡み織等の織物であるガラスクロス等が例示される。ガラス繊維の不織布としては、例えば、長さ約10mmのガラス繊維を水中分散させた後に、湿式抄紙法によってすくい取り、脱水、シート化させて、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の接着剤を塗布したものであるガラスペーパー等が例示される。ガラス繊維のマットとしては、長繊維状(例えば、長さ30mm前後、好ましくは長さ50mm前後)に切断したガラスストランドを、無方向に均等に分散させ、ポリエステルバインダー等の結合剤を用いてマット状に成形したものであるガラスマット等が例示される。
また、繊維シート25の厚さとしては、例えば、0.1mm〜0.5mmの範囲が例示される。また、繊維シート25をガラスマットとした場合には、厚さを、0.3mm〜0.5mm程度としてもよく、ガラスクロスとした場合には、厚さを、0.1mm〜0.3mm程度としてもよい。また、ガラスクロスの密度としては、例えば、30〜120本/25mmのものが例示される。また、ガラスクロスを構成するガラス糸の番手(太さ)としては、例えば、67〜135tex(g/1000m)の範囲が例示される。
繊維シート25の目付けとしては、例えば、150g/m以上700g/m以下の範囲が例示される。この繊維シート25の目付けが小さ過ぎれば、強度が低下する傾向がある一方、大き過ぎれば、重くなる傾向がある。繊維シート25としてガラスクロスを用いる場合は、目付けを200g/m以上としてもよい。また、繊維シート25としてガラスペーパーを用いる場合は、目付けを50g/m以上としてもよい。また、繊維シート25としてガラスマットを用いる場合は、目付けを300g/m以上としてもよい。また、繊維シート25としては、このようなガラス繊維シートのうちガラスマットまたはガラスクロスが好ましい。
また、繊維シート25としては、上記のガラス繊維の織布、不織布またはマット(ガラス繊維シート)を複数枚積層したものや、ガラス繊維シートと、植物繊維の織布、不織布、フィルム、紙またはマットと、が積層されたものでもよい。植物繊維としては、植物繊維マットや製紙に用いられる植物繊維であれば特に限定されないが、繊維シート25の強度や耐久性、寸法安定性等を考慮すると、麻系天然繊維、ヤシ繊維または農産廃棄物繊維のいずれか1種以上であることが好ましい。
この繊維シート25に含浸させる樹脂組成物24の量は、繊維シート25の厚さや、繊維強化樹脂層26の所望する厚さ、表面化粧パネル20の強度や寸法安定性、コスト等の観点から適宜の量としてもよい。例えば、繊維シート25に含浸させる樹脂組成物24の量を、100g/m以上としてもよく、好ましくは150g/m以上としてもよい。また、コスト等の観点からは、繊維シート25に含浸させる樹脂組成物24の量を、300g/m以下としてもよく、好ましくは250g/m以下としてもよい。
また、樹脂組成物24の繊維シート25への含浸は、樹脂組成物24を貯留する容器内に繊維シート25を浸漬させた後に、余剰分を適宜、絞り取る態様や、繊維シート25にスプレーやローラー等によって塗布する態様としてもよい。または、後記する好ましい製法のように、上記した表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22が硬化または半硬化の状態で、その反化粧シート側にスプレーやローラー等によって塗布された樹脂組成物24に繊維シート25を積層することで、繊維シート25に結果的に樹脂組成物24が含浸される態様等としてもよい。
本実施形態では、上記のような構成とされた表面化粧パネル20を、パネル幅方向両端面に継目が位置するようにパネル芯材10のパネル厚さ方向両側のそれぞれに対状に設けた構成としている。つまり、二枚の表面化粧パネル20,20を設けた構成としている。また、これら二枚の表面化粧パネル20,20を、化粧パネル1の四周表面(厚さ方向両面及び幅方向両端面)が化粧面となるように、パネル芯材10の四周表面(パネル厚さ方向両面及びパネル幅方向両端面)に設けた構成としている。
これら表面化粧パネル20,20は、互いに同様の構成とされ、パネル芯材10の角部に応じた位置となるように、裏面側に折曲溝(角部折曲溝)27,27,27,27を設けた構成とされている。また、本実施形態では、これら表面化粧パネル20,20の裏面側に、角部折曲溝27,27,27,27に加えて、パネル芯材10の差込溝13a,13aの両開口縁に応じた位置となるように、端部折曲溝28,28,28,28を設けた構成としている。
