JP2004175996A - ポリアミド及びそれを用いたポリアミド成形物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、透明性、延伸性、機械的強度、結節強度に優れ、耐受傷性に優れたポリアミド及びそれを用いたポリアミドモノフィラメントやフィルムなどの成形物(成型物)の提供を目的とする。
【解決手段】1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び1種のジカルボン酸との3種からなる成分(a)と、
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミン及びジカルボン酸より選ばれる少なくとも1種の成分(b)とから得られるポリアミドであって、成分(a)と成分(b)が異なることを特徴とするポリアミドを提供すること。
【選択図】 なし
【解決手段】1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び1種のジカルボン酸との3種からなる成分(a)と、
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミン及びジカルボン酸より選ばれる少なくとも1種の成分(b)とから得られるポリアミドであって、成分(a)と成分(b)が異なることを特徴とするポリアミドを提供すること。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、延伸性、透明性及び耐受傷性に優れるポリアミド及びそのポリアミドを用いて製造されるモノフィラメントやフィルムなどの成形物(成型物)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ラクタム及び/又はアミノカルボン酸と炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンとを含むポリアミド組成物が、延伸性に優れていることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−31761号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ポリアミドモノフィラメントは、テグス、魚網、ガットなどに多用されている。直径0.5mm以上のポリアミドモノフィラメントでは、生産ラインの巻取り過程において、ポリアミドモノフィラメント同士の接触、ポリアミドモノフィラメントと生産ラインの外壁やロールなどの接触などにより、ポリアミドモノフィラメントの表面が傷つき、製品外観が悪化し、商品価値が低くなる場合がある。
本発明は、透明性、延伸性、機械的強度、結節強度に優れ、耐受傷性に優れたポリアミド及びそれを用いたポリアミドモノフィラメントやフィルムなどの成形物(成型物)の提供を目的とする。
特に透明性、柔軟性、機械的強度及び耐受傷性に優れる直径0.5mm以上のポリアミドモノフィラメントやフィルムを製造できるポリアミドの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び1種のジカルボン酸との3種からなる成分(a)と、
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミン及びジカルボン酸より選ばれる少なくとも1種の成分(b)とから得られるポリアミドであって、成分(a)と成分(b)が異なることを特徴とするポリアミドを提供することである。
【0006】
本発明の第二は、ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分70〜96モル%、
ジアミン2〜15モル%、
及びジカルボン酸2〜15モル%とから得られるポリアミドであって、
ジアミンの5〜40モル%が炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンであることを特徴とするポリアミドを提供することである。
【0007】
本発明の第三は、本発明の第一又は第二に記載のポリアミドから製造されることを特徴とするポリアミド成形物を提供することである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のポリアミドは、1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び1種のジカルボン酸との3種からなる成分(a)と、
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミン及びジカルボン酸より選ばれる少なくとも1種の成分(b)とから得られるポリアミドであって、成分(a)と成分(b)が異なることを特徴とするポリアミドである。
本発明のポリアミドは、1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び1種のジカルボン酸との3種からなる成分(a)を含む少なくとも4種の成分から得られるために、透明性、延伸性、機械的強度、結節強度及び耐受傷性に満足するポリアミドを得ることが出来る。
上記の成分(a)と成分(b)が異なるとは、
・成分(a)の1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び1種のジカルボン酸が、
・ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミン及びジカルボン酸より選ばれる成分と異なることをいう。
【0009】
本発明のポリアミドは、
▲1▼少なくとも1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、少なくとも1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び少なくとも1種のジカルボン酸とからなる少なくとも4種の成分とから得られるポリアミド、又は、
▲2▼少なくとも1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、少なくとも1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除く少なくとも1種のジアミン及び少なくとも1種のジカルボン酸とからなる少なくとも4種の成分とから得られるポリアミドが好ましい。
【0010】
本発明のポリアミドは、ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分70〜96モル%、
ジアミン2〜15モル%、及びジカルボン酸2〜15モル%とを重合して得られるポリアミドであって、
ジアミンの5〜40モル%が炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンであることを特徴とするポリアミドである。
本発明では、ジアミンとジカルボン酸とは、ほぼ等モルになるような割合で重合することが好ましい
【0011】
本発明のポリアミドは、好ましくはラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分70〜94モル%、ジアミン3〜15モル%、及びジカルボン酸3〜15モル%とを重合して得られるポリアミド、
さらに好ましくはラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分76〜92モル%、ジアミン4〜12モル%、及びジカルボン酸4〜12モル%とを重合して得られるポリアミド、
特に好ましくはラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分80〜90モル%、ジアミン5〜10モル%、及びジカルボン酸5〜10モル%とを重合して得られるポリアミドであって、
ジアミンの5〜40モル%が炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンであることを特徴とするポリアミドが好ましい。
【0012】
本発明のポリアミドは、
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを所定割合で含むジアミン及びジカルボン酸とを上記の割合で重合することにより、
透明性、延伸性、機械的強度、結節強度及び耐受傷性に満足するポリアミドを得ることが出来る。
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分が上記範囲より少なくなると、真円性、直線強度及び結節強度が低下することがあり、上記範囲より大きくなると透明性、柔軟性、延伸性及び耐受傷性が低下することがある。
ジアミンに含まれる炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンの量が、上記範囲より少ないと延伸性が低下することがあり、上記範囲より大きくなると、直線強度や結節強度などの特性が低下することがある。
【0013】
