JP3589094B2 - 逐次二軸延伸フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は延伸性に優れたポリアミドから製造されてなる逐次二軸延伸フィルムに関する。詳しくは、ジアミンからなる単位の一部又は全部にノルボルナンジアミンを使用するポリアミドから製造されてなる逐次二軸延伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミドは耐熱性やガスバリヤー性に優れているため、レトルト食品などの食品包装用材料として使用されている。近年、これら食品包装分野の拡大にともない、要求特性が多様化している。例えば、薄く、かつ、実用的な機械的強度やガスバリヤー性に優れたポリアミドフィルムの製造、特に、生産性の良い逐次2軸延伸法に適したポリアミドに対する要求などがある。
【0003】
一般に、結晶性ポリマーから得られるフィルムは延伸することにより、フィルムの厚さが薄くなり、かつ、単位当たりの機械的強度は向上することが知られている。この延伸技術を応用して、多くの結晶性ポリマーから薄く、かつ、機械的強度に優れたフィルムが製造されている。
ところが、ナイロン6やナイロン66等の結晶性ポリアミドから得られるフィルム、モノフィラメント、繊維などは延伸条件をある狭い範囲で管理しないと、延伸ムラが起こったり、比較的低い延伸倍率で破断したりすることが知られている。特に、フィルムの大量生産に有利とされている逐次二軸延伸法によってナイロンフィルムを製造する場合、フィルムの押出し方向に延伸する一段目の延伸(以降、「一次延伸」と記載する。)を行った後、一段目の延伸方向と直角の方向に延伸する二段目の延伸(以降、「二次延伸」と記載する。)が困難なことが知られている。この理由は、一次延伸の際、ポリアミド分子がフィルム面に平行に配向して、分子間に水素結合が形成され、これにより結晶化が進行して、フィルムが硬くなり、二次延伸が困難になるためと考えられている。そのため、逐次二軸延伸法に適用できる延伸性に優れたポリアミドの開発が望まれている。
【0004】
従来、ポリアミドの延伸性改良に関し、多くのポリアミド共重合体やポリアミド組成物が提案されている。延伸性の改良されたポリアミド共重合体としては、例えば、特開昭53−5250号公報にはイプシロンカプロラクタム、ヘキサメチレンイソフタラミドおよびヘキサメチレンテレフタラミドからなるポリアミド共重合体が、特開昭60−104312号公報には少なくともジカルボン酸とジアミノ脂環式化合物との重合生成物からなるポリアミドが提案されている。
また、ポリアミド組成物としては、例えば、特開昭52−104565号公報には、脂肪族ポリアミドとキシリレンジアミンおよびα,ω−脂肪族ジカルボン酸を構成単位とするポリアミドとをブレンドした組成物が提案されている。特開昭53−88053号公報には、脂肪族ポリアミドと2,2,4−および/又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンと芳香族および/または脂環族ジカルボン酸からなるポリアミド単位を50モル%以上含有するポリアミドとのブレンドからの逐次2軸延伸フィルムの製造方法が提案されている。特開昭62−127346号公報には、脂肪族ポリアミドと半芳香族ポリアミドとから得られる共重合ポリアミドと脂肪族ジアミンとイソフタル酸および/またはテレフタル酸から得られるる半芳香族ポリアミドとのブレンド物からなるポリアミド組成物が提案されている。
【0005】
前記、提案のポリアミド共重合体やポリアミド組成物はナイロン6など単独のポリアミドに比べ、延伸性は改良されている。しかし、フィルムの延伸倍率が3倍以上になると延伸ムラが発生することがあるなど、均一に延伸できる延伸倍率には制約があったりした。また、逐次二軸延伸法における二次延伸では、延伸ムラが起こりやすかったり、低い延伸倍率で破断することがあるなど、未だ、延伸性の改良が十分とはいえなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は延伸性に優れたポリアミドから製造されてなる逐次二軸延伸フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本研究者らは、延伸性、特に、逐次二軸延伸性に優れるポリアミドを得る目的で、ポリアミドの分子構造と延伸性の関係を検討した結果、分子鎖中にノルボルナンジアミンからなる単位を有するポリアミドが延伸性に優れることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明の第一の発明は、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸からなる単位、ジカルボン酸からなる単位、およびノルボルナンジアミンを含むジアミンからなる単位を含むポリアミドから製造されてなる逐次二軸延伸フィルムである。