これら角部折曲溝27及び端部折曲溝28は、少なくとも化粧シート21を残すように各表面化粧パネル20,20の裏面側に設けられている。
各表面化粧パネル20,20は、これら角部折曲溝27及び端部折曲溝28の部位において残存する少なくとも化粧シート21の部位がヒンジ部(折曲部)のように機能し、これらの部位において折り曲げ可能とされている。
また、本実施形態では、これら角部折曲溝27及び端部折曲溝28を、溝底が表層側樹脂層23に位置するように設けた構成としている(図1(b)参照)。つまり、これら角部折曲溝27及び端部折曲溝28を、溝底が表層側樹脂層23に留まり、化粧シート21に達しないように、かつ繊維強化樹脂層26の厚さ方向の全体に亘って設けた構成としている。
これら角部折曲溝27及び端部折曲溝28が設けられた部位の表層側樹脂層23の厚さ、つまり、溝底側の残り厚さは、上記のようにヒンジ部として機能するように、化粧シート21の厚さや表層側樹脂層23の厚さに応じて、適宜の厚さとしてもよい。図例では、表層側樹脂層23の溝底側の残り厚さを、表層側樹脂層23の全体厚さの1/2程度とした例を示しているが、このような厚さに限られない。
また、角部折曲溝27,27は、パネル芯材10の厚さ方向一方面に沿わせられる表面化粧パネル20の表面側片部20aと、パネル芯材10の幅方向各端面に沿わせられる側端面片部20b,20bと、の境界部に位置するように設けられている。
また、端部折曲溝28,28は、側端面片部20b,20bと、パネル芯材10の差込溝13a,13aに差し込まれる差込片部20c,20cと、の境界部に位置するように設けられている。パネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20c,20c,20cは、パネル芯材10の差込溝13a,13aに嵌め込まれるように納められる。
また、本実施形態では、角部折曲溝27,27を、これら角部折曲溝27,27において折り曲げられて形成された角部が略直角状となるように表面化粧パネル20の裏面側に設けた構成としている。図例では、これら角部折曲溝27,27を、溝長手方向に見て略V字溝状とされた単一の溝からなるものとした例を示している。なお、このような態様に代えて、これら角部折曲溝27,27において折り曲げられて形成された角部がR面取り形状やC面取り形状となるように、これら角部折曲溝27,27のそれぞれを、複数条の溝からなるものとしてもよい。また、端部折曲溝28,28は、これら端部折曲溝28,28において折り曲げられて形成された角部が略直角状となるように表面化粧パネル20の裏面側に設けられている。
上記構成とされたパネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20がパネル芯材10の四周表面に貼着されて当該化粧パネル1の四周表面が化粧面とされる。これら表面化粧パネル20,20のパネル芯材10への貼着は、上記同様な適宜の接着剤等を用いてなされたものでもよい。
次に、本実施形態に係る表面化粧パネル20を製造するパネル製造方法の一例について、図2を参照して説明する。
本実施形態では、化粧シート21の裏面に表層側樹脂層23を構成する未硬化の樹脂組成物22を供給した後に、表層側樹脂層23の裏面側に位置するように繊維強化樹脂層26を形成して表面化粧パネル20を製造する構成としている。
また、本実施形態では、互いに向き合う面が平坦面とされた上下の成形型2,3を用いて表面化粧パネル20を製造する構成としている。このような成形型2,3としては、樹脂組成物22,24の種類にもよるが、硬化に加熱を要する場合には、ヒーターや熱媒体が流通される媒体流通路が設けられたものでもよい。つまり、成形型2,3を、ホットプレスとしてもよい。
まず、図2(a)に示すように、上下の成形型2,3のうちの下成形型2の上面に、化粧面を対面させるようにして化粧シート21を載置する。つまり、化粧シート21を、その裏面(反化粧面)を上向きとした状態で、下成形型2上に載置する。そして、この化粧シート21の裏面に、表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22を塗布する。この樹脂組成物22の化粧シート21への塗布は、表層側樹脂層23が上記のような所望する厚さとなるように一様な塗布量でスプレーやローラー等を用いて塗布するようにしてもよい。この表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22は、下成形型2を適度の温度(例えば、40℃〜80℃程度の比較的低温)に加熱した状態で供給して硬化または半硬化させるようにしてもよい。この際、下成形型2による加熱に加えて、上方側から適宜の遠赤外線ヒーター等の輻射式ヒーターによって加熱するようにしてもよい。また、この際の硬化(半硬化)時間は、樹脂組成物22の種類や量にもよるが、1分〜30分程度、好ましくは15分以下としてもよい。