ジアミンは、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン5〜40モル%を含むジアミンであり、
好ましくは炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン6〜30モル%を含むジアミンであり、
さらに好ましくは炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン7〜25モル%を含むジアミンであり、
特に好ましくは炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン8〜20モル%を含むジアミンが好ましい。
【0014】
ジアミンとジカルボン酸のモル比(ジアミン/ジカルボン酸)は0.9〜1.1の範囲が好ましく、さらに0.93〜1.07の範囲が好ましく、0.95〜1.05の範囲がより好ましく、0.97〜1.03の範囲が特に好ましい。この範囲から外れると高分子量化しにくくなる場合があるため好ましくない。
【0015】
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分としては、化学式(1)及び化学式(2)で表される成分を用いることが出来る。
【化1】
(ここで、R1は炭素数2〜20の炭化水素の分子鎖又は炭素原子2〜20を有するアルキレン基であり、好ましくは炭素数3〜18の炭化水素の分子鎖又は炭素原子3〜18を有するアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数4〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子4〜15を有するアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数10〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子10〜15を有するアルキレン基を示す。)
【化2】
(ここで、R2は炭素数3〜20の炭化水素の分子鎖又は炭素原子3〜20を有するアルキレン基であり、好ましくは炭素数3〜18の炭化水素の分子鎖又は炭素原子3〜18を有するアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数4〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子4〜15を有するアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数10〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子10〜15を有するアルキレン基を示す。)
【0016】
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分としては、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ウンデカラクタム、ω−ドデカラクタム、2−ピロリドンなどのラクタム、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸から選択される少なくとも1種類以上の成分を用いることができる。
特にラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分としては、ε−カプロラクタム、ε−アミノカプロン酸、アミノドデカン酸及びω−ドデカラクタムから選択される成分が好ましい。ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分は、ラクタム又はアミノカルボン酸を単独で使用しても良く、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。これらラクラムとアミノカルボン酸とを併用する場合、任意の割合で混合して使用することが出来る。
【0017】
ジカルボン酸としては、化学式(3)で表される成分を用いることが出来る。
【化3】
(ここで、R3は炭素数0〜20の炭化水素の分子鎖又は炭素原子0〜20を有するアルキレン基、さらに好ましくは炭素数1〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子1〜15を有するアルキレン基であり、より好ましくは炭素数2〜12の炭化水素の分子鎖又は炭素原子2〜12を有するアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数4〜10の炭化水素の分子鎖又は炭素原子4〜10を有するアルキレン基を示し、mは0又は1を示す。)
【0018】
ジカルボン酸としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサンなどの脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸,ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を挙げることが出来る。ジカルボン酸は単独で使用しても良く、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。
特にジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸及び脂環式ジカルボン酸が好ましい。
【0019】
炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン成分としては、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン(以降、「イソホロンジアミン」と記載することがある。)などの脂環に直接メチル基、エチル基などのアルキル基などが結合している分岐脂環族ジアミンを挙げることが出来る。これらの炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンは単独で使用しても良く、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。これらの炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンは、シス体、トランス体のいずれであっても良く、両者を適宜混合して使用しても良い。
【0020】
炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどの脂環式ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン又は芳香族を含むジアミンなどが挙げられ、これらのジアミンは単独で使用しても良く、また、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。
炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミンは、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを含まないジアミンである。
ジカルボン酸成分と、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン成分及び炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミン成分とは、ほぼ等モルの割合で使用することが好ましい。
【0021】
本発明のポリアミドは、等温結晶化法の半結晶化時間が、1.5〜3分の範囲、さらに1.7〜2.8分の範囲、特に1.9〜2.7分の範囲が好ましい。
ポリアミドの半結晶化時間が、上記範囲より小さい場合には耐受傷性が低下することがあり、上記範囲より大きい場合には真円性、直線強度及び結節強度が低下することがある。
【0022】
本発明のポリアミドは、回分式でも、連続式でも製造することができ、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽層式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機などの混練反応押出機など、公知のポリアミド製造装置を用いて製造することができる。ポリアミドの重合方法としては溶融重合、溶液重合や固相重合などの公知の方法を用いることができる。これらの重合方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。
【0023】
ポリアミドの重合の一例を示すと、ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、ジカルボン酸、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミンと、必要に応じて水とを、耐圧容器に仕込み、密封状態で200〜350℃の温度範囲で、加圧下に重縮合した後、圧力を下げて、大気圧下又は減圧下で200〜350℃の温度範囲で重縮合反応を続け、高分子量化することにより、目的のポリアミドを製造することができる。