【0009】
本発明の第二の発明は、ジアミンの10〜100mol%がノルボルナンジアミンである第一の発明に記載の逐次二軸延伸フィルムである。
【0010】
本発明の第三の発明は、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸50〜99.8mol%、ジアミン0.1〜25mol%、ジカルボン酸0.1〜25mol%からなるポリアミドであって、該ジアミンの10〜100mol%がノルボルナンジアミンであるポリアミドから製造されてなる逐次二軸延伸フィルムである。
【0011】
ノルボルナンジアミンを構成成分とするポリアミドが延伸性、特に、従来、困難とされていた逐次二軸延伸性に優れる理由は十分明確でないが、ノルボルナンジアミンの分子構造がナイロン6などの脂肪族ポリアミドと比較してかさ高い分子構造であるために、ポリアミド中に導入されたノルボルナン構造が延伸時のポリアミド分子間の水素結合相互作用を弱め、フィルム面内でのポリアミド分子の配向を抑え、結晶化が抑制されるためと推定される。このことは、ノルボルナンジアミンを必須成分とする本発明のポリアミドとナイロン6とから得られたほぼ同一延伸倍率のフィルムの全分子面配向度を比べた場合、本発明のポリアミドの方が分子の面配向が低いことからも、前述のように推定される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、詳細に本発明を説明する。
本発明のポリアミドは、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸からなる単位、ジカルボン酸からなる単位、およびノルボルナンジアミンを含むジアミン単位を含有する。
【0013】
本発明で使用するラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ウンデカラクタム、ω−ドデカラクタム、2−ピロリドンなどがあげられる。アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などがあげられる。これらのラクタムやアミノ酸は単独で使用しても良く、又、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。ラクラムとアミノカルボン酸を併用する場合、任意の割合で混合して使用することが出来る。ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸から誘導されるポリアミドとノルボルナンジアミンを構成成分とするポリアミドとからなるポリアミド共重合体は、後者の含有量が少量であっても、延伸性の改良は可能である。
【0014】
本発明で使用するジカルボン酸の具体例は、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサンなどの脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸,ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸があげられ、これらのジカルボン酸は単独で使用しても良く、また、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。
【0015】
本発明で使用するノルボルナンジアミンとしては、例えば、2,5−ノルボルナンジメチルアミン、2,6−ノルボルナンジメチルアミンあるいはこれらを任意の割合で混合した物などが挙げられる。
【0016】
ノルボルナンジアミン以外のジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどの脂環式ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなどがあげられ、これらのジアミンは単独で使用しても良く、また、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。ジカルボン酸とノルボルナンジアミンを含むジアミンとはほぼ等モルの割合で使用される。
【0017】
ラクタムおよび/またはアミノカプロン酸の使用量は50〜99.8mol%、好ましくは70〜99.5mol%であり、ジカルボン酸は0.1〜25mol%、好ましくは0.25〜15mol%、ジアミンは0.1〜25mol%、好ましくは0.25〜15mol%である。また、このジアミンの10〜100mol%、好ましくは30〜100mol%、より好ましくは50〜100mol%がノルボルナンジアミンである。ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸の使用量が上記下限より少なくなると機械的強度が低下することがある。また、上記上限より多くなると延伸性が低下することがある。ジアミン中のノルボルナンジアミンの量が上記下限より少ないと延伸性が低下するようになる。また、上限より多くなると延伸性は良いが、機械的強度など実用的な性質が低下するようになる。