また、本実施形態では、この表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22が硬化または半硬化した後に、繊維強化樹脂層26を構成する未硬化の樹脂組成物24を供給し、この繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24を、繊維シート25に含浸させる態様としている。
つまり、図2(b)、(c)に示すように、表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22が硬化または半硬化すれば、繊維強化樹脂層26を構成する未硬化の樹脂組成物24を塗り重ねるように塗布する。そして、図2(d)に示すように、この樹脂組成物24が含浸するように、繊維シート25を積層する。この際、繊維シート25が表層側樹脂層23内に略移動しないように表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22が半硬化または完全硬化した後に、繊維強化樹脂層26を構成する未硬化の樹脂組成物24及び繊維シート25を配するようにしてもよい。
そして、図2(e)に示すように、上下の成形型2,3によって圧締する。この際、上成形型3の下面に、適宜の離型剤を塗布しておくようにしてもよい。また、適宜のプレス圧で圧締するようにしてもよい。また、必要に応じて加熱し、樹脂組成物22,24を硬化させるようにしてもよい。
上記のような工程を経て表面化粧パネル20が製造される。そして、この表面化粧パネル20を、化粧パネル1の表面材として用いる場合には、適宜、裏面側に上記のような角部折曲溝27及び端部折曲溝28を設け、パネル芯材10に貼着し、化粧パネル1を製造するようにしてもよい。
上記のような製造方法によれば、寸法安定性や表面平滑性を向上させた表面化粧パネル20を効果的に製造することができる。つまり、繊維強化樹脂層26及び表層側樹脂層23を形成した後に、表層側樹脂層23の表面に化粧シート21を貼着するようなものと比べて、製造効率を向上させることができ、また、接着成分による表面の化粧シート21の外観劣化等を生じ難くすることができる。
また、本実施形態では、表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22が硬化または半硬化すれば、繊維シート25に先だって、繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24を供給する構成としている。従って、表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22上に載置された繊維シート25に対して繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24を供給して含浸させる態様と比べて、表層側樹脂層23と繊維強化樹脂層26との境界剥離等を効果的に防止することができる。
なお、上記のような態様に代えて、樹脂組成物24が含浸された繊維シート25を表層側樹脂層23に積層する態様や、表層側樹脂層23に繊維シート25を積層した状態で、樹脂組成物24を繊維シート25に塗布する態様等としてもよい。さらには、樹脂組成物24を含むプリプレグ状の繊維シート25(または繊維強化樹脂層26)と、裏面に表層側樹脂層23が形成された化粧シート21と、を積層一体化(接着も含む)して表面化粧パネル20を製造するようにしてもよい。
また、上記した本実施形態に係るパネル製造方法の各工程の順序等は一例に過ぎず、別順序でなされるものでもよく、種々の変形が可能である。
本実施形態に係る表面化粧パネル20は、上述のような構成としたことで、寸法安定性の向上が可能でありながらも、化粧層(化粧シート)21の薄型化が可能で、表面外観を向上させることができる。