この際、ジアミンとジカルボン酸はそのまま耐圧容器に仕込んでも良いし、また、ほぼ等モルのジアミンとジカルボン酸とを水やアルコールに混合、溶解させた後、ナイロン塩を生成させ、そのままの状態や濃縮した溶液状態、又は、再結晶により得られる固体状のナイロン塩の形状にして用いても良い。
ポリアミドの重合で使用する水は、酸素を除去したイオン交換水や蒸留水を使用することが望ましく、その使用量はポリアミドを構成する原料100重量部に対して一般的には1〜150重量部が好ましい。
【0024】
高分子量化されたポリアミドは、通常、溶融状態で反応容器から抜き出され、水などで冷却され切断され、ペレット状で得ることが出来る。未反応モノマーを多く含有するポリアミドでは、高分子量化されたポリアミドをさらに、熱水洗浄などの方法で未反応モノマーなどを除去する。その後、モノフィラメントの製造に使用される。
ポリアミドの分子量(ηr)は、1.5〜5.0の範囲、好ましくは2.0〜4.0の範囲の物を用いることが好ましい。なお、ポリアミドの末端基の種類及びその濃度や分子量分布には特別の制約は無い。ポリアミドの相対粘度(ηr)が上記範囲より小さい場合には得られるモノフィラメントの伸びが低くなる場合があり、上記範囲より大きい場合には溶融粘度が高くなり成形性が悪くなる場合があるため好ましくない。
【0025】
ポリアミドを重合する際、必要に応じて、重合促進や酸化防止のため、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸やこれらのアルカリ金属塩などのリン系化合物を添加することができる。これらリン系化合物の添加量は、通常、得ようとするポリアミドに対し50〜3,000ppmである。また、分子量調節や成形加工時の溶融粘度安定化のため、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのアミンや酢酸、安息香酸、ステアリン酸、ヘキサンジオン酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのカルボン酸を添加することができる。これら分子量調節剤の使用量は分子量調節剤の反応性や重合条件により異なるが、最終的に得ようとするポリアミドの相対粘度が1.5〜5.0の範囲になるように、適宜決められる。
【0026】
本発明のポリアミドは、透明性、柔軟性、機械的強度及び耐受傷性に優れるために、未延伸、一軸延伸又は二軸延伸フィルム、未延伸又は延伸のモノフィラメント、繊維などの成形物又は成型物を製造することが出来る。
本発明のポリアミドは、射出成形、圧縮成形、真空成形などによる成形品の製造にも使用可能である。
【0027】
本発明のポリアミドは、ポリアミドモノフィラメントを製造することが出来、特に、直径0.5mm以上のポリアミドモノフィラメントを製造することが出来る。
ポリアミドモノフィラメントは、ポリアミドより通常の方法で製造することが出来る。ポリアミドモノフィラメント製造の一例として、ポリアミドペレットを押出機等によって溶融して紡糸ノズルから押し出し、水、トリクレンなどの冷媒浴中で冷却することにより未延伸糸を製造することができる。この場合紡糸ノズルのフィラメント出口と冷媒液面までの距離は10〜300mm程度保つのが好ましい。
【0028】
上記の未延伸糸は、さらに延伸と熱処理を行う。本発明では、延伸は2段で行うことが好ましい。2段延伸は、第1段目の延伸が水蒸気中又は熱水中で3〜4.5倍に延伸することが好ましい。水蒸気中で延伸する場合は、95〜120℃の温度範囲、さらに100〜110℃の温度範囲が好ましい。水蒸気の温度が高すぎる場合、あるいは延伸倍率が大きすぎる場合には、得られるモノフィラメントの結節強度が低くなり、透明性が悪くなる場合がある。また水蒸気の温度が低すぎる場合、あるいは延伸倍率が小さすぎる場合には得られるモノフィラメントの直線強度が低くなる場合があり好ましくない。
また、熱水中で延伸する場合50〜95℃の温度範囲、さらに60〜90℃の温度範囲が好ましい。熱水の温度が高すぎる場合、あるいは延伸倍率が大きすぎる場合には、得られるモノフィラメントの結節強度が低くなり、透明が悪くなる場合がある。また熱水の温度が低すぎる場合、あるいは延伸倍率が小さすぎる場合には得られるモノフィラメントの直線強度が低くなる場合があり好ましくない。
【0029】
第2段目の延伸は、180〜300℃の気体雰囲気中で、延伸倍率が1.1〜2.5倍、好ましくは1.2〜2.5倍に延伸することが好ましい。気体としてはヘリウム、窒素、アルゴンなどの不活性ガスや空気などを好ましく用いることができる。第2段目の延伸においても、上記の温度範囲、延伸倍率からはずれた場合、第1段目と同様の現象になるので好ましくない。
【0030】
2段延伸したモノフィラメントは、熱処理を行うことが好ましい。2段延伸したモノフィラメントは、160〜320℃、好ましくは160〜350℃の気体雰囲気中で、1.1〜0.9倍、好ましくは0.94〜0.98の捲取比で熱処理を行うことができる。この温度も高すぎると本発明の効果が得られず、逆に高すぎると結節強度が低くなり好ましくない。捲取比があまり小さくすると、モノフィラメントがたるるために、運転が困難となる場合がある。
上記2段延伸及び熱処理において、総合した延伸倍率が4.0〜7.0、好ましくは4.5〜6.5、更に好ましくは5.5〜6.0の範囲が好ましい。
ポリアミドモノフィラメントは、ポリアミドより未延伸糸を製造し、2段延伸及び熱処理を行い、直径0.5〜20mm程度の透明性、延伸性、機械的強度、結節強度に優れ、耐受傷性に優れたモノフィラメントを製造することが出来る。
【0031】
本発明のポリアミドからモノフィラメントを製造する場合、未延伸糸の冷媒として水を使用する場合には、一般式R1−CONH−R2−NHCO−R3(R1、R3は炭素数6以上の有機基、R2は炭素数1〜8の有機基)で示されるビスアマイド化合物、例えばエチレンビスステアロアミド、エチレンビスベヘン酸アミドなどを添加することにより、透明性が改良されるので好ましい。
【0032】
本発明のポリアミドからフィルムを製造する場合、公知のフィルム製造法、例えば、溶融押出機を用いたTダイ法、インフレーション法、チューブラー法や溶剤キャスト法、熱プレス法などの方法により製造できる。
本発明のポリアミドからモノフィラメントや繊維を製造する場合、公知の溶融紡糸法により製造できる。溶融押出機を用いた方法や溶融紡糸法でのポリアミドの溶融温度は、使用するポリアミドの融点〜320℃である。
【0033】
本発明のポリアミドから逐次二軸延伸法でフィルムを製造する場合、ポリアミドに、必要に応じてステアリン酸カルシウム、ビスアミド化合物、シリカ、タルクなどの滑剤、スリップ剤、核剤などを添加した後、Tダイを備えた押出機でポリアミドを溶融押出して、未延伸フィルムを成形する。未延伸フィルムは引続き、連続した工程で延伸しても良いし、一旦、巻き取ってから延伸しても良い。延伸は使用するポリアミドのガラス転移温度(以下、「Tg」と記載する)以上の温度で実施され、一次延伸は、Tg〜(Tg+50)℃の温度範囲で延伸倍率2倍〜5倍、好ましくは、2.5〜4倍に延伸され、次いで、二次延伸は一次延伸と同じ温度かそれよりやや高い温度で、延伸倍率2倍〜5倍、好ましくは、2.5〜4倍に延伸された後、150℃以上の温度で熱固定される工程で、逐次二軸延伸フィルムは製造される。
【0034】
本発明の効果が阻害されない範囲で、本発明のポリアミドに熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、顔料、染料、香料、補強材などを添加することが出来る。
【0035】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。尚、実施例及び比較例中に示した測定値は以下の方法で測定した。
【0036】
1)ポリアミドのηr(相対粘度)の測定:JIS・K6920に準じ、96重量%の濃硫酸を溶媒として、1重量/容量%のポリアミド濃度で、ウベローデ粘度計を用い、25℃の温度で測定した。
【0037】
2)全分子面配向度(P)の測定:60℃に温度調節された二軸延伸機BIX−703型(岩本製作所製)の延伸槽に、縦92mm、横92mmの未延伸の試料フィルムを取付け、60℃で20秒間予熱した後、フィルムの押出方向に35mm/秒の変形速度で3倍に延伸し、冷風で3分間保持して全分子面配向度測定に使用する。延伸フィルムは、測定まで吸湿しないようにアルミ袋に入れ0℃以下で保管する。この延伸フィルムの延伸方向の屈折率(Nx)、幅方向の屈折率(Ny)及び厚み方向の屈折率(Nz)を、自動複屈折計KOBRA−21ADH型(王子計測機器製)で測定し、数式(1)から全分子面配向度(P)を求める。Pの値は小さいほど、ポリアミド分子の配向が小さく、延伸性は良くなる。
【数1】
(ここで、Pは延伸フィルムの全分子面配向度、Nxはフィルムの延伸方向の屈折率、Nyはフィルムの幅方向の屈折率、Nzは厚み方向の屈折率を示す。)