【0018】
本発明のポリアミドの製造は回分式でも、連続式でも実施でき、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽層式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機などの混練反応押出機など、公知のポリアミド製造装置を用いることができる。重合方法としては溶融重合、溶液重合や固相重合などの公知の方法を用いることができる。これらの重合方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。
【0019】
例えば、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸、ジカルボン酸、ノルボルナンジアミンを含むジアミンと水を耐圧容器に仕込み、密封状態で200〜350℃の温度範囲で、加圧下に重縮合した後、圧力を下げて、大気圧下または減圧下で200〜350℃の温度範囲で重縮合反応を続け、高分子量化することにより、目的のポリアミドを製造することができる。この際、ジアミンとジカルボン酸はそのまま耐圧容器に仕込んでも良いし、また、ほぼ等モルのジアミンとジカルボン酸を水やアルコールに混合、溶解させた後、ナイロン塩を生成させ、そのままの溶液の状態や濃縮した溶液状態、または、再結晶により得られる固体状のナイロン塩の形状にして仕込んでも良い。本発明で使用する水は酸素を除去したイオン交換水や蒸留水を使用することが望ましく、その使用量はポリアミドを構成する原料100重量部に対して一般的には1〜150重量部である。
【0020】
高分子量化されたポリアミドは、通常、溶融状態で反応容器から抜き出し、水などで冷却された後、ペレット化される。ナイロン6など未反応モノマーを多く含有するポリアミドを主成分とするペレットの場合、さらに、熱水洗浄などにより未反応モノマーなどを除去した後、フィルムの製造に使用される。本発明のポリアミドの分子量はJIS K6810に記載の方法で測定した相対粘度(ηr)が1.5〜5.0の範囲、好ましくは2.0〜4.0のものである。なお、ポリアミドの末端基の種類およびその濃度や分子量分布には特別の制約は無い。
【0021】
本発明のポリアミドを重合する際、必要ならば、重合促進や酸化防止のため、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸やこれらのアルカリ金属塩などのリン系化合物を添加することができる。これらリン系化合物の添加量は、通常、得ようとするポリアミドに対し50〜3,000ppmである。また、分子量調節や成形加工時の溶融粘度安定化のため、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのアミンや酢酸、安息香酸、ステアリン酸、ヘキサンジオン酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのカルボン酸を添加することができる。これら分子量調節剤の使用量は分子量調節剤の反応性や重合条件により異なるが、最終的に得ようとするポリアミドの相対粘度が1.5〜5.0の範囲になるように、適宜決められる。
【0022】
本発明のポリアミドからのフィルム製造は、公知のフィルム製造法、例えば、溶融押出機を用いたTダイ法、インフレーション法、チューブラー法や溶剤キャスト法、熱プレス法などの方法により製造できる。溶融押出機を用いた方法でのポリアミドの溶融温度は、使用するポリアミドの融点〜320℃である。
【0023】
逐次二軸延伸法でフィルムを製造する場合、本発明のポリアミドに、必要に応じてステアリン酸カルシウム、ビスアミド化合物、シリカ、タルクなどの滑剤、スリップ剤、核剤などを添加した後、Tダイを備えた押出機でポリアミドを溶融押出して、未延伸フィルムを成形する。未延伸フィルムは引続き、連続した工程で延伸しても良いし、一旦、巻き取ってから延伸しても良い。延伸は使用するポリアミドのガラス転移温度(以下、「Tg」と記載する)以上の温度で実施され、一次延伸は、Tg〜(Tg+50)℃の温度範囲で延伸倍率2倍〜5倍、好ましくは、2.5〜4倍に延伸され、次いで、二次延伸は一次延伸と同じ温度かやや高い温度で、延伸倍率2倍〜5倍、好ましくは、2.5〜4倍に延伸された後、150℃以上の温度で熱固定されることにより、逐次二軸延伸フィルムは製造される。
【0024】
本発明の効果が阻害されない範囲で、本発明のポリアミドに熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、顔料、染料、香料、補強材などを添加することが出来る。