つまり、化粧面を構成する化粧シート21と繊維強化樹脂層26との間に、繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24と樹脂主成分が同一の表層側樹脂層23を介在させた構成としている。従って、従来のMDF等の木質板を基材とした表面材に比べて、吸放湿等による寸法変化が生じ難くなり、寸法安定性を向上させることができる。また、化粧シート21の裏面側に表層側樹脂層23を設けた構成としているので、化粧シート21を薄くした場合にも、繊維強化樹脂層26に含まれる繊維による凹凸が表面に生じ難くなり、表面平滑性を向上させることができ、表面の外観を向上させることができる。また、繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24と樹脂主成分が同一の表層側樹脂層23としているので、各層における馴染み性を向上させることができ、境界剥離等を生じ難くすることができる。
また、本実施形態では、表層側樹脂層23を構成する樹脂組成物22の発泡倍率を、繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24の発泡倍率以下としている。従って、表層側樹脂層23の強度を比較的に向上させることができる。また、繊維強化樹脂層26を構成する樹脂組成物24の発泡倍率を適宜、調整することで、当該表面化粧パネル20の厚さを効率的に大きくしたり、軽量化を図るようなことも可能となる。
また、本実施形態では、当該表面化粧パネル20の裏面側に、溝底が表層側樹脂層23に位置するように折曲溝27,28を設けた構成としている。従って、当該表面化粧パネル20の取付対象に角部があるような場合にも、折曲溝27,28の箇所で折り曲げて一連状に覆うことができる。これにより、複数枚の表面化粧パネル20を取付対象の角部において突き合わせたりするようなものと比べて、角部における見栄えを向上させることができる。また、折曲溝27,28を、溝底が表層側樹脂層23に位置するように設けているので、折り曲げられた角部において繊維強化樹脂層26に含まれる繊維による凹凸等が生じ難くなり、角部表面の外観を向上させることができる。
また、本実施形態に係る化粧パネル1は、パネル芯材10と、このパネル芯材10の角部に応じた位置となるように折曲溝27が設けられ、このパネル芯材10に貼着される表面化粧パネル20と、を備えた構成としている。従って、上記同様、当該化粧パネル1の表面平滑性を向上させることができ、表面や角部表面の外観を向上させることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10のパネル厚さ方向両側のそれぞれに表面化粧パネル20,20を設けた構成としている。従って、パネル厚さ方向両面側を、上記のような外観を向上させた化粧面とすることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10を、四周枠12,13,13,14を含む枠体11で囲まれた空間にコア材16が収容された構成としている。従って、パネル芯材10をコア材16のみや三辺以下に桟材を設けたようなものとした場合と比べて、化粧パネル1の強度を向上させることができ、建具等として好適に用いることができる。また、中実状のパネル芯材10としたものと比べて、軽量化を図ることができる。
また、本実施形態では、パネル芯材10の両側端部に、パネル厚さ方向両側の表面化粧パネル20,20の差込片部20c,20c,20c,20cが差し込まれる差込溝13a,13aを設けた構成としている。従って、表面化粧パネル20,20の端部を突き合わせて納めるようなものと比べて、表面化粧パネル20,20同士の継目を見栄え良く納めることができる。なお、このような態様に代えて、パネル厚さ方向一方側の表面化粧パネル20とパネル厚さ方向他方側の表面化粧パネル20とを、パネル幅方向の各端面において突き合わせたり、重ね合わせたりして納めるような態様等としてもよい。また、パネル厚さ方向一方側の表面化粧パネル20のみによってパネル幅方向の端面を覆うような態様等としてもよい。この場合は、パネル厚さ方向他方側の表面化粧パネル20には、折曲溝を設けないようにしてもよい。