この未延伸フィルムは、延伸又は評価するまで吸湿しないようにアルミ袋に入れ0℃以下で保管する。
【0038】
3)融点:セイコー電子工業(株)製DSC210型を用い、窒素ガス雰囲気下に試料のポリアミドを昇温速度10℃/minで室温から250℃まで加熱し、250℃で10分間保持した後、10℃/minの速度で30℃まで冷却した直後、再度10℃/minで250℃まで加熱し、再度加熱した過程に得られる吸熱ピークに達する時の温度を融点とする。
【0039】
4)半結晶化時間:パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC・TAC−7型を用い、窒素ガス雰囲気下にて試料のポリアミドを昇温速度20℃/minで、室温から250℃まで加熱し、250℃で10分間保持した後、500℃/minの速度で冷却し、過冷却温度で冷却を中止し、過冷却温度で保持すると同時に測定を開始する。得られた発熱ピークの総面積の半分に相当する測定経過時間(分)を半結晶化時間(分)とする。発熱ピークの総面積、測定経過時間及び半結晶化時間は、パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC・TAC−7型に付属のソフトを用いて算出する。
過冷却温度は、ポリアミドの融点から40℃低い温度とする。
【0040】
5)直線強度、結節強度の測定:JIS・L1070に準じて行う。
6)透明性:透明性は目視により観察を行い、以下の基準で評価する。
◎:透明性は極めて優れている、○:透明性は優れている、×:不透明。
【0041】
7)耐受傷性(ΔHz):耐受傷性の評価は、全分子面配向度(P)の測定で用いる未延伸フィルムを用いて行う。東洋精機製作所製テーバー摩耗試験機 ROTARY ABRASION TESTERを用い、120μmの未延伸フィルムをターンテーブルに取付け、CS17の摩耗輪を用い、加重500g条件下にてフィルム面を70rpmにて50回転させ、摩耗箇所のヘイズを測定する。
耐受傷性(ΔHz)は、未延伸フィルムの摩耗前後のヘイズの差
(ΔHz=Hz1−Hz0)とする。
ここで、Hz1は摩耗後のヘイズであり、Hz0は摩耗前のヘイズである。△Hzが小さい程、耐受傷性に優れる。
尚、ヘイズは、スガ試験機(株)製DIGITAL HAZE COMPUTER HGM−2DP型で測定する。
8)耐受傷性:フィラメントの耐受傷性は目視により観察を行い、以下の基準で評価する。
◎:傷が極めて小さく曇っていない、
○:傷が小さく大よそ曇っていない、
△:傷が目立ち多少曇っている。
【0042】
(実施例1)(ポリアミドの製造)
70Lのオ−トクレ−ブにε−カプロラクタム16.4kg(84.3モル%)、ヘキサメチレンジアミン1.42kg(7.1モル%)、イソホロンジアミン0.215kg(0.8モル%)、アジピン酸1.605kg(7.8モル%)及び蒸留水4.0kgを仕込み、重合槽内を窒素置換したのち、密閉して180℃まで昇温し、次いで攪拌しながら重合槽内を17.5kgf/cm2Gに調圧しながら、重合槽内温度を240℃まで昇温した。重合温度が240℃に達して2時間後に重合槽内の圧力を約2時間かけて常圧に放圧した。放圧後、窒素気流下で1時間重合した後、2時間減圧重合を行った。窒素を導入して常圧に復圧後、攪拌機を止めて、ポリアミドをストランドとして抜き出しペレット化した。
得られたポリアミドのペレットを沸騰水中に入れ、攪拌下に約6時間、洗浄して未反応モノマーを抽出除去した後、40℃で72時間減圧乾燥した。得られたポリアミドは、相対粘度が3.88であり、融点が190.2℃であった。
【0043】
(モノフィラメントの製造及び評価)
ポリアミドモノフィラメントは、
▲1▼ポリアミドのペレットにエチレンビスステアロアマイドを1000ppm、滑剤としてステアリン酸カルシウムを300ppmブレンドし、
▲2▼ユニプラス社製CS−40−26N型の押出機を用い、シリンダー温度260〜280℃で押出し、
▲3▼水冷し、
▲4▼100℃のスチームゾーン中、延伸倍率3.80倍で1段目の延伸を行い、
▲5▼200℃の加熱ゾーン中、延伸倍率1.44倍で2段目の延伸を行い、
▲6▼200℃の熱固定ゾーン中、捲き取り比0.95で熱固定を行い、
これら▲1▼から▲6▼の操作を連続して行い製造し、総合延伸倍率5.5倍であり、得られるモノフィラメントの直径は、2.0mmであった。
さらに上記▲5▼の延伸倍率を1.58倍で行った以外は、上記▲1▼から▲6▼の操作を連続して行い、総合延伸倍率6.0倍で、直径が2.0mmのモノフィラメントを製造した。
得られたモノフィラメントの評価を行い、結果を表1に示す。
【0044】
(フィルムの製造及び評価)
未延伸フィルムは、ポリアミド1500gにステアリン酸カルシウム0.45gを混合してコートハンガー型のTダイを備えた二軸押出機(東洋精機製作所製、ラボプラストミル2D25S型)に供給し、260℃で溶融混練して、約45℃に制御された冷却ロール上に押出し、厚さ120μmの未延伸フィルムを製造した。この未延伸フィルムは、延伸又は評価するまで吸湿しないようにアルミ袋に入れ0℃以下で保管した。
得られた未延伸及び延伸フィルムの評価を行い、結果を表2に示す。
【0045】
(実施例2)(ポリアミドの製造)
ε−カプロラクタムを16.4kg(84.5モル%)、ヘキサメチレンジアミン1.20kg(6.0モル%)、イソホロンジアミン0.484kg(1.8モル%)、アジピン酸1.916kg(7.7モル%)及び蒸留水4.0kgを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、相対粘度が3.86、融点が189.7℃のポリアミドを得た。
実施例1のモノフィラメントの製造と同様にして、総合延伸倍率5.5倍及び6.0倍で、直径が2.0mmのモノフィラメントを製造し、評価を行い、結果を表1に示す。
実施例1のフィルムの製造と同様にして、フィルムを製造し、未延伸及び延伸フィルムの評価を行い、結果を表2に示す。
【0046】
(比較例1)
ε−カプロラクタムを18.9kg(96.0モル%)、イソホロンジアミン0.591kg(2.0モル%)、アジピン酸0.509kg(2.0モル%)及び蒸留水4.0kgを使用し、ヘキサメチレンジアミンを使用しない以外は、実施例1と同様の方法で実施し、相対粘度3.83、融点が213.1℃のポリアミドを得た。
実施例1のモノフィラメントの製造と同様にして、総合延伸倍率5.5倍及び6.0倍で、直径が2.0mmのモノフィラメントを製造し、評価を行い、結果を表1に示す。
実施例1のフィルムの製造と同様にして、フィルムを製造し、未延伸及び延伸フィルムの評価を行い、結果を表2に示す。
【0047】
(比較例2)
ε−カプロラクタムを16.0kg(82.4モル%)、ヘキサメチレンジアミン1.77kg(8.8モル%)、アジピン酸2.23kg(8.8モル%)及び蒸留水4.0kgを仕込み、イソホロンジアミンを使用しない以外は、実施例1と同様の方法で実施し、相対粘度3.90、融点が191.1℃のポリアミドを得た。
実施例1のモノフィラメントの製造と同様にして、総合延伸倍率5.5倍及び6.0倍で、直径が2.0mmのモノフィラメントを製造し、評価を行い、結果を表1に示す。
実施例1のフィルムの製造と同様にして、フィルムを製造し、未延伸及び延伸フィルムの評価を行い、結果を表2に示す。
【0048】
(比較例3)
εーカプロラクタムを17.0kg(89.1モル%)、ヘキサメチレンジアミン0.66kg(3.4モル%)、アジピン酸0.84kg(3.4モル%)、12−アミノドデカン酸1.5kg(4.1モル%)および蒸留水4.0kgを仕込み、イソホロンジアミンを使用しない以外は、実施例1と同様の方法で実施し、相対粘度3.85、融点が194.6℃のポリアミドを得た。
実施例1のモノフィラメントの製造と同様にして、総合延伸倍率5.5倍及び6.0倍で、直径が2.0mmのモノフィラメントを製造し、評価を行い、結果を表1に示す。
実施例1のフィルムの製造と同様にして、フィルムを製造し、未延伸及び延伸フィルムの評価を行い、結果を表2に示す。
【0049】
(比較例4)
εーカプロラクタムを15.7kg(85.1モル%)、ヘキサメチレンジアミン0.49kg(2.6モル%)、アジピン酸0.61kg(2.6モル%)、11−アミノウンデカン酸3.2kg(9.7モル%)および蒸留水4.0kgを仕込み、イソホロンジアミンを使用しない以外は、実施例1と同様の方法で実施し、相対粘度3.85、融点が191.4℃のポリアミドを得た。
実施例1のモノフィラメントの製造と同様にして、総合延伸倍率5.5倍及び6.0倍で、直径が2.0mmのモノフィラメントを製造し、評価を行い、結果を表1に示す。
実施例1のフィルムの製造と同様にして、フィルムを製造し、未延伸及び延伸フィルムの評価を行い、結果を表2に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】
