JPH0881554A - ポリアミド樹脂およびその組成物 - Google Patents
ポリアミド樹脂およびその組成物Info
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- JPH0881554A JPH0881554A JP24461494A JP24461494A JPH0881554A JP H0881554 A JPH0881554 A JP H0881554A JP 24461494 A JP24461494 A JP 24461494A JP 24461494 A JP24461494 A JP 24461494A JP H0881554 A JPH0881554 A JP H0881554A
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- resin
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 再溶融時のモノマーやオリゴマーの再生成量
が少なく、成型装置の口金汚染が低減でき、かつ、再溶
融時に樹脂重合度変化の水分率依存性が小さく、安定し
た成型性を有するポリアミド樹脂を提供する。 【構成】 主としてカプラミドを繰り返し単位とし、末
端基が (a)−NHCO−(CH2 )5 −NHCO−R1 (b)−CONH−R2−NHCO−R3 (c)−NH2 (d)−COOH (R1,R2,R3は炭素数30以下からなる炭化水素
基)から構成されていることを特徴とするポリアミド樹
脂。
が少なく、成型装置の口金汚染が低減でき、かつ、再溶
融時に樹脂重合度変化の水分率依存性が小さく、安定し
た成型性を有するポリアミド樹脂を提供する。 【構成】 主としてカプラミドを繰り返し単位とし、末
端基が (a)−NHCO−(CH2 )5 −NHCO−R1 (b)−CONH−R2−NHCO−R3 (c)−NH2 (d)−COOH (R1,R2,R3は炭素数30以下からなる炭化水素
基)から構成されていることを特徴とするポリアミド樹
脂。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、再溶融時におけるモノ
マーやオリゴマーの再生成量が少なく、成型装置の口金
汚染が低減でき、かつ、再溶融時に樹脂の重合度変化の
水分率依存性が小さく、安定した成型性を有するポリア
ミド樹脂に関し、繊維やエンジニアリングプラスチッ
ク、フィルム等に広く利用できるものである。
マーやオリゴマーの再生成量が少なく、成型装置の口金
汚染が低減でき、かつ、再溶融時に樹脂の重合度変化の
水分率依存性が小さく、安定した成型性を有するポリア
ミド樹脂に関し、繊維やエンジニアリングプラスチッ
ク、フィルム等に広く利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は機械的、化学的、熱的
特性に優れ、かつ高ガスバリヤー性を有するため、繊維
やエンジニアリングプラスチック、フィルム等として工
業用途に広く使用されている。一般に、ポリアミド樹脂
は重合直後には未反応のモノマーやオリゴマーを約10
%程度含んでいるが、熱水等でそれらを抽出除去して製
品樹脂を得ている。しかし、ポリアミド樹脂を成型加工
する際、溶融押出し機等で再溶融すると、モノマーやオ
リゴマーが再生成した後に気化するなどして、成型装置
の口金を汚染したり、製品中に残存してその品質が低下
する原因となっている。また、ポリアミド樹脂は、含有
水分率を厳密にコントロールしないと、成型中の重合度
が変化する傾向が大きくなり、成型工程での樹脂重合度
の安定性が損なわれ、安定した成型性が得られなくなる
という問題がある。
特性に優れ、かつ高ガスバリヤー性を有するため、繊維
やエンジニアリングプラスチック、フィルム等として工
業用途に広く使用されている。一般に、ポリアミド樹脂
は重合直後には未反応のモノマーやオリゴマーを約10
%程度含んでいるが、熱水等でそれらを抽出除去して製
品樹脂を得ている。しかし、ポリアミド樹脂を成型加工
する際、溶融押出し機等で再溶融すると、モノマーやオ
リゴマーが再生成した後に気化するなどして、成型装置
の口金を汚染したり、製品中に残存してその品質が低下
する原因となっている。また、ポリアミド樹脂は、含有
水分率を厳密にコントロールしないと、成型中の重合度
が変化する傾向が大きくなり、成型工程での樹脂重合度
の安定性が損なわれ、安定した成型性が得られなくなる
という問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリアミド樹脂の溶融
時におけるモノマーとオリゴマーの再生成を抑えること
ができれば、樹脂を成型加工する際に成型装置の口金や
製品の汚染が抑制でき、生産性や製品品質が向上する。
また、これまでポリアミド樹脂の含有水分率は成型中の
樹脂の重合度変化に対する寄与率が非常に高かったの
で、その依存性を低減することができれば、成型工程で
の樹脂重合度が安定し、安定した成型性が得られること
が予測されるため、両課題の両立が求められている。
時におけるモノマーとオリゴマーの再生成を抑えること