また、パネル厚さ方向両側に別体状に表面化粧パネル20,20をそれぞれに設けた態様に代えて、一連状の表面化粧パネル20によってパネル芯材10の四周表面を覆うような態様としてもよい。この場合は、パネル芯材10の一方側端部のみに差込溝13aを設けた態様としてもよい。また、表面化粧パネル20,20に折曲溝27,28を設けた態様に代えて、パネル芯材10の幅方向両端面を覆うように延出された化粧シート21,21が折り曲げ貼着されてパネル芯材10の幅方向両端面が覆われるものとしてもよい。また、パネル芯材10の四周表面を表面化粧パネル20によって覆った態様に代えて、パネル厚さ方向両面のみを表面化粧パネル20によって覆った態様としてもよい。これらの場合は、化粧パネル1の厚さ方向両側の表面層を構成する表面化粧パネル20,20の繊維強化樹脂層26,26を構成する樹脂組成物24,24によって表面層がパネル芯材10に接合一体化されたものとしてもよい。また、この場合は、パネル芯材10のパネル幅方向の各端面を、別途のエッジシート等によって覆うような態様としてもよく、また、パネル幅方向の各端面を化粧面とせずに、パネル芯材10を露出させた態様等としてもよい。
また、上記のようにパネル芯材10のパネル厚さ方向両側に表面化粧パネル20,20を設けた構成に代えて、パネル厚さ方向一方側のみに表面化粧パネル20を設けた構成としてもよい。この場合は、パネル厚さ方向他方側に、繊維強化樹脂層26を設けたり、他の表面材を設けたりしてもよく、さらには、パネル芯材10を露出させた構成としてもよい。また、本実施形態では、パネル芯材10を、枠体11で囲まれた空間にコア材16を収容させた構成とした例を示しているが、枠体11のみまたはコア材16のみによって構成したり、中実状の板状体からなるもの等としてもよい。上記した化粧パネル1の具体的構成としては、その他、種々の変形が可能である。
次に、本発明の他の実施形態に係る化粧パネルの一例について、図面を参照しながら説明する。
図4は、第2実施形態に係る表面化粧パネルの一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る表面化粧パネル20Aは、上記同様、化粧面を構成する化粧シート21と繊維強化樹脂層26との間に実質的に繊維を含まない表層側樹脂層23を設けた構成とされている。また、この表面化粧パネル20Aは、既設内装建材を覆うカバーとして用いられる構成とされている。本実施形態では、表面化粧パネル20Aを、図4(b)に示すように、壁面4と床面5との入隅部に沿って配設される帯板状の巾木6を覆う巾木カバーとして用いられる構成としている。また、表面化粧パネル20Aの裏面側に、図4(a)、(b)に示すように、巾木6の表面側上端角部に応じた折曲溝29を設けた構成としている。この折曲溝29は、巾木6の厚さ方向一方面(表面)に沿わせられる表面化粧パネル20Aの表面側片部20Aaと、巾木6の幅方向一端面(上端面)に沿わせられる端面片部20Abと、の境界部に位置するように設けられている。
図例では、この折曲溝29を、上記同様、折曲溝29において折り曲げられて形成された角部が略直角状となるように溝長手方向に見て略V字溝状とされた単一の溝からなるものとした例を示しているが、このような態様に限られない。この折曲溝29において折り曲げられて形成された角部がR面取り形状やC面取り形状となるように、折曲溝29を、複数条の溝からなるものとしてもよい。
また、この表面化粧パネル20Aは、適宜の接着剤や粘着材等によって巾木6に取り付けられるものとしてもよい。
このような構成とされた本実施形態に係る表面化粧パネル20Aにおいても、上記と概ね同様な効果を奏する。また、本実施形態に係る表面化粧パネル20Aも上記したパネル製造方法と略同様にして製造可能である。
なお、本実施形態では、表面化粧パネル20Aを、既設の巾木6を覆う巾木カバーとした例を示しているが、このような態様に限られず、既設の開口枠や窓枠、廻縁等の他の既設内装建材を覆うカバー等として用いられるものでもよい。
また、上記各実施形態では、化粧層を、化粧シート21とした例を示しているが、このような態様に限られず、塗膜層等としてもよい。
次に、本発明に係る表面化粧パネルの実施例の一例と比較例とを、図5を参照して説明する。
各実施例1,2及び比較例では、いずれも、化粧層としての化粧シートを、0.06mm厚のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムとした。
実施例1,2では、表層側樹脂層を構成する樹脂組成物を、無発泡性(発泡倍率1倍)のポリウレタン樹脂とし、化粧シート裏面側への塗布量を50g/mとした。また、型温度を48℃とし、15分放置した後に、繊維強化樹脂層を構成する樹脂組成物を塗布した。実施例1では、繊維強化樹脂層を構成する樹脂組成物を、上記同様、無発泡性(発泡倍率1倍)のポリウレタン樹脂とし、塗布量を150g/mとした。実施例2では、繊維強化樹脂層を構成する樹脂組成物を、発泡倍率1.5倍のポリウレタン樹脂とし、塗布量を150g/mとした。また、実施例1,2では、目付けが200g/mのガラスマットを、樹脂組成物が含浸するように樹脂組成物上に載置し、上下の成形型を用いて圧締し、15分放置して樹脂組成物を硬化させた。実施例1では、表層側樹脂層の厚さが0.05mm、繊維強化樹脂層の厚さが0.4mmであった。