本発明は、透明性、延伸性、機械的強度、結節強度に優れ、耐受傷性に優れたポリアミド及びそれを用いたポリアミド成形物又は成型物を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、延伸性、透明性及び耐受傷性に優れるポリアミド及びそのポリアミドを用いて製造されるモノフィラメントやフィルムなどの成形物(成型物)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ラクタム及び/又はアミノカルボン酸と炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンとを含むポリアミド組成物が、延伸性に優れていることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−31761号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ポリアミドモノフィラメントは、テグス、魚網、ガットなどに多用されている。直径0.5mm以上のポリアミドモノフィラメントでは、生産ラインの巻取り過程において、ポリアミドモノフィラメント同士の接触、ポリアミドモノフィラメントと生産ラインの外壁やロールなどの接触などにより、ポリアミドモノフィラメントの表面が傷つき、製品外観が悪化し、商品価値が低くなる場合がある。
本発明は、透明性、延伸性、機械的強度、結節強度に優れ、耐受傷性に優れたポリアミド及びそれを用いたポリアミドモノフィラメントやフィルムなどの成形物(成型物)の提供を目的とする。
特に透明性、柔軟性、機械的強度及び耐受傷性に優れる直径0.5mm以上のポリアミドモノフィラメントやフィルムを製造できるポリアミドの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び1種のジカルボン酸との3種からなる成分(a)と、
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミン及びジカルボン酸より選ばれる少なくとも1種の成分(b)とから得られるポリアミドであって、成分(a)と成分(b)が異なることを特徴とするポリアミドを提供することである。
【0006】
本発明の第二は、ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分70〜96モル%、
ジアミン2〜15モル%、
及びジカルボン酸2〜15モル%とから得られるポリアミドであって、
ジアミンの5〜40モル%が炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンであることを特徴とするポリアミドを提供することである。
【0007】
本発明の第三は、本発明の第一又は第二に記載のポリアミドから製造されることを特徴とするポリアミド成形物を提供することである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のポリアミドは、1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び1種のジカルボン酸との3種からなる成分(a)と、
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミン及びジカルボン酸より選ばれる少なくとも1種の成分(b)とから得られるポリアミドであって、成分(a)と成分(b)が異なることを特徴とするポリアミドである。
本発明のポリアミドは、1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び1種のジカルボン酸との3種からなる成分(a)を含む少なくとも4種の成分から得られるために、透明性、延伸性、機械的強度、結節強度及び耐受傷性に満足するポリアミドを得ることが出来る。
上記の成分(a)と成分(b)が異なるとは、
・成分(a)の1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び1種のジカルボン酸が、
・ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミン及びジカルボン酸より選ばれる成分と異なることをいう。
【0009】
本発明のポリアミドは、
▲1▼少なくとも1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、少なくとも1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び少なくとも1種のジカルボン酸とからなる少なくとも4種の成分とから得られるポリアミド、又は、
▲2▼少なくとも1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、少なくとも1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除く少なくとも1種のジアミン及び少なくとも1種のジカルボン酸とからなる少なくとも4種の成分とから得られるポリアミドが好ましい。
【0010】
本発明のポリアミドは、ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分70〜96モル%、
ジアミン2〜15モル%、及びジカルボン酸2〜15モル%とを重合して得られるポリアミドであって、
ジアミンの5〜40モル%が炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンであることを特徴とするポリアミドである。
本発明では、ジアミンとジカルボン酸とは、ほぼ等モルになるような割合で重合することが好ましい
【0011】
本発明のポリアミドは、好ましくはラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分70〜94モル%、ジアミン3〜15モル%、及びジカルボン酸3〜15モル%とを重合して得られるポリアミド、
さらに好ましくはラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分76〜92モル%、ジアミン4〜12モル%、及びジカルボン酸4〜12モル%とを重合して得られるポリアミド、
特に好ましくはラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分80〜90モル%、ジアミン5〜10モル%、及びジカルボン酸5〜10モル%とを重合して得られるポリアミドであって、
ジアミンの5〜40モル%が炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンであることを特徴とするポリアミドが好ましい。
【0012】
本発明のポリアミドは、
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを所定割合で含むジアミン及びジカルボン酸とを上記の割合で重合することにより、
透明性、延伸性、機械的強度、結節強度及び耐受傷性に満足するポリアミドを得ることが出来る。
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分が上記範囲より少なくなると、真円性、直線強度及び結節強度が低下することがあり、上記範囲より大きくなると透明性、柔軟性、延伸性及び耐受傷性が低下することがある。
ジアミンに含まれる炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンの量が、上記範囲より少ないと延伸性が低下することがあり、上記範囲より大きくなると、直線強度や結節強度などの特性が低下することがある。
【0013】
ジアミンは、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン5〜40モル%を含むジアミンであり、
好ましくは炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン6〜30モル%を含むジアミンであり、
さらに好ましくは炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン7〜25モル%を含むジアミンであり、
特に好ましくは炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン8〜20モル%を含むジアミンが好ましい。
【0014】
ジアミンとジカルボン酸のモル比(ジアミン/ジカルボン酸)は0.9〜1.1の範囲が好ましく、さらに0.93〜1.07の範囲が好ましく、0.95〜1.05の範囲がより好ましく、0.97〜1.03の範囲が特に好ましい。この範囲から外れると高分子量化しにくくなる場合があるため好ましくない。
【0015】
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分としては、化学式(1)及び化学式(2)で表される成分を用いることが出来る。
【化1】