ができれば、樹脂を成型加工する際に成型装置の口金や
製品の汚染が抑制でき、生産性や製品品質が向上する。
また、これまでポリアミド樹脂の含有水分率は成型中の
樹脂の重合度変化に対する寄与率が非常に高かったの
で、その依存性を低減することができれば、成型工程で
の樹脂重合度が安定し、安定した成型性が得られること
が予測されるため、両課題の両立が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は再溶融時の
モノマーとオリゴマーの再生成量が少なく、成型装置の
口金汚染が低減でき、かつ、再溶融時に樹脂重合度変化
の水分率依存性が小さく、安定した成型性を有するポリ
アミド樹脂について鋭意研究した結果、末端基が特定の
官能基や炭化水素類からなるポリアミド樹脂がこれらの
課題を解決することを知見し、本発明の完成に到達し
た。
モノマーとオリゴマーの再生成量が少なく、成型装置の
口金汚染が低減でき、かつ、再溶融時に樹脂重合度変化
の水分率依存性が小さく、安定した成型性を有するポリ
アミド樹脂について鋭意研究した結果、末端基が特定の
官能基や炭化水素類からなるポリアミド樹脂がこれらの
課題を解決することを知見し、本発明の完成に到達し
た。
【0005】即ち、本発明は主としてカプラミドを繰り
返し単位とし、末端基が (a)−NHCO−(CH2 )5 −NHCO−R1 (b)−CONH−R2−NHCO−R3 (c)−NH2 (d)−COOH (R1,R2,R3は炭素数30以下からなる炭化水素
基)から構成されていることを特徴とするポリアミド樹
脂を要旨とするものである。
返し単位とし、末端基が (a)−NHCO−(CH2 )5 −NHCO−R1 (b)−CONH−R2−NHCO−R3 (c)−NH2 (d)−COOH (R1,R2,R3は炭素数30以下からなる炭化水素
基)から構成されていることを特徴とするポリアミド樹
脂を要旨とするものである。
【0006】以下、本発明のポリアミド樹脂をさらに詳
細に説明する。本発明のポリアミド樹脂は炭素数30以
下のモノカルボン酸類と炭素数30以下のジアミン類の
存在下で、ε−カプロラクタムを重合させることによっ
て得ることができる。かかる炭素数30以下のモノカル
ボン酸類としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草
酸、カプロン酸、エナント酸、フブリン酸、エラルモン
酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリス
チン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸、ベヘン酸な
どの脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸
などの脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイン酸、
エチル安息香酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボ
ン酸が挙げられる。
細に説明する。本発明のポリアミド樹脂は炭素数30以
下のモノカルボン酸類と炭素数30以下のジアミン類の
存在下で、ε−カプロラクタムを重合させることによっ
て得ることができる。かかる炭素数30以下のモノカル
ボン酸類としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草
酸、カプロン酸、エナント酸、フブリン酸、エラルモン
酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリス
チン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸、ベヘン酸な
どの脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸
などの脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイン酸、
エチル安息香酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボ
ン酸が挙げられる。
【0007】また、炭素数30以下のジアミン類として
は、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラ
メチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、2,2,4(または2,4,4)−ト
リメチルヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジア
ミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミ
ン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメタキシリレンジアミン、トリデカメチレン
ジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、オクタデカメ
チレンジアミンなどの脂肪族ジアミン類、シクロヘキサ
ンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、ビス−(4,4′−アミノシクロヘキシル)メタ
ン、キシリレンジアミンなどの脂環式、芳香族ジアミン
類が挙げられる。
は、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラ
メチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、2,2,4(または2,4,4)−ト
リメチルヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジア
ミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミ
ン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメタキシリレンジアミン、トリデカメチレン
ジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、オクタデカメ
チレンジアミンなどの脂肪族ジアミン類、シクロヘキサ
ンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、ビス−(4,4′−アミノシクロヘキシル)メタ
ン、キシリレンジアミンなどの脂環式、芳香族ジアミン
類が挙げられる。
【0008】本発明のポリアミド樹脂を製造するには、
モノカルボン酸類とジアミン類の存在下で、ε−カプロ
ラクタムを常法にしたがって重合させればよい。その
際、前記のモノカルボン酸類とジアミン類は、同時にま
たは独立に、重合反応開始前から減圧反応を始めるまで
の任意の段階で添加することができる。
モノカルボン酸類とジアミン類の存在下で、ε−カプロ
ラクタムを常法にしたがって重合させればよい。その
際、前記のモノカルボン酸類とジアミン類は、同時にま
たは独立に、重合反応開始前から減圧反応を始めるまで
の任意の段階で添加することができる。
【0009】モノカルボン酸類とジアミン類の添加量は
それぞれε−カプロラクタムに対して、5〜50meq
/kg、好ましくは5〜40meq/kg、さらに好ま
しくは10〜35meq/kgである。これらの添加量
が少ないと本発明の効果を有するポリアミド樹脂を製造
することができず、逆にこの量が多すぎると粘度が低く
なり、製品の物性に悪影響を及ぼすようになる。
それぞれε−カプロラクタムに対して、5〜50meq
/kg、好ましくは5〜40meq/kg、さらに好ま
しくは10〜35meq/kgである。これらの添加量
が少ないと本発明の効果を有するポリアミド樹脂を製造
することができず、逆にこの量が多すぎると粘度が低く
なり、製品の物性に悪影響を及ぼすようになる。
【0010】重合反応はε−カプロラクタムに水や6−
アミノヘキサン酸などの重合開始剤を加えて加熱して初
期重合を行い、生成した初期重合物を減圧してさらに重
合度を上げることによって得られる。この減圧反応の圧
力は1〜400torrで行うのがよく、好ましくは5
〜300torr、さらに好ましくは10〜250to
rrで行うのがよい。減圧反応の圧力が高いと十分な重
合度の樹脂が得られず、低すぎるとポリアミド樹脂がゲ
ル化する恐れがある。
アミノヘキサン酸などの重合開始剤を加えて加熱して初
期重合を行い、生成した初期重合物を減圧してさらに重
合度を上げることによって得られる。この減圧反応の圧
力は1〜400torrで行うのがよく、好ましくは5
〜300torr、さらに好ましくは10〜250to
rrで行うのがよい。減圧反応の圧力が高いと十分な重
合度の樹脂が得られず、低すぎるとポリアミド樹脂がゲ
ル化する恐れがある。
【0011】上記の方法によって得られた本発明のポリ
アミド樹脂の末端アミノ基(c)の濃度Xmeq/kg
と末端カルボキシル基(d)の濃度Ymeq/kgの積
は好ましくは300≦X×Y≦1500(meq/k
g)2 であり、さらに好ましくは350≦X×Y≦14
50(meq/kg)2 であり、最も好ましくは400
≦X×Y≦1400(meq/kg)2 である。この濃
度積の値が上記範囲より小さいと本発明の効果はさらに
大きくなるが、経済的に製造するのは困難になり、逆に
大きいと効果が小さくなる。
アミド樹脂の末端アミノ基(c)の濃度Xmeq/kg
と末端カルボキシル基(d)の濃度Ymeq/kgの積
は好ましくは300≦X×Y≦1500(meq/k
g)2 であり、さらに好ましくは350≦X×Y≦14
50(meq/kg)2 であり、最も好ましくは400
≦X×Y≦1400(meq/kg)2 である。この濃
度積の値が上記範囲より小さいと本発明の効果はさらに
大きくなるが、経済的に製造するのは困難になり、逆に
大きいと効果が小さくなる。
【0012】また、本発明のポリアミド樹脂はその末端
アミノ基の濃度Xmeq/kgと末端カルボキシル基の
濃度Ymeq/kgがX≦Y+5の条件を満足すること