一方、比較例では、表層側樹脂層を設けることなく、繊維強化樹脂層を構成する樹脂組成物を、無発泡性(発泡倍率1倍)のポリウレタン樹脂とし、化粧シート裏面側への塗布量を200g/mとした。つまり、比較例の樹脂の塗布量と実施例1,2の樹脂の総塗布量とを同一とした。また、上記同様、目付けが200g/mのガラスマットを、樹脂組成物が含浸するように樹脂組成物上に載置し、上下の成形型を用いて圧締し、15分放置して樹脂組成物を硬化させた。
また、各実施例1,2及び比較例の表面化粧パネルの裏面に、溝長手方向に見て略V字溝状の折曲溝を少なくとも化粧シートを残存させるように(実施例1,2では、溝底が表層側樹脂層に位置するように)設けた。
また、各実施例の表面化粧パネル及び各比較例の表面化粧パネルに対して、以下のような評価試験を行った。
<表面外観評価>
各実施例1,2及び比較例の表面化粧パネルの表面を目視観察し、評価した。結果は、図5に示すように、実施例1及び実施例2では、表面に目立つようなガラス繊維による凹凸が生じておらず、比較例では、表面にガラス繊維による凹凸が目立つ結果となった
<引っかき硬度試験>
各実施例1,2及び比較例の表面化粧パネルの表面に対して、JIS K5600−5−4(引っかき硬度(鉛筆法))に準拠し、硬度Hの鉛筆を用いて引っかき硬度試験を行い、表面の傷跡の有無を目視観察し、評価した。結果は、図5に示すように、実施例1及び実施例2では、表面に目立つような傷跡が生じておらず、比較例では、表面に傷跡が目立つ結果となった。
<角部外観評価>
各実施例1,2及び比較例の表面化粧パネルを、折曲溝において折り曲げ、角部表面を目視観察した。結果は、図5に示すように、実施例1及び実施例2では、角部表面に目立つような歪みや凹凸が生じておらず、比較例では、角部表面に歪みや凹凸が目立つ結果となった。
以上の結果から、実施例1,2の各表面化粧パネルは、比較例と比較して、表面外観及び表面硬度に優れ、また、折り曲げ後の角部外観も優れ、良好な結果となった。
1 化粧パネル
10 パネル芯材
20,20A 表面化粧パネル
21 化粧シート(化粧層)
22 樹脂組成物(表層側樹脂層を構成する樹脂組成物)
23 表層側樹脂層
24 樹脂組成物(繊維強化樹脂層を構成する樹脂組成物)
26 繊維強化樹脂層
27 角部折曲溝(パネル芯材の角部に応じた折曲溝)
28 端部折曲溝(折曲溝)
29 折曲溝

Claims (5)

  1. 化粧面を構成する化粧層と繊維強化樹脂層との間に、前記繊維強化樹脂層を構成する樹脂組成物と樹脂主成分が同一で厚さが0.05mm〜0.5mmの表層側樹脂層介在されており、
    前記繊維強化樹脂層は、目付が150g/m 〜700g/m で厚さが0.1mm〜0.3mmのガラスクロスに100g/m 〜300g/m の樹脂組成物が含浸された構成とされ、当該表面化粧パネルの厚さが0.5mm〜5.0mmであることを特徴とする表面化粧パネル。
  2. 化粧面を構成する化粧層と繊維強化樹脂層との間に、前記繊維強化樹脂層を構成する樹脂組成物と樹脂主成分が同一の表層側樹脂層が介在されており、
    当該表面化粧パネルの裏面側には、溝底が前記表層側樹脂層に位置するように折曲溝が設けられていることを特徴とする表面化粧パネル。
  3. 請求項において、
    前記表層側樹脂層を構成する樹脂組成物の発泡倍率は、前記繊維強化樹脂層を構成する樹脂組成物の発泡倍率以下であることを特徴とする表面化粧パネル。
  4. パネル芯材と、このパネル芯材の角部に応じた位置となるように前記折曲溝が設けられ、このパネル芯材に貼着される請求項2または3に記載の表面化粧パネルと、を備えていることを特徴とする化粧パネル。
  5. 化粧シートの裏面に表層側樹脂層を構成する未硬化の樹脂組成物を供給した後に、前記表層側樹脂層の裏面側に位置するように繊維強化樹脂層を形成して表面化粧パネルを製造し、該表面化粧パネルの裏面側に、溝底が前記表層側樹脂層に位置するように折曲溝を設けることを特徴とするパネル製造方法。
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