(ここで、R1は炭素数2〜20の炭化水素の分子鎖又は炭素原子2〜20を有するアルキレン基であり、好ましくは炭素数3〜18の炭化水素の分子鎖又は炭素原子3〜18を有するアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数4〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子4〜15を有するアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数10〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子10〜15を有するアルキレン基を示す。)
【化2】
(ここで、R2は炭素数3〜20の炭化水素の分子鎖又は炭素原子3〜20を有するアルキレン基であり、好ましくは炭素数3〜18の炭化水素の分子鎖又は炭素原子3〜18を有するアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数4〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子4〜15を有するアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数10〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子10〜15を有するアルキレン基を示す。)
【0016】
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分としては、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ウンデカラクタム、ω−ドデカラクタム、2−ピロリドンなどのラクタム、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸から選択される少なくとも1種類以上の成分を用いることができる。
特にラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分としては、ε−カプロラクタム、ε−アミノカプロン酸、アミノドデカン酸及びω−ドデカラクタムから選択される成分が好ましい。ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分は、ラクタム又はアミノカルボン酸を単独で使用しても良く、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。これらラクラムとアミノカルボン酸とを併用する場合、任意の割合で混合して使用することが出来る。
【0017】
ジカルボン酸としては、化学式(3)で表される成分を用いることが出来る。
【化3】
(ここで、R3は炭素数0〜20の炭化水素の分子鎖又は炭素原子0〜20を有するアルキレン基、さらに好ましくは炭素数1〜15の炭化水素の分子鎖又は炭素原子1〜15を有するアルキレン基であり、より好ましくは炭素数2〜12の炭化水素の分子鎖又は炭素原子2〜12を有するアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数4〜10の炭化水素の分子鎖又は炭素原子4〜10を有するアルキレン基を示し、mは0又は1を示す。)
【0018】
ジカルボン酸としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサンなどの脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸,ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を挙げることが出来る。ジカルボン酸は単独で使用しても良く、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。
特にジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸及び脂環式ジカルボン酸が好ましい。
【0019】
炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン成分としては、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン(以降、「イソホロンジアミン」と記載することがある。)などの脂環に直接メチル基、エチル基などのアルキル基などが結合している分岐脂環族ジアミンを挙げることが出来る。これらの炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンは単独で使用しても良く、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。これらの炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンは、シス体、トランス体のいずれであっても良く、両者を適宜混合して使用しても良い。
【0020】
炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどの脂環式ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン又は芳香族を含むジアミンなどが挙げられ、これらのジアミンは単独で使用しても良く、また、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。
炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミンは、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを含まないジアミンである。
ジカルボン酸成分と、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン成分及び炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミン成分とは、ほぼ等モルの割合で使用することが好ましい。
【0021】
本発明のポリアミドは、等温結晶化法の半結晶化時間が、1.5〜3分の範囲、さらに1.7〜2.8分の範囲、特に1.9〜2.7分の範囲が好ましい。
ポリアミドの半結晶化時間が、上記範囲より小さい場合には耐受傷性が低下することがあり、上記範囲より大きい場合には真円性、直線強度及び結節強度が低下することがある。
【0022】
本発明のポリアミドは、回分式でも、連続式でも製造することができ、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽層式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機などの混練反応押出機など、公知のポリアミド製造装置を用いて製造することができる。ポリアミドの重合方法としては溶融重合、溶液重合や固相重合などの公知の方法を用いることができる。これらの重合方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。
【0023】
ポリアミドの重合の一例を示すと、ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、ジカルボン酸、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミンと、必要に応じて水とを、耐圧容器に仕込み、密封状態で200〜350℃の温度範囲で、加圧下に重縮合した後、圧力を下げて、大気圧下又は減圧下で200〜350℃の温度範囲で重縮合反応を続け、高分子量化することにより、目的のポリアミドを製造することができる。
この際、ジアミンとジカルボン酸はそのまま耐圧容器に仕込んでも良いし、また、ほぼ等モルのジアミンとジカルボン酸とを水やアルコールに混合、溶解させた後、ナイロン塩を生成させ、そのままの状態や濃縮した溶液状態、又は、再結晶により得られる固体状のナイロン塩の形状にして用いても良い。
ポリアミドの重合で使用する水は、酸素を除去したイオン交換水や蒸留水を使用することが望ましく、その使用量はポリアミドを構成する原料100重量部に対して一般的には1〜150重量部が好ましい。
【0024】
高分子量化されたポリアミドは、通常、溶融状態で反応容器から抜き出され、水などで冷却され切断され、ペレット状で得ることが出来る。未反応モノマーを多く含有するポリアミドでは、高分子量化されたポリアミドをさらに、熱水洗浄などの方法で未反応モノマーなどを除去する。その後、モノフィラメントの製造に使用される。
ポリアミドの分子量(ηr)は、1.5〜5.0の範囲、好ましくは2.0〜4.0の範囲の物を用いることが好ましい。なお、ポリアミドの末端基の種類及びその濃度や分子量分布には特別の制約は無い。ポリアミドの相対粘度(ηr)が上記範囲より小さい場合には得られるモノフィラメントの伸びが低くなる場合があり、上記範囲より大きい場合には溶融粘度が高くなり成形性が悪くなる場合があるため好ましくない。