が好ましい。これは末端アミノ基の濃度が高くなればな
るほど、ポリアミド樹脂が成型時に酸化劣化し易くなっ
てしまうためである。
アミノ基の濃度Xmeq/kgと末端カルボキシル基の
濃度Ymeq/kgがX≦Y+5の条件を満足すること
が好ましい。これは末端アミノ基の濃度が高くなればな
るほど、ポリアミド樹脂が成型時に酸化劣化し易くなっ
てしまうためである。
【0013】上記ポリアミド樹脂の末端アミノ基は樹脂
をフェノール/エタノール(容積比4/1)溶液に溶解
し、0.02N塩酸を所定量加えたのち、0.02Nの
水酸化ナトリウム水溶液で逆滴定して測定することがで
きる。また、末端カルボキシル基はポリアミド樹脂を1
80℃のベンジルアルコールに溶解し、指示薬を加えて
0.02Nの水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定し
て測定することができる。末端−CONH−R2−NH
CO−R3基は 1H NMRスペクトルにより、確認す
ることができる。
をフェノール/エタノール(容積比4/1)溶液に溶解
し、0.02N塩酸を所定量加えたのち、0.02Nの
水酸化ナトリウム水溶液で逆滴定して測定することがで
きる。また、末端カルボキシル基はポリアミド樹脂を1
80℃のベンジルアルコールに溶解し、指示薬を加えて
0.02Nの水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定し
て測定することができる。末端−CONH−R2−NH
CO−R3基は 1H NMRスペクトルにより、確認す
ることができる。
【0014】本発明のポリアミド樹脂の相対粘度は20
℃でJIS K 6810(96%硫酸・樹脂濃度1
%)に従って測定した値で2.0〜3.4、好ましくは
2.1〜3.3、さらに好ましくは2.2〜3.2であ
る。相対粘度がこの範囲より高すぎると、成型品の機械
的強度は大きくなるが溶融流動特性を損なうようにな
り、逆に低すぎると機械的強度が低くなるので好ましく
ない。
℃でJIS K 6810(96%硫酸・樹脂濃度1
%)に従って測定した値で2.0〜3.4、好ましくは
2.1〜3.3、さらに好ましくは2.2〜3.2であ
る。相対粘度がこの範囲より高すぎると、成型品の機械
的強度は大きくなるが溶融流動特性を損なうようにな
り、逆に低すぎると機械的強度が低くなるので好ましく
ない。
【0015】また、本発明のポリアミド樹脂はその目的
を損なわない範囲で種々の添加剤を必要に応じて含有さ
せることができる。かかる添加剤としては、ヒンダード
フェノール、リン酸エステル、亜リン酸エステルなどの
酸化防止剤、トリアジンなどの耐候安定剤、帯電防止
剤、着色剤、可塑剤、有機滑剤、無機滑剤、難燃剤、導
電性付与剤、繊維状強化剤等が挙げられる。本発明では
ポリアミド樹脂をフィルムに成型する際、フィルムのス
リップ性を改良する目的でポリアミド樹脂組成物100
重量%に対して無機微粒子0.01〜1重量%を添加す
ることができる。具体的にはカオリン、シリカ(二酸化
ケイ素)、ゼオライト、タルク、アルミナ(酸化アルミ
ニウム)などを添加する。
を損なわない範囲で種々の添加剤を必要に応じて含有さ
せることができる。かかる添加剤としては、ヒンダード
フェノール、リン酸エステル、亜リン酸エステルなどの
酸化防止剤、トリアジンなどの耐候安定剤、帯電防止
剤、着色剤、可塑剤、有機滑剤、無機滑剤、難燃剤、導
電性付与剤、繊維状強化剤等が挙げられる。本発明では
ポリアミド樹脂をフィルムに成型する際、フィルムのス
リップ性を改良する目的でポリアミド樹脂組成物100
重量%に対して無機微粒子0.01〜1重量%を添加す
ることができる。具体的にはカオリン、シリカ(二酸化
ケイ素)、ゼオライト、タルク、アルミナ(酸化アルミ
ニウム)などを添加する。
【0016】更に、本発明のポリアミド樹脂は物性や成
型性に悪影響を及ぼさない範囲で他の樹脂類をブレンド
することもできる。例えば本発明のポリアミド樹脂のフ
ィルム物性(ガスバリア性等)を改良する目的で、上記
ポリアミド樹脂100重量%に対して1〜20、好まし
くは1〜15、さらに好ましくは1〜10重量%の他の
ポリアミド樹脂を配合することができる。かかる他のポ
リアミド樹脂として具体的には、ポリドデカノアミド
(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナ
イロン6,6)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ナイ
ロン6,9)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロ
ン6,10)、ポリヘキサメチレンドデカノアミド(ナ
イロン6,12)、ポリキシリレンアジパミド(MXD
6)、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ナイロン
6,T)、ポリフェニレンフタラミドなどが挙げられる
が、特にガスバリア性の改良にはMXD6、ナイロン
6,Tなどの芳香族系ポリアミド樹脂が好ましい。本発