【0026】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。尚、実施例および比較例中に示した測定値は以下の方法で測定した。
【0027】
1)ポリアミドのηr(相対粘度)の測定
JIS K6810に準じ、98重量%の濃硫酸を溶媒として、1重量/容量%のポリアミド濃度で、ウベローデ粘度計を用い、25℃の温度で測定した。
【0028】
2)フィルムの押出方向に延伸した時の全分子面配向度の測定
所定雰囲気温度(50℃、60℃、70℃)に温度調節された二軸延伸機BIX−703型(岩本製作所製)の延伸槽に、縦92mm、横92mmの未延伸の試料フィルムを取付け、雰囲気温度(延伸時温度)で20秒間予熱した後、フィルムの押出方向に35mm/秒または140mm/秒の変形速度で3倍に延伸し、200℃で熱固定して全分子面配向度測定用のフィルムを作成した。このフィルムの延伸方向の屈折率(Nx)、幅方向の屈折率(Ny)および厚み方向の屈折率(Nz)を、自動複屈折計KOBRA−21ADH型(王子計測機器製)で測定し、数式(1)により全分子面配向度(P)を求めた。
【数1】
P={(Nx+Ny)/2}−Nz (1)
(ここで、Pは延伸フィルムの全分子面配向度、Nxはフィルムの延伸方向の屈折率、Nyはフィルムの幅方向の屈折率、Nzは厚み方向の屈折率を示す)
Pの値が小さくなるほど、ポリアミド分子の配向が小さく、延伸性が良くなることを示す。
【0029】
3)逐次二軸延伸法による二次延伸の破断時の延伸倍率測定
60℃の雰囲気温度に調節された二軸延伸機BIX−703型(岩本製作所製)の延伸槽に、未延伸の試料フィルムを取付け、雰囲気温度(延伸時温度)で20秒間予熱した後、フィルムの押出方向に変形速度35mm/秒または140mm/秒で3.0倍に一次延伸を行い、次いで、二次延伸を変形速度35mm/秒で、フィルムが破断するまで延伸し、破断時の延伸倍率を測定した。
【0030】
実施例1
攪拌機、温度計、圧力計、圧力制御装置およびポリマー取出口を備えた5リットルの耐圧容器にεーカプロラクタム2200g、ノルボルナンジアミン(三井化学(株)製、商品名NBDA)40.0g、アジピン酸37.9gおよび蒸留水114gを仕込み、窒素加圧と放圧を数回繰り返し、耐圧容器内を窒素置換してから240℃まで昇温した。240℃で攪拌下に4時間、反応させた後、270℃に昇温してから2時間かけてゲージ圧力0MPaまで放圧し、引続き窒素ガスを150ml/分で流しながら、270℃で攪拌下に2.25時間反応させた。次に、攪拌を停止し、ポリマー取出口から溶融状態のポリアミドを紐状で抜出し、水冷した後、ペレタイズして、約1800gのペレットを得た。このペレットを95℃の熱水流通下で12時間洗浄した後、80℃で、24時間真空乾燥した。得られたポリアミドのηrは3.24であった。
得られたポリアミド1500gにステアリン酸カルシウム0.45gを混合してコートハンガー型のTダイを備えた二軸押出機(ラボプラストミル2D25S型、東洋精機製作所製)に供給した。260℃で溶融混練して、約45℃に制御された冷却ロール上に押出し、厚さ120μmの未延伸フィルムを製造した。この未延伸フィルムは延伸性を評価するまで吸湿しないようにアルミ袋に入れ0℃以下で保管した。未延伸フィルムから切出した縦92mm、横92mmの試料を、二軸延伸機BIX−703型(岩本製作所製)に取付け、50℃、60℃、70℃の雰囲気温度(延伸時温度)でそれぞれ約20秒間予熱した後、同温度下、変形速度35mm/秒でフィルムの押出方向に3倍に延伸し、次いで、180℃で熱固定した。得られた延伸フィルムの全分子面配向度を測定し、その結果を表1に示した。
また、未延伸フィルムから切出した縦92mm、横92mmのフィルムを、二軸延伸機BIX−703型(岩本製作所製)に取付け、雰囲気温度60℃、変形速度35mm/秒でフィルムの押出方向に3.0倍に一次延伸し、次いで、一次延伸と同温度、同変形速度でフィルムが破断するまで二次延伸を行った。二次延伸破断時の延伸倍率は4.3倍であった。
【0031】
実施例2
実施例1で得た厚さ120μmの未延伸フィルムから切出した縦92mm、横92mmの試料を、二軸延伸機BIX−703型(岩本製作所製)に取付け、50℃、60℃、70℃の雰囲気温度でそれぞれ約20秒間予熱した後、同温度下、変形速度140mm/秒でフィルムの押出方向に3倍に延伸し、次いで、180℃で熱固定した。得られた延伸フィルムの全分子面配向度を測定し、その結果を表1に示した。
また、未延伸フィルムから切出した縦92mm、横92mmのフィルムを、二軸延伸機BIX−703型(岩本製作所製)に取付け、雰囲気温度60℃、変形速度140mm/秒で押出方向に3.0倍に一次延伸を行い、次いで、一次延伸と同温度、同変形速度でフィルムが破断するまで、二次延伸した。二次延伸破断時の延伸倍率は4.1倍であった。