【0025】
ポリアミドを重合する際、必要に応じて、重合促進や酸化防止のため、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸やこれらのアルカリ金属塩などのリン系化合物を添加することができる。これらリン系化合物の添加量は、通常、得ようとするポリアミドに対し50〜3,000ppmである。また、分子量調節や成形加工時の溶融粘度安定化のため、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのアミンや酢酸、安息香酸、ステアリン酸、ヘキサンジオン酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのカルボン酸を添加することができる。これら分子量調節剤の使用量は分子量調節剤の反応性や重合条件により異なるが、最終的に得ようとするポリアミドの相対粘度が1.5〜5.0の範囲になるように、適宜決められる。
【0026】
本発明のポリアミドは、透明性、柔軟性、機械的強度及び耐受傷性に優れるために、未延伸、一軸延伸又は二軸延伸フィルム、未延伸又は延伸のモノフィラメント、繊維などの成形物又は成型物を製造することが出来る。
本発明のポリアミドは、射出成形、圧縮成形、真空成形などによる成形品の製造にも使用可能である。
【0027】
本発明のポリアミドは、ポリアミドモノフィラメントを製造することが出来、特に、直径0.5mm以上のポリアミドモノフィラメントを製造することが出来る。
ポリアミドモノフィラメントは、ポリアミドより通常の方法で製造することが出来る。ポリアミドモノフィラメント製造の一例として、ポリアミドペレットを押出機等によって溶融して紡糸ノズルから押し出し、水、トリクレンなどの冷媒浴中で冷却することにより未延伸糸を製造することができる。この場合紡糸ノズルのフィラメント出口と冷媒液面までの距離は10〜300mm程度保つのが好ましい。
【0028】
上記の未延伸糸は、さらに延伸と熱処理を行う。本発明では、延伸は2段で行うことが好ましい。2段延伸は、第1段目の延伸が水蒸気中又は熱水中で3〜4.5倍に延伸することが好ましい。水蒸気中で延伸する場合は、95〜120℃の温度範囲、さらに100〜110℃の温度範囲が好ましい。水蒸気の温度が高すぎる場合、あるいは延伸倍率が大きすぎる場合には、得られるモノフィラメントの結節強度が低くなり、透明性が悪くなる場合がある。また水蒸気の温度が低すぎる場合、あるいは延伸倍率が小さすぎる場合には得られるモノフィラメントの直線強度が低くなる場合があり好ましくない。
また、熱水中で延伸する場合50〜95℃の温度範囲、さらに60〜90℃の温度範囲が好ましい。熱水の温度が高すぎる場合、あるいは延伸倍率が大きすぎる場合には、得られるモノフィラメントの結節強度が低くなり、透明が悪くなる場合がある。また熱水の温度が低すぎる場合、あるいは延伸倍率が小さすぎる場合には得られるモノフィラメントの直線強度が低くなる場合があり好ましくない。
【0029】
第2段目の延伸は、180〜300℃の気体雰囲気中で、延伸倍率が1.1〜2.5倍、好ましくは1.2〜2.5倍に延伸することが好ましい。気体としてはヘリウム、窒素、アルゴンなどの不活性ガスや空気などを好ましく用いることができる。第2段目の延伸においても、上記の温度範囲、延伸倍率からはずれた場合、第1段目と同様の現象になるので好ましくない。
【0030】
2段延伸したモノフィラメントは、熱処理を行うことが好ましい。2段延伸したモノフィラメントは、160〜320℃、好ましくは160〜350℃の気体雰囲気中で、1.1〜0.9倍、好ましくは0.94〜0.98の捲取比で熱処理を行うことができる。この温度も高すぎると本発明の効果が得られず、逆に高すぎると結節強度が低くなり好ましくない。捲取比があまり小さくすると、モノフィラメントがたるるために、運転が困難となる場合がある。
上記2段延伸及び熱処理において、総合した延伸倍率が4.0〜7.0、好ましくは4.5〜6.5、更に好ましくは5.5〜6.0の範囲が好ましい。
ポリアミドモノフィラメントは、ポリアミドより未延伸糸を製造し、2段延伸及び熱処理を行い、直径0.5〜20mm程度の透明性、延伸性、機械的強度、結節強度に優れ、耐受傷性に優れたモノフィラメントを製造することが出来る。
【0031】
本発明のポリアミドからモノフィラメントを製造する場合、未延伸糸の冷媒として水を使用する場合には、一般式R1−CONH−R2−NHCO−R3(R1、R3は炭素数6以上の有機基、R2は炭素数1〜8の有機基)で示されるビスアマイド化合物、例えばエチレンビスステアロアミド、エチレンビスベヘン酸アミドなどを添加することにより、透明性が改良されるので好ましい。
【0032】
本発明のポリアミドからフィルムを製造する場合、公知のフィルム製造法、例えば、溶融押出機を用いたTダイ法、インフレーション法、チューブラー法や溶剤キャスト法、熱プレス法などの方法により製造できる。
本発明のポリアミドからモノフィラメントや繊維を製造する場合、公知の溶融紡糸法により製造できる。溶融押出機を用いた方法や溶融紡糸法でのポリアミドの溶融温度は、使用するポリアミドの融点〜320℃である。
【0033】
本発明のポリアミドから逐次二軸延伸法でフィルムを製造する場合、ポリアミドに、必要に応じてステアリン酸カルシウム、ビスアミド化合物、シリカ、タルクなどの滑剤、スリップ剤、核剤などを添加した後、Tダイを備えた押出機でポリアミドを溶融押出して、未延伸フィルムを成形する。未延伸フィルムは引続き、連続した工程で延伸しても良いし、一旦、巻き取ってから延伸しても良い。延伸は使用するポリアミドのガラス転移温度(以下、「Tg」と記載する)以上の温度で実施され、一次延伸は、Tg〜(Tg+50)℃の温度範囲で延伸倍率2倍〜5倍、好ましくは、2.5〜4倍に延伸され、次いで、二次延伸は一次延伸と同じ温度かそれよりやや高い温度で、延伸倍率2倍〜5倍、好ましくは、2.5〜4倍に延伸された後、150℃以上の温度で熱固定される工程で、逐次二軸延伸フィルムは製造される。
【0034】
本発明の効果が阻害されない範囲で、本発明のポリアミドに熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、顔料、染料、香料、補強材などを添加することが出来る。
【0035】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。尚、実施例及び比較例中に示した測定値は以下の方法で測定した。
【0036】
1)ポリアミドのηr(相対粘度)の測定:JIS・K6920に準じ、96重量%の濃硫酸を溶媒として、1重量/容量%のポリアミド濃度で、ウベローデ粘度計を用い、25℃の温度で測定した。
【0037】
2)全分子面配向度(P)の測定:60℃に温度調節された二軸延伸機BIX−703型(岩本製作所製)の延伸槽に、縦92mm、横92mmの未延伸の試料フィルムを取付け、60℃で20秒間予熱した後、フィルムの押出方向に35mm/秒の変形速度で3倍に延伸し、冷風で3分間保持して全分子面配向度測定に使用する。延伸フィルムは、測定まで吸湿しないようにアルミ袋に入れ0℃以下で保管する。この延伸フィルムの延伸方向の屈折率(Nx)、幅方向の屈折率(Ny)及び厚み方向の屈折率(Nz)を、自動複屈折計KOBRA−21ADH型(王子計測機器製)で測定し、数式(1)から全分子面配向度(P)を求める。Pの値は小さいほど、ポリアミド分子の配向が小さく、延伸性は良くなる。
【数1】
(ここで、Pは延伸フィルムの全分子面配向度、Nxはフィルムの延伸方向の屈折率、Nyはフィルムの幅方向の屈折率、Nzは厚み方向の屈折率を示す。)
この未延伸フィルムは、延伸又は評価するまで吸湿しないようにアルミ袋に入れ0℃以下で保管する。
【0038】
3)融点:セイコー電子工業(株)製DSC210型を用い、窒素ガス雰囲気下に試料のポリアミドを昇温速度10℃/minで室温から250℃まで加熱し、250℃で10分間保持した後、10℃/minの速度で30℃まで冷却した直後、再度10℃/minで250℃まで加熱し、再度加熱した過程に得られる吸熱ピークに達する時の温度を融点とする。
【0039】
4)半結晶化時間:パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC・TAC−7型を用い、窒素ガス雰囲気下にて試料のポリアミドを昇温速度20℃/minで、室温から250℃まで加熱し、250℃で10分間保持した後、500℃/minの速度で冷却し、過冷却温度で冷却を中止し、過冷却温度で保持すると同時に測定を開始する。得られた発熱ピークの総面積の半分に相当する測定経過時間(分)を半結晶化時間(分)とする。発熱ピークの総面積、測定経過時間及び半結晶化時間は、パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC・TAC−7型に付属のソフトを用いて算出する。
過冷却温度は、ポリアミドの融点から40℃低い温度とする。
【0040】
5)直線強度、結節強度の測定:JIS・L1070に準じて行う。