明のポリアミド樹脂は繊維やエンジニアリングプラスチ
ック、フィルム等の分野で広く利用することができる。
型性に悪影響を及ぼさない範囲で他の樹脂類をブレンド
することもできる。例えば本発明のポリアミド樹脂のフ
ィルム物性(ガスバリア性等)を改良する目的で、上記
ポリアミド樹脂100重量%に対して1〜20、好まし
くは1〜15、さらに好ましくは1〜10重量%の他の
ポリアミド樹脂を配合することができる。かかる他のポ
リアミド樹脂として具体的には、ポリドデカノアミド
(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナ
イロン6,6)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ナイ
ロン6,9)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロ
ン6,10)、ポリヘキサメチレンドデカノアミド(ナ
イロン6,12)、ポリキシリレンアジパミド(MXD
6)、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ナイロン
6,T)、ポリフェニレンフタラミドなどが挙げられる
が、特にガスバリア性の改良にはMXD6、ナイロン
6,Tなどの芳香族系ポリアミド樹脂が好ましい。本発
明のポリアミド樹脂は繊維やエンジニアリングプラスチ
ック、フィルム等の分野で広く利用することができる。
【0017】
【実施例】本発明を以下の実施例によって具体的に説明
するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施
例に限定されるものではない。なお、実施例中のモノマ
ーやオリゴマーの再生成量の測定方法は以下の通りであ
る。
するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施
例に限定されるものではない。なお、実施例中のモノマ
ーやオリゴマーの再生成量の測定方法は以下の通りであ
る。
【0018】モノマーやオリゴマーの再生成量の測定方
法 後述の重合によって得られた樹脂を熱水抽出して、モノ
マーやオリゴマーを除去した後真空乾燥して、260℃
に熱したヒートプレス機で厚さ約1mmのシートに成型
し、メタノールを溶媒としてさらにソックスレー連続抽
出器でモノマーやオリゴマーを除去してから真空乾燥し
た。次にこのシートを280℃で15分間再溶融し、再
生成したモノマーやオリゴマーをソックスレー連続抽出
器で抽出し、Waters製の液体クロマトグラフィー
を用いてそれらの定量を行った。なお、オリゴマーは代
表として環状2量体を選択した。
法 後述の重合によって得られた樹脂を熱水抽出して、モノ
マーやオリゴマーを除去した後真空乾燥して、260℃
に熱したヒートプレス機で厚さ約1mmのシートに成型
し、メタノールを溶媒としてさらにソックスレー連続抽
出器でモノマーやオリゴマーを除去してから真空乾燥し
た。次にこのシートを280℃で15分間再溶融し、再
生成したモノマーやオリゴマーをソックスレー連続抽出
器で抽出し、Waters製の液体クロマトグラフィー
を用いてそれらの定量を行った。なお、オリゴマーは代
表として環状2量体を選択した。
【0019】成型装置口金汚れ 樹脂の溶融押し出し時における口金汚れが発生しなかっ
た場合は「○」、口金汚れが発生した場合は「×」で示
した。成型安定性 樹脂の溶融押し出し時に樹脂含有水分率が変化した時の
重合度変化の度合いが大きかった場合は「×」、重合度
が変化しなかった場合は「○」で示した。
た場合は「○」、口金汚れが発生した場合は「×」で示
した。成型安定性 樹脂の溶融押し出し時に樹脂含有水分率が変化した時の
重合度変化の度合いが大きかった場合は「×」、重合度
が変化しなかった場合は「○」で示した。
【0020】実施例 1〜5,比較例 1〜3 ポリアミド樹脂は2lのオートクレーブにε−カプロラ
クタムを700g、水を14g、表1に示す種類と量の
モノカルボン酸およびジアミンを投入し、窒素置換の後
密閉して260℃まで撹拌しながら昇温し、加圧下で
1.5時間初期重合を行った。次に、缶内圧力を大気圧
まで戻してそのまま2.5時間常圧反応を行い、表1に
示す圧力まで減圧して2時間反応を行った。反応終了後
撹拌を止めて脱泡してから窒素で復圧し、樹脂をストラ
ンドカットした後に熱水抽出してモノマーやオリゴマー
を除去して真空乾燥した。表1に実施例1〜5と比較例
1〜3の測定結果を示す。
クタムを700g、水を14g、表1に示す種類と量の
モノカルボン酸およびジアミンを投入し、窒素置換の後
密閉して260℃まで撹拌しながら昇温し、加圧下で
1.5時間初期重合を行った。次に、缶内圧力を大気圧
まで戻してそのまま2.5時間常圧反応を行い、表1に
示す圧力まで減圧して2時間反応を行った。反応終了後
撹拌を止めて脱泡してから窒素で復圧し、樹脂をストラ
ンドカットした後に熱水抽出してモノマーやオリゴマー
を除去して真空乾燥した。表1に実施例1〜5と比較例
1〜3の測定結果を示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなとおり、本発明のポリア