【0032】
実施例3
εーカプロラクタム、NBDA、アジピン酸および蒸留水の仕込み量をそれぞれ2200g、26g、24.6gおよび113gとした他は実施例1と同様の方法で実施してポリアミドを得た。このポリアミドのηrは3.31であった。このポリアミドから実施例1と同様の方法で実施して得た延伸フィルムの全分子面配向度を測定した。その結果を表1に示した。
また、この未延伸フィルムを使用し、実施例1と同様の方法で実施し、逐次2軸延伸を行った。二次延伸破断時の延伸倍率は3.5倍であった。
【0033】
実施例4
実施例3で得た厚さ120μmの未延伸フィルムから切出した縦92mm、横92mmの試料を、二軸延伸機BIX−703型(岩本製作所製)に取付け、雰囲気温度50、60、70℃で20秒間予熱した後、同温度下、変形速度140mm/秒でフィルムの押出方向に3倍に延伸し、180℃で熱固定した。得られた延伸フィルムの全分子面配向度を測定し、その結果を表1に示した。
また、この未延伸フィルムを使用し、実施例1と同様の方法で実施し、逐次2軸延伸を行った。二次延伸破断時の延伸倍率は3.3倍であった。
【0034】
比較例1
εーカプロラクタム2200gおよび蒸留水110gを仕込み、NBDAおよびアジピン酸を使用しない以外は、実施例1と同様の方法で実施して、ポリアミド(ナイロン6)を得た。このポリアミドのηrは4.05であった。このポリアミドから実施例1と同様の方法で実施して、得た延伸フィルムの全分子面配向度を測定した。結果を表1に示した。
また、この未延伸フィルムを使用し、実施例1と同様の方法で実施し、逐次2軸延伸を行った。二次延伸破断時の延伸倍率は1.4倍であった。
【0035】
比較例2
NBDAの代りにヘキサメチレンジアミンを用い、εーカプロラクタム2200g、ヘキサメチレンジアミン30.1g、アジピン酸38.9gおよび蒸留水119gを仕込んだ以外は、実施例1と同様の方法で実施して、ポリアミド(ナイロン6と66の共重合体)を得た。このポリアミドのηrは3.50であった。このポリアミドから実施例1と同様の方法で実施して得た、延伸フィルムの全分子面配向度を測定した。結果を表1に示した。
また、この未延伸フィルムを使用し、実施例1と同様の方法で実施し、逐次2軸延伸を行った。二次延伸破断時の延伸倍率は1.8倍であった。
【0036】
【表1】
【0039】
実施例5
撹拌機、温度計、圧力計、圧力制御装置およびポリマー取出口を備えた5リットルの耐圧容器に6−アミノカプロン酸2000g、NBDA25.8g、アジピン酸24.4gおよび蒸留水100gを仕込み、窒素加圧と放圧を数回繰り返し、耐圧容器内を窒素置換してから270℃まで昇温した。窒素ガスを150ml/分で流しながら、270℃で撹拌下に6時間反応させた。次に、撹拌を停止し、ポリマー取出口から溶融状態のポリアミドを紐状で抜出し、水冷した後、ペレタイズして、1600gのペレットを得た。このペレットを95℃の熱水流通下で12時間洗浄した後、80℃、24時間真空乾燥した。得られたポリアミドのηrは3.53であった。このポリアミドから実施例1と同様の方法で実施し、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、実施例1と同様の方法で一次延伸および二次延伸を行ない、二次延伸破断時の延伸倍率を測定した。二次延伸破断時の延伸倍率は3.8倍であった。
【0040】
【発明の効果】
ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸、ジカルボン酸およびノルボルナンジアミンを含むジアミンから合成されるポリアミドであって、特に、ジアミンの10〜100mol%がノルボルナンジアミンであるポリアミドは延伸性に優れており、該ポリアミドから逐次二軸延伸フィルムが得られる。
Claims (3)
- ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸からなる単位、ジカルボン酸からなる単位、およびノルボルナンジアミンを含むジアミンからなる単位とを含有するポリアミドから製造されてなることを特徴とする逐次二軸延伸フィルム。
- ジアミンの10〜100mol%がノルボルナンジアミンであることを特徴とする請求項1記載の逐次二軸延伸フィルム。
- ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸50〜99.8mol%、ジカルボン酸0.1〜25mol%、ジアミン0.1〜25mol%からなるポリアミドであって、該ジアミンの10〜100mol%がノルボルナンジメチルアミンであるポリアミドから製造されてなることを特徴とする逐次二軸延伸フィルム。
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