6)透明性:透明性は目視により観察を行い、以下の基準で評価する。
◎:透明性は極めて優れている、○:透明性は優れている、×:不透明。
【0041】
7)耐受傷性(ΔHz):耐受傷性の評価は、全分子面配向度(P)の測定で用いる未延伸フィルムを用いて行う。東洋精機製作所製テーバー摩耗試験機 ROTARY ABRASION TESTERを用い、120μmの未延伸フィルムをターンテーブルに取付け、CS17の摩耗輪を用い、加重500g条件下にてフィルム面を70rpmにて50回転させ、摩耗箇所のヘイズを測定する。
耐受傷性(ΔHz)は、未延伸フィルムの摩耗前後のヘイズの差
(ΔHz=Hz1−Hz0)とする。
ここで、Hz1は摩耗後のヘイズであり、Hz0は摩耗前のヘイズである。△Hzが小さい程、耐受傷性に優れる。
尚、ヘイズは、スガ試験機(株)製DIGITAL HAZE COMPUTER HGM−2DP型で測定する。
8)耐受傷性:フィラメントの耐受傷性は目視により観察を行い、以下の基準で評価する。
◎:傷が極めて小さく曇っていない、
○:傷が小さく大よそ曇っていない、
△:傷が目立ち多少曇っている。
【0042】
(実施例1)(ポリアミドの製造)
70Lのオ−トクレ−ブにε−カプロラクタム16.4kg(84.3モル%)、ヘキサメチレンジアミン1.42kg(7.1モル%)、イソホロンジアミン0.215kg(0.8モル%)、アジピン酸1.605kg(7.8モル%)及び蒸留水4.0kgを仕込み、重合槽内を窒素置換したのち、密閉して180℃まで昇温し、次いで攪拌しながら重合槽内を17.5kgf/cm2Gに調圧しながら、重合槽内温度を240℃まで昇温した。重合温度が240℃に達して2時間後に重合槽内の圧力を約2時間かけて常圧に放圧した。放圧後、窒素気流下で1時間重合した後、2時間減圧重合を行った。窒素を導入して常圧に復圧後、攪拌機を止めて、ポリアミドをストランドとして抜き出しペレット化した。
得られたポリアミドのペレットを沸騰水中に入れ、攪拌下に約6時間、洗浄して未反応モノマーを抽出除去した後、40℃で72時間減圧乾燥した。得られたポリアミドは、相対粘度が3.88であり、融点が190.2℃であった。
【0043】
(モノフィラメントの製造及び評価)
ポリアミドモノフィラメントは、
▲1▼ポリアミドのペレットにエチレンビスステアロアマイドを1000ppm、滑剤としてステアリン酸カルシウムを300ppmブレンドし、
▲2▼ユニプラス社製CS−40−26N型の押出機を用い、シリンダー温度260〜280℃で押出し、
▲3▼水冷し、
▲4▼100℃のスチームゾーン中、延伸倍率3.80倍で1段目の延伸を行い、
▲5▼200℃の加熱ゾーン中、延伸倍率1.44倍で2段目の延伸を行い、
▲6▼200℃の熱固定ゾーン中、捲き取り比0.95で熱固定を行い、
これら▲1▼から▲6▼の操作を連続して行い製造し、総合延伸倍率5.5倍であり、得られるモノフィラメントの直径は、2.0mmであった。
さらに上記▲5▼の延伸倍率を1.58倍で行った以外は、上記▲1▼から▲6▼の操作を連続して行い、総合延伸倍率6.0倍で、直径が2.0mmのモノフィラメントを製造した。
得られたモノフィラメントの評価を行い、結果を表1に示す。
【0044】
(フィルムの製造及び評価)
未延伸フィルムは、ポリアミド1500gにステアリン酸カルシウム0.45gを混合してコートハンガー型のTダイを備えた二軸押出機(東洋精機製作所製、ラボプラストミル2D25S型)に供給し、260℃で溶融混練して、約45℃に制御された冷却ロール上に押出し、厚さ120μmの未延伸フィルムを製造した。この未延伸フィルムは、延伸又は評価するまで吸湿しないようにアルミ袋に入れ0℃以下で保管した。
得られた未延伸及び延伸フィルムの評価を行い、結果を表2に示す。
【0045】
(実施例2)(ポリアミドの製造)
ε−カプロラクタムを16.4kg(84.5モル%)、ヘキサメチレンジアミン1.20kg(6.0モル%)、イソホロンジアミン0.484kg(1.8モル%)、アジピン酸1.916kg(7.7モル%)及び蒸留水4.0kgを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、相対粘度が3.86、融点が189.7℃のポリアミドを得た。
実施例1のモノフィラメントの製造と同様にして、総合延伸倍率5.5倍及び6.0倍で、直径が2.0mmのモノフィラメントを製造し、評価を行い、結果を表1に示す。
実施例1のフィルムの製造と同様にして、フィルムを製造し、未延伸及び延伸フィルムの評価を行い、結果を表2に示す。
【0046】
(比較例1)
ε−カプロラクタムを18.9kg(96.0モル%)、イソホロンジアミン0.591kg(2.0モル%)、アジピン酸0.509kg(2.0モル%)及び蒸留水4.0kgを使用し、ヘキサメチレンジアミンを使用しない以外は、実施例1と同様の方法で実施し、相対粘度3.83、融点が213.1℃のポリアミドを得た。
実施例1のモノフィラメントの製造と同様にして、総合延伸倍率5.5倍及び6.0倍で、直径が2.0mmのモノフィラメントを製造し、評価を行い、結果を表1に示す。
実施例1のフィルムの製造と同様にして、フィルムを製造し、未延伸及び延伸フィルムの評価を行い、結果を表2に示す。
【0047】
(比較例2)
ε−カプロラクタムを16.0kg(82.4モル%)、ヘキサメチレンジアミン1.77kg(8.8モル%)、アジピン酸2.23kg(8.8モル%)及び蒸留水4.0kgを仕込み、イソホロンジアミンを使用しない以外は、実施例1と同様の方法で実施し、相対粘度3.90、融点が191.1℃のポリアミドを得た。
実施例1のモノフィラメントの製造と同様にして、総合延伸倍率5.5倍及び6.0倍で、直径が2.0mmのモノフィラメントを製造し、評価を行い、結果を表1に示す。
実施例1のフィルムの製造と同様にして、フィルムを製造し、未延伸及び延伸フィルムの評価を行い、結果を表2に示す。
【0048】
(比較例3)
εーカプロラクタムを17.0kg(89.1モル%)、ヘキサメチレンジアミン0.66kg(3.4モル%)、アジピン酸0.84kg(3.4モル%)、12−アミノドデカン酸1.5kg(4.1モル%)および蒸留水4.0kgを仕込み、イソホロンジアミンを使用しない以外は、実施例1と同様の方法で実施し、相対粘度3.85、融点が194.6℃のポリアミドを得た。
実施例1のモノフィラメントの製造と同様にして、総合延伸倍率5.5倍及び6.0倍で、直径が2.0mmのモノフィラメントを製造し、評価を行い、結果を表1に示す。
実施例1のフィルムの製造と同様にして、フィルムを製造し、未延伸及び延伸フィルムの評価を行い、結果を表2に示す。
【0049】
(比較例4)
εーカプロラクタムを15.7kg(85.1モル%)、ヘキサメチレンジアミン0.49kg(2.6モル%)、アジピン酸0.61kg(2.6モル%)、11−アミノウンデカン酸3.2kg(9.7モル%)および蒸留水4.0kgを仕込み、イソホロンジアミンを使用しない以外は、実施例1と同様の方法で実施し、相対粘度3.85、融点が191.4℃のポリアミドを得た。
実施例1のモノフィラメントの製造と同様にして、総合延伸倍率5.5倍及び6.0倍で、直径が2.0mmのモノフィラメントを製造し、評価を行い、結果を表1に示す。
実施例1のフィルムの製造と同様にして、フィルムを製造し、未延伸及び延伸フィルムの評価を行い、結果を表2に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】
本発明は、透明性、延伸性、機械的強度、結節強度に優れ、耐受傷性に優れたポリアミド及びそれを用いたポリアミド成形物又は成型物を提供することができる。
Claims (3)
- 1種のラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、1種の炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン及び1種のジカルボン酸との3種からなる成分(a)と、
ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミン、炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンを除くジアミン及びジカルボン酸より選ばれる少なくとも1種の成分(b)とから得られるポリアミドであって、成分(a)と成分(b)が異なることを特徴とするポリアミド。 - ポリアミドが、ラクタム及びアミノカルボン酸から選択される成分70〜96モル%、
ジアミン2〜15モル%、
及びジカルボン酸2〜15モル%とから得られるポリアミドであって、
ジアミンの5〜40モル%が炭素数6〜16の分岐脂環族ジアミンであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド。 - 請求項1又は2のいずれか1項に記載のポリアミドから製造されることを特徴とするポリアミド成形物。
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