ミド樹脂(実施例1〜5)は再溶融時のモノマーやオリ
ゴマーの再生成量が少なく、成型装置の口金汚染が低減
でき、かつ安定した成型性を有しているのに対して、比
較例のポリアミド樹脂はモノマー等の再生成量が多く、
それに伴って成型装置の口金汚れや成型安定性に問題が
あった。
ミド樹脂(実施例1〜5)は再溶融時のモノマーやオリ
ゴマーの再生成量が少なく、成型装置の口金汚染が低減
でき、かつ安定した成型性を有しているのに対して、比
較例のポリアミド樹脂はモノマー等の再生成量が多く、
それに伴って成型装置の口金汚れや成型安定性に問題が
あった。
【0023】実施例 6 実施例4のポリアミド樹脂100重量%に対して、島津
製作所(株)製 遠心沈降式粒度分布計 SA−CP4
を用いて平均粒径を測定した値が1.0〜3.5ミクロ
ンであるシリカ微粒子を0.5重量%配合した。実施例
4と本例の樹脂の相対粘度、末端アミノ基、末端カルボ
キシル基濃度は等しく、シリカ微粒子の配合によるモノ
マーと環状2量体再生成量、成型装置口金汚れの程度、
成型安定性等への効果に悪影響はなかった。また、ポリ
アミド樹脂をフィルムに成型した場合のフィルムのスリ
ップ性は良好であった。
製作所(株)製 遠心沈降式粒度分布計 SA−CP4
を用いて平均粒径を測定した値が1.0〜3.5ミクロ
ンであるシリカ微粒子を0.5重量%配合した。実施例
4と本例の樹脂の相対粘度、末端アミノ基、末端カルボ
キシル基濃度は等しく、シリカ微粒子の配合によるモノ
マーと環状2量体再生成量、成型装置口金汚れの程度、
成型安定性等への効果に悪影響はなかった。また、ポリ
アミド樹脂をフィルムに成型した場合のフィルムのスリ
ップ性は良好であった。
【0024】実施例 7,8 表2に示すポリマー組成で実施例4で得られたポリアミ
ド樹脂(A成分)に対して、ポリメタキシリレンアジパ
ミド(B成分:Tm=240℃、相対粘度2.23)を
加え、250℃の温度に加熱してTダイより押し出し、
温度82℃に保持した冷却ロールで固化させ未延伸フィ
ルムを作成し、この未延伸フィルムを縦3.8倍、横
4.0倍に二軸延伸し、190℃で30秒間緊張熱固定
してフィルムを得た。なお、フィルムの酸素透過係数は
理化精機工業(株)製二連式ガス透過率測定器を用い、
ASTM−D1434−58に準じた方法で30℃で測
定した(単位:cc・cm/cm2 ・秒・cmHg)。
ポリマー組成と酸素透過係数の測定結果を表2に示し
た。
ド樹脂(A成分)に対して、ポリメタキシリレンアジパ
ミド(B成分:Tm=240℃、相対粘度2.23)を
加え、250℃の温度に加熱してTダイより押し出し、
温度82℃に保持した冷却ロールで固化させ未延伸フィ
ルムを作成し、この未延伸フィルムを縦3.8倍、横
4.0倍に二軸延伸し、190℃で30秒間緊張熱固定
してフィルムを得た。なお、フィルムの酸素透過係数は
理化精機工業(株)製二連式ガス透過率測定器を用い、
ASTM−D1434−58に準じた方法で30℃で測
定した(単位:cc・cm/cm2 ・秒・cmHg)。
ポリマー組成と酸素透過係数の測定結果を表2に示し
た。
【0025】表2から明らかなとおり、ポリアミド樹脂
より酸素透過率の低いポリメタキシリレンアジパミドを
一定量配合することにより、本発明の目的を損なわずに
低酸素透過性フィルムを得ることができた。
より酸素透過率の低いポリメタキシリレンアジパミドを
一定量配合することにより、本発明の目的を損なわずに
低酸素透過性フィルムを得ることができた。
【0026】
【発明の効果】以上から明らかなとおり、本発明のポリ
アミド樹脂は、モノカルボン酸類とジアミン類の存在下
で、ε−カプロラクタムを重合し、さらにジアミンをモ
ノカルボン酸で封鎖しているため、再溶融時のモノマー
やオリゴマーの再生成量が少なく、成型装置の口金汚染
が低減でき、かつ、再溶融時に樹脂重合度変化の水分率
依存性が小さく、安定した成型性を有する。また、本発
明のポリアミド樹脂に無機微粒子や他のポリアミド樹脂
を配合することにより、上記効果を損なわずにさらに他
の特性を付与又は強化することができる。
アミド樹脂は、モノカルボン酸類とジアミン類の存在下
で、ε−カプロラクタムを重合し、さらにジアミンをモ
ノカルボン酸で封鎖しているため、再溶融時のモノマー
やオリゴマーの再生成量が少なく、成型装置の口金汚染
が低減でき、かつ、再溶融時に樹脂重合度変化の水分率
依存性が小さく、安定した成型性を有する。また、本発
明のポリアミド樹脂に無機微粒子や他のポリアミド樹脂
を配合することにより、上記効果を損なわずにさらに他
の特性を付与又は強化することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 主としてカプラミドを繰り返し単位と
し、末端基が (a)−NHCO−(CH2 )5 −NHCO−R1 (b)−CONH−R2−NHCO−R3 (c)−NH2 (d)−COOH (R1,R2,R3は炭素数30以下からなる炭化水素
基)から構成されていることを特徴とするポリアミド樹
脂。 - 【請求項2】 末端アミノ基(c)の濃度Xmeq/k
gと末端カルボキシル基(d)の濃度Ymeq/kgの
積が、 300≦X×Y≦1500(meq/kg)2 を満足し、かつ相対粘度が2.0〜3.4である請求項
1記載のポリアミド樹脂。 - 【請求項3】 末端アミノ基の濃度Xmeq/kgと末
端カルボキシル基の濃度Ymeq/kgが、X≦Y+5
の条件を満足する請求項1記載のポリアミド樹脂。 - 【請求項4】 請求項1〜3記載のポリアミド樹脂10
0重量%に対して、無機微粒子を0.01〜1重量%配
合したポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項4記載のポリアミド樹脂組成物1
00重量%に対して、他のポリアミド樹脂を1〜20重
量%配合したポリアミド樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24461494A JPH0881554A (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | ポリアミド樹脂およびその組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24461494A JPH0881554A (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | ポリアミド樹脂およびその組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0881554A true JPH0881554A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=17121363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24461494A Pending JPH0881554A (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | ポリアミド樹脂およびその組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0881554A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998029512A1 (fr) * | 1996-12-27 | 1998-07-09 | Unitika Ltd. | Composition a base de resine polyamide ignifuge |
JP2008144075A (ja) * | 2006-12-12 | 2008-06-26 | Toyobo Co Ltd | ナイロン6樹脂の製造方法 |
JP2009023294A (ja) * | 2007-07-23 | 2009-02-05 | Toyobo Co Ltd | 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 |
JP2011012283A (ja) * | 1999-06-18 | 2011-01-20 | Solvay Advanced Polymers Llc | 部分芳香族ポリアミドを備えた組成物 |
JP5501223B2 (ja) * | 2008-04-16 | 2014-05-21 | ユニチカ株式会社 | 二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムおよびその製造方法 |
-
1994
- 1994-09-12 JP JP24461494A patent/JPH0881554A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998029512A1 (fr) * | 1996-12-27 | 1998-07-09 | Unitika Ltd. | Composition a base de resine polyamide ignifuge |
JP2011012283A (ja) * | 1999-06-18 | 2011-01-20 | Solvay Advanced Polymers Llc | 部分芳香族ポリアミドを備えた組成物 |
JP2008144075A (ja) * | 2006-12-12 | 2008-06-26 | Toyobo Co Ltd | ナイロン6樹脂の製造方法 |
JP2009023294A (ja) * | 2007-07-23 | 2009-02-05 | Toyobo Co Ltd | 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 |
JP5501223B2 (ja) * | 2008-04-16 | 2014-05-21 | ユニチカ株式会社 | 二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムおよびその製造方法 |
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